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公開番号2020025451
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200213
出願番号2019132189
出願日20190717
発明の名称電力変換装置及び制御方法
出願人株式会社安川電機
代理人個人,個人,個人
主分類H02M 7/487 20070101AFI20200121BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】電源側の電圧と負荷に供給する電圧とのマッチング用の構成を簡素化するのに有効な電力変換装置を提供する。
【解決手段】電力変換装置1は、複数のスイッチング素子112,113,114,115のオン、オフを切り替えることにより、複数の相電圧のそれぞれを第一電圧、第一電圧よりも高い第二電圧、及び第二電圧よりも高い第三電圧の三段階の電圧レベルに切り替えて直流電力を交流電力に変換する電力変換回路100と、複数の相電圧のいずれの二相間にも第一電圧と第三電圧との組み合わせを生じさせることなく直流電力を交流電力に変換するように複数のスイッチング素子112,113,114,115を制御する制御回路300と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数の半導体スイッチング素子のオン、オフを切り替えることにより、複数の相電圧のそれぞれを第一電圧、前記第一電圧よりも高い第二電圧、及び前記第二電圧よりも高い第三電圧の三段階の電圧レベルに切り替えて直流電力を交流電力に変換する電力変換回路と、
前記複数の相電圧のいずれの二相間にも前記第一電圧と前記第三電圧との組み合わせを生じさせることなく前記直流電力を前記交流電力に変換するように前記複数の半導体スイッチング素子を制御する制御回路と、を備える電力変換装置。
続きを表示(約 2,600 文字)【請求項2】
前記制御回路は、前記複数の相電圧のいずれも前記第三電圧にすることなく前記複数の相電圧の少なくとも二相間に電圧を生じさせる第一状態と、前記複数の相電圧のいずれも前記第一電圧にすることなく前記複数の相電圧の少なくとも二相間に電圧を生じさせる第二状態との両方を繰り返すように前記電力変換回路を制御する、請求項1記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記制御回路は、前記第一状態と前記第二状態との間において、前記複数の相電圧の全てを前記第二電圧にするように前記電力変換回路を制御する、請求項2記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記制御回路は、前記第一状態と前記第一状態との間において、前記複数の相電圧の全てを前記第一電圧にするように前記電力変換回路を制御する、請求項2又は3記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記制御回路は、前記第二状態と前記第二状態との間において、前記複数の相電圧の全てを前記第三電圧にするように前記電力変換回路を制御する、請求項2〜4のいずれか一項記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記制御回路は、前記第一状態と前記第二状態とを二回ずつ繰り返すように電力変換回路を制御する、請求項2〜5のいずれか一項記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記制御回路は、
前記電力変換回路に対する電圧指令の大きさが予め設定された基準値より大きい場合には、前記複数の相電圧のいずれか二相間に前記第一電圧と前記第三電圧との組み合わせを生じさせて前記直流電力を前記交流電力に変換するように前記複数の半導体スイッチング素子を制御する第一モード制御と、
前記電圧指令の大きさが前記基準値より大きい場合にも、前記複数の相電圧のいずれの二相間にも前記第一電圧と前記第三電圧との組み合わせを生じさせることなく前記直流電力を前記交流電力に変換するように前記複数の半導体スイッチング素子を制御する第二モード制御と、
前記第一モード制御及び前記第二モード制御のいずれを行うかをユーザの選択に応じて切り替えるモード切替と、を実行するように構成されている、請求項1〜6のいずれか一項記載の電力変換装置。
【請求項8】
