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公開番号2020025449
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200213
出願番号2019129439
出願日20190711
発明の名称電力変換装置
出願人株式会社デンソー
代理人特許業務法人あいち国際特許事務所
主分類H02M 1/08 20060101AFI20200121BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】ターンオン又はターンオフしたときにおける、複数のスイッチング素子の電流値を揃えやすい電力変換装置を提供すること。
【解決手段】互いに並列に接続し、同時にオン動作または同時にオフ動作する、少なくとも2個のスイッチング素子2と、制御回路部3とを備える。制御回路部3は、駆動回路31を備える。駆動回路31は、速度調整抵抗Rgを有する。速度調整抵抗Rgは、スイッチング素子2の制御電極21gに流れる電流Igを制限することにより、スイッチング素子2のスイッチング速度を調整する。2個のスイッチング素子2の制御電極21gを、互いに電気接続してある。2個の制御電極21g間の電気抵抗は、スイッチング素子2のミラー期間TMにおける速度調整抵抗Rgの抵抗値よりも小さい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
互いに並列に接続され、同時にオン動作または同時にオフ動作する、少なくとも2個のスイッチング素子(2)と、
該スイッチング素子の動作制御をする制御回路部(3)とを備え、
上記スイッチング素子は、制御電極(21
g
)と、上記スイッチング素子のオン電流が流れると共に上記制御電極に対する電位の基準になる基準電極(21
e
)とを備え、
上記制御回路部は、上記制御電極に制御電圧(V
g
)を加えることにより、上記スイッチング素子を駆動する駆動回路(31)を備え、該駆動回路は、上記制御電極へ流れる電流(I
g
)を制限することにより、上記スイッチング素子のスイッチング速度を調整する速度調整抵抗(R
g
)を有し、
上記2個のスイッチング素子の上記制御電極を電気的に接続してあり、2個の上記制御電極間の電気抵抗は、上記スイッチング素子のミラー期間(T
M
)における上記速度調整抵抗の抵抗値よりも小さい、電力変換装置(1)。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
上記2個の制御電極間に、上記スイッチング素子のミラー期間における上記速度調整抵抗よりも抵抗値が小さいフィードバック抵抗(R
fb
)を設けてある、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
上記フィードバック抵抗にコンデンサ(C
fb
)を並列に接続してある、請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
上記フィードバック抵抗にコイル(L
fb
)を直列に接続してある、請求項2又は3に記載の電力変換装置。
【請求項5】
上記フィードバック抵抗は上記制御回路部に搭載されている、請求項2〜4のいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項6】
上記スイッチング素子を内蔵した半導体モジュール(4)を備え、上記フィードバック抵抗は上記半導体モジュールに内蔵されている、請求項2〜4のいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項7】
1個の上記駆動回路を用いて、上記2個のスイッチング素子を両方とも駆動するよう構成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項8】
複数の上記駆動回路を備え、個々の該駆動回路によって、それぞれ別の上記スイッチング素子を駆動するよう構成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項9】
上記2個の制御電極間に、上記スイッチング素子のミラー期間における上記速度調整抵抗よりも抵抗値が小さいフィードバック抵抗を設けてあり、上記2個の制御電極のうち一方の該制御電極と、上記フィードバック抵抗との間に開閉器(6)を設けてある、請求項8に記載の電力変換装置。
【請求項10】
