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公開番号2020005489
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200109
出願番号2019035163
出願日20190228
発明の名称走行中非接触給電システム及び非接触給電装置
出願人株式会社デンソー
代理人特許業務法人明成国際特許事務所
主分類H02J 50/10 20160101AFI20191206BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】電力脈動を抑制しつつ、装置構成を簡略化できる技術を提供する。
【解決手段】走行中非接触給電システムは、道路の進行方向に沿って設置された複数の1次コイル112と、車両200に搭載された2次コイル212とを用いて車両の走行中に車両に給電する。1次コイル112と2次コイル212のうちの一方が単相コイルであり、他方が多相コイルである。
【選択図】図2D
特許請求の範囲【請求項1】
道路の進行方向に沿って設置された複数の1次コイル(112)と、車両(200)に搭載された2次コイル(212)とを用いて前記車両の走行中に前記車両に給電する走行中非接触給電システムであって、
前記1次コイルと前記2次コイルのうちの一方が単相コイルであり、他方が多相コイルである、走行中非接触給電システム。
続きを表示(約 2,900 文字)【請求項2】
請求項1に記載の走行中非接触給電システムであって、
前記1次コイルは単相コイルであり、前記2次コイルは多相コイルである、走行中非接触給電システム。
【請求項3】
請求項2に記載の走行中非接触給電システムであって、
前記2次コイルは、第1相コイルと第2相コイルとで構成された2相コイルである、走行中非接触給電システム。
【請求項4】
請求項3に記載の走行中非接触給電システムであって、
前記車両の前後方向に測った前記第1相コイルと前記第2相コイルのずれ幅(Db)が、前記1次コイルの電気角の90度に相当する長さ(Da/4)よりも大きく設定されている、走行中非接触給電システム。
【請求項5】
請求項3に記載の走行中非接触給電システムであって、
前記車両の前後方向に測った前記第1相コイルと前記第2相コイルのずれ幅(Db)が、前記1次コイルの電気角の102±6度の範囲内に相当する値に設定されている、走行中非接触給電システム。
【請求項6】
請求項3に記載の走行中非接触給電システムであって、
前記第1相コイルと前記第2相コイルの相互インダクタンスが、0±0.01μHの範囲内にある、走行中非接触給電システム。
【請求項7】
請求項3に記載の走行中非接触給電システムであって、
前記1次コイルと前記2次コイルの結合係数の2乗の2次成分の振幅が、0から0.001までの範囲内にある、走行中非接触給電システム。
【請求項8】
請求項3〜7のいずれか一項に記載の走行中非接触給電システムであって、
前記2次コイルには磁性体ヨーク(214)が設けられており、
前記車両の前後方向に測った前記2次コイル用の前記磁性体ヨークの長さ(L214)が、前記1次コイルの電気角の360度に相当する長さ(Da)よりも大きく設定されている、走行中非接触給電システム。
【請求項9】
請求項2に記載の走行中非接触給電システムであって、
Mを3以上の整数としたとき、前記2次コイルは、M個のコイルで構成されたM相コイルである、走行中非接触給電システム。
【請求項10】
請求項9に記載の走行中非接触給電システムであって、
前記車両の前後方向に測った前記M個のコイルの相互のずれ幅(Db)が、前記1次コイルの電気角の(360÷M)度に相当する長さよりも大きく設定されている、走行中非接触給電システム。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の走行中非接触給電システムであって、
前記車両の前後方向に沿って並ぶ前記M個のコイルのうちの中央に存在する特定相のコイルは、他の相のコイルよりもコイル面積が小さく設定されている、走行中非接触給電システム。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれか一項に記載の走行中非接触給電システムであって、
前記2次コイルには磁性体ヨーク(214)が設けられており、
前記車両の前後方向に沿って並ぶ前記M個のコイルのうちの中央に存在する特定相のコイルは、他の相のコイルよりも前記磁性体ヨークからの距離が大きな位置に設置されている、走行中非接触給電システム。
【請求項13】
請求項12に記載の走行中非接触給電システムであって、
前記M個のコイルは、前記車両の前後方向に沿って延びるコイルエンド(Ce)と、前記車両の幅方向に沿って延びる主コイル部(Mc)とを有しており、
前記M個のコイルを前記磁性体ヨークの表面に垂直な方向から観察したとき、前記コイルエンドは前記磁性体ヨークの外側に配置されている、走行中非接触給電システム。
【請求項14】
請求項9〜13のいずれか一項に記載の走行中非接触給電システムであって、
前記M個のコイルのうちの少なくとも1相のコイルの巻き方向は、他の相のコイルの巻き方向と異なる、走行中非接触給電システム。
【請求項15】
請求項14に記載の走行中非接触給電システムであって、
前記M個のコイルの巻き方向は、前記車両の前後方向に沿った前記M個のコイルの配列順に、交互に逆方向となっている、走行中非接触給電システム。
【請求項16】
請求項14又は15に記載の走行中非接触給電システムであって、
前記車両の前後方向に測った前記M個のコイルの相互のずれ幅(Db)が、前記1次コイルの電気角の(360÷M÷2)度以上(360÷M÷2+20)度以下の範囲内に相当する値に設定されている、走行中非接触給電システム。
