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公開番号2020025438
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200213
出願番号2019111595
出願日20190614
発明の名称回転電機
出願人株式会社デンソー
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H02K 5/173 20060101AFI20200121BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】回転電機における軸受の電食を好適に抑制する。
【解決手段】回転電機700は、周方向に極性が交互となる複数の磁極を含む磁石ユニット712を有する回転子710と、多相の固定子巻線721を有する筒状の固定子720と、固定子720の径方向内側に組み付けられる外側円筒部763を有する固定子ホルダ760と、回転軸701を回転可能に支持する一対の軸受702,703と、を備えている。固定子ホルダ760は、外側円筒部763と同心でかつ外側円筒部763よりも小径の内側円筒部766と、各円筒部763,766とを繋ぐ端板部767とを有している。内側円筒部766内には回転軸701が挿通されており、内側円筒部766と回転軸701との間に、一対の軸受702,703が軸方向に並べて設けられている。
【選択図】 図77
特許請求の範囲【請求項1】
周方向に極性が交互となる複数の磁極を含む磁石部(712)を有する回転子(710)と、
多相の固定子巻線(721)を有する筒状の固定子(720)と、
前記固定子の径方向内側又は径方向外側に組み付けられる第1円筒部(763)を有する固定子保持部材(760)と、
前記回転子の回転軸(701)を回転可能に支持する一対の軸受(702,703)と、を備える回転電機(700)であって、
前記固定子保持部材は、前記第1円筒部と同心でかつ該第1円筒部よりも小径の第2円筒部(766)と、前記第1円筒部と前記第2円筒部とを繋ぐ繋ぎ部(767)とを有し、
前記第2円筒部内には前記回転軸が挿通されており、前記第2円筒部と前記回転軸との間に、前記一対の軸受が軸方向に並べて設けられている回転電機。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記固定子巻線は、前記磁石部に対向する位置で周方向に所定間隔で配置される導線部(734)を有し、
前記固定子において、
周方向における前記各導線部の間に導線間部材を設け、かつその導線間部材として、1磁極における前記導線間部材の周方向の幅寸法をWt、前記導線間部材の飽和磁束密度をBs、1磁極における前記磁石部の周方向の幅寸法をWm、前記磁石部の残留磁束密度をBrとした場合に、Wt×Bs≦Wm×Brの関係となる磁性材料、若しくは非磁性材料を用いる構成か、
又は周方向における前記各導線部の間に導線間部材を設けていない構成となっている請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
前記回転子を径方向外側、前記固定子を径方向内側とし、これら回転子及び固定子を径方向に対向配置したアウタロータ式の回転電機であって、
前記回転子は、前記磁石部を保持する磁石保持部材(711)を有し、
前記磁石保持部材は、前記磁石部が固定された筒状部(713)と、前記回転軸から前記筒状部まで径方向に延びる端板部(714)とを有しており、
前記固定子保持部材において前記第2円筒部は、前記第1円筒部に対して径方向に対向するように設けられており、軸方向において前記第2円筒部の前記端板部側の第1端部(766a)とその逆側の第2端部(766b)とのうち前記第2端部の側に前記繋ぎ部が繋がっている請求項1又は2に記載の回転電機。
【請求項4】
前記回転子を径方向外側、前記固定子を径方向内側とし、これら回転子及び固定子を径方向に対向配置したアウタロータ式の回転電機であって、
前記回転子は、前記磁石部を保持する磁石保持部材(711)を有し、
前記磁石保持部材は、前記磁石部が固定された筒状部(713)と、前記回転軸から前記筒状部まで径方向に延びる端板部(714)とを有しており、
前記固定子保持部材において前記第2円筒部は、前記第1円筒部に対して径方向に対向するように設けられており、軸方向において前記第2円筒部の前記端板部側の第1端部(766a)とその逆側の第2端部(766a)とのうち前記第1端部の側に前記繋ぎ部が繋がっている請求項1又は2に記載の回転電機。
