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公開番号2020025437
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200213
出願番号2019109846
出願日20190612
発明の名称蓄電池システム
出願人株式会社デンソー
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H02J 7/00 20060101AFI20200121BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】並列に接続されたスイッチング素子を適切に遮断する蓄電池システムを提供する。
【解決手段】蓄電池11と回転電機14とを接続する電気経路L1に設けられ、互いに並列接続された複数のMOSFET30を有するスイッチSW1と、MOSFET30においてゲート端子31とソース端子32との電圧差を付与することで、MOSFET30を閉状態にするMOSドライバ35と、MOSドライバ35に対して複数のMOSFET30の開閉指令信号を出力する制御部21と、スイッチSW1に流れる通電電流に基づいて、複数のMOSFET30の遮断要求を出力する比較器43及びタイマIC45と、比較器43及びタイマIC45から遮断要求が出力された場合に、複数のMOSFET30においてソース端子32の電圧をゲート端子31の電圧と同じにすることで、複数のMOSFET30を遮断する出力スイッチ52及び短絡スイッチ54,55とを備える。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
蓄電池(11,12)と電気機器(14)とを接続する電気経路(L1,L2)に設けられ、互いに並列接続された複数の半導体スイッチング素子(30)を有するスイッチ部(SW1,SW2)と、
前記複数の半導体スイッチング素子において制御端子(31)と、他の第1端子(32)及び第2端子(33)のうち前記第1端子との電圧差を付与することで、該半導体スイッチング素子を閉状態とする駆動回路(35)と、
前記駆動回路に対して前記複数の半導体スイッチング素子の開閉指令信号を出力する制御部(21)と、
前記スイッチ部に流れる通電電流に基づいて、前記複数の半導体スイッチング素子の遮断要求を出力する遮断要求出力部(43,45)と、
前記遮断要求出力部から前記遮断要求が出力された場合に、前記複数の半導体スイッチング素子において前記第1端子の電圧を前記制御端子の電圧と同じにすることで、当該複数の半導体スイッチング素子を遮断する遮断回路(52,54,55,60)と、
を備える蓄電池システム。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記遮断回路は、
前記複数の半導体スイッチング素子における前記制御端子と前記第1端子との間を短絡させる短絡経路に設けられ、前記短絡経路を開閉可能とする短絡スイッチ(54,55)を備え、
前記遮断要求出力部から前記遮断要求が出力された場合に、前記短絡スイッチを閉状態にすることで、前記第1端子の電圧を前記制御端子の電圧と同じにする請求項1に記載の蓄電池システム。
【請求項3】
前記遮断回路は、
前記複数の半導体スイッチング素子における前記制御端子と前記駆動回路との間の電気経路(L12)に接続されるとともに、前記第1端子に接続され、前記制御端子及び前記第1端子からの放電を行わせる放電回路(60)を備え、
前記遮断要求出力部から前記遮断要求が出力された場合に、前記放電回路により前記制御端子及び前記第1端子からの放電を行わせることで、前記第1端子の電圧を前記制御端子の電圧と同じにする請求項1に記載の蓄電池システム。
【請求項4】
前記駆動回路は、前記複数の半導体スイッチング素子のうち互いに並列となる半導体スイッチング素子ごとに設けられている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の蓄電池システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記スイッチ部に流れる通電電流に基づいて、前記複数の半導体スイッチング素子を遮断するための強制遮断信号を前記遮断回路に出力し、
前記遮断要求出力部は、前記スイッチ部に流れる通電電流に基づいて前記遮断要求を出力した後、少なくとも前記制御部から前記強制遮断信号が出力されるまでの間において前記遮断要求を維持する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の蓄電池システム。