上記2個のスイッチング素子の上記基準電極は、上記制御回路部において、互いに絶縁されている、請求項8又は9に記載の電力変換装置。
【請求項11】
上記制御回路部には、上記2個のスイッチング素子の上記基準電極の間を繋ぐ基準側コイル(L
e
)が設けられている、請求項8又は9に記載の電力変換装置。
【請求項12】
上記2個のスイッチング素子は、互いに異なる素子構造の半導体素子である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の電力変換装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに並列に接続された、少なくとも2個のスイッチング素子と、該スイッチング素子の動作制御をする制御回路部とを備えた電力変換装置に関する。
続きを表示(約 13,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、直流電力と交流電力との間で電力変換を行う電力変換装置として、IGBT等のスイッチング素子と、該スイッチング素子に接続した制御回路部とを備えるものが知られている(下記特許文献1参照)。この電力変換装置では、上記制御回路部を用いて、スイッチング素子をオンオフ動作させている。これにより、直流電源から供給される直流電力を交流電力に変換している。
【0003】
近年、より大きな電流を出力することができる電力変換装置が望まれている。そのため、複数のスイッチング素子を並列に接続し、これら複数のスイッチング素子を同時にオンオフ動作させることが検討されている。複数のスイッチング素子を並列に接続すれば、個々のスイッチング素子の電流は少なくても、全体として大きな電流を流すことが可能になる。
【0004】
下記特許文献1では、複数のスイッチング素子を同時にオンオフ動作させるために、スイッチング素子のゲート間を、コンデンサを介して接続し、ゲート電流を等しく流すことで、ゲート電圧を等しくさせる技術や、ダンピング抵抗として比較的大きな抵抗をコンデンサに並列に接続し、安定に動作させる技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2015/111215号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、複数のスイッチング素子を並列に接続すると、各スイッチング素子の電流値に差が生じやすい。すなわち、スイッチング素子には特性差があり、例えば、スイッチング素子ごとにゲート閾値電圧が異なる。従って、ゲート閾値電圧が低いスイッチング素子は、閾値に到達するための充電時間が短く、早くターンオンする。これに対して、ゲート閾値電圧が高いスイッチング素子は、閾値に到達するための充電時間が長く、オンしにくい。そのため、ターンオンしたときに、個々のスイッチング素子の電流値に差が生じやすい。つまり、ゲート閾値電圧に差がある複数のスイッチング素子にゲート電流を等しく流した場合、個々のスイッチング素子の電流値に差が生じやすい。ターンオフしたときも同様の問題が生じる。したがって、各スイッチング素子の発熱量に差が生じやすい。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、ターンオン又はターンオフしたときにおける、個々のスイッチング素子の電流値を揃えやすい電力変換装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、互いに並列に接続され、同時にオン動作または同時にオフ動作する、少なくとも2個のスイッチング素子(2)と、
該スイッチング素子の動作制御をする制御回路部(3)とを備え、
上記スイッチング素子は、制御電極(21
g
)と、上記スイッチング素子のオン電流が流れると共に上記制御電極に対する電位の基準になる基準電極(21
e
)とを備え、
上記制御回路部は、上記制御電極に制御電圧(V
g
)を加えることにより、上記スイッチング素子を駆動する駆動回路(31)を備え、該駆動回路は、上記制御電極へ流れる電流(I
g
)を制限することにより、上記スイッチング素子のスイッチング速度を調整する速度調整抵抗(R
g
)を有し、
上記2個のスイッチング素子の上記制御電極を電気的に接続してあり、2個の上記制御電極間の電気抵抗は、上記スイッチング素子のミラー期間(T
M
)における上記速度調整抵抗の抵抗値よりも小さい、電力変換装置(1)にある。
【発明の効果】
【0009】
