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公開番号2020005480
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200109
出願番号2018126008
出願日20180702
発明の名称電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置
出願人日立オートモティブシステムズ株式会社
代理人ポレール特許業務法人
主分類H02K 11/30 20160101AFI20191206BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】コネクタ本体と電源基板の固定と電気的接続を簡単な構成で行なうことができる電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】電源に接続された挿通孔38を有するコネクタ板36をコネクタ本体32に設けると共に、電源回路に接続される電源配線41を備え、かつ電源配線41の近傍に導通用固定ねじ24が挿通する挿通孔25を電源回路基板18Sに形成し、コネクタ板36と電源回路基板18Sの挿通孔38、25に導通用固定ねじ24を挿通してねじ止めすることで、導通用固定ねじ24を介して電源配線41とコネクタ板36を電気的に接続すると共に、導通用固定ねじ24によってコネクタ本体36と電源回路基板18Sを固定する。コネクタ本体と電源回路基板との固定と電気的接続を行うための構成部品を削減でき、また、製造工程の工数も低減できるので、製品コストを下げることができる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
機械系制御要素を駆動する電動モータと、前記電動モータが収納されたモータハウジングと、前記電動モータの回転軸の出力部とは反対側の前記モータハウジングの端面壁部の側に配置された、前記電動モータを駆動するための電子制御部とを備えた電動駆動装置であって、
前記電子制御部が、電源の生成を主たる機能とする電源回路部と、前記電動モータの駆動を主たる機能とする電力変換回路部と、前記電力変換回路部の制御を主たる機能とする制御回路部とから構成され、
少なくとも、前記電源回路部が搭載された電源回路基板には、合成樹脂からなるコネクタ本体に設けた電源側コネクタ端子から電力が供給されると共に、
電源に接続された前記電源側コネクタ端子を構成し、挿通孔を有するコネクタ板が前記コネクタ本体に設けられ、
前記電源回路基板には、前記電源回路部に接続される電源配線と、前記電源配線の近傍に挿通孔が設けられ、
前記コネクタ板と前記電源回路基板の前記挿通孔に導通用固定部材を挿通して前記コネクタ板と前記電源回路基板とを固定することで、前記導通用固定部材を介して前記電源配線と前記コネクタ板を電気的に接続すると共に、前記導通用固定部材によって前記コネクタ本体と前記電源回路基板を固定する
ことを特徴とする電動駆動装置。
続きを表示(約 5,800 文字)【請求項2】
機械系制御要素を駆動する電動モータと、前記電動モータが収納されたモータハウジングと、前記電動モータの回転軸の出力部とは反対側の前記モータハウジングの端面壁部の側に配置された、前記電動モータを駆動するための電子制御部とを備えた電動駆動装置であって、
前記電子制御部が、電源の生成を主たる機能とする電源回路部が搭載された電源回路基板と、前記電動モータの駆動を主たる機能とする電力変換回路部が搭載された電力変換回路基板と、前記電力変換回路部の制御を主たる機能とする制御回路部が搭載された制御回路基板とから構成され、
少なくとも、前記電源回路部が搭載された前記電源回路基板には、合成樹脂からなるコネクタ本体に設けた電源側コネクタ端子から電力が供給されると共に、
電源に接続された前記電源側コネクタ端子を構成し、挿通孔を有するコネクタ板が前記コネクタ本体に設けられ、
前記電源回路基板には、前記電源回路部に接続される電源配線と、前記電源配線の近傍に挿通孔が設けられ、
前記電源回路基板の前記挿通孔に導通用固定部材を挿通して、前記導通用固定部材の先端を前記コネクタ板の前記挿通孔に固定することで、前記導通用固定部材の頭部と前記電源配線を電気的に接続し、更に前記導通用固定部材の先端と前記コネクタ板を電気的に接続すると共に、前記導通用固定部材によって前記コネクタ本体と前記電源回路基板を相互に固定する