【請求項6】
前記スイッチ部に流れる通電電流を検出し出力する電流検出回路を備えており、
前記電流検出回路は、前記スイッチ部に流れる通電電流を検出可能な検出部(41)と、前記検出部での検出結果を前記遮断要求出力部に出力する第1アンプ(42a)と、前記検出部での検出結果を前記制御部に出力する第2アンプ(42b)とを備える請求項5に記載の蓄電池システム。
【請求項7】
前記制御部であるメイン制御部(21)と、
前記メイン制御部を監視し、前記メイン制御部の監視結果に基づいて、前記複数の半導体スイッチング素子を開状態にする開指令信号を出力するサブ制御部(23)と、を備える請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の蓄電池システム。
【請求項8】
前記サブ制御部は、前記メイン制御部の監視結果に基づいて、前記開指令信号を前記遮断回路に出力する請求項7に記載の蓄電池システム。
【請求項9】
前記メイン制御部及び前記サブ制御部は、異なる電源装置に接続されており、それら異なる電源装置からそれぞれ電力が供給される構成となっている請求項7又は請求項8に記載の蓄電池システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池システムに関するものである。
続きを表示(約 11,000 文字)【背景技術】
【0002】
負荷を駆動する電源回路において、一般的に半導体スイッチング素子等を用いて電源回路の開閉の制御が行われる。このような電源回路は、例えば過電流が検出された場合に遮断されることがある。過電流が生じた場合に電源回路を遮断する技術として、例えば特許文献1の構成では、インバータ制御回路は、過電流が検出された回数に応じて、インバータを駆動するドライブ回路に停止信号を出力し、ドライブ回路からインバータへの制御信号を遮断するようにしている。これにより、所定回数以上過電流が検出された場合に、インバータへの制御信号を遮断することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015−186425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年では、電源経路の大電流化を図るべく、半導体スイッチング素子が並列化されることが提案されており、かかる場合には、過電流の発生に応じて半導体スイッチング素子を遮断させることに加え、以下の対応が必要になると考えられる。すなわち、例えば、過電流の発生時には、並列化された半導体スイッチング素子を同時にすべく、制御部は半導体スイッチング素子を開放する指令を各半導体スイッチング素子のドライバICに同時に出力する。しかしながら、実際に半導体スイッチング素子が開閉駆動される際には、ドライバICの個体差等に起因して、動作タイミングのばらつきが生じ、半導体スイッチング素子の開閉のタイミングに時間差が生じることが考えられる。仮に、並列化された半導体スイッチング素子が同時に開放されないと、閉じられた状態の半導体スイッチング素子に過度な負荷がかかるといった不都合が生じる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、並列に接続されたスイッチング素子を適切に遮断する蓄電池システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の手段では、蓄電池(11,12)と電気機器(14)とを接続する電気経路(L1,L2)に設けられ、互いに並列接続された複数の半導体スイッチング素子(30)を有するスイッチ部(SW1,SW2)と、前記複数の半導体スイッチング素子において制御端子(31)と、他の第1端子(31)及び第2端子(32)のうち前記第1端子との電圧差を付与することで、該半導体スイッチング素子を閉状態とする駆動回路(35)と、前記駆動回路に対して前記複数の半導体スイッチング素子の開閉指令信号を出力する制御部(21)と、前記スイッチ部に流れる通電電流に基づいて、前記複数の半導体スイッチング素子の遮断要求を出力する遮断要求出力部(43,45)と、前記遮断要求出力部から前記遮断要求が出力された場合に、前記複数の半導体スイッチング素子において前記第1端子の電圧を前記制御端子の電圧と同じにすることで、当該複数の半導体スイッチング素子を遮断する遮断回路(52,54,55,60)と、を備える。
【0007】
本手段では、ソフトウェアで作動する制御部の開閉指令信号に基づく半導体スイッチング素子の開閉ではなく、遮断要求出力部と遮断回路というハードウェアによって複数の半導体スイッチング素子を遮断することで、通電電流に基づく遮断を素早く行うことができる。
