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公開番号2020078220
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200521
出願番号2018218679
出願日20181105
発明の名称回転電気機械
出願人株式会社MARC研究所
代理人個人
主分類H02K 1/27 20060101AFI20200424BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】高出力な回転電気機械を提供する。
【解決手段】ロータ本体20aの軸方向の両端部は、ステータの軸方向の端部より突出した磁性体からなる突出部29を有し、突出部29は、ヨーク磁石23に隣接する突出部29には、ヨーク磁石23と同一の磁界を有し、隣接するヨーク磁石23の磁界が対向している吹出し磁極磁石21イに隣接する突出部29には、吹出し磁極磁石21イに磁界26を対向するように軸磁石25を配列し、ロータ20は、吹出し磁極磁石21イの磁界22の方向に、磁極磁石21イの磁界22、ヨーク磁石23の磁界24、補助磁石27の磁界28、及び軸磁石25の磁界26を合わせた集中磁束22aを有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
鉄心と巻線を有するステータと、永久磁石を有するロータと、前記ステータの軸と前記ロータの回転軸が同軸である回転電気機械において、前記ロータは、周方向に磁界を径外方向と径内方向とに交互に配列した磁極磁石と、前記磁極磁石の間の周方向に磁界を回転方向と反回転方向に交互に配列したヨーク磁石と、を有したロータ本体と、前記ロータ本体の軸方向の両端部は、前記ステータの軸方向の端部より突出した磁性体からなる突出部を有し、前記突出部は、前記ヨーク磁石に隣接する前記突出部には、前記ヨーク磁石と同一の磁界を有する補助磁石と、隣接する前記ヨーク磁石の磁界が対向している磁束の吹出し磁極磁石に隣接する前記突出部には、前記吹出し磁極磁石に磁界を対向するように配列された軸磁石と、及び/又は、隣接する前記ヨーク磁石の磁界が逆対向している磁束の吸込み磁極磁石に隣接する前記突出部には、前記吸込み磁極磁石に磁界を逆対向するように配列された軸磁石と、を有し、前記ロータは、前記吹出磁極磁石の磁界の方向に、前記磁極磁石の磁界、前記ヨーク磁石の磁界、前記補助磁石の磁界、及び前記軸磁石の磁界を合わせた集中磁束を有し、前記ステータは、前記集中磁束の方向に配したことを特徴とする回転電気機械。
続きを表示(約 150 文字)【請求項2】
前記突出部の前記同軸方向の長さは、前記ステータの前記同軸上の長さの10%以上30%以下であることを特徴とする請求項1に記載する回転電気機械。
【請求項3】
前記鉄心は、コバルトを含有する磁性鋼板であることを特徴とする請求項1又は2に記載する回転電気機械。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電気機械に用いられる永久磁石を有するロータに関する。
続きを表示(約 10,000 文字)【背景技術】
【0002】
レース車用、航空機用、ドローンなどに使用される発電機やモータなどの回転電気機械は、特に小型・高出力が重視される。従来、回転電気機械の小型・高出力にする方法として、永久磁石を有するロータの永久磁石を大きく設計することが行われている。近年、永久磁石のロータ上の配列構造として「ハルバッハ配列」が注目されている。例えば、特許文献1に記載されている特殊な磁石配列構造、いわゆるハルバッハ配列が用いられている。このハルバッハ配列の磁石は、ロータの径方向とその直交関係の周方向とに交互に配列される(二次元の円環状ハルバッハ配列)ことで、磁束を磁極中心に集中させて磁束量を増大させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2009−38968
