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公開番号2020025420
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200213
出願番号2018149261
出願日20180808
発明の名称車両における電動機の制御装置および制御方法
出願人株式会社デンソー
代理人特許業務法人明成国際特許事務所
主分類B60L 15/20 20060101AFI20200121BHJP(車両一般)
要約【課題】冗長化信号を用いて駆動用の電動機の制御が実行される車両において、冗長化信号が不一致の場合であっても退避走行を可能にすること。
【解決手段】車両50における電動機41の制御装置100が提供される。車速検出部32から入力される複数の検出信号の内、高い車速を示す高車速検出信号を決定する検出信号決定部20aと、決定された高車速検出信号を用いて監視目標トルクを決定する監視部20と、決定された高車速検出信号を用いて電動機の出力目標となる目標トルクを決定する第1の制御部10とを備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
車両(50)における電動機(41)の制御装置(100)であって、
車速検出部(32)から入力される複数の検出信号の内、高い車速を示す高車速検出信号を決定する検出信号決定部(20a)と、
決定された前記高車速検出信号を用いて監視目標トルクを決定する監視部(20)と、
決定された前記高車速検出信号を用いて前記電動機の出力目標となる目標トルクを決定する第1の制御部(10)と、を備える車両における電動機の制御装置。
続きを表示(約 450 文字)【請求項2】
請求項1記載の車両における電動機の制御装置はさらに、
前記目標トルクと前記監視目標トルクとを用いて前記電動機に対するフェイルセーフの実行を決定するフェイルセーフ決定部(20)を備える、車両における電動機の制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両における電動機の制御装置はさらに、
前記電動機を制御する第2の制御部(40)であって、前記フェイルセーフ決定部による前記フェイルセーフの実行の決定に応じて、前記電動機を停止させる、第2の制御部を備える、車両における電動機の制御装置。
【請求項4】
車両における電動機の制御方法であって、
車速検出部から入力される複数の検出信号の内、高い車速を示す高車速検出信号を決定し、
決定された前記高車速検出信号を用いて監視目標トルクを決定し、
決定された前記高車速検出信号を用いて前記電動機の出力目標となる目標トルクを決定すること、を備える車両における電動機の制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は電動機を搭載する車両における電動機の制御のための技術に関する。
続きを表示(約 12,000 文字)【背景技術】
【0002】
アクチュエータを制御する制御部としてのマイクロコントローラと、マイクロコントローラにおける異常発生を監視する監視部としてのマイクロコントローラ監視部とを備え、マイクロコントローラ内部に異常が発生した場合にフェイルセーフを実行する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2016−147585号公報
【0004】
しかしながら、上記技術においては、冗長化信号が不一致の場合におけるフェイルセーフの実行について考慮されていない。一般的に、冗長化信号が不一致の場合には、フェイルセーフが実行され、アクチュエータの動作は停止される。例えば、電動機を搭載する車両において、冗長化信号の不一致によりフェイルセーフが実行されると車両は停止し、退避走行ができなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、冗長化信号を用いて駆動用の電動機の制御が実行される車両において、冗長化信号が不一致の場合であっても退避走行を可能にすることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、以下の態様として実現することが可能である。
【0007】