【0008】
また、並列接続された半導体スイッチング素子の駆動回路によって半導体スイッチング素子を遮断するのではなく、遮断回路によって、第1端子の電圧を制御端子の電圧と同じにすることで、半導体スイッチング素子に流れる電流を遮断する。そのため、駆動回路の個体差等によって、並列接続された半導体スイッチング素子の遮断タイミングにばらつきがでることを抑制できる。
【0009】
駆動回路による制御端子への電圧の印加が停止される場合には、第1端子側の電圧が、サージ電流等に起因して引き下げられることで、制御端子と第1端子の間で電位差が発生し、引き続き半導体スイッチング素子に電流が流れてしまう可能性がある。これに対して、本手段では、第1端子の電圧を制御端子の電圧と同じにしていることから、半導体スイッチング素子に流れる電流を遮断することができる。
【0010】
このように、駆動回路から制御端子に印加する電圧を停止するのではなく、遮断回路によって、第1端子の電圧を制御端子の電圧に等しくすることで、適切に遮断することができる。
【0011】
第2の手段では、前記遮断回路は、前記複数の半導体スイッチング素子における前記制御端子と前記第1端子との間を短絡させる短絡経路に設けられ、前記短絡経路を開閉可能とする短絡スイッチ(54,55)を備え、前記遮断要求出力部から前記遮断要求が出力された場合に、前記短絡スイッチを閉状態にすることで、前記第1端子の電圧を前記制御端子の電圧と同じにする。
【0012】
制御端子と第1端子との間を短絡させる短絡経路に、短絡スイッチを設ける構成とした。これにより、遮断要求出力部から遮断要求が出力された場合に、短絡スイッチを閉状態にすることで、制御端子と第1端子との間を短絡し、第1端子の電圧を制御端子の電圧と同じにすることで、半導体スイッチング素子に流れる電流を遮断することができる。
【0013】
第3の手段では、前記遮断回路は、前記複数の半導体スイッチング素子における前記制御端子と前記駆動回路との間の電気経路(L12)に接続されるとともに、前記第1端子に接続され、前記制御端子及び前記第1端子からの放電を行わせる放電回路(60)を備え、前記遮断要求出力部から前記遮断要求が出力された場合に、前記放電回路により前記制御端子及び前記第1端子からの放電を行わせることで、前記第1端子の電圧を前記制御端子の電圧と同じにする。
【0014】
制御端子及び第1端子からの放電を行わせる放電回路を備える構成とした。これにより、遮断要求出力部から遮断要求が出力された場合に、放電回路により制御端子及び第1端子からの放電を行わせる。そして、放電によって、第1端子の電圧を制御端子の電圧と同じにすることで、半導体スイッチング素子に流れる電流を遮断することができる。
【0015】
第4の手段では、前記駆動回路は、前記複数の半導体スイッチング素子のうち互いに並列となる半導体スイッチング素子ごとに設けられている。
【0016】
互いに並列になる半導体スイッチング素子ごとに駆動回路を設けることで、駆動回路の冗長性を確保することができ、1つの駆動回路に異常が生じた場合であっても、並列になる半導体スイッチング素子を駆動させることができる。しかしながら、このように並列になる半導体スイッチング素子ごとに駆動回路が設けられている構成では、駆動回路の個体差による並列接続された半導体スイッチング素子の同時遮断の問題が生じやすくなる。そのため、上記第1の手段を用いるのに好適である。
【0017】
第5の手段では、前記制御部は、前記スイッチ部に流れる通電電流に基づいて、前記複数の半導体スイッチング素子を遮断するための強制遮断信号を前記遮断回路に出力し、前記遮断要求出力部は、前記スイッチ部に流れる通電電流に基づいて前記遮断要求を出力した後、少なくとも前記制御部から前記強制遮断信号が出力されるまでの間において前記遮断要求を維持する。
【0018】
遮断要求に伴い半導体スイッチング素子を遮断する場合には、先に遮断回路で遮断され、その状態が維持されて、その後、制御部からの強制遮断信号によって半導体スイッチング素子の遮断状態が維持される。この場合、制御部でも把握できることで、遮断回路による素早い対処を可能としつつ、システムとして適正なフェイルセーフ等の実施が可能となる。
【0019】
第6の手段では、前記スイッチ部に流れる通電電流を検出し出力する電流検出回路を備えており、前記電流検出回路は、前記スイッチ部に流れる通電電流を検出可能な検出部(41)と、前記検出部での検出結果を前記遮断要求出力部に出力する第1アンプ(42a)と、前記検出部での検出結果を前記制御部に出力する第2アンプ(42b)とを備える。
