TOP特許意匠商標
特許ウォッチ DM通知 Twitter
公開番号2020078204
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200521
出願番号2018211341
出願日20181109
発明の名称モータの冷却構造
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人特許業務法人平木国際特許事務所
主分類H02K 9/19 20060101AFI20200424BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】磁石を冷却しつつ、磁石の腐食を防止できるモータの冷却構造を提供する。
【解決手段】モータ1の冷却構造は、回転軸2と、回転軸2を中心として回転するロータコア31と、ロータコア31に埋設される磁石32と、ロータコア31の磁石32より内径側に貫設され、回転軸2の軸方向に沿って延びる冷媒流路5と、を備えている。ロータコア31には、径方向に延びるとともに冷媒流路5と磁石32とを繋ぐヒートパイプ6が設けられている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
回転軸と、
前記回転軸を中心として回転するロータコアと、
前記ロータコアに埋設される磁石と、
前記ロータコアの前記磁石より内径側に貫設され、前記回転軸の軸方向に沿って延びる冷媒流路と、
を備え、
前記ロータコアには、径方向に延びるとともに前記冷媒流路と前記磁石とを繋ぐヒートパイプが設けられていることを特徴とするモータの冷却構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、モータの冷却構造に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電動車両に用いられるモータについて、高出力化が求められている。モータを高出力化すると、モータの温度が上昇するので、磁石の性能が劣化(すなわち、減磁)する問題が生じる。この問題を解決するために、磁石を冷却する(言い換えれば、モータを冷却する)技術が提案されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、モータ回転軸の軸方向に形成されて冷媒が供給される回転軸流路と、該回転軸流路から磁石挿入穴まで径方向に冷媒を導く径方向流路とを備えるモータの冷却構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014−183602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述したモータの冷却構造では、冷媒が回転軸流路及び径方向流路を経由して磁石挿入穴に侵入し、磁石挿入穴に挿入される磁石と直接接触することになる。冷媒が磁石に直接接触すると、磁石の腐食を招く問題が新たに生じる。
【0006】
本発明は、このような技術課題を解決するためになされたものであって、磁石を冷却しつつ、磁石の腐食を防止できるモータの冷却構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るロータの冷却構造は、回転軸と、前記回転軸を中心として回転するロータコアと、前記ロータコアに埋設される磁石と、前記ロータコアの前記磁石より内径側に貫設され、前記回転軸の軸方向に沿って延びる冷媒流路と、を備え、前記ロータコアには、径方向に延びるとともに前記冷媒流路と前記磁石とを繋ぐヒートパイプが設けられていることを特徴としている。
【0008】
本発明に係るロータの冷却構造では、ロータコアに径方向に延びるとともに冷媒流路と磁石とを繋ぐヒートパイプが設けられているため、熱輸送能力のあるヒートパイプを用いて磁石を冷却することができる。加えて、冷媒流路を流れる冷媒が磁石に直接接触することがないので、従来のように冷媒の接触に起因する磁石の腐食を防止することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、磁石を冷却しつつ、磁石の腐食を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施形態に係るモータの冷却構造を説明するための平面図である。
モータの1/8モデルを示す拡大平面図である。
ヒートパイプを示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明に係るロータの冷却構造の実施形態について説明する。図1は実施形態に係るモータの冷却構造を説明するための平面図であり、図2はモータの1/8モデルを示す拡大平面図である。
【0012】
本実施形態に係るモータの冷却構造は、モータ1に設けられた磁石32を冷却し、磁石32の減磁を抑制するための構造である。モータ1は、例えばハイブリッド自動車や電気自動車の駆動源として用いられる埋込磁石型モータであり、回転軸2と、回転軸2と固定されるとともに該回転軸2を中心として回転するロータ3と、ロータ3を取り囲むようにロータ3の外周に配置される円環状のステータ4と、を備えている。
【0013】
ロータ3は、中心部分に軸穴3aが形成されたロータコア31と、ロータコア31の周方向に沿って所定の間隔で配置されるとともに、回転軸2の軸方向に延びる複数(本実施形態では、8つ)の磁石用スロット33(図2参照)と、磁石用スロット33にそれぞれ埋設された磁石32とを備えている。
【0014】
回転軸2は、金属製であり、ロータコア31の軸穴3aに挿通された状態で、かしめ等によりロータコア31と固定されている。ロータコア31は、例えば円板状の電磁鋼板を回転軸2の軸方向に積層することで形成され、ステータ4の鉄磁極の磁束(リラクタンストルク)や磁石32の磁束(マグネットトルク)の磁路として機能するものである。
【0015】
