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公開番号2020078245
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200521
出願番号2020012351
出願日20200129
発明の名称コイルユニット及びこれを用いた送電装置、受電装置並びにワイヤレス電力伝送システム
出願人TDK株式会社
代理人個人,個人
主分類H02J 50/12 20160101AFI20200424BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】発熱を抑制しつつ、効率的に放熱させることが可能なコイルユニットを提供する。
【解決手段】コイルユニット10は、コイル11と、コイル11が巻回されたボビン17と、コイル11と電気的に接続されるコンデンサ12と、コイル11のコイル軸方向の一端側に配置される磁性体13と、磁性体13のコイル11との対向面とは反対側に配置される第1金属シールド14と、磁性体13と第1金属シールド14との間に配置され、コンデンサ12の収納スペースを形成する第2金属シールド16とを備えている。第2金属シールド16は第1金属シールド14と熱的に接続されるように配置されており、コイル軸方向から見た第2金属シールド16の外形寸法は磁性体13の外形寸法以下であり、磁性体13と対向するボビン17の一方の鍔部は他方の鍔部よりも外形寸法が大きい部分を有し、一方の鍔部の面積は他方の鍔部よりも大きい。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
導線が渦巻き状に巻回されたコイルと、
前記コイルが巻回されたボビンと、
前記コイルと電気的に接続されるコンデンサと、
前記コイルのコイル軸方向の一端側に配置される磁性体と、
前記磁性体の前記コイルとの対向面とは反対側に配置される第1金属シールドと、
前記磁性体と前記第1金属シールドとの間に配置され、前記コンデンサの収納スペースを形成する第2金属シールドとを備え、
前記第2金属シールドは前記第1金属シールドと熱的に接続されるように配置されており、
前記コイル軸方向から見た前記第2金属シールドの外形寸法は前記磁性体の外形寸法以下であり、
前記コイルのコイル軸方向の一端側を覆う前記ボビンの一方の鍔部は、前記コイルのコイル軸方向の他端側を覆う前記ボビンの他方の鍔部よりも前記コイル軸方向から見た外形寸法が大きい部分を有し、
前記磁性体と対向する前記ボビンの前記一方の鍔部の面積は、前記ボビンの前記他方の鍔部の面積よりも大きいことを特徴とするコイルユニット。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記第2金属シールドは前記磁性体と熱的に接続されるように配置されており、
前記第2金属シールドと対向する前記磁性体の面積は、前記ボビンの前記他方の鍔部の面積よりも大きい、請求項1に記載のコイルユニット。
【請求項3】
前記第2金属シールドは、
前記磁性体と対向するように配置される平板部と、
前記平板部に接続され、前記コンデンサの周囲に配置される側壁とを含み、
前記平板部の面積は、前記ボビンの前記他方の鍔部の面積よりも大きい、請求項1又は2に記載のコイルユニット。
【請求項4】
前記平板部から前記第1金属シールドに向かう前記側壁の先端部は前記第1金属シールドの主面と対向するように配置されている、請求項3に記載のコイルユニット。
【請求項5】
前記側壁の一部には開口部が設けられており、
前記コイル又は前記コンデンサに接続された電力ケーブルは前記開口部から外側に引き出されている、請求項3に記載のコイルユニット。
【請求項6】
前記第2金属シールドは前記コイル軸方向から見て一方向に細長い平面形状を有し、
前記コイルのコイル軸は略水平方向を向いており、
前記開口部は前記第2金属シールドの長手方向の一端側に設けられている、請求項5に記載のコイルユニット。
【請求項7】
前記第2金属シールドは、前記側壁の先端部が内側又は外側に折り曲げられてなる鍔部をさらに含み、
前記鍔部は前記第1金属シールドの主面と熱的に接続されるように配置されている、請求項3乃至6のいずれか一項に記載のコイルユニット。
【請求項8】
前記第2金属シールドは前記コイル軸方向から見て一方向に細長い平面形状を有し、