【請求項17】
請求項9〜16のいずれか一項に記載の走行中非接触給電システムであって、
Wcを各コイルの巻線幅としたとき、前記車両の前後方向に測った各コイルの長さが、前記1次コイルの電気角の(180−180÷M−Wc)度に相当する値以下に設定されている、走行中非接触給電システム。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか一項に記載の走行中非接触給電システムであって、
前記1次コイルには磁性体ヨーク(114)が設けられており、
前記1次コイル用の前記磁性体ヨークは、前記1次コイルのコイル線が存在する位置以外の位置に設けられたギャップを有する、走行中非接触給電システム。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか一項に記載の走行中非接触給電システムであって、
前記1次コイルには第1共振コンデンサ(116)が並列に接続されており、
前記2次コイルには第2共振コンデンサ(216)が並列に接続されている、走行中非接触給電システム。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか一項に記載の走行中非接触給電システムであって、更に、
直流電圧を供給する電源回路(130)と、
前記電源回路に接続されたハイサイドスイッチ(21)とローサイドスイッチ(22)をそれぞれ有し、前記複数の1次コイルに交流電圧を供給する複数の送電回路(120)と、
を備え、
前記複数の1次コイルは互いに直列に接続されており、
隣接する前記1次コイルの間の接続点は、共振コンデンサ(116)を介して、前記複数の送電回路のうちの1つの送電回路の前記ハイサイドスイッチと前記ローサイドスイッチとの間の接続点に接続されている、走行中非接触給電システム。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか一項に記載の走行中非接触給電システムに使用される非接触給電装置(100)であって、
前記複数の1次コイル(112)と、
直流電圧を供給する電源回路(130)と、
前記電源回路の直流電圧を交流電圧に変換して前記複数の1次コイルに供給する複数の送電回路(120)と、
を備える非接触給電装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の走行中に非接触で車両に給電する技術に関する。
続きを表示(約 17,000 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両の走行中に非接触で車両に給電する技術が開示されている。この従来技術では、道路に設置される1次コイルと車両に搭載される2次コイルは、それぞれ3相コイルとして構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2015−521456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、1次コイルと2次コイルの両方が3相コイルなので、走行中の電力脈動は小さいが、装置が大型化してしまいコストも増大するという問題がある。そこで、電力脈動を抑制しつつ、装置構成を簡略化できる技術が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一形態によれば、道路の進行方向に沿って設置された複数の1次コイル(112)と、車両(200)に搭載された2次コイル(212)とを用いて前記車両の走行中に前記車両に給電する走行中非接触給電システムが提供される。この走行中非接触給電システムでは、前記1次コイルと前記2次コイルのうちの一方が単相コイルであり、他方が多相コイルである。
【0006】
この走行中非接触給電システムによれば、1次コイル(112)と2次コイル(212)のうちの一方が単相コイルであり、他方が多相コイルなので、簡素な構成で電力脈動の少ない給電を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
走行中非接触給電システムの全体構成を示すブロック図。
1次コイルが3相で2次コイルが単相のコイル構成を示す説明図。
1次コイルが2相で2次コイルが単相のコイル構成を示す説明図。
1次コイルが単相で2次コイルが3相のコイル構成を示す説明図。
1次コイルが単相で2次コイルが2相のコイル構成を示す説明図。
S−S方式(1次側直列2次側直列方式)の共振回路を示す説明図。
P−P方式(1次側並列2次側並列方式)の共振回路を示す説明図。
P−S方式(1次側並列2次側直列方式)の共振回路を示す説明図。
S−P方式(1次側直列2次側並列方式)の共振回路を示す説明図。
PS−P方式(1次側並列直列2次側並列方式)の共振回路を示す説明図。
他の共振回路を示す説明図。
コイル構成と共振方式の組み合わせ毎のコイル効率を示す説明図。
コイル構成と共振方式の組み合わせ毎の電力脈動を示す説明図。
コイル構成と他の共振方式の組み合わせ毎の電力脈動を示す説明図。
コイル構成の評価結果を示す説明図。
1次コイルが多相で2次コイルが単相の場合のインバータ出力を示す説明図。
1次コイルが単相で2次コイルが多相の場合のインバータ出力を示す説明図。
1次コイルが単相で2次コイルが3相の場合の電力脈動を示す説明図。
1次コイルが単相で2次コイルが2相の場合の電力脈動を示す説明図。
図8Bと図8Cに対して基準となる構成の電力脈動を示す説明図。
2次コイルの2相コイルのずれ幅を1次コイルの電気角の90度に相当する長さより大きくした構成の電力脈動を示す説明図。