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、更に高性能を求めるF1レースなどの車用、航空機用、ドローンなどには、更に高出力な回転電気機械が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、以下の発明がある。発明1は、鉄心と巻線を有するステータと、永久磁石を有するロータと、ステータの軸とロータの回転軸が同軸である回転電気機械において、ロータは、周方向に磁界を径外方向と径内方向とに交互に配列した磁極磁石と、磁極磁石の間の周方向に磁界を回転方向と反回転方向に交互に配列したヨーク磁石と、を有したロータ本体と、ロータ本体の軸方向の両端部は、前記ステータの軸方向の端部より突出した磁性体からなる突出部を有し、突出部は、ヨーク磁石に隣接する突出部には、ヨーク磁石と同一の磁界を有する補助磁石と、隣接する前記ヨーク磁石の磁界が対向している磁束の吹出し磁極磁石に隣接する前記突出部には、吹出し磁極磁石に磁界を対向するように配列された軸磁石と、及び/又は、隣接するヨーク磁石の磁界が逆対向している磁束の吸込み磁極磁石に隣接する突出部には、吸込み磁極磁石に磁界を逆対向するように配列された軸磁石と、を有し、ロータは、吹出し磁極磁石の磁界の方向に、磁極磁石の磁界、ヨーク磁石の磁界、補助磁石の磁界、及び軸磁石の磁界を合わせた集中磁束を有し、ステータは、集中磁束の方向に配したことを特徴とする回転電気機械である。発明2は、突出部の同軸方向の長さは、ステータの同軸上の長さの10%以上30%以下であることを特徴とする発明1に記載する回転電気機械である。発明3は、鉄心は、コバルトを含有する磁性鋼板であることを特徴とする発明1又は2に記載する回転電気機械である。
【発明の効果】
【0006】
従来に比べ性能である平均トルクが、発明1又は発明2のロータにより約10〜14%、発明3のロータにより5〜15%向上する。発明4のステータにより、発明1乃至3に比べ約15%向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
第1実施形態のロータの構造。
インナーロータ型の回転電力機械のステータとロータ。
第1実施形態の(a)吹出型の1極構成、(b)に吸込み型の1極構成
第2実施形態の(a)吹出型の1極構成、(b)に吸込み型の1極構成
第3実施形態の(a)吹出型の1極構成、(b)に吸込型の1極構成
8極ロータの吹出型の1極のFEAによる設計。
ステータ10の磁束密度のFEA解析。(a)従来例、(b)第2実施形態
回転角(°)に対するトルク(Nm)。(a)従来例、(b)第2実施形態
磁束解析による集中磁束の流れ
第4実施形態の突出部の長さ。
軸磁石の長さの効果。(a)平均トルク、(b)集中磁束
第5実施形態のステータの飽和磁束の緩和
ステータを高飽和磁束材料とする効果。(a)従来、(b)高飽和磁束材料
ハルバッハ配列構造による磁界の集中
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を適用した回転電気機械1の実施形態について図面を用いて説明する。
【0009】
(ハルバッハ配列)
