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公開番号2020025419
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200213
出願番号2018149202
出願日20180808
発明の名称電力変換装置
出願人三菱電機株式会社
代理人特許業務法人ぱるも特許事務所,個人,個人,個人,個人
主分類H02M 3/00 20060101AFI20200121BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】測定回路が、スイッチング素子のスイッチング動作に伴い発生するサージ電圧の影響を受けることなく正常な測定動作が可能となる電力変換装置を提供することを目的とする。
【解決手段】下アームを構成するスイッチング素子3bの駆動回路21bおよび電流センサ30の基準電位を共に主回路配線14上の平滑コンデンサ端子の負極側端子63に接続する電力変換装置において、駆動回路21bに電源を供給する制御電源25bと電流センサ30に電源を供給する制御電源35とを互いに電気的に絶縁された別の電源とする。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
主回路配線に接続され電力変換動作を行うスイッチング素子と、前記スイッチング素子をオンオフ駆動する駆動信号を供給する駆動回路と、前記スイッチング素子を制御するための電流を測定する電流測定回路と、前記駆動回路に電源を供給する第一電源回路と、前記電流測定回路に電源を供給する第二電源回路とを備え、前記駆動回路の基準電位と前記電流測定回路の基準電位とが共に前記主回路配線に接続された電力変換装置であって、
前記第一電源回路と前記第二電源回路とを互いに電気的に絶縁されたものとした電力変換装置。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
主回路配線に接続され電力変換動作を行うスイッチング素子と、前記スイッチング素子をオンオフ駆動する駆動信号を供給する駆動回路と、前記スイッチング素子を制御するための電圧を測定する電圧測定回路と、前記駆動回路に電源を供給する第一電源回路と、前記電圧測定回路に電源を供給する第三電源回路とを備え、前記駆動回路の基準電位と前記電圧測定回路の基準電位とが共に前記主回路配線に接続された電力変換装置であって、
前記第一電源回路と前記第三電源回路とを互いに電気的に絶縁されたものとした電力変換装置。
【請求項3】
主回路配線に接続され電力変換動作を行うスイッチング素子と、前記スイッチング素子をオンオフ駆動する駆動信号を供給する駆動回路と、前記スイッチング素子を制御するための電流を測定する電流測定回路と、前記スイッチング素子を制御するための電圧を測定する電圧測定回路と、前記駆動回路に電源を供給する第一電源回路と、前記電流測定回路に電源を供給する第二電源回路と、前記電圧測定回路に電源を供給する第三電源回路とを備え、前記駆動回路の基準電位と前記電流測定回路の基準電位と前記電圧測定回路の基準電位とが共に前記主回路配線に接続された電力変換装置であって、
前記第一電源回路と前記第二電源回路とを互いに電気的に絶縁されたものとするとともに、前記第一電源回路と前記第三電源回路とを互いに電気的に絶縁されたものとした電力変換装置。
【請求項4】
前記第二電源回路を前記第三電源回路と共通のものとした請求項3記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記電流測定回路は、前記主回路配線に接続されたシャント抵抗および前記第二電源回路からの電源で動作し、前記シャント抵抗に発生する電位差を入力信号として電流測定信号を出力する演算増幅回路を備えた請求項1または請求項3または請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記電圧測定回路は、前記主回路配線に接続された分圧抵抗および前記第三電源回路からの電源で動作し、前記分圧抵抗により分圧された電圧を入力信号として電圧測定信号を出力する絶縁ICを備えた請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項7】
単一電源、およびこの単一電源に接続された入力側巻線と互いに電気的に絶縁された複数の出力側巻線とからなる変圧器を備えた共通電源回路を備え、前記複数の前記出力側巻線を介して前記駆動回路および前記電流測定回路に電源を供給することにより、前記第一電源回路および前記第二電源回路を単一の前記共通電源回路に置き替えた請求項1または請求項5に記載の電力変換装置。
【請求項8】
単一電源、およびこの単一電源に接続された入力側巻線と互いに電気的に絶縁された複数の出力側巻線とからなる変圧器を備えた共通電源回路を備え、前記複数の前記出力側巻線を介して前記駆動回路および前記電圧測定回路に電源を供給することにより、前記第一電源回路および前記第三電源回路を単一の前記共通電源回路に置き替えた請求項2または請求項6に記載の電力変換装置。
【請求項9】
