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公開番号2020025427
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200213
出願番号2018149825
出願日20180809
発明の名称電動車両の制御装置
出願人ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト,Daimler AG
代理人個人
主分類B60L 3/00 20190101AFI20200121BHJP(車両一般)
要約【課題】駆動システムを構成する制御ユニット、又は通信系統のうちの少なくとも一つで不具合が発生した場合において、ドライバが意図しない車両の駆動制御をより確実に防止することができる電動車両の制御装置を提供する。
【解決手段】バッテリ100から電力が供給されるモータ110により駆動される電動車両の制御装置において、第2制御ユニット142は、シフト操作情報入力部10と通信することによりシフト操作情報を取得し、第1制御ユニット30が要求する要求トルク値がシフト操作情報と整合しないと判定した場合、要求トルク値に基づいた半導体素子141の制御の実行を中止する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
バッテリから電力が供給されるモータにより駆動される電動車両の制御装置において、
前記モータが所定トルクを出力するように前記モータを制御する半導体素子と、
前記電動車両のドライバの制御意志に基づいた前記電動車両のシフト操作情報が入力されるシフト操作情報入力部と、
前記シフト操作情報入力部により取得された前記シフト操作情報を含む車両制御情報に基づいて、前記モータに要求すべき要求トルク値を算出する第1制御ユニットと、
前記第1制御ユニットと通信することにより取得された前記要求トルク値に基づいて、前記半導体素子を制御する第2制御ユニットと、を含み、
前記第2制御ユニットは、前記シフト操作情報入力部と通信することにより前記シフト操作情報を取得し、前記第1制御ユニットが要求する前記要求トルク値が前記シフト操作情報と整合しないと判定した場合、前記要求トルク値に基づいた前記半導体素子の制御の実行を中止する、電動車両の制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両の制御装置に関する。
続きを表示(約 11,000 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、下記特許文献1に開示されるように、環境負荷低減の観点から、駆動用バッテリを備え、当該バッテリからの電力をモータに供給することにより駆動する電気自動車、及びハイブリッド自動車等の電動車両の開発が進んでいる。このような電動車両における駆動システムは、シフトポジション、及びアクセル開度等の車両制御情報に基づいて、インバータ制御ユニットに対して要求トルクを演算及び指示する制御ユニット(例えば、VCU)等の複数の制御ユニット、並びにそれらのユニット間の通信を行う通信系統(例えば、CAN通信)により構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2016−113063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記システムにおいては、制御ユニット、又は通信系統のうちの少なくとも一つに不具合が発生する場合が想定される。また、当該不具合は、検知、及び判定が困難なケースもある。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、駆動システムを構成する制御ユニット、又は通信系統のうちの少なくとも一つで不具合が発生した場合において、ドライバが意図しない車両の駆動制御をより確実に防止することができる電動車両の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様として実現することができる。
【0007】