【請求項5】
前記回転子を径方向内側、前記固定子を径方向外側とし、これら回転子及び固定子を径方向に対向配置したインナロータ式の回転電機であって、
前記回転子は、前記磁石部を保持する磁石保持部材(711)を有し、
前記磁石保持部材は、前記磁石部が固定された筒状部(713)と、前記回転軸から前記筒状部まで径方向に延びる端板部(714)とを有しており、
前記固定子保持部材において前記第2円筒部は、前記筒状部の径方向内側に、当該筒状部に対して径方向に対向するように設けられており、軸方向において前記第2円筒部の前記端板部側の第1端部とその逆側の第2端部とのうち前記第2端部の側に前記繋ぎ部が繋がっている請求項1又は2に記載の回転電機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この明細書における開示は、回転電機に関する。
続きを表示(約 14,000 文字)【背景技術】
【0002】
車両等に搭載される回転電機として、一般に永久磁石を有する回転子と、多相の固定子巻線を有する固定子とを備える構成が知られている。また、回転電機の制御システムとして、スイッチング制御により固定子巻線に対する通電を制御する構成が知られている。
【0003】
ここで、回転電機では、回転軸に発生する軸電流により軸受で電食が生じることが懸念されており、例えば特許文献1では、回転子における外側鉄心と内側鉄心との間に誘電体層を設ける構成としている。そして、その誘電体層により、外側鉄心と内側鉄心との間の静電容量を調整することにより、軸受の電食を抑制するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016−129439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された構成では、回転子において外側鉄心と内側鉄心との間に誘電体層を設ける構成であることから、構成が特殊なものになっており、コストが嵩むこと等が懸念される。軸受の電食を抑制する上では技術改善の余地があると考えられる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、回転電機における軸受の電食を好適に抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この明細書における開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。この明細書に開示される目的、特徴、および効果は、後続の詳細な説明、および添付の図面を参照することによってより明確になる。
【0008】
手段1は、
周方向に極性が交互となる複数の磁極を含む磁石部を有する回転子と、
多相の固定子巻線を有する筒状の固定子と、
前記固定子の径方向内側又は径方向外側に組み付けられる第1円筒部を有する固定子保持部材と、
前記回転子の回転軸を回転可能に支持する一対の軸受と、を備える回転電機であって、
前記固定子保持部材は、前記第1円筒部と同心でかつ該第1円筒部よりも小径の第2円筒部と、前記第1円筒部と前記第2円筒部とを繋ぐ繋ぎ部とを有し、
前記第2円筒部内には前記回転軸が挿通されており、前記第2円筒部と前記回転軸との間に、前記一対の軸受が軸方向に並べて設けられている。
【0009】
多相の固定子巻線を有する回転電機では、各相の相巻線の通電が相ごとに切り替えられる際に、相間のスイッチングタイミングの差に起因して、回転軸を支持する一対の軸受間に電流が流れ、それに伴い軸受において電食が生じることが懸念される。この点、上記構成では、固定子保持部材において、固定子の径方向内側又は径方向外側に組み付けられる第1円筒部に一体的に、かつ第1円筒部よりも径方向内側となる位置に第2円筒部を設け、その第2円筒部と回転軸との間に一対の軸受を軸方向に並べて設けるようにした。本構成によれば、一対の軸受間における電位差を無くし、ひいては電食の発生を抑制することができる。
【0010】
手段2では、手段1において、前記固定子巻線は、前記磁石部に対向する位置で周方向に所定間隔で配置される導線部を有し、前記固定子において、周方向における前記各導線部の間に導線間部材を設け、かつその導線間部材として、1磁極における前記導線間部材の周方向の幅寸法をWt、前記導線間部材の飽和磁束密度をBs、1磁極における前記磁石部の周方向の幅寸法をWm、前記磁石部の残留磁束密度をBrとした場合に、Wt×Bs≦Wm×Brの関係となる磁性材料、若しくは非磁性材料を用いる構成か、又は周方向における前記各導線部の間に導線間部材を設けていない構成となっている。
