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公開番号2020025431
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200213
出願番号2019030142
出願日20190222
発明の名称ワンコンバータ方式の絶縁型スイッチング電源
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人
主分類H02M 3/28 20060101AFI20200121BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】スパイク電圧を抑制し、スイッチング制御を簡素化するワンコンバータ方式の絶縁型スイッチング電源を提供する。
【解決手段】ワンコンバータ方式の絶縁型スイッチング電源は、トランスTと、一次側スイッチング素子A1、A2、B1、B2と、トランスの二次側に接続された少なくとも1つのリアクトルLA、LBと、トランスTの二次側に接続された平滑コンデンサCと、を有する。リアクトルの一端が二次コイルの一端に接続されており、さらに、リアクトルの一端と基準電位端との間に接続された第1の整流要素D1と、リアクトルの他端と出力端との間に接続された第2の整流要素D2と、二次コイルの他端と基準電位端との間に接続された第3の整流要素D3と、リアクトルの他端と基準電位端との間の電流路を導通又は遮断するべく一次側スイッチング素子と同じタイミングで制御される二次側スイッチング素子A3と、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
同極性に巻かれた一次コイルと二次コイルとを有するトランスと、
前記一次コイルを含む電流路を導通又は遮断するべく制御される少なくとも1つの一次側スイッチング素子と、
前記トランスの二次側に接続された少なくとも1つのリアクトルと、
前記トランスの二次側の出力端と基準電位端との間に接続された平滑コンデンサと、を有するワンコンバータ方式の絶縁型スイッチング電源において、
前記リアクトルの一端が前記二次コイルの一端に接続されており、さらに、
前記リアクトルの一端と前記基準電位端との間に接続された第1の整流要素と、
前記リアクトルの他端と前記出力端との間に接続された第2の整流要素と、
前記二次コイルの他端と前記基準電位端との間に接続された第3の整流要素と、
前記リアクトルの他端と前記基準電位端との間の電流路を導通又は遮断するべく前記一次側スイッチング素子と同じタイミングで制御される少なくとも1つの二次側スイッチング素子と、を有することを特徴とするワンコンバータ方式の絶縁型スイッチング電源。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記少なくとも1つの一次側スイッチング素子が、前記一次コイルの電流をそれぞれ導通又は遮断するように互いに背反的に制御される、少なくとも1つの第1グループの一次側スイッチング素子及び少なくとも1つの第2グループの一次側スイッチング素により構成され、
前記二次コイルの他端にその一端を接続された第2のリアクトルと、
前記第2のリアクトルの他端と前記出力端との間に接続された第4の整流要素と、
前記第2のリアクトルの他端と前記基準電位端との間の電流路を導通又は遮断するべく制御される第2の二次側スイッチング素子と、をさらに有し、
一方の前記二次側スイッチング素子が前記第1グループの一次側スイッチング素子と同じタイミングで制御されると共に、他方の前記二次側スイッチング素子が前記第2グループの一次側スイッチング素子と同じタイミングで制御されることを特徴
【請求項3】
さらに第3のリアクトルと第5の整流要素とを有し、前記第3のリアクトルの一端が前記二次コイルの一端に接続され、前記第5の整流要素が、前記第3のリアクトルの他端と前記出力端との間に接続されており、かつ、
さらに第4のリアクトルと第6の整流要素とを有し、前記第4のリアクトルの一端が前記二次コイルの他端に接続され、前記第6の整流要素が、前記第4のリアクトルの他端と前記出力端との間に接続されていることを特徴とする請求項2に記載のワンコンバータ方式の絶縁型スイッチング電源。
【請求項4】
前記二次コイルの他端と出力端との間に接続された第4の整流要素をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のワンコンバータ方式の絶縁型スイッチング電源。
【請求項5】
前記第3の整流要素が、前記一次側スイッチング素子と同期して制御されるスイッチング素子であることを特徴とする請求項4に記載のワンコンバータ方式の絶縁型スイッチング電源。
【請求項6】
さらに第2のリアクトルと第5の整流要素とを有し、前記第2のリアクトルの一端が前記二次コイルの一端に接続され、前記第5の整流要素が、前記第2のリアクトルの他端と前記出力端との間に接続されていることを特徴とする請求項4又は5に記載のワンコンバータ方式の絶縁型スイッチング電源。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ワンコンバータ方式の絶縁型スイッチング電源に関する。