図14に、平面状のハルバッハ配列構造による磁界の集中を示す。ロータ120は、永久磁石である磁極磁石121とヨーク磁石123からなる。図中の矢印は永久磁石の磁界を表す。磁極磁石121の磁界122が一方である上向きと他方であるその反対方向の下向きになるように、磁極磁石121を交互に配列する。磁極磁石121の間にヨーク磁石123を、ヨーク磁石123の磁界124を水平方向の一方である右方向と他方である左方向に交互に配列する。よって、ヨーク磁石123の磁力124を、左右の両方から集合する形で受ける(以下、磁力が対向すると記す)磁極磁石121イと、左右の両方へ離散する形で受ける(以下逆対向と記す)磁極磁石121ロが交互に配置される。ロータ120の集中磁束122aは、磁極磁石121イの磁界122の方向から吹出され(吹出し磁極磁石と記す)、隣接する磁極磁石121ロの磁界122の方向に吸込まれる(吸込み磁極磁石と記す)。ロータ120は集中磁束122aを有するので、ステータ110は、集中磁束122aの方向に配される。ロータ120は集中磁束122aにより、ステータ110に配置された巻き線113とそこに流れる電流による電磁力を高めることができる。
【0010】
(第1実施形態)
図1に、第1実施形態のロータ20の構造を示す。ロータ20は、永久磁石である磁極磁石21を、周方向に磁界22を径外方向と径内方向とに交互に配列し、磁極磁石21の間に永久磁石であるヨーク磁石23を、磁界24を周方向回転方向と反回転方向に交互に配列しでロータ本体20aを構成する。即ち、ロータ本体20aは吹出し磁極磁石21イと吸込み磁極磁石21ロが交互に配されている。ロータ本体22aの軸方向の両端部には、ステータ10の軸方向の端部より突出したリング形状の磁性体からなる突出部29を有する。突出部29は、ヨーク磁石23に隣接する突出部29には、ヨーク磁石23と同一の磁界28を有する永久磁石である補助磁石27を配する。吹出し磁極磁石21イ(隣接するヨーク磁石23の磁界24が対向している)に隣接する突出部29には、永久磁石である軸磁石25の磁界26を、吹出し磁極磁石21イに対向するように配列する。また、吸込み磁極磁石21ロ(隣接するヨーク磁石23の磁界24が逆対向している)に隣接する突出部29には、磁性体である通路部材37を配列する。よって、リング形状の突出部29は、軸磁石25、補助磁石27、通路部材37を有する。この構成により、ロータ20は、吹出し磁極磁石21イの磁界22の方向に吹出され、吸込み磁極磁石21ロの磁界22の方向に吸込まれる集中磁束22aを有する。磁極磁石21ロに吸込まれた集中磁束22aは、ヨーク磁石23を経由、または順に通路部材37、補助磁石27、軸磁石25を経由(両端の2系統)して隣接する2つの磁極磁石21イに戻る。回転電気機械1は、ステータ10をロータ20の集中磁束22aの方向に配される。ステータ10は鉄心11と巻線13を有し、ステータ10の軸とロータ20の回転軸31が同軸である。ステータ10の回転軸31方向の長さは、ロータ20の本体部の回転軸31方向の長さとほぼ同じであり、ステータ10とロータ20は並列に配される。ここで、ヨーク磁石23の磁界24とその両端の補助磁石27の磁界28は同じ方向であるので、ヨーク磁石23とその両端の補助磁石27は一体で構成してもよい。
【0011】
図2に、第1実施形態のインナーロータ型の回転電力機械1のステータ10とロータ20を示す。図2(a)は、ロータ20全体に対する1極分のステータ10を示す。ステータ10は鉄心11と巻き線13からなる(巻線13は図示せず。以下同じ)。回転電力機械1は、ロータ20がステータ10の内側にあるインナーロータ型の構造である。ステータ10の軸とロータ20の回転軸31が同軸である。ロータ20は、回転軸31に対して回転方向33に回転する。回転方向33は逆回転方向でもよい。ロータ20の軸方向の両端部には、ステータ10の軸方向の端部より突出した突出部29(片側のみ図示)を有している。突出部29には、補助磁石27hと、軸磁石25又は通路部材37が配列されている。図2(b)は1極分のステータ10とロータ20を示す。
【0012】