本発明の態様に係る電動車両の制御装置は、バッテリから電力が供給されるモータにより駆動される電動車両の制御装置において、前記モータが所定トルクを出力するように前記モータを制御する半導体素子と、前記電動車両のドライバの制御意志に基づいた前記電動車両のシフト操作情報が入力されるシフト操作情報入力部と、前記シフト操作情報入力部により取得された前記シフト操作情報を含む車両制御情報に基づいて、前記モータに要求すべき要求トルク値を算出する第1制御ユニットと、前記第1制御ユニットと通信することにより取得された前記要求トルク値に基づいて、前記半導体素子を制御する第2制御ユニットと、を含み、前記第2制御ユニットは、前記シフト操作情報入力部と通信することにより前記シフト操作情報を取得し、前記第1制御ユニットが要求する前記要求トルク値が前記シフト操作情報と整合しないと判定した場合、前記要求トルク値に基づいた前記半導体素子の制御の実行を中止する。
【0008】
上記構成によれば、本発明の態様に係る電動車両の制御装置において、第2制御ユニットは、第1制御ユニットが要求する要求トルク値がシフト操作情報と整合しないと判定した場合、要求トルク値に基づいた半導体素子の制御の実行を中止する。これにより、本発明の態様に係る電動車両の制御装置は、ドライバの制御意志と異なる車両の駆動制御を防止することができる。かくして、本発明の態様に係る電動車両の制御装置は、駆動システムを構成する制御ユニット、又は通信系統のうちの少なくとも一つで不具合が発生した場合において、ドライバが意図しない車両の駆動制御をより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本実施形態に係る電動車両の制御装置を含む電動車両のシステム構成図である。
本実施形態に係る電動車両を運転するドライバの制御意志が電動車両に正しく反映される場合であって、シフト操作情報が駐車、又はニュートラルを示す場合の電動車両における処理動作、並びに情報及びデータの流れを示す機能ブロック図である。
本実施形態に係る電動車両を運転するドライバの制御意志が電動車両に正しく反映される場合であって、シフト操作情報が前進を示す場合の電動車両における処理動作、並びに情報及びデータの流れを示す機能ブロック図である。
本実施形態に係る電動車両を運転するドライバの制御意志が電動車両に正しく反映されない場合であって、シフト操作情報が駐車、又はニュートラルを示す場合の電動車両における処理動作、並びに情報及びデータの流れを示す機能ブロック図である。
本実施形態に係る電動車両を運転するドライバの制御意志が電動車両に正しく反映されない場合であって、シフト操作情報が前進を示す場合の電動車両における処理動作、並びに情報及びデータの流れを示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る電動車両の制御装置について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態は以下に説明する内容に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において任意に変更して実施することが可能である。また、実施形態の説明に用いる図面は、いずれも構成部材を模式的に示すものであって、理解を深めるべく部分的な強調、拡大、縮小、または省略などを行っており、構成部材の縮尺や形状等を正確に表すものとはなっていない場合がある。
【0011】
図1は、本実施形態に係る電動車両の制御装置を含む電動車両のシステム構成図である。なお、本実施形態に係る電動車両は、走行用駆動源として後述するモータを備える電気自動車を想定しているが、エンジンを更に備えるハイブリッド自動車であってもよい。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る電動車両は、シフト操作情報入力部10、シフトレバー20、VCU(第1の制御ユニット)30、アクセル開度検知部40、アクセルペダル50、ブレーキ開度検知部60、ブレーキペダル70、車両勾配検知部80、警告部90、バッテリ100、モータ110、減速機構120、差動機構130、及びインバータ140を含む。
【0013】
シフト操作情報入力部10には、電動車両を運転するドライバの制御意志に基づいた電動車両のシフト操作情報が入力される。本実施形態におけるシフト操作情報は、例えば、シフトレバー20のシフトポジションを示す。シフト操作情報入力部10は、入力されたシフト操作情報をVCU30、及び後述するインバータ140のEMCM(第2の制御ユニット)142へ送信する。ここで、上記シフト操作情報は、例えば、前進(D)、後進(R)、駐車(P)、又はニュートラル(N)のいずれか一つを示す。
