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公開番号2020078231
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200521
出願番号2019181588
出願日20191001
発明の名称複数のモータ製品、モータ、モータ群、駆動装置、および磁石群
出願人日東電工株式会社
代理人個人,個人
主分類H02K 1/27 20060101AFI20200424BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】コギングトルクを抑制することが可能なモータを提供する。
【解決手段】市販された同一の複数のモータ製品であって、当該モータ製品は、30台以上存在し、各モータ製品には、1または2以上の磁石が含まれ、各磁石は、7%以下のボイド率を有し、各磁石は、非パラレル配向した領域を有する焼結磁石であり、表面磁束密度のピーク値が最大となる第1の主面を有し、各磁石の前記第1の主面において、測定ラインにわたって表面磁束密度を測定したとき、以下の式

磁石間偏差ばらつきP[%]=(σtotal[mT]/Atotal[mT])×100

で表される磁石間偏差ばらつきPが4%以下である、複数のモータ製品。
【選択図】図40
特許請求の範囲【請求項1】
市販された同一の複数のモータ製品であって、
当該モータ製品は、30台以上存在し、
各モータ製品には、1または2以上の磁石が含まれ、
各磁石は、7%以下のボイド率を有し、
各磁石は、非パラレル配向した領域を有する焼結磁石であり、表面磁束密度のピーク値が最大となる第1の主面を有し、
各磁石の前記第1の主面において、測定ラインにわたって表面磁束密度を測定したとき、以下の式
磁石間偏差ばらつきP[%]=(σ
total
[mT]/A
total
[mT])×100
で表される磁石間偏差ばらつきPが4%以下である、複数のモータ製品:
ここで、前記測定ラインは、前記非パラレル配向した領域が認められる断面を特定断面と称したとき、前記第1の主面の略中央において、前記特定断面に平行な方向に沿った、前記第1の主面全体に対応する測定軌跡を表し、前記測定ラインは、前記第1の主面から1mm上方の空間位置に定められ、

total
は、合計平均表面磁束密度を表し、各焼結磁石における前記測定ライン上の、同じ測定位置における表面磁束密度の絶対値を平均し、これをB
ave
[mT]としたとき、前記測定ライン上の全ての測定位置における平均値B
ave
[mT]を合計することにより求められ、
σ
total
は、合計標準偏差を表し、各焼結磁石における前記測定ライン上の、前記合計平均表面磁束密度A
total
の算定に用いた各測定位置における表面磁束密度の標準偏差をσ[mT]としたとき、前記測定ライン上の全ての測定位置における標準偏差σ[mT]を合計することにより求められる。
続きを表示(約 2,600 文字)【請求項2】
各モータ製品には、1つの磁石が含まれている、請求項1に記載の複数のモータ製品。
【請求項3】
各モータ製品には、複数の磁石が含まれている、請求項1に記載の複数のモータ製品。
【請求項4】
複数の磁石を備えるモータであって、
各磁石は、非パラレル配向した領域を有する焼結磁石であり、表面磁束密度のピーク値が最大となる第1の主面を有し、
各磁石の前記第1の主面において、測定ラインにわたって表面磁束密度を測定したとき、以下の式
磁石間偏差ばらつきP[%]=(σ
total
[mT]/A
total
[mT])×100
で表される磁石間偏差ばらつきPが4%以下である、モータ:
ここで、前記測定ラインは、前記非パラレル配向した領域が認められる断面を特定断面と称したとき、前記第1の主面の略中央において、前記特定断面に平行な方向に沿った、前記第1の主面全体に対応する測定軌跡を表し、前記測定ラインは、前記第1の主面から1mm上方の空間位置に定められ、