第1の態様は、車両における電動機の制御装置を提供する。第1の態様に係る車両における電動機の制御装置は、車速検出部から入力される複数の検出信号の内、高い車速を示す高車速検出信号を決定する検出信号決定部と、決定された前記高車速検出信号を用いて監視目標トルクを決定する監視部と、決定された前記高車速検出信号を用いて、前記電動機の出力目標となる目標トルクを決定する第1の制御部と、を備える。
【0008】
第1の態様に係る車両における電動機の制御装置によれば、冗長化信号を用いて駆動用の電動機の制御が実行される車両において、冗長化信号が不一致の場合であっても退避走行を可能にすることができる。
【0009】
第2の態様は、車両における電動機の制御方法を提供する。第2の態様に係る車両における電動機の制御方法は、車速検出部から入力される複数の検出信号の内、高い車速を示す高車速検出信号を決定し、決定された前記高車速検出信号を用いて監視目標トルクを決定し、決定された前記高車速検出信号を用いて、前記電動機の出力目標となる目標トルクを決定すること、を備える。
【0010】
第2の態様に係る車両における電動機の制御方法によれば、冗長化信号を用いて駆動用の電動機の制御が実行される車両において、冗長化信号が不一致の場合であっても退避走行を可能にすることができる。なお、本開示は、車両における電動機の制御プログラムまたは当該プログラムを記録するコンピュータ読み取り可能記録媒体としても実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
第1の実施形態に係る電動機の制御装置が搭載された車両の一例を示す説明図。
第1の実施形態に係る電動機の制御装置の機能的構成を示すブロック図。
第1の実施形態における車両制御部の機能的構成を示すブロック図。
第1の実施形態における監視部の機能的構成を示すブロック図。
第1の実施形態における検出信号決定部によって実行される検出信号決定処理の処理フローを示すフローチャート。
第1の実施形態における車両制御部によって実行される目標トルク算出処理の処理フローを示すフローチャート。
第1の実施形態における監視部によって実行される監視処理の処理フローを示すフローチャート。
要求トルクを決定するために用いられる要求トルクマップの一例を示す説明図。
監視要求トルクを決定するために用いられる監視要求トルクマップの一例を示す説明図。
検出しきい値を決定するために用いられるマップの一例を示す説明図。
検出時間を決定するために用いられるマップの一例を示す説明図。
アクセル開度とトルクに関する電動発電機の特性を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示に係る車両における電動機の制御装置および車両における電動機の制御方法について、いくつかの実施形態に基づいて以下説明する。
【0013】
第1の実施形態:
図1に示すように、第1の実施形態に係る車両における電動機の制御装置100は、車両50に搭載されて用いられる。制御装置100は、第1の制御部としての車両制御部10、監視部20および第2の制御部としての電動発電機制御部40を備えている。なお、電動発電機制御部40は、制御装置100に含まれていなくても良い。車両50はさらに、電動発電機41、アクセル開度センサ31、車速センサ32、シフトポジションセンサ33および走行モードスイッチ34を備えている。第1の実施形態における車両50は、電動発電機41を駆動源として備える電気自動車である。電動発電機41は、例えば、電動発電機制御部40が備えるインバータによって制御される、交流三相モータであり、電動機または発電機として機能し得る。なお、第1の実施形態を含む本明細書における実施形態は、電動発電機を備える電気自動車のみならず、内燃機関により発電された電力およびバッテリの電力により作動する電動機を駆動源として備えるシリーズハイブリッド自動車、電動発電機41に代えて電動機を備える電気自動車に適用され得る。なお、車両50は変速機を備えておらず、アクセル開度に対する電動発電機41の出力トルクは単調な比例関係にある。
【0014】
アクセル開度センサ31は、アクセルペダルの踏み込み量を開度、すなわち、回転角度として検出するセンサであり、検出されたアクセル開度Accは、アクセル開度信号として出力される。
【0015】