前記鍔部は前記第2金属シールドの長手方向に沿って設けられている、請求項7に記載のコイルユニット。
【請求項9】
前記コイルが巻回された前記ボビン、前記磁性体、及び前記第2金属シールドを収容するカバーを備え、前記ボビンの前記他方の鍔部の主面は、前記カバーと接触している、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のコイルユニット。
【請求項10】
前記コイル軸方向から見た前記第1金属シールドの外形寸法は前記第2金属シールドの外形寸法よりも大きい、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のコイルユニット。
【請求項11】
前記第1金属シールドの前記第2金属シールドとの対向面とは反対側にはヒートシンクが設けられている、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のコイルユニット。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載のコイルユニットと、前記コイルユニットに接続されたインバータ回路とを備えることを特徴とする送電装置。
【請求項13】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載のコイルユニットと、前記コイルユニットに接続された整流回路とを備えることを特徴とする受電装置。
【請求項14】
電力をワイヤレスで送電する送電装置と、前記送電装置から送電された電力をワイヤレスで受電する受電装置とを備え、前記送電装置及び前記受電装置の少なくとも一方は、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のコイルユニットを含むことを特徴とするワイヤレス電力伝送システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス電力伝送システムに好ましく用いられるコイルユニットの構造に関する。また本発明は、そのようなコイルユニットを用いた送電装置、受電装置並びにワイヤレス電力伝送システムに関するものである。
続きを表示(約 10,000 文字)【背景技術】
【0002】
電源ケーブルや電源コードを用いずに電力を伝送するワイヤレス電力伝送技術が注目されている。ワイヤレス電力伝送技術は、送電側から受電側にワイヤレスで電力を供給できることから、電車、電気自動車、無人搬送車等の輸送機器、家電製品、電子機器、無線通信機器、玩具、産業機器といった様々な製品への応用が期待されている。
【0003】
ワイヤレス電力伝送技術では、伝送距離を延ばすため、コイルにコンデンサを接続して形成した共振回路による共振現象を利用した電力伝送方式が知られている。
【0004】
この電力伝送方式では、コイルとコンデンサを一体化することで、コイルユニットの小型化を図っている。例えば、特許文献1には、コンデンサがシールド部材の突出支持部内に配置されるコイルユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2016−103612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、シールド部材の外形寸法がコア部材の外形寸法よりも大きいため、コイルから発生する磁束がシールド部材に鎖交し易く、シールド部材が発熱する虞があった。また特許文献1ではコイルに電流を流すことにより生じた熱の排熱に関しては何ら言及されておらず、コイル、コンデンサ等のコイルユニットの構成部品の破損に繋がる虞があった。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、発熱を抑制しつつ、効率的に放熱させることが可能なコイルユニット及びこれを用いた送電装置、受電装置並びにワイヤレス電力伝送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明によるコイルユニットは、導線が渦巻き状に巻回されたコイルと、前記コイルと電気的に接続されるコンデンサと、前記コイルのコイル軸方向の一端側に配置される磁性体と、前記磁性体の前記コイルとの対向面とは反対側に配置される第1金属シールドと、前記磁性体と前記第1金属シールドとの間に配置され、前記コンデンサの収納スペースを形成する第2金属シールドとを備え、前記第2金属シールドは前記第1金属シールドと熱的に接続されるように配置されており、前記第2金属シールドの外形寸法は前記磁性体の外形寸法以下であることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、第2金属シールドが磁性体の外形以下であるため、コイルから発生した磁束が第2金属シールドと鎖交して第2金属シールドが発熱することを防止することができる。