【0011】
本手段の回転電機では、固定子において、導線間部材としてのティースが設けられていないか又は磁気的に脆弱に設けられている構成となっており、導線間部材としての各ティースに磁気経路が形成される構成に比べて、起電力による意図しない電流の発生やそれに伴う軸受の電食の問題が一層懸念されることが考えられる。この点、上記のとおり固定子保持部材の第2円筒部と回転軸との間に一対の軸受を軸方向に並べて設ける構成とすることで、軸受での電食の発生を好適に抑制することができる。
【0012】
手段3では、手段1又は2において、前記回転子を径方向外側、前記固定子を径方向内側とし、これら回転子及び固定子を径方向に対向配置したアウタロータ式の回転電機であって、前記回転子は、前記磁石部を保持する磁石保持部材を有し、前記磁石保持部材は、前記磁石部が固定された筒状部と、前記回転軸から前記筒状部まで径方向に延びる端板部とを有しており、前記固定子保持部材において前記第2円筒部は、前記第1円筒部に対して径方向に対向するように設けられており、軸方向において前記第2円筒部の前記端板部側の第1端部とその逆側の第2端部とのうち前記第2端部の側に前記繋ぎ部が繋がっている。
【0013】
アウタロータ式の回転電機において、固定子保持部材の第1円筒部と第2円筒部とを径方向に対向させ、第2円筒部の軸方向両側である第1端部(磁石保持部材の端板部側の端部)と第2端部(反端板部側の端部)とのうち第2端部の側に繋ぎ部を繋げる構成とした。この構成では、固定子保持部材の第1円筒部と第2円筒部との間に形成される環状空間において、軸方向の一方側を磁石保持部材の端板部により閉じ、他方側を固定子保持部材の繋ぎ部により閉じることができ、固定子の内周側に、回転軸を囲み、かつ軸方向両側に閉じた空間を形成できる。これにより、回転子及び固定子を含む磁気回路部と一対の軸受とを径方向内外となるようにそれぞれ配置して、回転電機をコンパクト化することが可能となる。また、例えば回転電機に対して電力変換器(インバータ)等の電気装置を一体的に設ける上で好適な構成を実現できる。
【0014】
例えば、固定子保持部材において第1円筒部と第2円筒部との間の環状空間に、固定子巻線における各相の相巻線に接続されるスイッチング素子を有し、かつそれら各相の相巻線の通電を行わせる電力変換器が設けられているとよい。
【0015】
手段4では、手段1又は2において、前記回転子を径方向外側、前記固定子を径方向内側とし、これら回転子及び固定子を径方向に対向配置したアウタロータ式の回転電機であって、前記回転子は、前記磁石部を保持する磁石保持部材を有し、前記磁石保持部材は、前記磁石部が固定された筒状部と、前記回転軸から前記筒状部まで径方向に延びる端板部とを有しており、前記固定子保持部材において前記第2円筒部は、前記第1円筒部に対して径方向に対向するように設けられており、軸方向において前記第2円筒部の前記端板部側の第1端部とその逆側の第2端部とのうち前記第1端部の側に前記繋ぎ部が繋がっている。
【0016】
アウタロータ式の回転電機において、固定子保持部材の第1円筒部と第2円筒部とを径方向に対向させ、第2円筒部の軸方向両側である第1端部(磁石保持部材の端板部側の端部)と第2端部(反端板部側の端部)とのうち第1端部の側に繋ぎ部を繋げる構成とした。この構成では、固定子保持部材の第1円筒部と第2円筒部との間に形成される環状空間において、その軸方向の一方側に、磁石保持部材の端板部と固定子保持部材の繋ぎ部とが設けられることで、当該環状空間の軸方向他方側が開放される構成となっている。これにより、回転子及び固定子を含む磁気回路部と一対の軸受とを径方向内外となるようにそれぞれ配置して、回転電機をコンパクト化することが可能となる。また、例えば回転電機に対して一体的に変速装置等を設ける場合において、固定子保持部材の第1円筒部と第2円筒部との間の環状空間に対して軸方向一方から変速装置等を組み付けることが可能になっている。
【0017】
手段5では、手段1又は2において、前記回転子を径方向内側、前記固定子を径方向外側とし、これら回転子及び固定子を径方向に対向配置したインナロータ式の回転電機であって、前記回転子は、前記磁石部を保持する磁石保持部材を有し、前記磁石保持部材は、前記磁石部が固定された筒状部と、前記回転軸から前記筒状部まで径方向に延びる端板部とを有しており、前記固定子保持部材において前記第2円筒部は、前記筒状部の径方向内側に、当該筒状部に対して径方向に対向するように設けられており、軸方向において前記第2円筒部の前記端板部側の第1端部とその逆側の第2端部とのうち前記第2端部の側に前記繋ぎ部が繋がっている。