複数の半導体スイッチング素子のオン、オフを切り替えることにより、複数の相電圧のそれぞれを第一電圧、前記第一電圧よりも高い第二電圧、及び前記第二電圧よりも高い第三電圧の三段階の電圧レベルに切り替えて直流電力を交流電力に変換する電力変換回路において、前記複数の相電圧のいずれの二相間にも前記第一電圧と前記第三電圧との組み合わせを生じさせることなく前記直流電力を前記交流電力に変換するように前記複数の半導体スイッチング素子のオン、オフ切り替えタイミングを決定することと、
決定したタイミングにて前記複数の半導体スイッチング素子のオン、オフを切り替えるように前記電力変換回路を制御することと、を含む電力変換回路の制御方法。
【請求項9】
複数の半導体スイッチング素子のオン、オフを切り替えることにより、複数の相のそれぞれを第一電位、前記第一電位よりも高い第二電位、及び前記第二電位よりも高い第三電位の三段階の電圧レベルに切り替えて直流電力を交流電力に変換する電力変換回路と、
前記直流電力を前記交流電力に変換するように前記複数の半導体スイッチング素子を制御する制御回路と、を備え、
前記制御回路は、
前記電力変換回路に対する電圧指令の大きさが予め設定された基準値より大きい場合には、前記複数の相のいずれかの線間に前記第一電位と前記第三電位との組み合わせを生じさせて前記直流電力を前記交流電力に変換するように前記複数の半導体スイッチング素子を制御する第一モード制御と、前記電圧指令の大きさが前記基準値より大きい場合にも、前記複数の相のいずれの線間にも前記第一電位と前記第三電位との組み合わせを生じさせることなく前記直流電力を前記交流電力に変換するように前記複数の半導体スイッチング素子を制御する第二モード制御と、のいずれかの制御モードをユーザの入力に基づいて選択することと、
選択した前記制御モードにて、チューニング用の電圧指令に従って前記複数の半導体スイッチング素子を制御することにより生成された前記交流電力に基づいて、当該交流電力の供給対象のパラメータを算出することと、
算出した前記パラメータに基づいて制御用の電圧指令を算出し、選択した制御モードにて、前記制御用の電圧指令に従って前記複数の半導体スイッチング素子を制御することと、を実行するように構成されている、電力変換装置。
【請求項10】
複数の半導体スイッチング素子のオン、オフを切り替えることにより、複数の相のそれぞれを第一電位、前記第一電位よりも高い第二電位、及び前記第二電位よりも高い第三電位の三段階の電圧レベルに切り替えて直流電力を交流電力に変換する電力変換回路に対する電圧指令の大きさが予め設定された基準値より大きい場合には、前記複数の相のいずれかの線間に前記第一電位と前記第三電位との組み合わせを生じさせて前記直流電力を前記交流電力に変換するように前記電力変換回路の複数の半導体スイッチング素子を制御する第一モード制御と、前記電圧指令の大きさが前記基準値より大きい場合にも、前記複数の相のいずれの線間にも前記第一電位と前記第三電位との組み合わせを生じさせることなく前記直流電力を前記交流電力に変換するように前記複数の半導体スイッチング素子を制御する第二モード制御と、のいずれかの制御モードをユーザの入力に基づいて選択することと、
選択した前記制御モードにて、チューニング用の電圧指令に従って前記複数の半導体スイッチング素子を制御することにより生成された前記交流電力に基づいて、当該交流電力の供給対象のパラメータを算出することと、
算出した前記パラメータに基づいて制御用の電圧指令を算出し、選択した制御モードにて、前記制御用の電圧指令に従って前記複数の半導体スイッチング素子を制御することと、を含む電力変換回路の制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電力変換装置及び制御方法に関する。
続きを表示(約 11,000 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、一相あたりで正側電位、負側電位、及び零電位の三個の電圧レベルを出力可能な三レベルインバータが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2002−204579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の課題は、電源側の電圧と負荷に供給する電圧とのマッチング用の構成を簡素化するのに有効な電力変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係る電力変換装置は、複数の半導体スイッチング素子のオン、オフを切り替えることにより、複数の相電圧のそれぞれを第一電圧、第一電圧よりも高い第二電圧、及び第二電圧よりも高い第三電圧の三段階の電圧レベルに切り替えて直流電力を交流電力に変換する電力変換回路と、複数の相電圧のいずれの二相間にも第一電圧と第三電圧との組み合わせを生じさせることなく直流電力を交流電力に変換するように複数の半導体スイッチング素子を制御する制御回路と、を備える。
