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公開番号2020099154
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200625
出願番号2018237271
出願日20181219
発明の名称電気自動車のためのトルクベクタリング制御を行う動力システム
出願人個人
代理人
主分類B60L 15/20 20060101AFI20200529BHJP(車両一般)
要約【課題】
電気動力またはハイブリッド動力の自動車、特にスポーツカーのための、1つのモータでもトルクベクタリング制御が可能な動力システムを提供することである。
【解決手段】
自動車が直進走行、または直進走行から旋回走行に移行する過渡的な状態の、概略直進走行していて左右の車輪の回転速度が概略等しい状態で、動力を第1出力軸へ直接伝達する第1走行モード、第2出力軸へ直接伝達する第2走行モードの切換えを行う。さらに、動力を第1出力軸と第2出力軸へ直接伝達する第3走行モード、差動機構によって第1出力軸と第2出力軸へ分配伝達する第4走行モードの切換えを行う。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
電気動力またはハイブリッド動力の自動車のための動力システムであって、
前記動力システムは、第1モータ(M1)(13)、第1車輪(左車輪)(18)、第2車輪(右車輪)(19)、前記モータの動力を前記第1車輪と前記第2車輪に伝達する動力伝達装置(20)、操舵制御システム(60)、制御装置(17)を有すること、
前記動力伝達装置は、前記第1モータが接続される第1入力軸(Xi1)(21)、前記第1車輪が接続される第1出力軸(Xo1)(23)、前記第2車輪が接続される第2出力軸(Xo2)(24)を有し、前記第1入力軸の動力を前記第1出力軸へ直接伝達する第1走行モード(100)、前記第1入力軸の動力を前記第2出力軸へ直接伝達する第2走行モード(001)の動力伝達が可能なこと、
前記操舵制御システムは、ステアリングホイール(61)の中立位置を基準とする左右方向の回転角度である操舵角度Aの情報を出力することが可能なこと、
または、前記操舵制御システムは、前車輪の中立位置を基準とする左右方向の回転角度である前輪舵角度Sの情報を出力することが可能なこと、
前記制御装置は、前記第1出力軸の回転速度と前記第2出力軸の回転速度が概略等しい状態で、前記操舵角度Aが右方向閾値角度ATRを超えると、前記動力伝達装置を制御して、前記第1走行モード(100)への切換えを行い、前記操舵角度Aが左方向閾値角度ATLを超えると、前記動力伝達装置を制御して、前記第2走行モード(001)への切換えを行う、出力軸同期切換えトルクベクタリング制御を行うこと、
または、前記制御装置は、前記第1出力軸の回転速度と前記第2出力軸の回転速度が概略等しい状態で、前輪舵角度Sが右方向前輪閾値角度STRを超えると、前記動力伝達装置を制御して、前記第1走行モード(100)への切換え制御を行い、前記車輪角度Sが左方向前輪閾値角度STLを超えると前記第2走行モード(001)への切換え制御を行う、出力軸同期切換えトルクベクタリング制御を行うこと、
「回転速度が概略等しい」とは、第1モータ(M1)12、ドッグクラッチやシンクロ機構付のドッグクラッチの回転速度の同期能力により、トルク抜けと切換えの衝撃のない走行モードの切換えが可能な回転速度差であること、
を特徴とする動力システム。
続きを表示(約 4,800 文字)【請求項2】
請求項1の動力システムにおいて、
前記動力システムは自動運転制御システム(70)を有し、
前記操舵制御システム(60)は、前記自動運転制御システム(70)からの操舵制御情報に基づき、操舵制御を行うとともに、操舵制御を行う前に前輪舵角度Sの予測情報を出力することが可能なこと、
前記制御装置(17)は、前記第1出力軸(Xo1)(23)の回転速度と前記第2出力軸(Xo2)(24)の回転速度が概略等しい状態で、前輪舵角度Sの予測情報を検出し、前記前輪舵角度Sが前記右方向前輪閾値角度STRを超えると、前記動力伝達装置を制御して、前記第1走行モード(100)への切換えを行い、前記前輪舵角度Sが前記左方向前輪閾値角度STLを超えると、前記動力伝達装置を制御して、前記第2走行モード(001)への切換えを行う、出力軸同期切換えトルクベクタリング制御を行うこと、
を特徴とする動力システム。
【請求項3】
請求項1の動力システムにおいて、
前記操舵制御システム(60)は、右旋回走行または左旋回走行であることを示す旋回走行情報を出力することが可能なこと、
前記制御装置(17)は、前記旋回走行情報が右旋回走行を示し、前記第1出力軸(Xo1)(23)の回転速度と前記第2出力軸(Xo2)(24)の回転速度が概略等しい状態で、前記第1走行モード(100)への切換え制御を行い、前記旋回走行情報が左旋回走行を示し、前記第1出力軸の回転速度と前記第2出力軸の回転速度が概略等しい状態で、前記第2走行モード(001)への切換え制御を行う、前記出力軸同期切換えトルクベクタリング制御を行うこと、
を特徴とする動力システム。
【請求項4】
請求項1、2または3の動力システムにおいて、
前記動力伝達装置(20)は、前記第1入力軸(Xi1)(21)と前記第1出力軸(Xo1)(23)の接続と切断を行う第1クラッチ機構(C1)(41)、前記第1入力軸と前記第2出力軸(Xo2)(24)の接続と切断を行う第2クラッチ機構(C2)(42)を有すること、
前記制御装置(17)は、前記第2走行モード(001)から前記第1走行モード(100)へ切換える時には、前記動力伝達装置を制御して、前記第1クラッチ機構の接続と前記第2クラッチ機構の切断を行い、前記第1走行モード(100)から前記第2走行モード(001)へ切換える時には、前記動力伝達装置を制御して、前記第2クラッチ機構の接続と前記第1クラッチ機構の切断を行う、前記出力軸同期切換えトルクベクタリング制御を行うこと、
を特徴とする動力システム。
【請求項5】
請求項1、2または3の動力システムにおいて、
前記動力伝達装置(20)は、前記第1入力軸(Xi1)(21)の動力を前記第1出力軸(Xi1)(21)と前記第2出力軸(Xo2)(24)の双方へ直接伝達する第3走行モード(
101
)の動力伝達が可能なこと、
前記制御装置(17)は、前記第1出力軸の回転速度と前記第2出力軸の回転速度が概略等しい状態で、前記操舵角度A<前記右方向閾値角度ATRまたは前記操舵角度A<前記左方向閾値角度ATLになると、前記動力伝達装置を制御して、前記第3走行モード(
101
)への切換えを行う、出力軸同期切換えトルクベクタリング制御を行うこと、
または、前記制御装置は、前記第1出力軸の回転速度と前記第2出力軸の回転速度が概略等しい状態で、前記前輪舵角度S<前記右方向前輪閾値角度STRまたは前記前輪舵角度S<前記左方向前輪閾値角度STLになると、前記動力伝達装置を制御して、前記第3走行モード(
101
)への切換えを行う、出力軸同期切換えトルクベクタリング制御を行うこと、
を特徴とする動力システム。
【請求項6】
請求項5の動力システムにおいて、
前記動力伝達装置(20)は、前記第1入力軸(Xi1)(21)と前記第1出力軸(Xo1)(23)の接続と切断を行う前記第1クラッチ機構(C1)(41)、前記第1入力軸と前記第2出力軸(Xo2)(24)の接続と切断を行う前記第2クラッチ機構(C2)(42)を有すること、
前記制御装置(17)は、前記第2走行モード(001)または前記第3走行モード(
101
)から前記第1走行モード(100)へ切換える時には、前記動力伝達装置を制御して、前記第1クラッチ機構の接続と前記第2クラッチ機構の切断を行い、前記第1走行モード(100)または前記第3走行モード(
101
)から前記第2走行モード(001)へ切換える時には、前記動力伝達装置を制御して、前記第2クラッチ機構の接続と前記第1クラッチ機構の切断を行い、前記第1走行モード(100)または前記第2走行モード(001)から前記第3走行モード(101)へ切換える時には、前記動力伝達装置を制御して、前記第2クラッチ機構の接続と前記第1クラッチ機構の接続を行う、前記出力軸同期切換えトルクベクタリング制御を行うこと、
を特徴とする動力システム。
【請求項7】
請求項1、2または3の動力システムにおいて、
前記動力伝達装置(20)は、前記第1入力軸(Xi1)(21)の動力を前記第1出力軸(Xi1)(21)と前記第2出力軸(Xo2)(24)へ分配伝達する第4走行モード(010)の動力伝達が可能なこと、
前記制御装置(17)は、前記第1出力軸の回転速度と前記第2出力軸の回転速度が概略等しい状態で、前記操舵角度A<前記右方向閾値角度ATRまたは前記操舵角度A<前記左方向閾値角度ATLになると、前記動力伝達装置を制御して、前記第4走行モード(010)への切換えを行う、出力軸同期切換えトルクベクタリング制御を行うこと、
または、前記制御装置は、前記第1出力軸の回転速度と前記第2出力軸の回転速度が概略等しい状態で、前記前輪舵角度S<前記右方向前輪閾値角度STRまたは前記前輪舵角度S<前記左方向前輪閾値角度STLになると、前記動力伝達装置を制御して、前記第4走行モード(010)への切換えを行う、出力軸同期切換えトルクベクタリング制御を行うこと、
を特徴とする動力システム。
【請求項8】
請求項7の動力システムにおいて、
