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公開番号2020078236
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200521
出願番号2019187962
出願日20191011
発明の名称モータ制御装置、シート搬送装置、原稿読取装置及び画像形成装置
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人
主分類H02P 29/024 20160101AFI20200424BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】 定電流制御においては、回転子にかかる負荷トルクが巻線に供給した駆動電流に対応した出力トルクを超え、モータが脱調状態になる可能性がある。
【解決手段】 指令速度ω_refと回転速度ωとに基づいてモータが脱調したか否かの判定を行い、モータが脱調状態である場合はモータを停止する。この結果、モータが脱調した状態においてモータを駆動させようとすることに起因してモータから異音が発生すること等を抑制することができる。また、回転位相を精度よく推定することができる回転速度のうち最も小さい回転速度を、脱調判定を行うための脱調判定閾値ωsnlとして設定する。この結果、定電流制御が行われている状態においても脱調判定を精度よく行うことができる。
【選択図】 図7
特許請求の範囲【請求項1】
停止状態のモータの回転子を所定速度まで加速させるモータ制御装置において、
前記モータの巻線に流れる駆動電流を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された駆動電流に基づいて、前記回転子の回転速度を決定する速度決定手段と、
前記巻線に流れる駆動電流を制御する制御手段と、
前記制御手段が前記巻線に流れる駆動電流を制御することによって前記停止状態の回転子を前記所定速度まで加速させている期間であって且つ前記回転子の回転速度に対応する値が第1の閾値より大きい期間において前記速度決定手段によって決定された回転速度に基づいて、前記モータの回転が異常であるか否かを判定する判定手段と、
を有することを特徴とするモータ制御装置。
続きを表示(約 5,100 文字)【請求項2】
前記判定手段は、前記回転子の目標速度を表す速度と前記速度決定手段によって決定された回転速度とに基づいて、前記モータの回転が異常であるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記回転子の目標速度を表す指令速度と前記速度決定手段によって決定された回転速度との偏差が小さくなるように、前記巻線に流れる駆動電流を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ制御装置。
【請求項4】
前記モータ制御装置は、前記回転子の回転位相を決定する位相決定手段を有し、
前記制御手段は、前記位相決定手段によって決定された回転位相を基準とした回転座標系において表される電流値の電流成分に基づいて、前記偏差が小さくなるように前記巻線に流れる駆動電流を制御することを特徴とする請求項3に記載のモータ制御装置。
【請求項5】
前記モータ制御装置は、前記回転子の回転位相を決定する位相決定手段を有し、
前記制御手段は、前記回転子の目標位相を表す指令位相と前記位相決定手段によって決定された回転位相との偏差が小さくなるように、前記巻線に流れる駆動電流を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ制御装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記位相決定手段によって決定された回転位相を基準とした回転座標系において表される電流値の電流成分に基づいて、前記偏差が小さくなるように前記巻線に流れる駆動電流を制御することを特徴とする請求項5に記載のモータ制御装置。
【請求項7】
前記モータ制御装置は、前記回転子の回転位相を決定する位相決定手段を有し、
前記制御手段は、前記位相決定手段によって決定された回転位相を基準とした回転座標系において表される電流値の電流成分に基づいて、前記巻線に流れる駆動電流を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ制御装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記巻線に定電流を供給することによって前記駆動電流を制御する第1の制御モードと、前記回転子の目標速度を表す指令速度と前記速度決定手段によって決定された回転速度との偏差が小さくなるように、前記巻線に流れる駆動電流を制御する第2の制御モードと、を備え、