またコイルに電流が流れることによりコイルと磁性体が発熱し、また電力伝送中にコイルや磁性体から発生する熱を第1金属シールド側に効率よく放熱させることができる。したがって、発熱を抑制しつつ、コイルユニットにおいて生じる熱を効率的に放熱することができる。
【0010】
本発明において、前記第2金属シールドは前記磁性体と熱的に接続されるように配置されていることが好ましい。これにより、コイルユニットにおいて生じる熱を一層効率的に放熱できる。
【0011】
本発明において、前記第2金属シールドは、前記磁性体と対向するように配置される平板部と、前記平板部に接続され、前記コンデンサの周囲に配置される側壁とを含むことが好ましい。この構成によれば、簡易な構成によりコンデンサの収納スペースを確保できるだけでなく、コイルや磁性体の放熱経路を確保することができる。
【0012】
本発明において、前記平板部から前記第1金属シールドに向かう前記側壁の先端部は前記第1金属シールドの主面と対向するように配置されていることが好ましい。これにより、第2金属シールドに対する第1金属シールドの位置がずれたとしても第1金属シールドと第2金属シールドとの間の接触面積を常に確保して放熱性の低下を防止することができる。
【0013】
本発明において、前記側壁の一部には開口部が設けられており、前記コイル又は前記コンデンサに接続された電力ケーブルは前記開口部から外側に引き出されていることが好ましい。この構成によれば、コイルユニットの端子を容易に引き出すことができる。
【0014】
本発明において、前記第2金属シールドは前記コイル軸方向から見て一方向に細長い平面形状を有し、前記コイルのコイル軸は略水平方向を向いており、前記開口部は前記第2金属シールドの長手方向の一端側に設けられていることが好ましい。この構成によれば、コイル面が略垂直に設置されて略水平方向に電力伝送を行う方式においてコイルユニットを低背にすることができる。またコイル面が略垂直なため金属の異物がコイル面に付着することがなく、金属異物による電力伝送効率の低下及び金属異物の発熱を回避することができる。なお、コイルのコイル軸は略水平であればよく、厳密に水平であることは要求されない。したがってコイル軸の向きは水平軸に対して±10度以内に収まっていればよい。
【0015】
本発明において、前記第2金属シールドは、前記側壁の先端部が内側又は外側に折り曲げられてなる鍔部をさらに含み、前記鍔部は前記第1金属シールドの主面と熱的に接続されるように配置されていることが好ましい。この構成によれば、第1金属シールドと第2金属シールドとの間の熱抵抗を下げて放熱性を向上させることができる。
【0016】
本発明において、前記第2金属シールドは前記コイル軸方向から見て一方向に細長い平面形状を有し、前記鍔部は前記第2金属シールドの長手方向に沿って設けられていることが好ましい。この構成によれば、鍔部の面積をできるだけ広く確保することができ、鍔部の熱抵抗を下げて放熱性を向上させることができる。
【0017】
本発明において、前記コイル軸方向から見た前記第2金属シールドの外形寸法は前記コイルの外形寸法以上であることが好ましい。この構成によれば、第1金属シールドの主面上でコイル及びコンデンサを確実に支持すると共に、所望のシールド効果及び放熱効果を得ることができる。
【0018】
本発明において、前記コイル軸方向から見た前記第1金属シールドの外形寸法は前記第2金属シールドの外形寸法よりも大きいことが好ましい。この構成によれば、コイルユニット全体の放熱性を高めることができる。
【0019】
本発明において、前記第1金属シールドの前記第2金属シールドとの対向面とは反対側にはヒートシンクが設けられていることが好ましい。このように、第1金属シールドの背面にヒートシンクを備える構造により、コイルユニットの低背化と電力伝送効率の向上を図ることができると共に、コイルユニットにおいて生じる熱をより一層効率的に放熱させることができ、水平方向の電力伝送において特に有利である。