【0006】
本開示の他の側面に係る電力変換回路の制御方法は、複数の半導体スイッチング素子のオン、オフを切り替えることにより、複数の相電圧のそれぞれを第一電圧、第一電圧よりも高い第二電圧、及び第二電圧よりも高い第三電圧の三段階の電圧レベルに切り替えて直流電力を交流電力に変換するように電力変換回路において、複数の相電圧のいずれの二相間にも第一電圧と第三電圧との組み合わせを生じさせることなく直流電力を交流電力に変換するように複数の半導体スイッチング素子のオン、オフ切り替えタイミングを決定することと、決定したタイミングにて複数の半導体スイッチング素子のオン、オフを切り替えるように電力変換回路を制御することと、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、電源側の電圧と負荷に供給する電圧とのマッチング用の構成を簡素化するのに有効な電力変換装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
第1実施形態に係る電力変換装置の概略構成を示す模式図である。
PWM制御部が行う制御内容を模式的に示すベクトル図である。
電圧規制の一例の実行結果を示す図である。
第一モード制御における各相の電圧推移を示すタイミングチャートである。
電力変換装置の変形例を示す模式図である。
電圧規制の変形例の実行結果を示す図である。
制御回路のハードウェア構成を例示するブロック図である。
電力変換装置の制御手順を例示するフローチャートである。
第2実施形態に係る電力変換装置の概略構成を示す模式図である。
電圧クラスの設定手順を例示するフローチャートである。
パラメータの算出手順を例示するフローチャートである。
パラメータの算出手順を例示するフローチャートである。
電力変換回路の制御手順を例示するフローチャートである。
電力変換回路の制御手順を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
1.第1実施形態
〔電力変換装置〕
図1に示す電力変換装置1は、直流電力を電動機10の駆動用の交流電力に変換するための装置である。電動機10は、供給された電気エネルギーを機械エネルギーに変換する限りいかなるものであってもよい。例えば電動機10は、モータであってもよいし、ジェネレータであってもよい。また、電動機10は、回転電機であってもよいし、リニア型の電機であってもよい。更に、電動機10は、同期電動機であってもよいし、誘導電動機であってもよい。電力変換装置1は、電力変換回路100と、ゲート駆動回路200と、ユーザインタフェース400と、制御回路300とを有する。
【0011】
電力変換回路100は、複数の半導体スイッチング素子のオン、オフを切り替えることにより、複数の相電圧のそれぞれを第一電圧、第一電圧よりも高い第二電圧、及び第二電圧よりも高い第三電圧の三段階の電圧レベルに切り替えて直流電力を交流電力に変換する。例えば電力変換回路100は、直流電源101と、インバータ回路102とを有する。
【0012】
直流電源101は、図1において単一の直流電源の記号で示されているが、互いに直列な複数の直流電源を含んでいてもよいし、互いに並列な複数の直流電源を含んでいてもよい。また、直流電源101は直流電力を蓄積するコンデンサを含んでいてもよいし、交流電力を直流電力に変換してコンデンサに供給する整流回路を更に含んでいてもよい。
【0013】
インバータ回路102は、直流電源101の直流電力を複数相(例えば三相)の交流電力に変換する。インバータ回路102における複数の半導体スイッチング素子は、ゲート駆動回路200のゲート信号によりオン、オフのタイミングが制御される。これにより、インバータ回路102は、複数相のそれぞれの電圧(複数の相電圧のそれぞれ)を上記第一電圧、第二電圧及び第三電圧の三段階の電圧レベルに切り替える。こうして、インバータ回路102は、複数相の交流電力を生成する。例えばインバータ回路102は、直流母線103,104と、コンデンサ105,106と、中性点107と、U相アーム110U、V相アーム110V及びW相アーム110Wとを有する。
【0014】
直流母線103は直流電源101の正極に接続されており、直流母線104は直流電源101の負極に接続されている。以下、必要に応じ直流母線103を「正極側の直流母線103」といい、直流母線104を「負極側の直流母線104」という。コンデンサ105,106は、直流母線103,104の間に直列に接続されており、コンデンサ105が直流母線103に接続され、コンデンサ106が直流母線104に接続されている。以下、必要に応じコンデンサ105を「正極側のコンデンサ105」といい、コンデンサ106を「負極側のコンデンサ106」という。中性点107は、コンデンサ105,106の間の接続点である。