【0020】
スイッチ部に流れる通電電流を検出する検出部と、検出部での検出結果を遮断要求出力部に出力する第1アンプと、制御部に出力する第2アンプとを別に備えることで、電流検出回路の冗長性を確保できる。
【0021】
第7の手段は、前記制御部であるメイン制御部と、前記メイン制御部を監視し、前記メイン制御部の監視結果に基づいて、前記複数の半導体スイッチング素子を開状態にする開指令信号を出力するサブ制御部と、を備える。
【0022】
サブ制御部は、メイン制御部を監視し、メイン制御部の監視結果に基づいて、半導体スイッチング素子を開状態にする開指令信号を出力する。これにより、半導体スイッチング素子を開状態にする指令を出力する構成が冗長化され、メイン制御部で適切な制御が行えない場合には、サブ制御部により電気経路に電流が流れないようにされる。そのため、蓄電池の過充電や過放電を抑制することができる。また、蓄電池システムにおいて、過電流が流れた場合に遮断を適切に行う対応に加え、メイン制御部に異常が生じた場合の好適な対応が可能となり、システム信頼性を高めることができる。
【0023】
第8の手段は、前記サブ制御部は、前記メイン制御部の監視結果に基づいて、前記開指令信号を前記遮断回路に出力する。
【0024】
サブ制御回路は、メイン制御部の監視結果に基づいて、半導体スイッチング素子を開状態にする開指令信号を遮断回路に出力する構成としている。これにより、サブ制御部は、駆動回路とは別機構により半導体スイッチング素子を開状態にすることができる。そのため、メイン制御部が駆動回路に対してどのような制御指令を出していても、確実に半導体スイッチング素子を開状態にすることができる。
【0025】
第9の手段は、前記メイン制御部及び前記サブ制御部は、異なる電源装置に接続されており、それら異なる電源装置からそれぞれ電力が供給される構成となっている。
【0026】
メイン制御部とサブ制御部とは、異なる電源装置に接続されており、それら異なる電源装置からそれぞれ電力が供給される。これにより、仮に一方の電源装置の故障等によりメイン制御部に電源装置から電力の供給がされなくなっても、サブ制御部によって半導体スイッチング素子を開状態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
蓄電池システムの概略図
第1実施形態でのスイッチ部の遮断構成を示す概略図
制御部の処理手順を示すフローチャート
蓄電池システムの処理を示すタイムチャート
第2実施形態でのスイッチ部の遮断構成を示す概略図
第3実施形態でのスイッチ部の遮断構成を示す概略図
第4実施形態でのスイッチ部の構成を示す概略図
他の実施形態でのスイッチ部の遮断構成を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0028】
<第1実施形態>
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付している。本実施形態では、エンジン(内燃機関)を駆動源として走行する車両において、当該車両の各種機器に電力を供給する車載電源システムを具体化するものとしている。
【0029】
図1に示すように、電源システムは、第1蓄電池としての鉛蓄電池11と第2蓄電池としてのリチウムイオン蓄電池12とを有する2電源システムである。各蓄電池11,12からはスタータ13や、回転電機14、各種の電気負荷15への給電が可能となっている。また、各蓄電池11,12に対しては回転電機14による充電が可能となっている。電源システムでは、回転電機14に対して並列に鉛蓄電池11及びリチウムイオン蓄電池12が接続されるとともに、電気負荷15に対して並列に鉛蓄電池11及びリチウムイオン蓄電池12が接続されている。本実施形態では、鉛蓄電池11及びリチウムイオン蓄電池12が「蓄電池」に相当し、回転電機14が「電気機器」に相当する。
【0030】
鉛蓄電池11は周知の汎用蓄電池である。これに対し、リチウムイオン蓄電池12は、鉛蓄電池11に比べて、充放電における電力損失が少なく、出力密度、及びエネルギ密度の高い高密度蓄電池である。リチウムイオン蓄電池12は、鉛蓄電池11に比べて充放電時のエネルギ効率が高い蓄電池であるとよい。また、リチウムイオン蓄電池12は、それぞれ複数の単電池を有してなる組電池として構成されている。これら各蓄電池11,12の定格電圧はいずれも同じであり、例えば12Vである。
【0031】