車速センサ32は、車輪51の回転速度を検出する車速検出部であり、各車輪51に備えられ得る。車速センサ32から出力される車速Vを示す車速信号は、車輪速度に比例する電圧値または車輪速度に応じた間隔を示すパルス波である。車速センサ32からの検出信号を用いることによって、車両速度、車両の走行距離等の情報を得ることができる。
【0016】
シフトポジションセンサ33は、シフトレバーの位置、例えば、パーキングP、後進R、ニュートラルNおよびドライブDを検出するセンサである。シフトポジションセンサ33からの検出信号によって、車両制御部10は、車両50の前進または後進を決定し得る。シフトレバーは、機械的な移動により、または電気的なスイッチ操作にシフト位置を決定し得る。なお、シフトレバーの位置には、ブレーキB、マニュアルMといった種々の位置が含まれ得る。
【0017】
走行モードスイッチ34は、電動発電機41によって出力されるトルクの出力特性を設定するためにスイッチである。走行モードスイッチ34において選択・設定された走行モードMoは走行モード信号として出力される。走行モードとしては、例えば、エコ、ノーマル、スポーツ/パワーといったモードが設定され得る。エコモードは、車両50におけるエネルギー効率、すなわち、出力よりも電費を重視したモードであり、スポーツモードは車両50における走行性能、すなわち、電費よりも出力を重視したモードであり、ノーマルモードはエコモードとスポーツモードとの中間のモードである。
【0018】
図2に示すように、車両制御部10には、非冗長化信号である走行モード信号が入力される。一方、監視部20に対しては、冗長化信号であるアクセル開度信号、車速信号が入力される。冗長化信号は、センサから複数の信号線、例えば、2本の信号線を介して検出信号決定部20aに入力される信号である。非冗長化信号は、センサから単一の信号線により車両制御部10に入力される信号である。本実施形態においては、監視部20に検出信号決定部20aが備えられているので、アクセル開度信号および車速信号は、監視部20に入力される。検出信号決定部20aは、車両制御部10に備えられていても良く、あるいは、車両制御部10および監視部20とは別に備えられていても良い。非冗長化信号としては、走行モード信号の他に、アクセルペダルの操作によって加減速および強い制動を可能とする1ペダルモードの選択を示す1ペダルモード信号が含まれ得る。センサは、例えば、検出素子、信号処理回路および出力部の2重化、単一の検出素子、信号処理回路および出力部の2重化、単一の検出素子および信号回路並びに出力部の二重化により冗長化されていても良い。
【0019】
車両制御部10においては、検出信号決定部20aから入力されるアクセル開度Acc、車速Vhおよび走行モードMoを用いて電動発電機41の出力目標となる目標トルクTtが算出され、目標トルクTtは、監視部20および電動発電機制御部40に入力される。監視部20においては、検出信号決定部20aから入力されるアクセル開度Accおよび車速Vhを用いて監視目標トルクTtwが算出される。監視部20は、監視目標トルクTtwと目標トルクTtとの比較結果に応じて車両制御部10に異常が発生していると判定するとフェイルセーフ信号F/Sを電動発電機制御部40に入力する。フェイルセーフ信号F/Sは、電動発電機制御部40に対して、電動発電機41の出力トルクをクリープトルク[N・m]または0[N・m]に設定することを指示し、フェイルセーフを実行するための信号である。電動発電機制御部40は、車両制御部10からの目標トルクTtを実現するように、電動発電機41に対してM/G制御信号を入力して電動発電機41の出力トルクを制御する。電動発電機制御部40は、監視部20からのフェイルセーフ信号F/Sに応じて、電動発電機41の出力トルクをクリープトルク[N・m]または0[N・m]に制御する。
【0020】
図3に示すように、車両制御部10は、中央処理装置(CPU)11、メモリ12、入出力インタフェース13、並びにバス14を備えている。CPU11、メモリ12および入出力インタフェース13はバス14を介して双方向通信可能に接続されている。メモリ12は、目標トルクを算出するための目標トルク算出プログラムP1を不揮発的且つ読み出し専用に格納するメモリ、例えばROMと、CPU11による読み書きが可能なメモリ、例えばRAMとを含んでいる。メモリ12にはさらに、要求トルクの算出に用いられる要求トルクマップM1が格納されている。要求トルクマップM1は、走行モードに応じてアクセル開度と要求トルクとを対応付けるマップであり、車速毎に複数のマップが用意されている。CPU11はメモリ12に格納されている目標トルク算出プログラムP1を読み書き可能なメモリに展開して実行することによって、要求トルクを算出し、シフトポジションセンサ33からの前進または後進信号を用いて目標トルクTtを決定する。なお、CPU11は、単体のCPUであっても良く、各プログラムを実行する複数のCPUであっても良く、あるいは、複数のプログラムを同時実行可能なマルチコアタイプのCPUであっても良い。