ことを特徴とする電動駆動装置。
【請求項3】
機械系制御要素を駆動する電動モータと、前記電動モータが収納されたモータハウジングと、前記電動モータの回転軸の出力部とは反対側の前記モータハウジングの端面壁部の側に配置された、前記電動モータを駆動するための電子制御部とを備えた電動駆動装置であって、
前記電子制御部が、電源の生成を主たる機能とする電源回路部が搭載された電源回路基板と、前記電動モータの駆動を主たる機能とする電力変換回路部が搭載された電力変換回路基板と、前記電力変換回路部の制御を主たる機能とする制御回路部が搭載された制御回路基板とから構成され、
少なくとも、前記電源回路部が搭載された前記電源回路基板には、合成樹脂からなるコネクタ本体に設けた電源側コネクタ端子から電力が供給されると共に、
電源に接続された前記電源側コネクタ端子を構成し、挿通孔を有するコネクタ板が前記コネクタ本体に設けられ、
前記電源回路基板には、前記電源回路部に接続される電源配線と、前記電源配線の近傍に挿通孔が設けられ、
前記コネクタ板の前記挿通孔に導通用固定部材を挿通して、前記導通用固定部材の先端を前記電源回路基板の前記挿通孔に固定することで、前記導通用固定部材の頭部と前記コネクタ板を電気的に接続し、更に前記導通用固定部材の先端と前記電源配線を電気的に接続すると共に、前記導通用固定部材によって前記コネクタ本体と前記電源回路基板を相互に固定する
ことを特徴とする電動駆動装置。
【請求項4】
請求項2或いは請求項3に記載の電動駆動装置において、
前記電源回路基板、前記電力変換回路基板、及び前記制御回路基板は積層されて配置されており、
前記電力変換回路基板は、前記モータハウジングの前記端面壁部に配置されると共に、前記電源回路基板と前記制御回路基板の間には中間支持体が配置され、前記中間支持体の一方の面に前記電源回路基板が固定され、前記中間支持体の他方の面に前記制御回路基板が固定され、
前記中間支持体の内部に形成された空間に、前記電源回路基板に搭載された前記電源回路部の構成部品が収納されている
ことを特徴とする電動駆動装置。
【請求項5】
請求項2或いは請求項3に記載の電動駆動装置において、
前記電源回路基板、前記電力変換回路基板、前記制御回路基板、及び前記コネクタ本体は積層されて配置されており、
前記電力変換回路基板は、前記モータハウジングの前記端面壁部に配置されると共に、前記電源回路基板と前記制御回路基板の間には中間支持体が配置され、前記中間支持体の一方の面に前記電源回路基板が固定され、前記中間支持体の他方の面に前記制御回路基板が固定され、
前記中間支持体の内部に形成された空間に、前記電源回路基板に搭載された前記電源回路部の構成部品が収納され、
前記導通用固定部材によって、前記電源回路基板、前記中間支持体、及び前記コネクタ本体が一体的に固定され、前記中間支持体と前記制御回路基板は他の固定部材によって固定されている
ことを特徴とする電動駆動装置。
【請求項6】
請求項2或いは請求項3に記載の電動駆動装置において、
前記コネクタ本体は合成樹脂で形成されていると共に、前記コネクタ板の一部が露出されて前記合成樹脂に埋設されており、前記コネクタ板の前記挿通孔は、露出された部分に形成されている
ことを特徴とする電動駆動装置。
【請求項7】
請求項2或いは請求項3に記載の電動駆動装置において、
前記導通用固定部材は、ねじ切りができる固定ねじであり、前記導通用固定部材の先端で前記挿通孔にねじ切りしてねじ止めされている
ことを特徴とする電動駆動装置。
【請求項8】
請求項5に記載の電動駆動装置において、
前記中間支持体には固定部が形成されており、前記固定部は前記モータハウジングの前記端面壁部に固定されている
ことを特徴とする電動駆動装置。
【請求項9】
請求項8に記載の電動駆動装置において、
前記モータハウジングの前記端面壁部には、前記端面壁部から遠ざかる方向に延びた突出固定部が形成され、前記突出固定部に前記中間支持体の前記固定部が固定されている
ことを特徴とする電動駆動装置。
【請求項10】
ステアリングシャフトの回動方向と回動トルクとを検出するトルクセンサからの出力に基づきステアリングシャフトに操舵補助力を付与する電動モータと、前記電動モータが収納されたモータハウジングと、前記電動モータの回転軸の出力部とは反対側の前記モータハウジングの端面壁の側に配置された、前記電動モータを駆動するための電子制御部と、前記電子制御部を覆うカバーと、を備えた電動パワーステアリング装置であって、
