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公開番号2020025466
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200213
出願番号2019213265
出願日20191126
発明の名称ロータコア及びその製造方法
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人特許業務法人平木国際特許事務所
主分類H02K 1/02 20060101AFI20200121BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】磁気特性に優れ、かつ強度の高いロータコア及びその製造方法を提供する。
【解決手段】複数のロータコア用板材の積層体を備えるロータコアであって、前記ロータコアは、前記ロータコアの外周側に位置する外周側領域と、前記ロータコアの内周側に位置する内周側領域とを有し、前記外周側には磁石用スロットが設けられ、前記外周側領域は、前記ロータコアの外周輪郭線から前記外周輪郭線及び前記磁石用スロットの径方向の中央部の間の任意の位置まで径方向に延在する環状範囲であり、前記外周側領域の結晶の平均粒径は、前記内周側領域の結晶の平均粒径より大きい、ロータコアである。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
複数のロータコア用板材の積層体を備えるロータコアであって、
前記ロータコアは、前記ロータコアの外周側に位置する外周側領域と、前記ロータコアの内周側に位置する内周側領域とを有し、前記外周側には磁石用スロットが設けられ、
前記外周側領域は、前記ロータコアの外周輪郭線から前記外周輪郭線及び前記磁石用スロットの径方向の中央部の間の任意の位置まで径方向に延在する環状範囲であり、
前記外周側領域の結晶の平均粒径は、前記内周側領域の結晶の平均粒径より大きい、ロータコア。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記外周側領域の結晶の平均粒径は50μm以上であり、前記内周側領域の結晶の平均粒径は50μm未満である、請求項1に記載のロータコア。
【請求項3】
前記外周側領域が前記ロータコアの表層である、請求項1または2に記載のロータコア。
【請求項4】
前記内周側領域の降伏強度が、前記外周側領域の降伏強度に対して70MPa以上120MPa以下大きい、請求項1〜3のいずれか一項に記載のロータコア。
【請求項5】
モータのロータを構成するロータコアの製造方法であって、
電磁鋼板からロータコア用板材を打ち抜き加工し、複数の該ロータコア用板材を積層して、前記ロータコアの外周側に位置する外周側領域と、前記ロータコアの内周側に位置する内周側領域とを有し、前記外周側に磁石用スロットが設けられたロータコア前駆体を製造する第一のステップ、
前記ロータコア前駆体の前記外周側領域と前記内周側領域で焼鈍時の温度差を設け、前記外周側領域は電磁鋼板の結晶が粒成長する温度で焼鈍し、前記内周側領域は電磁鋼板の結晶が粒成長しない温度で焼鈍してロータコアを製造する第二のステップからなり、
前記外周側領域は、前記ロータコアの外周輪郭線から前記外周輪郭線及び前記磁石用スロットの径方向の中央部の間の任意の位置まで径方向に延在する環状範囲である、ロータコアの製造方法。
【請求項6】
前記第二のステップでは、前記外周側領域の結晶の平均粒径が50μm以上であり、前記内周側領域の結晶の平均粒径が50μm未満である前記ロータコアを製造する、請求項5に記載のロータコアの製造方法。
【請求項7】
前記外周側領域が前記ロータコアの表層である、請求項5または6に記載のロータコアの製造方法。
【請求項8】
前記第二のステップでは、焼鈍炉により前記ロータコア前駆体を焼鈍し、前記ロータコアを製造する、請求項5〜7のいずれか一項に記載のロータコアの製造方法。
【請求項9】
前記第二のステップでは、前記外周側領域を所定の一定温度で所定の一定時間焼鈍し、前記ロータコアを製造する、請求項5〜8のいずれか一項に記載のロータコアの製造方法。
【請求項10】
前記第二のステップでは、前記ロータコア前駆体を焼鈍することで、前記外周側領域の降伏強度を焼鈍前から110MPa以上130MPa以下低下させ、前記内周側領域の降伏強度を焼鈍前から40MPa以下低下させる、請求項5〜9のいずれか一項に記載のロータコアの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、モータを構成するロータコアの製造方法と、モータを構成するロータコアおよびステータコアからなるモータコアの製造方法に関するものである。