2次コイルの磁性体ヨークの長さを1次コイルの電気角の360度に相当する長さより大きくした構成の電力脈動を示す説明図。
2相の2次コイルの機械的位相と1次コイル/2次コイルの結合係数の2乗の2次成分の振幅との関係を示すグラフ。
2相の2次コイルの機械的位相と相互インダクタンスとの関係を示すグラフ。
2相の2次コイルの機械的位相と電力脈動との関係を示すグラフ。
図10Bと図10Cに対して基準となる3相の2次コイルの電力脈動を示す説明図。
3相の2次コイルの各コイルのずれ幅を1次コイルの電気角の120度に相当する長さより大きくした構成の電力脈動を示す説明図。
3相の2次コイルの磁性体ヨークの長さを1次コイルの電気角の360度に相当する長さより大きくした構成の電力脈動を示す説明図。
3相の2次コイルのコイルエンドを磁性体ヨークの外側に配置した構成を示す説明図。
3相の2次コイルのうちの中央のコイルのコイル面積を他のコイルのコイル面積よりも小さくした構成を示す説明図。
3相の2次コイルのうちの中央のコイルを他のコイルよりも磁性体ヨークからの距離が大きな位置に設置した構成を示す説明図。
3相の2次コイルの各コイルの磁性体ヨークからの距離を順次大きくした構成を示す説明図。
3相の2次コイルの各コイルの巻き方を同じにした構成を示す説明図。
3相の2次コイルの各コイルの巻き方を交互に逆方向とした構成を示す説明図。
5相の2次コイルの各コイルの巻き方を同じにした構成を示す説明図。
5相の2次コイルの各コイルの巻き方を交互に逆方向とした構成を示す説明図。
3相の2次コイルのz方向の配置を示す説明図。
3相の2次コイルの各コイルの長さを短くした構成と配置を示す説明図。
1次コイルの磁性体ヨークを密に配置した場合の電力脈動を示す説明図。
1次コイルの磁性体ヨークにギャップを設けた場合の電力脈動を示す説明図。
送電回路の回路構成と電流経路の例を示す説明図。
図17Aの送電回路を用いて実現可能な他の電流経路を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示すように、走行中非接触給電システムは、道路RSに設置された非接触給電装置100と、道路RSを走行する車両200とを含み、車両200の走行中に非接触給電装置100から車両200に給電することが可能なシステムである。車両200は、例えば、電気自動車やハイブリッド車として構成される。図1において、x軸方向は車両200の進行方向を示し、y軸方向は車両200の幅方向を示し、z軸方向は鉛直上方向を示す。後述する他の図におけるx,y,z軸の方向も、図1と同じ方向を示している。
【0009】
非接触給電装置100は、複数の送電コイル部110と、複数の送電コイル部110に交流電圧を供給する複数の送電回路120と、複数の送電回路120に直流電圧を供給する電源回路130と、受電コイル位置検出部140とを備えている。
【0010】
複数の送電コイル部110は、道路RSの進行方向に沿って設置されている。個々の送電コイル部110は、1次コイルを含んでいる。1次コイルを「送電コイル」とも呼ぶ。送電コイル部110の具体的な構成例については後述する。1次コイルは送電コイル部110として構成されている必要はなく、道路RSの進行方向に沿って複数の1次コイルが設置されていればよい。
【0011】
複数の送電回路120は、電源回路130から供給される直流電圧を高周波の交流電圧に変換して送電コイル部110の1次コイルに印加するインバータ回路である。電源回路130は、直流電圧を送電回路120に供給する回路である。例えば、電源回路130は、外部電源の交流電圧を整流して直流電圧を出力するAC/DCコンバータ回路として構成される。電源回路130が出力する直流電圧は、完全な直流電圧でなくてもよく、或る程度の変動(リップル)を含んでいても良い。
【0012】
受電コイル位置検出部140は、車両200に搭載されている受電コイル部210の位置を検出する。受電コイル位置検出部140は、例えば、複数の送電回路120における送電電力や送電電流の大きさから受電コイル部210の位置を検出しても良く、或いは、車両200との無線通信や車両200の位置を検出する位置センサを利用して受電コイル部210の位置を検出しても良い。複数の送電回路120は、受電コイル位置検出部140で検出された受電コイル部210の位置に応じて、受電コイル部210に近い1つ以上の送電コイル部110を用いて送電を実行する。
【0013】
車両200は、受電コイル部210と、受電回路220と、メインバッテリ230と、モータジェネレータ240と、インバータ回路250と、DC/DCコンバータ回路260と、補機バッテリ270と、補機280と、制御装置290とを備えている。
【0014】
受電コイル部210は、2次コイルを含んでおり、送電コイル部110の1次コイルとの間の電磁誘導によって誘導起電力を生じる装置である。2次コイルを「受電コイル」とも呼ぶ。受電回路220は、受電コイル部210から出力される交流電圧を、メインバッテリ230の充電に適した直流電圧に変換する回路である。例えば、受電回路220は、交流電圧を直流電圧に変換する整流回路と、その直流電圧を昇圧するDC/DCコンバータ回路とを含む回路として構成される。受電回路220から出力される直流電圧は、メインバッテリ230の充電に利用することができ、また、補機バッテリ270の充電や、モータジェネレータ240の駆動、及び、補機280の駆動にも利用可能である。
【0015】
