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公開番号2020078222
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200521
出願番号2019041644
出願日20190307
発明の名称電線送り装置および電線敷設方法
出願人個人
代理人個人,個人
主分類H02G 1/06 20060101AFI20200424BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】電線2の敷設作業において、複数の送りユニット3を接近させて配置する必要がある場合に、送りユニット3の配置作業の煩雑さを緩和する。
【解決手段】敷設作業の現場において、固定枠体23の嵌合空間23A、23Bそれぞれに送りユニット3A、3Bを嵌めることで電線送り装置1を組み立てる。これにより、送りユニット3A、3B間で電線2を円滑に受け渡せるように送りユニット3A、3Bを配置する作業の煩雑さを緩和することができる。また、送りユニット3A、3Bおよび固定枠体23を、個別に、現場に持ち込むことができるので、運搬の重量負担を軽減することができる。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
電線(2)にロープを接続するとともにこのロープを牽引することで前記電線を敷設する電線敷設方法に使用され、前記ロープを経由する前記電線の牽引をアシストする電線送り装置(1)を構成し、
前記電線送り装置は、
前記電線を挟み込むとともに回転することで前記電線を送り出す回転体(6A、6B)の組合せ、および、前記回転体を回転駆動するモータ(7)を有し、前記電線に送り力を及ぼして送り出すものであり、前記回転体の組合せ、および、前記モータが相対位置を変えないように組み付けられている送りユニット(3、3A、3B)を備え、
この送りユニットが抜き差し自在に嵌まる嵌合空間(23A、23B)を少なくとも2つ有し、前記送りユニットを前記嵌合空間に嵌めることで、前記送りユニットとの相対位置が固定されることを特徴とする電線送り装置用の固定枠体(23)。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
請求項1に記載の電線送り装置用の固定枠体において、
前記送りユニットは、前記回転体の組合せ、および、前記モータが相対位置を変えないように組み付けられている被組付け体(20)を有し、
前記嵌合空間には、前記被組付け体が嵌まることを特徴とする電線送り装置用の固定枠体。
【請求項3】
電線にロープを接続するとともにこのロープを牽引することで前記電線を敷設する電線敷設方法に使用され、前記ロープを経由する前記電線の牽引をアシストする電線送り装置において、
前記電線を挟み込むとともに回転することで前記電線を送り出す回転体の組合せ、および、前記回転体を回転駆動するモータを有し、前記電線に送り力を及ぼして送り出すものであり、前記回転体の組合せ、および、前記モータが相対位置を変えないように組み付けられている送りユニットと、
この送りユニットが抜き差し自在に嵌まる嵌合空間を少なくとも2つ有し、前記送りユニットを前記嵌合空間に嵌めることで、前記送りユニットとの相対位置が固定される固定枠体とを備える電線送り装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電線送り装置において、
前記送りユニットは、前記回転体の組合せ、および、前記モータが相対位置を変えないように組み付けられている被組付け体を有し、
前記嵌合空間には、前記被組付け体が嵌まることを特徴とする電線送り装置。
【請求項5】
請求項4に記載の電線送り装置において、
前記送りユニットと前記固定枠体とを締結する締結手段を備えることを特徴とする電線送り装置。
【請求項6】
請求項3ないし請求項5の内のいずれか1つに記載の電線送り装置において、
前記電線が前記回転体の組合せから外れるのを規制するガイド(4)と、
前記回転体が前記電線を送り出すときの回転の方向(α)と逆の方向(β)に回転するのを防止するラチェット(5)とを備えることを特徴とする電線送り装置。
【請求項7】
電線にロープを接続するとともにこのロープを牽引することで前記電線を敷設する電線敷設方法において、
前記ロープを経由する前記電線の牽引をアシストする電線送り装置を利用し、
この電線送り装置は、
前記電線を挟み込むとともに回転することで前記電線を送り出す回転体の組合せ、および、前記回転体を回転駆動するモータを有し、前記電線に送り力を及ぼして送り出すものであり、前記回転体の組合せ、および、前記モータが相対位置を変えないように組み付けられている送りユニットと、