続きを表示(約 10,000 文字)【背景技術】
【0002】
交流を直流に電力変換するスイッチング電源として、力率改善回路としての非絶縁型昇圧コンバータとその後段の絶縁型DC/DCコンバータとからなるツーコンバータ方式の絶縁型スイッチング電源が知られている。後段の絶縁型DC/DCコンバータの代表的な方式として、フォワード方式とフライバック方式がある。大出力電源にはフォワード方式が適している。
【0003】
一方、特許文献1、2等のように、非絶縁型昇圧コンバータと後段の絶縁型DC/DCコンバータを1つに統合したワンコンバータ方式のスイッチング電源も知られている。
【0004】
また、絶縁型スイッチング電源の一次側のスイッチング素子は、原理的には1つでよいが、大出力化やスイッチング素子の耐圧特性の軽減のために、特許文献3等のように複数のスイッチング素子からなるフルブリッジ回路やプッシュプル回路等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平5−236749号公報
特開2002−300780号公報
特開2015−70716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来のワンコンバータ方式の絶縁型スイッチング電源には、幾つかの問題点がある。力率を良好とするフライバック方式を採用した場合、スイッチング素子のオフ時に生じるフライバック電圧に大きなスパイク電圧が加重されるため、一次側のスイッチング素子に耐圧特性が要求される。
【0007】
また、スイッチング電源の大出力化を図るためにフォワード方式を採用した場合、スイッチング素子のオン時にトランスの二次コイルに生じる起電圧が、出力端の平滑コンデンサの電圧を超えたときにのみ出力電流が流れる。従って、二次コイルの起電圧が小さい範囲では電流が出力されず、このことが力率を悪化させる。
【0008】
さらに、フルブリッジ方式及び/又は同期整流方式等を採用した場合、一次側と二次側のスイッチングタイミングの調整やデッドタイム制御等の精密かつ煩雑な制御が必要であった。
【0009】
以上の現状から、本発明は、ワンコンバータ方式の絶縁型スイッチング電源において、スイッチング素子のオフ時に生じるスパイク電圧を抑制し、一次側と二次側のスイッチング制御を簡素化し、かつ力率を良好とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するべく、本発明は、以下の構成を提供する。
・本発明の態様は、同極性に巻かれた一次コイルと二次コイルとを有するトランスと、
前記一次コイルを含む電流路を導通又は遮断するべく制御される少なくとも1つの一次側スイッチング素子と、
前記トランスの二次側に接続された少なくとも1つのリアクトルと、
前記トランスの二次側の出力端と基準電位端との間に接続された平滑コンデンサと、を有するワンコンバータ方式の絶縁型スイッチング電源において、
前記リアクトルの一端が前記二次コイルの一端に接続されており、さらに、
前記リアクトルの一端と前記基準電位端との間に接続された第1の整流要素と、
前記リアクトルの他端と前記出力端との間に接続された第2の整流要素と、
前記二次コイルの他端と前記基準電位端との間に接続された第3の整流要素と、
前記リアクトルの他端と前記基準電位端との間の電流路を導通又は遮断するべく前記一次側スイッチング素子と同じタイミングで制御される少なくとも1つの二次側スイッチング素子と、を有する。
・ 第1の好適な形態では、前記少なくとも1つの一次側スイッチング素子が、前記一次コイルの電流をそれぞれ導通又は遮断するように互いに背反的に制御される、少なくとも1つの第1グループの一次側スイッチング素子及び少なくとも1つの第2グループの一次側スイッチング素により構成され、
前記二次コイルの他端にその一端を接続された第2のリアクトルと、
前記第2のリアクトルの他端と前記出力端との間に接続された第4の整流要素と、
前記第2のリアクトルの他端と前記基準電位端との間の電流路を導通又は遮断するべく制御される第2の二次側スイッチング素子と、をさらに有し、
一方の前記二次側スイッチング素子が前記第1グループの一次側スイッチング素子と同じタイミングで制御されると共に、他方の前記二次側スイッチング素子が前記第2グループの一次側スイッチング素子と同じタイミングで制御される。
・ 上記第1の好適な形態において、さらに好適には、さらに第3のリアクトルと第5の整流要素とを有し、前記第3のリアクトルの一端が前記二次コイルの一端に接続され、前記第5の整流要素が、前記第3のリアクトルの他端と前記出力端との間に接続されており、かつ、
さらに第4のリアクトルと第6の整流要素とを有し、前記第4のリアクトルの一端が前記二次コイルの他端に接続され、前記第6の整流要素が、前記第4のリアクトルの他端と前記出力端との間に接続されている。
・ 第2の好適な形態では、前記二次コイルの他端と出力端との間に接続された第4の整流要素をさらに有する。