前記制御手段は、前記第2の制御モードを実行している状態において、前記回転子の回転速度に対応する値が第2の閾値よりも大きい値から前記第2の閾値よりも小さい値へと変化すると、前記駆動電流を制御する制御モードを前記第2の制御モードから前記第1の制御モードへと切り替えることを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ制御装置。
【請求項9】
前記モータ制御装置は、前記回転子の回転位相を決定する位相決定手段を有し、
前記第2の制御モードは、前記位相決定手段によって決定された回転位相を基準とした回転座標系において表される電流値の電流成分であって前記回転子にトルクを発生させる電流成分であるトルク電流成分に基づいて、前記偏差が小さくなるように前記巻線に流れる駆動電流を制御する制御モードであることを特徴とする請求項8に記載のモータ制御装置。
【請求項10】
前記モータ制御装置は、前記回転子の回転位相を決定する位相決定手段を有し、
前記制御手段は、前記巻線に定電流を供給することによって前記駆動電流を制御する第1の制御モードと、前記回転子の目標位相を表す指令位相と前記位相決定手段によって決定された回転位相との偏差が小さくなるように、前記巻線に流れる駆動電流を制御する第2の制御モードと、を備え、
前記制御手段は、前記第2の制御モードを実行している状態において、前記回転子の回転速度に対応する値が第2の閾値よりも大きい値から前記第2の閾値よりも小さい値へと変化すると、前記駆動電流を制御する制御モードを前記第2の制御モードから前記第1の制御モードへと切り替えることを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ制御装置。
【請求項11】
前記第2の制御モードは、前記位相決定手段によって決定された回転位相を基準とした回転座標系において表される電流値の電流成分であって前記回転子にトルクを発生させる電流成分であるトルク電流成分に基づいて、前記偏差が小さくなるように前記巻線に流れる駆動電流を制御する制御モードであることを特徴とする請求項10に記載のモータ制御装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記巻線に定電流を供給することによって前記巻線に流れる駆動電流を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ制御装置。
【請求項13】
前記回転子の回転速度に対応する値は、前記回転子の目標速度を表す速度であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
【請求項14】
前記回転子の回転速度に対応する値は、前記速度決定手段によって決定された回転速度であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
【請求項15】
前記モータ制御装置は、前記検出手段によって検出された駆動電流に基づいて、前記回転子の回転によって前記巻線に誘起される誘起電圧を決定する誘起電圧決定手段を有し、
前記速度決定手段は、前記誘起電圧決定手段によって決定された誘起電圧の値に基づいて、前記回転子の回転速度を決定することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
【請求項16】
停止状態のモータの回転子を所定速度まで加速させるモータ制御装置において、
前記モータの巻線に流れる駆動電流を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された駆動電流に基づいて、前記回転子の回転位相を決定する位相決定手段と、
前記巻線に流れる駆動電流を制御する制御手段と、
前記制御手段が前記巻線に流れる駆動電流を制御することによって前記停止状態の回転子を前記所定速度まで加速させている期間であって且つ前記回転子の回転速度に対応する値が第1の閾値より大きい期間において前記位相決定手段によって決定された回転位相に基づいて、前記モータの回転が異常であるか否かを判定する判定手段と、
を有することを特徴とするモータ制御装置。
【請求項17】
前記モータ制御装置は、前記回転子の回転速度を決定する速度決定手段を有し、
前記制御手段は、前記回転子の目標速度を表す指令速度と前記速度決定手段によって決定された回転速度との偏差が小さくなるように、前記巻線に流れる駆動電流を制御することを特徴とする請求項16に記載のモータ制御装置。
【請求項18】
前記制御手段は、前記回転子の目標位相を表す指令位相と前記位相決定手段によって決定された回転位相との偏差が小さくなるように、前記巻線に流れる駆動電流を制御することを特徴とする請求項16に記載のモータ制御装置。
【請求項19】
前記制御手段は、前記位相決定手段によって決定された回転位相を基準とした回転座標系において表される電流値の電流成分に基づいて、前記偏差が小さくなるように前記巻線に流れる駆動電流を制御することを特徴とする請求項17又は18に記載のモータ制御装置。
【請求項20】