この送りユニットが抜き差し自在に嵌まる嵌合空間を少なくとも2つ有し、前記送りユニットを前記嵌合空間に嵌めることで、前記送りユニットとの相対位置が固定される固定枠体とを備え
前記電線敷設方法は、前記嵌合空間に前記送りユニットを嵌めることで前記電線送り装置を組み立てる組立工程を備えることを特徴とする電線敷設方法。
【請求項8】
請求項7に記載の電線敷設方法において、
前記送りユニットは、前記回転体の組合せ、および、前記モータが相対位置を変えないように組み付けられている被組付け体を有し、
前記組立工程では、前記嵌合空間に前記被組付け体を嵌めることを特徴とする電線敷設方法。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の電線敷設方法において、
前記電線送り装置は、前記送りユニットと前記固定枠体とを締結する締結手段を備え、
前記組立工程では、前記嵌合空間に前記送りユニットを嵌めた後、前記締結手段により、前記送りユニットと前記固定枠体とを締結することを特徴とする電線敷設方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電線送り装置用の固定枠体、電線送り装置および電線敷設方法に係わる。
続きを表示(約 9,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、建物に配置される各種の電気機器への電力供給のため、電線が建物に敷設される。このような電線の敷設作業では、電線の先頭にロープを接続し、例えば、ウインチのような牽引手段によりロープを牽引することで、ドラムから電線を引き出して敷設している。また、電線は、例えば、1mあたり10kgを超えるような質量を有するものが存在する。このため、より一層、高い場所や遠い場所まで電線を牽引するため、例えば、特許文献1〜3に記載されているような電線送りユニット(以下、送りユニットと略して呼ぶことがある。)を敷設ルートに配置して牽引をアシストしている。
【0003】
ここで、送りユニットは、電線を挟み込むとともに回転することで電線を送り出す回転体の組合せ、および、回転体を回転駆動するモータを有するものであり、モータの出力を利用してロープによる電線の牽引をアシストする。また、電線の敷設作業において単独の送りユニットでは能力不足の場合に、複数の送りユニットが使用される。
【0004】
ところで、複数の送りユニットを使用する場合、それぞれの送りユニットを、敷設ルートに沿って互いに離して配置しようとすると、それぞれの配置場所まで送りユニットを運搬して、それぞれの配置場所で、送りユニットを牽引可能な状態にセットする必要がある。その上、送りユニットは、単独でも数十kgの質量を有し、運搬の負担が大きい。
【0005】
このため、複数の送りユニットを使用する場合、可能な限り、複数の送りユニットを互いに離して配置するのではなく、できるだけ運搬負担の少ない場所に、互いに接近させて配置するのが好ましい。また、複数の送りユニットによって電線を上方へ送り出すときには、できる限りドラムに近い位置で大きな送り力を与えて力強く電線を送り出すのが好ましい。
しかし、複数の送りユニットを接近させて配置しようとすると、接近した送りユニット間で電線を円滑に受け渡せるようにするために送りユニット相互の位置決めをする必要があり、送りユニットの配置作業が煩雑になってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
実用新案登録第2583033号公報
特開2000−209725号公報
特開平7−147716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本開示は、電線の敷設作業において、複数の送りユニットを接近させて配置するときに、送りユニットの配置作業の煩雑さを緩和することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の固定枠体は、次の電線送り装置を構成する。すなわち、電線送り装置は、電線にロープを接続するとともにロープを牽引することで電線を敷設する電線敷設方法に使用され、ロープを経由する電線の牽引をアシストする。
また、電線送り装置は、次の送りユニットを備える。すなわち、送りユニットは、電線を挟み込むとともに回転することで電線を送り出す回転体の組合せ、および、回転体を回転駆動するモータを有し、電線に送り力を及ぼして送り出すものであり、回転体の組合せ、および、モータが相対位置を変えないように組み付けられている。
【0009】
そして、固定枠体は、送りユニットが抜き差し自在に嵌まる嵌合空間を少なくとも2つ有し、送りユニットを嵌合空間に嵌めることで、送りユニットとの相対位置が固定される。