図3は、1極分のステータ10に対する1極分のロータ10の構成を示す。図2(a)は吹出し磁極35イを示す。吹出し型極35イは、吹出し磁極磁石21イ、一対の軸磁石25、一対のヨーク磁石23h、及び2対の補助磁石27を有する。軸磁石25は、吹出し磁極磁石2ロイに磁界25を対向させて配される。吹出し磁極磁石21イに磁界26を対向させて軸磁石25を配列することにより、吹出磁極磁石21イから吹出される集中磁束22aを大きくする。図3(b)は、吸込み磁極35ロを示す。吸込み磁極35ロ、吸込み磁極磁石2ロ、一対の通路部材37、一対のヨーク磁石23h、及び2対の補助磁石27を有する。ヨーク磁石23hは、周方向の厚みがヨーク磁石23の半分である。補助磁石27hは同様に解析上周方向の厚みが補助磁石27の半分である。ここでロータ20は、図3(a)の吹出し磁極35イと図3(b)に吸込み磁極35ロを、ヨーク磁石23hの磁界24がそれぞれ同じ向きになるように配される。即ち、吹出し磁極35イの「あ」面と吸込み磁極35ロの「あ」面、吹出し磁極35イの「い」面と吸込み磁極35ロの「い」面が接するように配される。ここで、ロータ20が8極の場合、4つの吹出し磁極35イと4つの吸込み磁極35ロが、交互に配され、1極の回転方向の角度は45°となる。
【0013】
(第2実施形態)
第2実施形態は、吹出し磁極35イに通路部材37、吸込み磁極35ロに軸磁石25を用いる。図4(a)は、吹出し磁極35イを示す。図4(b)は、吸込み磁極35ロを示す。軸磁石25は、吸込み磁極磁石2ロに磁界25を逆対向させて配される。吸込み磁極磁石21ロに磁界26を逆対向させて軸磁石25を配列することにより、吸込み磁極磁石21ロに吸引される集中磁束22aを大きくする。第2実施形態で発生される集中磁束22aの大きさは、第1実施形態で発生される集中磁束22aの大きさと同等である。使用される永久磁石の磁界を合わせた大きさが等価だからである。
【0014】
(第3実施形態)
第3実施形態は、第1実施形態及び第2実施形態における通路部材37の代わりに軸磁石25を配列したことを特徴とする。図5に、第3実施形態のロータを示す。図5(a)に吹出し磁極35イの構成を示す。回転軸31回りの回転方向33を示す。中央に吹出し磁極磁石21イが径外方向に磁界22となるように配してある。周方向回転方向に磁極磁石21イを介して一対のヨーク磁石23hがその磁界24を対向させて配置されている。回転軸31の方向の突起部29には、磁極磁石21イを介して一対の軸磁石25がその磁界26を対向させて配置されている。ヨーク磁石23と軸磁石25の4つの交差部には、補助電極27hが配されている。補助電極27は、ヨーク電極23と一体となり磁界の方向は同一である。図5(b)に吸込み磁極35の構成を示す。中央に吸込磁極磁石21ロが径内方向に磁界22となるように配してある。周方向回転方向に磁極磁石21ロを介して一対のヨーク磁石23hがその磁界24を逆対向させて配置されている。回転軸31の方向の突起部29には、磁極磁石21ロを介して一対の軸磁石25がその磁界26を逆対向させて配置されている。ヨーク磁石23と軸磁石25の4つの交差部には、補助電極27hが配されている。補助電極27は、ヨーク電極23と一体となり磁界の方向は同一である。また、軸磁石25に吸引された集中磁束22aは、隣接する補助磁石27hに流れる。
【0015】
図6に、第3実施形態の8極ロータの有限要素解析法Finite Element Analysis(以下、FEAと記す)による設計例を示す。図6(a)は、吹出し磁極35イである径外方向の磁界22を有する磁極磁石21を含む1極と隣接するヨーク磁石23hを示す。ステータ10のコア外径Φ164mm、積厚(回転軸31方向)50mmの回転電気機械1の内部にロータ20を設置する。ロータ20の磁極磁石21及びヨーク磁石23hの回転軸方向の長さは50mmであり、ステータ10と50mm重なっている。突起部29(軸磁石25)の回転軸31方向の軸長さは20mmである。図6(b)にFEAによる磁界の設計に用いた磁界の初期値を示す。磁極磁石21の磁界22(径外方向)を示す。ヨーク磁石23hイの磁界24イとーク磁石23hロの磁界24ロは対向している。軸磁石25イの磁界26イと軸磁石25ロの磁界26ロは対向している。補助磁石27hイの磁界28イと補助磁石27hロの磁界28ロは対向し、補助磁石27hハの磁界28ハと補助磁石27hニの磁界28ニは対向している。
