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公開番号2020078212
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200521
出願番号2018211681
出願日20181109
発明の名称半導体装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人特許業務法人快友国際特許事務所
主分類H02M 7/48 20070101AFI20200424BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】 積層ユニットに加わる荷重のムラを抑制することによって、半導体モジュールの冷却ムラを抑制することである。
【解決手段】 半導体装置は、半導体モジュールと前記半導体モジュールを冷却する冷却器とが交互に積層された積層ユニットと、前記積層ユニットの積層方向の一端部に当接しており、前記積層方向に向かって前記積層ユニットに荷重を加えるばね部材と、前記積層方向に直交する直交方向における前記ばね部材の中央部に当接して、前記ばね部材から前記積層ユニットに前記荷重が加えられている状態で前記ばね部材を固定する固定部材を備える。前記積層ユニットに前記荷重を加える前の前記ばね部材は、前記直交方向における前記ばね部材の両端部から前記中央部に向かって、前記積層ユニットと離間するように湾曲している。前記積層ユニットに前記荷重を加えている状態の前記ばね部材は、前記中央部と前記両端部において、前記積層ユニットと当接する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
半導体素子を収容した半導体モジュールと前記半導体モジュールを冷却する冷却器とが交互に積層された積層ユニットと、
前記積層ユニットの積層方向の一端部に当接しており、前記積層方向に向かって前記積層ユニットに荷重を加えるばね部材と、
前記積層方向に直交する直交方向における前記ばね部材の中央部に当接して、前記ばね部材から前記積層ユニットに前記荷重が加えられている状態で前記ばね部材を固定する固定部材を備え、
前記積層ユニットに前記荷重を加える前の前記ばね部材は、前記直交方向における前記ばね部材の両端部から前記中央部に向かって、前記積層ユニットと離間するように湾曲しており、
前記積層ユニットに前記荷重を加えている状態の前記ばね部材は、前記ばね部材の前記中央部と前記両端部において、前記積層ユニットと当接する、半導体装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書では、積層方向に向かって積層ユニットに荷重を加えるばね部材を備える半導体装置を開示する。
続きを表示(約 6,900 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される半導体装置は、積層ユニットと、当接プレートと、ばね部材を備える。積層ユニットでは、半導体モジュールと半導体モジュールを冷却する冷却器とが交互に積層されている。当接プレートは、積層方向において、積層ユニットとばね部材の間に配置されている。ばね部材は、ばね部材の中央部が当接プレート側に円弧状に湾曲した形状を有する。ばね部材は、当接プレートを介して、積層方向に向かって積層ユニットに荷重を加える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014−011936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の半導体装置では、ばね部材の中央部から当接プレートを介して積層ユニットに荷重が加わる。このため、積層ユニットに加わる荷重は、ばね部材の中央部に重なる範囲で最大であり、ばね部材の中央部に重なる範囲から離間するにつれて小さくなる。この結果、半導体モジュールと冷却器の密着性にムラが発生し、半導体モジュールの冷却ムラが発生する。
【0005】