図示による具体的な説明は割愛するが、リチウムイオン蓄電池12は、収容ケースに収容されて基板一体の電池ユニットUとして構成されている。図1では、電池ユニットUを破線で囲んで示す。電池ユニットUは、外部端子P0,P1,P2を有しており、このうち外部端子P0に鉛蓄電池11とスタータ13が接続され、外部端子P1に回転電機14が接続され、外部端子P2に電気負荷15が接続されている。なお、外部端子P0は、ヒューズ16を介して鉛蓄電池11に接続されており、外部端子P2は、ヒューズ17を介して電気負荷15と接続されている。本実施形態では、電池ユニットUが「蓄電池システム」に相当する。
【0032】
回転電機14は、3相交流モータや電力変換装置としてのインバータを有するモータ機能付き発電機であり、機電一体型のISG(Integrated Starter Generator)として構成されている。回転電機14は、エンジン出力軸や車軸の回転により発電(回生発電)を行う発電機能と、エンジン出力軸に回転力を付与する力行機能とを備えている。回転電機14の力行機能により、アイドリングストップ中、自動停止されているエンジンを再始動させる際に、エンジンに回転力を付与することができる。回転電機14は、発電電力を各蓄電池11,12や電気負荷15に供給する。
【0033】
電気負荷15には、供給電力の電圧が一定、又はあらかじめ決められた範囲内で変動することが要求される定電圧負荷が含まれる。定電圧要求負荷である電気負荷15の具体例としては、ナビゲーション装置やオーディオ装置、メータ装置、エンジンECU等の各種ECUが挙げられる。この場合、供給電力の電圧変動が抑えられることで、上記各装置において不要なリセット等が生じることが抑制され、安定動作が実現可能となっている。電気負荷15として、電動ステアリング装置やブレーキ装置等の走行系アクチュエータが含まれていてもよい。
【0034】
次に、電池ユニットUについて説明する。電池ユニットU内の電気経路として、各外部端子P0,P1を繋ぐ電気経路L1と、電気経路L1上の接続点N1とリチウムイオン蓄電池12とを繋ぐ電気経路L2とが設けられている。このうち電気経路L1にスイッチSW1が設けられ、電気経路L2にスイッチSW2が設けられている。電気経路L1,L2は、回転電機14に対する入出力電流を流すことを想定した大電流経路であり、この電気経路L1,L2を介して、各蓄電池11,12と回転電機14との間の相互の通電が行われる。本実施形態では、スイッチSW1,SW2が「スイッチ部」に相当する。スイッチSW1,SW2は、互いに並列する複数の半導体スイッチング素子を有するものであるが、その詳細は後述する。
【0035】
また、本実施形態の電池ユニットUでは、電気経路L1,L2以外に、電気経路L1上の接続点N2(外部端子P0とスイッチSW1との間の点)と、外部端子P2と、を接続する電気経路L3を有している。電気経路L3により、鉛蓄電池11から電気負荷15への電力供給を可能とする経路が形成されている。電気経路L3(詳しくは接続点N2−接続点N4の間)には、スイッチSW3が設けられている。
【0036】
また、電池ユニットUでは、電気経路L2の接続点N3(スイッチSW2とリチウムイオン蓄電池12の間の点)と、電気経路L3上の接続点N4(スイッチSW3と外部端子P2の間の点)と、を接続する電気経路L4が設けられている。電気経路L4により、リチウムイオン蓄電池12から電気負荷15への電力供給を可能とする経路が形成されている。電気経路L4(詳しくは接続点N3−接続点N4の間)には、スイッチSW4が設けられている。
【0037】
各スイッチSW3,SW4は、それぞれ2つ一組の半導体スイッチング素子を備えている。半導体スイッチング素子は、MOSFETであり、その2つ一組のMOSFETの寄生ダイオードが互いに逆向きになるように直列に接続されている。このように寄生ダイオードが互いに逆向きになるように各スイッチSW3,SW4が構成されることで、例えばスイッチSW3がオフとなった場合において、寄生ダイオードを通じて電流が流れることが完全に遮断される。なお、スイッチSW3,SW4に用いる半導体スイッチング素子として、MOSFETに代えて、IGBTやバイポーラトランジスタ等を用いることも可能である。IGBTやバイポーラトランジスタを用いた場合には、上記寄生ダイオードの代わりとなるダイオードをそれぞれ並列に接続させればよい。
【0038】