【0016】
解析条件は、以下である。三次元過渡磁場解析に用いたFEM解析は、ムラタソフトウェア(株)製のFemtetである。永久磁石の特性は、磁極磁石21、ヨーク磁石23、軸磁石25及び補助磁石27とも同じである。具体的には信越化学N36Z_140℃のデータを使用した。体格はΦ164、ステータ10のコア積厚50mm、極数は8、スロット数48、1極1相あたりのスロット数は2、全節巻き、スロット当たりの導体本数は4である。巻き線は全直列、並列数1、Y結線である。160A(線間電流振幅値)であり、回転数は3000rpmである。鉄心11の材質は50H230(新日鉄住金)である。解析条件は、第3実施形態において同じ、第4実施形態において鉄心11の材質を除いて同じである。
【0017】
図7に、ステータ10の磁束密度のFEA解析結果を示す。図7(a)は従来例、図7(b)は第3実施形態示す。従来ステータ111に対して第3実施形態のステータ11の磁束密度がより飽和に近い様相へと明瞭に変化している。
【0018】
図8に、回転角(°)に対する発生したトルク(Nm)を示す。図8(a)は従来例、図8(b)は第3実施形態を示す。同7中のトルク特性にみると、平均トルクが従来の41Nmから47Nmと14%増加した。これは軸磁石23、補助磁石25を持ちることにより集中磁束22aが増加したことによる。ここで、第1実施形態及び第2実施形態においても、平均トルクが約10%増加した(図示せず)。
【0019】
図9は、図8での平均トルクの増加の原因である集中磁束22aの流れの磁束解析の結果を示す。特に、軸磁石25での磁束がどのように流れているか、また吹出し磁極磁石21イ、吸込み磁極磁石22ロの内部の流れ方については周方向や軸方向から入っている形跡はあるかをベクトル方向の変化を解析し観察した。同9(a)の空間を含む全体的な流れでは、図7に示されたステータ10の鉄心13の高い磁束密度がステータ10内部の自己漏れ磁束などではなくてロータ20界磁からの集束であることを示している。またロータ20内側空間では磁性体がないにも関わらず漏れ磁束は多くなく、磁束の流れは複数の磁石内を通過して完結するハルバッハ配列の磁束流れの特徴を表している。図9(b)は、ロータ20表面での集中磁束22aの密度を示す。吹出し磁極磁石21イの四辺付近の吹出の集中磁束22a及び吸込み磁極磁石21ロの四辺付近の吸込みの集中磁束22aの密度が高い。吸込み磁極磁石21ロから吹出し磁極磁石21イへの集中磁束22aの流れは3系統である。第1に隣接するヨーク磁石23を経由して、磁極磁石21ロの主に辺部に主に吸込まれる。この集中磁束22aは磁極磁石21イの辺部に流れる。第2に両端の突起部29を通じて流れる。即ち、吸込み磁極磁石21ロの四辺付近の吸込みの集中磁束22aは、隣接する軸磁石25から補助磁石27、そして隣接する軸磁石25を経由して吹出し磁極磁石21イに流れる(両端の2系統)。図9(c)は、その磁束の流れ方をベクトルで示したものである。これより周方向よりも軸方向からの磁束供給が多く、今回の軸磁石25の配列の効果が、軸磁石25の無い通常の周方向ハルバッハ配列以上に作用し得ることを現象面から根拠づけている。図9(d)は、吹出し磁極磁石21イ、吸込み磁極磁石21ロの内部の集中磁束22aの流れ方について示す。集中磁束22aのベクトル方向の変化についてみると、周方向や軸方向から入っている形跡がある。これは四方から集合する集中磁束22aが、そのまま磁極磁石21イのセンターから吹き出する集中磁束22aの源になっている。
【0020】
(第4実施形態)