【0020】
また、本発明による送電装置は、上述した本発明の特徴を有するコイルユニットと、前記コイルユニットに接続されたインバータ回路とを備えることを特徴とする。本発明によれば、発熱を抑制しつつ、対向するコイルから離れた領域を大きく周回する漏洩磁束を低減することが可能な送電装置を提供することができる。
【0021】
また、本発明による受電装置は、上述した本発明の特徴を有するコイルユニットと、前記コイルユニットに接続された整流回路とを備えることを特徴とする。本発明によれば、発熱を抑制しつつ、対向するコイルから離れた領域を大きく周回する漏洩磁束を低減することが可能な受電装置を提供することができる。
【0022】
さらにまた、本発明によるワイヤレス電力伝送システムは、電力をワイヤレスで送電する送電装置と、前記送電装置から送電された電力をワイヤレスで受電する受電装置とを備え、前記送電装置及び前記受電装置の少なくとも一方は、上述した本発明の特徴を有するコイルユニットを含むことを特徴とする。本発明によれば、発熱を抑制しつつ、対向するコイルから離れた領域を大きく周回する漏洩磁束を低減することが可能なワイヤレス電力伝送システムを提供することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、発熱を抑制しつつ、効率的に放熱させることが可能なコイルユニット及びこれを用いた送電装置、受電装置並びにワイヤレス電力伝送システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1は、本発明の好ましい実施の形態によるワイヤレス電力伝送システムの構成を示すブロック図である。
図2は、本発明の第1の実施の形態によるコイルユニットの構成を示す略断面図である。
図3は、コイルユニットの斜視図であって、樹脂カバーが取り外された状態を示している。
図4は、コイルユニットの斜視図であって、樹脂カバーが取り付けられた状態を示している。
図5は、本発明の第2の実施の形態によるコイルユニットの構成を示す略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の好ましい実施の形態によるワイヤレス電力伝送システムの構成を示すブロック図である。
【0027】
図1に示すように、このワイヤレス電力伝送システム1は、送電装置2と受電装置3との組み合わせからなり、送電装置2から受電装置3に電力をワイヤレス伝送するものである。
【0028】
送電装置2は、直流電源4と、直流電源4から供給される直流電圧を例えば100kHzの交流電圧に変換するインバータ回路を含む送電回路5と、交流電圧により交流磁束を発生させる送電コイル6aを含むコイルユニット10とを備えている。本実施形態によるコイルユニット10は、送電コイル6aの両端にコンデンサ6b,6cがそれぞれ直列接続されてなるLC直列共振回路を構成しているが、LC並列共振回路であってもよく、LC直並列共振回路であってもよい。またコンデンサの数も特に限定されず、コンデンサ6bのみが接続された構成であってもよい。
【0029】
受電装置3は、送電コイル6aが発生させる交流磁束の少なくとも一部を受けて交流電圧を発生させる受電コイル7aを含むコイルユニット10と、受電コイル7aに発生した交流電圧を直流電圧に変換する整流回路を含む受電回路8とを備えている。なお整流回路は平滑機能を含んでいてもよい。受電装置3から出力される直流電圧は負荷9に供給される。本実施形態によるコイルユニット10は、受電コイル7aの両端にコンデンサ7b,7cがそれぞれ直列接続されてなるLC直列共振回路を構成しているが、LC並列共振回路であってもよく、LC直並列共振回路であってもよい。またコンデンサの数も特に限定されず、コンデンサ7bのみが接続された構成であってもよい。
【0030】
図2は、送電側及び受電側に用いられるコイルユニット10の構成を示す略断面図である。また、図3及び図4は、コイルユニット10の斜視図であって、特に図3は樹脂カバー18が取り外された状態、図4は樹脂カバー18が取り付けられた状態をそれぞれ示している。なお図2は、図4のA−A線に沿った略断面図に対応している。
【0031】