これにより、電線の敷設作業において、複数の送りユニットを接近させて配置する必要があるときに、送りユニットの配置作業の煩雑さを緩和する、という課題を潜在的に解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
電線送り装置の斜視図である(実施例)。
送りユニットの斜視図である(実施例)。
送りユニットの平面図である(実施例)。
モータから回転体への動力の伝達を説明する説明図である(実施例)。
固定枠体の斜視図である(実施例)。
固定枠体の平面図である(実施例)。
(a)は ラチェットにおいて歯止めの先端が傾斜歯に対し係合している状態を示す説明図であり、(b)は、ラチェットにおいて歯止めの先端が傾斜歯に対し係合不可能な位置にあることを示す説明図である(実施例)。
電線送り装置の使用の態様を示す説明図である(実施例)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示を実施するための形態を以下の実施例により詳細に説明する。
【実施例】
【0012】
〔実施例の構成〕
実施例の電線送り装置1の構成を、図1〜図7を用いて説明する。
ここで、電線送り装置1は、次のような電線敷設装置の一部を構成する。すなわち、電線敷設装置は、電線2の先頭にロープ(図示せず。)を接続するとともにロープを牽引することで電線2を敷設するものであり、ロープを牽引する牽引手段(図示せず。)は、例えば、ウインチである。そして、電線送り装置1は、電線敷設装置に組み入れられ、ロープを経由する電線2の牽引をアシストする。
【0013】
以下、電線送り装置1の構成を説明する。
電線送り装置1は、次の送りユニット3、ガイド4およびラチェット5を有する。なお、送りユニット3、ガイド4およびラチェット5は、互いに相対位置を変えないように一体化され、一体物として運搬可能に設けられている。
【0014】
まず、送りユニット3は、電線2を挟み込むとともに回転することで電線2を送り出す回転体6A、6Bの組合せ、および、回転体6A、6Bを回転駆動するモータ7を有する。
回転体6A、6Bは、それぞれの回転軸9、10の外周側に、例えば、ゴム材料からなる弾性部11を装着することで設けられており、弾性部11と回転軸9、10との間には空気が充填されている。これにより、弾性部11は、回転の軸方向の中央近傍が、両端に比べてやや膨らんでいる。このため、電線2は、ゴム素材からなる外周面同士に挟まれて送り出されるので、電線2の表面は、回転体6A、6Bにより挟まれても傷つきを防止されている。
【0015】
モータ7は、周知の直流電動機であって回転体6A、6Bを回転させるトルクを発生し、減速ギアユニット(図示せず。)とともに、アクチュエータ13を構成している。そして、モータ7において発生したトルクは、ヘリカルギヤユニット14、スプロケット15A、ローラチェーン16およびスプロケット15B1、15B2を経由して回転軸9、10に伝達される(図4参照。)。
【0016】
ここで、ヘリカルギヤユニット14は、アクチュエータ13の出力軸13Aに装着されるはすば歯車14Aと、出力軸13Aに対して垂直な回転軸17を有してはすば歯車14Aと噛み合うはすば歯車14Bとからなり、トルクの回転中心を90°変化させる。また、スプロケット15Aは、はすば歯車14Bと同軸に組み付けられ、はすば歯車14Bと同期して回転し、ローラチェーン16の内側に噛み合っている。さらに、スプロケット15B1、15B2は、それぞれ回転軸9、10に固定され、回転体6A、6Bと同軸である。スプロケット15B1はローラチェーン16の内側に噛み合っており、スプロケット15B2は、ローラチェーン16の外側に噛み合っている。
【0017】
このため、アクチュエータ13が動作してローラチェーン16が循環すると、回転体6A、6Bは互いに逆方向に回転する。このため、回転体6A、6B間に電線2を挟んでアクチュエータ13を動作させることにより、電線2は、回転体6A、6B間から直線的に一方向に送り出される。
なお、ローラチェーン16の内側には、スプロケット15A、15B1、15B2以外に、ローラチェーン16のテンションを調節するためのアイドラ18が噛み合っている。
【0018】
そして、アクチュエータ13、ヘリカルギヤユニット14、スプロケット15A、15B1、15B2およびローラチェーン16は、略直方体形状をなすハウジング20に収容されて組み付けられており、回転体6A、6Bは、ハウジング20から突き出るように組み付けられている。
また、回転体6Bは、回転体6Aに近付けたり、遠ざけたりすることができるようにハウジング20に対してスライド可能に設けられている。このため、送りユニット3では、電線2の太さに応じて回転体6A、6B間の隙間を調節することができる。
【0019】