図10に、第4実施形態の突出部29の長さを0〜20mmと変えた5つのFEMモデルを示す。突出部29は、軸磁石25と補助磁石27からなる。よって、突出部29の長さは、同軸上の軸磁石25の長さである。図10(a)は0mmで軸磁石25が無い場合、図10(b)は軸磁石25が5mm、図10(c)は軸磁石25が10mm、図10(d)は軸磁石25が15mm、図10(e)は軸磁石259が20mmの場合をそれぞれ示す。
【0021】
図11に、軸磁石25の長さの効果を示す(条件:第3実施形態)。図10(a)は、軸磁石25の長さに対する平均トルクを示す。平均トルクは、軸磁石25の長さに比例して大きくなり、10mmにおいて46.3Nm(軸磁石なし41.1Nmに比べ、13%増加)を発生し、ここを変曲点として平均トルクの増加率は小さくなる。軸磁石25の長さ10mmは、ステータ10の幅50mmに対して20%となる。軸磁石25の長さ5mm(10%)において43.3Nm(軸磁石なしに比べ、5%増加)、軸磁石25の長さ15mm(30%)において47.1Nm(軸磁石なしに比べ、15%増加)する。軸磁石25の長さ5mm(10%)未満では、平均トルク増加が小さい。これは、軸磁石25が薄いため磁極磁石21へ軸方向に磁束を注入または引き抜く際の磁界が弱く、かつ極間のヨーク磁石23に磁束を受け渡すときの磁気回路通路断面積が狭いため軸方向磁束は絞られてしまうものと考えられる。また、軸磁石25の長さ15mm(30%)を超えると、軸方向磁束を出し入れする磁界は強くなるが周方向配列の磁界を抑制しトータルとしての界磁磁束は頭打ちになる。加えて回転電気機械が大型化する。よって、軸磁石25の同軸方向の長さは、ステータ10の同軸上の長さの10%以上30%以下が良い。この場合、平均トルクは5〜15%向上する。図11(b)は、軸磁石25の長さに対する集中磁束22a(mWb)を示す。図11(a)の平均トルクと同じ傾向を示す。
【0022】
(第5実施形態)
図12に、第5実施形態のステータ10の飽和磁束の緩和を示す。横軸は磁束の強さ(A/m)、縦軸は磁束密度(T:テスラ)である。実際の設計においてはステータ10の鉄心13もそれなりの形状・材質を採ることが望ましい。たとえロータ20が大量の磁束を発生できてもステータ10が飽和的であればその特長を生かすことができない。鉄心13の磁性材料をコバルト含有させた高飽和材に変えること効果がある。例として、レース用発電機や航空機用などで使われる例のある特殊磁性材であるVACOFLUX48(VACUUMSCHMELZE社製、以下VAC社と記す)で、49%コバルト含有の鋼板である。設計的には磁界の強さ(A/m)は、10000から40000を用いる。コバルトを含有させることにより磁束密度(T)は、0,25から0.27程度大きくなる。
【0023】
図13に、ステータを高飽和磁束材料とする効果を示す(条件:第3実施形態)。図13(a)は、従来の、低鉄損で一般的な電磁鋼板50H230(新日鉄住金)である。図13(b)高飽和磁束材料であるVACOFLUX48(VAC社製)、49%コバルト鋼である。図13(a)の47Nmが、鉄心11がコバルトを含有する磁性鋼板であることにより図13(b)54Nmと約15%向上した。尚、図13(a)は、図8(b)とほぼ同じ条件の結果であり、同レベルのトルクとなっている。
【0024】
(第6実施形態)
第6実施形態は、アウターロータ型の回転電気機械1を示す(図示せず)。これは第1実施形態、第2実施形態、及び第3実施形態のロータ20の磁極磁石21の吹出し磁極磁石21イと吸込み磁極磁石21ロを入れ替え、磁極磁石21の磁界22の方向を逆にしたものである。これによりロータ20の集中磁束22aは、逆方向の内側の径内方向となる。よって、ステータ10は、ロータ20の内側に配される。これにより外側に配されたロータ20が回転するアウターロータ型の回転電気機械1を提供する。第4実施形態、第5実施形態の作用、効果も有する。