メインバッテリ230は、モータジェネレータ240を駆動するための比較的高い直流電圧を出力する2次電池である。モータジェネレータ240は、3相交流モータとして動作し、車両200の走行のための駆動力を発生する。モータジェネレータ240は、車両200の減速時にはジェネレータとして動作し、3相交流電圧を発生する。インバータ回路250は、モータジェネレータ240がモータとして動作するとき、メインバッテリ230の直流電圧を3相交流電圧に変換してモータジェネレータ240に供給する。インバータ回路250は、モータジェネレータ240がジェネレータとして動作するとき、モータジェネレータ240が出力する3相交流電圧を直流電圧に変換してメインバッテリ230に供給する。
【0016】
DC/DCコンバータ回路260は、メインバッテリ230の直流電圧を、より低い直流電圧に変換して補機バッテリ270及び補機280に供給する。補機バッテリ270は、補機280を駆動するための比較的低い直流電圧を出力する2次電池である。補機280は、空調装置や電動パワーステアリング装置等の周辺装置である。
【0017】
制御装置290は、車両200内の各部を制御する。制御装置290は、走行中非接触給電を受ける際には、受電回路220を制御して受電を実行する。
【0018】
図2Aに示すように、送電コイル部110は、1次コイル112と、磁性体ヨーク114とを有している。受電コイル部210は、2次コイル212と、磁性体ヨーク214とを有している。この例では、1次コイル112は、U相コイル112uとV相コイル112vとW相コイル112wとを含む3相コイルとして構成されている。3つのコイル112u,112v,112wはスター結線又はデルタ結線されている。2次コイル212は、単相コイルとして構成されている。各コイル112u,112v,112w,212は、2以上の巻数を有する集中巻コイルとして構成されているが、図2Aでは簡略化して描かれている。各コイルのコイル線を示す丸の中に付されている黒丸「・」とバツ印「×」は、電流方向が逆方向であることを示している。後述する他の図も同様である。
【0019】
磁性体ヨーク114,214はいわゆるバックヨークであり、コイル112,212の周辺の磁束密度を高めるために使用されている。送電コイル部110の磁性体ヨーク114は、1次コイル112の裏側に配置されている。「1次コイル112の裏側」とは、1次コイル112と2次コイル212の間のギャップと反対の側を意味する。同様に、受電コイル部210の磁性体ヨーク214は、2次コイル212の裏側に配置されている。磁性体ヨーク114,214とは別に、1次コイル112と2次コイル212に磁性体コアを設けてもよい。また、磁性体ヨーク114,214の裏側に、非磁性金属製の磁気シールド板をそれぞれ設けてもよい。
【0020】
図2Aには、1次コイル112の3つのコイル112u,112v,112wによる3相の電圧波形U,V,Wが描かれている。1次コイル112に印加する交流電圧の周波数は、1次コイル112から2次コイル212への送電に関して、車両200の走行中にも2次コイル212がほぼ停止していると見なせる程度に十分に高い周波数に設定される。図2Aにおいて、2次コイル212がx方向(右方向)に一定速度で移動すると仮定すると、2次コイル212の移動周波数f
212
を次式で算出できる。

212
=1/{p
112
/v
212
} …(1)
ここで、p
112
は1次コイル112のピッチ[m]、v
212
は2次コイル212の移動速度[m/s]である。
この移動周波数f
212
は、2次コイル212が複数の1次コイル112の配列方向に沿って進行するときの周波数であると考えることができる。例えば、走行中非接触給電における2次コイル212の移動周波数f
212
が数十Hz〜数百Hzの範囲の場合には、1次コイル112に印加する交流電圧の周波数は数十kHz〜数百kHzの範囲の値に設定される。このように、1次コイル112に印加する交流電圧の周波数を2次コイル212の移動周波数f
212
よりも十分に大きな値に設定すれば、1次コイル112から2次コイル212への送電に関しては、車両200の走行中にも2次コイル212がほぼ停止していると見なすことができる。但し、車両200が走行すると、1次コイル112と2次コイル212の相互の位置関係が変化するので、送電電力に変動(電力脈動)が生じる。この電力脈動については後述する。
【0021】
図2Bに示すように、1次コイル112をA相コイル112aとB相コイル112bとを含む2相コイルとし、2次コイル212を単相コイルとしてもよい。図2Bには、1次コイル112の2つのコイル112a,112bによる2相の電圧波形A,Bが描かれている。図2A及び図2Bにおいて、1次コイル112は、2相や3相に限らず、4相以上としてもよい。換言すれば、2次コイル212が単相コイルの場合には、1次コイル112は、2相以上の多相コイルとして構成することができる。
【0022】
図2Cに示すように、1次コイル112を単相コイルとし、2次コイル212を3相コイルとしてもよい。或いは、図2Dに示すように、1次コイル112を単相コイルとし、2次コイル212を2相コイルとしてもよい。2次コイル212は、2相や3相に限らず、4相以上としてもよい。換言すれば、1次コイル112が単相コイルの場合には、2次コイル212は、2相以上の多相コイルとして構成することができる。
【0023】
以上の説明から理解できるように、1次コイル112と2次コイル212のうちの一方を単相コイルとし、他方を多相コイルとすることが好ましい。この構成によれば、1次コイル112と2次コイル212の両方を多相コイルとする場合に比べて、簡素な構成で走行中の電力脈動の少ない給電を行うことが可能である。この点については更に後述する。
【0024】
図3A〜図3Fに示すように、送電コイル部110と受電コイル部210は、共振コンデンサ116,216をそれぞれ含んでいる。共振コンデンサ116,216による代表的な共振方式には、以下が存在する。