【0015】
U相アーム110U、V相アーム110V及びW相アーム110Wのそれぞれは、一相分の出力線111と、四つのスイッチング素子112,113,114,115と、四つのフリーホイールダイオード121,122,123,124と、二つのクランプダイオード125,126とを含む。
【0016】
スイッチング素子112,113は、直流母線103と出力線111との間に直列に接続されており、スイッチング素子112が直流母線103に接続され、スイッチング素子113が出力線111に接続されている。スイッチング素子114,115は、出力線111と直流母線104との間に直列に接続されており、スイッチング素子114が出力線111に接続され、スイッチング素子115が直流母線104に接続されている。スイッチング素子112,113,114,115は、半導体スイッチング素子である。半導体スイッチング素子の具体例としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field Effect Transistor)等が挙げられる。
【0017】
フリーホイールダイオード121,122,123,124は、スイッチング素子112,113,114,115にそれぞれ逆並列に接続されている。クランプダイオード125は、中性点107とスイッチング素子112,113の接続点との間に接続されている。クランプダイオード126は、スイッチング素子114,115の接続点と中性点107との間に接続されている。
【0018】
この構成によれば、スイッチング素子112,113をオン状態とし、スイッチング素子114,115をオフ状態とすることで、出力線111の電圧が正極側の直流母線103の電圧(上記第三電圧)と実質的に等しくなる。スイッチング素子114,115をオン状態とし、スイッチング素子112,113をオフ状態とすることで、出力線111の電圧が負極側の直流母線104の電圧(上記第一電圧)と実質的に等しくなる。スイッチング素子113,114をオン状態とし、スイッチング素子112,115をオフ状態とすることで、出力線111の電圧が中性点107の電圧(上記第二電圧)と実質的に等しくなる。別途行われる中性点制御により中性点107の電位は直流母線103の電圧と直流母線104の電圧との中間(2分の1)である。このように、各相アーム110U,110V,110Wのそれぞれは、出力線111の電圧を、負極側の直流母線104の電圧(以下,「負側電位」という。)と、中性点107の電圧(以下、「零電位」という。)と、正極側の直流母線103の電圧(以下、「正側電位」という。)とのいずれかに切り替える。
【0019】
ゲート駆動回路200は、オン、オフ切り替え用のゲート信号を各相アーム110U,110V,110Wのスイッチング素子112,113,114,115に出力する。ユーザインタフェース400は、ユーザに対する情報の表示及びユーザによる入力取得を行う。例えばユーザインタフェース400は、液晶パネル等の表示デバイス(不図示)と、キーパッド等の入力デバイス(不図示)とを有する。表示デバイス及び入力デバイスは所謂タッチパネルのように一体化されていてもよい。
【0020】
制御回路300は、複数の相電圧(各相アーム110U,110V,110Wの出力線111の電圧)のいずれの二相間にも負側電位(第一電圧)と正側電位(第三電圧)との組み合わせを生じさせることなく直流電力を交流電力に変換するように複数のスイッチング素子112,113,114,115を制御する。
【0021】
制御回路300は、電力変換回路100に対する電圧指令の大きさが予め設定された基準値より大きい場合には、複数の相電圧のいずれか二相間に負側電位と正側電位との組み合わせを生じさせて直流電力を交流電力に変換するように複数のスイッチング素子112,113,114,115を制御する第一モード制御と、電圧指令の大きさが上記基準値より大きい場合にも、複数の相電圧のいずれの二相間にも負側電位と正側電位との組み合わせを生じさせることなく直流電力を交流電力に変換するように複数のスイッチング素子112,113,114,115を制御する第二モード制御と、第一モード制御及び第二モード制御のいずれを行うかをユーザの選択に応じて切り替えるモード切替と、を実行するように構成されていてもよい。
【0022】
例えば制御回路300は、機能上の構成(以下、「機能モジュール」という。)として、電圧指令算出部311と、補償処理部312と、PWM制御部313と、モード切替部314とを有する。
【0023】
