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公開番号2020078246
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200521
出願番号2020015013
出願日20200131
発明の名称集電装置の騒音抑制構造及び集電システム
出願人公益財団法人鉄道総合技術研究所
代理人個人
主分類B60L 5/22 20060101AFI20200424BHJP(車両一般)
要約【課題】集電舟と舟支え部との接合部の周辺から沿線に放射する騒音を簡単な構造によって抑制することができる集電装置の騒音抑制構造及び集電システムを提供する。
【解決手段】騒音抑制構造は、集電装置7A,7Bから沿線W1,W2に放射する騒音を抑制する。集電装置7A,7Bは、車両5の進行方向に応じて昇降し、この集電装置7A,7Bの集電舟8の一方の端部寄りを支持する舟支え部9aを備えている。集電舟8と舟支え部9aとの接合部が沿線W1,W2から遠い側になるときには、集電装置7A,7Bが上昇状態に切り替わり、集電舟8と舟支え部9aとの接合部が沿線W1,W2から近い側になるときには、集電装置7A,7Bが下降状態に切り替わる。騒音抑制構造は、集電装置7A,7Bから沿線W1,W2に放射する騒音を遮る遮音板13を備えている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
集電装置から沿線に放射する騒音を抑制する集電装置の騒音抑制構造であって、
前記集電装置は、前記車両の進行方向に応じて昇降し、
前記集電装置の集電舟の一方の端部寄りを支持する舟支え部を備え、
前記集電舟と前記舟支え部との接合部が沿線から遠い側になるときには、前記集電装置が上昇状態に切り替わり、
前記集電舟と前記舟支え部との接合部が沿線から近い側になるときには、前記集電装置が下降状態に切り替わること、
を特徴とする集電装置の騒音抑制構造。
続きを表示(約 900 文字)【請求項2】
請求項1に記載の集電装置の騒音抑制構造において、
前記集電装置から沿線に放射する騒音を遮る遮音板を備えること、
を特徴とする集電装置の騒音抑制構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の集電装置の騒音抑制構造において、
前記集電舟は、この集電舟の長さ方向に間隔をあけて、この集電舟の前部から後部に向かってこの集電舟を貫通する貫通孔を有すること、
を特徴とする集電装置の騒音抑制構造。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の集電装置の騒音抑制構造において、
前記集電舟が支持するすり板が摺動するトロリ線の高さが4800mm以上5000mm未満であること、
を特徴とする集電装置の騒音抑制構造。
【請求項5】
複数の集電装置を車両の進行方向に応じて昇降させることによって、トロリ線と摺動するすり板を通じてこの車両に電力を導く集電システムであって、
前記車両の進行方向に応じて昇降する第1及び第2の集電装置を備え、
前記第1の集電装置は、
上り線側の沿線から遠い側のこの第1の集電装置の集電舟の一方の端部寄りを支持する舟支え部を備えており、
前記車両が上り線を走行するときに上昇状態に切り替わり、この車両が下り線を走行するときに下降状態に切り替わり、
前記第2の集電装置は、
下り線側の沿線から遠い側のこの第2の集電装置の集電舟の一方の端部寄りを支持する舟支え部を備えており、
前記車両が下り線を走行するときに上昇状態に切り替わり、この車両が上り線を走行するときに下降状態に切り替わること、
を特徴とする集電システム。
【請求項6】
請求項5に記載の集電システムにおいて、
前記集電舟は、前部の形状と後部の形状とが非対称であり、
前記第1及び前記第2の集電装置は、前記集電舟の前部が進行方向前側に向くときに上昇状態に切り替わること、
を特徴とする集電システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、集電装置から沿線に放射する騒音を抑制する集電装置の騒音抑制構造、及び複数の集電装置を車両の進行方向に応じて昇降させることによって、トロリ線と摺動するすり板を通じてこの車両に電力を導く集電システムに関する。
続きを表示(約 17,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、パンタグラフの空力音低減は、部材形状の平滑化に代表される形状改良を中心に行われてきた。パンタグラフの主要な音源である舟体については、揚力特性安定化の観点から平滑化が容易ではない。従来のパンタグラフは、所定の曲線により定義された形状を配置した流れ場のシミュレーションを実行し、目的関数が最小となるように最適化手法を利用して得られた形状を有している(例えば、特許文献1参照)。このような従来のパンタグラフでは、数値流体力学(Computational Fluid Dynamics(CFD))解析と最適化手法とを組み合わせた手法により、空力音低減と揚力特性安定化を両立する平滑舟体形状を提案している。また、従来のパンタグラフは、CFD解析と最適化手法とを組み合わせた平滑化舟体と貫通孔を組み合わせている(例えば、非特許文献1参照)。このような従来のパンタグラフでは、貫通孔を設けることで狭帯域音の抑制を図り、大きな空力音低減効果が得られることを確認している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2005-020834号公報