単一電源、およびこの単一電源に接続された入力側巻線と互いに電気的に絶縁された複数の出力側巻線とからなる変圧器を備えた共通電源回路を備え、前記複数の前記出力側巻線を介して前記駆動回路、前記電流測定回路および前記電圧測定回路に電源を供給することにより、前記第一電源回路、前記第二電源回路および前記第三電源回路を単一の前記共通電源回路に置き替えた請求項3または請求項4に記載の電力変換装置。
【請求項10】
前記変圧器を、基板パターンによって巻線が構成されたプレーナ型トランスとした請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項11】
前記電力変換装置が、前記スイッチング素子を複数個備える場合、前記複数個の前記スイッチング素子をそれぞれオンオフ駆動する前記複数個の前記駆動回路に、単一の共通する前記第一電源回路から電源を供給するようにした請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項12】
前記電力変換装置は、入力電圧端子と出力電圧端子とを備え、直流電源が接続された前記入力電圧端子と前記出力電圧端子との間で電力変換を行う直流/直流電力変換器を備えた請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項13】
前記電力変換装置は、入力電圧端子と出力電圧端子と平滑コンデンサが接続された平滑コンデンサ端子とを備え、交流電源が接続された前記入力電圧端子と前記平滑コンデンサ端子との間で電力変換を行う交流/直流電力変換器および前記平滑コンデンサ端子と前記出力電圧端子との間で電力変換を行う直流/直流電力変換器を備えた請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項14】
前記スイッチング素子は、ワイドバンドギャップ半導体によって形成されたトランジスタを用いて構成された請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の電力変換装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願は、測定回路を備えた電力変換装置に係り、特に、測定回路の誤測定防止に関するものである。
続きを表示(約 9,900 文字)【背景技術】
【0002】
電力変換装置は、例えば、スイッチング素子で構成される電力変換器と、スイッチング素子をオンオフ駆動する駆動信号を供給する駆動回路と、駆動回路に電源を供給する電源回路と、駆動回路を制御する制御回路と、電力変換器内を流れる電流を制御し短絡故障による過電流を測定するための電流測定回路とを備える。
【0003】
そして、この電流測定回路には、通例、コストを抑えるため、シャント抵抗と、このシャント抵抗の両端電圧信号を増幅する回路と、増幅された信号を制御部に伝える絶縁ICとが使用される。ところで、これら電流測定回路およびその電源回路は、安全対策等から、電力変換装置を収納する筐体から絶縁する必要がある。
従って、電流測定回路をスイッチング素子毎に設けると、電流測定回路の数が増大し、その分、電力変換装置が大型化しコストも増大する。
【0004】
その解決策として、例えば、特許文献1には、複数のスイッチング素子を備え入力電力を直流電力に変換する第一の電力変換器と、複数のスイッチング素子を備え前記直流電力を変換して負荷に出力する第二の電力変換器とを備えた電力変換装置において、前記直流電力の端子間に接続された平滑コンデンサと直列に電流測定回路を挿入するものが紹介されている。
【0005】
これにより、一般的にはスイッチング素子毎に必要となる電流測定回路を一つに集約することで、電力変換装置の小型化低価格化が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第6239024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
また、特許文献1には、第一の電力変換器と第二の電力変換器との負側接続点間に電流測定回路を接続し、電流測定回路としてシャント抵抗を用いた構成とすると、シャント抵抗を用いた電流測定回路と下アームを構成するスイッチング素子の駆動回路との基準電位が同一となることから、電流測定回路の電源と駆動回路の電源とを共通化できるので、電力変換装置の更なる小型化低価格化が実現できるとされている(同特許文献1の明細書段落0028、0038参照)。
【0008】
しかるに、上述したように、電流測定回路の電源と下アームを構成するスイッチング素子の駆動回路の電源とを共有化する、即ち、単一の電源回路から電流測定回路と駆動回路とに電源を供給する構成とすると、以下の通り新たな課題が発生する。
【0009】
前記直流電力の端子間に接続される電流測定回路と直列に挿入される平滑コンデンサは、前記直流電力を平滑化するものであることから一般的に大型大容量のものが必要となる。この結果、この直流電力の端子と各スイッチング素子とを接続する主回路配線は長大化し、この主回路配線自体に存在する寄生インダクタンスが無視できない。
【0010】