【0014】
VCU(第1の制御ユニット)30は、ハードウェア資源として、所定のプロセッサを含む。VCU30は、電動車両の内部に設けられる各構成と通信して、当該各構成を統合制御する。例えば、VCU30は、電動車両の内部に設けられる各構成から取得される車両制御情報に基づいて、後述するインバータ140のEMCM142へ送信する要求トルク値を算出する。
【0015】
ここで、本実施形態における車両制御情報には、例えば、上記シフト操作情報、アクセル開度検知部40において検知されるアクセルペダル50の操作量を示すアクセル開度情報、ブレーキ開度検知部60において検知されるブレーキペダル70の操作量を示すブレーキ開度情報、及び車両勾配検知部80において検知される電動車両の勾配情報等の要求トルク算出に必要な情報が含まれる。本実施形態におけるVCU30は、上記シフト操作情報、アクセル開度情報、ブレーキ開度情報、及び勾配情報等の要求トルク算出に必要な情報に基づいて、後述するモータ110に要求すべき要求トルク値を算出する。
【0016】
具体的には、本実施形態におけるVCU30は、上記シフト操作情報が前進(D)、又は後進(R)を示す場合、モータ110において、前進(D)、又は後進(R)に対応するトルクが発生されるように、要求トルク値を算出し、当該要求トルク値をEMCM142へ送信する。また、VCU30は、上記シフト操作情報が駐車(P)、又はニュートラル(N)である場合、モータ110において、上記トルクを発生する必要がないため、実質的な出力トルクを要求しない。
【0017】
警告部90は、VCU30、又はEMCM142による制御の下、電動車両の内部において異常が発生している場合に、ドライバに対して通知する警告を発生する。本実施形態における警告部90は、例えば、上記警告に関する所定の警告音を出力するスピーカ等の音声出力部、又は上記警告に関する所定の表示を出力するディスプレイ、若しくはLED等の光学機器を含む。
【0018】
バッテリ100は、電動車両を走行させるための電力を蓄積する。例えば、バッテリ100は、モータ110に電力を供給する二次電池である。バッテリ100は、電動車両に必要とされる電力を蓄えるために比較的大型で大容量のバッテリモジュール(図示せず)を内部に複数備える。
【0019】
モータ110は、インバータ140から交流電力が供給されることにより、電動車両の走行に必要なトルクを発生させる。減速機構120は、図示しない複数のギアを含み、モータ110から入力された回転トルクを減速して差動機構130に出力する。差動機構130は、減速機構120から入力されたトルクを車輪150に振り分ける。振り分けられたトルクは、ドライブシャフト160を介して、車輪150に反映される。これにより、本実施形態に係る電動車両は、当該車輪150を回転させて電動車両を走行させることができる。
【0020】
インバータ140は、バッテリ100から供給された直流電力を交流電力に変換してモータ110へ供給し、電動車両に対するアクセル操作に応じてモータ110の回転速度を制御する。本実施形態におけるインバータ140は、半導体素子(スイッチング素子)141a〜141fを含む半導体回路141、及びEMCM(第2の制御ユニット)142を含む。
【0021】
半導体回路141は、モータ110の三相コイルと接続された一相につき、一対の半導体素子141a〜141f(例えばIGBT:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を備える三相ブリッジ回路により直流電流及び三相交流電流の変換を行い、供給する電力の電圧変換を行う。つまり、当該インバータ140は、バッテリ100からの直流電力を三相交流電力に変換してモータ110に供給可能であるとともに、モータ110からの三相交流電力を整流してバッテリ100へ供給可能である。
【0022】
EMCM142は、ハードウェア資源として、所定のプロセッサを含む。EMCM142は、シフト操作情報入力部10及びVCU30と通信可能である。EMCM142は、VCU30から送信された上記要求トルク値に基づいて、半導体回路141の半導体素子141a〜141fを制御する。本実施形態におけるEMCM142は、VCU30から送信される要求トルク値のチェック機能を有する。
【0023】
