TOP特許意匠商標
特許ウォッチ DM通知 Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2020025452
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200213
出願番号2019132193
出願日20190717
発明の名称太陽電池の検査装置、検査システム、検査方法及びプログラム
出願人東北電力株式会社,株式会社ユアテック
代理人個人,個人,個人
主分類H02S 50/10 20140101AFI20200121BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】異なる条件下で測定されたI-V特性の正規化及び比較を容易にできるようにする。
【解決手段】検査装置5は、データ正規化部531と、ニューラルネットワークと、データ判定部532とを備える。データ正規化部531は、直列に接続された複数の太陽電池モジュールから構成された太陽電池ストリングの出力電流と出力電圧とを測定して得られた電流電圧特性波形を正規化し、出力電流と出力電圧との正規化値に基づいて数列を生成する。ニューラルネットワークは、正規化された電流電圧特性波形を正常タイプと複数の異常タイプの何れかに分類する。データ判定部532は、ニューラルネットワークに生成された数列の値を入力し、この電流電圧特性波形を何れかのタイプに分類する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
直列に接続された複数の太陽電池モジュールから構成された太陽電池ストリングの出力電流と出力電圧とを測定して得られた電流電圧特性波形を正規化し、前記出力電流と前記出力電圧との正規化値に基づいて数列を生成するデータ正規化部と、
正規化された電流電圧特性波形を正常タイプと複数の異常タイプの何れかに分類するニューラルネットワークと、
前記ニューラルネットワークに前記データ正規化部により生成された数列の値を入力し、該電流電圧特性波形を何れかのタイプに分類するデータ判定部と、
を備える太陽電池の検査装置。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記データ正規化部により生成される数列は、前記データ正規化部により正規化された出力電圧である電圧の正規化値から求めた割合に対応する、前記データ正規化部により正規化された出力電流である電流の正規化値から生成される、
請求項1に記載の太陽電池の検査装置。
【請求項3】
前記データ判定部の出力する判定結果と、電流電圧特性波形とに基づいて表示用データを生成する表示用データ生成部と、
前記表示用データ生成部により生成された表示用データを表示する表示部と、
をさらに備える、
請求項1又は2に記載の太陽電池の検査装置。
【請求項4】
異常タイプとその異常タイプに属す電流電圧特性波形が発生する要因とを対応付けた要因情報を記憶する手段を備え、
前記表示用データ生成部は、特定した異常タイプに対応する前記要因情報を表示用データに含める、
請求項3に記載の太陽電池の検査装置。
【請求項5】
異常タイプとその異常タイプに属す電流電圧特性波形が発生したときの対処方法とを対応付けた対処情報を記憶する手段を備え、
前記表示用データ生成部は、特定した異常タイプに対応する前記対処情報を表示用データに含める、
請求項3又は4に記載の太陽電池の検査装置。
【請求項6】
前記ニューラルネットワークを構成するニューロンの重み付け係数は、過去に測定された電流電圧特性波形を基に前記ニューラルネットワークの学習により設定された値である、
請求項1から5の何れか1項に記載の太陽電池の検査装置。
【請求項7】
直列に接続された複数の太陽電池モジュールから構成された太陽電池ストリングの出力電流と出力電圧とを測定する測定部を含む検査装置と、
前記測定部で測定された前記出力電流と前記出力電圧とを正規化して正規化値を求め、前記正規化値に基づいて数列を生成するデータ正規化部と、正規化された電流電圧特性波形を正常タイプと複数の異常タイプの何れかに分類するニューラルネットワークと、前記ニューラルネットワークに前記データ正規化部により生成された数列の値を入力し、該電流電圧特性波形を何れかのタイプに分類するデータ判定部とを含む端末と、