【0004】
吉田 和重、他2名、“揚力特性および低騒音性を考慮した舟体形状最適化の基礎検討”鉄道総研報告、研友社、2005年9月、第19巻、9号、p.23-28
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、パンタグラフ各部の形状改良がある程度まで進んでいるが、揚力特性との兼ね合いやパンタグラフとしての機構を成立させることを考慮すると、今後は形状改良による劇的な空力音低減は困難な状況である。また、多孔質材に代表される部材表面性状の変更や、流れ場制御デバイスの適用などの研究も進められているが、実用化においてはまだ課題が多い。
【0006】
この発明の課題は、集電装置から沿線に放射する騒音を簡単な構造によって抑制することができる集電装置の騒音抑制構造及び集電システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図1〜図6に示すように、集電装置(7A,7B)から沿線(W
1
,W
2
)に放射する騒音(S)を抑制する集電装置の騒音抑制構造であって、前記集電装置は、前記車両(5)の進行方向に応じて昇降し、前記集電装置の集電舟(8)の一方の端部寄りを支持する舟支え部(9a)を備え、前記集電舟と前記舟支え部との接合部が沿線から遠い側になるときには、前記集電装置が上昇状態に切り替わり、前記集電舟と前記舟支え部との接合部が沿線から近い側になるときには、前記集電装置が下降状態に切り替わることを特徴とする集電装置の騒音抑制構造(12)である。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の集電装置の騒音抑制構造において、前記集電装置から沿線に放射する騒音を遮る遮音板(13)を備えることを特徴とする集電装置の騒音抑制構造である。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の集電装置の騒音抑制構造において、図10に示すように、前記集電舟は、この集電舟の長さ方向に間隔をあけて、この集電舟の前部(8c)から後部(8d)に向かってこの集電舟を貫通する貫通孔(8e)を有することを特徴とする集電装置の騒音抑制構造である。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の集電装置の騒音抑制構造において、図11に示すように、前記集電舟が支持するすり板が摺動するトロリ線の高さ(H
2
)が4800mm以上5000mm未満であることを特徴とする集電装置の騒音抑制構造である。
【0011】
請求項5の発明は、図1〜図6に示すように、複数の集電装置を車両(5)の進行方向(D
1
,D
2
)に応じて昇降させることによって、トロリ線(4a)と摺動するすり板(8a)を通じてこの車両に電力を導く集電システムであって、前記車両の進行方向に応じて昇降する第1及び第2の集電装置(7A,7B)を備え、前記第1の集電装置(7A)は、上り線(2A)側の沿線(W
1
)から遠い側のこの第1の集電装置の集電舟(8)の一方の端部寄りを支持する舟支え部(9a)を備えており、前記車両が上り線(2A)を走行するときに上昇状態に切り替わり、この車両が下り線(2B)を走行するときに下降状態に切り替わり、前記第2の集電装置(7B)は、下り線(2B)側の沿線(W
2
)から遠い側のこの第2の集電装置の集電舟(8)の一方の端部寄りを支持する舟支え部(9a)を備えており、前記車両が下り線(2B)を走行するときに上昇状態に切り替わり、この車両が上り線(2A)を走行するときに下降状態に切り替わることを特徴とする集電システム(6)である。
【0012】
請求項6の発明は、請求項5に記載の集電システムにおいて、図5〜図7及び図10に示すように、前記集電舟は、前部(8c)の形状と後部(8d)の形状とが非対称であり、前記第1及び前記第2の集電装置は、前記集電舟の前部が進行方向前側に向くときに上昇状態に切り替わることを特徴とする集電システムである。
【発明の効果】
【0013】
この発明によると、集電装置から沿線に放射する騒音を簡単な構造によって抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
この発明の第1実施形態に係る集電システムを備える車両が上り線を走行する場合を概略的に示す斜視図である。
この発明の第1実施形態に係る集電システムを備える車両が下り線を走行する場合を概略的に示す斜視図である。