具体的には、EMCM142は、シフト操作情報入力部10から送信されたシフト操作情報を受信する。さらに、EMCM142は、VCU30から送信された要求トルク値が受信したシフト操作情報と整合するか否かを判定する。例えば、EMCM142は、VCU30から送信された要求トルク値が前進(D)に対応するものであって、シフト操作情報入力部10から送信されたシフト操作情報が前進(D)である場合、整合していると判定する。また、EMCM142は、VCU30から送信された要求トルク値が前進(D)に対応するものであって、シフト操作情報入力部10から送信されたシフト操作情報が後進(R)である場合、整合していないと判定する。
【0024】
EMCM142は、VCU30から送信された要求トルク値が受信したシフト操作情報と整合すると判定した場合、要求トルク値に基づいた上記半導体回路141の半導体素子141a〜141fの制御を実行する。また、EMCM142は、VCU30から送信された要求トルク値が受信したシフト操作情報と整合しないと判定した場合、要求トルク値に基づいた上記半導体回路141の半導体素子141a〜141fの制御の実行を中止する。
【0025】
ここで、本実施形態に係る電動車両における処理動作、並びに情報及びデータの流れについて、図2乃至図5を参照して説明する。
【0026】
(ドライバの制御意志が電動車両に正しく反映される場合)
図2は、本実施形態に係る電動車両を運転するドライバの制御意志が電動車両に正しく反映される場合であって、シフト操作情報が駐車(P)、又はニュートラル(N)を示す場合の電動車両における処理動作、並びに情報及びデータの流れを示す機能ブロック図である。なお、本実施形態において、図2では、図1に含まれる情報及びデータの流れの説明に必要な構成のみを記載するようにしている。後述する図3乃至図5についても同様である。
【0027】
まず、図2に示すように、シフトレバー20から入力されるシフト操作情報が駐車(P)、又はニュートラル(N)を示す場合(言い換えれば、上記ドライバがシフトレバー20のシフトポジションを駐車(P)、又はニュートラル(N)にするという制御意志を有する場合)、シフト操作情報入力部10は、駐車(P)、又はニュートラル(N)を示すシフト操作情報をVCU30、及びEMCM142へ送信する。また、本実施形態におけるVCU30は、上記シフト操作情報が駐車(P)、又はニュートラル(N)である場合、モータ110において、上記トルクを発生する必要がないため、要求トルク値はゼロトルクとなり、VCU30からEMCM142に対し、実質的な出力トルクを要求しない。また、EMCM142は、モータトルクがゼロトルクとなるように、半導体素子141a〜141fを制御するための制御指示信号を半導体回路141へ送信する。
【0028】
これにより、本実施形態に係る電動車両にドライバの制御意志が正しく反映され、モータ110において、トルクが発生しない。
【0029】
図3は、本実施形態に係る電動車両を運転するドライバの制御意志が電動車両に正しく反映される場合であって、シフト操作情報が前進(D)を示す場合の電動車両における処理動作、並びに情報及びデータの流れを示す機能ブロック図である。
【0030】
まず、図3に示すように、シフトレバー20から入力されるシフト操作情報が前進(D)を示す場合(言い換えれば、上記ドライバがシフトレバー20のシフトポジションを前進(D)にするという制御意志を有する場合)、シフト操作情報入力部10は、前進(D)を示すシフト操作情報をVCU30、及びEMCM142へ送信する。VCU30は、モータ110において、前進(D)に対応するトルクが発生されるように、前進(D)に対応する要求トルク値を算出する。さらに、VCU30は、算出した要求トルク値をEMCM142へ送信する。ここで、EMCM142は、VCU30から送信された要求トルク値が受信したシフト操作情報と整合するか否かを判定する。図3の場合、VCU30から送信された要求トルク値は、受信したシフト操作情報と整合する。このため、EMCM142は、当該要求トルク値に基づいた上記半導体回路141の半導体素子141a〜141fの制御を実行する。すなわち、EMCM142は、前進(D)に対応する半導体素子141a〜141fを制御するための制御指示信号を半導体回路141へ送信する。
【0031】
