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公開番号2020099180
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200625
出願番号2019207204
出願日20191115
発明の名称特に車両用の電気機械
出願人マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング,MAHLE International GmbH
代理人特許業務法人前田特許事務所
主分類H02K 9/19 20060101AFI20200529BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】ステータにおけるステータ巻き線の改善された冷却によって特徴付けられる電気機械のための、改善された実施形態を提供する。
【解決手段】電気機械は、電気機械の軸方向Aによって定義される回転軸に関して回転するロータと、導電性のステータ巻き線6を有するステータ2とを含む。さらに、電気機械は、ステータ巻き線を冷却する冷却剤Kが流通する少なくとも1つの、好ましくは複数の冷却流路10を含む。この場合、ステータは、軸方向に延びると共に、ロータの外周方向Uに互いに間隔をおいて配置され、ステータ巻き線を支える。さらに、少なくとも1つの、冷却流路及びステータ巻き線は、外周方向に隣接する2つのステータ歯8の間に形成された少なくとも1つの中間スペース9に配置される。本発明によると、ステータ巻き線から冷却流路に熱を移動するプラスチック11は中間スペースに配置される。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
特に、自動車両のための電気機械(1)であって、
前記電気機械(1)の軸方向(A)によって定義される回転軸(D)に関して回転するロータ(3)と、導電性のステータ巻き線(6)を有するステータ(2)と、
前記ステータ巻き線(6)を冷却する冷却剤(K)が流通する少なくとも1つの冷却流路(10)とを備え、
前記ステータ(2)は、前記軸方向(A)に延びると共に、前記ロータ(3)の外周方向(U)に沿って互いに間隔をおいて配置され、且つ、前記ステータ巻き線(6)を支持し、
少なくとも1つの前記冷却流路(10)及び少なくとも1つの前記ステータ巻き線(6)は、前記外周方向(U)に隣接する2つのステータ歯(8、8a、8b)同士の間に形成された少なくとも1つの中間スペース(9)に配置され、
前記ステータ巻き線(6)から少なくとも1つの前記冷却流路(10)に熱を移動するプラスチック(11)が、前記中間スペース(9)に配置される電気機械。
続きを表示(約 4,400 文字)【請求項2】
請求項1に記載の電気機械において、
前記プラスチック(11)は、前記中間スペース(9)を区画する、2つの隣接する前記ステータ歯(8)の表面部(50、50a、50b、50c)に配置されていることを特徴とする電気機械。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電気機械において、
前記ステータ(2)は、前記ステータ歯(8a、8b)が径方向の内側に突き出すステータ本体(7)を含み、
前記プラスチック(11)は、前記中間スペース(9)を径方向の外側に区画する前記ステータ本体(7)の表面部(50、50a、50b、50c)に配置されていることを特徴とする電気機械。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気機械において、
表面部(50、50a、50b)に配置された前記プラスチック(11)は、電気絶縁性の絶縁層(51)を形成し、且つ、前記中間スペース(9)若しくはステータ本体(7)又はその両方を区画する2つの隣接する前記ステータ歯(8、8a、8b)の表面部を覆うことを特徴とする電気機械。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気機械において、
前記冷却流路(10)は、前記中間スペース(9)における径方向内側端部(56a)又は径方向外側端部(56b)の一領域に配置されていることを特徴とする電気機械。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気機械において、
前記プラスチック(11)は、前記中間スペース(9)に配置された少なくとも1つの位相絶縁(58)を形成し、且つ、前記中間スペース(9)を、径方向内側サブスペース(59a)及び径方向外側サブスペース(59b)に分割し、