電圧指令算出部311は、例えば、ユーザインタフェース400から入力される速度指令に基づく電動機10の誘起電圧と、電動機10に発生すべきトルクと、電動機10の磁極位置とに基づいて、電力変換回路100に対する電圧指令を算出する。電圧指令は、例えば、U相、V相及びW相のそれぞれにおいて発生すべき電圧を定める指令である。
【0024】
補償処理部312は、電圧指令算出部311により算出された電圧指令に対して各種の補償処理を行う。補償処理の具体例としては、直流母線電圧の変動補償、及び所謂デッドタイム補償等が挙げられる。
【0025】
PWM制御部313は、上記第一モード制御及び上記第二モード制御のいずれか一方を実行する。第一モード制御において、PWM制御部313は、上記電圧指令の大きさが上記基準値より小さい場合には、複数の相電圧のいずれの二相間にも負側電位と正側電位との組み合わせを生じさせることなく直流電力を交流電力に変換し、上記電圧指令の大きさが上記基準値より大きい場合には、複数の相のいずれか二相間に負側電位と正側電位との組み合わせを生じさせて直流電力を交流電力に変換するように複数のスイッチング素子112,113,114,115を制御する。
【0026】
以下、複数の相電圧のいずれの二相間にも負側電位と正側電位との組み合わせを生じさせることなく直流電力を交流電力に変換するように複数のスイッチング素子112,113,114,115を制御することを「2レベル出力制御」と称する。複数の相電圧のいずれか二相間に負側電位と正側電位との組み合わせを生じさせて直流電力を交流電力に変換するように複数のスイッチング素子112,113,114,115を制御することを「3レベル出力制御」と称する。
【0027】
第二モード制御において、PWM制御部313は、上記電圧指令の大きさが上記基準値より小さい場合及び上記電圧指令の大きさが上記基準値より大きい場合の両方において2レベル出力制御を行う。電圧指令の大きさは、例えば、U相、V相及びW相のそれぞれにおいて発生すべき電圧を合成した一つの電圧ベクトル(例えば後述の電圧指令ベクトル)の大きさである。
【0028】
直流電力を交流電力に変換するために電力変換回路100を動作させる具体的な手法は、複数の相電圧の二相間の電圧を変更可能であればいかなる手法であってもよい。そのような手法の具体例としては、空間ベクトル変調方式、三角波比較変調方式等が挙げられる。以下、図2を参照し、空間ベクトル変調方式の具体例を示す。
【0029】
図2は、電力変換回路100が生成する電圧をベクトルによって模式的に示すベクトル図である。図2中のベクトル方向DUは、V相に対するU相の電圧とW相に対するU相の電圧とが同じ正の値となる場合の電圧ベクトルの方向を示している。ベクトル方向DUと120°をなすベクトル方向DVは、U相に対するV相の電圧とW相に対するV相の電圧とが同じ正の値となる場合の電圧ベクトルの方向を示している。ベクトル方向DU,DVと120°をなすベクトル方向DWは、U相に対するW相の電圧とV相に対するW相の電圧とが同じ正の値となる場合の電圧ベクトルの方向を示している。
【0030】
図中の点J0は、U相、V相及びW相のいずれの二相間の電圧もゼロとなる場合を示している。このような場合の具体例としては、U相、V相及びW相の電圧がいずれも負側電位である場合と、U相、V相及びW相の電圧がいずれも零電位である場合と、U相、V相及びW相の電圧がいずれも正側電位である場合との三通りが挙げられる。
【0031】
点J01は、V相に対するU相の電圧とW相に対するU相の電圧とがいずれも直流母線電圧の半分の値である場合を示している。このような場合の具体例としては、U相の電圧が正側電位でありV相及びW相の電圧が零電位である場合と、U相の電圧が零電位でありV相及びW相の電圧が負側電位である場合との二通りが挙げられる。点J02は、W相に対するU相の電圧とW相に対するV相の電圧とがいずれも直流母線電圧の半分の値である場合を示している。このような場合の具体例としては、U相及びV相の電圧が正側電位でありW相の電圧が零電位である場合と、U相及びV相の電圧が零電位でありW相の電圧が負側電位である場合との二通りが挙げられる。点J03は、U相に対するV相の電圧とW相に対するV相の電圧とがいずれも直流母線電圧の半分の値である場合を示している。このような場合の具体例としては、V相の電圧が正側電位でありU相及びW相の電圧が零電位である場合と、V相の電圧が零電位でありU相及びW相の電圧が負側電位である場合との二通りが挙げられる。点J04は、U相に対するV相の電圧とU相に対するW相の電圧とがいずれも直流母線電圧の半分の値である場合を示している。このような場合の具体例としては、V相及びW相の電圧が正側電位でありU相の電圧が零電位である場合と、V相及びW相の電圧が零電位でありU相の電圧が負側電位である場合との二通りが挙げられる。