前記電子制御部が、電源の生成を主たる機能とする電源回路部と、前記電動モータの駆動を主たる機能とする電力変換回路部と、前記電力変換回路部の制御を主たる機能とする制御回路部とから構成され、
少なくとも、前記電源回路部が搭載された電源回路基板には、合成樹脂からなるコネクタ本体に設けた電源側コネクタ端子から電力が供給されると共に、
電源に接続された前記電源側コネクタ端子を構成し、挿通孔を有するコネクタ板が前記コネクタ本体に設けられ、
前記電源回路基板には、前記電源回路部に接続される電源配線と、前記電源配線の近傍に挿通孔が設けられ、
前記コネクタ板と前記電源回路基板の前記挿通孔に導通用固定部材を挿通して前記コネクタ板と前記電源回路基板とを固定することで、前記導通用固定部材を介して前記電源配線と前記コネクタ板を電気的に接続すると共に、前記導通用固定部材によって前記コネクタ本体と前記電源回路基板を固定する
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
【請求項11】
機械系制御要素を駆動する電動モータと、前記電動モータが収納されたモータハウジングと、前記電動モータの回転軸の出力部とは反対側の前記モータハウジングの端面壁部の側に配置された、前記電動モータを駆動するための電子制御部とを備えた電動パワーステアリング装置であって、
前記電子制御部が、電源の生成を主たる機能とする電源回路部が搭載された電源回路基板と、前記電動モータの駆動を主たる機能とする電力変換回路部が搭載された電力変換回路基板と、前記電力変換回路部の制御を主たる機能とする制御回路部が搭載された制御回路基板とから構成され、
少なくとも、前記電源回路部が搭載された前記電源回路基板には、合成樹脂からなるコネクタ本体に設けた電源側コネクタ端子から電力が供給されると共に、
電源に接続された前記電源側コネクタ端子を構成し、挿通孔を有するコネクタ板が前記コネクタ本体に設けられ、
前記電源回路基板には、前記電源回路部に接続される電源配線と、前記電源配線の近傍に挿通孔が設けられ、
前記電源回路基板の前記挿通孔に導通用固定部材を挿通して、前記導通用固定部材の先端を前記コネクタ板の前記挿通孔に固定することで、前記導通用固定部材の頭部と前記電源配線を電気的に接続し、更に前記導通用固定部材の先端と前記コネクタ板を電気的に接続すると共に、前記導通用固定部材によって前記コネクタ本体と前記電源回路基板を相互に固定する
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
【請求項12】
機械系制御要素を駆動する電動モータと、前記電動モータが収納されたモータハウジングと、前記電動モータの回転軸の出力部とは反対側の前記モータハウジングの端面壁部の側に配置された、前記電動モータを駆動するための電子制御部とを備えた電動パワーステアリング装置であって、
前記電子制御部が、電源の生成を主たる機能とする電源回路部が搭載された電源回路基板と、前記電動モータの駆動を主たる機能とする電力変換回路部が搭載された電力変換回路基板と、前記電力変換回路部の制御を主たる機能とする制御回路部が搭載された制御回路基板とから構成され、
少なくとも、前記電源回路部が搭載された前記電源回路基板には、合成樹脂からなるコネクタ本体に設けた電源側コネクタ端子から電力が供給されると共に、
電源に接続された前記電源側コネクタ端子を構成し、挿通孔を有するコネクタ板が前記コネクタ本体に設けられ、
前記電源回路基板には、前記電源回路部に接続される電源配線と、前記電源配線の近傍に挿通孔が設けられ、
前記コネクタ板の前記挿通孔に導通用固定部材を挿通して、前記導通用固定部材の先端を前記電源回路基板の前記挿通孔に固定することで、前記導通用固定部材の頭部と前記コネクタ板を電気的に接続し、更に前記導通用固定部材の先端と前記電源配線を電気的に接続すると共に、前記導通用固定部材によって前記コネクタ本体と前記電源回路基板を相互に固定する
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
【請求項13】
請求項11或いは請求項12に記載の電動パワーステアリング装置において、
前記電源回路基板、前記電力変換回路基板、及び前記制御回路基板は積層されて配置されており、