上記電力変換装置では、上記2個のスイッチング素子の制御電極を電気的に接続してある。そして、2個の制御電極間の電気抵抗を、スイッチング素子のミラー期間における速度調整抵抗の抵抗値よりも小さくしてある。
そのため、ターンオン又はターンオフしたときにおける、個々のスイッチング素子の電流値を揃えやすい。すなわち、上記構成にすると、2個の制御電極間の電気抵抗が小さいため、後述するように、2個の制御電極間にフィードバック電流が流れやすくなる。そのため、2個のスイッチング素子のオンオフのしやすさが揃いやすくなり、電流値が揃いやすくなる。したがって、個々のスイッチング素子の発熱量を均等にすることができる。
【0010】
以上のごとく、上記態様によれば、ターンオン又はターンオフしたときにおける、個々のスイッチング素子の電流値を揃えやすい電力変換装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
実施形態1における、スイッチング素子をオンした直後の、電力変換装置の部分回路図。
図1に続く図。
図2に続く図。
実施形態1における、スイッチング素子をオフした状態での、電力変換装置の部分回路図。
実施形態1における、スイッチング素子のゲート電圧およびゲート電流と、駆動スイッチのオン抵抗との時間変化を表したグラフ。
実施形態1における、電力変換装置の全体回路図。
実施形態1における、電力変換装置の断面図であって、図8のVII-VII断面図。
図7のVIII-VIII断面図。
実施形態1における、半導体モジュールの詳細回路図。
実施形態2における、電力変換装置の部分回路図。
実施形態2における、フィードバック抵抗を設けた場合での、制御電流I
g1
,I
g2
と、オン電流I
1
,I
2
と、コレクタ-エミッタ間電圧V
ce
との波形図。
実施形態2における、フィードバック抵抗を設けない場合での、制御電流I
g1
,I
g2
と、オン電流I
1
,I
2
と、コレクタ-エミッタ間電圧V
ce
との波形図。
実施形態3における、電力変換装置の部分回路図。
実施形態4における、電力変換装置の部分回路図。
実施形態5における、電力変換装置の部分回路図。
実施形態6における、電力変換装置の部分回路図。
実施形態7における、電力変換装置の部分回路図。
実施形態8における、2個のスイッチング素子を両方ともオンしたときの、電力変換装置の部分回路図。
実施形態8における、第1スイッチング素子のみをオンしたときの、電力変換装置の部分回路図。
実施形態9における、半導体モジュールの断面図。
実施形態10における、電力変換装置の部分回路図。
実施形態11における、電力変換装置の部分回路図。
実施形態12における、電力変換装置の部分回路図。
実施形態13における、電力変換装置の部分回路図。
比較形態における、スイッチング素子をオンした直後での、電力変換装置の部分回路図。
図25に続く図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態1)
上記電力変換装置に係る実施形態について、図1〜図9を参照して説明する。図1に示すごとく、本形態の電力変換装置1は、2個のスイッチング素子2(2
A
,2
B
)と、制御回路部3とを備える。個々のスイッチング素子2は、互いに並列に接続され、同時にオン動作または同時にオフ動作する。制御回路部3は、スイッチング素子2の動作制御を行う。
【0013】
スイッチング素子2は、制御電極21
g
と、基準電極21
e
とを備える。基準電極21
e
は、スイッチング素子2のオン電流I
1
,I
2
が流れると共に、制御電極21
g
に対する電位の基準になる電極である。制御電極21
g
に制御電圧V
g
を加えると、スイッチング素子2がオンする。
【0014】
制御回路部3は、駆動回路31を備える。駆動回路31は、制御電極21
g
に制御電圧V
g
を加える。これにより、スイッチング素子2を駆動するよう構成されている。駆動回路31は、速度調整抵抗R
g
を有する。本形態では、駆動スイッチ35のオン抵抗R
on
を速度調整抵抗R
g
としてある。速度調整抵抗R
g
によって、制御電極21
g
へ流れる電流I
g
を制限している。これにより、スイッチング素子2のスイッチング速度を調整している。
【0015】
2個のスイッチング素子2の制御電極21
g
は、電気的に接続されている。2個の制御電極21
g
間の電気抵抗は、スイッチング素子2のミラー期間T
M
(図5参照)における速度調整抵抗R
g
(すなわち、駆動スイッチ35のオン抵抗R
on