・ 上記第2の好適な形態において、さらに好適には、前記第3の整流要素が、前記一次側スイッチング素子と同期して制御されるスイッチング素子である。
・ 上記第2の好適な形態において、さらに好適には、さらに第2のリアクトルと第5の整流要素とを有し、前記第2のリアクトルの一端が前記二次コイルの一端に接続され、前記第5の整流要素が、前記第2のリアクトルの他端と前記出力端との間に接続されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によるワンコンバータ方式の絶縁型スイッチング電源は、スイッチング素子のオフ時に生じるスパイク電圧を抑制し、一次側と二次側のスイッチング制御を簡素化し、力率を良好とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1は、本発明の絶縁型スイッチング電源の第1の実施形態の回路例の概略構成図である。
図2は、図1の回路におけるタイミング図である。
図3(a)(b)は、図1の回路におけるモードIaとモードIIaの期間に流れる電流を概略的に示している。
図4(a)(b)は、図1の回路におけるモードIbとモードIIbの期間に流れる電流を概略的に示している。
図5は、本発明の絶縁型スイッチング電源の第2の実施形態の回路例を概略的に示した図である。
図6は、図5の回路におけるタイミング図である。
図7(a)(b)は、図5の回路におけるモードIとモードIIの期間に流れる電流を概略的に示している。
図8は、本発明の絶縁型スイッチング電源の第3の実施形態の回路例の概略構成図である。
図9は、図8の回路におけるタイミング図である。
図10(a)(b)は、図8の回路におけるモードIaとモードIIaの期間に流れる電流を概略的に示している。
図11(a)(b)は、図8の回路におけるモードIbとモードIIbの期間に流れる電流を概略的に示している。
図12は、本発明の絶縁型スイッチング電源の第4の実施形態の回路例を概略的に示した図である。
図13は、図12の回路におけるタイミング図である。
図14(a)(b)は、図12の回路におけるモードIとモードIIの期間に流れる電流を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、例として示した図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図面中、各実施形態における同一又は類似の構成要素については、同一又は類似の符号を付している。また、本明細書では、各実施形態に共通する説明は、初出の実施形態でのみ行う場合がある。
【0014】
本発明のワンコンバータ方式の絶縁型スイッチング電源は、好適例ではAC/DCコンバータである。従って、典型的な入力電圧は、正弦波の交流電圧を整流したものである。しかしながら、本発明のスイッチング電源は、入力電圧が、正弦波以外の方形波若しくは三角波の電圧、又は一定電圧のときも、同様に機能することができる。
【0015】
(1)第1の実施形態
(1−1)第1の実施形態の回路構成
図1は、本発明のワンコンバータ方式の絶縁型スイッチング電源の第1の実施形態の回路例を概略的に示している。
【0016】
<トランスTの一次側の構成>
図1の絶縁型スイッチング電源は、一例として正弦波の交流電圧を全波整流した入力電圧が入力端子1、2に入力される。ここでの交流電圧は、例えば、系統電源又は各種の発電装置で生成される数Hz〜数十Hz程度の周波数を有する正弦波である。しかしながら、入力電圧の波形は正弦波に限られず、正の電位をもつ任意の波形とすることができる。また、全波整流に替えて半波整流した入力電圧でもよい。なお、交流電圧を整流する整流部は、周知であるので図示及び説明を省略する。
【0017】
トランスTは、一次コイルN1と二次コイルN2が同極性に巻かれたトランスである(コイルの巻き始端を黒丸で示す)。これは、いわゆるフォワードトランスである。トランスTの一次側には、入力電圧により一次コイルN1に流れる電流を導通又は遮断するべくそれぞれオンオフ制御される複数のスイッチング素子を含むスイッチング部が設けられている。
【0018】
図1のスイッチング部は、フルブリッジ回路を構成している。このフルブリッジ回路は、4個のスイッチング素子A1、A2、B1、B2を有し、ここでは一例としてNチャネルMOSFETである。フルブリッジ回路は、大出力のスイッチング電源に好適である。スイッチング素子A1、A2が、同時にオンオフ制御される第1のグループ(以下「グループA」と称する)を構成し、スイッチング素子B1、B2が、同時にオンオフ制御される第2のグループ(以下「グループB」と称する)を構成する。
【0019】
スイッチング部の各スイッチング素子は、制御端であるゲートに印加される制御電圧によりオンオフ制御される。制御電圧は、好適にはPWM信号である(ここでは、制御電圧がPWM信号である場合を例として説明する)。PWM信号の周波数は、入力交流の周波数よりも高い、例えば数十kH〜数百kHである。グループAの各スイッチング素子は、制御電圧V