本明細書では、積層ユニットに加わる荷重のムラを抑制することによって、半導体モジュールの冷却ムラを抑制する技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示する半導体装置は、半導体素子を収容した半導体モジュールと前記半導体モジュールを冷却する冷却器とが交互に積層された積層ユニットと、前記積層ユニットの積層方向の一端部に当接しており、前記積層方向に向かって前記積層ユニットに荷重を加えるばね部材と、前記積層方向に直交する直交方向における前記ばね部材の中央部に当接して、前記ばね部材から前記積層ユニットに前記荷重が加えられている状態で前記ばね部材を固定する固定部材を備える。前記積層ユニットに前記荷重を加える前の前記ばね部材は、前記直交方向における前記ばね部材の両端部から前記中央部に向かって、前記積層ユニットと離間するように湾曲している。前記積層ユニットに前記荷重を加えている状態の前記ばね部材は、前記ばね部材の前記中央部と前記両端部において、前記積層ユニットと当接する。
【0007】
上記の構成では、ばね部材が積層ユニットに荷重を加えている状態では、ばね部材が積層ユニットに向かって変形しており、ばね部材の中央部と両端部が積層ユニットに当接している。この場合、積層ユニットには、ばね部材の中央部から第1荷重が加わる。また、ばね部材が湾曲している状態に戻るための第2荷重がばね部材に発生し、ばね部材から積層ユニットに第2荷重が加わる。第1荷重は、ばね部材の中央部で最大であり、中央部から離間するにつれて小さくなる。第2荷重は、ばね部材の両端部で最大であり、両端部から離間するにつれて小さくなる。ばね部材から積層ユニットに加わる全荷重は、第1荷重と第2荷重の合計値であり、直交方向に一様化される。この結果、半導体モジュールと冷却器は直交方向に均一に当接し、半導体モジュールを均一に冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施例の半導体装置の側面図である。
加圧する前における実施例のばね部材の斜視図である。
加圧する前における実施例のばね部材の湾曲量を示す図である。
実施例のばね部材から積層ユニットに加わる荷重の分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施例)
図1から図3を参照して、実施例の半導体装置10を説明する。実施例の半導体装置10は、電気自動車やハイブリット自動車等の車両に搭載される。また、半導体装置10は、車両のパワーコントロールユニットを構成する電力変換装置に搭載される。半導体装置10は、図示省略のハウジングに収容されている。
【0010】
図1に示すように、半導体装置10は、積層ユニット20と加圧部材40を備える。積層ユニット20は、複数個(本実施例では4個)の半導体モジュール22と複数個(本実施例では5個)の冷却器30を備える。半導体モジュール22と冷却器30は、Z方向に交互に積層されている。以下では、Z方向を積層方向と呼ぶことがある。積層ユニット20の積層方向における両端部には、冷却器30が位置している。半導体モジュール22と冷却器30との間には、図示省略の絶縁板が配置されている。
【0011】
半導体モジュール22のそれぞれは、XY平面(即ち積層方向に直交する面)に対して平行に配置されている。半導体モジュール22は、本体24と、3個の電力端子26(正極端子26a、負極端子26b、中点端子26c)を備える。本体24は、平板形状を有する。本体24は、内部に図示省略の半導体素子を収容している。半導体素子は、例えば、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(即ちIGBT)や金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(即ちMOSFET)等の素子構造とダイオードを有する。本体24から、正極端子26a、負極端子26b、中点端子26cが延びている。正極端子26aと負極端子26bと中点端子26cは、半導体素子に電気的に接続されている。半導体素子に電流が流れると、半導体素子が発熱する。これによって、半導体モジュール22は発熱する。
【0012】
冷却器30は、平板形状を有する。冷却器30は、例えば、アルミニウム等の金属材料から作製されている。冷却器30のそれぞれは、XY平面に対して平行に配置されている。冷却器30は、内部に流路を有する。互いに隣接する冷却器30は、連結管32、34によって連結されている。連結管32、34は、積層方向に対して平行に延びている。連結管32は、冷却器30のX方向の一端部側に配置されており、連結管34は、冷却器30のX方向の他端部側に配置されている。連結管32、34のそれぞれは、内部に流路を有する。連結管32の流路と連結管34の流路は、冷却器30の流路のそれぞれと連通している。