前記動力伝達装置(20)は、差動機構(Def)(26)、差動機構入力軸(Xid)(27)、第1差動機構出力軸(Xod1)(28)、第2差動機構出力軸(Xod2)(29)、前記第1入力軸(Xi1)(21)と前記第1出力軸(Xo1)(23)の接続と切断を行う前記第1クラッチ機構(C1)(41)、前記第1入力軸と前記第2出力軸(Xo2)(24)の接続と切断を行う前記第2クラッチ機構(C2)(42)、前記第1入力軸と前記差動機構入力軸の接続と切断を行う第3クラッチ機構(C2)(42)を有すること、
前記第1差動機構出力軸は前記第1出力軸と一体であり、前記第2差動機構出力軸は前記第2出力軸と一体であること、
前記制御装置(17)は、前記第2走行モード(001)または前記第4走行モード(010)から前記第1走行モード(100)へ切換える時には、前記動力伝達装置を制御して、前記第1クラッチ機構の接続と前記第2クラッチ機構の切断と前記第3クラッチ機構の切断を行い、前記第1走行モード(100)または前記第4走行モード(010)から前記第2走行モード(001)へ切換える時には、前記動力伝達装置を制御して、前記第2クラッチ機構の接続と前記第1クラッチ機構の切断と前記第3クラッチ機構の切断を行い、前記第2走行モード(001)または前記第1走行モード(100)から前記第4走行モード(010)へ切換える時には、前記動力伝達装置を制御して、前記第3クラッチ機構の接続と前記第1クラッチ機構の切断と前記第2クラッチ機構の切断を行う、前記出力軸同期切換えトルクベクタリング制御を行うこと、
を特徴とする動力システム。
【請求項9】
請求項7の動力システムにおいて、
前記動力伝達装置(20)は、前記差動機構(Def)(26)、前記差動機構入力軸(Xid)(27)、前記第1差動機構出力軸(Xod1)(28)、前記第2差動機構出力軸(Xod2)(29)、デフロッククラッチ機構(DLC)(47)、第1出力軸クラッチ機構(Co1)(48)、第2出力軸クラッチ機構(Co2)(49)を有すること、
前記デフロッククラッチ機構は、前記差動機構入力軸と前記第1差動機構出力軸と前記第2差動機構出力軸のいずれか2つの接続と切断を行い、前記第1出力軸クラッチ機構は、前記第1差動機構出力軸と前記第1出力軸(Xo1)(23)の接続と切断を行い、前記第2出力軸クラッチ機構は、前記第2差動機構出力軸と前記第2出力軸(Xo2)(24)の接続と切断を行うこと、
前記制御装置(17)は、前記第2走行モード(001)または前記第4走行モード(010)から前記第1走行モード(100)へ切換える時には、前記動力伝達装置を制御して、前記デフロッククラッチ機構の接続と前記第1出力軸クラッチ機構の接続と前記第2出力軸クラッチ機構の切断を行い、前記第1走行モード(100)または前記第4走行モード(010)から前記第2走行モード(001)へ切換える時には、前記動力伝達装置を制御して、前記デフロッククラッチ機構の接続と前記第2出力軸クラッチ機構の接続と前記第1出力軸クラッチ機構の切断を行い、前記第2走行モード(001)または前記第1走行モード(100)から前記第4走行モード(010)へ切換える時には、前記動力伝達装置を制御して、前記デフロッククラッチ機構の切断と前記第1出力軸クラッチ機構の接続と前記第2出力軸クラッチ機構の接続を行う、前記出力軸同期切換えトルクベクタリング制御を行うこと、
を特徴とする動力システム。
【請求項10】
請求項1から9いずれかのの動力システムにおいて、
前記動力システムは、内燃機関(E)(14)、必要に応じて第2モータ(M2)(13)を有すること、
前記動力伝達装置(20)は、前記内燃機関が接続される第2入力軸(Xi2)(22)を有し、前記第1入力軸(Xi1)(21)と前記第2入力軸の動力を前記第1出力軸(Xo1)(23)へ直接伝達する第1A走行モード(200)、前記第2出力軸(Xo2)(24)へ直接伝達する第2A走行モード(002)が可能であること、
を特徴とする動力システム。
【請求項11】
請求項1から9いずれかのの動力システムにおいて、
前記動力システムは、内燃機関(E)(14)、必要に応じて第2モータ(M2)(13)を有すること、
前記動力伝達装置(20)は、前記内燃機関が接続される第2入力軸(Xi2)(22)を有し、前記第1入力軸(Xi1)(21)の動力を前記第1出力軸(Xo1)(23)へ直接伝達し、前記第2入力軸の動力を前記第1出力軸と前記第2出力軸(Xo2)(24)へ分配伝達する第1B走行モード(110)、前記第1入力軸の動力を前記第2出力軸へ直接伝達し、前記第2入力軸の動力を前記第1出力軸と前記第2出力軸へ分配伝達する第2B走行モード(011)が可能であること、
を特徴とする動力システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
電気動力またはハイブリッド動力の自動車、特にスポーツカーのための動力システムに関するもの、特に、トルクベクタリング制御を行う動力システムに関するものである。
続きを表示(約 27,000 文字)【背景技術】
【0002】
トルクベクタリング制御は二つの目的を持っている。
第1の目的は、旋回走行時の走行抵抗を減少である。後輪駆動の自動車の旋回走行時には、後輪のトルクは直進走行方向に働き、前輪を操向すると走行抵抗が増加してエネルギー効率が低くなり、後輪のトルクベクタリングを行うと後輪のトルクは旋回方向にシフトして働くので前輪の走行抵抗が減少しエネルギー効率が高くなる。
第2の目的は、旋回走行特性の向上である。スポーツカーでは旋回走行時の内側車輪の空転を防ぐために外側車輪に多くのトルクを供給するすることが好ましい。実際には外側の車輪にのみトルクを供給し、さらには内側の車輪の制動を行う。
トルクベクタリング制御は内燃機関の自動車でも重要な機能であったが、1つの動力のトルクを任意の比率で左車輪と右車輪に分配する機構は複雑であり、重量とコストを増加させること、遊星ギアや多板クラッチ等により制御するために発熱等によるエネルギー損失と制御精度の低さのために普及しなかった。しかし、電気動力またはハイブリッド動力のスポーツカーでは、複数のモータを用いることが容易なこととモータの回転速度またはトルクの高精度の制御が容易なことにより、二つのモータの一方で右車輪を他方で左車輪を駆動する独立駆動方式トルクベクタリング制御の実現が容易になった。
【0003】
従来の独立駆動方式トルクベクタリング制御は三つの課題を有している。
第1の課題は二つのモータの一方のモータのトルクを他方の車輪に配分できないことである。旋回走行状態では二つのモータの内、外側車輪を駆動するモータのみがトルクを発生し内側車輪を駆動するモータはほぼ空転状態にある。したがって定格出力が不必要に大きなモータを使用する必要があることである。
第2の課題は直進走行時に二つのモータがトルクを発生するので、加速時を除いて、それぞれのモータは定格出力に対して低いトルクすなわちエネルギー効率の低いトルク領域で使用しなければならないことである。
第3の課題は本質的に二つのモータを必要とすることである。動力システムも2つのモータの動力伝達を制御するために複雑な構造になり高コストになる。
【0004】
特許文献1と特許文献2の動力システムのモータ数差分制御方式トルクベクタリング制御は、独立駆動方式トルクベクタリング制御の二つの課題を解決するものである。
独立駆動方式トルクベクタリング制御の第1の課題は、モータ数差分制御方式トルクベクタリング制御の複数のモータで片方の車輪を直接駆動する走行モード(200), (002)によって解決した。
独立駆動方式トルクベクタリング制御の第2の課題は、モータ数差分制御方式トルクベクタリング制御の一つのモータで片方の車輪を直接駆動する走行モード(100), (001)および一つのモータで双方の車輪を分配駆動する走行モード(010)によって、走行モード(
101
)を不要にすることにより解決した。
しかし、走行モード(100)と走行モード(001)の切換え時の駆動トルク抜けと切換え時の衝撃の発生防止のために過渡的に走行モード(010)を必要とし、そのための動力伝達機構を有している。
特許文献1と特許文献2の出願時には、独立駆動方式トルクベクタリング制御の第2の課題を重視していなかったので、モータ数差分制御方式トルクベクタリング制御は走行モード(110)、(011)、(101))を含む記述をしている。
走行モード(x y z)について説明する。x は第1車輪(左車輪)を直接駆動するモータ数、y は第1車輪(左車輪)と第2車輪(右車輪)を差動機構により分配駆動するモータ数、z は第2車輪(右車輪)を直接駆動するモータ数である。
【0005】
特許文献1と特許文献2の動力システムのモータ数差分制御方式トルクベクタリング制御の課題は二つ以上のモータを必要とすることである。
特許文献1の実施例1(Model 2112)は、例外的に、一つのモータで片方の車輪を直接駆動する走行モード(100), (001)および一つのモータで双方の車輪を分配駆動する走行モード(010)が可能なモデルである。しかし、実施例1(Model 2112)は走行モードの切換え時にトルク抜けと切換えの衝撃が発生する課題を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2018-007349 特許6186554 矢野 隆志
特開2018-001845 特許6186555 矢野 隆志