磁石32は、ネオジムと鉄とホウ素を主成分とするネオジム磁石、サマリウムとコバルトを主成分とするサマリウムコバルト磁石等の希土類磁石であっても良く、フェライト磁石、アルニコ磁石であっても良い。磁石32は、直方体形状を呈しており、その長手方向が回転軸2の軸方向と平行になる状態で、磁石用スロット33の内部に挿入され、熱硬化性樹脂によって該磁石用スロット33に固定されている。なお、熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂等を用いることができる。
【0016】
ステータ4は、電磁鋼板により円環状に形成されたステータ鉄心41と、ステータ鉄心41に巻回された複数(本実施形態では、8つ)のコイル42とから構成されている。コイル42は、対応する磁石32と対になるように、ステータ4の周方向に等間隔に配置されている。そして、コイル42が通電されると、ロータ3を回転させるための回転磁界が生じる。
【0017】
本実施形態において、モータ1は、ロータコア31の磁石32より内径側に貫設され、回転軸2に沿って延びる冷媒流路5を更に複数(本実施形態では、8つ)備えている。具体的には、8つの冷媒流路5は、ロータコア31の磁石32より内径側に設けられており、回転軸2を取り囲むようにロータコア31の周方向に等間隔で配置されている。これらの冷媒流路5は、回転軸2の軸方向に沿ってロータコア31を貫通する円形の貫通孔によって形成され、内部にATF(Automatic Transmission Fluid)等の冷媒が流れる。
【0018】
また、ロータコア31には、径方向に延びるとともに冷媒流路5と磁石32とを繋ぐヒートパイプ6が複数(本実施形態では、8つ)設けられている。図1に示すように、ヒートパイプ6は、対となる冷媒流路5及び磁石32を繋ぐように、ロータコア31に設けられたヒートパイプ挿入穴(図示せず)に嵌められることでロータコア31に固定されている。
【0019】
図3はヒートパイプを示す模式断面図である。ヒートパイプ6は、密閉構造を有する筒体61の内部に、作動流体を封入した公知のものである。筒体61は、熱伝導性に優れた金属材料、例えばアルミニウム、ステンレス鋼、銅などを管形状に成形して構成されている。好適には、筒体61の内壁にガラス繊維または網状の細い銅線により構成されたウィック材が設けられている。このようにすれば、ウィック材からなる毛細管構造を利用し、ヒートパイプ6の熱輸送能力を高めることができる。筒体61の内部に封入される作動流体は、60℃ないし200℃の温度範囲で作動するものであり、例えば水、アンモニア、メタノール、アセトン、フレオン等が用いられる。
【0020】
図3に示すように、ヒートパイプ6は、棒状を呈しており、一端部に位置する蒸発部62と、他端部に位置する凝縮部63とを有する。ヒートパイプ6による鉄損を防止するために、本実施形態のヒートパイプ6の表面は絶縁処理されている。すなわち、ヒートパイプ6は、筒体61が絶縁層65に覆われる構造になっている。
【0021】
このような構造を有するヒートパイプ6は、その蒸発部62が磁石32側、凝縮部63が冷媒流路5側に位置するように配置されている(図2参照)。これによって、ヒートパイプ6の蒸発部62は磁石32と接触し、凝縮部63は冷媒流路5を流れる冷媒と接触するようになる。ヒートパイプ6は、その軸方向の厚さがロータコア31を構成する電磁鋼板と同じ厚さを有することが好ましい。このようにすれば、ヒートパイプ6による鉄損を防止することができる。
【0022】
本実施形態に係るモータ1の冷却構造では、ロータコア31に径方向に延びるとともに冷媒流路5と磁石32とを繋ぐヒートパイプ6が設けられている。ヒートパイプ6は、その熱伝導率が電磁鋼板や銅等の金属材料よりも大きいので、磁石32の熱を効率良く冷媒流路5を流れる冷媒に輸送することができ、磁石32を効率良く冷却することができる。このように熱輸送能力のあるヒートパイプ6を用いて磁石32を効率良く冷却できることにより、モータ1の更なる高出力化を図ることが可能になる。加えて、冷媒流路5を流れる冷媒が磁石32に直接接触することがないので、従来のように冷媒の接触に起因する磁石の腐食を防止することができる。
【0023】
また、ヒートパイプ6は、その蒸発部62が磁石32側、凝縮部63が冷媒流路5側に位置するように配置されているため、ヒートパイプ6自体の熱輸送能力に加えて、ロータ3の回転で発生する遠心力を利用しヒートパイプ6内に封入される作動流体を磁石32側に移動させることができるので、ヒートパイプ6の熱輸送効率を更に高めることができる。その結果、磁石32を冷却する効率を更に向上することができる。
【0024】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
【符号の説明】
【0025】
1 モータ
2 回転軸
3 ロータ
3a 軸穴
4 ステータ
5 冷媒流路
6 ヒートパイプ
31 ロータコア
32 磁石
33 磁石用スロット
41 ステータ鉄心
42 コイル
61 筒体
62 蒸発部
63 凝縮部
65 絶縁層

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
負極
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
車両
トヨタ自動車株式会社
電池
トヨタ自動車株式会社
活物質
トヨタ自動車株式会社
組電池
トヨタ自動車株式会社
組電池
トヨタ自動車株式会社
組電池
トヨタ自動車株式会社
組電池
トヨタ自動車株式会社
ダクト
トヨタ自動車株式会社
加熱炉
トヨタ自動車株式会社
活物質
トヨタ自動車株式会社
移動体
トヨタ自動車株式会社
過給機
トヨタ自動車株式会社
計測装置
トヨタ自動車株式会社
蓄電装置
トヨタ自動車株式会社
内燃機関
トヨタ自動車株式会社
冷却装置
トヨタ自動車株式会社
蓄電装置
トヨタ自動車株式会社
差動装置
トヨタ自動車株式会社
複合歯車
トヨタ自動車株式会社
蓄電装置
トヨタ自動車株式会社
操舵装置
トヨタ自動車株式会社
制御装置
トヨタ自動車株式会社
圧力容器
トヨタ自動車株式会社
内燃機関
トヨタ自動車株式会社
電気機器
トヨタ自動車株式会社
電動車両
続きを見る