【0018】
インナロータ式の回転電機において、固定子保持部材の第2円筒部と磁石保持部材の筒状部とを径方向に対向させ、第2円筒部の軸方向両側である第1端部(磁石保持部材の端板部側の端部)と第2端部(反端板部側の端部)とのうち第2端部の側に繋ぎ部を繋げる構成とした。この構成では、固定子保持部材の第2円筒部と磁石保持部材の筒状部との間に形成される環状空間において、軸方向の一方側を磁石保持部材の端板部により閉じ、他方側を固定子保持部材の繋ぎ部により閉じることができ、回転子の内周側に、回転軸を囲み、かつ軸方向両側に閉じた空間を形成できる。これにより、回転子及び固定子を含む磁気回路部と一対の軸受とを径方向内外となるようにそれぞれ配置して、回転電機をコンパクト化することが可能となる。また、例えば回転電機に対して電力変換器(インバータ)等の電気装置を一体的に設ける上で好適な構成を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
回転電機の縦断面斜視図。
回転電機の縦断面図。
図2のIII−III線断面図。
図3の一部を拡大して示す断面図。
回転電機の分解図。
インバータユニットの分解図。
固定子巻線のアンペアターンとトルク密度との関係を示すトルク線図。
回転子及び固定子の横断面図。
図8の一部を拡大して示す図。
固定子の横断面図。
固定子の縦断面図。
固定子巻線の斜視図。
導線の構成を示す斜視図。
素線の構成を示す模式図。
n層目における各導線の形態を示す図。
n層目とn+1層目の各導線を示す側面図。
実施形態の磁石について電気角と磁束密度との関係を示す図。
比較例の磁石について電気角と磁束密度との関係を示す図。
回転電機の制御システムの電気回路図。
制御装置による電流フィードバック制御処理を示す機能ブロック図。
制御装置によるトルクフィードバック制御処理を示す機能ブロック図。
第2実施形態における回転子及び固定子の横断面図。
図22の一部を拡大して示す図。
磁石ユニットにおける磁束の流れを具体的に示す図。
変形例1における固定子の断面図。
変形例1における固定子の断面図。
変形例2における固定子の断面図。
変形例3における固定子の断面図。
変形例4における固定子の断面図。
変形例7における回転子及び固定子の横断面図。
変形例8において操作信号生成部の処理の一部を示す機能ブロック図。
キャリア周波数変更処理の手順を示すフローチャート。
変形例9において導線群を構成する各導線の接続形態を示す図。
変形例9において4対の導線が積層配置されている構成を示す図。
変形例10においてインナロータ型の回転子及び固定子の横断面図。
図35の一部を拡大して示す図。
インナロータ型の回転電機の縦断面図。
インナロータ型の回転電機の概略構成を示す縦断面図。
変形例11においてインナロータ構造の回転電機の構成を示す図。
変形例11においてインナロータ構造の回転電機の構成を示す図。
変形例12において回転電機子形の回転電機の構成を示す図。
変形例14における導線の構成を示す断面図。
リラクタンストルク、磁石トルク及びDMの関係を示す図。
ティースを示す図。
インホイールモータ構造の車輪及びその周辺構造を示す斜視図。
車輪及びその周辺構造の縦断面図。
車輪の分解斜視図。
回転電機を回転軸の突出側から見た側面図。
図48の49−49線断面図。
図49の50−50線断面図。
回転電機の分解断面図。
回転子の部分断面図。
固定子巻線及び固定子コアの斜視図。
固定子巻線を平面状に展開して示す正面図。
導線のスキューを示す図。
インバータユニットの分解断面図。
インバータユニットの分解断面図。
インバータハウジングでの各電気モジュールの配置の状態を示す図。
電力変換器の電気的構成を示す回路図。
スイッチモジュールの冷却構造例を示す図。
スイッチモジュールの冷却構造例を示す図。
スイッチモジュールの冷却構造例を示す図。
スイッチモジュールの冷却構造例を示す図。
スイッチモジュールの冷却構造例を示す図。
冷却水通路に対する各電気モジュールの配列順序を示す図。
図49の66−66線断面図。
図49の67−67線断面図。
バスバーモジュールを単体で示す斜視図。
各電気モジュールとバスバーモジュールとの電気的な接続状態を示す図。
各電気モジュールとバスバーモジュールとの電気的な接続状態を示す図。
各電気モジュールとバスバーモジュールとの電気的な接続状態を示す図。
インホイールモータにおける変形例1を説明するための構成図。
インホイールモータにおける変形例2を説明するための構成図。
インホイールモータにおける変形例3を説明するための構成図。