点J05は、U相に対するW相の電圧とV相に対するW相の電圧とがいずれも直流母線電圧の半分の値である場合を示している。このような場合の具体例としては、W相の電圧が正側電位でありU相及びV相の電圧が零電位である場合と、W相の電圧が零電位でありU相及びV相の電圧が負側電位である場合との二通りが挙げられる。点J06は、V相に対するU相の電圧とV相に対するW相の電圧とがいずれも直流母線電圧の半分の値である場合を示している。このような場合の具体例としては、U相及びW相の電圧が正側電位でありV相の電圧が零電位である場合と、U相及びW相の電圧が零電位でありV相の電圧が負側電位である場合との二通りが挙げられる。
【0032】
点J11は、V相に対するU相の電圧とW相に対するU相の電圧とがいずれも直流母線電圧である場合を示している。このような場合の具体例としては、U相の電圧が正側電位でありV相及びW相の電圧が負側電位である場合が挙げられる。点J12は、W相に対するV相の電圧とV相に対するU相の電圧とがいずれも直流母線電圧の半分であり、W相に対するU相の電圧が直流母線電圧である場合を示している。このような場合の具体例としては、U相の電圧が正側電位であり、V相の電圧が零電位であり、W相の電圧が負側電位である場合が挙げられる。点J13は、W相に対するU相の電圧とW相に対するV相の電圧とがいずれも直流母線電圧である場合を示している。このような場合の具体例としては、U相及びV相の電圧が正側電位でありW相の電圧が負側電位である場合が挙げられる。
【0033】
点J14は、W相に対するU相の電圧とU相に対するV相の電圧とがいずれも直流母線電圧の半分であり、W相に対するV相の電圧が直流母線電圧である場合を示している。このような場合の具体例としては、V相の電圧が正側電位であり、U相の電圧が零電位であり、W相の電圧が負側電位である場合が挙げられる。点J15は、U相に対するV相の電圧とW相に対するV相の電圧とがいずれも直流母線電圧である場合を示している。このような場合の具体例としては、V相の電圧が正側電位でありU相及びW相の電圧が負側電位である場合が挙げられる。
【0034】
点J16は、U相に対するW相の電圧とW相に対するV相の電圧とがいずれも直流母線電圧の半分であり、U相に対するV相の電圧が直流母線電圧である場合を示している。このような場合の具体例としては、V相の電圧が正側電位であり、W相の電圧が零電位であり、U相の電圧が負側電位である場合が挙げられる。点J17は、U相に対するV相の電圧とU相に対するW相の電圧とがいずれも直流母線電圧である場合を示している。このような場合の具体例としては、V相及びW相の電圧が正側電位でありU相の電圧が負側電位である場合が挙げられる。
【0035】
点J18は、U相に対するV相の電圧とV相に対するW相の電圧とがいずれも直流母線電圧の半分であり、U相に対するW相の電圧が直流母線電圧である場合を示している。このような場合の具体例としては、W相の電圧が正側電位であり、V相の電圧が零電位であり、U相の電圧が負側電位である場合が挙げられる。点J19は、U相に対するW相の電圧とV相に対するW相の電圧とがいずれも直流母線電圧である場合を示している。このような場合の具体例としては、W相の電圧が正側電位でありU相及びV相の電圧が負側電位である場合が挙げられる。
【0036】
点J20は、V相に対するU相の電圧とU相に対するW相の電圧とがいずれも直流母線電圧の半分であり、V相に対するW相の電圧が直流母線電圧である場合を示している。このような場合の具体例としては、W相の電圧が正側電位であり、U相の電圧が零電位であり、V相の電圧が負側電位である場合が挙げられる。点J21は、V相に対するU相の電圧とV相に対するW相の電圧とがいずれも直流母線電圧である場合を示している。このような場合の具体例としては、U相及びW相の電圧が正側電位でありV相の電圧が負側電位である場合が挙げられる。
【0037】
点J22は、V相に対するW相の電圧とW相に対するU相の電圧とがいずれも直流母線電圧の半分であり、V相に対するU相の電圧が直流母線電圧である場合を示している。このような場合の具体例としては、U相の電圧が正側電位であり、W相の電圧が零電位であり、V相の電圧が負側電位である場合が挙げられる。
【0038】
以下、ベクトル方向DUとベクトル方向DWの逆方向との間を「領域A」といい、ベクトル方向DWの逆方向とベクトル方向DVとの間を「領域B」といい、ベクトル方向DVとベクトル方向DUの逆方向との間を「領域C」といい、ベクトル方向DUの逆方向とベクトル方向DWとの間を「領域D」といい、ベクトル方向DWとベクトル方向DVの逆方向との間を「領域E」といい、ベクトル方向DVの逆方向とベクトル方向DUとの間を「領域F」という。