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、従来の独立駆動方式トルクベクタリング制御の第3の課題を解決し、特許文献1の実施例1(Model 2112)の課題を解決し、1つのモータでもトルク抜けと切換えの衝撃のないトルクベクタリング制御が可能な動力システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の動力システムの課題を解決するための手段は、直進走行・出力軸同期切換えトルクベクタリンク制御である。
直進走行・出力軸同期切換えトルクベクタリンク制御は、自動車が直進走行、または直進走行から旋回走行に移行する過渡的な状態の左右の車輪の回転速度が概略等しい状態で、動力を第1出力軸へ直接伝達する第1走行モード、第2出力軸へ直接伝達する第2走行モードの切換えを行う。さらに、動力を第1出力軸と第2出力軸へ直接伝達する第3走行モード、差動機構によって第1出力軸と第2出力軸へ分配伝達する第4走行モードの切換えを行うトルクベクタリンク制御である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の動力システムの効果について説明する。
第1の効果は、1つのモータで構成される動力システムでトルクベクタリング制御を可能にしたことである。
第2の効果は、モータの回転速度を制御することなしに、走行モードの切換え、すなわちトルクベクタリング制御可能にしたことである。
第3の効果は、第2の効果によるものであり、動力機構として、回転速度の高精度な制御が出来ない安価なモータや内燃機関を使用することを可能にしたことである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
Model 22の主要なモデルの分類を示す図である。
Model 2211, Model 2221, Model 2231シリーズの動力システムの全体概要構成を説明する図である。
Model 2212, Model 2222, Model 2232シリーズの動力システムの全体概要構成を説明する図である。
Model 2213, Model 2223, Model 2233シリーズの動力システムの全体概要構成を説明する図である。
Model 2211, Model 2221シリーズの動力システムの詳細な部分構成を説明する図である。
Model 2212, Model 2222シリーズの動力システムの詳細な部分構成を説明する図である。
Model 2213, Model 2223シリーズの動力システムの詳細な部分構成を説明する図である。
Model 2231シリーズの動力システムの詳細な部分構成を説明する図である。
Model 2232シリーズの動力システムの詳細な部分構成を説明する図である。
Model 2233シリーズの動力システムの詳細な部分構成を説明する図である。
Model 2211, Model 2211Xの動力伝達装置20の制御を説明する図である。
Model 2211V, Model 2211XVの動力伝達装置20の制御を説明する図である。
Model 2212, Model 2212Xの動力伝達装置の制御を説明する図である。
Model 2213の動力伝達装置20の制御を説明する図である。
Model 2221, Model 2221Xの動力伝達装置20の制御を説明する図である。
Model 2222, Model 2222X, Model 2223の動力伝達装置20の制御を説明する図である。
Model 2231の動力伝達装置20の制御を説明する図である。
Model 2231DLの動力伝達装置20の制御を説明する図である。
Model 2232の動力伝達装置20の制御を説明する図である。
Model 2233の動力伝達装置20の制御を説明する図である。
Model 22のステアリングホイール61の操舵角度を説明する図である。
Model 2211シリーズの操舵角度情報検出方式・直進走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御(第1方式)を説明する図である。
Model 2221シリーズの操舵角度情報検出方式・直進走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御(第1方式)を説明する図である。
Model 2231シリーズの操舵角度情報検出方式・直進走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御(第1方式)を説明する図である。
Model 2211, Model 2221シリーズとModel 2213, Model 2223シリーズの組合せた四輪駆動動力システムを説明する図である。
Model 2232シリーズとModel 2211, Model 2221シリーズを組み合わせた四輪駆動動力システムを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図2は本発明の動力システム、Model 2211, Model 2221, Model 2231シリーズの動力システムの全体概要構成を説明する図である。
本発明の動力システムは電気動力またはハイブリッド動力の自動車のための動力システムであって、二次電池10、インバータ11、第1モータ(M1)12、制御装置17、第1車輪(左車輪)18、第2車輪(右車輪)19、動力伝達装置20、操舵制御システム60、自動運転制御システム70を有する。
動力伝達装置20の基本構成は、第1モータ(M1)12が接続される第1入力軸(Xi1)21、第1車輪(左車輪)18が接続される第1出力軸(Xo1)23、第2車輪(右車輪)19が接続される第2出力軸(Xo2)24を有し、第1入力軸(Xi1)21の動力を第1出力軸(Xo1)23へ直接伝達する第1走行モード(100)、第1入力軸(Xi1)21の動力を第2出力軸(Xo2)24へ直接伝達する第2走行モード(001)の動力伝達が可能である。
【0012】
本発明の動力システムの出力軸同期切換えトルクベクタリング制御について説明する。
出力軸同期切換えトルクベクタリング制御は、第1車輪(左車輪)18が接続される第1出力軸(Xo1)23の回転速度と第2車輪(右車輪)19が接続される第2出力軸(Xo2)24の回転速度が概略等しい状態で走行モードの切換えを行うことにより、最小の切換え時のトルク抜けと最小の切換え時の衝撃を可能にする制御であり四つの方式がある。
第1方式は操舵角度情報検出方式・直進走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御であり、
第2方式は前輪舵角度情報検出方式・直進走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御であり、
第3方式は前輪舵角度予測情報検出方式・直進走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御であり、
第4方式は旋回空転走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御である。
第1方式、第2方式、第3方式は、自動車が直進走行、または直進走行から旋回走行に移行する過渡的な状態の、概略直進走行していて左右の車輪の回転速度が概略等しい状態、すなわち出力軸(Xo1)34と第2出力軸(Xo2)35の回転速度が概略等しい状態で走行モードの切換えを行う。
第4方式は、内側車輪の接地力低下により空転して第1出力軸(Xo1)34と第2出力軸(Xo2)35の回転速度が概略等しくなる旋回走行状態で走行モードの切換えを行う旋回空転走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御である。
「回転速度が概略等しい」とは、第1モータ(M1)12、ドッグクラッチやシンクロ機構付のドッグクラッチの回転速度の同期能力により、トルク抜けと切換えの衝撃のない走行モードの切換えが可能な回転速度差であることである。
【0013】
操舵角度情報検出方式・直進走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御(第1方式)について説明する。
操舵制御システム60は、ステアリングホイール61、ステアリングホイール61の中立位置を基準とする左右方向の回転角度である操舵角度Aを検出する操舵角度センサー62、前輪の角度を変化させる操舵機構63、横方向加速度センサー64を有し、操舵角度Aの情報を出力することが可能である。
制御装置17は、操舵角度Aの情報を検出し、操舵角度Aが右方向閾値角度ATRを超えると第1走行モード(100)への切換え制御を行い、操舵角度Aが左方向閾値角度ATLを超えると第2走行モード(001)への切換え制御を行う。
図21は本発明の動力システム、Model 22のステアリングホイール61の操舵角度を説明する図である。ステアリングホイール61には右方向閾値角度ATR、左方向閾値角度ATL、右方向操舵遊び角度LR、左方向操舵遊び角度LLが設定されている。図21aは右方向操舵遊び角度LR>右方向閾値角度ATR、左方向操舵遊び角度LL>左方向閾値角度ATLの設定であり、図21bは右方向閾値角度ATR>右方向操舵遊び角度LR、左方向閾値角度ATL>左方向操舵遊び角度LLの設定である。右方向操舵遊び角度LR、左方向操舵遊び角度LL、右方向閾値角度ATR、左方向閾値角度ATLは説明のため実際の角度より大きく表示している。