【0021】
入出力インタフェース13には、シフトポジションセンサ33、走行モードスイッチ34、監視部20および電動発電機制御部40がそれぞれ信号線を介して接続されている。シフトポジションセンサ33、走行モードスイッチ34からは、検出信号が入力される。アクセル開度センサ31および車速センサ32からの検出信号は、監視部20、すなわち検出信号決定部20aを介して入出力インタフェース13に入力される。
【0022】
図4に示すように、監視部20は、中央処理装置(CPU)21、メモリ22、入出力インタフェース23、並びにバス24を備えている。CPU21、メモリ22および入出力インタフェース23はバス24を介して双方向通信可能に接続されている。メモリ22は、監視用要求トルクを算出し、車両制御部10の異常を判定してフェイルセーフの実行を決定するための監視プログラムP2を不揮発的且つ読み出し専用に格納するメモリ、例えばROMと、CPU21による読み書きが可能なメモリ、例えばRAMとを含んでいる。メモリ22にはさらに、監視用要求トルクの算出に用いられる監視トルクマップM2が格納されている。監視トルクマップM2は、アクセル開度と要求トルクとを対応付けるマップであり、車速毎に複数のマップが用意されている。また、監視トルクマップM2は、走行モードMoに応じて設定され得る複数の要求トルク、すなわち、電動発電機41の出力トルクの特性の中で最も要求トルクが大きくなる出力特性と対応付けられている。CPU21はメモリ22に格納されている監視プログラムP2を読み書き可能なメモリに展開して実行することによって、監視用要求トルクを算出し、シフトポジションセンサ33からの前進または後進信号を用いて監視目標トルクTtwを決定し、目標トルクTtと監視目標トルクTtwとを比較してフェイルセーフの実行を決定する。CPU21はまた、メモリ22に格納されている監視プログラムP2を実行して、2つの車速信号の内、高い車速を示す車速信号を決定する検出信号決定部20aとして機能し得る。検出信号決定部20aは、2つの信号線から入力されるアクセル開度信号について、いずれの検出信号を用いるか決定しても良い。なお、CPU21は、単体のCPUであっても良く、各プログラムを実行する複数のCPUであっても良く、あるいは、複数のプログラムを同時実行可能なマルチコアタイプのCPUであっても良い。
【0023】
入出力インタフェース23には、アクセル開度センサ31、車速センサ32、シフトポジションセンサ33、車両制御部10および電動発電機制御部40がそれぞれ信号線を介して接続されている。アクセル開度センサ31、車速センサ32およびシフトポジションセンサ33からは、検出信号が入力される。アクセル開度センサ31および車速センサ32からはそれぞれ2本の信号線を介して冗長化信号が監視部20に対して入力される。なお、アクセル開度センサ31からの検出信号は、車両制御部10に対して入力されても良い。
【0024】
第1の実施形態に係る制御装置100、具体的には、監視部20における検出信号決定部20a、により実行される検出信号決定処理について説明する。図5に示す処理ルーチンは、例えば、車両の制御システムの始動時から停止時まで、または、スタートスイッチがオンされてからスタートスイッチがオフされるまで所定の時間間隔にて繰り返して実行される。
【0025】