これにより、第1位相巻き線(70a)を形成する前記ステータ巻き線(6)の第1導体要素(60a)は、前記径方向内側サブスペース(59a)に配置され、前記第1位相巻き線(70a)と電気的に絶縁された第2位相巻き線(70b)を形成する前記ステータ巻き線(6)の第2導体要素(60b)は、前記径方向外側サブスペース(59b)に配置されることを特徴とする電気機械。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気機械において、
位相絶縁(58)は、前記外周方向(U)に沿って延びると共に、前記プラスチック(11)からなり、且つ、互いに隣接する前記ステータ歯(8a、8b)に配置された2つの絶縁層(51)と接続していることを特徴とする電気機械。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気機械において、
前記ステータ巻き線(6)は、少なくとも1つの第1導体要素(60a)と少なくとも1つの第2導体要素(60b)とを含み、
前記第1導体要素(60a)は、径方向内側サブスペース(59a)に配置され、且つ、電流源の第1同位相と接続するために互いに電気的に接続され、
前記第2導体要素(60b)は、径方向外側サブスペース(59b)に配置され、且つ、前記電流源の第2同位相と接続するために互いに電気的に接続されることを特徴とする電気機械。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気機械において、
少なくとも1つの第1導体要素(60a)若しくは少なくとも1つの第2導体要素(60a)又はその両方、好ましくは、全ての第1導体要素(60a)及び第2導体要素(60a)は、軸方向(A)に垂直な断面において、電気絶縁性及び熱伝導性のプラスチックによって囲まれていることを特徴とする電気機械。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の電気機械において、
少なくとも1つの第1導体要素(60a)若しくは少なくとも1つの第2導体要素(60a)又はその両方は、導電性材料からなる巻き線バー(65a、65b)として形成されていることを特徴とする電気機械。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の電気機械において、
少なくとも1つの巻き線バー(65a、65b)、好ましくは全ての巻き線バー(65a、65b)は、前記軸方向(A)に垂直な断面において、2つの幅狭面(67)及び2つの幅広面(68)を持つ長方形状(66)を有していることを特徴とする電気機械。
【請求項12】
請求項7〜11のいずれか1項に記載の電気機械において、
第1導体要素(60a)は、位相分離(58)によって、第2導体要素(60b)と電気的に絶縁されていることを特徴とする電気機械。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の電気機械において、
前記プラスチック(11)は、前記中間スペース(9)に配置される保護膜(75)を形成し、且つ、前記軸方向(A)に垂直な断面において、前記冷却流路(10)を、少なくとも部分的に、好ましくは全体に区画するか若しくは囲むか又はその両方であることを特徴とする電気機械。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の電気機械において、
保護膜(75)は、前記軸方向(A)に垂直な断面において、前記冷却流路(10)を、径方向の内側若しくは径方向の外側又はその両方に区画することを特徴とする電気機械。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の電気機械において、
保護膜(75)は、前記軸方向(A)に垂直な断面において、前記冷却流路(10)を、前記ステータ(2)の前記外周方向(U)に区画することを特徴とする電気機械。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の電気機械において、
付加的な冷却流路(10)は、前記中間スペース(9)における径方向外側端部(56b)又は径方向内側端部(56a)に配置されていることを特徴とする電気機械。
【請求項17】
請求項16に記載の電気機械において、
前記プラスチック(11)は、前記中間スペース(9)に配置された付加的な保護膜(75)を形成し、且つ、少なくとも部分的に、好ましくは全体に、前記付加的な冷却流路(10)を区画するか又は囲むことを特徴とする電気機械。