インホイールモータにおける変形例4を説明するための構成図。
変形例15における回転電機の要部全体を示す正面図。
回転電機の縦断面図。
回転電機の構成要素を分解して示す分解断面図。
固定子の斜視図。
固定子の平面図。
固定子の縦断面図。
固定子コアの斜視図。
各相の部分巻線の接続状態を示す回路図。
(a)は、固定子巻線から各相1つずつの部分巻線を抽出して示す斜視図、(b)は、それら各相1つずつの部分巻線を示す正面図。
3相の部分巻線のうちU相の部分巻線のみを示す斜視図。
各相の相巻線と回転子の磁極との関係を示す図。
固定子コアに対して、各相の部分巻線の全てを組み付けた状態を示す斜視図。
導線材の断面構造を示す図。
固定子において電力バスバーを分解して示す斜視図。
U相の各部分巻線について互いの接続状態を示す図。
回転電機の縦断面の一部を拡大して示す断面図。
固定子ホルダの縦断面図。
変形例15の別例における回転電機を示す縦断面図。
変形例15の別例における回転電機を示す縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的におよび/または構造的に対応する部分および/または関連付けられる部分には同一の参照符号、または百以上の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分および/又は関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。
【0021】
本実施形態における回転電機は、例えば車両動力源として用いられるものとなっている。ただし、回転電機は、産業用、車両用、家電用、OA機器用、遊技機用などとして広く用いられることが可能となっている。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一又は均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
【0022】
(第1実施形態)
本実施形態に係る回転電機10は、同期式多相交流モータであり、アウタロータ構造(外転構造)のものとなっている。回転電機10の概要を図1乃至図5に示す。図1は、回転電機10の縦断面斜視図であり、図2は、回転電機10の回転軸11に沿う方向での縦断面図であり、図3は、回転軸11に直交する方向での回転電機10の横断面図(図2のIII−III線断面図)であり、図4は、図3の一部を拡大して示す断面図であり、図5は、回転電機10の分解図である。なお、図3では、図示の都合上、回転軸11を除き、切断面を示すハッチングを省略している。以下の記載では、回転軸11が延びる方向を軸方向とし、回転軸11の中心から放射状に延びる方向を径方向とし、回転軸11を中心として円周状に延びる方向を周方向としている。
【0023】
回転電機10は、大別して、軸受ユニット20と、ハウジング30と、回転子40と、固定子50と、インバータユニット60とを備えている。これら各部材は、いずれも回転軸11と共に同軸上に配置され、所定順序で軸方向に組み付けられることで回転電機10が構成されている。本実施形態の回転電機10は、「界磁子」としての回転子40と、「電機子」としての固定子50とを有する構成となっており、回転界磁形の回転電機として具体化されるものとなっている。
【0024】
軸受ユニット20は、軸方向に互いに離間して配置される2つの軸受21,22と、その軸受21,22を保持する保持部材23とを有している。軸受21,22は、例えばラジアル玉軸受であり、それぞれ外輪25と、内輪26と、それら外輪25及び内輪26の間に配置された複数の玉27とを有している。保持部材23は円筒状をなしており、その径方向内側に軸受21,22が組み付けられている。そして、軸受21,22の径方向内側に、回転軸11及び回転子40が回転自在に支持されている。軸受21,22により、回転軸11を回転可能に支持する一組の軸受が構成されている。
【0025】
各軸受21,22では、不図示のリテーナにより玉27が保持され、その状態で各玉同士のピッチが保たれている。軸受21,22は、リテーナの軸方向上下部に封止部材を有し、その内部に非導電性グリース(例えば非導電性のウレア系グリース)が充填されている。また、内輪26の位置がスペーサにより機械的に保持され、内側から上下方向に凸となる定圧予圧が施されている。
【0026】