)の抵抗値よりも小さい。
【0016】
本形態の電力変換装置1は、電気自動車やハイブリッド車等の車両に搭載するための、車載用電力変換装置である。図6に示すごとく、本形態の電力変換装置1は、複数のスイッチング素子2を備える。これら複数のスイッチング素子2によって、インバータ回路100を構成してある。個々のスイッチング素子2をオンオフ動作させることにより、直流電源8から供給される直流電力を交流電力に変換している。そして、得られた交流電力を用いて三相交流モータ81を駆動し、上記車両を走行させている。
【0017】
本形態では、上述したように、2個のスイッチング素子2を互いに並列に接続し、同時にオンオフ動作させている。これにより、個々のスイッチング素子2の電流は少なくても、電力変換装置1全体として高い電流を出力できるようにしてある。
【0018】
図1に示すごとく、本形態では、スイッチング素子2としてIGBTを用いている。スイッチング素子2の基準電極21
e
(すなわちエミッタ電極)は、バスバー5を介して互いに電気接続されている。また、2個のスイッチング素子2の基準電極21
e
は、制御回路部3に形成した配線34を介して、互いに電気接続されている。また、上述したように、制御回路部3は駆動回路31を備える。この駆動回路31を、各スイッチング素子2の制御電極21
g
(すなわちゲート電極)に接続してある。駆動回路31は、スイッチング素子2の基準電極21
e
の電位を基準にして、制御電極21
g
に制御電圧V
g
を加える。これにより、スイッチング素子2をオンする。
【0019】
2個の制御電極21
g
の間には、フィードバック抵抗R
fb
が介在している。上述したように、フィードバック抵抗R
fb
は、ミラー期間T
M
(図5参照)における速度調整抵抗R
g
(すなわち、駆動スイッチ35のオン抵抗R
on
)の抵抗値よりも小さい。フィードバック抵抗R
fb
は、制御回路部3に設けられている。フィードバック抵抗R
fb
は、フィードバック配線89を介して、個々の制御電極21
g
に接続している。
【0020】
また、制御電極21
g
とフィードバック配線89との間には、電極配線間抵抗r
p
が存在している。電極配線間抵抗r
p
は、後述する制御端子42(図8参照)等に寄生した内部抵抗である。なお、電極配線間抵抗r
p
は、部品を設けることにより構成してもよい。
【0021】
また、制御回路部3には、バランス抵抗R
b
が設けられている。バランス抵抗R
b
は、電極配線間抵抗r
p
のばらつきによる、制御電流I
g
のばらつきを抑制するために設けられている。
【0022】
駆動回路31は、スイッチング素子2のオンとオフとを切り替える。スイッチング素子2をオフする場合は、図4に示すごとく、駆動回路31の切替スイッチ33をオフ側に接続する。また、スイッチング素子2をオンする場合は、図1に示すごとく、切替スイッチ33をオン側に接続する。
【0023】
切替スイッチ33をオフ(図4参照)からオン(図1参照)に切り替えると、駆動回路31から各スイッチング素子2の制御電極21
g
へ、制御電流I
g
が流れる。また、上述したように、スイッチング素子2のゲート閾値電圧V
th
にはばらつきがある。本形態では、第1スイッチング素子2
A
のゲート閾値電圧V
th1
は、第2スイッチング素子2
B
のゲート閾値電圧V
th2
よりも低い。そのため、各スイッチング素子2をターンオンすると、第1スイッチング素子2
A
はゲート閾値電圧V
th1
に早く到達し、先にオン電流I
1
が流れ出す。また、第2スイッチング素子2
B
はゲート閾値電圧V
th2
に遅れて到達し、オン電流I
2
が遅れて流れ出す。
【0024】
上述したように、基準電極21
e
には、バスバー5が接続している。オン電流I
1
,I
2
は、このバスバー5を流れる。バスバー5にはインダクタンスLが寄生しており、このインダクタンスLが原因となって、電圧V(=LdI/dt)が発生する。第1スイッチング素子2
A
はdI
1
/dtが大きいため、高い電圧V
1
が発生する。また、第2スイッチング素子2
B
はdI
2
/dtが小さいため、低い電圧V
2
しか発生しない。
【0025】
このように電圧V
1
,V
2
が発生すると、スイッチング素子2の基準電極21
e
の電位が変動する。第1スイッチング素子2
A
は高い電圧V
1
が発生したため、基準電極21
e
の電位は相対的に高くなる。また、第2スイッチング素子2
B
は、低い電圧V
2
が発生したため、基準電極21