前記電力変換回路基板は、前記モータハウジングの前記端面壁部に配置されると共に、前記電源回路基板と前記制御回路基板の間には中間支持体が配置されて、前記中間支持体の一方の面に前記電源回路基板が固定され、前記中間支持体の他方の面に前記制御回路基板が固定され、
前記中間支持体の内部に形成された空間に、前記電源回路基板に搭載された前記電源回路部の構成部品が収納されている
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
【請求項14】
請求項11或いは請求項12に記載の電動パワーステアリング装置において、
前記電源回路基板、前記電力変換回路基板、前記制御回路基板、及び前記コネクタ本体は積層されて配置されており、
前記電力変換回路基板は、前記モータハウジングの前記端面壁部に配置されると共に、前記電源回路基板と前記制御回路基板の間には中間支持体が配置されて、前記中間支持体の一方の面に前記電源回路基板が固定され、前記中間支持体の他方の面に前記制御回路基板が固定され、
前記中間支持体の内部に形成された空間に、前記電源回路基板に搭載された前記電源回路部の構成部品が収納され、
前記導通用固定部材によって、前記電源回路基板、前記中間支持体、及び前記コネクタ本体が一体的に固定され、前記中間支持体と前記制御回路基板は他の固定部材によって固定されている
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
【請求項15】
請求項11或いは請求項12に記載の電動パワーステアリング装置において、
前記コネクタ本体は合成樹脂で形成されていると共に、前記コネクタ板の一部が露出されて前記合成樹脂に埋設されており、前記コネクタ板の前記挿通孔は、露出された部分に形成されている
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
【請求項16】
請求項11或いは請求項12に記載の電動パワーステアリング装置において、
前記導通用固定部材は、ねじ切りができる固定ねじであり、前記導通用固定部材の先端で前記挿通孔にねじ切りしてねじ止めされている
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
【請求項17】
請求項14に記載の電動パワーステアリング装置において、
前記中間支持体には固定部が形成されており、前記固定部は前記モータハウジングの前記端面壁部に固定されている
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
【請求項18】
請求項17に記載の電動パワーステアリング装置において、
前記モータハウジングの前記端面壁部には、前記端面壁部から遠ざかる方向に延びた突出固定部が形成され、前記突出固定部に前記中間支持体の前記固定部が固定されている
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置に係り、特に電子制御部を内蔵した電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置に関するものである。
続きを表示(約 8,700 文字)【背景技術】
【0002】
一般的な産業機械分野においては、電動モータによって機械系制御要素を駆動することが行われているが、最近では電動モータの回転速度や回転トルクを制御する半導体素子等からなる電子制御部を電動モータに一体的に組み込む、いわゆる機電一体型の電動駆動装置が採用され始めている。
【0003】
機電一体型の電動駆動装置の例として、例えば自動車の電動パワーステアリング装置においては、運転者がステアリングホィールを操作することにより回動するステアリングシャフトの回動方向と回動トルクとを検出し、この検出値に基づいてステアリングシャフトの回動方向と同じ方向へ回動するように電動モータを駆動し、操舵アシストトルクを発生させるように構成されている。この電動モータを制御するため、電子制御部(ECU:Electronic Control Unit)がパワーステアリング装置に設けられている。
【0004】
従来の電動パワーステアリング装置としては、例えば、特開2016−144380号公報(特許文献1)に記載のものが知られている。特許文献1には、電動モータ部と電子制御部とにより構成された電動パワーステアリング装置が記載されている。そして、電動モータ部の電動モータは、アルミ合金等から作られた筒部を有するモータハウジングに形成された収納空間に収納され、電子制御部の電子部品が実装された基板は、モータハウジングの軸方向の出力軸とは反対側の端面壁部に、合成樹脂製、或いは金属製のカバーによって形成された収納空間に収納されている。