前記制御手段は、前記位相決定手段によって決定された回転位相を基準とした回転座標系において表される電流値の電流成分に基づいて、前記巻線に流れる駆動電流を制御することを特徴とする請求項16に記載のモータ制御装置。
【請求項21】
前記モータ制御装置は、前記回転子の回転速度を決定する速度決定手段を有し、
前記制御手段は、前記巻線に定電流を供給することによって前記駆動電流を制御する第1の制御モードと、前記回転子の目標速度を表す指令速度と前記速度決定手段によって決定された回転速度との偏差が小さくなるように、前記巻線に流れる駆動電流を制御する第2の制御モードと、を備え、
前記制御手段は、前記第2の制御モードを実行している状態において、前記回転子の回転速度に対応する値が第2の閾値よりも大きい値から前記第2の閾値よりも小さい値へと変化すると、前記駆動電流を制御する制御モードを前記第2の制御モードから前記第1の制御モードへと切り替えることを特徴とする請求項16に記載のモータ制御装置。
【請求項22】
前記制御手段は、前記巻線に定電流を供給することによって前記駆動電流を制御する第1の制御モードと、前記回転子の目標位相を表す指令位相と前記位相決定手段によって決定された回転位相との偏差が小さくなるように、前記巻線に流れる駆動電流を制御する第2の制御モードと、を備え、
前記制御手段は、前記第2の制御モードを実行している状態において、前記回転子の回転速度に対応する値が第2の閾値よりも大きい値から前記第2の閾値よりも小さい値へと変化すると、前記駆動電流を制御する制御モードを前記第2の制御モードから前記第1の制御モードへと切り替えることを特徴とする請求項16に記載のモータ制御装置。
【請求項23】
前記第2の制御モードは、前記位相決定手段によって決定された回転位相を基準とした回転座標系において表される電流値の電流成分であって前記回転子にトルクを発生させる電流成分であるトルク電流成分に基づいて、前記偏差が小さくなるように前記巻線に流れる駆動電流を制御する制御モードであることを特徴とする請求項21又は22に記載のモータ制御装置。
【請求項24】
前記制御手段は、前記巻線に定電流を供給することによって前記巻線に流れる駆動電流を制御することを特徴とする請求項16に記載のモータ制御装置。
【請求項25】
前記回転子の回転速度に対応する値は、前記回転子の目標速度を表す速度であることを特徴とする請求項16乃至24のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
【請求項26】
前記モータ制御装置は、前記回転子の回転速度を決定する速度決定手段を有し、
前記回転子の回転速度に対応する値は、前記速度決定手段によって決定された回転速度であることを特徴とする請求項16乃至24のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
【請求項27】
前記モータ制御装置は、前記検出手段によって検出された駆動電流に基づいて、前記回転子の回転によって前記巻線に誘起される誘起電圧を決定する誘起電圧決定手段を有し、
前記位相決定手段は、前記誘起電圧決定手段によって決定された誘起電圧の値に基づいて、前記回転子の回転位相を決定することを特徴とする請求項16乃至26のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
【請求項28】
前記モータの回転の異常は、前記回転子の回転速度の低下に対応することを特徴とする請求項1乃至27のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
【請求項29】
シートを搬送する搬送部と、
前記搬送部を駆動するモータと、
請求項1乃至28のいずれか一項に記載のモータ制御装置と、
を有し、
前記モータ制御装置は、前記搬送部を駆動するモータの駆動を制御することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項30】
原稿の画像を読み取る読取部と、
負荷を駆動するモータと、
請求項1乃至28のいずれか一項に記載のモータ制御装置であって、前記負荷を駆動するモータを制御するモータ制御装置と、
を有することを特徴とする原稿読取装置。
【請求項31】
記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
負荷を駆動するモータと、
請求項1乃至28のいずれか一項に記載のモータ制御装置であって、前記負荷を駆動するモータを制御するモータ制御装置と、
を有することを特徴とする画像形成装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ制御装置、シート搬送装置、原稿読取装置及び画像形成装置におけるモータの回転の異常検知に関する。