図1のIII部分を拡大して示す正面図である。
図2のIV部分を拡大して示す正面図である。
この発明の第1実施形態に係る集電装置の騒音抑制構造を備える車両が上り線を走行する場合を概略的に示す外観図であり、(A)は正面図であり、(B)は側面図である。
この発明の第1実施形態に係る集電装置の騒音抑制構造を備える車両が下り線を走行する場合を概略的に示す外観図であり、(A)は正面図であり、(B)は側面図である。
この発明の第1実施形態に係る集電装置の騒音抑制構造を備える集電装置の集電舟を概略的に示す側面図である。
この発明の第1実施形態に係る集電装置の騒音抑制構造を備える集電装置と遮音板との位置関係を模式的に示す正面図であり、(A)は集電舟の一方の端部を舟支え部で支持する場合の正面図であり、(B)は集電舟の中央部を舟支え部で支持する場合の正面図である。
この発明の第1実施形態に係る集電装置の騒音抑制構造を備える集電装置を沿線側から見上げた状態を模式的に示す側面図であり、(A)は集電舟の一方の端部を舟支え部で支持する場合の側面図であり、(B)は集電舟の中央部を舟支え部で支持する場合の側面図である。
この発明の第2実施形態に係る集電装置の騒音抑制構造を備える集電装置の集電舟を概略的に示す外観図であり、(A)は縦断面図であり、(B)は正面図である。
この発明の第3実施形態に係る集電装置の騒音抑制構造を備える集電装置を模式的に示す正面図であり、(A)は架線高さが高いときの正面図であり、(B)は架線高さが低いときの正面図である。
この発明の第3実施形態に係る集電装置の騒音抑制構造を備える集電装置を沿線側から見上げた状態を模式的に示す側面図であり、(A)は架線高さが高いときの正面図であり、(B)は架線高さが低いときの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1〜図4に示す沿線W
1
,W
2
は、軌道2に沿って存在する土地(領域)である。沿線W
1
,W
2
は、軌道2を挟み二つに分かれて存在する。沿線W
1
は、上り線2Aに近い側(下り線2Bから遠い側)の土地であり、例えば東北新幹線の場合には上り線2Aを走行する車両5の進行方向D
1
の左側(海側)の土地である。沿線W
2
は、下り線2Bに近い側(上り線2Aから遠い側)の土地であり、例えば東北新幹線の場合には下り線2Bを走行する車両5の進行方向D
2
の左側(山側)の土地である。沿線W
1
は、図1及び図3に示すように、上り線2Aを車両5が走行するときには騒音源から近い側になるため騒音対策の重要度が高くなるが、図2及び図4に示すように下り線2Bを車両5が走行するときには騒音源から遠い側になるため騒音対策の重要度が低くなる。一方、沿線W
2
は、図1及び図3に示すように、上り線2Aを車両5が走行するときには騒音源から遠い側になるため騒音対策の重要度が低くなるが、図2及び図4に示すように下り線2Bを車両5が走行するときには騒音源から近い側になるため騒音対策の重要度が高くなる。
【0016】
図1〜図4に示す路盤1は、軌道2を支持する基盤である。路盤1は、車両5が通過するときに荷重を支持する構造物である。路盤1は、例えば、スラブ軌道区間に設置される路盤コンクリート、又は良質な自然土などを用いて締め固められた土路盤などである。
【0017】
軌道2は、車両5が走行する通路(線路)である。軌道2は、図3及び図4に示すように、車両5の車輪を案内する一対のレール2aと、一対のレール2aを支持する矩形平板状のプレキャストのコンクリート版からなる軌道スラブ(スラブ版)2bなどから構成されている。軌道2は、図1〜図4に示すように、二本の本線で構成された複線であり、上り線2Aと下り線2Bとから構成されている。上り線2Aは、複線以上の軌道2を有数する線路において主として終点から起点方向(図1及び図3に示す進行方向D
1
)に列車が走行する軌道2である。下り線2Bは、複線以上の軌道2を有数する線路において主として起点から終点方向(図2及び図4に示す進行方向D
2
)に列車が走行する軌道2である。例えば、上り線2Aは、東北新幹線の場合には仙台方面から東京方面に向かう車両5が走行する線路であり、下り線2Bは東北新幹線の場合には東京方面から仙台方面に向かう車両5が走行する線路である。
【0018】
図1〜図4に示す防音壁3は、音源から伝搬する騒音を減衰させる固定構造物である。防音壁3は、軌道2に沿って構築されている。防音壁3は、音源(軌道2側)と受音点(沿線W
1
,W
2
側)との間に設置されており、音源側の表面を吸音処理することより、この音源から伝搬する騒音の減衰効果を向上させている。
【0019】
図3〜図6に示す架線4は、線路上空に架設される架空電車線である。架線4は、所定の間隔をあけて支持点で支持されている。トロリ線4aは、集電装置7A,7Bのすり板8aが摺動する電線である。トロリ線4aは、すり板8aが接触移動することによって車両5に負荷電流を供給する。
【0020】