total
は、合計平均表面磁束密度を表し、各焼結磁石における前記測定ライン上の、同じ測定位置における表面磁束密度の絶対値を平均し、これをB
ave
[mT]としたとき、前記測定ライン上の全ての測定位置における平均値B
ave
[mT]を合計することにより求められ、
σ
total
は、合計標準偏差を表し、各焼結磁石における前記測定ライン上の、前記合計平均表面磁束密度A
total
の算定に用いた各測定位置における表面磁束密度の標準偏差をσ[mT]としたとき、前記測定ライン上の全ての測定位置における標準偏差σ[mT]を合計することにより求められる。
【請求項5】
各磁石は、7%以下のボイド率を有する、請求項4に記載のモータ。
【請求項6】
前記非パラレル配向は、極異方性配向またはラジアル配向である、請求項4または5に記載のモータ。
【請求項7】
前記磁石は、略直方体形状または略リング状である、請求項4乃至6のいずれか一つに記載のモータ。
【請求項8】
複数のモータを有する一連のモータ群であって、
各モータは、一つの磁石を備え、
各磁石は、非パラレル配向した領域を有する焼結磁石であり、表面磁束密度のピーク値が最大となる第1の主面を有し、
各磁石の前記第1の主面において、測定ラインにわたって表面磁束密度を測定したとき、以下の式
磁石間偏差ばらつきP[%]=(σ
total
[mT]/A
total
[mT])×100
で表される磁石間偏差ばらつきPが4%以下である、モータ群:
ここで、前記測定ラインは、前記非パラレル配向した領域が認められる断面を特定断面と称したとき、前記第1の主面の略中央において、前記特定断面に平行な方向に沿った、前記第1の主面全体に対応する測定軌跡を表し、前記測定ラインは、前記第1の主面から1mm上方の空間位置に定められ、

total
は、合計平均表面磁束密度を表し、各焼結磁石における前記測定ライン上の、同じ測定位置における表面磁束密度の絶対値を平均し、これをB
ave
[mT]としたとき、前記測定ライン上の全ての測定位置における平均値B
ave
[mT]を合計することにより求められ、
σ
total
は、合計標準偏差を表し、各焼結磁石における前記測定ライン上の、前記合計平均表面磁束密度A
total
の算定に用いた各測定位置における表面磁束密度の標準偏差をσ[mT]としたとき、前記測定ライン上の全ての測定位置における標準偏差σ[mT]を合計することにより求められる。
【請求項9】
各磁石は、7%以下のボイド率を有する、請求項8に記載のモータ群。
【請求項10】
請求項4乃至7のいずれか一つに記載のモータ、または請求項8もしくは9に記載のモータ群を有する駆動装置。
【請求項11】
同一の駆動装置から取り出された、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の複数のモータ製品。
【請求項12】
複数の磁石を含む磁石群であって、
各磁石は、7%以下のボイド率を有し、
各磁石は、非パラレル配向した領域を有する焼結磁石であり、表面磁束密度のピーク値が最大となる第1の主面を有し、
各磁石の前記第1の主面において、測定ラインにわたって表面磁束密度を測定したとき、以下の式
磁石間偏差ばらつきP[%]=(σ
total
[mT]/A
total
[mT])×100
で表される磁石間偏差ばらつきPが4%以下である、磁石群:
ここで、前記測定ラインは、前記非パラレル配向した領域が認められる断面を特定断面と称したとき、前記第1の主面の略中央において、前記特定断面に平行な方向に沿った、前記第1の主面全体に対応する測定軌跡を表し、前記測定ラインは、前記第1の主面から1mm上方の空間位置に定められ、