CPU21は、車速センサ32から2本の信号線を介して入出力インタフェース23に入力された車速V1、V2(km/h)を取得する(ステップS100)。CPU21は、車速V1および車速V2のうち高い車速を決定する。本実施形態においては、CPU21は、車速V1は車速V2よりも大きいか否かを判定し(ステップS102)、V1>V2であると判定した場合には(ステップS102:Yes)、車速V1を高車速Vh、すなわち、以降の処理において用いられる車速に決定して(ステップS104)、本処理ルーチンを終了する。CPU21は、V1>V2でない、すなわち、V1≦V2であると判定した場合には(ステップS102:No)、車速V2を高車速Vhに決定して(ステップS106)、本処理ルーチンを終了する。なお、ステップS102においては、V1>V2であるかの判定に代えて、V1≧V2であるかが判定されても良い。本実施形態においては、ステップS102においてV1=V2の場合も含めて判定することによって、判定を簡略化しているが、V1>V2およびV1<V2が判定され、V1=V2の場合には、いずれか一方の車速V1またはV2が高車速Vhに決定されても良い。決定された高車速Vhは、車両制御部10および監視部20における要求トルクTaおよび監視要求トルクTawを算出する際に用いられる。
【0026】
第1の実施形態に係る制御装置100、具体的には車両制御部10、により実行される目標トルク決定処理について説明する。図6に示す処理ルーチンは、例えば、車両の制御システムの始動時から停止時まで、または、スタートスイッチがオンされてからスタートスイッチがオフされるまで所定の時間間隔にて繰り返して実行される。
【0027】
CPU11は、アクセル開度Acc、検出信号決定処理を経た車速Vhおよび走行モードMoを取得する(ステップS200)。CPU11は、取得したアクセル開度Acc、車速Vhおよび走行モードMoと要求トルクマップM1とを用いて要求トルクTaを算出する(ステップS202)。要求トルクマップM1は、例えば、図8に示すように、走行モードMoがエコの場合の特性線L1と走行モードMoがスポーツの場合の特性線L2とを有している。特性線L1およびL2は、車速Vに応じて補正されても良く、予め定められた車速V毎に複数用意されても良く、あるいは、特性線L1およびL2を複数用意することに代えて、要求トルクマップM1が、予め定められた車速V毎に複数用意されていても良い。CPU11は、シフトポジションセンサ33からのシフトポジション信号SPが後進Rを示しているか否かを判定する(ステップS204)。CPU11は、シフトポジション信号SP=Rである場合には、目標トルクTt=−要求トルクTaに決定して(ステップS206)、本処理ルーチンを終了する。一方、CPU11は、シフトポジション信号SP≠Rである場合には、目標トルクTt=要求トルクTaに決定して(ステップS208)、本処理ルーチンを終了する。決定された目標トルクTtは、監視部20および電動発電機制御部40に入力される。
【0028】
第1の実施形態に係る制御装置100、具体的には監視部20、により実行される監視目標トルク決定処理について説明する。図7に示す処理ルーチンは、例えば、車両の制御システムの始動時から停止時まで、または、スタートスイッチがオンされてからスタートスイッチがオフされるまで所定の時間間隔にて繰り返して実行される。また、監視部20が、フェイルセーフの実行を決定する処理、すなわち、目標トルクTtと監視目標トルクTtwとの比較処理を実行する場合には、監視部20はフェイルセーフ決定部として機能する。さらに、監視部20とは別に、目標トルクTtと監視目標トルクTtwとの比較処理を実行するフェイルセーフ決定部が備えられていても良い。
【0029】
CPU21は、アクセル開度Accおよび検出信号決定処理を経た車速Vhを取得する(ステップS300)。CPU21は、取得したアクセル開度Accおよび車速Vhと監視トルクマップM2とを用いて監視要求トルクTawを算出する(ステップS302)。監視トルクマップM2は、図9に示すように、走行モードMoによって設定される電動発電機41の出力特性の中で、出力トルクが最も大きい、すなわち、アクセル開度Accに対応する出力トルクが最も大きくなる出力特性であるスポーツに対応する特性線L2を有している。さらに、特性線L2は、走行モードMoによって設定される電動発電機41の他の出力特性に応じて車両制御部10により決定される目標トルクTtに対するトルク差が、アクセルオフ時よりもアクセルオン時に大きくなる特性を有している。このような出力特性または特性線L2を用いる理由は、監視部20は走行モード信号を用いることなく監視要求トルクTawを算出しており、走行モードMoがスポーツに設定されている場合に異常発生の誤検出を防止するためである。図9においては、異常判定の理解を容易にするために、監視部20が車両制御部10において異常が発生していると判定するトルクしきい値を示す上限しきい値線G1が示され、走行モードMoがエコの場合に要求トルクTaを決定するために用いられる特性線L1が破線で示されている。上限しきい値線G1は、検出しきい値αを特性線L2上の各トルク値に加算した値をプロットした線であり、上限しきい値線G1のトルク値は、Ttw+αで表される、上記説明において、出力トルクは、監視要求トルクTawおよび監視目標トルクTtwと同義である。