【請求項18】
請求項17に記載の電気機械において、
前記付加的な保護膜(75)は、前記軸方向(A)に垂直な断面において、前記付加的な冷却流路(10)を、径方向の内側若しくは径方向の外側又はその両方に区画することを特徴とする電気機械。
【請求項19】
請求項17又は18に記載の電気機械において、
前記付加的な保護膜(75)は、前記軸方向(A)に垂直な断面において、前記付加的な冷却流路(10)を、前記ステータ(2)の前記外周方向(U)に区画するか若しくは囲むか又はその両方であることを特徴とする電気機械。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか1項に記載の電気機械において、
前記ステータ歯(8、8a、8b)の表面部(50、50a、50b、50c)に設けられた前記プラスチック(11)は、電気絶縁性の第1プラスチック材料(K1)によって形成されており、
少なくとも1つの位相絶縁(58)を形成する前記プラスチック(11)は、第2プラスチック材料(K2)によって形成されており、
保護膜(75)若しくは付加的な保護膜(75)又はその両方を形成する前記プラスチック(11)は、前記第2プラスチック材料(K2)によって、又は第3プラスチック材料(K3)によって形成されていることを特徴とする電気機械。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか1項に記載の電気機械において、
第2プラスチック材料(K2)は、電気絶縁性又は導電性に設計され、
及び/又は第3プラスチック材料(K3)は、電気絶縁性又は導電性に設計されることを特徴とする電気機械。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれか1項に記載の電気機械において、
第1プラスチック材料(K1)、第2プラスチック材料(K2)及び第3プラスチック材料(K3)のうち少なくとも1つは、熱可塑性プラスチックであり、
前記第1プラスチック材料(K1)、前記第2プラスチック材料(K2)及び前記第3プラスチック材料(K3)のうち少なくとも1つは、熱硬化性プラスチックであることを特徴とする電気機械。
【請求項23】
請求項1〜22のいずれか1項に記載の電気機械において、
第1プラスチック材料(K1)、第2プラスチック材料(K2)及び第3プラスチック材料(K3)のうち少なくとも2つは、同一の熱伝導度を有し、
及び/又は前記第1プラスチック材料(K1)、前記第2プラスチック材料(K2)、及び前記第3プラスチック材料(K3)のうち少なくとも1つは、異なる熱伝導度を有していることを特徴とする電気機械。
【請求項24】
請求項1〜23のいずれか1項に記載の電気機械において、
第1プラスチック材料(K1)、第2プラスチック材料(K2)及び第3プラスチック材料(K3)のうち少なくとも2つは、同一の材料であり、
及び/又は前記第1プラスチック材料(K1)、前記第2プラスチック材料(K2)、及び前記第3プラスチック材料(K3)のうち少なくとも1つは、異なる材料であることを特徴とする電気機械。
【請求項25】
請求項1〜24のいずれか1項に記載の電気機械において、
前記ステータ巻き線(6)は、分配巻き線の一部であることを特徴とする電気機械。
【請求項26】
請求項1〜25のいずれか1項に記載の電気機械において、
前記プラスチック(11)の熱伝導度、特に、第1プラスチック材料(K1)、第2プラスチック材料(K2)及び第3プラスチック材料(K3)のうち少なくとも1つの熱伝導度は、少なくとも0.5W/mK、好ましくは、少なくとも1W/mKであることを特徴とする電気機械。
【請求項27】
請求項1〜26のいずれか1項に記載の電気機械において、
前記中間スペース(9)は、実質的に、前記プラスチック(11)によって空隙がないように若しくはエアポケットがないように又はその両方により、形成されていることを特徴とする電気機械。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機械に関し、特に車両用の電気機械、及びこのような電気機械を有する車両に関する。
続きを表示(約 8,500 文字)【背景技術】
【0002】
このような電気機械は、一般に、電気モータ又は発電機であってもよい。この電気機械は、外部ロータ又は内部ロータとして設計されてもよい。
【0003】