そのため、電力変換器におけるスイッチング素子のスイッチング動作に伴い主回路配線を流れる急峻な電流変化により前記寄生インダクタンスにサージ電圧が発生する。
そして、電流測定回路の電源と駆動回路の電源とを共有化している場合は、この寄生インダクタンスに発生したサージ電圧が電流測定回路の測定信号に重畳する可能性がある。
【0011】
その結果、電流測定信号を制御に使用する場合は、例えば、意図する制御が行われなくなる、また、電流測定信号を短絡保護に使用する場合は、例えば、素子短絡が発生していないにも拘わらず短絡発生と検知して電力変換器の動作を停止させたり、素子短絡が発生したにも拘わらず未検知のまま動作を続け電力変換装置全体の破壊に繋がる等の不具合が生じ得ることになる。
【0012】
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、回路構成上、たとえ、スイッチング素子の駆動回路と電流測定回路等の測定回路との基準電位が互いに接続されるものであっても、当該測定回路が、スイッチング素子のスイッチング動作に伴い発生するサージ電圧の影響を受けることなく正常な測定動作が可能となる電力変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願に開示される第一の電力変換装置は、主回路配線に接続され電力変換動作を行うスイッチング素子と、スイッチング素子をオンオフ駆動する駆動信号を供給する駆動回路と、スイッチング素子を制御するための電流を測定する電流測定回路と、駆動回路に電源を供給する第一電源回路と、電流測定回路に電源を供給する第二電源回路とを備え、駆動回路の基準電位と電流測定回路の基準電位とが共に主回路配線に接続された電力変換装置であって、第一電源回路と第二電源回路とを互いに電気的に絶縁されたものとしたものである。
【0014】
本願に開示される第二の電力変換装置は、主回路配線に接続され電力変換動作を行うスイッチング素子と、スイッチング素子をオンオフ駆動する駆動信号を供給する駆動回路と、スイッチング素子を制御するための電圧を測定する電圧測定回路と、駆動回路に電源を供給する第一電源回路と、電圧測定回路に電源を供給する第三電源回路とを備え、駆動回路の基準電位と電圧測定回路の基準電位とが共に主回路配線に接続された電力変換装置であって、第一電源回路と第三電源回路とを互いに電気的に絶縁されたものとしたものである。
【0015】
本願に開示された第三の電力変換装置は、主回路配線に接続され電力変換動作を行うスイッチング素子と、スイッチング素子をオンオフ駆動する駆動信号を供給する駆動回路と、スイッチング素子を制御するための電流を測定する電流測定回路と、スイッチング素子を制御するための電圧を測定する電圧測定回路と、駆動回路に電源を供給する第一電源回路と、電流測定回路に電源を供給する第二電源回路と、電圧測定回路に電源を供給する第三電源回路とを備え、駆動回路の基準電位と電流測定回路の基準電位と電圧測定回路の基準電位とが共に主回路配線に接続された電力変換装置であって、第一電源回路と第二電源回路とを互いに電気的に絶縁されたものとするとともに、第一電源回路と第三電源回路とを互いに電気的に絶縁されたものとしたものである。
【発明の効果】
【0016】
本願に開示される各電力変換装置によれば、スイッチング素子に駆動信号を供給する駆動回路に電源を供給する第一電源回路と各測定回路に電源を供給する第二電源回路またはおよび第三電源回路とを互いに電気的に絶縁された電源としたので、当該各測定回路が、スイッチング素子のスイッチング動作に伴い発生するサージ電圧の影響を受けることなく正常な測定動作が可能となる電力変換装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
実施の形態1による電力変換装置の全体構成を示す図である。
比較例としての電力変換装置の全体構成とスイッチング素子のスイッチング動作により寄生インダクタンス15aにサージ電圧が発生する様子を説明するための図である。
電流センサ30のオペアンプ33を含む差動増幅回路の基本となる動作を説明するための図である。
比較例としての電力変換装置における電流センサ30の動作を説明するための図で、サージ電圧が発生していないタイミングにおけるものである。
比較例としての電力変換装置における電流センサ30の動作を説明するための図で、サージ電圧が発生しているタイミングにおけるものである。
実施の形態1による電力変換装置における電流センサ30の動作を説明するための図で、サージ電圧が発生しているタイミングにおけるものである。
比較例としての電力変換装置の全体構成とスイッチング素子のスイッチング動作により寄生インダクタンス15bにサージ電圧が発生する様子を説明するための図である。
実施の形態2による電力変換装置における、電流センサ30および各駆動回路に電源を供給することができる共通電源回路501の内部構成を示す図である。
実施の形態3による電力変換装置の全体構成を示す図である。
実施の形態4による電力変換装置の全体構成を示す図である。
実施の形態5による電力変換装置の全体構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施の形態1.