【0030】
CPU21は、シフトポジションセンサ33からのシフトポジション信号SPが後進Rを示しているか否かを判定する(ステップS304)。CPU11は、シフトポジション信号SP=Rである場合には、監視目標トルクTtw=−監視要求トルクTawに決定する(ステップS306)。CPU21は、シフトポジション信号SP≠Rである場合には、監視目標トルクTtw=監視要求トルクTawに決定する(ステップS308)。CPU21は、検出しきい値αを設定する(ステップS310)。検出しきい値αは、目標トルクTtと監視目標トルクTtwとを用いて車両制御部10に異常が発生しているか否かを判定するためのしきい値であり、例えば、図10に示すように、特性線L3として規定され、車速Vに応じて設定される。本実施形態においては、車速Vが大きくなるに連れて検出しきい値αも大きくなる。
【0031】
CPU21は、アクセル操作に応じて検出時間tを設定する(ステップS312)。アクセル操作とは、アクセルの操作態様とも言うことででき、例えば、アクセル開度Accがアクセルの操作態様を判断するパラメータとして用いられる。本実施形態においては、後述するように車両加速度Gの増大を抑制し車両加速度Gの低減を促進するために、アクセル開度Accが大きくなるに連れて検出時間tは短く設定される。より具体的には、図11に示す特性線L4とアクセル開度Accによって設定される。なお、一般的に、アクセル開度Accが全開とされる運転領域は限定的であり、いわゆる、ハーフスロットル、パーシャルスロットルが多用される。そこで、本実施形態においては、特性線L4は、予め定められたアクセル開度Accを超えると略同一の検出時間tとなるように規定され、アクセル開度Accが0、すなわち、アクセルオフの場合に対して、アクセル開度Accが0でない、すなわち、アクセルオンの場合に検出時間tが短くなるように規定されている。
【0032】
CPU21は、目標トルクTtと監視目標トルクTtwとの差分が検出しきい値α以上であるか否か、すなわち、Tt−Ttw≧αであるか否かを判定する(ステップS314)。CPU21は、Tt−Ttw≧αであると判定した場合には(ステップS314:Yes)、車両制御部10に何らかの異常が発生している可能性があると判定し、カウント値Cを1つインクリメントする、すなわちC=C+1とする(ステップS316)。一方、CPU21は、Tt−Ttw≧αでない、すなわち、Tt−Ttw<αと判定した場合には(ステップS314:No)、車両制御部10には異常が発生していないと判定し、カウント値Cをクリアする、すなわちC=0とする(ステップS318)。CPU21は、カウント値Cが検出時間t以上となったか、すなわち、C≧tであるか否かを判定し(ステップS320)、C≧tであると判定した場合には(ステップS320:Yes)、フェイルセーフの実行を決定して(ステップS322)、本処理ルーチンを終了する。CPU21は、C≧tでない、すなわち、C<tあると判定した場合には(ステップS320:No)、フェイルセーフの実行を決定することなく、本処理ルーチンを終了する。なお、カウント値Cは、図7に示す処理ルーチンの実行間隔時間に相当する時間であると見なすことができる。監視部20はフェイルセーフの実行を決定すると、電動発電機制御部40に対してフェイルセーフ信号F/Sを出力して、電動発電機41の出力トルクをクリープトルク[N・m]、または0[N・m]にさせる。
【0033】