図1〜図6に示す車両5は、電車又は電気機関車などの電気車である。車両5は、例えば、高速で走行する新幹線(登録商標)などの鉄道車両である。車両5は、1両又は複数両によって編成されており、軌道2上を運転する目的で組成された列車である。図3〜図6に示す車体5aは、乗客又は貨物を積載し輸送するための構造物である。
【0021】
図1及び図2に示す集電システム6は、複数の集電装置7A,7Bを車両5の進行方向D
1
,D
2
に応じて昇降させることによって、トロリ線4aと摺動するすり板8aを通じて車両5に電力を導くシステムである。集電システム6は、一編成(一列車)当たり二つの集電装置7A,7Bを備えており、車両5の進行方向D
1
,D
2
に応じていずれか一方の集電装置7A,7Bを使用する。集電システム6は、図1に示すように、車両5が上り線2Aを走行するときに上昇状態に切り替わる集電装置7Aと、図2に示すように車両5が下り線2Bを走行するときに上昇状態に切り替わる集電装置7Bとを備えている。集電システム6は、例えば、図1に示すように、車両5が上り線2Aを走行するときには、進行方向D
1
の前側の集電装置7Bを使用せず、進行方向D
1
の後側の集電装置7Aを使用する。一方、集電システム6は、例えば、図2に示すように、車両5が下り線2Bを走行するときには、進行方向D
2
の前側の集電装置7Aを使用せず、進行方向D
2
の後側の集電装置7Bを使用する。
【0022】
集電システム6は、図1に示すように、車両5が上り線2Aを走行するときには、集電装置7Aを上昇状態(展開状態)に切り替えてこの集電装置7Aのすり板8aをトロリ線4aに接触させ、集電装置7Bを下降状態(折畳状態)に切り替えてこの集電装置7Bのすり板8aをトロリ線4aから離間させる。一方、集電システム6は、図2に示すように、車両5が下り線2Bを走行するときには、集電装置7Aを下降状態(折畳状態)に切り替えてこの集電装置7Aのすり板8aからトロリ線4aを離間させ、集電装置7Bを上昇状態(展開状態)に切り替えてこの集電装置7Bのすり板8aをトロリ線4aに接触させる。集電装置7A,7Bは、図5(B)及び図6(B)に示すように、集電舟8の前部8cが進行方向D
1
,D
2
の前側に向くときに上昇状態に切り替わる。集電システム6は、図1に示すように、車両5が上り線2Aを走行するときには、図5(B)に示すように集電装置7A側の集電舟8の前部8cが進行方向D
1
に向くように集電装置7Aを上昇させて、集電装置7B側の集電舟8の後部8dが進行方向D
1
に向かないように集電装置7Bを下降させる。一方、集電システム6は、図2に示すように、車両5が下り線2Bを走行するときには、図6(B)に示すように集電装置7B側の集電舟8の前部8cが進行方向D
2
に向くように集電装置7Bを上昇させて、集電装置7A側の集電舟8の後部8dが進行方向D
2
に向かないように集電装置7Aを下降させる。
【0023】
図1〜図6に示す集電装置7A,7Bは、トロリ線4aから電力を車両5に導くための装置である。集電装置7A,7Bは、いずれも同一構造であり、図3〜図6に示すように集電舟(舟体)8と、枠組9と、台枠10と、がいし(碍子)11と、騒音抑制構造12などを備えている。集電装置7A,7Bは、図1及び図2に示すように、車両5の進行方向D
1
,D
2
に対して非対称であり、一方向に使用可能なシングルアーム式パンタグラフである。集電装置7A,7Bは、原則として、図5(B)及び図6(B)に示すように、空力音が比較的小さくなる車両5の進行方向D
1
,D
2
の前側に関節部9dが位置するなびき方向で使用されるが、空力音が比較的大きくなる車両5の進行方向D
1
,D
2
の後側に関節部9dが位置する反なびき方向では使用されない。集電装置7A,7Bは、図1及び図2に示すように、枠組9の関節部9d同士が向き合うように、互いに対向して配置されている。
【0024】
集電装置7A,7Bは、図5(A)及び図6(A)に示すように、集電舟8の沿線W
1
,W
2
から遠い側の端部寄りを舟支え部9aによって支持する。集電装置7A,7Bは、図3、図4、図5(A)及び図6(A)に示すように、軌道2が複線である場合であって車両5が左側通行をする場合には、集電舟8の進行方向D
1
,D
2
の右側の端部寄りを舟支え部9aによって支持する。集電装置7Aは、図3及び図5(A)に示すように、車両5が上り線2Aを走行するときには、集電舟8と舟支え部9aとの接合部が沿線W
1
から遠くなるように、集電舟8の上り線2A側の沿線W
1
から遠い側の端部寄りを舟支え部9aによって支持する。一方、集電装置7Bは、図4及び図6(A)に示すように、車両5が下り線2Bを進行するときに、集電舟8と舟支え部9aとの接合部が沿線W
2
から遠くなるように、集電舟8の下り線2B側の沿線W
2
から遠い側の端部寄りを舟支え部9aによって支持する。集電装置7Aは、図1に示すように、車両5が上り線2Aを走行するときには上昇状態に切り替わり、図2に示すようにこの車両5が下り線2Bを走行するときには下降状態に切り替わる。一方、集電装置7Bは、図1に示すように、車両5が上り線2Aを走行するときには下降状態に切り替わり、図2に示すようにこの車両5が下り線2Bを走行するときには上昇状態に切り替わる。