第1方式は、ステアリングホイール61の操舵角度Aの情報を検出して自動車が直進走行中に走行モードの切換えを行う方式なので、ステアリングホイール61に遊びを設けることにより、出力軸(Xo1)34と第2出力軸(Xo2)35の回転速度が等しい状態での走行モードの切換えが可能である。ステアリングホイール61の操舵角度Aの情報を検出する方式なので、運転者によって操縦される自動車に適している。
【0014】
前輪舵角度情報検出方式・直進走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御(第2方式)について説明する。
操舵制御システム60は、前車輪の中立位置を基準とする左右方向の回転角度である前輪舵角度Sを検出する前輪舵角度センサー65、横方向加速度センサー64を有し、前輪舵角度Sの情報を出力することが可能である。
制御装置17は、前輪舵角度Sの情報を検出し、前輪舵角度Sが右方向前輪閾値角度STRを超えると第1走行モード(100)への切換え制御を行い、車輪角度Sが左方向前輪閾値角度STLを超えると第2走行モード(001)への切換え制御を行う。
第2方式は、出力軸(Xo1)34と第2出力軸(Xo2)35の回転速度に僅かに差がある状態で走行モードの切換えを行う。ステアリングホイール61の操作に依存しない方式なので、運転者によって操縦される自動車にも自動運転の自動車にも適している。
【0015】
前輪舵角度予測情報検出方式・直進走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御(第3方式)について説明する。
自動運転制御システム70は、地図情報とGPS位置情報の組合せ情報、光学的に検出・認識した道路形状の情報等に基づき、操舵制御情報を出力する。
操舵制御システム60は、操舵制御情報を検出すると前輪舵角度Sを変化させる操舵制御を行うとともに、操舵制御を行う前に前輪舵角度Sの予測情報を出力することが可能である。
制御装置17は、前輪舵角度Sの予測情報を検出し、前輪舵角度Sが右方向前輪閾値角度STRを超えると第1走行モード(100)への切換え制御を行い、前輪舵角度Sが左方向前輪閾値角度STLを超えると第2走行モード(001)への切換え制御を行う。
第3方式は、前輪舵角度Sの予測情報を検出して自動車が直進走行中に走行モードの切換えを行う方式なので、出力軸(Xo1)34と第2出力軸(Xo2)35の回転速度が等しい状態での走行モードの切換えが可能である。自動操縦制御システム70が出力する制御情報に依存する方式なので、自動運転の自動車に適している。
【0016】
旋回空転走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御(第4方式)について説明する。
操舵制御システム60は、車体の横方向Gを検出する横方向加速度センサー64を有し、右旋回走行または左旋回走行の旋回走行情報を出力する。
制御装置17は、右旋回走行の旋回走行情報を検出し、第1出力軸(Xo1)34の回転速度と第2出力軸(Xo2)35の回転速度が概略等しいことを検出すると第1走行モード(100)への切換え制御を行い、左旋回走行の旋回走行情報を検出し、第1出力軸(Xo1)34の回転速度と第2出力軸(Xo2)35の回転速度が概略等しいことを検出すると第2走行モード(001)への切換え制御を行う。
第4方式は、高速旋回走行等で操舵角度と旋回方向が一致しないドリフト走行や何らかの理由で直進走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御(第1方式、第2方式、第3方式)が機能しなかった場合において有効であり、出力軸(Xo1)34と第2出力軸(Xo2)35の回転速度を検出して制御を行うので、出力軸(Xo1)34と第2出力軸(Xo2)35の回転速度が等しい状態での走行モードの切換えが可能である。ステアリングホイール61の操作に依存しない方式なので、運転者によって操縦される自動車にも自動運転の自動車にも適している。
【0017】
図1は本発明の動力システム、Model 22の主要なモデルの分類を示す図である。
Model 221は二つの走行モードの切換えを行う2-走行モード切換え方式である。
Model 2211はModel 221の基本モデルである2-クラッチ方式・電気動力モデルであり、動力伝達装置20が第1入力軸(Xi1)21と第1出力軸(Xo1)23の接続と切断を行う第1クラッチ機構(C1)41、第1入力軸(Xi1)21と第2出力軸(Xo2)24の接続と切断を行う第2クラッチ機構(C2)42を有し、第1走行モード(100)、第2走行モード(001)が可能である。
Model 222は二つの走行モードと直進走行に限定される一つの走行モードの切換えを行う2.5-走行モード切換え方式である。
Model 2221はModel 222の基本モデルである2-クラッチ方式・電気動力モデルであり、動力伝達装置20がModel 2211と同じ構成であるが、Model 2211の走行モードの他に、第3走行モード(
101
)が可能である。
Model 223は三つの走行モードの切換えを行う3-走行モード切換え方式である。
Model 2231はModel 223の基本モデルである3-クラッチ方式・電気動力モデルであり、動力伝達装置20が第1クラッチ機構(C1)41、第2クラッチ機構(C2)42、差動機構(Def)26、第1入力軸(Xi1)21と差動機構入力軸(Xid)27の接続と切断を行う第3クラッチ機構(C3)43を有し、第1走行モード(100)、第2走行モード(001)、第4走行モード(010)が可能である。
Model 2212は、Model 2211の第1方式ハイブリッド動力モデルであり、Model 2211の第1走行モード(100)、第2走行モード(001)の他に、第1A走行モード(200)、第2A走行モード(002)が可能である。
Model 2213は、Model 2211の第2方式ハイブリッド動力モデルであり、Model 2211の第1走行モード(100)、第2走行モード(001)の他に、第1B走行モード(110)、第2B走行モード(011)が可能である。
Model 2222は、Model 2221の第1方式ハイブリッド動力モデルであり、Model 2221の第1走行モード(100)、第2走行モード(001)、第3走行モード(
101
)の他に、第1A走行モード(200)、第2A走行モード(002)、第3A走行モード(
202
)が可能である。
Model 2223は、Model 2221の第2方式ハイブリッド動力モデルであり、Model 2221の第1走行モード(200)、第2走行モード(002)、第3走行モード(101)の他に、第1B走行モード(110)、第2B走行モード(011)、第3A走行モード(
202
)が可能である。
Model 2232は、Model 2231の第1方式ハイブリッド動力モデルであり、Model 2231の第1走行モード(100)、第2走行モード(001)、第4走行モード(010)の他に、第1A走行モード(200)、第2A走行モード(002)、第4A走行モード(020)が可能である。
Model 2233は、Model 2231の第2方式ハイブリッド動力モデルであり、Model 2231の第1走行モード(100)、第2走行モード(001)、第4走行モード(010)の他に、第1B走行モード(110)、第2B走行モード(011)、第4A走行モード(020)が可能である。
Model 2211X, Model 2212X, Model 2221X, Model 2222XはModel 2211, Model 2212, Model 2221, Model 2222の変形モデルである同軸クラッチ方式・電気動力システムであり、それぞれModel 2211, Model 2212, Model 2221, Model 2222と同じ走行モードが可能である。
Model 2231DL, Model 2232DLはModel 2231, Model 2232の変形モデルであるデフロッククラッチ方式・電気動力システムであり、動力伝達装置20が差動機構(Def)26、デフロッククラッチ機構(DLC)47、第1差動機構出力軸(Xod1)28と第1出力軸(Xo1)23の接続と切断を行う第1出力軸クラッチ機構(Co1)48、第2差動機構出力軸(Xod2)29と第1出力軸(Xo1)23の接続と切断を行う第2出力軸クラッチ機構(Co2)49を有し、Model 2231と同様に第1走行モード(100)、第2走行モード(001)、第4走行モード(010)が可能である。
Model 2211V, Model 2211XV, Model 2212V, Model 2212XV, Model 2213V, Model 2221V, Model 2221XV, Model 2222V, Model 2222XV, Model 2223V, Model 2231V, Model 2231DLV, Model 2232V, Model 2232DLV, Model 2233Vは、Model 2211, Model 2211X, Model 2212, Model 2212X, Model 2213, Model 2221, Model 2221X, Model 2222, Model 2222X, Model 2223, Model 2231, Model 2231DL, Model 2232, Model 2232DL, Model 2233の動力伝達装置20が第1モータ(M1)12の変速機構を有するモデルである。
【0018】
本発明の走行モードの表記について説明する。