【0005】
モータハウジングの端面壁部に取り付けられる電子制御部の基板は、電動モータを駆動制御するMOSFET、或いはIGBT等のようなパワースイッチング素子を有する電力変換回路部、電源回路部、及びパワースイッチング素子を制御する制御回路部を備え、パワースイッチング素子の出力端子と電動モータの入力端子とはバスバーを介して電気的に接続されている。
【0006】
そして、電子制御部には、合成樹脂からなるコネクタ本体を介して電源から電力が供給され、また検出センサ類から運転状態等の検出信号が供給されている。コネクタ本体はカバーと一体的に形成されて蓋体として機能しており、電子制御部を密閉して塞ぐように接着剤によって端面壁部の外周表面に固定されている。また、コネクタ本体とカバーを別体に形成し、コネクタ本体をカバーで覆う形態とされている場合もある。
【0007】
尚、この他に電子制御部を一体化した電動駆動装置としては、電動ブレーキや各種油圧制御用の電動油圧制御器等が知られているが、以下の説明では代表して電動パワーステアリング装置について説明する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2016−144380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここで、特許文献1にあるような構成の電動パワーステアリング装置においては、コネクタにインサートモールドされた金属製の電源コネクタ端子は電源(バッテリ)と接続コードを介して接続されている。そして、この電源コネクタ端子の先端は、電源回路基板に固定されたプレスフィット型接続端子に挿入されて電気的な接続が行われている。
【0010】
プレスフィット型接続端子は、平板状の金属片の両端を向かい合うように折り曲げ、この折り曲げ片に弾性を付与することで、電源コネクタ端子の先端を弾性的に挟持する。更に、電源回路基板は、固定ねじによってコネクタ本体にねじ止め固定されている。
【0011】
このように、特許文献1においては、電源回路基板とコネクタ本体の固定は、固定ねじによって行われ、電気的な接続は電源コネクタ端子とプレスフィット型接続端子で行っている。尚、プレスフィット型接続端子は、電源回路基板に形成されたプリント配線にリフロープロセスによってハンダ付けされている。したがって、コネクタ本体と電源基板の固定と電気的接続を行うための構成部品が多くなり、また製造工程の工数も増えて、結果的に製品コストを高騰させるという課題がある。
【0012】
本発明の目的は、コネクタ本体と電源基板の固定と電気的接続を簡単な構成で行なうことができる新規な電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の特徴は、電源に接続され挿通孔を有するコネクタ板をコネクタ本体に設けると共に、電源回路に接続される電源配線を備え、かつ電源配線の近傍に導通用固定ねじが挿通する挿通孔を電源回路基板に形成し、コネクタ板と電源回路基板の挿通孔に導通用固定部材を挿通して固定することで、導通用固定部材を介して電源配線とコネクタ板を電気的に接続すると共に、導通用固定部材によってコネクタ本体と電源回路基板を一体的に固定する、ところにある。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、導通用固定部材によって、電源回路基板の電源回路とコネクタ板を電気的に接続する共に、電源回路基板とコネクタ本体を一体的に固定できるので、コネクタ本体と電源回路基板の固定と電気的接続を行うための構成部品を削減でき、また、製造工程の工数も低減できるので、結果的に製品コストを下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明が適用される一例としての操舵装置の全体斜視図である。
図1に示す電動パワーステアリング装置の電子制御部の分解斜視図である。
図2に示す電動パワーステアリング装置の電子制御部を組み上げた状態の斜視図である。
本発明の実施形態になる、コネクタ本体と電源回路基板を導通用固定ねじで固定した状態を示す断面図である。
本発明の他の実施形態になる、コネクタ本体と電源回路基板を導通用固定割りピンで固定した状態を示す断面図である。