【0013】
連結管32、34には、図示省略の冷媒循環装置が接続されている。冷媒循環装置は、冷却器30に液体冷媒を送り出し、冷却器30から排出された液体冷媒を受け入れる。液体冷媒は、例えばLLC(Long Life Coolant)等である。冷媒循環装置から送り出された液体冷媒は、連結管32の流路を通過し、冷却器30の流路のそれぞれに分配される。液体冷媒は、冷却器30の流路のそれぞれを通過する間に、半導体モジュール22の熱を吸収する。その後、液体冷媒は、連結管34の流路を通過し、冷媒循環装置内に戻る。これにより、半導体モジュール22は、冷却器30によって冷却される。
【0014】
積層ユニット20の積層方向における一端部には、加圧部材40が当接している。積層ユニット20の積層方向における一端部には、冷却器30が位置しており、以下では、この冷却器30を冷却器30aと呼ぶ。冷却器30aには、加圧部材40が当接している。
【0015】
加圧部材40は、ばね部材42と固定部材44を備える。ばね部材42は、冷却器30aに面で当接している。積層方向から見ると、ばね部材42は、半導体モジュール22と重なっている。ばね部材42は、積層方向に向かって冷却器30aに荷重を加える。なお、ばね部材42については、後で詳しく説明する。X方向(即ち、積層方向に直交する直交方向)において、ばね部材42の中央部42aには、固定部材44が当接している。ばね部材42の中央部42aは、直交方向において、ばね部材42の中間位置に対応する部分である。固定部材44は、ばね部材42の冷却器30aと当接する面と反対側の面に当接している。固定部材44と冷却器30aの間に、ばね部材42が配置されている。固定部材44は、ばね部材42が冷却器30aに荷重を加えている状態でばね部材42を固定している。固定部材44は、ハウジングに固定されている。
【0016】
図2及び図3を参照して、ばね部材42を説明する。図2に示すように、冷却器30aに荷重を加える前において、ばね部材42は湾曲している。ばね部材42は、ばね板である。ばね部材42は、ばね部材42の両端部42b、42cを通過するXY平面に対して、両端部42b、42cから中央部42aに向かって離間するように湾曲している。ばね部材42は、中央部42aを通過するYZ平面に対して面対称である。ばね部材42は、図3に示す湾曲量とばね部材42の長さの関係を有する初期形状を有する。図3は、ばね部材42をY方向から見たときの湾曲量とばね部材42の長さの関係を示す。ばね部材42の一端部42bから他端部42cまでの長さは50mmである。ばね部材42の中央部42aは、両端部42b、42cを通過するXY平面から3mm離間している。
【0017】
ばね部材42は、弾性材料から作製されている。ばね部材42の両端部42b、42cを固定した状態で、ばね部材42にZ方向の荷重が加わると、ばね部材42は変形する。また、ばね部材42に加わっていた荷重がゼロになると、ばね部材42は、初期形状に戻る。
【0018】
ばね部材42の中央部42aにZ方向の荷重を加えるとき、ばね部材42の変形量Dは、次式によって算出される。
変形量D=PL

{(3a/L)−(4a

/L

)}/48EI
ここで、Pは、ばね部材42に加わる荷重[N]である。Lは、ばね部材42の長さ[m]であり、0.05(即ち50mm)である。aは、ばね部材42の一端部42bから所定位置までの長さ[m]であって、他端部42cから所定位置までの長さ[m]である。aは、0以上L/2以下の値であり、本実施例では、0以上0.025以下の値である。Eは、ばね部材42のヤング率[Pa]であり、206×10

である。Iは、ばね部材42の断面2次モーメント[m

]であり、4.03×10
−12
である。
【0019】
例えば、ばね部材42の中央部42aに1000NのZ方向の荷重を加える場合、ばね部材42の中央部42aの変形量Dは3mmである。このとき、ばね部材42の中央部42aは、Z方向に向かって3mm変形する。これにより、ばね部材42は、平板形状に変形する。また、ばね部材42の中央部42aに2000NのZ方向の荷重を加える場合、ばね部材42の中央部42aの変形量Dは6mmである。このとき、ばね部材42の中央部42aは、積層方向に向かって6mm変形する。ばね部材42の中央部42aは、両端部42b、42cを通過するXY平面に対して、初期形状におけるばね部材42の中央部42aの位置する側と反対側に3mm突出する。ばね部材42は、両端部42b、42cを通過するXY平面に対して、両端部42b、42cから中央部42aに向かって3mm離間するように湾曲する。