ハウジング30は、円筒状をなす周壁31を有する。周壁31は、その軸方向に対向する第1端と第2端を有する。周壁31は、第1端に端面32と有するとともに、第2端に開口33を有する。開口33は、第2端の全体において開放されている。端面32には、その中央に円形の孔34が形成されており、その孔34に挿通させた状態で、ネジやリベット等の固定具により軸受ユニット20が固定されている。また、ハウジング30内、すなわち周壁31及び端面32により区画された内部スペースには、中空円筒状の回転子40と中空円筒状の固定子50とが収容されている。本実施形態では回転電機10がアウタロータ式であり、ハウジング30内には、筒状をなす回転子40の径方向内側に固定子50が配置されている。回転子40は、軸方向において端面32の側で回転軸11に片持ち支持されている。
【0027】
回転子40は、中空筒状に形成された磁石ホルダ41と、その磁石ホルダ41の径方向内側に設けられた環状の磁石ユニット42とを有している。磁石ホルダ41は、略カップ状をなし、磁石保持部材としての機能を有する。磁石ホルダ41は、円筒状をなす円筒部43と、同じく円筒状をなしかつ円筒部43よりも小径の固定部(attachment)44と、それら円筒部43及び固定部44を繋ぐ部位となる中間部45とを有している。円筒部43の内周面に磁石ユニット42が取り付けられている。
【0028】
なお、磁石ホルダ41は、機械強度が充分な冷間圧延鋼板(SPCC)や、鍛造用鋼、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)等により構成されている。
【0029】
固定部44の貫通孔44aには回転軸11が挿通される。貫通孔44a内に配置された回転軸11に対して固定部44が固定されている。つまり、固定部44により、回転軸11に対して磁石ホルダ41が固定されている。なお、固定部44は、凹凸を利用したスプライン結合やキー結合、溶接、又はかしめ等により回転軸11に対して固定されているとよい。これにより、回転子40が回転軸11と一体に回転する。
【0030】
また、固定部44の径方向外側には、軸受ユニット20の軸受21,22が組み付けられている。上述のとおり軸受ユニット20はハウジング30の端面32に固定されているため、回転軸11及び回転子40は、ハウジング30に回転可能に支持されるものとなっている。これにより、ハウジング30内において回転子40が回転自在となっている。
【0031】
回転子40には、その軸方向に対向する二つの端部の一方にのみ固定部44が設けられており、これにより、回転子40が回転軸11に片持ち支持されている。ここで、回転子40の固定部44は、軸受ユニット20の軸受21,22により、軸方向に異なる2位置で回転可能に支持されている。すなわち、回転子40は、磁石ホルダ41の、その軸方向に対向する二つの端部の一方において、その軸方向に離間する二つの軸受21,22により回転可能に支持されている。そのため、回転子40が回転軸11に片持ち支持される構造であっても、回転子40の安定回転が実現されるようになっている。この場合、回転子40の軸方向中心位置に対して片側にずれた位置で、回転子40が軸受21,22により支持されている。
【0032】
また、軸受ユニット20において回転子40の中心寄り(図の下側)の軸受22と、その逆側(図の上側)の軸受21とは、外輪25及び内輪26と玉27との間の隙間寸法が相違しており、例えば回転子40の中心寄りの軸受22の方が、その逆側の軸受21よりも隙間寸法が大きいものとなっている。この場合、回転子40の中心寄りの側において、回転子40の振れや、部品公差に起因するインバランスによる振動が軸受ユニット20に作用しても、その振れや振動の影響が良好に吸収される。具体的には、回転子40の中心寄り(図の下側)の軸受22において予圧により遊び寸法(隙間寸法)を大きくしていることで、片持ち構造において生じる振動がその遊び部分により吸収される。前記予圧は、定位置予圧、又は定圧予圧のいずれであっても良い。定位置予圧の場合、軸受21と軸受22の外輪25はいずれも保持部材23に対して、圧入、又は接着等の方法を用いて接合されている。また、軸受21と軸受22の内輪26はいずれも回転軸11に対して、圧入、又は接着等の方法を用いて接合されている。ここで軸受21の外輪25を軸受21の内輪26に対して軸方向に異なる位置に配置する事で予圧を発生させることができる。軸受22の外輪25を軸受22の内輪26に対して軸方向に異なる位置に配置する事でも予圧を発生させることができる。
【0033】