【0025】
以上、第1実施形態乃至第6実施形態より本発明は以下となる。発明1は、鉄心11と巻線13を有するステータ10と、永久磁石を有するロータ20と、ステータ10の軸とロータ20の回転軸31が同軸である回転電気機械1において、ロータ20は、周方向に磁界22を径外方向と径内方向とに交互に配列した磁極磁石21と、磁極磁石21の間の周方向に磁界24を回転方向と反回転方向に交互に配列したヨーク磁石23と、を有したロータ本体20aと、ロータ本体20aの軸方向の両端部は、ステータ10の軸方向の端部より突出した磁性体からなる突出部29を有し、突出部29は、ヨーク磁石23に隣接する突出部29には、ヨーク磁石23と同一の磁界を有し、隣接するヨーク磁石23の磁界が対向している磁束の吹出し磁極磁石21イに隣接する突出部29には、吹出し磁極磁石21イに磁界26を対向するように軸磁石25を配列し、及び/又は、隣接するヨーク磁石23の磁界24が逆対向している磁束の吸込み磁極磁石21ロに隣接する突出部26には、吸込み磁極磁石21ロに磁界26を逆対向するように軸磁石25を配列し、ロータ20は、吹出し磁極磁石21イの磁界22の方向に、磁極磁石21の磁界22、ヨーク磁石21の磁界24、補助磁石27の磁界28、及び軸磁石25の磁界26を合わせた集中磁束22aを有し、ステータ10は、集中磁束22aの方向に配したことを特徴とする回転電気機械1ある。発明2、突出部29の同軸方向の長さは、ステータ10の同軸上の長さの10%以上30%以下であることを特徴とする発明1に記載する回転電気機械1である。発明3は、鉄心13は、コバルトを含有する磁性鋼板であることを特徴とする発明1又は2に記載する回転電気機械1である。
【0026】
以上より、従来に比べ性能である平均トルクが、発明1の隣接するヨーク磁石23の磁界が対向している磁束の吹出し磁極磁石21イに隣接する突出部29には、吹出し磁極磁石21イに磁界26を対向するように軸磁石25を配列し、又は、隣接するヨーク磁石23の磁界24が逆対向している磁束の吸込み磁極磁石21ロに隣接する突出部26には、吸込み磁極磁石21ロに磁界26を逆対向するように軸磁石25を配列したロータ20により、約10%向上する。また、隣接するヨーク磁石23の磁界が対向している磁束の吹出し磁極磁石21イに隣接する突出部29には、吹出し磁極磁石21イに磁界26を対向するように軸磁石25を配列し、及び隣接するヨーク磁石23の磁界24が逆対向している磁束の吸込み磁極磁石21ロに隣接する突出部26には、吸込み磁極磁石21ロに磁界26を逆対向するように軸磁石25を配列したロータ20により、約14%向上する。発明2のロータ20により5〜15%向上する。発明3のステータ10により、発明1または2に比べ約15%向上する。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、永久磁石ロータを用いた回転電気機械を、シンプルな技術で高性能化できる。電動機、発電機いずれにも適用できるので、更に高性能を求めるF1レースなどの車用、航空機用、ドローンなどの回転電気機械として提供できる。
【符号の説明】
【0028】
1 回転電気機械 10 ステータ
11 鉄心 13 巻線
20 ロータ 22a ロータ本体
21 磁極磁石(イ:吹出、ロ:吸込) 22 磁極磁石の磁界
22a 集中磁束 23 ヨーク磁石
23h 半分厚のヨーク磁石 24 ヨーク磁石の磁界
25 軸磁石 26 軸磁石の磁界
27 補助磁石 28 補助磁石の磁界
29 突出部 30 駆動磁界
31 回転軸(ロータ) 33 回転方向(ロータ)
35 極(磁極) 37 通路部材(磁性体材料)

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