さらに、回転軸9、10、17およびアイドラ18の回転軸は、ハウジング20に組み付けられた軸受(図示せず。)により回転自在に軸受されている。
以上により、電線2を回転体6A、6B間に挟んだ状態でアクチュエータ13を動作させると、送りユニット3は、モータ7が発生するトルクに応じた送り力を電線2に及ぼし、回転体6A、6Bの回転軸心を結ぶ線分に対して垂直な方向に、電線2を直線的に送り出すことができる。
【0020】
また、ハウジング20の上面には、回転体6A、6Bが並ぶ方向と平行に2本の金属棒21A、21Bが取り付けられている。ここで、金属棒21A、21Bは、後記するガイド4の一部を構成するものであり、回転体6A、6Bの前後にそれぞれ配置され、回転体6A、6B間から送り出される前後の位置で電線2が下方に垂れるのを規制する。
なお、金属棒21A、21Bは、ハウジング20に固定された支持片22によって回転自在に支持されているので、送り中の電線2に対して金属棒21A、21Bが抵抗力を及ぼすのを抑制することができる。
【0021】
また、電線送り装置1は、送りユニット3を2つ有し、それぞれの送りユニット3は、互いに相対位置を変えないように、金属製の固定枠体23に組み付けられて一体物を構成する(以下、2つの送りユニット3の内、送り出しの方向で考えて上流側に配置される送りユニット3を送りユニット3A、下流側に配置される送りユニット3を送りユニット3Bと呼ぶことがある。)。
【0022】
固定枠体23は、断面がL字のアングル材により大部分の辺部を構成するものであり、長手方向、短手方向および高さ方向の3次元に広がる直方体形状を呈する(図1、図5および図6参照。)。また、固定枠体23は、送りユニット3A、3Bそれぞれが抜き差し自在に嵌まる嵌合空間23A、23Bを有する。そして、送りユニット3A、3Bそれぞれが嵌合空間23A、23Bに嵌まることで、送りユニット3A、3Bと固定枠体23との相対位置が固定される。
【0023】
ここで、嵌合空間23Aは、2つのアングル材23Aa、23Ab、および平板材23Acにより形成されている。アングル材23Aa、23Abは、それぞれ短手方向の両端で長手方向に平行な2つの辺部を架け渡すように固定され、平板部23Acは、短手方向両端の下側の辺部同士を架け渡すように固定されている。また、2つのアングル材23Aa、23Ab、および平板材23Acにより囲われて形成される形状は、平面視で矩形を呈しており、この形状は、ハウジング20を平面視したときの形状に略一致する。
【0024】
なお、嵌合空間23Bも、嵌合空間23Aと同様に、2つのアングル材23Ba、23Bb、および平板材23Bcにより形成されている。
そして、アングル材23Aa、23Ab、および平板材23Acとアングル材23Ba、23Bb、および平板材23Bcとは、平面視で、長手方向に平行な辺部を垂直に2等分する線分を対称軸として線対称となるように位置しており、嵌合空間23A、23Bも、同様に線対称である。
【0025】
さらに、電線送り装置1は、送りユニット3A、3Bと固定枠体23とを締結する締結手段24を備える。
締結手段24は、例えば、ボルトおよびナットの組合せからなる締結具であり、ハウジング20、アングル材23Aa、23Ab、23Ba、23Bb、それぞれにはボルトの軸部を通すための穴24a、24b、24b、24b、24bが設けられている。
【0026】
そして、送りユニット3A、3Bは、それぞれ嵌合空間23A、23Bに嵌まることで、長手方向に並ぶように固定枠体23に固定されている。さらに、締結手段24によって、送りユニット3A、3Bそれぞれと固定枠体23との固定が強化されている。このとき、送りユニット3A、3Bそれぞれにおける回転体6A、6Bは、短手方向に並ぶ。また、送りユニット3A、3Bそれぞれの回転体6A同士が長手方向に並んでおり、回転体6B同士も長手方向に平行に並んでいる。
これにより、電線2は、送りユニット3A、3B間で曲がることなく直線的に送り出される。また、送りユニット3A、3Bそれぞれが発生する送り力を足し合わせた力で、電線2を電線送り装置1から送り出すことができる。
【0027】
また、固定枠体23の上側の辺部の内、長手方向に平行な辺部を長手方向に略2等分する位置に、略矩形状の金属製の枠体25が固定されており、枠体25の上側の辺部25aの短手方向の中央に、U字状のフック26が設けられている。これにより、フック26を利用して電線送り装置1の全体を吊り上げることができる。
【0028】
ここで、フック26は、辺部25aに対して垂直にスライドさせたり固定したりすることができるスライダ27に固定されている。このため、スライダ27を辺部25aに対してスライドさせることで、フック26と電線送り装置1全体の重心との相対位置を変えることができる。