total
は、合計平均表面磁束密度を表し、各焼結磁石における前記測定ライン上の、同じ測定位置における表面磁束密度の絶対値を平均し、これをB
ave
[mT]としたとき、前記測定ライン上の全ての測定位置における平均値B
ave
[mT]を合計することにより求められ、
σ
total
は、合計標準偏差を表し、各焼結磁石における前記測定ライン上の、前記合計平均表面磁束密度A
total
の算定に用いた各測定位置における表面磁束密度の標準偏差をσ[mT]としたとき、前記測定ライン上の全ての測定位置における標準偏差σ[mT]を合計することにより求められる。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、磁石を備えるモータおよびモータ群、ならびにそのような磁石を備える駆動装置に関する。
続きを表示(約 9,000 文字)【背景技術】
【0002】
電気エネルギーを機械的運動エネルギーに変換するモータ(電動機)は、工作機械、車両、および航空機等の分野において、幅広く用いられている。そのようなモータは、永久磁石を備えており、該永久磁石としては、例えば、磁化容易軸が平行に揃えられたパラレル配向の方形磁石や、極異方性リング磁石などが使用されている。
【0003】
しかしながら、現在のモータには、コギングトルクと呼ばれる、電機子と回転子との磁気的吸引力が回転角度に対して脈動する現象が生じることが知られている。このようなコギングトルクは、モータの振動や騒音を発生させる原因となるため、できる限り低減させることが望まれている。
【0004】
例えば、特許文献1には、コギングトルクを抑制するため、磁化方向を特定の方向に制御した極異方性リング磁石を用いることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2005−44820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これまで、コギングトルクを抑制するため、各種永久磁石が提案されている。
【0007】
しかしながら、従来の永久磁石を備えるモータにおいても、コギングトルクの抑制効果は十分であるとは言い難く、コギングトルクをさらに抑制することが可能な方策が依然として求められている。
【0008】
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、コギングトルクをよりいっそう抑制することが可能なモータ、およびモータ群を提供することを目的とする。また、本発明では、そのようなモータまたはモータ群を備える駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、市販された同一の複数のモータ製品であって、
当該モータ製品は、30台以上存在し、
各モータ製品には、1または2以上の磁石が含まれ、
各磁石は、7%以下のボイド率を有し、
各磁石は、非パラレル配向した領域を有する焼結磁石であり、表面磁束密度のピーク値が最大となる第1の主面を有し、
各磁石の前記第1の主面において、測定ラインにわたって表面磁束密度を測定したとき、以下の式
磁石間偏差ばらつきP[%]=(σ
total
[mT]/A
total
[mT])×100
で表される磁石間偏差ばらつきPが4%以下である、複数のモータ製品が提供される。
【0010】
ここで、前記測定ラインは、前記非パラレル配向した領域が認められる断面を特定断面と称したとき、前記第1の主面の略中央において、前記特定断面に平行な方向に沿った、前記第1の主面全体に対応する測定軌跡を表し、前記測定ラインは、前記第1の主面から1mm上方の空間位置に定められ、