図2〜図4に示すように、このコイルユニット10は、導線が渦巻き状に巻回されたコイル11と、コイル11と電気的に接続されてLC共振回路を構成するコンデンサ12と、コイル11の背面側に配置される磁性体13と、磁性体13の背面側に配置されるベースシールド14(第1金属シールド)と、磁性体13とベースシールド14との間に配置され、コンデンサ12が収納されるシールドボックス16とを備えている。なおコイル11の背面側とは、コイル11のコイル軸X

の延在方向の一端側であって、電力伝送方向を向いたコイル11の主面とは反対側のことを言う。また、磁性体13の背面側とは、磁性体13のコイル11との対向面とは反対側のことを言う。
【0032】
コイル11は図1のコイル6a又は7aに対応するものである。コイル11は樹脂製のボビン17に巻回されてなり、樹脂カバー18内に収容されている。本実施形態によるコイル11は単層構造であるが、多層構造であってもよい。コイル11の平面形状は一方向に細長い楕円、長円、或いは略矩形であることが好ましいが、正円や略正方形であってもよい。
【0033】
コンデンサ12は図1のコンデンサ6b,6c又は7b,7cに対応するものである。コンデンサ12はコイル11と共にパッケージングされて電力伝送用コイルユニットを構成している。本実施形態において、コンデンサ12はシールドボックス16に取り付けられているが、ベースシールド14に取り付けられてもよい。コンデンサ12は、磁性体13及びシールドボックス16を介してコイル11の背面側に配置されているので、コンデンサ12の金属部分(端子電極、内部電極等)が電力伝送を妨げることはない。コイル11及びコンデンサ12によって構成されるLC共振回路の一対の端子には電力ケーブル19が接続されている。
【0034】
磁性体13はフェライトなどの磁性材料からなるシート状又は板状の部材であり、コイル11の背面全体を覆うように設けられている。磁性体13は複数の磁性片の集合体であっても構わない。本実施形態において、磁性体13はボビン17の背面に貼り付けられている。このように、コイル11の背面側に磁性体13を設けることにより、コイル11と鎖交する磁束φの磁路を確保して電力伝送効率を高めることができる。
【0035】
ベースシールド14はコイル11や磁性体13よりも大きな外形寸法を有する銅やアルミニウムなどの金属製の支持体であり、コイル11の背面側の漏洩磁束を遮蔽するために設けられている。シールドボックス16との対向面とは反対側であるベースシールド14の背面側にはヒートシンク20が設けられている。ヒートシンク20は、延びる複数のフィン20aと、複数のフィン20aが設けられる平板部20bから構成されており、平板部20bがベースシールド14の背面に接続されている。大電力を取り扱うコイルユニットでは、コイル11及び磁性体13の発熱量も非常に大きいものとなるが、コイル11の電力伝送方向と反対側のベースシールド14の背面をヒートシンク構造とすることにより、コイルユニット10の放熱性を高めることができる。本実施形態において、ヒートシンク20はベースシールド14と別部材で構成されているが、ベースシールド14とヒートシンク20の平板部20bを共通化し、両者を一体的に形成することも可能である。
【0036】
シールドボックス16は、コイル11の背面側にコンデンサ12の収納スペースを確保するために設けられた略箱状の金属フレームである。本実施形態によるシールドボックス16は、銅板やアルミニウム板などの一枚の金属板を折り曲げて簡易に成形されており、略直方体の外形を有している。具体的には、シールドボックス16は、磁性体13の背面に対向して配置される平板部16aと、平板部16aの幅方向の両端部から延びる側壁16bと、側壁16bの先端部が内側(又は外側)に折り曲げられてなる鍔部16cとを有している。またベースシールド14と対向するシールドボックス16の背面側にはコンデンサ12の収納口16dが設けられている。このように、本実施形態によるシールドボックス16は、コイル軸方向から見て一方向に細長い平面形状を有している。
【0037】