【0029】
なお、枠体25は固定枠体23にボルト等によって締結固定されており、着脱自在となっている。また、枠体25の短手方向の一端側の辺部25bは、ヒンジにより倒立可能になっており、辺部25bを倒すことで枠体25の内側に電線2を挿し入れることができる。
【0030】
次に、ガイド4は、電線2が回転体6A、6B間から外れるのを規制する。ここで、ガイド4は、前記したように送りユニット3A、3Bのそれぞれに組み付けられた金属棒21A、21B、および、以下の金属棒21C〜21Fにより構成されている。
【0031】
まず、金属棒21C、21Dは、固定枠体23の長手方向の一端側の上側の辺部23aの上方に配置されている。より具体的には、金属棒21C、21Dは、短手方向に平行、かつ、短手方向の中央に配置され、さらに、金属棒21Cは、金属棒21Dの上側に配置されている。これにより、電線2が回転体6A、6B間から送り出される前の位置において、金属棒21C、21Dは、電線2がそれぞれ上下に振れるのを規制する。なお、金属棒21C、21Dは、辺部23aに固定された支持片28によって回転自在に支持されているので、送り中の電線2に対して金属棒21C、21Dが抵抗力を及ぼすのを抑制することができる。
【0032】
同様に、金属棒21E、21Fは、固定枠体23の長手方向の他端側の上側の辺部23bの上方に配置されている。より具体的には、金属棒21E、21Fは、短手方向に平行、かつ、短手方向の中央に配置され、さらに、金属棒21Eは、金属棒21Fの上側に配置されている。これにより、電線2が回転体6A、6B間から送り出された後の位置において、金属棒21E、21Fは、電線2がそれぞれ上下に振れるのを規制する。なお、金属棒21E、21Fは、辺部23bに固定された支持片28によって回転自在に支持されているので、送り中の電線2に対して金属棒21E、21Fが抵抗力を及ぼすのを抑制することができる。
【0033】
さらに、ラチェット5は、回転体6Aが電線2を送り出すときの回転の方向αと逆の方向βに回転するのを防止する(図3、図7参照。)。
ここで、ラチェット5は、送りユニット3A、3Bごとに設けられており、次のラチェット歯車30、歯止め31、ロッド32、スプリング33、および、ホルダ34等により構成されている。
【0034】
まず、ラチェット歯車30は、径方向に対して傾斜した傾斜歯30aが外周に設けられた周知形状を有し、ハウジング20の外側で回動軸9に固定され、回転体6Aと同軸である。歯止め31は、ハウジング20の上面に組み付けられており、ヒンジにより回転可能になっている。ロッド32は、先端が歯止め31に係合するものであり、スプリング33は、ロッド32の先端部の外周側に組み付けられてロッド32に設けたスプリング座と歯止め31との間にセットされている。
【0035】
このため、ロッド32を手動により押し引きして歯止め31を回転させることで、歯止め31の先端を、傾斜歯30aに対し係合可能な位置((図7(a)参照。)と係合不可能な位置((図7(b)参照。)との間で揺動させることができる。
なお、ホルダ34は、ハウジング20の上面に固定されてロッド32の後端部を保持する部分であり、手動操作後のロッド32の位置を固定する。
【0036】
以上により、ロッド32を押し込んで歯止め31の先端を傾斜歯30aに対し係合可能な位置に突き出させた状態で、回転体6Aが方向αの向きに回転すると、傾斜歯30aはスプリング33を伸縮させつつ、歯止め31を乗り越えながら回転する。また、回転体6Aが方向βの向きに回転しようとすると、傾斜歯30aは歯止め31に係合して回転体6Aの回転を停止させる。
【0037】
〔実施例の電線敷設方法〕
実施例の電線送り装置1を利用した電線敷設方法を、図7に基づき説明する。この電線敷設方法は、電線2の先頭にロープを接続するとともにロープを牽引することで電線2を上方に引き上げながら敷設する方法である。そして、この電線敷設方法において、電線送り装置1は、ウインチによるロープを経由する電線2の引き上げをアシストする。
【0038】
なお、電線2は、所定のドラム36に巻回されており、ドラム36から引き出されて敷設される。また、実施例の電線敷設方法により敷設される電線2は、例えば、7000ボルト以下の高圧および低圧の電線路に使用されるものである。
【0039】
そして、実施例の電線敷設方法は、嵌合空間23A、23Bそれぞれに送りユニット3A、3Bを嵌めることで電線送り装置1を組み立てる組立工程を備える。つまり、電線送り装置1を使用する位置付近の床面等に固定枠体23を置き、嵌合空間23A、23Bそれぞれに送りユニット3A、3Bを嵌める。さらに、締結手段24により、送りユニット3A、3Bそれぞれと固定枠体23とを締結する。
【0040】