e
の電位は相対的に低くなる。
【0026】
このように各スイッチング素子2
A
,2
B
の基準電極21
e
の電位に差が生じると、図2に示すごとく、電位が高い第1スイッチング素子2
A
の基準電極21
e
から、電位が低い第2スイッチング素子2
B
の基準電極21
e
へ、フィードバック電流I
fb
が流れる。フィードバック電流I
fb
は、第1スイッチング素子2
A
のゲート容量C
ge1
、フィードバック抵抗R
fb
、第2スイッチング素子2
B
のゲート容量C
ge2
を介して流れる。そのため、第1スイッチング素子2
A
の制御電極21
g
に流れ込む電流(制御電流I
g1
)が少なくなり、オン電流I
1
の上昇が抑制される。また、第2スイッチング素子2
B
の制御電極21
g
に流れ込む電流(制御電流I
g2
)が多くなり、オン電流I
2
が上昇しやすくなる。そのため、図3に示すごとく、2個のスイッチング素子2
A
,2
B
のオン電流I
1
,I
2
の差が小さくなる。
【0027】
このように、各スイッチング素子2
A
,2
B
の、電圧V(=LdI/dt)の差により生じる基準電極21
e
の電位差をフィードバックすることで、2個のスイッチング素子2
A
,2
B
のオン電流I
1
,I
2
の差を小さくすることができる。なお、dI/dtは、ゲートのスイッチング速度に比べて低周波であり、且つ、流れる電流やスイッチング素子の温度などにより、大きさ(周波数)が変動するため、本形態では、2個のスイッチング素子2
A
,2
B
の間を、周波数特性を有するコンデンサではなく、抵抗を介して電気接続している。
【0028】
次に、駆動回路31の動作について説明する。図1に示すごとく、本形態では、駆動回路31として、定電流回路を用いている。切替スイッチ33のオン側には、駆動電源32と、シャント抵抗37と、駆動スイッチ35と、オペアンプ36とが設けられている。オペアンプ36は、シャント抵抗37と駆動スイッチ35との接続点38の電位を一定の値V
s
にするよう動作する。そのため、シャント抵抗37に加わる電圧は一定になり、一定の制御電流I
g
が流れる。
【0029】
図5に示すごとく、時刻t
0
において駆動スイッチ35をオンすると、一定の制御電流I
g
が流れ始める。また、駆動スイッチ35のオン抵抗R
on
(すなわち速度調整抵抗R
g
)は、次第に低下する。本形態ではこのように、速度調整抵抗R
g
を変化させることにより、制御電流I
g
を一定にしている。制御電流I
g
が流れてスイッチング素子2のゲート容量C
ge
が充電されると、ゲート電圧V
ge
が徐々に増加する。また、スイッチング素子2がオンになる。ゲート電圧V
ge
は最終的に、駆動電源32の電圧V
in
と等しくなる。
【0030】
また、図4に示すごとく、切替スイッチ33のオフ側には、オン側と同様に、駆動スイッチ35’、オペアンプ36’等が設けられている。切替スイッチ33をオフ側に切り替えると、ゲート容量C
ge
から電荷が定電流で放電し、スイッチング素子2がオフになる。
【0031】
次に、電力変換装置1の構造について説明する。図7に示すごとく、本形態の電力変換装置1は、スイッチング素子2を内蔵した、複数の半導体モジュール4を備える。この半導体モジュール4と冷却管11とを積層して、積層体10を構成してある。
【0032】
図8に示すごとく、半導体モジュール4は、スイッチング素子2を内蔵した本体部40と、該本体部40から突出したパワー端子41と、制御端子42とを備える。パワー端子41には、直流電圧が加わる直流端子41
P
,41
N
と、交流電力を出力するための交流端子41
A
とがある。直流端子41
P
,41
N
には、直流バスバー5
P
,5
N
が接続している。これらの直流バスバー5
P
,5
N
は、平滑コンデンサ7に接続している。また、交流端子41
A
には、交流バスバー5
A
が接続している。この交流バスバー5
A
を介して、交流電力を、三相交流モータ81(図6参照)へ供給している。
【0033】
また、制御端子42は、制御回路部3に接続している。この制御端子42を介して、スイッチング素子2の各電極21(図9参照)を制御回路部3に電気接続してある。
【0034】
図7に示すごとく、積層体10は、ケース16に収容されている。このケース16の壁部161と積層体10との間に、加圧部材15が介在している。この加圧部材15を用いて、積層体10を積層方向(X方向)に加圧している。これにより、半導体モジュール4と冷却管11との接触圧を確保すると共に、積層体10をケース16内に固定してある。