を備える検査システム。
【請求項8】
直列に接続された複数の太陽電池モジュールから構成された太陽電池ストリングの出力電流と出力電圧とを測定して得られた電流電圧特性波形を正規化し、前記出力電流と前記出力電圧との正規化値に基づいて数列を生成し、
正規化された電流電圧特性波形を正常タイプと複数の異常タイプの何れかに分類するニューラルネットワークに、前記生成された数列の値を入力し、ニューラルネットワークの出力から、該電流電圧特性波形を何れかのタイプに分類する
検査方法。
【請求項9】
コンピュータに、
直列に接続された複数の太陽電池モジュールから構成された太陽電池ストリングの出力電流と出力電圧とを測定して得られた電流電圧特性波形を正規化し、前記出力電流と前記出力電圧との正規化値に基づいて数列を生成する処理、
正規化された電流電圧特性波形を正常タイプと複数の異常タイプの何れかに分類するニューラルネットワークに、前記生成された数列の値を入力し、ニューラルネットワークの出力から、該電流電圧特性波形を何れかのタイプに分類する処理、
を実行させるためのプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池の検査装置、検査システム、検査方法及びプログラムに関する。
続きを表示(約 12,000 文字)【背景技術】
【0002】
太陽光発電所では、太陽電池モジュールの電流電圧特性を基にして、太陽電池モジュールの不具合の有無、不具合の要因の種類を判別している。例えば、特許文献1は、自身と接続した太陽電池モジュールのI−V特性を測定し、測定したI−V特性と予めメモリに格納した正常、断線、短絡等の場合のI−V特性とを比較することで、太陽電池モジュールに断線、短絡等が生じていることを判定することができる特性評価装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2007−311487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
測定したI−V特性波形は、太陽電池モジュールの枚数及び種類、太陽電池モジュールへの日射強度等の条件により変化する。このため、異なる条件下で測定されたI−V特性波形同士をそのまま比較することはできない。そこで、特許文献1に開示された特性評価装置は、測定したI−V特性波形をそのまま予めメモリに格納したI−V特性と比較するのではなく、正規化してから比較している。具体的には、特許文献1に開示された特性評価装置は、まず、測定したI−V特性に含まれる測定した電流Idと電圧Vdとをそれぞれ、日射強度、太陽電池温度等に基づいて基準状態での値に換算する。続いて、特許文献1に開示された特性評価装置は、換算されたI−V特性のデータを短絡電流Iscと開放電圧Vocとが1となるように正規化する。
【0005】
換算されたI−V特性のデータの短絡電流Iscと開放電圧Voc、すなわち、換算された電流と電圧との値の最大値を1とすると、最大値以外の各値は、最大値と自らの値との比率に応じた値となる。しかしながら、特許文献1に開示された特性評価装置は、測定したI−V特性を正規化するために、換算された電流及び電圧の最大値以外の各値を求める必要があり、手間と時間がかかるという課題がある。
【0006】
また、特許文献1に開示された特性評価装置は、正規化されたI−V特性と、予めメモリに格納した正常、断線、短絡等の場合のI−V特性とを比較し、正規化されたI−V特性と最も差分の少ないI−V特性を選択することにより、評価対象の太陽電池モジュールの状態を判定する。
【0007】
正規化されたI−V特性と、予めメモリに格納した正常、断線、短絡等の場合のI−V特性との差分を求めるためには、例えば、最小二乗法を用いて差分を計算することとなる。しかし、差分を求めるための計算は計算量が多く煩雑であるため、正規化されたI−V特性と、予めメモリに格納した正常、断線、短絡等の場合のI−V特性との比較を、容易に行うことができないという課題がある。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、異なる条件下で測定されたI−V特性の正規化及び比較を容易にできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る太陽電池の検査装置は、