また、電池ユニットUには、ユニット内のスイッチSW3を介さずに、鉛蓄電池11を電気負荷15に接続可能とするバイパス経路Bが設けられている。つまり、バイパス経路Bは、電気経路L3上のスイッチSW3を迂回するように、設けられている。バイパス経路Bの一端はユニット内部において電気経路L1上の接続点N2に接続され、他端はユニット内部において電気経路L3上の接続点N4と外部端子P2の間に接続されている。バイパス経路Bには、バイパス経路Bを通電又は通電遮断の状態とするバイパス開閉回路REが設けられている。バイパス開閉回路REは、例えば常閉式のメカニカルリレーを有する。バイパス開閉回路REによって、バイパス経路Bを通電の状態にすれば、スイッチSW3がオフされている状況下にあっても、バイパス経路Bを介して、鉛蓄電池11から電気負荷15への電力供給が可能となっている。
【0039】
電池ユニットUは、各スイッチSW1〜SW4や、バイパス開閉回路REを制御する制御部21を備えている。制御部21は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等を含むマイコンにより構成されている。
【0040】
制御部21は、各蓄電池11,12の蓄電状態等に基づいて、各スイッチSW1〜SW4等を制御する。例えば、制御部21は、リチウムイオン蓄電池12のSOC(残存容量:State Of Charge)を算出する。そして、制御部21は、そのSOCが所定の使用範囲内に維持されるように、各スイッチSW1〜SW4を制御して、開閉指令信号を出力し、鉛蓄電池11とリチウムイオン蓄電池12の充電及び放電を制御する。すなわち、制御部21は、鉛蓄電池11とリチウムイオン蓄電池12とを選択的に用いて充放電を実施する。
【0041】
また、制御部21は、電池ユニットUに関する異常判定を行う。例えば、制御部21は、リチウムイオン蓄電池12に異常が生じていないかを監視する。具体的には、電流センサや温度センサを用い、リチウムイオン蓄電池12に過電流が流れていることや、リチウムイオン蓄電池12の温度が過上昇していることを検出し、こうした異常判定時にフェイルセーフ処理を実施する。フェイルセーフ処理として、例えば、全スイッチSW1〜SW4をオフ状態にした上で、バイパス経路Bを通電状態としたり、他ECUへ異常を通知したりする。また、制御部21は、各スイッチSW1〜SW4での異常についても判定する。
【0042】
制御部21には、例えばエンジンECUからなるECU22が接続されている。ECU22は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等を含むマイコンにより構成されており、都度のエンジン運転状態や車両走行状態に基づいてエンジンの運転を制御する。制御部21及びECU22は、CAN等の通信ネットワークにより接続されて相互に通信可能となっており、制御部21及びECU22に記憶される各種データが互いに共有できるものとなっている。
【0043】
次に、各スイッチSW1,SW2において、通電電流を検出し、遮断するための構成について説明する。図2は、スイッチSW1において、通電電流を検出し、遮断するための構成の概略図である。破線で囲われた部分がスイッチSW1を示す。なお、便宜上スイッチSW1を用いて説明するが、スイッチSW2の場合でも、接続される蓄電池が、鉛蓄電池11ではなくリチウムイオン蓄電池12となり、スイッチSW1が設けられた電気経路L1が電気経路L2となるだけで、その構成は同様である。
【0044】
スイッチSW1には、4つのMOSFET30a〜30dが用いられている。各MOSFET30a〜30dは、周知の大電力用のn型のMOSFETであって、常開式の半導体スイッチング素子であり、ゲート端子31、ソース端子32、ドレイン端子33を備えている。そして、ドレイン端子33とソース端子32との間に流れる電流を、ゲート端子31とソース端子32との端子間の電圧によって制御する。また、ソース端子32とドレイン端子33との間には、MOSFETのPN接合に起因した寄生ダイオード34が設けられている。本実施形態では、MOSFET30a〜30dが「半導体スイッチング素子」に相当する。また、ゲート端子31が「制御端子」に相当し、ソース端子32が「第1端子」に相当し、ドレイン端子33が「第2端子」に相当する。なお、以下の説明では、MOSFET30a〜30dをまとめてMOSFET30とも記す。
【0045】
MOSFET30を駆動するための駆動回路として、ゲート端子31にMOSドライバ35が経路L12によって接続されている。MOSドライバ35は、MOSFET30ごとに設けられており、本実施形態では4つ設けられている。MOSドライバ35は、制御部21の開閉指令信号に基づいて、MOSFET30を駆動する。具体的には、制御部21によりMOSFET30をオンにする(閉状態として電流を流す)指令が出た場合には、ゲート端子31に対して所定の電圧を印加し、制御部21によりMOSFET30をオフにする(開状態として電流を流さない)指令が出た場合には、ゲート端子31に印加する電圧を0とする。本実施形態では、MOSドライバ35が「駆動回路」に相当する。