走行モード(x z)と走行モード(x y z)について説明する。
x は第1出力軸(Xo1)23に動力を直接伝達する入力軸の数、y は第1出力軸(Xo1)23と第2出力軸(Xo2)24に動力を分配伝達する入力軸の数、z は第2出力軸(Xo2)24に動力を直接伝達する入力軸の数である。
電気動力モデルにおいては、入力軸は第1モータ(M1)12が接続される第1入力軸(Xi1)21のみであるので、第1走行モード(100)、第2走行モード(100)、第3走行モード(
101
)、第4走行モード(010)が可能である。
第3走行モード(
101
)は、第1入力軸(Xi1)21の動力を第1出力軸(Xo1)23と第2出力軸(Xo2)24に直接伝達する走行モード、すなわち第1出力軸(Xo1)23と第2出力軸(Xo2)24が接続されている走行モードであり、第4走行モード(010)は第1入力軸(Xi1)21の動力を第1出力軸(Xo1)23と第2出力軸(Xo2)24に分配伝達する走行モードである。
第1のハイブリッド動力モデルにおいては、元の電気動力モデルの第1走行モード(100)、第2走行モード(001)、第3走行モード(
101
)、第4走行モード(010)に、内燃機関(E)14と第2モータ(M2)13が接続される第2入力軸(Xi2)22による走行モード(010)が付加された、第1A走行モード(200)、第2A走行モード(002)、第3A走行モード(
202
)、第4A走行モード(020)も可能である。
第2のハイブリッド動力モデルにおいては、元の電気動力モデルの第1走行モード(100)、第2走行モード(001)、第3走行モード(
101
)、第4走行モード(010)に、内燃機関(E)14と第2モータ(M2)13が接続される第2入力軸(Xi2)による走行モード(100)、走行モード(001)、走行モード(
101
)、走行モード(010)が付加された、第1B走行モード(110)、第2B走行モード(011)、第4A走行モード(020)も可能であり、Model 2223では第3A走行モード(
202
)も可能である。
【実施例】
【0019】
実施例1はModel 2211シリーズ(Model 2211, Model 2211V, Model 2211X, Model 2211XV)であり、二つの走行モードの切換えを行う2-走行モード切換え方式・電気動力モデルの動力システムである。
図2はModel 2211シリーズの動力システムの全体概要構成を説明する図である。
動力システムは、二次電池10、インバータ11、第1モータ(M1)12、制御装置17、第1車輪(左車輪)18、第2車輪(右車輪)19、動力伝達装置20、操舵制御システム60、自動運転制御システム70を有する。
動力伝達装置20は、第1モータ(M1)12が接続される第1入力軸(Xi1)21、第1車輪(左車輪)18が接続される第1出力軸(Xo1)23、第2車輪(右車輪)19が接続される第2出力軸(Xo2)(24)を有する。
操舵制御システム60の基本構成は、ステアリングホイール61、操舵角度センサー62、操舵機構63を有し、操舵角度Aの情報を出力することが可能である。さらに、前輪舵角度センサー65、横方向加速度センサー64を有し、前輪舵角度Sの情報または前輪舵角度Sの予測情報や右旋回走行または左旋回走行の旋回走行情報を出力することが可能である。
Model 2211シリーズの動力システムは、第1入力軸(Xi1)21の動力を第1出力軸(Xo1)23へ直接伝達する第1走行モード(100)、第2出力軸(Xo2)(24)へ直接伝達する第2走行モード(001)が可能である。
【0020】
図5はModel 2211シリーズの動力システムの詳細な部分構成を説明する図である。
図5aは2-クラッチ方式・電気動力モデルのModel 2211である。動力伝達装置20は、第1入力軸(Xi1)21と第1出力軸(Xo1)23の接続と切断を行う第1クラッチ機構(C1)41、第1入力軸(Xi1)21と第2出力軸(Xo2)24の接続と切断を行う第2クラッチ機構(C2)42、第1入力軸回転速度センサー31、第1出力軸回転速度センサー33、第2出力軸回転速度センサー34を有する。
図5bは同軸クラッチ方式・電気動力モデルのModel 2211Xであり、Model 2211の変形モデルである。動力伝達装置20は、第1入力軸(Xi1)21が歯車機構によって分割されて第1出力軸(Xo1)23と第2出力軸(Xo2)24と同軸に配置されているがModel 2211と同じ機構で構成される。歯車機構が二組から一組に削減されている。
図5cは変速方式・同軸クラッチ方式・電気動力モデルのModel 2211XVであり、Model 2211Xの 動力伝達装置20が第1モータ(M1)12の変速機構を有する電気動力モデルである。動力伝達装置20は中間動力伝達軸(Xm)25、第1入力軸(Xi1)21の動力を中間動力伝達軸(Xm)25に伝達する第1速歯車機構51、第1速クラッチ機構52、第2速歯車機構53、第2速クラッチ機構54、 中間動力伝達軸(Xm)25と第1出力軸(Xo1)23の接続と切断を行う第1クラッチ機構(C1)41、中間動力伝達軸(Xm)25と第2出力軸(Xo2)24の接続と切断を行う第2クラッチ機構(C2)42、第1入力軸回転速度センサー31、第1出力軸回転速度センサー33、第2出力軸回転速度センサー34を有する。Model 2211XVはModel 2211Vに比べて歯車機構が四組から二組に削減されている。
【0021】
図22はModel 2211シリーズの操舵角度情報検出方式・直進走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御(第1方式)を説明する図である。
制御装置17は、第2走行モード(001)の直進走行状態で、操舵角度A>右方向閾値角度ATRになると第1走行モード(100)への切換え制御を行い、第1走行モード(100)の直進走行状態で、操舵角度A>左方向閾値角度ATLになると第2走行モード(001)への切換え制御を行う。
Model 2211シリーズは二つの設定が可能である。第1の閾値角度設定は右方向操舵遊び角度LR>右方向閾値角度ATR、左方向操舵遊び角度LL>左方向閾値角度ATLであり、第2の閾値角度設定は右方向閾値角度ATR>右方向操舵遊び角度LR、左方向閾値角度ATL>左方向操舵遊び角度LLである。
図22aは第1の閾値角度設定である。
P1ではA>LL>ATLなので第2走行モード(001)による左旋回走行である。
P3, P4ではLL>A>ATL, LL>ATL>A、LL>ATL>A, LR>ATR>Aなので第2走行モード(001)による直進走行である。
P5ではLR>A>ATRなので第1走行モード(100)による直進走行に切換えられる。
P6, P8ではA>LR>ATRなので第1走行モード(100)による右旋回走行である。
第1の閾値角度設定の第2走行モード(001)から第1走行モード(100)への切換えはP4からP5の直進走行状態で行われるので、出力軸(Xo1)34と第2出力軸(Xo2)35の回転速度が等しい状態での走行モードの切換えが可能である。
図22bは第2の閾値角度設定である。
P1, P2ではA>ATL>LL, ATL>A>LLなので第2走行モード(001)による左旋回走行である。
P3ではATL>LL>A, ATR>LR>Aなので第2走行モード(001)による直進走行である。
P6ではATR>A>LRなので第2走行モード(001)による右旋回走行である。
P8ではA>ATR>LRなので第1走行モード(100)による右旋回走行に切換えられる。
第2の閾値角度設定の第2走行モード(001)から第1走行モード(100)への切換えはP6からP7の直進走行から右旋回走行に移行する過渡的な状態で行われるので、出力軸(Xo1)34と第2出力軸(Xo2)35の回転速度に僅かに差がある状態で走行モードの切換えを行う。
【0022】
Model 2211シリーズの前輪舵角度情報検出方式・直進走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御(第2方式)と前輪舵角度予測情報検出方式・直進走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御(第3方式)について説明する。
第2方式の操舵制御システム60は、前輪舵角度Sの情報を出力することが可能であり、第3方式の操舵制御システム60は、前輪舵角度Sの予測情報を出力することが可能である。
制御装置17は、前輪舵角度Sの情報または前輪舵角度Sの予測情報を検出し、第2走行モード(001)の直進走行状態で、前輪舵角度S>右方向前輪閾値角度STRになると第1走行モード(100)への切換え制御を行い、第1走行モード(100)の直進走行状態で、前輪舵角度S>左方向前輪閾値角度STLになると第2走行モード(001)への切換え制御を行う。
【0023】
Model 2211シリーズの旋回空転走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御(第4方式)について説明する。
操舵制御システム60は、右旋回走行または左旋回走行の旋回走行情報を出力する。
制御装置17は、第2走行モード(001)の走行状態で、旋回走行情報が右旋回走行であり、第2車輪(右車輪)19の空転により第1出力軸(Xo1)34の回転速度と第2出力軸(Xo2)35の回転速度が等しくなると第1走行モード(100)への切換え制御を行い、第1走行モード(100)の走行状態で、旋回走行情報が左旋回走行であり、第1車輪(左車輪)18の空転により第1出力軸(Xo1)34の回転速度と第2出力軸(Xo2)35の回転速度が等しくなると第2走行モード(001)への切換え制御を行う。