引き続き、例えば、図8に示すように、所定のリフト装置にワイヤ41を介してフック42を吊り下げ、フック42を電線送り装置1のフック26に引っ掛けて電線送り装置1を吊り上げ、電線送り装置1の位置を決める。
ここで、上記のように、スライダ27の移動によってフック26の位置と電線送り装置1全体の重心の位置との相対位置を変えることができるので、電線送り装置1を吊り上げたときの電線送り装置1の水平に対する角度を変更することができる。
【0041】
このため、電線送り装置1の姿勢を所望の角度に調節することができる。
また、位置決めされた電線送り装置1の下側は空きスペースになるので、有効活用ができる。
その後、ウインチによるロープの牽引を開始するとともにアクチュエータ13を起動して電線送り装置1によるアシストを開始する。
【0042】
〔実施例の効果〕
実施例の電線送り装置1は、次のような送りユニット3、ガイド4およびラチェット5を有する。
まず、送りユニット3は、電線2を挟み込むとともに回転することで電線2を送り出す回転体6A、6Bの組合せ、および、回転体6A、6Bを回転駆動するモータ7を有する。また、ガイド4は、電線2が回転体6A、6Bの組合せから外れるのを規制する。さらに、ラチェット5は、回転体6Aが電線2を送り出すときの回転の方向αと逆の方向βに回転するのを防止する。
【0043】
そして、送りユニット3、ガイド4およびラチェット5は、互いに相対位置を変えないように一体化され、一体物として運搬可能に設けられている。
これにより、電線送り装置1を利用して電線2を敷設する場合に、回転体6A、6B間から電線2が外れるのを防止することができる構成を安価に設けることができる。
また、ガイド4およびラチェット5により、電線2が回転体6A、6B間から外れて落下するのを防止することができるので、重量物としての電線2の落下を防止することができる。このため、作業の安全性を高めることができる。
【0044】
また、実施例の電線敷設方法によれば、敷設作業の現場において、固定枠体23の嵌合空間23A、23Bそれぞれに送りユニット3A、3Bを嵌めることで電線送り装置1を組み立てる。
これにより、送りユニット3A、3B間で電線2を円滑に受け渡せるように送りユニット3A、3Bを配置する作業の煩雑さを緩和することができる。また、送りユニット3A、3Bおよび固定枠体23を、個別に、現場に持ち込むことができるので、運搬の重量負担を軽減することができる。
【0045】
さらに、嵌合空間23A、23Bそれぞれに送りユニット3A、3Bを嵌めた後、締結手段24により、送りユニット3A、3Bそれぞれと固定枠体23とを締結することで、送りユニット3A、3Bそれぞれの固定枠体23に対する固定を強化することができる。
【0046】
また、実施例の電線敷設方法によれば、敷設される電線2は、高圧および低圧の電線路に使用されるものである。
高圧および低圧の電線路に使用される電線2を敷設する場合、特別高圧の電線路に使用される電線を敷設するときのように張力を厳密に監視する必要がないので、張力監視用のシステムを有する高価なユニットは不適である。この点、実施例の電線送り装置1は、張力監視用のシステムを有さず、安価に設けられているので、高圧および低圧の電線路に使用される電線2を敷設する場合に好適に利用することができる。
【0047】
〔変形例〕
本願発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形例を考えることができる。
例えば、実施例の電線送り装置1は、2つの送りユニット3A、3Bを備えていたが、1つの電線送り装置1に具備させる送りユニット3の数は2に限定されるものではなく、電線2の総重量等に応じて適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 電線送り装置 2 電線 3、3A、3B 送りユニット 6A、6B 回転体 7 モータ 23 固定枠体 23A、23B 嵌合空間

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筒型リニアモータ
個人
車輪の回転を動力として発電する発電装置
KYB株式会社
筒型リニアモータ
株式会社豊田自動織機
電動圧縮機
株式会社豊田自動織機
電動圧縮機
KYB株式会社
筒型リニアモータ
アダマンド並木精密宝石株式会社
車両通過報知器
中国電力株式会社
搬送保護継電装置
河村電器産業株式会社
分電盤ケースの基台
株式会社リコー
素子、及び発電装置
中国電力株式会社
腕金用鳥害防止具
株式会社デンソーウェーブ
携帯端末
マレリ株式会社
電源システム
トヨタ自動車株式会社
車両用電動機
新電元工業株式会社
電源装置
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