一般的な電気機械は、例えば、以下の特許文献1に知られている。この電気機械は、内部を囲むハウジングを含み、該ハウジングは、その外周方向において、周囲に延び、且つ、内部を径方向に限定するケースと、一方の軸方向で内部を限定する後部側壁と、他方の軸方向で内部を限定する前部側壁とを有する。該電気機械のステータは、ケースと固定して結合されている。該電気機械のロータはステータ内に配置され、ロータのロータ軸は、前部軸受によって前部側壁に回転可能に搭載されている。
【0004】
従来の電気機械のステータは、典型的には、該電気機械の作動中に電圧が印加されるステータ巻き線を含む。この作動中に熱が生じ、この生じた熱は、過熱及びこれに関連する損傷、さらにはステータの破壊を避けるために、消失しなければならない。このため、従来の電気機械は、ステータを冷却する、特に上記ステータ巻き線を冷却する冷却装置を該電気機械に備える構成が知られている。このような冷却装置は、冷却剤を流通し、且つ、ステータ内のステータ巻き線の近傍に配置された1つ又はそれ以上の冷却流路を含む。ステータ巻き線から冷却剤への熱の移動によって、該ステータからの熱の消失が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
米国特許第5214325号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この場合、ステータから個々の冷却流路を流通する冷却剤への効率的な熱の移動は、無視できない構造的な出費でしか実現され得ないということが不利であることを証明する。とはいえ、これは、電気機械における製造コストに不利な結果をもたらす。
【0007】
従って、本発明の1つの目的は、この不利を大きく、さらには、完全に排除されるように、電気機械の改善された実施形態を提供することにある。この目的は、特に、ステータにおけるステータ巻き線の改善された冷却によって特徴付けられる電気機械のための、改善された実施形態を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、独立請求項における主題によって達成される。好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
【0009】
従って、本発明の基本的な概念は、電気機械におけるステータ巻き線に、該ステータ巻き線と共に冷却流路を埋め込むことである。該冷却流路は、冷却剤が流通可能であり、且つ、典型的には、本質的に電気絶縁性と熱伝導性とが結び付くプラスチック内のステータ巻き線を冷却する。従って、このプラスチックは、一方では、ステータ巻き線から冷却流路を流通する冷却剤への熱を移動させる熱移動媒体として、他方では、ステータ巻き線に対する電気絶縁体として振る舞い得る。ステータ巻き線と冷却流路を通して導かれる冷却剤との間の、とりわけ良好な熱の移動は、これにより格段に生じる。これは、特に、高熱伝導度を有するプラスチックが用いられる場合である。電気絶縁特性を持つプラスチックの利用によって、冷却流路を通して導かれる冷却剤との、電気プラスチックによる望まない電気的短絡(以下、単に短絡と呼ぶ。)が生じないことが、さらに確実となる。
【0010】
さらに、また、ステータの一部としてのステータ歯は、このプラスチックによって、ステータ巻き線との電気的な絶縁も可能となる。
【0011】
冷却剤を含む冷却流路の、本発明に必須であるプラスチックを用いて冷却されるステータ巻き線との直接の熱結合は、従来の冷却装置と比べて、ステータ巻き線の、特に効果的な冷却をもたらす。従って、例えば、該電気機械の高負荷の作動中に生じるような、ステータに無駄な熱(以下、排熱と呼ぶ。)が、著しく発生した場合でさえも、生じた排熱が、ステータから消失できることを確実に行える。従って、ステータの過熱によって生じる損傷、又は該電気機械の破壊でさえも避けることができる。
【0012】
本発明に係る、特に車両のための電気機械は、該電気機械の軸方向によって定義される回転軸に関して回転可能なロータを含む。電気機械は、さらに、導電性のステータ巻き線と、該ステータ巻き線を冷却する冷却剤が流通可能な少なくとも1つの冷却流路とを有するステータとを含む。該ステータは、軸方向に延びるステータ歯を有する。該ステータ歯は、ロータの外周方向に沿って互いに間隔をおいて配置されると共に、ステータ巻き線を支持する。少なくとも1つの冷却流路と少なくとも1つのステータ巻き線とは、外周方向に隣接する2つのステータ歯同士の間に形成された、少なくとも1つの中間スペースに配置されている。本発明によると、ステータ巻き線から冷却流路に熱を移動するプラスチックは、中間スペースに配置される。従って、該プラスチックは、熱伝導性に設計されることが好ましい。また、該プラスチックは、好都合には、電気絶縁性、すなわち電気絶縁性プラスチック材料から構成されるように設計されてもよい。