直列に接続された複数の太陽電池モジュールから構成された太陽電池ストリングの出力電流と出力電圧とを測定して得られた電流電圧特性波形を正規化し、前記出力電流と前記出力電圧との正規化値に基づいて数列を生成するデータ正規化部と、
正規化された電流電圧特性波形を正常タイプと複数の異常タイプの何れかに分類するニューラルネットワークと、
前記ニューラルネットワークに前記データ正規化部により生成された数列の値を入力し、該電流電圧特性波形を何れかのタイプに分類するデータ判定部と、
を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、太陽電池ストリングの出力電流と出力電圧とを測定して得られた電流電圧特性波形を正規化し、出力電流と出力電圧との正規化値に基づいて生成された数列の値をニューラルネットワークに入力し分類することができるため、異なる条件下で測定されたI−V特性波形の正規化及び比較を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の実施の形態に係る検査装置の検査対象となる太陽光発電所の概要図である。
図1に示した太陽光発電所の接続箱の構成図である。
実施の形態に係る検査装置の構成図である。
実施の形態に係る検査装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
実施の形態に係る検査装置による電流電圧特性の測定方法を説明するための図である。
実施の形態に係る電流電圧特性の測定方法の一例を説明するための等価回路図である。
実施の形態に係る検査装置による電流電圧特性の実測データの一例を示す図である。
実施の形態に係るI−V特性波形を正規化の手法を説明するための実測値の一例を示す図であり、(a)は実測値を示す図、(b)は実測値の最大値を示す図である。
実施の形態に係るI−V特性波形を正規化の手法を説明するための実測値のI−V特性波形の一例を示す図である。
実施の形態に係るI−V特性波形を正規化の手法を説明するための正規化値の一例を示す図である。
実施の形態に係るI−V特性波形を正規化の手法を説明するための正規化値のI−V特性波形の一例を示す図である。
図8Cに示した正規化値から数列を生成する方法を説明するための図である。
図8Eに示した数列を用いたI−V特性波形を示す図である。
図7に示した電流電圧特性の実測データを正規化した正規化データの一例を示す図である。
図9Aに示した正規化データから生成した数列の一例を示す図である。
実施の形態に係る正規化データの分類例を示す図である。
本発明の実施の形態に係る検査装置のデータ判定部に構築されるニューラルネットワークの構成図である。
図11に示すニューラルネットワークの学習処理のフローチャートである。
図11に示すニューラルネットワークの教師データの一例を示す図である。
本発明の実施の形態に係る検査装置の検査処理のフローチャートである。
(A)と(B)は、本発明の実施の形態に係る検査装置の表示部の画面表示の一例を示す図である。
変形例に係る検査装置を説明するための図であり、(A)は、記憶部に記憶されているタイプと要因候補と対処方法の候補の対応関係を例示する図、(B)は、タイプと要因候補と対処方法の候補を表示部に表示した一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態に係る太陽電池の検査装置と検査方法について、図面を参照して説明する。本実施形態に係る検査装置は、検査対象の太陽電池の電流電圧特性を測定し、ニューラルネットワークで分析することにより、その電流電圧特性を正常パターンと複数の異常パターンのいずれかに分類することにより、太陽電池の正常と異常とを判別し、異常の場合には、異常の要因の特定を容易化する検査装置である。
【0013】
まず、本実施の形態の検査装置より検査する対象の太陽光発電所の概要を、図1を参照しつつ説明する。図示するように、太陽光発電所100は、太陽光を受けて発電する太陽電池モジュール1と、接続箱2と、太陽電池モジュール1で発電した発電電力を系統電力に変換するPCS(Power Conditioning Subsystem)3とを備える。また、太陽光発電所100は、接続箱2とPCS3とを介して、電力系統4に接続している。