【0035】
また、冷却管11の、長手方向(Y方向)における両端部には、連結管12が設けられている。この連結管12によって、X方向に隣り合う2つの冷却管11を連結している。また、複数の冷却管11のうち、X方向における一方の端部に位置する端部冷却管11
a
には、冷媒17を導入するための導入管13と、冷媒17を導出するための導出管14とが接続している。導入管13から冷媒17を導入すると、冷媒17は連結管12を介して全ての冷却管11へ流れ、導出管14から導出される。これにより、個々の半導体モジュール4を冷却している。
【0036】
次に、半導体モジュール4の構造について、より詳細に説明する。図9に示すごとく、本形態の半導体モジュール4は、上アームスイッチング素子2
U
と下アームスイッチング素子2
L
との2個のスイッチング素子2
U
,2
L
を内蔵している。そして、2個の上アームスイッチング素子2
U
を互いに並列に接続すると共に、2個の下アームスイッチング素子2
L
を互いに並列に接続してある。
【0037】
スイッチング素子2は、上記制御電極21
g
と基準電極21
e
の他に、センス電極21
s
を備える。センス電極21
s
は、オン電流Iの一部を取り出し、制御回路部3によって測定するための電極である。制御回路部3は、測定した電流値が所定の値より高い場合は、オン電流Iが流れ過ぎていると判断し、スイッチング素子2をオフする。これにより、スイッチング素子2を保護している。また、半導体モジュール4には、感温ダイオード43が設けられている。制御回路部3は、この感温ダイオード43を用いて、スイッチング素子2の温度を測定している。感温ダイオード43のアノード電極21
a
及びカソード電極21
k
、スイッチング素子2の制御電極21
g
、センス電極21
s
、基準電極21
e
は、上記制御端子42を介して制御回路部3に電気接続している。
【0038】
次に、本形態の作用効果について説明する。本形態では、図1、図2に示すごとく、2個の制御電極21
g
を電気的に接続してある。そして、2個の制御電極21
g
間の電気抵抗を、スイッチング素子2のミラー期間T
M
(図5参照)における速度調整抵抗R
g
(すなわち、駆動スイッチ35のオン抵抗R
on
)の抵抗値よりも小さくしてある。
そのため、ターンオン又はターンオフしたときにおける、個々のスイッチング素子2の電流値を揃えやすい。すなわち、上記構成にすると、2個の制御電極21
g
間の電気抵抗が小さいため、2個の制御電極21
g
間にフィードバック電流I
fb
が流れやすくなる。そのため、個々のスイッチング素子2のオンオフのしやすさが揃いやすくなり、電流値が揃いやすくなる。したがって、スイッチング素子2の発熱量を均等にすることができる。
また、ターンオン及びターンオフ以外の要因により個々のスイッチング素子2の発熱量が異なる場合は、以下のようなオンオフのタイミングとすることが考えられる。すなわち、例えば、発熱量の小さいスイッチング素子2を先にターンオンした後に、他方のスイッチング素子2をターンオンし、同一タイミングで双方のスイッチング素子2をターンオフする。これにより、双方のスイッチング素子2の発熱量を均等に揃えることもできる。或いは、同一タイミングで双方のスイッチング素子2をターンオンし、発熱量の大きいスイッチング素子2を先にターンオフした後に、発熱量の小さいスイッチング素子2をターンオフすることも考えられる。これによっても、発熱量を均等にすることができる。
【0039】
また、本形態の効果は、以下のように説明することもできる。すなわち、仮に、図25、図26に示すごとく、2個の制御電極21
g
間をフィードバック抵抗R
fb
で電気接続せず、これら2個の制御電極21
g
間の電気抵抗を高くしたとすると、ターンオン又はターンオフしたときに、個々のスイッチング素子2の電流値が不均等になりやすい。つまり、この場合、各スイッチング素子2に流れる制御電流I
g1
,I
g2
の差は、例えば以下の式によって表すことができる。
【0040】
【0041】
上記式の、右辺の分母には速度調整抵抗R
g
が存在する。そのため、速度調整抵抗R
g
を小さくすれば、2つの制御電流I
g1
,I
g2
の差を大きくすることができることが分かる。すなわち、2つのスイッチング素子2のオンオフのしやすさを揃えることができる。しかし、速度調整抵抗R
g