【0025】
図5〜図7に示す集電舟8は、すり板8aを支持する部材である。集電舟8は、図5(A)及び図6(B)に示すように、一般にトロリ線4aと直交する方向(まくらぎ方向)に伸びた細長い金属製の柱状部材である。集電舟8は、図5〜図7に示すすり板8aと、図5及び図6に示すホーン8bなどを備えている。図5〜図7に示す集電舟8は、空力音低減効果及び揚力特性安定化を図るために、CFD解析と最適化手法とを組み合わせた平滑化舟体(平滑形状舟体)である。集電舟8は、車両5の進行方向D
1
,D
2
の前側に向ける前部(前縁部)8cと、車両5の進行方向D
1
,D
2
の後側に向ける後部(後縁部)8dなどを備えている。集電舟8は、図7に示すように、この集電舟8の中心線Oに対して前後非対称に形成されており、前部8cの形状と後部8dの形状とが非対称である。前部8cは、迎角αの変化に対して鈍感になるように、比較的鈍頭な形状に形成されている。ここで、迎角αとは、集電舟8の前後方向(幅方向)と気流Fの方向とのなす角である。後部8dは、気流Fのはく離領域を小さくするために、絞り込まれた形状に形成されている。集電舟8は、前部8c側を進行方向D
1
,D
2
側に向けたときに空力音低減効果及び揚力特性安定化を発揮する。
【0026】
図5〜図7に示すすり板8aは、トロリ線4aと摺動する部材である。すり板8aは、図5(A)及び図6(A)に示すように車両5の進行方向D
1
,D
2
と直交する方向に伸びた金属製又は炭素製の板状部材であり、集電舟8に取り付けられている。すり板8aは、トロリ線4aと接触移動して大電流が流れるため、一定の機械的強度、導電性及び耐摩耗性などが要求される。すり板8aは、図7に示すように、集電舟8と一体となって平滑化舟体を構成している。
【0027】
図5及び図6に示すホーン8bは、車両5が分岐器を通過するときに、この分岐器の上方で交差する2本のトロリ線4aのうち車両5の進行方向D
1
,D
2
とは異なる方向のトロリ線4aへの割込みを防止するための部材である。ホーン8bは、図5(A)及び図6(A)に示すように、集電舟8の長さ方向の両端部から突出しており、先端部が湾曲して形成された金属製の部材である。
【0028】
図3〜図6に示す枠組9は、集電舟8を支持する部材である。枠組9は、集電舟8を支持した状態で上下方向に動作可能なリンク機構を備えている。枠組9は、台枠10に取り付けられて上昇力を付与する主ばね(押上げ用ばね)によって上方に押上げられている。枠組9は、図3〜図7に示す舟支え部9aと、上枠9bと、図5及び図6に示す下枠9cと、関節部(屈曲部)9dなどを備えている。
【0029】
図3〜図7に示す舟支え部9aは、集電舟8を支持する部分である。舟支え部9aは、集電舟8を架線4に対して水平に押上げる機構部を備えている。舟支え部9aは、図3、図4、図5(A)及び図6(A)に示すように、集電舟8の一方の端部寄りを支持しており、軌道2のまくらぎ方向にオフセットした状態で集電舟8を片持ち支持する。舟支え部9aは、図3、図4、図5(A)及び図6(A)に示すように、集電舟8と舟支え部9aとの接合部の付近から発生する騒音Sが遮音板13によって遮音されやすいように、集電舟8の沿線W
1
,W
2
から遠い側の端部寄りを支持する。舟支え部9aは、図3及び図5(A)に示すように、上り線2Aを車両5が走行するときには、沿線W
1
から遠い位置(沿線W
2
に近い位置)となる集電舟8の端部寄りを支持する。一方、舟支え部9aは、図4及び図6(A)に示すように、下り線2Bを車両5が走行するときには、沿線W
2
から遠い位置(沿線W
1
に近い位置)となる集電舟8の端部寄りを支持する。
【0030】
図5〜図7に示す上枠9bは、舟支え部9aに回転自在に連結される部材である。図5及び図6に示す下枠9cは、台枠10に回転自在に連結される部材である。下枠9cは、枠組9を昇降動作させる図示しない主軸及び主ばねに連結されている。関節部9dは、上枠9bと下枠9cとが回転自在に連結される中間ヒンジとして機能する部分である。
【0031】
図3〜図6に示す台枠10は、枠組9を支持する部材である。台枠10は、枠組9を支持した状態で車体5aの屋根上に設置される。台枠10は、枠組9を昇降動作させる主軸及び主ばね、この主軸を駆動させるシリンダ装置などの機構部、及びこのシリンダ装置に作動流体を供給する配管類などが、気流の乱れを防ぐ風防カバーなどの風防部によって覆われている。
【0032】
がいし11は、車体5aと台枠10との間を電気的に絶縁する部材である。図3〜図5に示すがいし11は、空力音の発生に対して抑制効果のある形状に形成されている低騒音がいしである。がいし11は、このがいし11の後縁部に発生する渦の放出を抑制するために、水平面で切断したときの断面形状が略楕円形に形成されている。がいし11は、台枠10の両縁部寄りの底面をそれぞれ支持する。
【0033】