【0013】
好ましい一実施形態によると、プラスチックは、中間スペースを区画する2つの隣接するステータ歯の内側の表面部における少なくとも一部に配置される。冷却流路とステータ巻き線とは、プラスチックによってステータ歯から各々電気的に絶縁され、且つ、互いに熱伝導的に結合されていることが好ましい。
【0014】
他のさらに好ましい実施形態によると、ステータは、ステータ歯が軸方向の内側に突き出すステータ本体を含む。この実施形態においては、上記で説明した一実施形態と、特に組み合わせてもよく、プラスチックは、中間スペースを径方向の外側で限定するステータ本体の内側の表面部に配置される。
【0015】
この場合、プラスチックは、ステータ歯の中間スペースを、すなわち、当該中間スペースにおける外周方向と径方向の境界とを限定する。望まない電気的接続が、ステータ巻き線の導電性材料とステータ歯との間に生じ得る情況は、導電性の場合と同様に、これにより排除され得る。
【0016】
有利な一展開によると、上記表面部に配置されたプラスチックは、中間スペースを限定する2つの隣接するステータ歯の内側の表面部を覆う、電気絶縁性の絶縁層を形成する。このような、プラスチックから形成された絶縁層は、例えば、射出成形法によって、極めて容易に製造できる。
【0017】
冷却流路は、好都合に、中間スペースにおける径方向の内側の端部の一領域に配置される。これにより、中間スペースにおけるステータ巻き線の配置のための、極めて大きい取り付けスペースが利用できる。これに代えて又はこれに加えて、中間スペースにおける径方向の外側の端部の一領域に、冷却流路を配置することも考えられる。
【0018】
さらに好ましい一実施形態において、上記プラスチックは、中間スペースに配置された少なくとも1つの位相絶縁を形成すると共に、該中間スペースを、径方向の内側のサブスペースと、径方向の外側のサブスペースとにさらに分割する。これにより、互いに電気的に絶縁されたステータ巻き線を構成する導体要素は、双方のサブスペースに配置できる。今度は、これが、互いに電気的に分離されなければならない2つの異なる電気的位相を、互いに電気的に絶縁された2つの導体要素に割り当てることを可能にする。本発明の一展開において、中間スペースに設けられる、このような位相絶縁を複数とすることも考えられる。径方向に測定して、該プラスチックからなる位相絶縁の直径は、適切には、1mmから3mmの間である。
【0019】
位相絶縁は、好都合に外周方向に沿って延びてもよく、従って、プラスチックからなり、互いに隣接するステータ歯に配置される2つの絶縁層を接続してもよい。これにより、形成された2つのサブスペースは、好ましくは電気絶縁性プラスチックによって、完全に区画される。
【0020】
有利な一展開によると、中間スペースに配置された少なくとも1つのステータ巻き線は、少なくとも1つの第1導体要素と少なくとも1つの第2導体要素とを含む。この展開によると、これら2つの導体要素は、中間スペースに、特に好ましくは、径方向に沿って配置される。第1導体要素は、ステータにおける第1電気位相の一部であってもよく、これに応じて、第2導体要素は、ステータにおける第2電気位相の一部であってもよい。好都合に、第1導体要素は、径方向の内側のサブスペースに配置され、且つ、電流源における第1同位相と接続されるために、互いに電気的に接続される。この展開において、第2導体要素は、径方向の外側のサブスペースに配置され、且つ、電流源における第2同位相と接続されるために、互いに電気的に接続される。
【0021】
軸方向に垂直な断面において、少なくとも1つの第1導体要素、及びこれに替えて又はこれに加えて、少なくとも1つの第2導体要素は、本発明に必須である電気絶縁性及び熱伝導性プラスチックによって好都合に囲まれる。これは、全ての第1導体要素、及びこれに替えて又はこれに加えて、全ての第2導体要素の場合に好ましい。
【0022】
第1導体要素、及びこれに替えて又はこれに加えて、第2導体要素は、導電性材料からなる巻き線バーとして、特に好都合に形成されてもよい。
【0023】
有利な一展開によると、少なくとも1つの巻き線バーは、軸方向に垂直な断面において、2つの幅狭面と2つの幅広面とを持つ長方形状を有していてもよい。これは、ステータ巻き線における全ての巻き線バーの場合に好ましい。
【0024】
特に好ましい一実施形態によると、少なくとも1つの第1導体要素は、少なくとも1つの第2導体要素から、上記プラスチックによって電気的に絶縁されている。第1導体要素は、特に好ましくは、径方向の内側のサブスペースを径方向の外側のサブスペースから分離する位相絶縁によって、第2導体要素から電気的に絶縁される。