シールドボックス16の平板部16aは、直接或いはサーマルコンパウンドなどの中間材を介して磁性体13の背面に接触しており、磁性体13と熱的に接続されている。また、シールドボックス16の鍔部16cは、直接或いはサーマルコンパウンドなどの中間材を介してベースシールド14の主面14aと接触している。このような構成により、シールドボックス16(第2金属シールド)の平板部16aは、側壁16b及び鍔部16cを介してベースシールド14(第1金属シールド)と熱的に接続されている。特に、鍔部16cの平面部がベースシールド14の主面と対向しており、ベースシールド14とシールドボックス16は面接触しているので、伝熱性を高めることができる。
【0038】
本実施形態において、コイル軸X

の進行方向から見たシールドボックス16(第2金属シールド)の平板部16aの外形寸法は、磁性体13の外形寸法以下であることが好ましい。すなわち、平板部16aの輪郭は磁性体13の輪郭と一致するかそれよりも内側に収まっており、磁性体13の輪郭よりも外側にはみ出さないように構成されている。このような構成により、磁性体13の端部13eから出射した磁束φ

が平板部16aと鎖交しないので、平板部16aの発熱を防止することができる。
【0039】
磁性体13及びシールドボックス16の平板部16aは図示のように全面的な平板形状であってもよく、コイル11の開口部に合わせて中央に開口部を有する形状であってもよく、開口部から外側に向かうスリットがさらに形成された形状であってもよい。この場合も、平板部16aの発熱を防止するため、平板部16aの開口部の輪郭が磁性体13の輪郭よりも外側にはみ出さないことが必要である。
【0040】
図3に示すように、コンデンサ12の周囲を取り囲むシールドボックス16の側壁16bの一部には開口部16eが設けられており、コイル11又はコンデンサ12に接続された電力ケーブル19は、開口部16eからシールドボックス16の外側に引き出されている。なお一対の電力ケーブル19の先端部は、送電装置2であればインバータ回路に接続され、また受電装置3であれば整流回路に接続される。
【0041】
開口部16eは、シールドボックス16の長手方向の両端に設けられていることが好ましく、電力ケーブル19は2つの開口部16eのどちらか一方から引き出されている。コイル面を垂直に立てて略水平方向の電力伝送を行う方式では、コイルユニット10を横向きに設置することで低背化することができるが、シールドボックス16の短手方向の一端側の側壁に開口部を設けた場合、シールドボックス16の短手方向の一端側から引き出された電力ケーブル19の分だけコイルユニット10の高さが高くなってしまう。しかし、コイルユニット10の長手方向の一端側から電力ケーブル19を引き出した場合には、電力ケーブル19によってコイルユニット10の低背化が妨げられることはなく、コイルユニット全体の低背化が可能となる。
【0042】
側壁16b及び鍔部16cはシールドボックス16(平板部16a)の長手方向に沿って設けられていることが好ましい。この構造によれば、伝熱経路の断面積を大きくすることができ、またシールドボックス16がベースシールド14と接触する面積をできるだけ広く確保することができ、これにより熱抵抗を下げて放熱性を向上させることができる。また、シールドボックス16の長手方向の両端に開口部16eを設けることができ、電力ケーブル19を横から引き出すことができる。したがって、図3のようにコイル面を垂直に立てて略水平方向の電力伝送を行う場合にコイルユニット10を横向きに配置することができ、コイルユニット10の低背化を図ることができる。
【0043】
コイル11のコイル軸X

は略水平方向を向いており、ワイヤレス電力伝送システムは略水平方向の電力伝送を行うことが好ましい。送電コイル及び受電コイルを上下方向に対向させて垂直方向の電力伝送を行う場合には、上向きのコイルの上面に金属の異物が乗った状態が継続する場合があり、金属の異物によって電力伝送効率が低下し、電力伝送できなくなるおそれがある。しかし、コイル面を垂直に立てて略水平方向の電力伝送を行う場合には、垂直なコイル面に付着しようとする金属は当該コイル面から落下するので、電力伝送効率の低下を回避することができる。また金属異物の発熱を回避することも可能である。
【0044】
以上説明したように、本実施形態によるコイルユニット10は、シールドボックス16(第2金属シールド)の外形寸法が平面視にて磁性体13よりも外側にはみ出していないので、コイル11から発生して磁性体13の端部から出射した磁束が平板部16aと鎖交することを防止することができ、磁束の鎖交によって発生する渦電流に伴う平板部16aの発熱を抑制することができる。またシールドボックス16はベースシールド14(第1金属シールド)と熱的に接続されているので、コイルユニットにおいて生じる熱を効率的に放熱することができる。