(1)S−S方式(1次側直列2次側直列方式)
S−S方式は、図3Aに示すように、1次コイル112とその共振コンデンサ116が直列接続されており、2次コイル212とその共振コンデンサ216も直列接続されている共振方式である。
(2)P−P方式(1次側並列2次側並列方式)
P−P方式は、図3Bに示すように、1次コイル112とその共振コンデンサ116が並列接続されており、2次コイル212とその共振コンデンサ216も並列接続されている共振方式である。
(3)P−S方式(1次側並列2次側直列方式)
P−S方式は、図3Cに示すように、1次コイル112とその共振コンデンサ116が並列接続されており、2次コイル212とその共振コンデンサ216が直列接続されている共振方式である。
(4)S−P方式(1次側直列2次側並列方式)
S−P方式は、図3Dに示すように、1次コイル112とその共振コンデンサ116が直列接続されており、2次コイル212とその共振コンデンサ216が並列接続されている共振方式である。
【0025】
図3E及び図3Fは、他の共振方式を示している。図3Eは、1次コイル112に並列接続された共振コンデンサ116pと、1次コイル112に直列接続された共振コンデンサ116sとが設けられた例である。図3Fは、図3Eの共振コンデンサ116sに、更にコイル113a,113bを直列接続し、2つのコイル113a,113bの間の接続点に共振コンデンサ116pの一端を接続した例である。図3Eと図3Fの共振方式は、1次コイル112と2次コイル212のそれぞれに共振コンデンサが並列に接続されている点で、図3Bに示したP−P方式と共通している。図3E及び図3Fの例では2次コイル212には共振コンデンサ216が並列接続されているが、2次コイル212の側は任意の共振方式を適用可能である。
【0026】
共振方式としては、共振コンデンサ116が1次コイル112に並列に接続された共振方式を使用することが好ましい。2次コイル212についても同様である。この理由は、コイルに並列に接続された共振コンデンサを使用する場合には、1次コイル112と2次コイル212の結合係数に対する共振電流の依存度が小さくなるので、走行中の電力脈動を低減できるからである。
【0027】
図3A〜図3Fで説明した各種の共振方式は、図2A〜図2Dで説明した各種のコイル構成と任意に組み合わせることが可能である。図3A〜図3Fでは、図示の便宜上、1次コイル112と2次コイル212をそれぞれ1つのコイルとして描いているが、図2A〜図2Dで説明したように、1次コイル112と2次コイル212の一方を単相コイルとし、他方を多相コイルとして構成することが好ましい。
【0028】
図4A及び図4Bに示すように、2次コイル212の進行方向位置に応じた給電特性は、コイル構成と共振方式の組み合わせによって異なる。ここでは、コイル構成として、1次コイル112と2次コイル212が共に単相である構成と、1次コイル112が単相で2次コイル212が2相である構成と、の2つのコイル構成を使用した。また、共振方式として、S−S方式とP−P方式との2つの共振方式を使用した。そして、2つのコイル構成と2つの共振方式による4つの組み合わせについて、車両200が一定速度で走行する条件下で、給電特性をシミュレーションによって評価した。給電特性としては、図4Aに示すコイル効率と、図4Bに示す電力脈動とを評価した。
【0029】
図4Aに示すように、コイル効率は、2次コイル212の進行方向位置に依存する。2次コイル212の進行方向位置とは、車両200の進行方向(図2Cのx方向)に沿った複数の1次コイル112に対する2次コイル212の相対位置を意味する。1次コイル112と2次コイル212が共に単相である場合には、2次コイル212の進行方向位置においてコイル効率がゼロとなる位置が存在する。コイル効率がゼロという意味は、2次コイル212で受電できないことを意味する。一方、1次コイル112が単相で2次コイル212が2相である場合には、コイル効率がゼロになることがなく、コイル効率も高い値で安定している。特に、P−P方式の場合には、S−S方式よりもコイル効率が高く、かつ、安定している点で好ましい。図4Aの傾向は、2次コイル212が3相以上の場合も同様である。
【0030】
図4Bに示すように、1次コイル112が単相で2次コイル212が2相である場合には、1次コイル112と2次コイル212が共に単相である場合に比べて、走行中の電力脈動も小さい点で好ましい。電力脈動は、出力電力の最大値を最小値で除した値である。1次コイル112と2次コイル212が共に単相である場合は走行中の電力脈動が大きいので、同一の平均電力を出力するための瞬時電力が大きくなり、機器の大型化、高コスト化に繋がるという問題がある。更に、2次側の電力が不安定になることや、メインバッテリ230への入力電力の変動による電池劣化も問題となる。これに対して、1次コイル112が単相で2次コイル212が2相である場合には走行中の電力脈動が十分に小さいので、これらの問題点を解消できる。特に、P−P方式はS−S方式よりも電力脈動が更に小さい点で好ましい。図示は省略するが、P−P方式は、S−P方式やP−S方式よりも電力脈動が小さい。図4Bの傾向は、2次コイル212が3相以上の場合も同様である。
【0031】
図4Cに示すように、共振方式として図3Eや図3Fの方式を用いた場合にも、電力脈動を十分に低減することが可能である。この傾向は、2次コイル212が3相以上の場合も同様である。
【0032】