また、図示しないが、シフト操作情報が後進(R)を示す場合であって、VCU30が、後進(R)に対応する要求トルク値を算出する場合も同様に、EMCM142は、VCU30から送信された要求トルク値が受信したシフト操作情報と整合すると判定する。これにより、EMCM142は、当該要求トルク値に基づいた上記半導体回路141の半導体素子141a〜141fの制御を実行することができる。
【0032】
これにより、本実施形態に係る電動車両にドライバの制御意志が正しく反映され、モータ110において、前進(D)、又は後進(R)に対応するトルクを発生させることができる。
【0033】
(ドライバの制御意志が電動車両に正しく反映されない場合)
図4は、本実施形態に係る電動車両を運転するドライバの制御意志が電動車両に正しく反映されない場合であって、シフト操作情報が駐車(P)、又はニュートラル(N)を示す場合の電動車両における処理動作、並びに情報及びデータの流れを示す機能ブロック図である。すなわち、図4では、制御ユニット(例えば、VCU30)、又は通信系統(例えば、シフト操作情報入力部10−VCU30間を接続する通信経路、又はVCU30−EMCM142間を接続する通信経路)のうちの少なくとも一つに不具合が発生していることが要因となり、ドライバの制御意志が電動車両に正しく反映されない場合を想定している。本実施形態では、一例として、VCU30において不具合が発生している場合を想定して説明する。なお、後述する図5についても同様である。
【0034】
まず、図4に示すように、シフトレバー20から入力されるシフト操作情報が駐車(P)、又はニュートラル(N)を示す場合、シフト操作情報入力部10は、駐車(P)、又はニュートラル(N)を示すシフト操作情報をVCU30、及びEMCM142へ送信する。VCU30は、不具合が発生している影響で、駐車(P)、又はニュートラル(N)を示すシフト操作情報を受信したにもかかわらず、前進(D)、又は後進(R)を示すシフト操作情報を受信した場合の処理動作を行ってしまう。すなわち、VCU30は、前進(D)、又は後進(R)に対応する要求トルク値を算出する。さらに、VCU30は、算出した要求トルク値をEMCM142へ送信する。ここで、EMCM142は、VCU30から送信された要求トルク値が受信したシフト操作情報と整合するか否かを判定する。図4の場合、VCU30から送信された要求トルク値は、受信したシフト操作情報と整合しない。このため、EMCM142は、当該要求トルク値に基づいた上記半導体回路141の半導体素子141a〜141fの制御の実行を中止する。さらに、EMCM142は、要求トルク値及びシフト操作情報が整合しないことを通知する異常通知を警告部90へ送信する。警告部90は、EMCM142からの異常通知の受信後、ドライバに対して通知する警告を発生する。
【0035】
これにより、本実施形態に係る電動車両は、ドライバの制御意志と異なる車両の駆動制御を防止することができる。
【0036】
図5は、本実施形態に係る電動車両を運転するドライバの制御意志が電動車両に正しく反映されない場合であって、シフト操作情報が前進(D)を示す場合の電動車両における処理動作、並びに情報及びデータの流れを示す機能ブロック図である。
【0037】
まず、図5に示すように、シフトレバー20から入力されるシフト操作情報が前進(D)を示す場合、シフト操作情報入力部10は、前進(D)を示すシフト操作情報をVCU30、及びEMCM142へ送信する。
【0038】
ここで、VCU30は、不具合が発生している影響で、前進(D)を示すシフト操作情報を受信したにもかかわらず、後進(R)に対応する要求トルク値を算出する。さらに、VCU30は、算出した要求トルク値をEMCM142へ送信する。ここで、EMCM142は、VCU30から送信された要求トルク値が受信したシフト操作情報と整合するか否かを判定する。図5の場合、VCU30から送信された要求トルク値は、受信したシフト操作情報と整合しない。このため、EMCM142は、当該要求トルク値に基づいた上記半導体回路141の半導体素子141a〜141fの制御の実行を中止する。さらに、EMCM142は、要求トルク値及びシフト操作情報が整合しないことを通知する異常通知を警告部90へ送信する。警告部90は、EMCM142からの異常通知の受信後、ドライバに対して通知する警告を発生する。
【0039】
また、図示しないが、シフトレバー20から入力されるシフト操作情報が後進(R)を示す場合に、不具合が発生している影響でVCU30が前進(D)に対応する要求トルク値を算出し、当該トルク値をEMCM142へ送信する場合においても、EMCM142は、要求トルク値及びシフト操作情報が整合しないことを通知する異常通知を警告部90へ送信することができる。