【0014】
太陽電池モジュール1は、光エネルギーを光電効果により電気エネルギーに変換するエネルギー変換素子である。太陽電池モジュール1の種類は、シリコン系、化合物半導体系、有機薄膜、色素増感型、量子ドット型等、いずれでもよい。太陽電池モジュール1は、複数個が直列に接続されている。太陽電池モジュール1が複数個直列に接続されたものを太陽電池ストリングという。この実施の形態では、太陽光発電所100は、第1太陽電池ストリング10a、第2太陽電池ストリング10b、第3太陽電池ストリング10c、第4太陽電池ストリング10dの4つの太陽電池ストリングを含んでいる。各太陽電池ストリング10a〜10dは、4つの太陽電池モジュール1を直列に接続して構成されている。
第1太陽電池ストリング10aは、プラス側配線230aとマイナス側配線231aとを備える。同様に、第2太陽電池ストリング10bは、プラス側配線230bとマイナス側配線231bとを備える。第3太陽電池ストリング10cは、プラス側配線230cとマイナス側配線231cとを備える。第4太陽電池ストリング10dは、プラス側配線230dとマイナス側配線231dとを備える。以下、第1太陽電池ストリング10a〜第4太陽電池ストリング10dを総称して、太陽電池ストリング10と称し、プラス側配線230a〜230dを総称して、プラス側配線230と称し、マイナス側配線231a〜231dを総称して、マイナス側配線231と称する。
【0015】
第1太陽電池ストリング10a〜第4太陽電池ストリング10dはそれぞれ、プラス側配線230とマイナス側配線231により、接続箱2に接続されている。
【0016】
接続箱2は、図2に示すように、PCS3に接続されたプラス側内部配線21a及びマイナス側内部配線21bと、プラス側内部配線21a及びマイナス側内部配線21bに接続された開閉器22a、22b、22c、22dとを備える。開閉器22aは、開閉器接続端子部23aを備える。同様に、開閉器22bは開閉器接続端子部23bを備え、開閉器22cは開閉器接続端子部23cを備え、開閉器22dは開閉器接続端子部23dを備える。以下、開閉器22a〜22dを総称して、開閉器22と称し、開閉器接続端子部23a〜23dを総称して、開閉器接続端子部23と称する。
【0017】
各開閉器22は、内部に、開閉器接続端子部23のプラス側端子と接続箱2のプラス側内部配線21aとの電気的接続と電気的遮断とを切り換えるプラス側スイッチ、及び、開閉器接続端子部23のマイナス側端子と接続箱2のマイナス側内部配線21bとの電気的接続と電気的遮断を切り換えるマイナス側スイッチを備えている。プラス側スイッチとマイナス側スイッチは連動して動作する。ここで、接続箱2のプラス側内部配線21aと接続箱2のマイナス側内部配線21bとを総称して、内部配線21と称する。
【0018】
また、開閉器接続端子部23aのプラス側端子には、第1太陽電池ストリング10aのプラス側配線230aが接続され、開閉器接続端子部23aのマイナス側端子には、第1太陽電池ストリング10aのマイナス側配線231aが接続される。開閉器接続端子部23bのプラス側の端子には、第2太陽電池ストリング10bのプラス側配線230bが接続され、開閉器接続端子部23bのマイナス側の端子には、第2太陽電池ストリング10bのマイナス側配線231bが接続される。開閉器接続端子部23cのプラス側の端子には、第3太陽電池ストリング10cのプラス側配線230cが接続され、開閉器接続端子部23cのマイナス側の端子には、第3太陽電池ストリング10cのマイナス側配線231cが接続される。開閉器接続端子部23dのプラス側の端子には、第4太陽電池ストリング10dのプラス側配線230dが接続され、開閉器接続端子部23dのマイナス側の端子には、第4太陽電池ストリング10dのマイナス側配線231dが接続される。
【0019】
次に、上記構成を有する太陽光発電所100を検査するための検査装置5について説明する。
【0020】