また定圧予圧を採用する場合には、軸方向において、軸受22と軸受21に挟まれた領域から軸受22の外輪25に向けて予圧が発生する様に予圧用バネ、例えばウェーブワッシャ24等を軸受22と軸受21に挟まれた同領域に配置する。この場合も、軸受21と軸受22の内輪26はいずれも回転軸11に対して、圧入、又は接着等の方法を用いて接合されている。軸受21、又は軸受22の外輪25は、保持部材23に対して所定のクリアランスを介して配置される。このような構成とすることで、軸受22の外輪25には軸受21から離れる方向に予圧用バネのバネ力が作用する。そして、この力が回転軸11を伝わることで、軸受21の内輪26を軸受22の方向に押し付ける力が作用する。これにより、軸受21,22ともに、外輪25と内輪26の軸方向の位置がずれ、前述した定位置予圧と同様に2つのベアリングに予圧を掛けることができる。
【0034】
なお、定圧予圧を発生させる際には、必ずしも図2に示す様に軸受22の外輪25にバネ力を印加する必要は無い。例えば、軸受21の外輪25にバネ力を印加しても良い。また軸受21,22のいずれかの内輪26を回転軸11に対して所定のクリアランスを介して配置し、軸受21,22の外輪25を保持部材23に対して圧入、又は接着等の方法を用いて接合することで、2つのベアリングに予圧を掛けても良い。
【0035】
更には、軸受21の内輪26が軸受22に対して離れるように力を作用させる場合には、軸受22の内輪26も軸受21に対して離れるように力を作用させる方が良い。逆に、軸受21の内輪26が軸受22に対して近づくように力を作用させる場合には、軸受22の内輪26も軸受21に対して近づくように力を作用させる方が良い。
【0036】
なお、本回転電機10を車両動力源等の目的で車両に適用する場合には、予圧を発生させる機構に対して予圧の発生方向の成分を持つ振動が加わる可能性や、予圧を印加する対象物に掛る重力の方向が変動してしまう可能性がある。その為、本回転電機10を車両に適用する場合には、定位置予圧を採用することが望ましい。
【0037】
また、中間部45は、環状の内側肩部49aと環状の外側肩部49bを有する。外側肩部49bは、中間部45の径方向において内側肩部49aの外側に位置している。内側肩部49aと外側肩部49bは、中間部45の軸方向において互いに離間している。これにより、中間部45の径方向において、円筒部43と固定部44とは部分的に重複している。つまり、固定部44の基端部(図の下側の奥側端部)よりも軸方向外側に、円筒部43が突出するものとなっている。本構成では、中間部45が段差無しで平板状に設けられる場合に比べて、回転子40の重心近くの位置で、回転軸11に対して回転子40を支持させることが可能となり、回転子40の安定動作が実現できるものとなっている。
【0038】
上述した中間部45の構成によれば、回転子40には、径方向において固定部44を囲みかつ中間部45の内寄りとなる位置に、軸受ユニット20の一部を収容する軸受収容凹部46が環状に形成されるとともに、径方向において軸受収容凹部46を囲みかつ中間部45の外寄りとなる位置に、後述する固定子50の固定子巻線51のコイルエンド54を収容するコイル収容凹部47が形成されている。そして、これら各収容凹部46,47が、径方向の内外で隣り合うように配置されるようになっている。つまり、軸受ユニット20の一部と、固定子巻線51のコイルエンド54とが径方向内外に重複するように配置されている。これにより、回転電機10において軸方向の長さ寸法の短縮が可能となっている。
【0039】
中間部45は、回転軸11側から径方向外側に張り出すように設けられている。そして、その中間部45に、軸方向に延び、固定子50の固定子巻線51のコイルエンド54に対する接触を回避する接触回避部が設けられている。中間部45が張出部に相当する。
【0040】
コイルエンド54は、径方向の内側又は外側に曲げられることで、そのコイルエンド54の軸方向寸法を小さくすることができ、固定子50の軸長を短縮することが可能である。コイルエンド54の曲げ方向は、回転子40との組み付けを考慮したものであるとよい。回転子40の径方向内側に固定子50を組み付けることを想定すると、その回転子40に対する挿入先端側では、コイルエンド54が径方向内側に曲げられるとよい。コイルエンド54の反対側のコイルエンドの曲げ方向は任意でよいが、空間的に余裕のある外側に曲げた形状が製造上好ましい。
【0041】
また、磁石部としての磁石ユニット42は、円筒部43の径方向内側において、周方向に沿って極性が交互に変わるように配置された複数の永久磁石により構成されている。これにより、磁石ユニット42は、周方向に複数の磁極を有する。ただし、磁石ユニット42の詳細については後述する。
【0042】