を小さくしすぎると、スイッチング素子2のスイッチング速度が高くなってしまい、サージが発生しやすくなる。そのため、速度調整抵抗R
g
は小さくしにくい。
【0042】
これに対して、図1、図2に示すごとく、本形態のように、2個の制御電極21
g
間の電気抵抗を小さくした場合は、2つの制御電流I
g1
,I
g2
の差は、例えば以下の式によって表すことができる。
【0043】
【0044】
上記式の右辺の分母には、制御電極21
g
間の抵抗(本形態ではフィードバック抵抗R
fb
)が存在する。そのため、この抵抗(フィードバック抵抗R
fb
)を小さくすることにより、2つの制御電流I
g1
,I
g2
の差を大きくすることができることが分かる。すなわち、2つのスイッチング素子2のオンオフのしやすさを揃えることができることが分かる。また、制御電極21
g
間の抵抗(フィードバック抵抗R
fb
)は、速度調整抵抗R
g
と異なり、スイッチング素子2のスイッチング速度には影響が無いため、十分に小さくすることができる。
【0045】
また、図1、図2に示すごとく、本形態では、2個の制御電極21
g
間にフィードバック抵抗R
fb
を設けている。
後述するように、2個の制御電極21
g
間にフィードバック抵抗R
fb
を設けない(図21参照)ことも考えられるが、この場合、スイッチング素子2が若干発振しやすくなる可能性が考えられる。しかしながら、フィードバック抵抗R
fb
を設ければ、スイッチング素子2の発振を十分に抑制できる。
【0046】
また、本形態では図1に示すごとく、1個の駆動回路31を用いて、2個のスイッチング素子2
A
,2
B
を両方とも駆動している。
後述するように、複数の駆動回路31を設け(図10参照)、個々の駆動回路31を用いて、それぞれ別のスイッチング素子2
A
,2
B
を駆動することも可能であるが、この場合、駆動回路31の数が増加するため、制御回路部3の製造コストが上昇する可能性がある。しかしながら、本形態のように、1個の駆動回路31を用いて2個のスイッチング素子2
A
,2
B
を両方とも駆動すれば、駆動回路31の数を低減でき、制御回路部3の製造コストを低減することができる。
【0047】
また、本形態では、フィードバック抵抗R
fb
を、制御回路部3に搭載してある。
そのため、制御回路部3の、電子部品を搭載する面(部品搭載面39:図8参照)を有効活用できる。また、後述するように、フィードバック抵抗R
fb
に、コイルL
fb
(図14参照)等の他の電子部品を接続することが考えられるが、フィードバック抵抗R
fb
を部品搭載面39に搭載しておけば、他の電子部品を接続しやすい。
【0048】
また、図1に示すごとく、フィードバック抵抗R
fb
は、フィードバック配線89を介して、個々の制御電極21
g
に電気接続されている。個々の制御電極21
g
とフィードバック配線89との間には電極配線間抵抗r
p
が存在している。制御回路部3には、電極配線間抵抗r
p
のばらつきによる、駆動回路31から制御電極21
g
へ流れる電流(すなわち制御電流I
g
)のばらつきを抑制するバランス抵抗R
b
が設けられている。電極配線間抵抗r
p
は、バランス抵抗R
b
よりも抵抗値が小さい。
このようにすると、電極配線間抵抗r
p
のばらつきによる、制御電流I
g
のばらつきを、バランス抵抗R
b
によって低減しやすい。また、制御電流I
g1
,I
g2
の差を大きくしやすい。したがって、2つのスイッチング素子2の電流値を揃えやすい。
【0049】
以上のごとく、本形態によれば、ターンオン又はターンオフしたときにおける、個々のスイッチング素子の電流値を揃えやすい電力変換装置を提供することができる。
【0050】
また、本形態では、スイッチング素子2としてIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタの略)を用いているが、本発明はこれに限るものではなく、MOSFET(MOS型電界効果トランジスタの略)を用いても良い。
また、2個のスイッチング素子2(2
A
、2
B
)は、互いに異なる素子構造の半導体素子とすることもできる。例えば、一方のスイッチング素子2(例えば2
A
)をIGBTとし、一方のスイッチング素子2(例えば2
B
)をMOSFETとすることもできる。この場合においても、2個のスイッチング素子2の電流値を揃えやすいという効果は得られる。
(【0051】以降は省略されています)

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