まず、検査装置5の構成を、図3を参照しつつ説明する。図示するように、検査装置5は、電流電圧特性を測定する測定部51と、データを保存する記憶部52と、データを処理する処理部53と、表示用データを生成する表示用データ生成部54と、表示用データを表示する表示部55とを備える。
【0021】
測定部51は、プラス側測定端子50a及びマイナス側測定端子50bを介して開閉器接続端子部23に接続され、各太陽電池ストリング10の電流電圧特性波形(I−V特性波形)を測定する。測定部51は、測定した電流電圧特性を示す測定データを記憶部52に保存する。なお、測定部51による電流電圧特性の測定方法については、詳細を後述する。
【0022】
また、測定部51は、現在時刻を計時するタイマ、日射の強度を測定する日射計、太陽電池モジュール1の温度を測定するモジュール温度計、外気温度を測定する外気温度計等を測定するセンサを備える。
【0023】
記憶部52は、測定データ521と、係数データ522と、判定結果データ523とを記憶する。測定データ521は、測定部51で測定された検査対象の太陽電池ストリング10の電流電圧特性を示す測定データ、すなわち、電圧と電流の実測値のデータである。係数データ522は、データ判定部532でのニューラルネットワークの構築に使用される各ニューロンの入力データの重み付け係数であり、学習により設定されたデータである。判定結果データ523は、データ判定部532による判定処理の結果を示すデータであり、入力された電流電圧特性が正常パターンと7つの異常パターンのいずれに分類されるかを示すデータである。
【0024】
処理部53は、測定データ521を正規化し、正規化値から数列を生成するデータ正規化部531と、測定データ521を正規化し生成した数列を判定するデータ判定部532とを備える。データ正規化部531は、記憶部52から測定データ521を読み出して正規化し、正規化値から数列を生成する。データ正規化部531の行う処理について、詳細は後述する。データ判定部532は、記憶部52から係数データ522を読み出し、係数データ522を用いてニューラルネットワークを構築する。データ判定部532は、データ正規化部531で正規化した測定データ521から生成した数列のデータを、構築したニューラルネットワークにより処理し、検査対象の太陽電池ストリング10の電流電圧特性が正常パターンと7つの異常パターンのいずれかに分類する。データ判定部532は、判定結果(分類したパターンを示すデータ)を、表示用データ生成部54に送信し、また、記憶部52に判定結果データ523として保存する。
【0025】
表示用データ生成部54は、記憶部52から読み出した測定データ521、処理部53のデータ判定部532から送信される判定結果等を基に、表示用データを生成する。表示用データ生成部54は、生成した表示用データを、後述する表示部55に送信する。表示部55は、表示用データ生成部54から受信した表示用データを表示する。
【0026】
次に、検査装置5のハードウエア構成を、図4を参照して説明する。図示するように、検査装置5は、ハードウエア的には、測定回路501と、記憶装置502と、メモリ503と、プロセッサ504と、表示コントローラ505と、表示装置506と、操作部507と、内部バス508とを備える。測定回路501と、記憶装置502と、メモリ503と、プロセッサ504と、表示コントローラ505と、操作部507とは、内部バス508により相互に接続されている。
【0027】
測定回路501は、図3に示した測定部51を実現するための回路である。測定回路501は、抵抗負荷2端子方式、バイアス電圧方式、電子負荷方式等の電流電圧特性を測定できる各種測定回路、から構成される。なお、測定回路501から内部バス508に出力するデータは、デジタル形式のデータである。
【0028】
記憶装置502は、図3に示した記憶部52を実現するための記憶装置である。記憶装置502には、プロセッサ504において実行される各種プログラム、各種データ等が保存されている。記憶装置502は、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)といった不揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、などから構成される。