【0040】
これにより、本実施形態に係る電動車両は、ドライバの制御意志と異なる車両の駆動制御を防止することができる。
【0041】
(総括)
上述の通り、本実施形態に係る電動車両の制御装置は、バッテリ100から電力が供給されるモータ110により駆動される。本実施形態に係る電動車両の制御装置は、モータ110が所定トルクを出力するようにモータ110を制御する半導体素子141a〜141fと、電動車両のドライバの制御意志に基づいた電動車両のシフト操作情報が入力されるシフト操作情報入力部10と、シフト操作情報入力部10により取得されたシフト操作情報を含む車両制御情報に基づいて、モータ110に要求すべき要求トルク値を算出するVCU(第1制御ユニット)30と、VCU30と通信することにより取得された要求トルク値に基づいて、半導体素子141a〜141fを制御するEMCM(第2制御ユニット)142と、を含む。EMCM142は、シフト操作情報入力部10と通信することによりシフト操作情報を取得し、VCU30が要求する要求トルク値がシフト操作情報と整合しないと判定した場合、要求トルク値に基づいた半導体素子141a〜141fの制御の実行を中止する。
【0042】
上記構成によれば、本実施形態に係る電動車両の制御装置において、EMCM142は、シフト操作情報入力部10と通信することによりシフト操作情報を取得し、VCU30が要求する要求トルク値がシフト操作情報と整合しないと判定した場合、要求トルク値に基づいた半導体素子141a〜141fの制御の実行を中止する。これにより、本実施形態に係る電動車両の制御装置は、ドライバの制御意志と異なる車両の駆動制御を防止することができる。
【0043】
かくして、本実施形態に係る電動車両の制御装置は、駆動システムを構成する制御ユニット、又は通信系統のうちの少なくとも一つで不具合が発生した場合において、ドライバが意図しない車両の駆動制御をより確実に防止することができる。
【0044】
なお、上記本実施形態に係る電動車両の制御装置において、半導体回路141の半導体素子141a〜141b、及びEMCM142は、本実施形態におけるインバータ140の構成として、一体的に設けられている。しかしながら、本実施形態に係る電動車両の制御装置は、これに限定されない。例えば、本実施形態に係る電動車両の制御装置において、半導体回路141の半導体素子141a〜141b、及びEMCM142を別体で設けでもよい。
【0045】
また、上記本実施形態に係る電動車両の制御装置において、電動車両に含まれるシフト操作情報入力部10、アクセル開度検知部40、ブレーキ開度検知部60、車両勾配検知部80、警告部90、及びEMCM142は、VCU30に直接接続されている。しかしながら、本実施形態に係る電動車両の制御装置は、これに限定されない。
【0046】
例えば、本実施形態に係る電動車両の制御装置において、例えば、シフト操作情報入力部10及びVCU30の間にハブ、又はゲートウェイ等の通信機器を設けてもよい。このような場合であっても、上記通信機器とは独立して、シフト操作情報入力部10とEMCM142間にてシフト操作情報に関する通信を行うことが好ましい。
【0047】
また、上記説明において用いた「所定のプロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、又はマイコン等の専用又は汎用のプロセッサを意味する。また、本実施形態に係るVCU30、及びEMCM142は、単一のプロセッサに限らず、複数のプロセッサによって実現するようにしてもよい。
【0048】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0049】
10 シフト操作情報入力部
20 シフトレバー
30 VCU(第1の制御ユニット)
40 アクセル開度検知部
50 アクセルペダル
60 ブレーキ開度検知部
70 ブレーキペダル
80 車両勾配検知部
90 警告部
100 バッテリ
110 モータ
120 減速機構
130 差動機構
140 インバータ
141 半導体回路
141a〜141f 半導体素子
142 EMCM(第2の制御ユニット)
150 車輪
160 ドライブシャフト

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