【0046】
なお、MOSドライバ35は、MOSFET30ごとに個別に設けるのではなく、複数のMOSFET30のうち互いに並列となるMOSFET30ごとに設けられてもよい。つまり、MOSFET30a,30bを同じMOSドライバ35で駆動し、MOSFET30c,30dを同じMOSドライバ35で駆動するようにしてもよい。このようにすることで、MOSドライバ35の冗長性を確保することができる。そのため、仮に一つのMOSドライバ35に異常が発生しても、そのMOSドライバ35が駆動するMOSFET30と並列に接続されたMOSFET30の経路では、MOSFET30の開閉を行い、電流を流すことができる。
【0047】
スイッチSW1が設けられた電気経路L1は、分岐点N11で、経路L11a,L11bに並列に分岐し、接続点N12で、経路L11a,L11bが合流して、再び電気経路L1となる。スイッチSW1では、経路L11aにMOSFET30a,30bが設けられ、経路L11bにMOSFET30c,30dが設けられている。つまり、MOSFET30a,30cが並列に接続され、それぞれのMOSFET30a,30cにMOSFET30b,30dが直列に接続されている。すなわち、経路L11a上で直列に接続されたMOSFET30a,30bと、経路L11b上で直列に接続されたMOSFET30c,30dと、の組が並列に接続されている。また、これらのMOSFET30a,30bは、寄生ダイオード34が互いに逆向きとなるように直列に接続されている。MOSFET30c、30dも同様である。なお、本実施形態では、並列に接続されたMOSFET30の組に設けられた直列に接続されたMOSFET30の数は同じになっている。
【0048】
また、直列に接続されたMOSFET30a,30bの間には、この経路L11aに流れる電流を測定するための抵抗41が設けられている。つまり、経路L11a上で、MOSFET30aと抵抗41とMOSFET30bとが、直列に接続された状態で設けられている。MOSFET30c、30dとの間にも同様に抵抗41が設けられている。そして、抵抗41の両端には、抵抗41の両端での端子間電圧を検出するためのアンプ42が接続されている。この抵抗41とアンプ42が、各経路L11a,L11b(スイッチSW1)に流れる電流を検出し出力する「電流検出回路」となっている。
【0049】
アンプ42で検出された検出電圧V(抵抗41の両端での電圧)が、制御部21と比較器43とに出力される。制御部21と比較器43とでは、検出電圧Vに基づいて、電気経路L1に過電流が流れたかどうかが判定される。また、比較器43には、基準電圧回路44から所定の2種類の基準電圧Vref1,Vref2が入力される。鉛蓄電池11から回転電機14に電流が流れる場合の基準電圧Vref1と、回転電機14から鉛蓄電池11に電流が流れる場合の基準電圧Vref2との2種類が基準電圧回路44から比較器43に入力される。そして、比較器43では、基準電圧Vref1,Vref2とアンプ42での検出電圧Vとを比較し、比較結果に基づいて、タイマIC45に比較結果を出力する。ここで、基準電圧Vref1,Vref2の絶対値よりも、検出電圧Vの絶対値が大きい場合には、比較結果としてオン信号を出力し、基準電圧Vref1,2の絶対値よりも、検出電圧Vの絶対値が大きい場合には、オフ信号を出力する。タイマIC45は、比較器43から比較結果としてオン信号が入力されると、一定時間、遮断要求としてオン信号を出力し続ける。本実施形態の比較器43とタイマIC45とが「遮断要求出力部」に相当する。
【0050】
タイマIC45から出力された遮断要求(オン信号)は、ダイオードを介してバイポーラトランジスタ51で所定電圧に増幅されて、出力スイッチ52を駆動させる。出力スイッチ52は、常開式の半導体スイッチング素子で、p型のMOSFETが用いられている。ツェナーダイオードを向い合せに接続した素子と、コンデンサと、抵抗が、出力スイッチ52のゲート端子とソース端子とに並列になるように接続されている。なお、バイポーラトランジスタ51のベース及びベースエミッタ間に抵抗が接続されているが、バイポーラトランジスタ51をこれらの抵抗を内蔵した抵抗内蔵型トランジスタとしてもよい。また、出力スイッチ52は、n型のMOSFETやIGBT等の他の半導体スイッチング素子でもよい。
(【0051】以降は省略されています)

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