【0029】
メモリ503は、プロセッサ504のワークメモリとして機能し、記憶装置502に保存された各種プログラムを、プロセッサ504により読み込まされる記憶素子である。また、メモリ503は、詳細は後述するが、プロセッサ504により、測定回路501で測定した実測値をプロットされる記憶素子でもある。メモリ503は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどの、データを高速に書き込むことができる不揮発性または揮発性の半導体メモリ、から構成される。
【0030】
プロセッサ504は、記憶装置502に保存された各種プログラムを、メモリ503に読み込ませ、実行する演算処理装置である。具体的には、プロセッサ504は、i)記憶装置502に記憶されている測定データ521を正規化し正規化値から数列を生成し、ii)係数データ522内の重み付け係数を用いてニューラルネットワークを構築し、iii)正規化した測定データ521から生成した数列のデータを構築したニューラルネットワークに投入して、正常パターンと7つの異常パターンのいずれかに分類する。プロセッサ504により、図3に示した処理部53が構成される。プロセッサ504は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro−processing Unit)等の演算処理装置、から構成される。
【0031】
表示コントローラ505は、表示装置506を制御し、画像を表示させる。表示コントローラ505により、図3に示した表示用データ生成部54が実現される。表示コントローラ505は、ビデオカード、GPU(Graphics Processing Unit)、グラフィックボード等の映像信号出力装置、から構成される。
【0032】
表示装置506は、表示コントローラ505により生成された画像を表示する。表示装置506により、図3に示した表示部55が実現される。表示装置506は、LCD(Liquid Crystal Display)装置、有機EL(Electro−Luminescence)パネル等の表示インターフェース装置、から構成される。操作部507は、検査者からの指示を検査装置5に入力する。操作部507は、各種スイッチ、キーボード、タッチパネル等の入力装置、から構成される。
【0033】
検査装置5は、全体としては、ポータブルな携行可能なサイズに構成されており、機能的には、携帯可能な測定装置(テスタ)が測定した電流電圧特性を何れかのタイプに分類する機能を、ソフトウエア的に備えたものに相当する。
【0034】
次に、太陽光発電所100を検査する手順について説明する。検査装置5による太陽電池モジュール1の検査は、太陽電池ストリング10単位で行う。検査の際、検査装置5を、太陽電池ストリング10に直接接続するのではなく、図5に示すように、開閉器22の開閉器接続端子部23に接続する。詳細には、開閉器接続端子部23のプラス側端子に検査装置5のプラス側測定端子50aを接続し、開閉器接続端子部23のマイナス側端子に検査装置5のマイナス側測定端子50bを接続する。このとき、開閉器22を、スイッチを開いた状態、すなわち、太陽電池ストリング10とPCS3とを電気的に遮断した状態に設定する。これにより、PCS3からの逆潮流、ノイズの入力等を防ぐことができる。
【0035】
次に、検査対象の太陽電池ストリング10の電流電圧特性を測定する。この測定動作を、検査装置5の測定部51を抵抗負荷2端子方式の測定回路により構成した場合を例に、図6を参照して説明する。
【0036】
図6に、太陽電池ストリング10を構成する太陽電池の等価回路と、この等価回路に接続された測定部51を構成する抵抗負荷2端子方式の測定回路とを示す。図示するように、太陽電池ストリング10の等価回路と測定部51とは、接続端子Ta、Ta’を介して接続されている。太陽電池の等価回路は、並列に接続された直流定電流源DC、ダイオードD及び並列抵抗Rshと、この並列回路に直列に接続された直列抵抗Rsとにより示される。また、測定部51を構成する抵抗負荷2端子方式の測定回路は、直列に接続された可変抵抗511と電流計512と、可変抵抗511と電流計512の直列回路に並列に接続された電圧計513から構成される。