騒音抑制構造12は、集電装置7A,7Bから沿線W
1
,W
2
に放射する騒音Sを抑制する構造である。騒音抑制構造12は、図3、図4、図5(A)及び図6(A)に示すように、集電装置7A,7Bの集電舟8と舟支え部9aとの間の接合部の周辺から沿線W
1
,W
2
に放射する騒音Sを抑制する。騒音抑制構造12は、集電装置7A,7Bの主要な音源である集電舟8と舟支え部9aとの間の接合部を、遮音板13による遮音効果が大きくなる位置に配置することによって、この接合部の付近から発生する騒音Sが沿線W
1
,W
2
に伝搬するのを抑制する。騒音抑制構造12は、図3及び図5(A)に示すように、上り線2Aを車両5が走行するときに、集電舟8と舟支え部9aとの間の接合部の近傍から発生する騒音Sがこの上り線2Aに近い側の沿線W
1
に放射するのを抑制する。一方、騒音抑制構造12は、図4及び図6(A)に示すように、下り線2Bを車両5が走行するときに、集電舟8と舟支え部9aとの間の接合部の近傍から発生する騒音Sがこの下り線2Bに近い側の沿線W
2
に放射するのを抑制する。
【0034】
図1〜図6に示す遮音板13は、集電装置7A,7Bから沿線W
1
,W
2
に放射する騒音Sを遮る部材である。遮音板13は、図3〜図6に示すように、集電装置7A,7Bの両側にこの集電装置7A,7Bの側面を覆う(騒音源を隠す)ようにそれぞれ対向して配置されている。図3〜図6に示す遮音板13は、集電装置7A,7Bの両側から放射する騒音Sを遮音するパンタグラフ遮音板(二面側壁)である。遮音板13は、図5(B)及び図6(B)に示すように、この遮音板13の長さ方向の中間位置が図7に示す集電舟8の中心線Oと略一致するように配置されている。遮音板13は、図5及び図6に示すように、集電装置7A,7Bが上昇状態であるときには、この集電装置7A,7Bの側面の殆どの部分を覆う。遮音板13は、図1及び図2に示すように、集電装置7A,7Bが下降状態であるときにはこの集電装置7A,7Bの側面全体を覆う。遮音板13は、図5(A)及び図6(A)に示すように、車体5aの幅方向における車体5aの屋根上の両縁部に取り付けられており、車体5aと一体に固定された状態でこの車体5aに支持されている。
【0035】
次に、この発明の第1実施形態に係る集電装置の騒音抑制構造の作用を説明する。
以下では、図8及び図9に示すように、車両5が上り線2Aを走行する場合を例に挙げて説明する。
図8(B)及び図9(B)に示すように、集電舟8の中央部が舟支え部9aによって支持されている場合には、図9(B)に示すように沿線W
1
側(受音点側)から集電装置7Aを見上げると、集電装置7Aの集電舟8と舟支え部9aとの接合部の付近が遮音板13から露出している。このため、集電舟8と舟支え部9aとの接合部の付近が遮音板13によって遮音され難い位置になり、この接合部の付近から沿線W
1
に向かって斜め下方に騒音Sが放射する。その結果、遮音板13による遮音効果が低くなって、この接合部の付近から沿線W
1
に騒音Sが伝搬する。
【0036】
一方、図8(A)及び図9(A)に示すように、沿線W
1
から遠い側の集電舟8の端部が舟支え部9aによって支持されている場合には、図9(A)に示すように沿線W
1
側(受音点側)から集電装置7Aを見上げると、集電装置7Aの集電舟8と舟支え部9aとの接合部の付近が遮音板13によって覆われる。このため、集電舟8と舟支え部9aとの接合部の付近が遮音板13によって遮音され安い位置になり、この接合部の付近から沿線W
1
に向かって斜め下方に放射する騒音Sが遮音板13によって遮音される。その結果、遮音板13による遮音効果が高くなって、集電舟8と舟支え部9aとの接合部の付近から沿線W
1
に伝搬する騒音Sが低減される。
【0037】
次に、この発明の第1実施形態に係る集電システムの動作を説明する。
図1に示す車両5が上り線2Aを進行方向D
1
に走行するときに集電装置7A,7Bを上昇状態にすると、進行方向D
1
の前側の集電装置7Bの下流側の気流の乱れによる影響を、進行方向D
1
の後側の集電装置7Aが受けてこの集電装置7Aから発生する空力音が増大する可能性がある。このため、図1に示すように、前側の集電装置7Bを下降状態に切り替え、後側の集電装置7Aを上昇状態に切り替える。このとき、前側の集電装置7Bが一対の遮音板13間で下降状態になるため、下降状態の集電装置7Bから発生する騒音Sが遮音板13によって遮音される。後側の集電装置7Aが上昇状態であると、図5(B)に示すように集電舟8の前部8cが進行方向D
1
側に向くため、この集電舟8から発生する空力音が低減される。後側の集電装置7Aが上昇状態であると、集電舟8と舟支え部9aとの接合部の付近から発生する騒音Sが主要な音源となる。しかし、図5(A)に示すように、沿線W
1
から遠い側の集電舟8の端部寄りを舟支え部9aが支持するため、図9(A)に示すように沿線W
1
側から集電装置7Aを見上げたときに、集電舟8と舟支え部9aとの接合部の付近が遮音板13によって覆われる。その結果、集電舟8と舟支え部9aとの接合部の付近から発生して沿線W