図5に示す各種のコイル構成#1〜#4の特性は、図4A及び図4Bに示したものと同様のシミュレーションを行って得られた結果である。ここでは、コイル構成として、1次コイル112が単相又は多相であり、2次コイル212が単相又は多相である4つのコイル構成#1〜#4を比較している。コイル効率の観点からは、図4Aで説明したように、1次コイル112と2次コイル212が共に単相である構成#1よりも、1次コイル112と2次コイル212のうちの少なくとも一方が多相である構成#2〜#4の方が好ましい。電力脈動についても、図4Bで説明したように、1次コイル112と2次コイル212が共に単相である構成#1よりも、1次コイル112と2次コイル212のうちの少なくとも一方が多相である構成#2〜#4の方が好ましい。
【0033】
位置変動ロバスト性は、1次コイル112と2次コイル212の相互の位置が最適位置からy方向やz方向にずれた場合におけるコイル効率への影響を意味している。位置変動ロバスト性が高いことは、1次コイル112と2次コイル212がy方向やz方向に位置ずれしてもコイル効率がそれほど変動しないことを意味する。位置変動ロバスト性に関しても、1次コイル112と2次コイル212が共に単相である構成#1よりも、1次コイル112と2次コイル212のうちの少なくとも一方が多相である構成#2〜#4の方が好ましい。
【0034】
インフラコスト(「インフラストラクチャ・コスト」の略)は、非接触給電装置100と車両200の給電用の構成に要するコストである。インフラコストの観点では、1次コイル112と2次コイル212が共に単相である構成#1が最も優れているが、1次コイル112が単相で2次コイル212が多相の構成#3も十分に優れていると評価できる。一方、1次コイル112が多相で2次コイル212が単相の構成#2は、1次コイル112が単相で2次コイル212が多相の構成#3に比べてインフラコストがやや高い。また、1次コイル112と2次コイル212が共に多相の構成#4は、インフラコストが最も高い点で好ましくない。
【0035】
図5に示した4つの特性から考えると、1次コイル112と2次コイル212のうちの一方が単相で他方が多相である構成#2,#3が好ましく、1次コイル112が単相で2次コイル212の多相である構成#3が特に好ましい。
【0036】
図6A及び図6Bに比較して示すように、1次コイル112が単相で2次コイル212が多相である構成は、1次コイル112が多相で2次コイル212が単相である構成に比べて、インバータ効率の観点からも好ましい。図6Aのコイル構成は、図2Aと同じであり、1次コイル112が3相で2次コイル212が単相である。図6Bのコイル構成は、図2Cと同じであり、1次コイル112が単相で2次コイル212が3相である。図6A及び図6Bの下部には、送電回路120のインバータの出力電圧と出力電流の変化が描かれている。
【0037】
図6Aのように、1次コイル112を多相とすると、1次コイル112の各相と2次コイル212の結合係数に差が生じる。図6Aの状態では、1次コイル112のU相コイル112uと2次コイル212の結合係数が1次コイル112の他の相のコイル112v、112wと2次コイル212の結合係数に対し大きくなっている。複数の相の結合係数が異なると、複数の相のインピーダンスが異なってしまうため、複数の相に同一の相電圧を印加しても電流が複数の相で異なってしまい、電流の不均衡が生じる。電流の不平衡が生じると位相のずれを引き起こし、結果として送電回路120のインバータの力率が悪化する。力率悪化はインバータの損失を増加させる。
【0038】
一方、図6Bのように、1次コイル112を単相とすることで、送電回路120のインバータの力率を高めることができ、インバータの損失を低減できる。また、1次コイル112を単相とすれば、送電コイル部110や送電回路120の簡素化、具体的には、素子数低減及び巻線形状の簡素化、による低コスト化を実現可能である。
【0039】
図7A及び図7Bに比較して示すように、1次コイル112を単相とした場合に、2次コイル212を3相とするよりも2相とする方が、走行中の電力脈動の低減の観点から好ましい。図7Aのコイル構成は、図2Cと同じであり、1次コイル112が単相で2次コイル212が3相である。図7Bのコイル構成は、図2Dと同じであり、1次コイル112が単相で2次コイル212が2相である。図7A及び図7Bの下部には、送電回路120のインバータの出力電力の変化が描かれている。
【0040】
図7Aに示すように、2次コイル212を3相とすると、3つのコイル212u,212v,212wの中央に配置されるコイル212uと、端部に配置されるコイル212v,212wとが存在するコイル配置となる。この結果として、3相の電気特性(すなわち、インピーダンス)に不平衡が生じ、この不平衡により電力脈動が生じる。不平衡が生じた場合には、出力電力の周波数は、出力電圧や出力電流の2倍の周波数となる。一方、図7Bに示すように、2次コイル212を2相とすれば、2相のコイル212a,212bが互いに等価な位置で配置されるので、2相の間に電気特性に差が生じない。この結果、2次コイル212を2相とすれば、2次コイル212を3相にした場合に比べて、電力脈動が小さくなるという利点がある。
【0041】
図8Aは、図8B及び図8Cの基準となる構成であり、図7Bと同じコイル構成を示している。図8Aでは、以下のパラメータが図示されている。
・Da:1次コイル112の電気角の360度に相当する長さ。これは、複数の1次コイル112のピッチに等しい。
・Db:車両200の前後方向に測った2次コイル212の第1相コイル212aと第2相コイル212bのずれ幅。
・L214:車両200の前後方向に測った2次コイル212用の磁性体ヨーク214の長さ。
図8Aの例では、Db=Da/4であり、L214=Daである。Da/4は、1次コイル112の電気角の90度に相当する長さである。