本発明の他の実施形態になる、コネクタ本体と電源回路基板を導通用固定圧入ピンで固定した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
【0017】
本発明の実施形態を説明する前に、本発明が適用される一例としての操舵装置の構成について図1を用いて簡単に説明する。
【0018】
まず、自動車の前輪を操舵するための操舵装置について説明する。操舵装置1は図1に示すように構成されている。図示しないステアリングホイールに連結されたステアリングシャフト2の下端には図示しないピニオンが設けられ、このピニオンは車体左右方向へ長いラック(図示せず)と噛み合っている。このラックの両端には前輪を左右方向へ操舵するためのタイロッド3が連結されており、ラックはラックハウジング4に覆われている。そして、ラックハウジング4とタイロッド3との間にはゴムブーツ5が設けられている。
【0019】
ステアリングホイールを回動操作する際のトルクを補助するため、電動パワーステアリング装置6が設けられている。即ち、ステアリングシャフト2の回動方向と回動トルクとを検出するトルクセンサ7が設けられ、トルクセンサ7の検出値に基づいてラックにギヤ10を介して操舵補助力を付与する電動モータ部8と、電動モータ部8に配置された電動モータを制御する電子制御部(ECU)9とが設けられている。電動パワーステアリング装置6の電動モータ部8は、出力軸側の外周部の3箇所が、図示しないねじを介してギヤ10に接続され、電動モータ8部の出力軸とは反対側に電子制御部9が設けられている。
【0020】
電動パワーステアリング装置6においては、ステアリングホイールが操作されることによりステアリングシャフト2がいずれかの方向へ回動操作されると、このステアリングシャフト2の回動方向と回動トルクとをトルクセンサ7が検出し、この検出値に基づいて電子制御部9が電動モータの駆動操作量を演算する。この演算された駆動操作量に基づいて電子制御部9のパワースイッチング素子により電動モータが駆動され、電動モータの出力軸はステアリングシャフト2を操作方向と同じ方向へ駆動するように回動される。電動モータの出力軸の回動は、図示しないピニオンからギヤ10を介して図示しないラックへ伝達され、自動車が操舵されるものである。これらの構成、作用は既によく知られているので、これ以上の説明は省略する。
【0021】
繰り返しなるが、特許文献1にあるような構成の電動パワーステアリング装置においては、コネクタにインサートモールドされた金属製の電源コネクタ端子の1つは電源(バッテリ)と接続コードを介して接続されている。そして、この電源コネクタ端子の先端は、電源回路基板に固定されたプレスフィット型接続端子に挿入されて電気的な接続が行われている。更に、電源回路基板は、固定ねじによってコネクタ本体にねじ止めされている。
【0022】
このように、特許文献1においては、電源回路基板とコネクタ本体の固定は、固定ねじによって行われ、電気的な接続は電源コネクタ端子とプレスフィット型接続端子で行っている。したがって、コネクタ本体と電源基板の固定と電気的接続を行うための構成部品が多くなり、また製造工程の工数も増えて、結果的に製品コストを高騰させるという課題がある。
【0023】
このような背景から、本発明の実施形態では次のような構成の電動パワーステアリング装置を提案するものである。
【0024】
本発明の実施形態においては、電源に接続され挿通孔を有するコネクタ板をコネクタ本体に設けると共に、電源回路に接続される電源配線を備え、かつ電源配線の近傍に導通用固定ねじが挿通する挿通孔を電源回路基板に形成し、コネクタ板と電源回路基板の挿通孔に導通用固定ねじを挿通してねじ止めすることで、導通用固定部材を介して電源配線とコネクタ板を電気的に接続すると共に、導通用固定部材によってコネクタ本体と電源回路基板を一体的に固定する構成としている。
【0025】
好ましい実施形態の1つの例として、電源に接続され挿通孔を有するコネクタ板をコネクタ本体に設ける共に、電源回路に接続される電源配線を備え、かつ電源配線の近傍に導通用固定ねじが挿通する挿通孔を電源回路基板に形成し、電源回路基板の挿通孔からコネクタ板の挿通孔に向けて導通用固定部材を挿通することで、導通用固定部材の頭部と電源配線を電気的に接続し、更に導通用固定部材の先端をコネクタ板の挿通孔に差し込んで導通用固定部材とコネクタ板を電気的に接続すると共に、導通用固定部材によってコネクタ本体と電源回路基板を一体的に固定する構成としている。