1
に放射する騒音Sが遮音板13によって遮音されて、沿線W
1
に向かって伝搬する騒音Sが抑制される。
【0038】
一方、図2に示す車両5が下り線2Bを進行方向D
2
に走行するときに集電装置7A,7Bを上昇状態にすると、進行方向D
2
の前側の集電装置7Aの下流側の気流の乱れによる影響を、進行方向D
2
の後側の集電装置7Bが受けてこの集電装置7Bから発生する空力音が増大する可能性がある。このため、図2に示すように、前側の集電装置7Aを下降状態に切り替え、後側の集電装置7Bを上昇状態に切り替える。このとき、前側の集電装置7Aが一対の遮音板13間で下降状態になるため、下降状態の集電装置7Aから発生する騒音Sが遮音板13によって遮音される。後側の集電装置7Bが上昇状態であると、図6(B)に示すように集電舟8の前部8cが進行方向D
2
側に向くため、この集電舟8から発生する空力音が低減される。後側の集電装置7Bが上昇状態であると、集電舟8と舟支え部9aとの接合部の付近から発生する騒音Sが主要な音源となる。しかし、図6(A)に示すように、沿線W
2
から遠い側の集電舟8の端部寄りを舟支え部9aが支持するため、図9(A)に示すように沿線W
1
側から集電装置7Aを見上げてときと同様に、沿線W
2
側から集電装置7Bを見上げると集電舟8と舟支え部9aとの接合部の付近が遮音板13によって覆われる。その結果、集電舟8と舟支え部9aとの接合部の付近から発生して沿線W
2
に放射する騒音Sが遮音板13によって遮音されて、沿線W
2
に向かって伝搬する騒音Sが抑制される。
【0039】
この発明の第1実施形態に係る集電装置の騒音抑制構造には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、集電舟8の一方の端部寄りを舟支え部9aが支持する。このため、集電舟8と舟支え部9aとの接合部をまくらぎ方向にオフセットさせることによって、遮音板13によって大きな遮音効果が得られる位置に、集電装置7A,7Bの主要な音源部位であるこの接合部の近傍を移設することができる。その結果、集電装置7A,7Bについて困難な改良形状を実施せずに、沿線W
1
,W
2
の騒音Sをより一層低減することができる。
【0040】
(2) この第1実施形態では、集電舟8の沿線W
1
,W
2
から遠い側の端部寄りを舟支え部9aが支持する。このため、図8(B)に示すような現用の集電装置に比べて、図8(A)に示すように集電舟8と舟支え部9aとの接合部が沿線W
1
,W
2
から遠い位置にすることができる。その結果、集電舟8と舟支え部9aとの接合部の付近から発生する騒音Sを遮音板13によって容易に遮音することができ、沿線W
1
,W
2
に伝搬する騒音Sを抑制することができる。
【0041】
(3) この第1実施形態では、集電装置7A,7Bから沿線W
1
,W
2
に放射する騒音Sを遮音板13が遮音する。このため、集電舟8と舟支え部9aとの接合部の付近から発生する騒音Sを遮音板13によって遮音することができ、この接合部の付近から発生する騒音Sが沿線W
1
,W
2
に伝搬するのを抑制することができる。
【0042】
この発明の第1実施形態に係る集電システムには、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、車両5が上り線2Aを走行するときに集電装置7Aが上昇状態に切り替わり、車両5が下り線2Bを走行するときに集電装置7Bが上昇状態に切り替わる。また、この第1実施形態では、すり板8aを支持する集電舟8の上り線2A側の沿線W
1
から遠い側の端部寄りを舟支え部9aによって集電装置7Aが支持する。さらに、この第1実施形態では、すり板8aを支持する集電舟8の下り線2B側の沿線W
2
から遠い側の端部寄りを舟支え部9aによって集電装置7Bが支持する。このため、車両5の進行方向D
1
,D
2
が変化する場合であっても、集電装置7A,7Bの主要な音源部位である集電舟8と舟支え部9aとの接合部近傍を、遮音板13によって大きな遮音効果が得られる位置に移設することができる。その結果、集電装置7A,7Bについて困難な改良形状を実施せずに、沿線W
1
,W
2
の騒音Sをより一層低減することができる。
【0043】
(2) この第1実施形態では、集電装置7A,7Bの集電舟8の進行方向D
1
の右側の端部寄りを舟支え部9aによって支持する。このため、車両5の進行方向D
1
,D
2
が変化する場合であっても、集電舟8と舟支え部9aとの接合部が沿線W
1
,W
2
から遠い位置になり、この接合部の付近から発生する騒音Sを遮音板13によって容易に遮音することができ、沿線W
1
,W
2
に伝搬する騒音Sを抑制することができる。
【0044】