【0042】
図8Bは、2次コイル212の第1相コイル212aと第2相コイル212bのずれ幅Dbを、図8Aよりも大きくして、Db>Da/4とした場合を示している。図8Aのように、Db=Da/4とした場合には、第1相コイル212aの往路のコイル線と復路のコイル線のうちの一方が受電コイル部210の端部に存在し、他方が中央に存在する配置となる。この結果、端部側のコイル線による磁束が弱まってしまい、第1相コイル212aの磁気的な位置が等価的に受電コイル部210の中央に寄ってしまう。第2相コイル212bも同様である。2次コイル212を2相とした場合に、2相のコイル212a,212bの磁気的な位置が2次コイル212の電気角の1周期の1/4だけずれていない場合には、2相のコイル212a,212bの起電力にアンバランスが生じてしまい、これによって電力脈動が生じる。そこで、図8Bでは、第1相コイル212aと第2相コイル212bのずれ幅Dbを、1次コイル112の電気角の90度に相当する長さDa/4よりも大きく設定している。このように2相のコイル212a,212bの設置位置をずらすことにより、それらの磁気的な相対位置を2次コイル212の電気角の1周期の1/4に近づけることができ、電力脈動を低減することが可能である。このような効果は、2次コイル212の相数に拘わらずに得られるが、2次コイル212を2相コイルとした場合に特に顕著である。
【0043】
図8Cは、2次コイル212用の磁性体ヨーク214の長さL214を図8Aよりも大きくして、L214>Daとした場合を示している。上述したように、図8Aの構成では、第1相コイル212aの往路のコイル線と復路のコイル線のうちの一方が磁性体ヨーク214の端部に存在し、他方が中央に存在する配置となるので、2相のコイル212a,212bの起電力にアンバランスが生じてしまい、これによって電力脈動が生じる。そこで、図8Cでは、磁性体ヨーク214の長さL214を図8Aから大きく変更し、1次コイル112の電気角の360度に相当する長さDaよりも大きく設定している。この結果、2相のコイル212a,212bの磁気的な相対位置を2次コイル212の電気角の1周期の1/4に近づけることができ、電力脈動を低減することが可能である。このような効果も、2次コイル212の相数に拘わらずに得られるが、2次コイル212を2相コイルとした場合に特に顕著である。
【0044】
図9Aに示すように、2相の2次コイル212を使用したときのシミュレーション結果によれば、1次コイル/2次コイル間の結合係数kの2乗の2次成分の振幅は、2次コイル212の機械的位相(電気角表示(°))に依存する。「結合係数kの2乗の2次成分の振幅」とは、結合係数kの2乗の値k

の最大値と最小値の差分である。結合係数kの2乗の値k

については、例えば図2Dや図7Bに示した構成において、2次コイル212のA相コイル212aと1次コイル112との結合係数をk1aとし、2次コイル212のB相コイル212bと1次コイル112との結合係数をk1bとすると、k

=k1a

+k1b

が成立する。「2次コイル212の機械的位相」とは、前述した図8Aのずれ幅Dbと同じものであり、車両の前後方向に測った第1相コイル212aと第2相コイル212bのずれ幅Dbを、1次コイル112の電気角で表したものを意味している。結合係数kの2乗の値k

(=k1a

+k1b

)は、1次コイル112と2次コイル212の相対位置に依らずに一定となることが理想である。しかし、実際には、結合係数kの2乗の値k

は1次コイル112と2次コイル212の相対位置に応じて多少変化するので、結合係数kの2乗の2次成分はゼロとならない。また、一般に、結合係数kの振幅は2次コイル212の受電電圧に比例し、受電電力は受電電圧の2乗に比例するので、受電電力の2次成分である電力脈動は、結合係数kの2乗の2次成分の振幅に比例する。これらの特性を考慮すると、電力脈動を低減するためには、結合係数kの2乗の2次成分の振幅を可能な限り小さくすることが好ましい。具体的には、結合係数kの2乗の2次成分の振幅が0から0.001までの範囲内となるように2次コイル212を構成することが好ましい。また、図9Aのシミュレーション結果においては、2次コイル212の機械的位相を1次コイル112の電気角の107±2度の範囲内に相当する値に設定することが好ましい。
【0045】
また、図9Bに示すシミュレーション結果によれば、2次コイル212の第1相コイルと第2相コイルの相互インダクタンスMabも、2次コイル212の機械的位相(電気角表示(°))に依存する。2次コイル212の相互インダクタンスMabは無効電力に寄与するので、電力脈動を小さくするためには、2次コイル212の相互インダクタンスMabの絶対値を可能な限り小さくすることが好ましい。具体的には、2次コイル212の相互インダクタンスMabが0±0.01μHの範囲内に収まるように2次コイル212を構成することが好ましい。また、図9Bのシミュレーション結果においては、2次コイル212の機械的位相を1次コイル112の電気角の115±2度の範囲内に相当する値に設定することが好ましい。
【0046】
更に、図9Cに示すシミュレーション結果によれば、電力脈動自体が2次コイル212の機械的位相(電気角表示(°))に依存する。このシミュレーション結果において、電力脈動を小さくするためには、2次コイル212の機械的位相を1次コイル112の電気角の102±6度の範囲内に相当する値に設定することが好ましく、102±4度の範囲内に相当する値に設定することが更に好ましく、102±2度の範囲内に相当する値に設定することが最も好ましい。図9Cの結果は、図9Aで説明した結合係数kの2乗の2次成分の振幅の影響と、図9Bで説明した相互インダクタンスMabの影響と、の両方を考慮した場合の結果に相当する。図9A〜図9Cで説明した2次コイル212の機械的位相の好ましい範囲は、互いに異なるが、これらのいずれを採用するかは、他の事情を考慮して適宜選択することが可能である。なお、図9A〜図9Cは、1次コイル112と2次コイル212のy方向のずれがない状態、すなわち、互いの中心線が一致した状態でシミュレーションを行った結果である。