【0039】
また、領域Aにおいて、点J0,J01,J02を頂点とする三角形内を「領域A1」といい、点J01,J11,J12を頂点とする三角形内を「領域A2」といい、点J01,J12,J02を頂点とする三角形内を「領域A3」といい、点J02,J12,J13を頂点とする三角形内を「領域A4」という。
【0040】
領域Bにおいて、点J0,J02,J03を頂点とする三角形内を「領域B1」といい、点J02,J13,J14を頂点とする三角形内を「領域B4」といい、点J02,J14,J03を頂点とする三角形内を「領域B3」といい、点J03,J14,J15を頂点とする三角形内を「領域B2」という。
【0041】
領域Cにおいて、点J0,J03,J04を頂点とする三角形内を「領域C1」といい、点J03,J15,J16を頂点とする三角形内を「領域C2」といい、点J03,J16,J04を頂点とする三角形内を「領域C3」といい、点J04,J16,J17を頂点とする三角形内を「領域C4」という。
【0042】
領域Dにおいて、点J0,J04,J05を頂点とする三角形内を「領域D1」といい、点J04,J17,J18を頂点とする三角形内を「領域D4」といい、点J04,J18,J05を頂点とする三角形内を「領域D3」といい、点J05,J18,J19を頂点とする三角形内を「領域D2」という。
【0043】
領域Eにおいて、点J0,J05,J06を頂点とする三角形内を「領域E1」といい、点J05,J19,J20を頂点とする三角形内を「領域E2」といい、点J05,J20,J06を頂点とする三角形内を「領域E3」といい、点J06,J20,J21を頂点とする三角形内を「領域E4」という。
【0044】
領域Fにおいて、点J0,J06,J01を頂点とする三角形内を「領域F1」といい、点J06,J21,J22を頂点とする三角形内を「領域F4」といい、点J06,J22,J01を頂点とする三角形内を「領域F3」といい、点J01,J22,J11を頂点とする三角形内を「領域F2」という。
【0045】
U相、V相及びW相の電圧状態は、点J0を起点とする電圧ベクトルによって示される。空間ベクトル変調方式を行う場合、PWM制御部313は、電圧ベクトルを電動機10の磁極の移動速度に応じた周期で点J0まわりに回転させるようにU相、V相及びW相の電圧を切り替える。
【0046】
以下、先端が領域A内に位置する電圧ベクトルの生成手法を例示する。領域Aにおいて、先端が領域A1内に位置する電圧ベクトルは、点J0,J01,J02の電圧状態の組み合わせにより生成される。以下、これを「領域A1の制御」という。例えば領域A1の制御においては、所定の制御周期内において、点J0,J01,J02の電圧状態の期間の比率を調節することによって、当該制御周期に発生する電圧ベクトルの向き及び長さを調節することができる。上述のとおり、点J0,J01,J02の電圧状態においては、三相のいずれの二相間にも負側電位と正側電位との組み合わせは生じない。このため、領域A1の制御は上記2レベル出力制御である。
【0047】
領域Aにおいて、先端が領域A2内に位置する電圧ベクトルは、点J01,J11,J12の電圧状態の組み合わせにより生成される。以下、これを「領域A2の制御」という。例えば領域A2の制御においては、所定の制御周期内において、点J01,J11,J12の電圧状態の期間の比率を調節することによって電圧ベクトルの向き及び長さを調節することができる。
【0048】
先端が領域A3内に位置する電圧ベクトルは、点J01,J02,J12の電圧状態の組み合わせにより生成される。以下、これを「領域A3の制御」という。例えば領域A3の制御においては、所定の制御周期内において、点J01,J02,J12の電圧状態の期間の比率を調節することによって電圧ベクトルの向き及び長さを調節することができる。
【0049】
先端が領域A4内に位置する電圧ベクトルは、点J02,J12,J13の電圧状態の組み合わせにより生成される。以下、これを「領域A4の制御」という。例えば領域A4の制御においては、所定の制御周期内において、点J02,J12,J13の電圧状態の期間の比率を調節することによって電圧ベクトルの向き及び長さを調節することができる。
【0050】
上述のとおり、点J11,J12,J13の電圧状態においては、三相のいずれか二相間に負側電位と正側電位との組み合わせが生じる。このため、領域A2の制御、領域A3の制御及び領域A4の制御は上記3レベル出力制御である。
(【0051】以降は省略されています)

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