(3) この第1実施形態では、車両5が上り線2Aを走行するときには集電装置7Aが上昇状態に切り替わり、この車両5が下り線2Bを走行するときには集電装置7Aが下降状態に切り替わる。また、この第2実施形態では、車両5が上り線2Aを走行するときには集電装置7Bが下降状態に切り替わり、この車両5が下り線2Bを走行するときには集電装置7Bが上昇状態に切り替わる。このため、集電装置7A,7Bが上り線2Aを進行するときには、集電装置7Bが下降状態に切り替わり、集電装置7Bの集電舟8と舟支え部9aとの接合部の付近から沿線W
1
に騒音Sが伝搬されるのを防ぐことができる。一方、集電装置7A,7Bが下り線2Bを進行するときには、集電装置7Aが下降状態に切り替わり、集電装置7Aの集電舟8と舟支え部9aとの接合部の付近から沿線W
2
に騒音Sが伝搬されるのを防ぐことができる。
【0045】
(4) この第1実施形態では、集電舟8の前部8cの形状と後部8dの形状とが非対称であり、この集電舟8の前部8cが進行方向D
1
,D
2
の前側に向くときに集電装置7A,7Bが上昇状態に切り替わる。このため、車両5の進行方向D
1
,D
2
が変化した場合であっても、集電舟8の前部8cを進行方向D
1
,D
2
の前側に常に位置付けることができ、空力音低減効果及び揚力特性安定化を図ることができる。また、例えば、図7に示す集電舟8のような進行方向D
1
,D
2
が限定される平滑化舟体の場合であっても、集電装置7A,7Bから沿線W
1
,W
2
に伝搬する騒音Sを抑制することができる。
【0046】
(第2実施形態)
以下では、図1〜図9に示す部分と同一の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図10に示す集電舟8は、貫通孔8eを備えている。貫通孔8eは、集電舟8の長さ方向に間隔を開けて、この集電舟8の前部8cから後部8dに向かってこの集電舟8を貫通する部分である。貫通孔8eは、集電舟8と舟支え部9aとの接合部の付近から発生するカルマン渦をこの貫通孔8eを通過する気流によって乱し、この接合部の付近から発生する騒音Sを抑制する。貫通孔8eは、例えば、集電舟8の長さ方向に40mm間隔で、開口部の形状が縦6mm×横20mmの略四角形に形成されている。
【0047】
この発明の第2実施形態に係る集電装置の騒音抑制構造には、第1実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
この第2実施形態では、集電舟8の長さ方向に間隔をあけて、この集電舟8の前部8cから後部8dに向かってこの集電舟8を貫通孔8eが貫通する。このため、例えば、集電舟8と舟支え部9aとの接合部をオフセットさせた場合に、集電装置7A,7Bから発生するエオルス音(狭帯域音)が増加したときには、この接合部の付近に発生するカルマン渦を、貫通孔8eを通過する気流と干渉させて乱し、空力音の発生を抑制することができる。
【0048】
(第3実施形態)
図11(B)に示す架線4は、図11(A)に示す標準的なトロリ線高さH
2
よりもトロリ線高さH
1
が低い。ここで、トロリ線高さH
1
,H
2
とは、左右のレール2aの頭頂面上を結んだ線上にトロリ線4aの摺動面から降ろした垂線の長さである。トロリ線高さH
2
は、在来線では5000mm以上5400mm以下であり、新幹線では4800mm以上5000mm以下である。図11(A)に示す架線4は、トロリ線高さH
1
が4800mm以上5000mm未満になるように架設されている。
【0049】
次に、この発明の第3実施形態に係る集電装置の騒音抑制構造の作用を説明する。
図11(B)に示すように、架線4のトロリ線高さH
2
(H
2
>H
1
)の場合には、図11(A)に示すように架線4のトロリ線高さH
1
の場合に比べて、集電舟8と舟支え部9aとの接合部の位置が低くなる。このため、図12に示すように、沿線W
1
側から集電装置7Aを見上げたときに、図12(B)に示すようにトロリ線高さH
2
の場合には、図12(A)に示すトロリ線高さH
1
の場合に比べて、集電舟8と舟支え部9aとの接合部が遮音板13によってより一層覆われる。このため、集電舟8と舟支え部9aとの接合部の付近から発生する騒音Sが遮音板13によって遮音されて、この接合部の付近から沿線W
1
に向かって伝搬する騒音Sが抑制されて沿線W
1
の騒音Sが小さくなる。
【0050】
この発明の第3実施形態に係る集電装置の騒音抑制構造には、第1実施形態及び第2実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
この第3実施形態では、集電舟8が支持するすり板8aが摺動するトロリ線4aの高さが4800mm以上5000mm未満である。このため、架線4の高さを下げることによって、集電装置7A,7Bの主要な騒音源である集電舟8と舟支え部9aとの接合部の位置が遮音板13によって覆われる領域まで下げることができる。その結果、遮音板13による遮音効果がより一層向上し、集電舟8と舟支え部9aとの接合部の付近から沿線W
1
に放射する騒音Sを低減することができる。
(【0051】以降は省略されています)

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