によりオンオフ制御され、グループBの各スイッチング素子は、制御電圧V

によりオンオフ制御される。
【0020】
図示しないが、制御電圧V

、V

としての所定のPWM信号を生成し、出力する制御部が別途設けられている。
【0021】
<トランスTの二次側の構成>
トランスTの二次コイルN2の一端(巻き始端)には、第1のリアクトルLAの一端とダイオードD1のカソードが接続されている。ダイオードD1のアノードは、負の出力端である接地端nに接続されている。接地端nは、二次側の基準電位端である。第1のリアクトルLAの他端にはダイオードD2のアノードが接続されている。ダイオードD2のカソードは、正の出力端pに接続されている(以下で単に「出力端」というときは正の出力端pを意味する。)。
【0022】
リアクトルLAの他端と接地端nとの間にはスイッチング素子A3が接続されている。スイッチング素子A3は、一例としてNチャネルMOSFETであり、ドレインがリアクトルLAの他端に、ソースが接地端nに接続されている。スイッチング素子A3のゲートは、制御電圧V

によりオンオフ制御される。
【0023】
トランスTの二次コイルN2の他端には、第2のリアクトルLBの一端とダイオードD3のカソードが接続されている。ダイオードD3のアノードは、接地端nに接続されている。第2のリアクトルLBの他端にはダイオードD4のアノードが接続されている。ダイオードD4のカソードは、出力端pに接続されている。
【0024】
リアクトルLBの他端と接地端nとの間にはスイッチング素子B3が接続されている。スイッチング素子B3は、一例としてNチャネルMOSFETであり、ドレインがリアクトルLBの他端に、ソースが接地端nに接続されている。スイッチング素子B3のゲートは、制御電圧V

によりオンオフ制御される。
【0025】
出力端pと接地端nの間には平滑コンデンサCが接続されている。
【0026】
スイッチング素子A3の制御電圧V

は、基本的に、一次側のAグループのスイッチング素子の制御電圧V

と同じタイミングでオンオフするPWM信号である。同様に、スイッチング素子B3の制御電圧V

は、基本的に、一次側のBグループのスイッチング素子の制御電圧V

と同じタイミングでオンオフするPWM信号である。
【0027】
但し、トランスTの一次側と二次側の絶縁を確保するために、一次側のスイッチング素子の制御電圧V

、V

を直接、スイッチング素子A3、B3のゲートに印加することは好ましくない。従って、制御電圧V

、V

を二次側のスイッチング素子A3、B3の制御電圧V

、V

として用いる場合は、絶縁手段を介してそれらの電圧信号を伝達する。別の例として、制御電圧V

、V

と同じタイミングの独立した制御電圧V

、V

をそれぞれ生成し、スイッチング素子A3、B3に伝達する。この制御電圧に関する一次側と二次側の絶縁の確保については、後述する各実施形態でも同様である。
【0028】
(1−2)第1の実施形態の回路動作
図2、図3及び図4を参照して、図1に示した第1の実施形態の回路の動作を説明する。
【0029】
図2(a)〜(d)は、図1の回路における各スイッチング素子のオンオフ制御信号を模式的に示している。
【0030】
図2(a)は、フルブリッジ回路のグループAのスイッチング素子の制御電圧V