図1は実施の形態1による電力変換装置の全体構成を示す図である。図1の電力変換装置は、全体としては、交流電源1の交流電圧Vinを直流電圧Voutに電力変換してバッテリ等の直流負荷11に出力するもので、交流電源1が接続された入力電圧端子としての交流電圧端子60、61と後述する平滑コンデンサ5が接続された平滑コンデンサ端子62、63との間で電力変換を行う交流/直流電力変換器としてのAC/DCコンバータ101と、平滑コンデンサ端子62、63間に互いに直列に接続された、AC/DCコンバータ101の出力を平滑する平滑コンデンサ5および電流測定回路としての電流センサ30と、平滑コンデンサ端子62、63と出力電圧端子としての直流電圧端子64、65との間で電力変換を行う直流/直流電力変換器としてのDC/DCコンバータ102とを備えている。
【0019】
AC/DCコンバータ101は、力率改善用のPFC(Power Factor Collection)リアクトル2と、ソースドレイン間にダイオードが内蔵されたMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)からなる半導体スイッチング素子(以下、単に、スイッチング素子と称す)3a、3bをハーフブリッジ構成した回路と、それと並列に半導体整流素子であるダイオード4a、4bを直列接続した直列回路とで構成するトーテムポール型であって、交流電源1の交流電圧Vinを平滑コンデンサ5の直流電圧Vdcに整流する整流回路3として構成されている。
【0020】
なお、スイッチング素子3a、3bは、MOSFETに限らず、ダイオードが逆並列接続されたIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の自己消弧型半導体スイッチング素子でもよい。
【0021】
DC/DCコンバータ102は、トランス7と、トランス7の一次巻線7aに接続され、ソースドレイン間にダイオードが内蔵されたMOSFETからなるスイッチング素子6a〜6dをフルブリッジ構成して、平滑コンデンサ5の直流電圧Vdcを交流電圧に変換するインバータとしての単相インバータ6と、トランス7の二次巻線7bに接続され、ダイオード8a〜8dをフルブリッジ構成した整流回路8とを備える。また、整流回路8の出力側には平滑リアクトル9と出力コンデンサ10が接続され、直流負荷11へ直流電圧Voutが出力される。
【0022】
スイッチング素子3a、3b、6a〜6dのゲート端子とソース端子とには、これらスイッチング素子をオンオフ駆動する駆動信号を供給する駆動回路21a、21b、22a〜22dが接続されている。
また、駆動回路21a、22a、22cには、第一電源回路としての制御電源25a、26a、26cが接続され、駆動回路21b、22b、22dには第一電源回路としての制御電源25bが接続されている。
【0023】
電流センサ30は、シャント抵抗32と、抵抗31a〜31dおよびオペアンプ33によって構成される差動増幅回路が含まれ、オペアンプ33の電源端子には、第二電源回路としての制御電源35が接続されている。
【0024】
なお、各スイッチング素子3a、3b、6a〜6d、ダイオード4a、4b、電流センサ30、平滑コンデンサ端子62、63等は、互いに主回路配線14で接続されており、この主回路配線14上の寄生インダクタンス15a、15bの存在、また、各駆動回路および電流センサ30と各制御電源とは電源配線で接続されておりこれら電源配線に係る接続構成は、本願の要部に係るテーマであるので、以下で、詳細に説明するものとする。
他方、各駆動回路を制御する制御系については、本願の主題ではないので図示しての説明は省略している。
【0025】
ここでは、先ず、課題の欄で既述した内容の理解を容易とするため、先の特許文献1の記載内容に基づき作成した図2を本願の比較例として設定して説明するものとする。
図2は、比較例としての電力変換装置の全体構成とスイッチング素子のスイッチング動作により寄生インダクタンス15aにサージ電圧が発生する様子を説明するものである。
主回路配線14が関係する部分は、先の図1の構成と全く同一である。そして、電源配線に関係する部分は、図2では、既述した特許文献1で適用されているように、基準電位が同一になることから装置の小型化を図る目的で、下アームを構成するスイッチング素子3b、6b、6dの駆動回路21b、22b、22dに電源を供給する制御電源25bが、合わせて電流センサ30にも電源を供給する構成としている。
【0026】