【0024】
Model 2211シリーズの基本の制御は直進走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御(第1方式、第2方式、第3方式)であり、何らかの理由で直進走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御が機能しなかった時に旋回空転走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御(第4方式)を行う。
Model 2211の出力軸同期切換えトルクベクタリング制御(第1方式、第2方式、第3方式、第4方式)は二つの課題を有している。第1の課題は第1走行モード(100)、第2走行モード(001)の直進走行時にヨーモーメントが発生することである。
第2の課題は第1車輪(左車輪)18と第2車輪(右車輪)19を同時に駆動できないことによる高トルク駆動時のトルク伝達能力不足である。
第1の課題を解決する二つの方法がある。第1の方法は、ステア・バイ・ワイヤ(電動パワーステアリング)によるものであって、駆動トルクを測定してヨーモーメントを予測し、ヨーモーメントを補償することができる。第2の方法は、自動運転システムのLKS(車線維持支援システム)によるもので、ヨーモーメントを補償することができる。
第2の課題はModel 2211の出力軸同期切換えトルクベクタリング制御では解決できない。
【0025】
図11はModel 2211, Model 2211Xの動力伝達装置20の制御を説明する図である。Model 2211とModel 2211Xは機能的には同じ機構で構成されるので制御も同じである。
図11aは第1走行モード(100)、すなわち、第1モータ(M1)12、第1クラッチ機構(C1)41、第1出力軸(Xo1)23で第1車輪(左車輪)18を直接駆動する右旋回走行または直進走行である。
図11bは第2走行モード(001)、すなわち、第1モータ(M1)12、第2クラッチ機構(C2)42、第2出力軸(Xo2)24で第2車輪(右車輪)19を直接駆動する左旋回走行または直進走行である。
制御装置17は、第1走行モード(100)から第2走行モード(001)への切換えを行うには、第1クラッチ機構(C1)41を切断して第2クラッチ機構(C2)42を接続する制御を行う。
第2走行モード(001)から第1走行モード(100)への切換えを行うには、第2クラッチ機構(C2)42を切断して第1クラッチ機構(C1)41を接続する制御を行う。
第1出力軸(Xo1)23の回転速度と第2出力軸(Xo2)24の回転速度は概略等しいので、切換え時のトルク抜けと切換えの衝撃はない。
【0026】
図12はModel 2211V, Model 2211XVの動力伝達装置20の制御を説明する図である。
図12aは第1走行モード(100)、図12bは第2走行モード(001)であり、Model 2211と同様の制御である。
【実施例】
【0027】
実施例2はModel 2212シリーズ(Model 2212, Model 2212V, Model 2212X, Model 2212XV)であり、2-走行モード切換え方式・第1方式ハイブリッド動力モデルの動力システムである。
図3はModel 2212シリーズの動力システムの全体概要構成を説明する図であり、Model 2211シリーズとの差異について説明する。
動力システムは、さらに、内燃機関(E)14、必要に応じて第2モータ(M2)13を有し、動力伝達装置20は、さらに、内燃機関(E)14が接続される 第2入力軸(Xi2)22を有する。
Model 2212シリーズの動力システムは、さらに、第1入力軸(Xi1)21と第2入力軸(Xi2)22の動力を第1出力軸(Xo1)23へ直接伝達する第1A走行モード(200)、第2出力軸(Xo2)(24)へ直接伝達する第2A走行モード(002)が可能である。
【0028】
図6はModel 2212シリーズの動力システムの詳細な部分構成を説明する図であり、Model 2211シリーズとの差異について説明する。
図6aは2-クラッチ方式・第1方式ハイブリッド動力モデルのModel 2212である。動力伝達装置20は、さらに、第1入力軸(Xi1)21と第2入力軸(Xi2)22の接続と切断を行う第4クラッチ機構(C4)44、第2入力軸回転速度センサー32を有する。
図6bは変速方式・同軸クラッチ方式第1方式ハイブリッド動力モデルのModel 2212XVである。動力伝達装置20は、さらに、中間動力伝達軸(Xm)25、第1入力軸(Xi1)21の動力を中間動力伝達軸(Xm)25に伝達する第1速歯車機構51、第1速クラッチ機構52、第2速歯車機構53、第2速クラッチ機構54、 中間動力伝達軸(Xm)25と第1出力軸(Xo1)23の接続と切断を行う第1クラッチ機構(C1)41、中間動力伝達軸(Xm)25と第2出力軸(Xo2)24の接続と切断を行う第2クラッチ機構(C2)42、第1入力軸回転速度センサー31、第1出力軸回転速度センサー33、第2出力軸回転速度センサー34を有する。
【0029】
Model 2212シリーズの出力軸同期切換えトルクベクタリング制御(第1方式、第2方式、第3方式、第4方式)はModel 2211シリーズの第1走行モード(100)、第2走行モード(001)を第1A走行モード(200)、第2A走行モード(002)に置き換えるものであって、Model 2211シリーズと同様の制御である。
【0030】
図13はModel 2212, Model 2212Xの動力伝達装置20の制御を説明する図である。
図13aは第1A走行モード(200)、すなわち、内燃機関(E)14、第4クラッチ機構(C4)44、第1モータ(M1)12、第1クラッチ機構(C1)41、第1出力軸(Xo1)23で第1車輪(左車輪)18を直接駆動する右旋回走行または直進走行である。
図13bは第2A走行モード(002)、すなわち、内燃機関(E)14、第4クラッチ機構(C4)44、第1モータ(M1)12、第2クラッチ機構(C2)42、第2出力軸(Xo2)24で第2車輪(右車輪)19を直接駆動する右旋回走行または直進走行である。
Model 2212XVの第1A走行モード(200)、第2A走行モード(002)と走行モード切換え制御はModel 2212と同様の制御である。
【0031】
Model 2212シリーズの動力システムで前輪を駆動しModel 2211シリーズの動力システムで後輪を駆動する四輪駆動動力システムが可能である。また、前輪を駆動するModel 2212シリーズの内燃機関(E)14と第1モータ(M1)12で発電し、後輪を駆動するModel 2211シリーズの第1モータ(M1)12で駆動する、シリーズハイブリッド動力システムが可能である。
【実施例】
【0032】
実施例2はModel 2213シリーズ(Model 2213, Model 2213V)であり、2-走行モード切換え方式・2-クラッチ方式・第2方式ハイブリッド動力モデルの動力システムである。
図4はModel 2213シリーズの動力システムの全体概要構成を説明する図であり、Model 2211シリーズとの差異について説明する。
動力システムは、さらに、内燃機関(E)14、必要に応じて第2モータ(M2)13を有し、動力伝達装置20は、さらに、内燃機関(E)14が接続される 第2入力軸(Xi2)22、差動機構(Def)26を有する。
Model 2213シリーズの動力システムは、さらに、第1入力軸(Xi1)21の動力を第1出力軸(Xo1)23へ直接伝達し第2入力軸(Xi2)22の動力を第1出力軸(Xo1)23と第2出力軸(Xo2)(24)へ分配伝達する第1B走行モード(110)、第1入力軸(Xi1)21の動力を第2入力軸(Xi2)22へ直接伝達し第2入力軸(Xi2)22の動力を第1出力軸(Xo1)23と第2出力軸(Xo2)(24)へ分配伝達する第2B走行モード(011)が可能である。また、第1入力軸(Xi1)21の動力伝達を行わない第4走行モード(010)が可能である。
【0033】
図7はModel 2213シリーズの動力システムの詳細な部分構成を説明する図であり、Model 2211シリーズとの差異について説明する。
図7aは2-クラッチ方式・第2方式ハイブリッド動力モデルのModel 2213である。動力伝達装置20は、さらに、差動機構(Def)26、差動機構入力軸(Xid)27、第1出力軸(Xo1)23と一体の第1差動機構出力軸(Xod1)28、第2出力軸(Xo2)24と一体の第2差動機構出力軸(Xod2)29、第2入力軸(Xi2)22と差動機構入力軸(Xid)27の接続と切断を行う第4クラッチ機構(C4)44、第2入力軸回転速度センサー32を有する。
図7bは変速方式・2-クラッチ方式・第2方式ハイブリッド動力モデルのModel 2213Vである。動力伝達装置20は、さらに、差動機構(Def)26、差動機構入力軸(Xid)27、第1出力軸(Xo1)23と一体の第1差動機構出力軸(Xod1)28、第2出力軸(Xo2)24と一体の第2差動機構出力軸(Xod2)29、第2入力軸(Xi2)22と差動機構入力軸(Xid)27の接続と切断を行う第4クラッチ機構(C4)44、第2入力軸回転速度センサー32を有する。