続きを表示(約 11,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、モータを制御する方法として、モータの回転子の回転位相を基準とした回転座標系における電流値を制御することによってモータを制御する、ベクトル制御と称される制御方法が知られている。具体的には、例えば、回転子の指令位相と回転位相との偏差が小さくなるように前記電流値を制御する位相フィードバック制御を行うことによってモータを制御する。なお、回転子の指令速度と回転速度との偏差が小さくなるように前記電流値を制御する速度フィードバック制御を行うことによってモータを制御する手法もある。
【0003】
ベクトル制御を用いると、モータの巻線に供給する駆動電流を、回転子が回転するためのトルクを発生させる電流成分(q軸電流)と、回転子の磁束強度に影響する電流成分(d軸電流)とに分けて制御することができる。この結果、回転子にかかる負荷トルクが変化しても、負荷トルクの変化に応じてq軸電流を制御することによって、回転に必要なトルクを効率的に発生させることができる。即ち、従来問題とされていた、回転子にかかる負荷トルクがモータの巻線に供給した駆動電流に対応した出力トルクを超えて、モータが入力信号に同期しない制御不能な状態(脱調状態)になることを防止することができる。また、消費電力の増大や、余剰トルクに起因したモータ音の増大を抑制することができる。
【0004】
ベクトル制御では、回転子の位相を推定する構成が必要となる。特許文献1では、モータの巻線に発生する誘起電圧の比の逆正接を演算して回転子の位相を推定する推定方法が述べられている。
【0005】
しかしながら、巻線に発生する誘起電圧の大きさは、回転子の回転速度が小さいほど小さくなる。巻線に発生する誘起電圧の大きさが回転子の位相を推定するのに十分な大きさでない場合は、精度良く位相推定を行うことができない可能性がある。即ち、回転子の回転速度が小さいと、回転子の位相を精度よく推定することができなくなってしまうことがある。
【0006】
特許文献2では、回転子の指令速度が所定の回転速度よりも小さい場合は、前記巻線に供給する駆動電流の大きさが一定になるように前記駆動電流を制御することによって前記モータを制御する、定電流制御(オープン制御)を用いる。なお、定電流制御においては、前記位相フィードバック制御と速度フィードバック制御とのいずれも行わない。更に、前記指令速度が前記所定の回転速度以上の場合は、前述したベクトル制御を用いる、という構成が述べられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許5537565号
特開2005−39955号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
モータの制御においては、回転子にかかる負荷トルクが巻線に供給された駆動電流に対応した出力トルクを超えると、モータが脱調状態になる可能性がある。そのため、モータの制御においてモータの回転の異常判定を精度よく行うことができる構成が求められていた。
【0009】
上記課題に鑑み、本発明は、モータの回転の異常判定を精度よく行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明にかかるモータ制御装置は、
停止状態のモータの回転子を所定速度まで加速させるモータ制御装置において、
前記モータの巻線に流れる駆動電流を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された駆動電流に基づいて、前記回転子の回転速度を決定する速度決定手段と、
前記巻線に流れる駆動電流を制御する制御手段と、
前記制御手段が前記巻線に流れる駆動電流を制御することによって前記停止状態の回転子を前記所定速度まで加速させている期間であって且つ前記回転子の回転速度に対応する値が第1の閾値より大きい期間において前記速度決定手段によって決定された回転速度に基づいて、前記モータの回転が異常であるか否かを判定する判定手段と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、モータの回転の異常判定を精度よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
第1実施形態に係る画像形成装置を説明する断面図である。
前記画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。
第1実施形態に係るモータ制御装置の構成を示すブロック図である。
A相及びB相から成る2相のモータと回転座標系のd軸及びq軸との関係を示す図である。
第1実施形態における指令速度ω_ref、推定された回転速度ω、切替閾値ωth及び脱調判定脱調判定閾値ωsnlとの関係を示す図である。
第1実施形態における脱調判定方法を説明する図である。
前記モータ制御装置を用いたモータの駆動制御方法を示すフローチャートである。
第1実施形態に係る異常判定器を用いたモータの脱調判定方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の形状及びそれらの相対配置などは、この発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。なお、以下の説明においては、モータ制御装置が画像形成装置に設けられる場合について説明するが、モータ制御装置が設けられるのは画像形成装置に限定されるわけではない。例えば、モータ制御装置は記録媒体や原稿等のシートを搬送するシート搬送装置にも用いられる。