【0025】
さらに好ましい一実施形態において、上記プラスチックは、中間スペースに配置された保護膜を形成すると共に、軸方向に垂直な断面において、冷却流路を少なくとも部分的に、好ましくはその全体を区画するか又は囲む。「区画」とは、特に、冷却流路にいかなる区画もさらには要求されない、例えば管状体の形の区画をさらに要求されないことを意味すると理解される。「保護膜」とは、特に付加的な区画、例えば、上記の管状体の形にする付加的な区画が、冷却流路に設けられてもよいことを意味すると理解される。該保護膜は、冷却流路を通して導かれる、典型的には導電性である冷却剤が、ステータ巻き線と接触されるようになり、その結果、短絡が生じるという情況を防ぐことができる。ここでのステータ巻き線は、同様に、中間スペースに配置されるか、又は導電性のステータ歯に配置される。
【0026】
有利な一展開によると、保護膜は、冷却流路を径方向の内側に区画し、また、これに代えて又はこれに加えて、軸方向に垂直な断面において径方向の外側に区画する。冷却流路における電気的絶縁、又は中間スペース内における径方向の外側若しくは径方向の内側に配置されたステータ巻き線から冷却流路を通して導かれる冷却剤における電気的絶縁は、これによって生み出される。
【0027】
上記で説明した展開と組む合わせが可能な、さらに有利な一展開によると、保護膜は、軸方向に垂直な断面において冷却流路を外周方向に区画する。これにより、導電性のステータ歯から、冷却流路又は該冷却流路を通して導かれる冷却剤の電気絶縁性が保証される。
【0028】
さらなる冷却流路が、特に中間スペースにおける径方向の外側の端部の一領域に、とりわけ好都合に配置されてもよい。これにより、ステータ巻き線の冷却を大きく改善することができる。
【0029】
他の好ましい実施形態において、該プラスチックは、中間スペースに配置されたさらなる保護膜を、少なくとも部分的に好ましくは全体に、さらなる冷却流路を区画するか又は囲む。
【0030】
さらに有利な一展開によると、さらなる保護膜は、さらなる冷却流路を径方向の内側に区画し、これに代えて又はこれに加えて、軸方向に垂直な断面において、径方向の外側に区画する。
【0031】
さらなる冷却流路の電気絶縁性、又は中間スペースにおける、さらなる冷却流路の径方向の外側若しくは径方向の内側に配置されたステータ巻き線から、さらなる冷却流路を通して導かれる冷却剤の電気絶縁性は、さらなる保護膜によって確実となる。
【0032】
上記で説明した展開との組む合わせが可能な、さらに有利な一展開によると、さらなる保護膜は、軸方向に垂直な断面において、さらなる冷却流路を外周方向に区画する。これにより、さらなる冷却流路又は導電性のステータ歯から、さらなる冷却流路を通して導かれる冷却剤の電気絶縁性が保証される。
【0033】
径方向の内側の端部の一領域に配置された冷却流路は、プラスチックからなる位相絶縁によって形成された径方向の内側のサブスペースに好都合に配置される。これに代えて又はこれに加えて、径方向の外側の端部の一領域に配置された冷却流路は、プラスチックからなる位相絶縁によって形成された径方向の外側のサブスペースに好都合に配置される。これにより、中間スペースの径方向の内側及び径方向の外側の双方に配置されたステータ巻き線を構成する導体要素は、個々の冷却流路を通して導かれる冷却剤への熱の移動によって、高度に効果的に冷却され得る。
【0034】
他の好ましい一実施形態によると、空隙は、少なくとも2つの導体要素同士の間の少なくとも一部に形成され、これに代えて又はこれに加えて、少なくとも1つの導体要素と、ステータ歯若しくはステータ本体の内側の表面部に配置された電気絶縁層との間に形成される。この実施形態において、本発明に必須であるプラスチックは、当該空隙が少なくとも部分的に、好ましくは全体に充填されることによって、空隙充填材を形成する。
【0035】
他の好ましい一実施形態によると、該プラスチックは、ステータ巻き線内において、電気絶縁性プラスチック集合体(mass)を含んでいてもよい。
【0036】
中間スペースは、好都合には、不等辺四辺形状を有していてもよく、好ましくは、軸方向に垂直な断面において、長方形状を有していてもよい。不等辺四辺形状若しくは長方形状は、少なくとも1つの冷却流路と多数の導体要素、又は個々の中間スペースのステータ巻き線への配置を可能にする。
【0037】