さらに、中間動力伝達軸(Xm)25、第1入力軸(Xi1)21の動力を中間動力伝達軸(Xm)25に伝達する第1速歯車機構51、第1速クラッチ機構52、第2速歯車機構53、第2速クラッチ機構54、中間動力伝達軸(Xm)25と第1出力軸(Xo1)23の接続と切断を行う第1クラッチ機構(C1)41、中間動力伝達軸(Xm)25と第2出力軸(Xo2)24の接続と切断を行う第2クラッチ機構(C2)42、中間軸回転速度センサー35を有する。
【0034】
Model 2213シリーズの出力軸同期切換えトルクベクタリング制御(第1方式、第2方式、第3方式、第4方式)はModel 2211シリーズの第1走行モード(100)、第2走行モード(001)を第1B走行モード(110)、第2B走行モード(011)に置き換えるものであってModel 2211シリーズと同様の制御である。
【0035】
図14はModel 2213の動力伝達装置20の制御を説明する図である。
図14aは第1B走行モード(110)、すなわち、第1モータ(M1)12、第1クラッチ機構(C1)41で第1車輪(左車輪)18を直接駆動し、内燃機関(E)14、第2モータ(M2)13、第4クラッチ機構(C4)44、差動機構(Def)26で第1車輪(左車輪)18と第2車輪(右車輪)19を分配駆動する右旋回走行または直進走行である。
図14bは第2B走行モード(011)、すなわち、第1モータ(M1)12、第2クラッチ機構(C2)42で第2車輪(右車輪)19を直接駆動し、内燃機関(E)14、第2モータ(M2)13、第4クラッチ機構(C4)44、差動機構(Def)26で第1車輪(左車輪)18と第2車輪(右車輪)19を分配駆動する左旋回走行または直進走行である。
図14cは第4走行モード(010)、すなわち、第1モータ(M1)12を停止し、内燃機関(E)14、第2モータ(M2)13、第4クラッチ機構(C4)44、差動機構(Def)26で第1車輪(左車輪)18と第2車輪(右車輪)19を分配駆動する直進走行または右旋回走行または左旋回走行である。
Model 2213Vの第1B走行モード(110)、第2B走行モード(011)、第4走行モード(010)と走行モード切換え制御はModel 2213と同様の制御である。
【0036】
図25はModel 2213シリーズの四輪駆動動力システムを説明する図である。
例えば、後輪を駆動するModel 2213シリーズの内燃機関(E)14と第2モータ(M2)13で発電し、前輪を駆動するModel 2211シリーズの第1モータ(M1)12と後輪を駆動するModel 2213シリーズの第1モータ(M1)12で駆動する、シリーズハイブリッド動力システムが可能である。
【実施例】
【0037】
実施例4はModel 2221シリーズ(Model 2221, Model 2221V, Model 2221X, Model 2221XV)であり、二つの走行モードと直進走行に限定される一つの走行モードの切換えを行う2.5--走行モード切換え方式・電気動力モデルの動力システムである。
Model 2221シリーズの動力システムの全体概要構成は図2で説明したModel 2211シリーズと同様である。
Model 2221, Model 2221X, Model 2221XVの動力システムの詳細な部分構成は図5で説明したModel 2211, Model 2211X, Model 2211XVと同様である。
Model 2221シリーズの動力システムは、Model 2211シリーズの動力システムの第1走行モード(100)、第2走行モード(001)の他に、第1入力軸(Xi1)21の動力を第1出力軸(Xo1)23と第2出力軸(Xo2)(24)へ直接伝達する第3走行モード(
101
)が可能である。
「2.5--走行モード切換え方式」の「0.5--走行モード」は第3走行モード(
101
)が直進走行しかできない使用が限定された走行モードであることによる。
【0038】
図23はModel 2221シリーズの操舵角度情報検出方式・直進走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御(第1方式)を説明する図である。
制御装置17は、第3走行モード(
101
)または第2走行モード(001)の直進走行状態で、操舵角度A>右方向閾値角度ATRになると第1走行モード(100)への切換え制御を行い、第3走行モード(
101
)または第1走行モード(100)の直進走行状態で、操舵角度A>左方向閾値角度ATLになると第2走行モード(001)への切換え制御を行う。第1走行モード(100)または第2走行モード(001)の直進走行状態で、右方向閾値角度ATR>操舵角度Aまたは左方向閾値角度ATL>操舵角度Aになると第3走行モード(
101
)への切換え制御を行う。
Model 2221シリーズは二つの設定が可能である。第1の閾値角度設定は右方向操舵遊び角度LR>右方向閾値角度ATR、左方向操舵遊び角度LL>左方向閾値角度ATLであり、第2の閾値角度設定は右方向閾値角度ATR>右方向操舵遊び角度LR、左方向閾値角度ATL>左方向操舵遊び角度LLである。
図23aは第1の閾値角度設定である。
P1ではA>LL>ATLなので第2走行モード(001)による左旋回走行である。
P3ではLL>A>ATLなので第2走行モード(001)による直進走行である。
P4ではLL>ATL>A, LR>ATR>Aなので第3走行モード(
101
)による直進走行に切換えられる。
P5ではLR>A>ATRなので第1走行モード(100)による直進走行に切換えられる。
P6, P7ではA>LR>ATRなので第1走行モード(100)による右旋回走行である。
第1の閾値角度設定の第2走行モード(001)から第3走行モード(
101
)への切換えはP3からP4の直進走行状態で行われ、第3走行モード(
101
)から第1走行モード(100)への切換えはP4からP5の直進走行状態で行われるので、出力軸(Xo1)34と第2出力軸(Xo2)35の回転速度が等しい状態での走行モードの切換えが可能である。
図23bは第2の閾値角度設定である。
P1ではA>ATL>LLなので第2走行モード(001)による左旋回走行である。
P2ではATL>A>LLなので第3走行モード(
101
)による左旋回走行に切換えられる。
P3ではATL>LL>A, ATR>LR>Aなので第3走行モード(
101
)による直進走行である。
P6ではATR>A>LRなので第3走行モード(
101
)による右旋回走行である。
P7, P8ではA>ATR>LRなので第1走行モード(100)による右旋回走行に切換えられる。
第2の閾値角度設定の第2走行モード(001)から第3走行モード(
101
)への切換えはP1からP2の左旋回走行状態で行われ、第3走行モード(
101
)から第1走行モード(100)への切換えはP6からP7の直進走行から右旋回走行に移行する過渡的な状態で行われるので、出力軸(Xo1)34と第2出力軸(Xo2)35の回転速度に僅かに差がある状態で走行モードの切換えを行う。
Model 2221の第2の設定は、コーナー出口から直線の終わりまでの長い時間の間第3走行モード(
101
)が可能であるのて゛スポーツ走行に適し、第1の設定は、トルク抜けと切換えの衝撃のないトルクベクタリング制御が可能であり、第3走行モード(
101
)の走行時間が短いのでエコロジー走行に適している。
【0039】
Model 2221シリーズの前輪舵角度情報検出方式・直進走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御(第2方式)と前輪舵角度予測情報検出方式・直進走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御(第3方式)について説明する。
第2方式の操舵制御システム60は、前輪舵角度Sの情報を出力することが可能であり、第3方式の操舵制御システム60は、前輪舵角度Sの予測情報を出力することが可能である。
制御装置17は、前輪舵角度Sの情報または前輪舵角度Sの予測情報を検出し、第3走行モード(
101
)または第2走行モード(001)の直進走行状態で、前輪舵角度S>右方向前輪閾値角度STRになると第1走行モード(100)への切換え制御を行い、第3走行モード(
101
)または第1走行モード(100)の直進走行状態で、前輪舵角度S>左方向前輪閾値角度STLになると第2走行モード(001)への切換え制御を行い、第1走行モード(100)または第2走行モード(001)の直進走行状態で、右方向前輪閾値角度STR>前輪舵角度Sまたは左方向前輪閾値角度STL>前輪舵角度Sになると第3走行モード(
101
)への切換え制御を行う。
【0040】
Model 2221シリーズの旋回空転走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御(第4方式)について説明する。
操舵制御システム60は、右旋回走行または左旋回走行の旋回走行情報を出力する。
制御装置17は、第2走行モード(001)の旋回走行状態で、旋回走行情報が右旋回走行であり、第2車輪(右車輪)19の空転により第1出力軸(Xo1)34の回転速度と第2出力軸(Xo2)35の回転速度が等しくなると第3走行モード(
101
)または第1走行モード(100)への切換え制御を行い、第1走行モード(100)での旋回走行状態で、旋回走行情報が左旋回走行であり、第1車輪(左車輪)18の空転により第1出力軸(Xo1)34の回転速度と第2出力軸(Xo2)35の回転速度が等しくなると第3走行モード(