続きを表示(約 8,500 文字)【背景技術】
【0002】
自動車産業においては、ハイブリッド自動車や電気自動車のさらなる走行性能の向上を目指して、駆動用モータの高出力化、軽量化、小型化への開発が日々進められている。また、家電製品メーカーにおいても、各種家電製品に内蔵されるモータのさらなる小型化、高性能化への開発に余念がない。
【0003】
モータの性能を向上させるには、モータ内部で発生する各種損失を如何に低減できるかが課題である。例えば、電気入力後においては、モータを構成するコイルにおいて導体抵抗損失に起因する銅損が生じ、ロータやステータには渦電流損失やヒステリシス損失に起因する鉄損(または高周波鉄損)が生じ、これらの損失に応じてモータ効率やトルク性能が低下することとなる。
【0004】
ステータコアとロータコアの製造に当たっては、電磁鋼板からロータコア用板材とステータコア用板材を打ち抜き加工し、複数のロータコア用板材を積層し、加締めや溶接にてロータコアが製造され、複数のステータコア用板材を積層し、加締めや溶接にてステータコアが製造されている。
【0005】
ステータコアやロータコアから上記鉄損を低減して磁気特性を向上させるべく、ステータコアとロータコアの双方を所定温度にて焼鈍し、プレス等の加工歪の除去をおこなったり、またセミプロセス材など焼鈍を前提とした材料のように双方のコアを形成する結晶を粒成長させる方策が適用できる。
【0006】
しかしながら、焼鈍にてステータコアとロータコアの双方の結晶を粒成長させることで磁気特性が向上する一方で、結晶が粒成長することでコアの強度(引張強度)が低下するといった背反があることが知られている。
【0007】
ステータコアの鉄損が低いことにより、モータの小型化と省エネルギー化が図られる。一方、ロータコアは高速にて回転し、回転時に強い遠心力が作用する部材であることから、この強い外力に抗し得る高い強度が要求される。したがって、ロータコアに焼鈍を施すことは強度低下の要因となることから好ましい方策とは言い難く、したがって、ステータコアのみに焼鈍を施し、ロータコアには焼鈍を施さない製造方法が適用されることもある。ただし、この製造方法にて製造されたロータコアには、既述する磁気特性の向上が期待できない。
【0008】
ここで、特許文献1には、同一の鋼板からロータ材およびステータ材を同時採取しながら、ロータ材においては高い磁束密度および高強度を、ステータ材においては高い磁束密度及び低鉄損を達成し得る高磁束密度無方向性電磁鋼板の製造方法が開示されている。具体的には、鋼板組成が所定の質量比で規定された高磁束密度無方向性電磁鋼板の製造に当たり、結晶粒径が50μm以上500μm以下となるように熱延板焼鈍を実行する方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2004−270011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に開示の製造方法では、高磁束密度無方向性電磁鋼板に対して熱延板焼鈍をおこなうことから、ステータコア用の鋼板とロータコア用の鋼板の双方に焼鈍がおこなわれることになる。そのため、ロータコア用の鋼板においては、上記するように磁気特性の向上が期待できる一方で強度の低下が懸念される。
【0011】
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、磁気特性に優れ、かつ強度の高いロータコアを製造することのできるロータコアの製造方法と、かかるロータコアに加えて磁気特性に優れたステータコアを製造することのできるモータコアの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成すべく、本発明によるロータコアの製造方法は、モータのロータを構成するロータコアの製造方法であって、電磁鋼板からロータコア用板材を打ち抜き加工し、複数の該ロータコア用板材を積層してロータコア前駆体を製造する第一のステップ、前記ロータコア前駆体の外周側領域と内周側領域で焼鈍時の温度差を設け、該外周側領域は電磁鋼板の結晶が粒成長する温度で焼鈍し、該内周側領域は電磁鋼板の結晶が粒成長しない温度で焼鈍してロータコアを製造する第二のステップからなるものである。
【0013】
本発明のロータコアの製造方法は、電磁鋼板からなる複数のロータコア用板材が積層されたロータコア前駆体に対し、ロータコア前駆体の外周側領域と内周側領域で焼鈍時の温度差を設けて焼鈍してロータコアを製造することに特徴を有している。具体的には、外周側領域は電磁鋼板の結晶が粒成長する温度で焼鈍し、内周側領域は電磁鋼板の結晶が粒成長しない温度で焼鈍するものである。
【0014】