好ましい一実施形態によると、ステータ歯の内側の表面部に設けられたプラスチックは、電気絶縁性プラスチックの第1プラスチック材料により形成されている。これに代えて又はこれに加えて、好ましい実施形態においては、少なくとも1つの位相絶縁を形成するプラスチックは、第2プラスチック材料によって形成される。さらに、第1プラスチック及び、これに替えて若しくはこれに加えて、上記さらなる保護膜を形成するプラスチックは、第2プラスチック材料によって、又はこれに替えて第3プラスチック材料によって形成されてもよい。
【0038】
有利な一展開によると、第1プラスチック材料、これに替えて又はこれに加えて第2プラスチック材料、及びこれに替えて又はこれに加えて第3プラスチック材料は、同一材料である。これに代わる一展開において、第1プラスチック材料、これに替えて又はこれに加えて第2プラスチック材料、及びこれに替えて又はこれに加えて第3プラスチック材料は、異なる材料であってもよい。
【0039】
第1プラスチック材料、これに替えて若しくはこれに加えて第2プラスチック材料、及びこれに替えて若しくはこれに加えて第3プラスチック材料は、好都合に、熱可塑性プラスチックからなってもよく、又はこのような熱可塑性プラスチックを含んでもよい。第1プラスチック材料、これに替えて若しくはこれに加えて第2プラスチック材料、及びこれに替えて若しくはこれに加えて第3プラスチック材料は、同様に好都合に、熱硬化性プラスチックからなってもよく、又は熱硬化性プラスチックを含んでもよい。
【0040】
第1プラスチック材料、これに替えて又はこれに加えて第2プラスチック材料、及びこれに替えて又はこれに加えて第3プラスチック材料は、好都合に、同一の熱伝導度を有する。これに替えて又はこれに加えて、第1プラスチック材料、これに替えて若しくはこれに加えて第2プラスチック材料、及びこれに替えて若しくはこれに加えて第3プラスチック材料は、異なる熱伝導度を有していてもよい。
【0041】
第1プラスチック材料、これに替えて又はこれに加えて第2プラスチック材料、及びこれに替えて又はこれに加えて第3プラスチック材料は、同一材料であってもよい。第1プラスチック材料、これに替えて又はこれに加えて第2プラスチック材料、及びこれに替えて又はこれに加えて第3プラスチック材料は、同様であっても、また、それに拘わらず、異なる材料であってもよい。
【0042】
特に好ましい一実施形態によると、少なくとも1つのステータ巻き線は、分配巻き線の一部である。
【0043】
好ましい一実施形態によると、プラスチックの熱伝導度、特に、第1プラスチック材料、これに替えて又はこれに加えて第2プラスチック材料、及びこれに替えて又はこれに加えて第3プラスチック材料の熱伝導度は、少なくとも0.5W/mKであり、好ましくは、少なくとも1W/mKである。
【0044】
さらに好ましい一実施形態において、中間スペースは、実質的に、プラスチックによって空隙がなく形成される。
【0045】
特に、実行が容易な一実施形態において、中間スペースには、単一の冷却流路のみが設けられ、すなわち、第2冷却流路は設けられない。
【0046】
有利な一展開によると、当該電気機械は、冷却剤分配スペースと、上記冷却剤分配スペースと軸方向に間隔をおいて配置された冷却剤収集スペースとを含む。この場合、冷却剤分配スペースは、冷却剤が流通可能な少なくとも1つの冷却流路によって、冷却剤収集スペースと流体的に連通する。
【0047】
好ましい一実施形態によると、冷却剤分配スペースと、これに替えて又はこれに加えて、冷却剤収集スペースとは、ステータ巻き線と熱的に結合するために本発明に必須であるプラスチックに、少なくとも部分的に配置される。この場合に、該プラスチックは、電気絶縁性プラスチック材料により形成される。これにより、冷却剤分配スペース又は冷却剤収集スペースとステータ巻き線との間の極めて良好な熱の移動が可能となり、その結果、冷却剤分配スペース又は冷却剤収集スペースは、ステータ巻き線からの熱を直接に吸収するのに用いられることが可能となる。
【0048】
電気絶縁性プラスチックは、とりわけ好ましくは、ステータ巻き線と熱的に結合するために、冷却剤分配スペースを、これに替えて又はこれに加えて、冷却剤収集スペースを、少なくとも部分的に区画する。
【0049】
本発明は、さらに、上記で示した電気機械を有する車両、特に、自動車両に関する。従って、また、該電気機械の上述した効果は、本発明に係る車両にも適用する。
【0050】
本発明のさらなる重要な特徴及び効果は、従属請求項から、図面から、及び該図面に基づいた関連する図の記述から明らかになる。
(【0051】以降は省略されています)

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