である。図2(b)は、フルブリッジ回路のグループBのスイッチング素子の制御電圧V

である。
【0031】
図2(a)(b)に示すように、グループAのスイッチング素子とグループBのスイッチング素子とは、互いに背反的にオンオフ制御される。すなわち、制御電圧V

とV

は、同じ周波数とデューティ比を有し、互いの位相差は180°である。但し、グループAとグループBのスイッチング素子が同時にオンとなると短絡するので、デッドタイム(双方がオフになる期間)を設けている。
【0032】
図2(c)は、二次側のスイッチング素子A3の制御電圧V

である。図2(d)は、二次側のスイッチング素子B3の制御電圧V

である。
【0033】
図2(c)(d)に示すように、二次側のスイッチング素子A3、B3は、基本的に、一次側のAグループ、Bグループの各スイッチング素子とそれぞれ同じタイミングでオンオフ制御される。従って、スイッチング素子A3とスイッチング素子B3も、互いに背反的にオンオフ制御されることになる。
【0034】
図2(e)(f)(g)(h)は、各構成要素に流れる電流波形の一例を示すタイミング図である。なお、図2(e)(f)(g)(h)では、不連続モードの電流を示しているが、負荷の軽重に応じて電流が臨界モード又は連続モードとなることも有り得る(以下の各実施形態のタイミング図についても同様)。
【0035】
図2に示すように、回路動作に関して、Aグループのスイッチング素子のオン期間をモードIaと称し、オフ期間をモードIIaと称する。また、Bグループのスイッチング素子のオン期間をモードIbと称し、オフ期間をモードIIbと称する。図示の通り、2つのモード(例えばモードIIaとモードIb)が時間的に重なる場合があるが、各モードの回路動作はそれぞれ独立して行われる。
【0036】
<モードIaの動作>
図3(a)は、モードIaにおける電流を示している(電流の流れを矢印付き実線で示している。以下同様)。図3(a)を参照すると、一次側においてスイッチング素子A1、A2がオンになると、入力電圧により一次コイルN1に電流ia1が流れる(図2(e)参照)。
【0037】
一次コイルに電流ia1が流れると、相互誘導により二次コイルN2に起電圧を生じ、順バイアスとなるダイオードD3を通して二次コイルN2に電流ia2が流れる(図2(f)参照)。このとき、スイッチング素子A3もオンとなっているので、リアクトルLAの出力側の端子は接地電位となる。ダイオードD1、D2は逆バイアスとなる。従って、電流ia2は、ダイオードD3→二次コイルN2→リアクトルLA→スイッチング素子A3→接地端nの経路で流れる(図2(f)(g)参照)。電流ia2は負荷に供給されないが、電流ia2によりリアクトルLAが励磁されて磁気エネルギーが蓄積される。
【0038】
ここで、定常状態における平滑コンデンサCは、リップル変動を除いてほぼ一定の電圧で充電されている。一般的なフォワード方式の電源におけるフォワード電流は、二次コイルN2の起電圧が平滑コンデンサCの電圧を超えたときにのみ流れる。入力端子1、2に、例えば正弦波の入力電圧が印加される場合、入力電圧の小さい範囲では、二次コイルN2の起電圧も小さいため、フォワード電流が流れることができない。このことが、一般的なフォワード方式の電源において力率を低下させる原因となる。
【0039】
それに対し、図1の回路では、二次コイルN2の起電圧の大きさに関わらず、リアクトルLAに電流ia2が流れることができる。従って、入力電圧の大きさに関係なく、スイッチング素子のオン期間にトランスTの一次側から二次側に電力が伝達され、その電力はリアクトルLAに蓄積される。このことは、良好な力率に寄与する。
【0040】
<モードIIaの動作>
図3(b)は、モードIIaにおける電流を示している。一次側において、スイッチング素子A1、A2がオフになると、一次側の電流ia1が遮断され、二次側の電流ia2も遮断される(図2(e)(f)参照)。トランスTの一次コイルN1、二次コイルN2及びリアクトルLAには逆起電圧が生じる。ダイオードD1、D2が順バイアスとなる。従って、電流ia3が、ダイオードD1→リアクトルLA→ダイオードD2→出力端pの経路で流れる(図2(g)参照)。電流ia3により、モードIaにおいてリアクトルLAに蓄積された磁気エネルギーが放出される。ダイオードD1は、フリーホイーリングダイオードの役割を果たす。
【0041】
<モードIb及びモードIIbの動作>
図4(a)(b)は、モードIb及びモードIIbにおける電流をそれぞれ示している。モードIb及びモードIIbにおける回路動作は、それぞれ上述したモードIa及びモードIIaにおける回路動作とは極性が逆になり、ほぼ対称的となるが、実質的に同じである。
【0042】
図4(a)に示すように、モードIbでは、モードIaにおける電流ia2と対称的な電流ib2が流れる(図2(f)参照)。また、図4(b)に示すように、モードIIbでは、モードIIaにおける電流ia3と対称的な電流ib3が流れる。
【0043】
<回路動作の特徴>
本回路においては、入力電圧の大きさに関わらず、トランスTの一次コイルに電流が流れると二次コイルN2に電流が流れることができ、その電流により、二次コイルN2に直列接続されたリアクトルLA、LBに磁気エネルギーが蓄積される。この結果、入力電圧の大きさに関わらず、トランスTにおいて一次側から二次側に相互誘導によって常に電力が伝達される。従って、トランスTにはほとんど磁気エネルギーが蓄積されない。この結果、トランスTの一次側及び二次側の双方においてスパイク電圧が発生しないことから、スナバ回路等のスパイク抑制手段又は磁束リセット手段が不要となるか、又は、それらを極めて小規模とすることができる。同じ理由から、フルブリッジ回路における入力側への還流電流もほとんど発生しない。これらにより、電力損失が低減され、電力変換効率を向上させることができる。
【0044】
さらに、二次側のスイッチング素子A3及びB3のオンオフは、それぞれ一次側のAグループ及びBグループの各スイッチング素子のオンオフと、基本的に同じタイミングであるが、厳密に同期させる必要はない。この結果、スイッチング素子のオンオフ制御のための構成を簡素化できる。
【0045】
例えば、図2(a)及び図2(c)を参照すると、一次側のAグループのスイッチング素子がオフになる時点t