固定子50は、回転子40の径方向内側に設けられている。固定子50は、略筒状(環状)に巻回形成された固定子巻線51と、その径方向内側に配置されたベース部材としての固定子コア52とを有しており、固定子巻線51が、所定のエアギャップを挟んで円環状の磁石ユニット42に対向するように配置されている。固定子巻線51は複数の相巻線よりなる。それら各相巻線は、周方向に配列された複数の導線が所定ピッチで互いに接続されることで構成されている。本実施形態では、U相、V相及びW相の3相巻線と、X相、Y相及びZ相の3相巻線とを用い、それら3相の巻線を2つ用いることで、固定子巻線51が6相の相巻線として構成されている。
【0043】
固定子コア52は、軟磁性材である電磁鋼板が積層された積層鋼板により円環状に形成されており、固定子巻線51の径方向内側に組み付けられている。電磁鋼板は、例えば鉄に数%程度(例えば3%)の珪素を添加した珪素鋼板である。固定子巻線51が電機子巻線に相当し、固定子コア52が電機子コアに相当する。
【0044】
固定子巻線51は、径方向において固定子コア52に重複する部分であり、かつ固定子コア52の径方向外側となるコイルサイド部53と、軸方向において固定子コア52の一端側及び他端側にそれぞれ張り出すコイルエンド54,55とを有している。コイルサイド部53は、径方向において固定子コア52と回転子40の磁石ユニット42にそれぞれ対向している。回転子40の内側に固定子50が配置された状態では、軸方向両側のコイルエンド54,55のうち軸受ユニット20の側(図の上側)となるコイルエンド54が、回転子40の磁石ホルダ41により形成されたコイル収容凹部47に収容されている。ただし、固定子50の詳細については後述する。
【0045】
インバータユニット60は、ハウジング30に対してボルト等の締結具により固定されるユニットベース61と、そのユニットベース61に組み付けられる複数の電気コンポーネント62とを有している。ユニットベース61は、例えば炭素繊維強化プラスチック(CFRP)により構成されている。ユニットベース61は、ハウジング30の開口33の縁に対して固定されるエンドプレート63と、そのエンドプレート63に一体に設けられ、軸方向に延びるケーシング64とを有している。エンドプレート63は、その中心部に円形の開口65を有しており、開口65の周縁部から起立するようにしてケーシング64が形成されている。
【0046】
ケーシング64の外周面には固定子50が組み付けられている。つまり、ケーシング64の外径寸法は、固定子コア52の内径寸法と同じか、又は固定子コア52の内径寸法よりも僅かに小さい寸法になっている。ケーシング64の外側に固定子コア52が組み付けられることで、固定子50とユニットベース61とが一体化されている。また、ユニットベース61がハウジング30に固定されることからすると、ケーシング64に固定子コア52が組み付けられた状態では、固定子50がハウジング30に対して一体化された状態となっている。
【0047】
なお、固定子コア52は、ユニットベース61に対して接着、焼きばめ、圧入等により組み付けられているとよい。これにより、ユニットベース61側に対する固定子コア52の周方向又は軸方向の位置ずれが抑制される。
【0048】
また、ケーシング64の径方向内側は、電気コンポーネント62を収容する収容空間となっており、その収容空間には、回転軸11を囲むようにして電気コンポーネント62が配置されている。ケーシング64は、収容空間形成部としての役目を有している。電気コンポーネント62は、インバータ回路を構成する半導体モジュール66や、制御基板67、コンデンサモジュール68を具備する構成となっている。
【0049】
なお、ユニットベース61が、固定子50の径方向内側に設けられ、固定子50を保持する固定子ホルダ(電機子ホルダ)に相当する。ハウジング30及びユニットベース61により、回転電機10のモータハウジングが構成されている。このモータハウジングでは、回転子40を挟んで軸方向の一方側においてハウジング30に対して保持部材23が固定されるとともに、他方側においてハウジング30及びユニットベース61が互いに結合されている。例えば電気自動車である電動車両等においては、その車両等の側にモータハウジングが取り付けられることで、回転電機10が車両等に装着される。
【0050】
ここで、上記図1〜図5に加え、インバータユニット60の分解図である図6を用いて、インバータユニット60の構成をさらに説明する。
(【0051】以降は省略されています)

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