【0014】
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態で用いられるシート搬送装置を有するモノクロの電子写真方式の複写機(以下、画像形成装置と称する)100の構成を示す断面図である。なお、画像形成装置は複写機に限定されず、例えば、ファクシミリ装置、印刷機、プリンタ等であっても良い。また、記録方式は、電子写真方式に限らず、例えば、インクジェット等であっても良い。更に、画像形成装置の形式はモノクロ及びカラーのいずれの形式であっても良い。
【0015】
以下に、図1を用いて、画像形成装置100の構成および機能について説明する。画像形成装置100は、原稿給送装置201、読取装置202及び画像印刷装置301を有する。
【0016】
原稿給送装置201の原稿積載部203に積載された原稿は、給紙ローラ204によって1枚ずつ給紙され、搬送ガイド206を経由して読取装置202の原稿ガラス台214に搬送される。更に、原稿は、搬送ベルト208によって一定速度で搬送され、排紙ローラ205によって装置外部へ排紙される。読取装置202の読取位置において照明209によって照明された原稿画像からの反射光は、反射ミラー210、211、212からなる光学系によって画像読取部101に導かれ、画像読取部101によって画像信号に変換される。画像読取部101は、レンズ、光電変換素子であるCCD、CCDの駆動回路等で構成される。画像読取部101から出力された画像信号は、ASIC等のハードウェアデバイスで構成される画像処理部112によって、各種補正処理が行われた後、画像印刷装置301へ出力される。前述の如くして、原稿の読取が行われる。即ち、原稿給送装置201及び読取装置202は、原稿読取装置として機能する。
【0017】
また、読取装置202における原稿の読取モードとして、流し読みモードと固定読みモードがある。流し読みモードは、照明系209及び光学系を所定の位相に固定した状態で、原稿を一定速度で搬送しながら原稿の画像を読み取るモードである。固定読みモードは、読取装置202の原稿ガラス214上に原稿を載置し、照明系209及び光学系を一定速度で移動させながら、原稿ガラス214上に載置された原稿の画像を読み取るモードである。通常、シート状の原稿は流し読みモードで読み取られ、本や冊子等の綴じられた原稿は固定読みモードで読み取られる。
【0018】
画像印刷装置301の内部には、シート収納トレイ302、304が設けられている。シート収納トレイ302、304には、それぞれ異なる種類の記録媒体を収納することができる。例えば、シート収納トレイ302にはA4サイズの普通紙が収納され、シート収納トレイ304にはA4サイズの厚紙が収納される。なお、記録媒体とは、画像形成装置によって画像が形成されるものであって、例えば、用紙、樹脂シート、布、OHPシート、ラベル等が記録媒体に含まれる。
【0019】
シート収納トレイ302に収納された記録媒体は、給紙ローラ303によって給送されて、搬送ローラ306によってレジストレーションローラ308へ送り出される。また、シート収納トレイ304に収納された記録媒体は、給紙ローラ305によって給送されて、搬送ローラ307及び306によってレジストレーションローラ308へ送り出される。
【0020】
読取装置202から出力された画像信号は、半導体レーザ及びポリゴンミラーを含んでいる光走査装置311に入力される。また、感光ドラム309は、帯電器310によって外周面が帯電される。感光ドラム309の外周面が帯電された後、読取装置202から光走査装置311に入力された画像信号に応じたレーザ光が、光走査装置311からポリゴンミラー及びミラー312、313を経由し、感光ドラム309の外周面に照射される。この結果、感光ドラム309の外周面に静電潜像が形成される。なお、感光ドラムの帯電方法は、例えば、コロナ帯電器や帯電ローラを用いた帯電方法を用いる。
【0021】
続いて、静電潜像が現像器314内のトナーによって現像され、感光ドラム309の外周面にトナー像が形成される。感光ドラム309に形成されたトナー像は、感光ドラム309と対向する位置(転写位置)に設けられた転写帯電器315によって記録媒体に転写される。この転写のタイミングに合わせて、レジストレーションローラ308は、記録媒体を転写位置へ送り込む。
【0022】
前述の如くして、トナー像が転写された記録媒体は、搬送ベルト317によって定着器318へ送り込まれ、定着器318によって加熱加圧されて、トナー像が記録媒体に定着される。このようにして、画像形成装置100によって記録媒体に画像が形成される。
【0023】