total
は、合計平均表面磁束密度を表し、各焼結磁石における前記測定ライン上の、同じ測定位置における表面磁束密度の絶対値を平均し、これをB
ave
[mT]としたとき、前記測定ライン上の全ての測定位置における平均値B
ave
[mT]を合計することにより求められ、
σ
total
は、合計標準偏差を表し、各焼結磁石における前記測定ライン上の、前記合計平均表面磁束密度A
total
の算定に用いた各測定位置における表面磁束密度の標準偏差をσ[mT]としたとき、前記測定ライン上の全ての測定位置における標準偏差σ[mT]を合計することにより求められる。
【0011】
また、本発明では、
複数の磁石を備えるモータであって、
各磁石は、非パラレル配向した領域を有する焼結磁石であり、表面磁束密度のピーク値が最大となる第1の主面を有し、
各磁石の前記第1の主面において、測定ラインにわたって表面磁束密度を測定したとき、以下の式
磁石間偏差ばらつきP[%]=(σ
total
[mT]/A
total
[mT])×100
で表される磁石間偏差ばらつきPが4%以下である、モータが提供される。
【0012】
また、本発明では、
複数のモータを有する一連のモータ群であって、
各モータは、一つの磁石を備え、
各磁石は、非パラレル配向した領域を有する焼結磁石であり、表面磁束密度のピーク値が最大となる第1の主面を有し、
各磁石の前記第1の主面において、測定ラインにわたって表面磁束密度を測定したとき、以下の式
磁石間偏差ばらつきP[%]=(σ
total
[mT]/A
total
[mT])×100
で表される磁石間偏差ばらつきPが4%以下である、モータ群が提供される。
【0013】
さらに、本発明では、前述のような特徴を有するモータまたはモータ群を有する駆動装置が提供される。
【0014】
また、本発明では、複数の磁石を含む磁石群であって、
各磁石は、7%以下のボイド率を有し、
各磁石は、非パラレル配向した領域を有する焼結磁石であり、表面磁束密度のピーク値が最大となる第1の主面を有し、
各磁石の前記第1の主面において、測定ラインにわたって表面磁束密度を測定したとき、以下の式
磁石間偏差ばらつきP[%]=(σ
total
[mT]/A
total
[mT])×100
で表される磁石間偏差ばらつきPが4%以下である、磁石群が提供される。
【0015】
なお、本発明において、各磁石のボイド率は、5%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。
【0016】
また、本発明において、磁石間偏差ばらつきP[%]は、3%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、コギングトルクをよりいっそう抑制することが可能なモータ、およびモータ群を提供することが可能となる。また、本発明では、そのようなモータまたはモータ群を備える駆動装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の一実施形態によるモータの断面を模式的に示した図である。
図1に示したモータに装着される焼結磁石の一例を模式的に示した図である。
図2における焼結磁石のS1−S1線に沿った断面を模式的に示した図である。
磁化容易軸の極異方性配向を有する焼結磁石において、第1の主面と第2の主面のそれぞれにおける表面磁束密度分布を模式的に示した図である。
直方体状の焼結磁石における測定ライン上の測定開始端部を定める際の操作を模式的に示した図である。
直方体状の焼結磁石における測定ライン上の測定開始端部を定める際の操作を模式的に示した図である。
本発明の別の実施形態によるモータの断面を模式的に示した図である。
図7に示したモータに装着される焼結磁石の一例を模式的に示した図である。
図8に示した焼結磁石の断面を模式的に示した図である。
リング状の焼結磁石における測定ライン上の測定開始点および測定方向を定める際の操作を模式的に示した図である。
リング状の焼結磁石における測定ライン上の測定開始点および測定方向を定める際の操作を模式的に示した図である。
EBSD法により、パラレル配向/非パラレル配向を判定する方法を説明するための図である。
IPMモータの軸方向に垂直な断面を模式的に示した図である。
リニアモータの移動方向に平行な断面を模式的に示した図である。
本発明の一実施形態によるモータ群を模式的に示した図である。
磁石が回転するインナーロータ型の回転モータの断面を模式的に示した図である。
コイルが回転するアウターロータ型の回転モータの断面を模式的に示した図である。
磁石が回転するアウターロータ型の回転モータの断面を模式的に示した図である。
コイルが回転するインナーロータ型の回転モータの断面を模式的に示した図である。
コア付きムービングコイル型のリニアモータの断面を模式的に示した図である。
コア付きムービングマグネット型のリニアモータの断面を模式的に示した図である。
コアレスムービングコイル型のリニアモータの断面を模式的に示した図である。
コアレスムービングマグネット型のリニアモータの断面を模式的に示した図である。
本発明の一実施形態によるモータに適用される焼結磁石の製造方法のフローの一例を模式的に示した図である。
リング状の仮焼体の加圧焼結処理に使用され得る冶具の一構成を模式的に示した図である。
例1において製造された焼結磁石の形状を模式的に示した図である。
例1において製造された各焼結磁石における表面磁束密度の測定結果をまとめて示した図である。
例2において製造された各焼結磁石における表面磁束密度の測定結果をまとめて示した図である。
例3において製造された各焼結磁石における表面磁束密度の測定結果をまとめて示した図である。
例4において製造された各焼結磁石における表面磁束密度の測定結果をまとめて示した図である。