【0037】
抵抗負荷2端子方式は、可変抵抗511の抵抗値をゼロから最大値(無限大=開放)まで変化させた時の電圧値と電流値を電圧計513と電流計512で測定することにより、太陽電池ストリング10の出力電流と出力電圧の関係、即ち、電流電圧特性を得る方式である。
【0038】
ここで、直流定電流源DCとダイオードDと並列抵抗Rshの並列回路にかかる電圧(動作電圧)をViとする。また、太陽電池への入射光の強度にほぼ比例する直流定電流源DCの出力電流の電流値をIphとする。
【0039】
太陽電池はp−n接合を持つダイオードであるため、内部損失が発生する。この内部損失は、電圧Viに応じて生じるダイオードDを流れる電流値Idで表すことができる。また、太陽電池のp−n接合面の不整合等により接合面の表面に漏れ電流が発生する。この漏れ電流は、電圧Viに応じて生じる並列抵抗Rshに流れる電流Ishで表すことができる。太陽電池ストリング10の等価回路に流れる出力電流Iは、直流定電流源DCの電流値Iphから、内部損失Idと漏れ電流Ishとを引いた値となる。すなわち、出力電流I=Iph−Id−Ishとなる。
【0040】
ここで、電圧Viをp−n接合部の接合電圧に相当するものとする。直列抵抗Rsには出力電流Iが流れる。このため、接続端子Ta、Ta’間に生じる出力電圧Vは、電圧Viから、直列抵抗Rsと出力電流Iとの積を引いた値となる。すなわち、出力電圧V=Vi−I・Rsとなる。
【0041】
測定部51の電流計512と電圧計513は、この出力電流Iの電流値と出力電圧Vの電圧値とを測定する。ここで、可変抵抗511の抵抗値が0であれば、電流計512で測定される電流値は最大値となり、電圧計513で測定される電圧値はゼロとなる。一方、可変抵抗511の抵抗値が最大値(無限大=開放)であれば、電流計512で測定される電流値はゼロとなり、電圧計513で測定される電圧値は出力電圧Vと等しく、最大となる。
【0042】
可変抵抗511の抵抗値をゼロから最大値まで変化させた時に測定した電圧値Vと電流値Iとを、縦軸を電流[A]、横軸を電圧[V]とするグラフにプロットすることにより、図7に示すような、電流値と電圧値の実測値の変化を示したグラフが得られる。このI−Vカーブは、太陽電池ストリング10の電流電圧特性を示すものである。このI−Vカーブを、以後、I−V特性波形と称する。
【0043】
I−V特性波形は、太陽電池ストリング10を構成する太陽電池モジュール1の枚数、太陽電池モジュール1の種類、太陽電池モジュール1への日射強度等の条件によって変化する。このため、図7に示すデータ1〜3のように、I−V特性波形の形状、最大電圧値及び最大電流値の範囲等が異なるものとなる。したがって、実測値に基づくI−V特性波形を基にして、異なる条件下で測定された電流電圧特性波形を単純に比較することは難しい。そこで、検査装置5は、I−V特性波形を正規化し、正規化した値から数列を生成することにより、異なる条件下で測定されたI−V特性波形を容易に比較できるようにする。
【0044】
まず、I−V特性波形の正規化する手法について、具体例を用いて以下に説明する。例えば、図6に示した測定部51の可変抵抗511の抵抗値を、ゼロから最大値まで1/29オームずつ変化させていき、その場合に測定した電圧値Vと電流値Iとを図8A(a)に示す。また、この場合のI−V特性波形を図8Bに示す。図8A(a)に示すように、測定した電圧値Vは、最小値0[V]から最大値413[V]であり、測定した電流値Iは、最小値0[A]から最大値9[A]である。測定した電圧値Vと電流値Iとを、それぞれの最大値を基に正規化する。
【0045】
測定した電圧値Vと電流値Iとの、それぞれの最大値を取得する。ここでは、図8A(b)に示すように、測定した電圧値Vの最大値は413[V]、電流値Iの最大値は9[A]である。続いて、測定した電圧値Vの各値を電圧値Vの最大値で割る。例えば、図8Cに示すように、測定した電圧値Vの値が0[V]であれば、最大値413[V]で割った値は0となる。また、測定した電圧値Vの値が7[V]であれば、最大値413[V]で割った値は0.01694となり、測定した電圧値Vの値が15[V]であれば、最大値413[V]で割った値は、0.03632となる。以下では、測定した電圧値Vを電圧値Vの最大値で割った値を、電圧の正規化値Vnと呼ぶ。