【0026】
好ましい実施形態の別の例として、電源に接続され挿通孔を有するコネクタ板をコネクタ本体に設ける共に、電源回路に接続される電源配線を備え、かつ電源配線の近傍に導通用固定部材が挿通する挿通孔を電源回路基板に形成し、コネクタ板の挿通孔から電源回路基板の挿通孔に向けて導通用固定部材を挿通することで、導通用固定部材の頭部とコネクタ板を電気的に接続し、更に導通用固定部材の先端を電源回路基板の挿通孔に差し込んで導通用固定部材と電源配線を電気的に接続すると共に、導通用固定部材によってコネクタ本体と電源回路基板を一体的に固定する構成としている。
【0027】
このような本発明の実施形態によれば、導通用固定部材によって、電源回路基板の電源回路とコネクタ板を電気的に接続する共に、電源回路基板とコネクタ本体を一体的に固定できるので、コネクタ本体と電源回路基板の固定と電気的接続を行うための構成部品を削減でき、また、製造工程の工数も低減できるので、結果的に製品コストを下げることができる。
【0028】
次に、本発明の実施形態になる電動パワーステアリング装置の具体的な構成について、図2乃至図4を用いて詳細に説明する。
【0029】
図2は電動パワーステアリング装置の電子制御部を分解して斜めから見たものであり、図3は図2に示す電動パワーステアリング装置の電子制御部を組み上げて斜めから見たものであり、図4はコネクタ本体と電源回路基板を導通用固定ねじで固定した状態の断面を示している。
【0030】
図2及び図3に示すように、電動パワーステアリング装置を構成する電動モータ部8は、アルミニウム、或いはアルミ合金等のアルミ系金属から作られた筒部を有するモータハウジング11及びこれに収納された図示しない電動モータとから構成されている。電動モータは周知のように回転軸を備えており、この回転軸の出力部には図示しないピニオンが固定されてラックに回転運動を伝えている。回転軸の軸心とモータハウジングの軸心はほぼ一致しており、電動モータはモータハウジング11内で回転することができる。
【0031】
また、電子制御部9は、モータハウジング11の軸方向の出力部とは反対側に配置されており、図示しない有底筒状(いわゆる、カップ状)のカバー(合成樹脂や金属で作られている)によって収納されるように覆われている。これによって、電子制御部9は液密構造となっている。またモータハウジング11とは反対側には、コネクタ本体部14が配置されている。
【0032】
コネクタ本体部14には、電源(バッテリ)に接続される電源側ソケット部と、舵角センサ等のセンサ類、或いはCANネットワークに接続されるセンサ/ネットワーク側ソケットとが形成されている。電源側ソケット部は対(2個)で設けられており、これらは冗長系のソケットとされている。冗長系については後述する。
【0033】
次に図2、及び図3に基づいて電子制御部9の構成を説明する。図2、及び図3において、モータハウジング11はアルミ合金から作られており、電動モータで発生した熱や、後述する電源回路部や電力変換回路部で発生した熱を外部大気に放出するヒートシンク部材として機能している。電動モータとモータハウジング11で電動モータ部8を構成している。
【0034】
電動モータ部8のピニオンの反対側のモータハウジング11の端面壁部15には、電子制御部9が取り付けられている。電子制御部9は、電力変換回路部を搭載した電力変換回路基板16S、電源回路部を搭載した電源回路基板17S、制御回路部を搭載した制御回路基板18S、及びコネクタ本体部14から構成されている。
【0035】
そして、これらの夫々の回路基板16S、17S、18Sは夫々が平行関係を有して積層された状態で組み立てられている。尚、電力変換回路基板16S、電源回路基板17S、制御回路基板18Sには、夫々の回路部を構成する電子部品や電気部品はその表示を省略している。また、コネクタ本体部14を構成する樹脂製のソケットもその表示を省略している。
【0036】
また、モータハウジング11の端面壁部15は、モータハウジング11と一体的に形成されているが、この他に端面壁部15だけを別体に形成し、ねじや溶接によってモータハウジング11と一体化しても良いものである。
【0037】
ここで、電力変換回路部、電力変換回路部、制御回路部は冗長系を構成するものであり、第1電子制御部と第2電子制御部の二重系を構成している。そして、通常は第1電子制御部によって電動モータが制御、駆動されているが、第1電子制御部に異常や故障が生じると、第2電子制御部に切り換えられて電動モータが制御、駆動されるようになるものである。