実施例における焼結磁石のボイドの測定の際に得られた画像の一例を示した図である。
例11において使用された焼結磁石の形状を模式的に示した図である。
比較例における焼結磁石のボイドの測定の際に得られた画像の一例を示した図である。
例12において使用された焼結磁石の形状を模式的に示した図である。
比較例における焼結磁石のボイドの測定の際に得られた画像の一例を示した図である。
シミュレーションに用いた装置の構成を模式的に示した図である。
図36の太枠で囲った部分の模式的な拡大図である。
シミュレーションにより得られた、磁石間偏差ばらつきPとコギングトルク幅ΔTの関係を示すグラフである。
第4の装置におけるシミュレーションに使用したモータの形状寸法を示した図である。
第4の装置におけるシミュレーションにより得られた磁石間偏差ばらつきPと高調波振幅比の平均の関係を示すグラフである。
第5の装置におけるシミュレーションに利用した焦点座標を模式的に示した図である。
第5の装置におけるシミュレーションに使用したモータの形状寸法を示した図である。
第5の装置におけるシミュレーションにより得られた磁石間偏差ばらつきPと高調波振幅比の平均の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
【0020】
以下の記載において、磁石の「第1の主面」とは、「最大」のピーク値を有する表面磁束密度が得られる磁石の面を意味する。また、磁石の「第2の主面」とは、第1の主面の反対側に位置する面を意味する。さらに、磁石の「厚さ」とは、第1の主面と第2の主面の間の距離を意味する。
【0021】
なお、表面磁束密度において、ピーク値が「最大」とは、ピークの正負の値を問わず、ピークの値が基準である0(ゼロ)から最も離れていることを意味する。
【0022】
(本発明の一実施形態によるモータ)
図1には、本発明の一実施形態によるモータの断面を概略的に示す。
【0023】
図1に示すように、本発明の一実施形態によるモータ(以下、「第1の装置」と称する)101は、シャフト110の回りに回転可能に設置されたロータ112と、該ロータ112を取り囲むステータ114とを有する。ステータ114には、所定の位置に、所定の巻き数のコイル118が設置されている。
【0024】
ロータ112は、複数の焼結磁石120を有する。例えば、図1に示した例では、ロータ112は、合計4個の焼結磁石120を有する。なお、ロータ112が備える焼結磁石の数は、複数である限り、特に限られない。例えば、ロータ112は、偶数個の焼結磁石120を有しても良い。
【0025】
図2には、第1の装置101に装着される焼結磁石120の形状の一例を概略的に示す。
【0026】
図2に示した例では、焼結磁石120は、略直方体形状を有する。すなわち、焼結磁石120は、相互に対向する第1の表面130および第2の表面132と、両表面130、132をつなぐ4つの側面とを有する。4つの側面を、それぞれ、反時計回りに、第1の側面136、第2の側面137、第3の側面138、および第4の側面139と称する。
【0027】
なお、ここでは、第1の表面130を第1の主面とし、第2の表面132を第2の主面とする。すなわち、焼結磁石120は、第1の表面130において最大の表面磁束密度が得られるものと仮定する。
【0028】
図2に示すように、焼結磁石120の各面は、直交する3軸(XYZ軸)で対応付けられる。
【0029】
すなわち、第1の表面130および第2の表面132は、XY平面に平行であり、第1の側面136および第3の側面138は、XZ平面に平行であり、第2の側面137および第4の側面139は、YZ平面に平行である。
【0030】
第1の表面130および第2の表面132のX方向の寸法Lを、焼結磁石120の「長さ」と称し、第1の表面130および第2の表面132のY方向の寸法Wを、焼結磁石120の「幅」と称する。
【0031】
なお、前述の定義により、第1の表面130と第2の表面132の間の距離、すなわち各側面136〜139のZ方向の寸法tは、焼結磁石120の「厚さ」となる。
【0032】
ここで、焼結磁石120は、磁石材料粒子を焼結することにより構成される。各磁石材料粒子は、磁化容易軸を有する。
【0033】
図3には、図2におけるS1−S1線、すなわち焼結磁石120の幅Wの略中央におけるXZ平面に平行な方向に沿った断面を模式的に示す。
【0034】
図3において、断面160内の各線分は、磁石材料粒子の磁化容易軸の配向方向を表している。また、線分の矢印は、磁化方向を表している。
【0035】
図3に示すように、焼結磁石120の断面160は、磁石材料粒子の磁化容易軸が「極異方性配向」された領域162を有する。
【0036】
ここで、永久磁石の「磁化容易軸の極異方性配向」とは、永久磁石の第1の主面と第2の主面の間で、最大表面磁束密度に2倍以上の差異が生じるような、磁化容易軸の配向を意味する。例えば、永久磁石の「磁化容易軸の極異方性配向」には、磁石材料粒子の磁化容易軸が所定の方向に沿って徐々に変化するように配列された構成が含まれる。
【0037】
図4を用いて、この特徴についてより詳しく説明する。
【0038】
図4には、磁化容易軸の極異方性配向を有する永久磁石における、第1の主面と第2の主面のそれぞれにおける表面磁束密度分布を模式的に示す。測定位置(横軸)は、永久磁石の幅方向に垂直な方向である。
【0039】
図4に示すように、磁化容易軸の極異方性配向を有する永久磁石では、第1の主面では、他の面に比べて大きなピーク値を有する表面磁束密度分布が得られるものの、第2主面では、そのような表面磁束密度分布は得られないという特徴を有する。すなわち、第1主面と第2主面とでは、大きく異なる表面磁束密度分布が得られる。
【0040】
ここで、図4に示したような表面磁束密度分布において、第1の主面において得られる表面磁束密度カーブと横軸とで囲まれる面積をP