既述した通り、大容量の平滑コンデンサ5の存在で主回路配線14が長大化する傾向があり、AC/DCコンバータ101の主回路配線14上には、図に示す寄生インダクタンス15aが存在する。
次に、電力変換動作を行うスイッチング素子のスイッチング動作に伴いこの寄生インダクタンス15aにサージ電圧が発生する現象について図2により説明する。
【0027】
ここで、AC/DCコンバータ101の電力変換、力率改善の動作により、予め、交流電源1→PFCリアクトル2→スイッチング素子3b→ダイオード4b→交流電源1の経路(図2の点線矢印)に電流が流れているものとする。このとき、スイッチング素子3bがターンオフすると、電流経路は、交流電源1→PFCリアクトル2→スイッチング素子3a→平滑コンデンサ5→電流センサ30→寄生インダクタンス15a→ダイオード4b→交流電源1の経路(図2の一点鎖線矢印)に切り替わる。
即ち、スイッチング素子の電力変換動作における転流動作に伴い、寄生インダクタンス15aに流れる電流が急激に増加するため、寄生インダクタンス15aの両端にサージ電圧Vsurgeが発生する。
【0028】
次に、サージ電圧移行の説明に入る前提として、電流センサ30のオペアンプ33を含む差動増幅回路の基本動作、即ち、正常時の測定動作について図3を参照して確認しておく。なお、図3は、先の図1の電流センサ30を抽出して示すものである。
【0029】
図3において、Vddは、制御電源(電源a)35の電源35aの電圧、Vaは、制御電源35内の電源35bの電圧、Viは、シャント抵抗32両端の電圧、Voは、オペアンプ33の−側電源端子と出力端子との電位差、R1は、抵抗31a、31bの抵抗値、R2は、抵抗31c、31dの抵抗値とする。
【0030】
オペアンプ33の+側入力端子と−側入力端子とは、いわゆるイマジナリーショート作用により同電位となる。その為、図に示す電流I1、Vi、R1に関して(1)式が成立する。
I1×R1=Vi+I2×R1 ・・・ (1)
【0031】
オペアンプ33の入力端子の入力インピーダンスは十分高く、入力端子に電流が流れ込むことはない為、電流I1、I2は、それぞれ(2)式、(3)式で表される。
【0032】
I1=Vo/(R1+R2) ・・・ (2)
I2=(Va−Vi)/(R1+R2) ・・・ (3)
【0033】
(1)式に、(2)式、(3)式を代入すると(4)式になり、(4)式を変形して(5)式が得られる。
【0034】
Vo×R1/(R1+R2)
=Vi+(Va−Vi)×R1/(R1+R2)・・・ (4)
Vo=Vi×R2/R1+Va ・・・ (5)
【0035】
(5)式に示すように、電流センサ30は、正常な動作では、シャント抵抗32両端の電圧ViをR2/R1倍し、これに電圧Vaだけ加えた値Voを出力する。
【0036】
次に、図4、図5は、寄生インダクタンス15aに発生したサージ電圧Vsurgeの電流センサ30への移行の現象を説明するため、当該現象に関連する要部を図2から抽出して示したものである。
先ず、図4は、スイッチング素子のスイッチング動作の関係でサージ電圧が発生していないタイミングにおける状態を示すものである。
【0037】
既述したように、下アームを構成するスイッチング素子3bの駆動回路21bおよび電流センサ30の基準電位を共に主回路配線14上の平滑コンデンサ端子の負極側の端子63に接続している。具体的には、駆動回路21bの基準電位23bは電源配線16aにより主回路配線14に接続されており、電流センサ30の基準電位34は電源配線16bにより主回路配線14に接続されている。
【0038】
なお、本願では、便宜上、基準電位をGND端子の形で図示するとともに、上述のように、誤解が生じない範囲で、例えば、基準電位23bは電源配線16aにより主回路配線14に接続されている、といった形で表現するものとする。請求項上も同様の記載を用いている。
更に、駆動回路21bおよび電流センサ30が共に電源配線16cにより単一の制御電源(電源e)25bに接続されている。
【0039】
図4では、サージ電圧が発生しておらず、駆動回路21bの基準電位23bと電流センサ30の基準電位34とは、電源配線16a、主回路配線14、電源配線16b、電源配線16cにより接続されているので、両基準電位23b、34は勿論、図に示す接続点Aと接続点Bの電位も互いに同一となっている。
従って、図中、矢印で示す電圧Vinは、先の(1)式に相当する正常な値を保っている。
【0040】
ここで、寄生インダクタンス15aにサージ電圧Vsurgeが発生した場合の動作を図5を参照して説明する。