片面印刷モードで画像形成が行われる場合は、定着器318を通過した記録媒体は、排紙ローラ319、324によって、不図示の排紙トレイへ排紙される。また、両面印刷モードで画像形成が行われる場合は、定着器318によって記録媒体の第1面に定着処理が行われた後に、記録媒体は、排紙ローラ319、搬送ローラ320、及び反転ローラ321によって、反転パス325へと搬送される。その後、記録媒体は、搬送ローラ322、323によって再度レジストレーションローラ308へと搬送され、前述した方法で記録媒体の第2面に画像が形成される。その後、記録媒体は、排紙ローラ319、324によって不図示の排紙トレイへ排紙される。
【0024】
また、第1面に画像形成された記録媒体を、第1面が下向きになるように反転させて画像形成装置100の外部へ排紙する場合は、定着器318を通過した記録媒体を、排紙ローラ319を通って搬送ローラ320へ向かう方向へ搬送する。その後、記録媒体の後端が搬送ローラ320のニップ部を通過する直前に、搬送ローラ320の回転を反転させる。この結果、記録媒体の第1面が下向きになった状態で、記録媒体を排紙ローラ324へ向かう方向へ搬送し、画像形成装置100の外部へ排紙することができる。
【0025】
以上が画像形成装置100の構成および機能についての説明である。なお、本発明における負荷とはモータによって駆動される対象物である。例えば、給紙ローラ204、303、305、レジストレーションローラ308及び排紙ローラ319等の各種ローラ(搬送ローラ)や感光ドラム309、搬送ベルト208、317、照明系209及び光学系等は本発明における負荷に対応する。本実施形態のモータ制御装置は、これら負荷を駆動するモータに適用することができる。
【0026】
図2は、画像形成装置100の制御構成の例を示すブロック図である。システムコントローラ151は、図2に示すように、CPU151a、ROM151b、RAM151cを備えている。また、システムコントローラ151は、画像処理部112、操作部152、アナログ・デジタル(A/D)変換器153、高圧制御部155、モータ制御装置157、センサ類159、ACドライバ160と接続されている。システムコントローラ151は、接続された各ユニットとの間でデータやコマンドの送受信をすることが可能である。
【0027】
CPU151aは、ROM151bに格納された各種プログラムを読み出して実行することによって、予め定められた画像形成シーケンスに関連する各種シーケンスを実行する。
【0028】
RAM151cは記憶デバイスである。RAM151cには、例えば、高圧制御部155に対する設定値、モータ制御装置157に対する指令値及び操作部152から受信される情報等の各種データが格納される。
【0029】
システムコントローラ151は、画像処理部112における画像処理に必要となる、画像形成装置100の内部に設けられた各種装置の設定値データを画像処理部112に送信する。更に、システムコントローラ151は、センサ類159からの信号を受信して、受信した信号に基づいて高圧制御部155の設定値を設定する。高圧制御部155は、システムコントローラ151によって設定された設定値に応じて、高圧ユニット156(帯電器310、現像器314、転写帯電器315等)に必要な電圧を供給する。
【0030】
A/D変換器153は、定着ヒータ161の温度を検出するためのサーミスタ154が検出した検出信号を受信し、前記検出信号をアナログ信号からデジタル信号に変換してシステムコントローラ151に送信する。システムコントローラ151は、A/D変換器153から受信したデジタル信号に基づいて、ACドライバ160の制御を行う。ACドライバ160は、定着ヒータ161の温度が定着処理を行うために必要な温度となるように定着ヒータ161を制御する。なお、定着ヒータ161は、定着処理に用いられるヒータであり、定着器318に含まれる。
【0031】
システムコントローラ151は、使用する記録媒体の種類(以下、紙種と称する)等の設定をユーザが行うための操作画面を、操作部152に設けられた表示部に表示するように、操作部152を制御する。システムコントローラ151は、使用する紙種等のユーザが設定した情報を操作部152から受信し、前記ユーザが設定した情報に基づいて画像形成装置100の動作シーケンスを制御する。また、システムコントローラ151は、画像形成装置の状態を示す情報を操作部152に送信する。なお、画像形成装置の状態を示す情報とは、例えば、画像形成枚数、画像形成中か否か、ジャム発生及びその発生箇所等の情報である。操作部152は、システムコントローラ151から受信した情報を表示部に表示する。
【0032】
前述の如くして、システムコントローラ151は、画像形成装置100の動作シーケンスを制御する。
【0033】
次に、本実施形態におけるモータ制御装置について説明する。本実施形態におけるモータ制御装置は、ベクトル制御(第2の制御モード)と定電流制御(第1の制御モード)とのいずれの制御方法でもモータを制御することができる。なお、以下の説明においては、負荷を駆動するモータとしてステッピングモータが用いられているが、これに限定されるものではない。また、モータは2相モータであるとは限らない。更に、本実施形態におけるモータには、モータの回転子の回転位相を検出するためのロータリエンコーダなどのセンサは設けられていないものとする。