とする。また、第2の主面において得られる表面磁束密度カーブと横軸とで囲まれる面積をP

とする。このように規定した場合、磁化容易軸が極異方性配向された典型的な永久磁石では、比P

/P

が2以上、例えば3以上になるという特徴がある。
【0041】
ところで、焼結磁石120において、図3に示したような極異方性配向された領域162は、厚さ方向に平行な全ての断面において存在する必要はなく、厚さ方向に平行な断面のうちの少なくとも一つにおいて存在すれば良い。以下、そのような極異方性配向された領域162が認められる断面を、特に「特定断面」とも称する。
【0042】
例えば、焼結磁石120の場合、図2において、焼結磁石120のX方向に平行な断面では、図3に示すような極異方性配向された領域162が観測される。従って、X方向(XZ平面)に平行な断面は、特定断面となる。しかしながら、焼結磁石120のY方向(YZ平面)に平行な断面では、極異方性配向された領域は観測されず、この方向の断面は、特定断面にはならないことに留意する必要がある。
【0043】
このように特定断面を規定した場合、略直方体状の焼結磁石120において、前述の「長さL」は、第1の主面と特定断面をつなぐ接続部分の寸法とも規定することができる。また「幅W」は、長さLの方向に垂直であり、かつ厚さtの方向に垂直な方向の寸法とも規定することができる。
【0044】
再度図2を参照すると、第1の装置101に装着される各焼結磁石120は、第1の主面(すなわち第1の表面130)の幅方向の略中央において、特定断面に平行な方向(図2におけるX方向)に沿って、焼結磁石120の一方の端部から他方の端部にわたる領域で、表面磁束密度を測定したとき、以下の(1)式
磁石間偏差ばらつきP[%]=
(σ
total
[mT]/A
total
[mT])×100 (1)式
で表される磁石間偏差ばらつきPが4%以下であるという特徴を有する。
【0045】
ここで、本願では、焼結磁石120の第1の主面の幅方向の略中央において、特定断面に平行な方向に沿った、第1の主面全体にわたる測定軌跡を、「測定ライン」と称する。
【0046】
また、(1)式において、A
total
[mT]は、合計平均表面磁束密度を表す。この合計平均表面磁束密度A
total
[mT]は、それぞれの焼結磁石120における測定ライン上の、同じ測定位置における表面磁束密度の絶対値を平均し、これをB
ave
[mT]としたとき、測定ライン上の全ての測定位置における平均値B
ave
[mT]を合計することにより求められる。
【0047】
さらに、σ
total
[mT]は、合計標準偏差を表す。この合計標準偏差σ
total
[mT]は、それぞれの焼結磁石120における測定ライン上の、合計平均表面磁束密度A
total
[mT]の算定に用いた各測定位置における表面磁束密度の標準偏差をσ[mT]としたとき、測定ライン上の全ての測定位置における標準偏差σ[mT]を合計することにより求められる。
【0048】
例えば、図2および図3に示した例では、焼結磁石120は、第1の表面130が第1の主面となり、XZ平面が特定断面となるため、測定ラインは、第1の表面130の幅方向の略中央における、第2の側面137から第4の側面139まで(またはその逆)のX方向に平行な直線部分となる。
【0049】
また、合計平均表面磁束密度A
total
[mT]は、4つの焼結磁石120において、測定ライン上の同じ位置において、表面磁束密度の絶対値を測定し、これらからその位置における平均値B
ave
[mT]を算定し、これを測定ライン上の全ての位置において実施し、得られた平均値B
ave
[mT]を合計することにより求められる。
【0050】
同様に、合計標準偏差σ
total
[mT]は、4つの焼結磁石120において、前述の平均値B
ave
[mT]を求めるために選定した測定ライン上の各測定位置において、標準偏差σ[mT]を算定し、これを測定ライン上の全ての位置において実施し、得られた標準偏差σ[mT]を合計することにより求められる。
(【0051】以降は省略されています)

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