図5では、図4で説明したように、図の一点鎖線で示す閉回路が形成されており、この閉回路にサージ電圧Vsurgeによるサージ電流が流れる。そして、接続点Aと接続点Bとの間の電源配線16bは、主回路配線14と比べると細く、配線インピーダンス36が存在することから同電位ではなくなり、矢印で示す、オペアンプ33の入力端子の電位は、正常時の電圧Vinに、Vsurgeのα(0<α<1)倍のかなり大きな電圧が重畳し、電源電圧範囲を超え出力電圧が飽和する。
【0041】
その結果、オペアンプ33は、シャント抵抗32の両端電圧を増幅する機能を果たさなくなり、平滑コンデンサ5に実際に流れる電流とは異なる電流値が出力されたり、オペアンプ33自身が破壊される恐れがある。
【0042】
これに対し、図6は、実施の形態1による電力変換装置における電流センサ30の動作を説明するための図で、サージ電圧が発生しているタイミングにおけるものである。図4、図5と同様、駆動回路21bの基準電位23bは電源配線16aにより主回路配線14に接続されており、電流センサ30の基準電位34は電源配線16bにより主回路配線14に接続されている。
【0043】
即ち、下アームを構成するスイッチング素子3bの駆動回路21bおよび電流センサ30の基準電位を共に主回路配線14と接続している点は比較例と同じである。
しかし、実施の形態1による図6の場合は、駆動回路21bとこの駆動回路21bに電源を供給する第一電源回路である制御電源25bとは電源配線17で接続され、電流センサ30とこの電流センサ30に電源を供給する第二電源回路である制御電源35とは、電源配線18で接続され、制御電源25bと制御電源35とは互いに電気的に絶縁された別の電源としたので、寄生インダクタンス15aに発生したサージ電圧Vsurgeによるサージ電流が電源配線16bに流れることはなく、従って、接続点Aと接続点Bとは同電位を保っている。
【0044】
その結果、オペアンプ33の入力端子の電位が、電源電圧範囲を超過することはなく、オペアンプ33は設計通りの信号増幅動作を行い、電流センサ30の正常な動作が確保される。
【0045】
図7は、再び、比較例としての電力変換装置の全体構成を示すものであるが、ここでは、DC/DCコンバータ102に存在する寄生インダクタンス15bに着目し、この寄生インダクタンス15bに発生するサージ電圧について説明する。
【0046】
ここでは、DC/DC変換のため、予め、平滑コンデンサ5→スイッチング素子6a→トランス7の一次巻線7a→スイッチング素子6d→寄生インダクタンス15b→電流センサ30→平滑コンデンサ5の経路(図7の一点鎖線矢印)に電流が流れているものとする。このとき、スイッチング素子6aと6dがターンオフすると、電流経路は消滅する。
即ち、スイッチング素子の電力変換動作における転流動作に伴い、寄生インダクタンス15bに流れる電流が急激に減少するため、寄生インダクタンス15bの両端にサージ電圧Vsurgeが発生する。
【0047】
なお、この寄生インダクタンス15bに発生したサージ電圧Vsurgeの影響で、比較例の構成では、電流センサ30の測定動作が異常となる点、これに対し、この実施の形態1では、サージ電圧Vsurgeの影響を受けることなく電流センサ30は正常な測定動作を行うことは、先の、寄生インダクタンス15aに発生したサージ電圧Vsurgeに関して説明した内容の通りであり、再度の説明は割愛する。
【0048】
本願の適用で、以下のような利点も得られる。即ち、上述した各半導体スイッチング素子として、例えば、SiC(Silicon Carbide)またはGaN(Gallium Nitride)等のワイドバンドギャップ半導体によって形成されたトランジスタをその一部もしくは全部に用いてもよい。その場合、各スイッチング素子のスイッチング時間は短縮され、スイッチング損失が低減すると共に、各スイッチング素子を冷却する部品の小型化が可能となる。
【0049】
また、スイッチング素子6a〜6dの駆動周波数の増大により、トランス7および平滑リアクトル9の小型化が可能となり、その結果、電力変換装置のコストおよびサイズの低減が実現する。
【0050】
ここで懸念されるのが、スイッチング時間の短縮に伴う電流時間変化率di/dtの増大で、寄生インダクタンス15a、15bで発生するサージ電圧Vsurgeが上昇し、それによる電流センサ30の誤測定動作であるが、以上で詳述した通り、本願の電力変換装置を適用することで、この懸念が払拭され、ワイドバンドギャップ半導体の特長が確実に活かされるわけである。
(【0051】以降は省略されています)

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