【0038】
したがって、通常は第1電子制御部からの熱がモータハウジング11に伝えられ、第1電子制御部に異常や故障が生じると、第1電子制御部が停止して第2電子制御部が作動し、モータハウジング11には第2電子制御部からの熱が伝えられるものである。
【0039】
また、第1電子制御部と第2電子制御部を合せて正規の電子制御部として機能させ、一方の電子制御部に異常、故障が生じると、他方の電子制御部で半分の能力によって電動モータを制御、駆動することも可能である。この場合、電動モータの能力は半分となるが、いわゆる「パワーステアリング機能」は確保されるようになっている。したがって、通常の場合は、第1電子制御部と第2電子制御部の熱がモータハウジング11に伝えられるものである。本実施形態は、後者の冗長系を採用しており、このため電源側ソケット14Aが対(2個)で設けられている。
【0040】
図2にある通り、電子制御部9は、電力変換回路基板16S、電源回路基板17S、制御回路基板18S、コネクタ本体32から構成されており、端面壁部15側から離れる方向に向かって、電力変換回路基板16S、電源回路基板17S、中間支持体21、制御回路基板18S、コネクタ本体32の順序で、しかも積層される状態で配置されている。
【0041】
制御回路基板18Sに搭載された制御回路部は、電力変換回路基板16Sのスイッチング素子(MOSFET)を駆動する制御信号を生成する機能を有するもので、マイクロコンピュータ、周辺回路等から構成されている。
【0042】
電源回路基板17Sに搭載された電源回路部は、制御回路基板18Sに搭載された制御回路部を駆動する電源及び電力変換回路基板16Sに搭載された電力変換回路を駆動する電源を生成する機能を有するもので、コンデンサ、コイル、スイッチング素子等から構成されている。
【0043】
電力変換回路基板16Sに搭載された電力変換回路部は、電動モータのモータ巻線に流れる電力を調整する機能を有するもので、3相の上下アームを構成するスイッチング素子等から構成されている。
【0044】
電子制御部9で発熱量が多いのは、主に電力変換回路部、電源回路部であり、電力変換回路部、電源回路部の熱は、アルミ合金からなるモータハウジング11から放熱されるものである。
【0045】
制御回路基板18Sとカバーの間には、合成樹脂からなるコネクタ本体部14が設けられており、車両電源(バッテリ)や外部の図示しない他の制御装置と接続されている。このコネクタ本体部14は、電力変換回路基板16S、電源回路基板17S、制御回路基板18Sと電気的に接続されていることはいうまでもない。
【0046】
カバーは、電力変換回路基板16S、電源回路基板17S、制御回路基板18Sを収納し、これらを液密的に封止する機能を備えているものであり、本実施形態ではモータハウジング11に固定されている。
【0047】
モータハウジング11の端面壁部15の表面には、電力変換回路部を構成する電力変換回路基板16Sが設けられており、これにスイッチング素子等が表面実装されている。電力変換回路基板16Sは、4個の固定ねじ19によって端面壁部15にねじ止め固定されている。
【0048】
電力変換回路基板16Sは、望ましくは金属基板で形成されているのが良く、これによってスイッチング素子等で発生した熱を端面壁部15に効率良く放熱することができる。もちろんガラスエポキシ基板で作られていても良いものである。
【0049】
モータハウジング11の端面壁部15の外周側の表面には、電動モータの回転軸の方向で端面壁部15から遠ざかる方向に延びる突出固定部20が形成されている。この突出固定部20は、互いに向き合うように180°の角度をもって形成されている。
【0050】
この突出固定部20は、電源回路部を構成する電源回路基板17Sの一部をその上面で支持する機能と、これも後述する中間支持材21を固定する機能を備えている。また、突出固定部20によって形成される空間は、電力変換回路部を構成するスイッチング素子等を収納する機能を備えている。更に、突出固定部20の上面側には、後述する固定ねじ27がねじ込まれる、ねじ孔が形成されている。
(【0051】以降は省略されています)

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