ここで、「外周側領域」とは、たとえば、平面視円形のロータコアにおいて、円形の外周輪郭線から所定長さ内側までの範囲の外周の環状領域等を意味し、「内周側領域」とは、外周側領域以外のロータコアの中央側の領域等を意味する。
【0015】
外周側領域は、鉄損が比較的大きな、たとえばステータコアの円形の外周輪郭線から5mm程度までの範囲を規定することができる。そこで、この外周側領域の結晶を粒成長させ、磁気特性を向上させることで、ロータコアの鉄損を効果的に低減することができる。
【0016】
一方、ロータコアの内周側領域は、結晶が粒成長していないことから、強度(引張強度)の高い領域となり、この内周側領域を備えていることでロータコアの高い強度を保証することができる。
【0017】
また、本発明によるロータコアの製造方法の他の実施の形態において、前記第二のステップでは、前記内周側領域を電磁鋼板の結晶が粒成長しない温度であって、かつ前記打ち抜き加工時の加工歪を除去する温度で焼鈍する。
【0018】
電磁鋼板の打ち抜き加工時には加工されるロータコア用板材に加工歪が導入されることから、内周側領域においては、電磁鋼板の結晶が粒成長しない温度であって、かつ打ち抜き加工時の加工歪を除去する温度で焼鈍することにより、打ち抜き加工による内周側領域の磁気特性の低下を解消することができる。
【0019】
また、本発明によるロータコアの製造方法の他の実施の形態において、前記第二のステップでは、少なくとも前記ロータコア前駆体の上面と下面に断熱材を配設し、該ロータコア前駆体の円周方向に延びる側面を露出させた状態で該ロータコア前駆体を焼鈍炉に載置して焼鈍をおこなうものである。
【0020】
ロータコア前駆体の上面と下面に断熱材を配設し、ロータコア前駆体の円周方向に延びる側面を露出させた状態では、たとえばこのロータコアの側面のみが外部に露出する。この状態で焼鈍をおこなうと、ロータコアの上下面は断熱材で防護されていることから、ロータコアの側面のみが直接加熱されて昇温し、側面から徐々にロータコアの内側に伝熱されていく。
【0021】
ロータコア前駆体の外周側領域が所定温度まで昇温して焼鈍された段階で焼鈍を終了することにより、外周側領域の電磁鋼板の結晶を所望に粒成長させることができるとともに、ロータコア前駆体の内周側領域の電磁鋼板の結晶の粒成長を抑制することができる。
【0022】
なお、ロータコア前駆体の上下面における断熱材によるカバー範囲は、ロータコア前駆体の上下面の全面を断熱材でカバーすることの他にも、ロータコア前駆体の内周側領域に相当する上下面のみを断熱材にてカバーする形態であってもよい。
【0023】
また、本発明によるロータコアの製造方法の他の実施の形態において、前記第二のステップでは、前記ロータコア前駆体が転がり移動する移動空間を備え、該移動空間の周囲に加熱装置が配設された内部移動型焼鈍炉を使用し、該加熱装置の作動下で前記移動空間を前記ロータコア前駆体が転がり移動する過程で該ロータコア前駆体の前記側面から加熱が実行されて焼鈍をおこなうものである。
【0024】
円柱状のロータコア前駆体が転がり移動する移動空間を備えた内部移動型焼鈍炉を使用し、ロータコア前駆体を転がり移動させながら側面から加熱装置にて加熱して焼鈍することで、ロータコア前駆体の外周側領域の焼鈍を効率的におこなうことが可能になる。ロータコア前駆体を転がり移動させる方法としては、たとえば、ロータコア前駆体に環状のギアを取り付け、移動空間内において該移動空間の長手方向に延びて該移動空間内をスライドする長尺のギアをロータコア前駆体に取り付けられた環状のギアに噛み合わせ、長尺のギアをスライドさせることでロータコア前駆体を移動空間内に転がり移動させることができる。
【0025】
なお、内部移動型焼鈍炉に、予熱ゾーン、高温加熱ゾーンを連続的に設け、比較的低温に保持された予熱ゾーンをロータコア前駆体が転がり移動する過程で当該ロータコア前駆体の全体を所定温度まで予熱し、次いで、高温加熱ゾーンをロータコア前駆体が転がり移動する過程でロータコア前駆体の側面から焼鈍を積極的におこない、外周側領域の結晶の粒成長を促進させる製造方法であってもよい。
【0026】
また、本発明はモータのロータを構成するロータコアとステータを構成するステータコアからなるモータコアの製造方法にも及ぶものであり、この製造方法は、電磁鋼板からロータコア用板材とステータコア用板材を打ち抜き加工し、複数の該ロータコア用板材を積層してロータコア前駆体を製造し、複数の該ステータコア用板材を積層してステータコア前駆体を製造する第一のステップ、前記ロータコア前駆体の外周側領域と内周側領域で焼鈍時の温度差を設け、該外周側領域は電磁鋼板の結晶が粒成長する温度で焼鈍し、該内周側領域は電磁鋼板の結晶が粒成長しない温度で焼鈍してロータコアを製造し、前記ステータコア用前駆体を焼鈍してステータコアを製造する第二のステップからなるものである。