【0047】
図10A〜図10Cは、3相の2次コイル212を使用した場合について、前述した図8A〜図8Cと同様の構成を示している。図10Aでは、以下のパラメータが図示されている。
・Da:1次コイル112の電気角の360度に相当する長さ。
・Db:車両200の前後方向に測った2次コイル212の各相のコイル212v,212u,212wのずれ幅。
・L214:車両200の前後方向に測った2次コイル212用の磁性体ヨーク214の長さ。
図10Aの例では、Db=Da/3であり、L214=Daである。Da/3は、1次コイル112の電気角の120度に相当する長さである。また、図10Aの下部には、車両の進行に伴う送電電力の変化が描かれている。
【0048】
図10Bは、3相の2次コイル212の3つのコイル212v,212u,212wのずれ幅Dbを図10Aよりも大きくして、Db>Da/3とした場合を示している。図10Aのように、Db=Da/3とした場合には、V相コイル212vの往路のコイル線と復路のコイル線のうちの一方が受電コイル部210の端部に存在し、他方が中央に存在する配置となる。この結果、端部側のコイル線による磁束が弱まってしまい、V相コイル212vの磁気的な位置が等価的に受電コイル部210の中央に寄ってしまう。W相コイル212wも同様である。2次コイル212を3相とした場合に、3相のコイル212v,212u,212wの磁気的な位置が2次コイル212の電気角の1周期の1/3だけずれていない場合には、3相のコイル212v,212u,212wの起電力にアンバランスが生じてしまい、これによって電力脈動が生じる。そこで、図10Bでは、各コイル212v,212u,212wのずれ幅Dbを、1次コイル112の電気角の120度に相当する長さDa/3よりも大きく設定している。このように3相のコイル212v,212u,212wの設置位置をずらすことにより、それらの磁気的な相対位置を2次コイル212の電気角の1周期の1/3に近づけることができ、電力脈動を低減することが可能である。このような効果は、2次コイル212の相数が3よりも大きな場合にも得ることが可能である。具体的には、2次コイル212の相数Mを3以上の整数としたとき、車両の前後方向xに測ったM個のコイルの相互のずれ幅Dbを、1次コイル112の電気角の(360÷M)度に相当する長さよりも大きく設定することが好ましい。なお、2次コイル212の相数Mは、通常は素数である。
【0049】
図10Cは、2次コイル212用の磁性体ヨーク214の長さL214を図10Aよりも大きくして、L214>Daとした場合を示している。上述したように、図10Aの構成では、V相コイル212vとW相コイル212wのそれぞれについて、往路のコイル線と復路のコイル線のうちの一方が磁性体ヨーク214の端部に存在し、他方が中央に存在する配置となるので、各コイル212v,212u,212wの起電力にアンバランスが生じてしまい、これによって電力脈動が生じる。そこで、図10Cでは、磁性体ヨーク214の長さL214が図10Aよりも大きくなるように変更し、1次コイル112の電気角の360度に相当する長さDaよりも大きくしている。この結果、3相のコイル212v,212u,212wの磁気的な相対位置を2次コイル212の電気角の1周期の1/3に近づけることができ、電力脈動を低減することが可能である。このような効果も、2次コイル212の相数に拘わらずに得られる。すなわち、2次コイル212の相数Mを3以上としたとき、車両の前後方向xに測ったM個のコイルの相互のずれ幅Dbは、1次コイル112の電気角の(360÷M)度に相当する長さよりも大きく設定されることが好ましい。
【0050】
図11Aに示すように、3相の2次コイル212を磁性体ヨーク214の表面に垂直な方向から観察したとき、2次コイル212のコイルエンドCeを磁性体ヨーク214の外側に配置してもよい。この例において、W相のコイル212wは、主コイル部McとコイルエンドCeとに区分されている。主コイル部Mcは車両の幅方向yに沿って延びるコイル部分であり、コイルエンドCeは車両の前後方向xに沿って延びるコイル部分である。他の相のコイル212u,212vも同様である。コイルエンドCeを磁性体ヨーク214の外側に配置するようにすれば、コイルエンドCeの磁束が通る磁路の磁気抵抗を、主コイル部Mcの磁束が通る磁路の磁気抵抗よりも大きくすることができる。ここで、「コイルエンドCeの磁束」とは、コイルエンドCeを流れる電流に応じて生成される磁束を意味する。「主コイル部Mcの磁束」も同様に、主コイル部Mcを流れる電流に応じて生成される磁束を意味する。前述した図10Aと図10Cの比較で説明したように、磁性体ヨーク214の長さL214が短い場合には、3つのコイル212v,212u,212wの相互インダクタンスが相間で不平衡になり、電力脈動の原因となり得る。そこで、コイルエンドCeを磁性体ヨーク214の外側に配置するようにすれば、相互インダクタンスの不平衡を低減して電力脈動を小さくすることが可能である。このような効果は、2次コイル212の相数が3を超える場合にも得られる。
(【0051】以降は省略されています)

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