【0034】
図3は、ステッピングモータ(以下、モータと称する)509の駆動を制御するモータ制御装置157の構成の例を示すブロック図である。本実施形態におけるモータ制御装置157には、定電流制御を行う定電流制御器517、ベクトル制御を行うベクトル制御器518が設けられている。さらに、モータ制御装置157には、定電流制御器517を用いてモータ509の駆動を制御するか、ベクトル制御器518を用いてモータ509の駆動を制御するかを、回転子402の指令速度に基づいて切り替える構成が設けられている。具体的には、制御切替器(制御切替手段)515、制御切替スイッチ(制御切替手段)516a、516b、516c(以下、各スイッチと称する)等が設けられている。なお、本実施形態におけるモータ制御手段は、定電流制御器517、ベクトル制御器518、制御切替器515、各スイッチ516a、516b、516cに対応している。また、本実施形態における第1の制御回路は、定電流制御器517を用いてモータ509の駆動を制御する回路に相当する。更に、本実施形態における第2の制御回路は、ベクトル制御器518を用いてモータ509の駆動を制御する回路に相当する。なお、本実施形態におけるモータ制御装置は、ベクトル制御を行う回路と定電流制御を行う回路とにおいて、一部共有している部分(電流制御器503、PWMインバータ506等)があるが、この限りではない。例えば、ベクトル制御を行う回路と定電流制御を行う回路とがそれぞれ独立に設けられている構成であっても良い。
【0035】
まず、図3及び図4を用いて、本実施形態におけるモータ制御装置157がベクトル制御を行う方法について説明する。
【0036】
図4は、A相(第1相)とB相(第2相)の2相から成るモータ509と回転座標系のd軸及びq軸との関係を示す図である。図4では、静止座標系において、A相の巻線に対応した軸をα軸、B相の巻線に対応した軸をβ軸と定義している。また、静止座標系におけるα軸と、回転子402に用いられている永久磁石の磁極によって作られる磁束の方向(d軸方向)との成す角度をθと定義している。回転子402の回転位相は、角度θによって表される。ベクトル制御では、回転子402の磁束方向に沿ったd軸と、d軸から反時計回りに90度進んだ方向に沿った(d軸と直交する)q軸とで表される、モータ509の回転子402の回転位相θを基準とした回転座標系が用いられる。
【0037】
ベクトル制御とは、モータの回転子の回転位相を基準とした回転座標系における電流値を制御することによってモータを制御する制御方法である。具体的には、例えば、回転子の指令位相と回転位相との偏差が小さくなるように前記電流値を制御する位相フィードバック制御を行うことによってモータを制御する。なお、回転子の指令速度と回転速度との偏差が小さくなるように前記電流値を制御する速度フィードバック制御を行うことによってモータを制御する手法もある。回転座標系における電流値とは、モータの回転子にトルクを発生させるq軸成分(トルク電流成分)の電流値と、モータの回転子の磁束強度に影響するd軸成分(励磁電流成分)の電流値とに対応する。
【0038】
モータ制御装置157には、ベクトル制御を行う回路として、位相制御器502、電流制御器(電圧生成手段)503、座標逆変換器505、座標変換器511、PWMインバータ506等が設けられている。座標変換器(座標変換手段)511は、モータ509のA相及びB相の巻線に流れる駆動電流に対応する電流ベクトルを、α軸及びβ軸で表される静止座標系から、q軸及びd軸で表される回転座標系に座標変換する。この結果、モータ509のA相及びB相の巻線に供給する駆動電流を、回転座標系において、q軸成分の電流値(q軸電流)及びd軸成分の電流値(d軸電流)を用いて表すことができる。なお、q軸電流は、モータ509の回転子402にトルクを発生させるトルク電流に相当する。また、d軸電流は、モータ509の回転子402の磁束強度に影響する励磁電流に相当し、回転子402のトルクの発生には寄与しない。モータ制御装置157は、q軸電流及びd軸電流をそれぞれ独立に制御することができる。即ち、回転子402が回転するために必要なトルクを、効率的に発生させることができる。
【0039】
モータ制御装置157は、モータ509の回転子402の回転位相θを後述する方法により推定し、その推定結果に基づいてベクトル制御を行う。CPU151a(上位装置)は、モータ509の回転子402の回転位相の指令値(指令位相)θ_refを生成し、所定の時間周期で指令位相θ_refをモータ制御装置157へ出力する。
【0040】