【0027】
本発明のモータコアの製造方法は、モータを構成するロータコアとステータコアの双方(双方をまとめてモータコアと称する)を製造する方法であり、上記するロータコアの製造方法と共通する方法にてロータコアを製造する点に特徴がある。
【0028】
共通する電磁鋼板からロータコア用板材とステータコア用板材を打ち抜き加工することで電磁鋼板の廃棄部分を可及的に低減することができ、材料歩留りを高めることができる。
【0029】
第二のステップにおいて、ステータコア前駆体はその全体を結晶が粒成長する温度にて焼鈍して磁気特性の向上を図る。
【0030】
本発明の製造方法によって製造されたロータコアは優れた磁気特性と高い強度を有しており、製造されたステータコアも優れた磁気特性を有していることから、これらのモータコアは性能に優れたモータの製造に供される。
【0031】
また、本発明によるモータコアの製造方法においても、製造方法の他の実施の形態として、前記第二のステップでは、前記ロータコア前駆体の前記内周側領域を電磁鋼板の結晶が粒成長しない温度であって、かつ前記打ち抜き加工時の加工歪を除去する温度で焼鈍する形態がある。
【0032】
また、本発明によるモータコアの製造方法の他の実施の形態において、前記第二のステップでは、少なくとも前記ロータコア前駆体の上面と下面に断熱材を配設し、該ロータコア前駆体の円周方向に延びる側面を露出させた状態で該ロータコア前駆体を焼鈍炉に載置し、前記ステータコア前駆体も該焼鈍炉に載置し、双方の前駆体の焼鈍をおこなうものである。
【0033】
たとえば、ステータコア前駆体の内部にロータコア前駆体を配設して共通する焼鈍炉に双方のコア前駆体を載置し、双方のコア前駆体の焼鈍を同時におこなうことにより、可及的に小さな焼鈍炉を使用しながら効率的に焼鈍をおこなうことができる。
【0034】
また、本発明によるモータコアの製造方法の他の実施の形態において、前記第二のステップでは、前記ロータコア前駆体が転がり移動する移動空間を備え、該移動空間の周囲に加熱装置が配設された内部移動型焼鈍炉を使用し、該加熱装置の作動下で前記移動空間を前記ロータコア前駆体が転がり移動する過程で該ロータコア前駆体の前記側面から加熱が実行されて焼鈍をおこない、前記ステータコア前駆体は別途の焼鈍炉に載置して焼鈍をおこなうものである。
【0035】
内部移動型焼鈍炉の移動空間にロータコア前駆体を転がり移動させながら移動空間の周囲にある加熱装置にて連続的にロータコア前駆体の側面を直接加熱することで、ロータコア前駆体の側面(外周側領域)からの焼鈍を効率的におこなうことができる。一方、ステータコア前駆体は、別途の焼鈍炉に載置して全体的に結晶が粒成長するように焼鈍することで、磁気特性に優れたステータコアが製造される。
【発明の効果】
【0036】
以上の説明から理解できるように、本発明のロータコアの製造方法およびモータコアの製造方法によれば、ロータコア前駆体の外周側領域と内周側領域で焼鈍時の温度差を設け、外周側領域は電磁鋼板の結晶が粒成長する温度で焼鈍し、内周側領域は電磁鋼板の結晶が粒成長しない温度で焼鈍することにより、磁気特性に優れ、かつ強度の高いロータコアを製造することができ、さらには、このようなロータコアを備えたモータコアを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明のロータコアの製造方法の第一のステップを説明した模式図である。
図1に続いて製造方法の第一のステップを説明した模式図である。
ロータコアの製造方法の第二のステップの実施の形態1を説明した模式図である。
焼鈍時における、ロータコア前駆体の外周側領域と内周側領域の加熱制御フローを説明した図である。
ロータコアの製造方法の第二のステップの実施の形態2を説明した模式図である。
製造されたロータコアの斜視図である。
本発明のモータコアの製造方法の第一のステップを説明した模式図である。
図7に続いて製造方法の第一のステップを説明した模式図である。
モータコアの製造方法の第二のステップを説明した模式図である。
焼鈍時における、ステータコア前駆体、ロータコア前駆体の外周側領域および内周側領域の加熱制御フローを説明した図である。
製造されたモータコアの斜視図である。
焼鈍温度と焼鈍後のロータコアの強度の関係を特定する実験結果を示した図である。
焼鈍温度と焼鈍後のロータコアの鉄損の関係を特定する実験結果を示した図である。
実施例および比較例の鉄損と強度に関する実験結果を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面を参照して本発明のロータコアの製造方法およびモータコアの製造方法の実施の形態を説明する。