以上説明した第1の実施形態に係る制御装置100によれば、車速センサ32から監視部20に入力される2つの検出信号が不一致の場合であっても、直ちにフェイルセーフを実行することなく、高い車速を示す高車速検出信号の信号値である高車速Vhを用いて、要求トルクTaおよび監視要求トルクTaw、すなわち、目標制御値および監視目標トルクTtwを算出するので、車両50の退避走行を可能にすることができる。具体的には、従来は、冗長化信号、例えば、車速センサから2系統の信号線を介して制御部に入力される信号が一致しない場合には、車速センサからの検出信号を用いる処理を直ちに中止するフェイルセーフが実行されていた。この結果、電動発電機の駆動制御は中止され、車両50は走行不能となり停止する。これに対して、第1の実施形態に係る制御装置100では、高い車速を示す高車速Vhを用いて、目標トルクTtおよび監視目標トルクTtwを算出するので、監視部20により車両制御部10における処理に異常が判定されない限り、冗長化信号が不一致の場合であっても、電動発電機41を駆動して車両50の走行を継続させることができる。ここで、電動発電機41は、回転数が高くなるに連れてトルクが小さくなる特性と備えている。車両が変速機を備えない場合、電動発電機41は、図12に符合Gdで示すように、等アクセル開度に対して、高い車速線L5に対応するトルクは低い車速線L6に対応するトルクよりも小さくなる。したがって、高車速検出信号を用いれば、低車速検出信号を用いる場合と比較して、電動発電機41のトルクを小さくすることが可能となり、車両50の予期せぬ挙動、加速度を抑制または防止しながら継続走行を可能とし、運転者は退避走行を行うことができる。
【0034】
車速センサ32に関する故障は、信号線の断線が一般的である。信号線の断線によって、車速信号は0km/hとなるので、第1の実施形態に係る制御装置100によれば、信号線の断線が生じた場合であっても、車速センサ32の異常を運転者に対して報知しつつ継続走行を可能とし、運転者は退避走行や修理のための入庫を実施することができる。
【0035】
その他の実施形態:
(1)上記実施形態において、制御装置100に含まれる監視部20がフェイルセーフ決定部として機能しているが、監視部20がフェイルセーフ決定部として機能せず、制御装置100がフェイルセーフ決定部を備えていなくても良い。すなわち、制御装置100とは別にフェイルセーフ決定装置が備えられても良い。第1の実施形態に係る制御装置100の利点は、フェイルセーフ決定機能を備えていなくても得ることができる。
【0036】
(2)上記実施形態においては、車速センサ32と監視部20とを接続する信号線が2本の例を取って説明したが、信号線数は3本、4本、それ以上であっても良い。この場合であっても、最も高い車速を示す高車速検出信号が用いられれば、第1の実施形態における利点を得ることができる。
【0037】
(3)上記実施形態においては、CPU11が目標トルク算出プログラムP1を実行し、CPU21が監視プログラムP2を実行することによって、ソフトウェア的に車両制御部10および監視部20が実現されているが、予めプログラムされた集積回路またはディスクリート回路によってハードウェア的に実現されても良い。
【0038】
以上、実施形態、変形例に基づき本開示について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本開示の理解を容易にするためのものであり、本開示を限定するものではない。本開示は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本開示にはその等価物が含まれる。たとえば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。例えば、上記第1の態様に係る車両における電動機の制御装置を適用例1とし、
適用例2:適用例1記載の車両における電動機の制御装置はさらに、
前記目標トルクと前記監視目標トルクとを用いて前記電動機に対するフェイルセーフの実行を決定するフェイルセーフ決定部を備える、車両における電動機の制御装置。
適用例3;適用例2に記載の車両における電動機の制御装置はさらに、
前記電動機を制御する第2の制御部であって、前記フェイルセーフ決定部による前記フェイルセーフの実行の決定に応じて、前記電動機を停止させる、第2の制御部を備える、車両における電動機の制御装置。
とすることができる。
【符号の説明】
【0039】
10…車両制御部、20…監視部、20a…検出信号決定部、40…電動発電機制御部、41…電動発電機、50…車両、P1…目標トルク算出プログラム、P2…監視プログラム、100…制御装置。

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