【0046】
次に、測定した電流値Iの各値を電流値Iの最大値で割る。例えば、図8Cに示すように、測定した電流値の値が9[A]であれば、最大値9[A]で割った値は1となる。また、測定した電流値Iの値が8[A]であれば、最大値9[A]で割った値は0.888889となり、測定した電流値Iの値が7[A]であれば、最大値9[A]で割った値は0.777778となる。以下では、測定した電流値Iを電流値Iの最大値で割った値を、電流の正規化値Inと呼ぶ。
【0047】
電圧の正規化値Vnと電流の正規化値InとのI−V特性波形を、図8Dに示す。電圧の正規化値Vnと電流の正規化値Inは、それぞれ最大値を1、最小値を0としている。この電圧の正規化値Vnと電流の正規化値Inの一方の値に基づいて定められた割合に応じて、他方の値を用いて数列を生成する。ここでは、電圧の正規化値Vnに基づいて定められた割合に応じて、電流の正規化値Inを用いて数列を生成するものとする。
【0048】
電圧の正規化値Vnの最大値に対する割合を示す値を、以下では電圧%値と呼ぶ。電圧%値は、電圧の正規化値Vnの最小値を0%、最大値を100%とし、その他の10%、20%等の設定値を任意に定められるものである。
【0049】
例えば、図8Eに示すように、電圧%値を0%から100%まで10%刻みで設定したとする。この場合、電圧の正規化値Vnの最小値0を電圧%値の0%、最大値1を電圧%値の100%とする。そして、電圧%値の10%から90%は、各%に対して最も近しい値を電圧の正規化値Vnから取得する。例えば、図8Eに示すように、電圧%値の10%であれば、一番近しい値として電圧の正規化値Vnの0.104116を選択し、電圧%値の20%であれば、一番近しい値として電圧の正規化値Vnの0.191283を選択する。
【0050】
電圧%値に対応する電流の正規化値Inを取り出す。例えば、図8Eに示すように、電圧%値の0%から60%では、電流の正規化値Inは1であり、電圧%値の70%では電流の正規化値Inは、0.888889である。このようにして電圧%値の0%から100%に対応する電流の正規化値Inを取り出し、電流の正規化値Inの数列を生成する。生成した電流の正規化値Inの数列の各値は、後述するニューラルネットワークの入力層に入力される値である。また、生成した電流の正規化値Inの数列を用いたI−V特性波形を、図8Fに示す。このI−V特性波形では、電流の正規化値Inを縦軸、電圧%値を横軸としている。
(【0051】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

株式会社日立製作所
配電系統負荷切替システム及び方法
東北電力株式会社
太陽電池の検査装置、検査システム、検査方法及びプログラム
株式会社日立製作所
電力系統の電圧調整器、および電圧調整システム
国立大学法人富山大学
硫黄酸化物を含む二酸化炭素からメタンを生成する方法
東北電力株式会社
消費電力管理システム、消費電力管理装置、通信機およびコンピュータプログラム
個人
発電装置
日本電産株式会社
モータ
個人
モータとその制御装置
個人
光応答性アクチュエータ
テンパール工業株式会社
分電盤
テンパール工業株式会社
分電盤
ホーチキ株式会社
中継装置
個人
シャフト連結モーター発電機
株式会社デンソー
回転電機
トヨタ自動車株式会社
充電器
エイブリック株式会社
電源供給回路
富士電機株式会社
半導体装置
株式会社富士通ゼネラル
直流電源装置
富士通株式会社
電源回路
三菱電機株式会社
電力変換装置
株式会社デンソー
モータ
豊田合成株式会社
電子機器
豊田合成株式会社
電子機器
株式会社三社電機製作所
電源装置
豊田合成株式会社
電子機器
豊田合成株式会社
電子機器
株式会社ダイヘン
送電装置
株式会社ダイヘン
送電装置
株式会社パロマ
ガスコンロ
株式会社半導体エネルギー研究所
受電装置
株式会社豊田自動織機
車載充電装置
古河樹脂加工株式会社
コルゲート管
株式会社デンソー
異常判定システム
株式会社SUBARU
電食防止構造
NTN株式会社
非接触給電装置
中国電力株式会社
接地短絡装置
続きを見る