【0039】
(ロータコアの製造方法の実施の形態)
図1,2は順に本発明のロータコアの製造方法の第一のステップを説明した模式図であり、図3はロータコアの製造方法の第二のステップの実施の形態1を説明した模式図であり、図4は焼鈍時における、ロータコア前駆体の外周側領域と内周側領域の加熱制御フローを説明した図である。また、図5はロータコアの製造方法の第二のステップの実施の形態2を説明した模式図である。
【0040】
まず、図1で示すように、広範な電磁鋼板Sを不図示のプレス機等で所定径の円盤状に打ち抜き加工することにより、複数のロータコア用板材1を製造する。なお、この電磁鋼板Sとしては、該電磁鋼板を形成する結晶の平均粒径が20〜30μm程度の範囲である、いわゆる細粒材と称される電磁鋼板の他、結晶の平均粒径が50μm以上である、いわゆる通常粒径材が適用できる。
【0041】
次に、図2で示すように、製造された複数のロータコア用板材1を積層し、加締めや溶接等によってロータコア前駆体10’を製造する。
【0042】
ここで、ロータコア前駆体10’は円柱状を呈しており、周方向に延びる側面10’d、上面10’e、下面10’fを有している。さらに、磁極数に応じた磁石用スロットを備えており、図示例は不図示の三つの永久磁石で一つの磁極が形成される形態であり、平面視でハの字状の二つの磁石用スロット10’aと、それらの間で周方向に長手方向が配設された一つの磁石用スロット10’bが開設されている。尤も、磁石用スロットの形態は多様であり、一つの磁極が一つの磁石用スロット10’bに配設された永久磁石から構成される形態や、一つの磁極がハの字状の二つの磁石用スロット10’aに配設された永久磁石から構成される形態などであってもよい。また、ロータコア前駆体10’の中央位置にはシャフト用スロット10’cが開設されている。なお、これらの磁石用スロット10’a、10’bやシャフト用スロット10’cは、積層前の各ロータコア用板材1に対して開設されてもよいし、各ロータコア用板材1が積層された後に上面10’eから下面10’fに亘って開設されてもよい(以上、第一のステップ)。
【0043】
第一のステップで製造されたロータコア前駆体10’に対し、第二のステップではロータコア前駆体10’の外周側領域と内周側領域で焼鈍時の温度差を設けて焼鈍し、ロータコアを製造する。この第二のステップを図3、4、5を参照して説明する。
【0044】
まず、第二のステップの実施の形態1を図3,4を参照して説明する。図3で示すように、ロータコア前駆体10’の上面10’eと下面10’fに断熱材Iを配設し、ロータコア前駆体10’の円周方向に延びる側面10’dを外部に露出させた状態とし、これを加熱装置Hが内蔵された焼鈍炉K1に載置する。
【0045】
加熱装置Hを作動させることにより、焼鈍炉K1内において、ロータコア前駆体10’の側面10’dから加熱をおこなう(X方向)。
【0046】
すなわち、焼鈍炉K1内においては、ロータコア前駆体10’の上面10’eと下面10’fからの入熱は断熱材Iによって抑制される一方、外部に露出した側面10’dからの入熱は盛んにおこなわれる。そのため、ロータコア前駆体10’においては、側面10’dからの焼鈍が進行することになる。
【0047】
この焼鈍加工では、図4で示すロータコア前駆体の外周側領域と内周側領域の加熱制御フローを実行する。
【0048】
図4において、温度T1は電磁鋼板を形成する結晶が粒成長する温度範囲の上限値を示しており、温度T2は結晶が粒成長しない温度範囲の上限値を示しており、温度T3は電磁鋼板Sからの打ち抜き加工時にロータコア用板材1に導入される加工歪を除去可能な温度範囲の下限値を示している。
【0049】
焼鈍加工では、ロータコア前駆体10’の外周側領域は、時刻t1で温度T1まで昇温し、温度T1で時刻t2までの所定時間焼鈍する加熱制御を実行する。一方、ロータコア前駆体10’の内周側領域は、時刻t2で温度T2となるように温度を漸増させながら焼鈍する加熱制御を実行する。そして、時刻t2の段階で加熱を終了し、焼鈍炉K1を冷却する制御を実行する(以上、第二のステップの実施の形態1)。
【0050】
ここで、ロータコア前駆体10’の外周側領域とは、最終的に製造されるロータコアにおいて鉄損による磁気特性の低下が顕著な範囲であり、たとえば側面10’dから5mm内側に入った環状範囲を外周側領域に規定できる。一方、ロータコア前駆体10’の内周側領域は、ロータコア前駆体10’における外周側領域を除く内側の領域となる。
(【0051】以降は省略されています)

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