よりも、二次側のスイッチング素子A3がオフになる時点t

が若干早かったとする。その場合、スイッチング素子A3がオフになった時点t

で、図3(a)の電流ia2が、図3(b)の電流ia3に転流してリアクトルLAから磁気エネルギーが早めに放出されるだけである。
【0046】
逆に、一次側のAグループのスイッチング素子がオフになる時点t

よりも、二次側のスイッチング素子A3がオフになる時点t

が若干遅かったとする。その場合、図3(a)の電流ia2はゼロになるが、スイッチング素子A3がオフになるまでリアクトルLAに磁気エネルギーが保持され、スイッチング素子A3がオフになった時点で図3(b)の電流ia3が流れ、リアクトルLAから磁気エネルギーが放出される。
【0047】
このように、スイッチング素子A3のオンオフのタイミングが、一次側のAグループのスイッチング素子のオンオフと多少ずれても、スイッチング素子A3の短絡の問題は生じない。
【0048】
また、例えば図2(b)と図2(d)を参照すると、一次側のBグループのスイッチング素子がオンになる時点t

と、二次側のスイッチング素子B3がオンになる時点t

とが、多少前後しても、双方がオンになった時点から図4(a)の電流ib2が流れ始めるだけである。
【0049】
本明細書において、二次側のスイッチング素子のオンオフ制御に関し、一次側のスイッチング素子と「同じタイミング」とは上記のような意味で用いている。それに対し「同期」とは、例えば同期整流方式におけるように、スイッチング素子の短絡を生じないように厳密にオンオフのタイミングを制御する(例えば一方を先にオフとした後に他方をオフにする等)ことを意味する。
【0050】
(2)第2の実施形態
(2−1)第2実施形態の回路構成
図5は、本発明のワンコンバータ方式の絶縁型スイッチング電源の第2の実施形態の回路例を概略的に示している。
(【0051】以降は省略されています)

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