位相制御器(位相制御手段)502は、モータ509の回転子402の回転位相θと指令位相θ_refとの偏差が小さくなるように、q軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成して出力する。具体的には、位相制御器502は、モータ509の回転子402の回転位相θと指令位相θ_refとの偏差が0になるように、q軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成して出力する。なお、本実施形態における位相制御器502は、比例(P)、積分(I)補償器から構成されているが、比例(P)、積分(I)、微分(D)補償器から構成されていても良い。また、回転子402に永久磁石を用いる場合、通常は回転子402の磁束強度に影響するd軸電流指令値id_refは0に設定されるが、これに限定されるものではない。
【0041】
次に、モータ509のA相及びB相の巻線に流れる駆動電流は、電流検出器(電流検出手段)507、508によって検出され、その後、A/D変換器510によってアナログ値からデジタル値へと変換される。
【0042】
モータ509のA相及びB相の巻線に流れる駆動電流は、A/D変換器510によってアナログ値からデジタル値へと変換されて、静止座標系における電流値iα及びiβとして、回転子402の回転位相θを用いて次式によって表される。
【0043】
iα=I*cosθ (1)
iβ=I*sinθ (2)
これらの電流値iα及びiβは、座標変換器511と誘起電圧演算器(誘起電圧決定手段)512に入力される。
【0044】
座標変換器511において、電流値iα及びiβは、次式によって回転座標系におけるq軸電流の電流値iq及びd軸電流の電流値idに座標変換される。
【0045】
id= cosθ*iα+sinθ*iβ (3)
iq=−sinθ*iα+cosθ*iβ (4)
前述のように、座標変換器511は、モータ509のA相及びB相の巻線に流れる駆動電流に対応する電流ベクトルを、α軸及びβ軸で表される静止座標系から、q軸及びd軸で表される回転座標系に座標変換する。
【0046】
続いて、座標変換器511による座標変換によって得られた前記電流値iqと位相制御器502から出力されたiq_refとの偏差及び前記電流値idと位相制御器502から出力されたid_refとの偏差が電流制御器503にそれぞれ出力される。電流制御器503は、前記偏差がそれぞれ小さくなるように電流値iq*及びid*を生成する。具体的には、電流制御器503は、前記偏差がそれぞれ0になるように電流値iq*及びid*を生成する。その後、電流制御器503は、それぞれの電流値iq*及びid*に対応した駆動電圧Vq及びVdを生成して座標逆変換器(座標逆変換手段)505に出力する。なお、本実施形態における電流制御器503は、位相制御器502と同様に比例(P)、積分(I)補償器から構成されているが、比例(P)、積分(I)、微分(D)補償器から構成されていても良い。
【0047】
座標逆変換器505は、電流制御器503から出力された回転座標系における駆動電圧Vq及びVdを、次式によって、静止座標系における駆動電圧Vα及びVβに座標逆変換する。
【0048】
Vα=cosθ*Vd−sinθ*Vq (5)
Vβ=sinθ*Vd+cosθ*Vq (6)
座標逆変換器505は、回転座標系における駆動電圧Vq及びVdを静止座標系における駆動電圧Vα及びVβに座標逆変換した後、Vα及びVβを誘起電圧演算器512とPWMインバータ(供給手段)506に出力する。なお、本実施形態においては、電流値iq*及びid*に対応した駆動電圧Vq及びVdを生成し、前記駆動電圧Vq及びVdを座標逆変換することによって静止座標系における駆動電圧Vα及びVβを得たが、この限りではない。例えば、電流値iq*及びid*を静止座標系における電流値iα*及びiβ*に座標逆変換し、前記電流値iα*及びiβ*に対応した駆動電圧Vα及びVβを生成する構成であっても良い。
【0049】
PWMインバータ506は、フルブリッジ回路を有している。フルブリッジ回路は座標逆変換器505から入力された駆動電圧Vα及びVβによって駆動される。その結果、PWMインバータ506は、駆動電圧Vα及びVβに応じた駆動電流iα及びiβを生成し、駆動電流iα及びiβをモータ509の各相の巻線に供給することによって、モータ509を駆動させる。なお、本実施形態においては、PWMインバータはフルブリッジ回路を有しているが、ハーフブリッジ回路等であっても良い。
【0050】
次に、回転子402の回転位相θの推定方法について説明する。回転子402の回転位相θの推定には、回転子402の回転によってモータ509のA相及びB相の巻線に誘起される誘起電圧Eα及びEβの値が用いられる。誘起電圧の値は誘起電圧演算器512によって算出される。具体的には、A/D変換器510から誘起電圧演算器512に入力された電流値iα及びiβと、座標逆変換器505から誘起電圧演算器512に入力された駆動電圧Vα及びVβとから、次式によって、誘起電圧Eα及びEβを演算する。
(【0051】以降は省略されています)

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