【0045】
図5は、本発明の第2の実施の形態によるコイルユニットの構成を示す略断面図である。
【0046】
図5に示すように、本実施形態によるコイルユニット10の特徴は、コイル11の周囲を覆うように配置されるサイドシールド15をさらに備えている点にある。サイドシールド15は例えば銅板やアルミニウム板などの一枚の金属板の折り曲げ加工によりベースシールド14と平行な平板部21と一体的に構成されている。サイドシールド15は平板部21と別部材で構成されていても構わない。サイドシールド15は磁性体13の端部13eからY軸方向に離間して配置されており、磁性体13からサイドシールド15までのY軸方向の距離Ly(第1の距離)は、少なくともゼロよりも大きく、コイル11の中心からコイル11の最内周の最も近接する導線部分までの距離よりも大きいことが好ましい。これにより、電力伝送に寄与する主磁束の遮蔽を抑制しつつ、対向するコイルから離れた領域を大きく周回する漏洩磁束を遮蔽することができ、これにより所望の電力伝送効率を維持しながら漏洩磁束を低減することができる。
【0047】
磁性体13とベースシールド14との間にはシールドボックス16が設けられているので、ベースシールド14も磁性体13からX軸方向(コイル軸方向)に離間して配置されている。すなわち、磁性体13のコイル11との対向面とは反対側の背面を含む基準平面SSからベースシールド14までのX軸方向の距離Lx(第2の距離)は、ゼロよりも大きい。なお、ベースシールド14は、少なくとも磁性体13の端部13eとサイドシールド15との間の領域において、基準平面SSからX軸方向に離間していればよい。このような構成により、電力伝送に寄与する主磁束がベースシールド14によって遮蔽されないようにすることができる。したがって、ベースシールド14の発熱を抑制しつつ電力伝送効率を向上させることができる。
【0048】
磁性体13よりもコイル11のコイル軸X

の延在方向の前方に突出するサイドシールド15の突出部分の長さLpは、少なくともゼロよりも大きく、磁性体13の端部13eからサイドシールド15までのY軸方向の距離Lyよりも短く、且つ、磁性体13からベースシールド14までの距離Lxよりも短いことが好ましい。また、磁性体13からベースシールド14までの距離Lxは、磁性体13の端部からサイドシールド15までの距離Lyよりも短く、Lyの0.6倍以上1倍未満(0.6Ly≦Lx<Ly)であることが好ましい。このような構成によれば、磁性体13の端部13eから適度に離れた位置に適度な大きさのサイドシールド15を設けることができる。したがって、電力伝送に寄与する主磁束の遮蔽を抑制しつつ、対向するコイルから離れた領域を大きく周回する漏洩磁束を低減することができ、所望の電力伝送効率を維持しながらノイズを抑制することができる。またサイドシールド15だけでなく、ベースシールド14も磁性体13の端部13eから適度に離れた位置に設けることができる。したがって、ベースシールド14の発熱を抑制しつつ、コイルユニットの厚みの増大を抑制することができる。
【0049】
また本実施形態において、ベースシールド14はサイドシールド15と一体化された金属製の平板部21上に設けられており、ヒートシンク20は平板部21を介してベースシールド14に接続されている。ヒートシンク20はベースシールド14の背面に接触していないが、平板部21を介してベースシールド14と熱的に接続されている。したがって、コイル11や磁性体13で発生した熱をヒートシンク20に伝えて放熱性を高めることができ、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。なお、本実施形態において平板部21はベースシールド14と別部材で構成されているが、ベースシールド14と平板部21を共通化し、両者を一体化して構成してもよい。
【0050】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
(【0051】以降は省略されています)

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