【0020】
次に、加圧部材40を用いて積層ユニット20に荷重を加える手順を説明する。まず、積層ユニット20の冷却器30aに、ばね部材42の両端部42b、42cを当接させる。このとき、ばね部材42の中央部42aは、冷却器30aと離間している。ばね部材42は、両端部42b、42cから中央部42aに向かって、冷却器30aと離間するように湾曲している。
【0021】
次に、ばね部材42の中央部42aに、冷却器30aに向かって2000Nの荷重を加える。これにより、ばね部材42から冷却器30aに荷重が加わる。ばね部材42の中央部42aに荷重を加えると、ばね部材42の中央部42aが冷却器30aに近づくように、ばね部材42は変形していき、荷重が1000Nに達すると、ばね部材42は、冷却器30aに面で当接する。ばね部材42は、初期形状から平板形状に変形する。ばね部材42の中央部42aと両端部42b、42cは、冷却器30aと当接している。ばね部材42の中央部42aに加わる荷重が1000Nを超えると、即ち、ばね部材42を初期形状から平板形状に変形させるのに要する荷重よりも大きい荷重が加わると、ばね部材42の中央部42aから冷却器30aに第1荷重P1が加わる。第1荷重P1については、後で詳しく説明する。
【0022】
次いで、ばね部材42が冷却器30aに荷重を加えている状態で、固定部材44をばね部材42の中央部42aに当接させる。次いで、固定部材44をハウジングに固定させる。これにより、固定部材44は、ばね部材42が冷却器30aに荷重を加えている状態で、ばね部材42を固定する。
【0023】
次に、ばね部材42から積層ユニット20に加わる荷重を説明する。ばね部材42の中央部42aに加わる荷重が1000Nを超えると、ばね部材42の中央部42aから冷却器30aに第1荷重P1が加わる。図4に示すように、第1荷重P1は、ばね部材42の中央部42aで最大となる。なお、図4では、第1荷重P1とばね部材42の長さの関係が、破線で図示されている。第1荷重P1は、ばね部材42の中央部42aから離間するにつれて小さくなる。第1荷重P1は、ばね部材42の両端部42b、42cでゼロである。
【0024】
また、ばね部材42は、固定部材44によって、平板形状に変形している状態で固定されている。このため、ばね部材42には、ばね部材42が初期形状に戻るための第2荷重P2が発生する。ばね部材42は、固定部材44によって固定されており、第2荷重P2は、ばね部材42から冷却器30aに加わる。図4に示すように、第2荷重P2は、ばね部材42の両端部42b、42cで最大となる。なお、図4では、第2荷重P2とばね部材42の長さの関係が、一点鎖線で図示されている。ばね部材42の両端部42b、42cから冷却器30aに加わる第2荷重P2は、ばね部材42の中央部42aから冷却器30aに加わる第1荷重P1に等しい。第2荷重P2は、ばね部材42の両端部42b、42cから離間するにつれて小さくなる。第2荷重P2は、ばね部材42の中央部42aでゼロである。
【0025】
ばね部材42から冷却器30aに加わる全荷重P3は、第1荷重P1と第2荷重P2の合計値である。図4に示すように、全荷重P3は、直交方向に一様化される。なお、図4では、全荷重P3とばね部材42の長さの関係が、実線で図示されている。このため、冷却器30aには、直交方向において、ばね部材42から均一な荷重が加わる。この結果、直交方向において、半導体モジュール22と冷却器30を均一に当接させることができる。これにより、冷却器30によって、半導体モジュール22を均一に冷却することができる。
【0026】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0027】
10 :半導体装置
20 :積層ユニット
22 :半導体モジュール
24 :本体
26 :電力端子
30 :冷却器
30a :積層ユニット20の一端部に位置する冷却器
32、34:連結管
40 :加圧部材
42 :ばね部材
42a :中央部
42b、42c:端部
44 :固定部材
P1 :第1荷重
P2 :第2荷重
P3 :全荷重

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