101
)または第2走行モード(001)への切換え制御を行う。
【0041】
Model 2221シリーズの基本の制御は直進走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御(第1方式、第2方式、第3方式)であり、何らかの理由で直進走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御が機能しなかった時に旋回空転走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御(第4方式)を行う。
Model 2221の第3走行モード(
101
)は第1車輪(左車輪)18と第2車輪(右車輪)19の双方に動力を伝達するので、Model 2211の第2の課題すなわち直進走行状態でのトルク伝達能力の不足を解決することができる。
Model 2221は、第3走行モード(
101
)の使用頻度を変化させることによってスポーツ走行とエコロジー走行の切換えが可能である。
操舵角度情報検出方式・直進走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御(第1方式)では、右方向閾値角度ATRと左方向閾値角度ATLの値を変化さすことにより、前輪舵角度情報検出方式・直進走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御(第2方式)と前輪舵角度予測情報検出方式・直進走行・出力軸同期切換えトルクベクタリング制御(第3方式)では、右方向前輪閾値角度STRと左方向前輪閾値角度STLを変化さすことにより、第3走行モード(
101
)の使用頻度を変化させることができる。
【0042】
図15はModel 2221, Model 2221Xの動力伝達装置20の制御を説明する図である。
図15aは第1走行モード(100)、すなわち、第1モータ(M1)12、第1クラッチ機構(C1)41、第1出力軸(Xo1)23で第1車輪(左車輪)18を直接駆動する右旋回走行または過渡的な直進走行である。
図15bは第3走行モード(
101
)、すなわち第1モータ(M1)12、第1クラッチ機構(C1)41、第2クラッチ機構(C2)42、第1出力軸(Xo1)23、第2出力軸(Xo2)24で第1車輪(左車輪)18と第2車輪(右車輪)19を直接駆動する直進走行である。
図15cは第2走行モード(001)、すなわち第1モータ(M1)12、第2クラッチ機構(C2)42、第2出力軸(Xo2)24で第2車輪(右車輪)19を直接駆動する左旋回走行または過渡的な直進走行である。
制御装置17は、第1走行モード(100)から第3走行モード(
101
)への切換えを行うには第2クラッチ機構(C2)42を接続する制御を行い、第3走行モード(
101
)から第1走行モード(100)への切換えは第2クラッチ機構(C2)42を切断する制御を行う。
第2走行モード(001)から第3走行モード(
101
)への切換えを行うには第1クラッチ機構(C1)41を接続する制御を行い、第3走行モード(
101
)から第2走行モード(001)への切換えは第1クラッチ機構(C1)41を切断する制御を行う。
第1出力軸(Xo1)23の回転速度と第2出力軸(Xo2)24の回転速度は等しいので、切換え時のトルク抜けと切換えの衝撃はない。
過渡的な直進走行とは恒常的な直進走行ではなく切換えを行うための一時的な直進走行である。
Model 2221V, Model 2221XVの第1走行モード(100)、第3走行モード(
101
)、第2走行モード(001)と走行モード切換え制御はModel 2221と同様の制御である。
【実施例】
【0043】
実施例5はModel 2222シリーズ(Model 2222, Model 2222V, Model 2222V, Model 2222XV)であり、2.5-走行モード切換え方式・第1方式ハイブリッド動力モデルの動力システムである。
Model 2222シリーズの動力システムの全体概要構成は図3のModel 2212シリーズと同じであり、Model 2212シリーズの第1A走行モード(200)、第2A走行モード(002)の他に、第1入力軸(Xi1)21と第2入力軸(Xi2)22の動力を第1出力軸(Xo1)23と第2出力軸(Xo2)(24)へ直接伝達する第3A走行モード(
202
)が可能である。
Model 2222の詳細な部分構成は図6aのModel 2212と同じであり、Model 2222XVの詳細な部分構成は図6bのModel 2212XVと同じである。
【0044】
Model 2222シリーズの出力軸同期切換えトルクベクタリング制御はModel 2221シリーズの第1走行モード(100)、第2走行モード(001)、第3走行モード(
101
)を第1A走行モード(200)、第2A走行モード(002)、第3A走行モード(
202
)に置き換えるのであって、Model 2221シリーズと同様の制御である。
【0045】
図16aはModel 2222, Model 2222Xの第3A走行モード(
202
)の動力伝達装置20の制御を説明する図である。
第3A走行モード(
202
)は、内燃機関(E)14、第4クラッチ機構(C4)44、第1モータ(M1)12、第1クラッチ機構(C1)41、第2クラッチ機構(C2)42、第1出力軸(Xo1)23、第2出力軸(Xo2)24で第1車輪(左車輪)18と第2車輪(右車輪)19を直接駆動する右旋回走行または直進走行である。
Model 2222, Model 2222Xの走行モード切換え制御はModel 2221の制御と同じであり、Model 2222XVの第3A走行モード(
202
)と走行モード切換え制御はModel 2222と同じである。
【0046】
Model 2222シリーズの動力システムで前輪を駆動しModel 2211シリーズまたはModel 2221シリーズの動力システムで後輪を駆動する四輪駆動動力システムが可能である。また、前輪を駆動するModel 2222シリーズの内燃機関(E)14と第1モータ(M1)12で発電し、後輪を駆動するModel 2211シリーズまたはModel 2221シリーズの第1モータ(M1)12で駆動する、シリーズハイブリッド動力システムが可能である。
【実施例】
【0047】
実施例6はModel 2223シリーズ(Model 2223, Model 2223V)であり、2.5--走行モード切換え方式・2-クラッチ方式・第2方式ハイブリッド動力モデルの動力システムである。
Model 2223シリーズの動力システムの全体概要構成は図4のModel 2213シリーズと同じであり、Model 2213シリーズの第1B走行モード(110)、第2B走行モード(011)、第4走行モード(010)の他に、第1入力軸(Xi1)21と第2入力軸(Xi2)22の動力を第1出力軸(Xo1)23と第2出力軸(Xo2)(24)へ直接伝達する第3B走行モード(
202
)が可能である。
Model 2223の詳細な部分構成は図7aのModel 2213と同じであり、Model 2223Vの詳細な部分構成は図7bのModel 2213Vと同じである。
【0048】
Model 2223シリーズの出力軸同期切換えトルクベクタリング制御はModel 2221シリーズの第1走行モード(100)、第2走行モード(001)、第3走行モード(
101
)を第1B走行モード(110)、第2B走行モード(011)、第3B走行モード(
202
)に置き換えるのであって、Model 2221シリーズと同様の制御である。
【0049】
図16bはModel 2223の第3B走行モード(
202
)の動力伝達装置20の制御を説明する図である。
第3B走行モード(
202
)は第1モータ(M1)12、第1クラッチ機構(C1)41、第2クラッチ機構(C2)42、第1出力軸(Xo1)23、第2出力軸(Xo2)24で第1車輪(左車輪)18と第2車輪(右車輪)19を直接駆動し、内燃機関(E)14、第2モータ(M2)13、第4クラッチ機構(C4)44、差動機構(Def)26で第1車輪(左車輪)18と第2車輪(右車輪)19を分配駆動する直進走行または右旋回走行または左旋回走行であり、走行モード切換え制御はModel 2221と同様の制御である。
第3B走行モード(
202
)が走行モード(111)とならないのは、第1クラッチ機構(C1)41と第2クラッチ機構(C2)42を同時に接続することにより、第1出力軸(Xo1)23と第2出力軸(Xo2)24はは接続されて差動機構(Def)26は機能しないからである。第3B走行モード(
202
)は第3A走行モード(
202
)のと同じ機能を提供する。
【0050】
図25はModel 2213, Model 2223シリーズの四輪駆動動力システムを説明する図である。
例えば、後輪を駆動するModel 2223シリーズの内燃機関(E)14と第2モータ(M2)13で発電し、前輪を駆動するModel 2211シリーズまたはModel 2221シリーズの第1モータ(M1)12と後輪を駆動するModel 2223シリーズの第1モータ(M1)12で駆動する、シリーズハイブリッド四輪駆動動力システムが可能である。
【実施例】
(【0051】以降は省略されています)

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