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公開番号2020005476
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200109
出願番号2018125822
出願日20180702
発明の名称ウィンドファーム及びウィンドファームの制御方法
出願人株式会社日立製作所
代理人ポレール特許業務法人
主分類H02J 3/38 20060101AFI20191206BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】
高速広域の通信設備を用いることなく、ウィンドファームの発電出力を上限値に一致させ得るウィンドファーム及びウィンドファームの制御方法を提供する。
【解決手段】
ウィンドファーム9は、風力エネルギーを受けて発電する複数基の風力発電装置(5a,5b,5c)と、風力発電装置の発電出力を制御する風車コントローラ517aと、複数基の風力発電装置(5a,5b,5c)のうち一部の風力発電装置(5b,5c)の合成発電出力を計測する送電線センサ8を備え、少なくとも、第1の風力発電装置5aを制御する第1の風車コントローラ517aは、送電線センサ8により計測される一部の風力発電装置(5b,5c)の合成発電出力の計測値に基づき第1の風力発電装置5aの発電指令値を決定する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
風力エネルギーを受けて発電する複数基の風力発電装置と、
前記風力発電装置の発電出力を制御する風車コントローラと、
前記複数基の風力発電装置のうち一部の風力発電装置の合成発電出力を計測する送電線センサを備え、
少なくとも、第1の風力発電装置を制御する第1の風車コントローラは、前記送電線センサにより計測される前記一部の風力発電装置の合成発電出力の計測値に基づき前記第1の風力発電装置の発電指令値を決定することを特徴とするウィンドファーム。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
請求項1に記載のウィンドファームにおいて、
電力系統制御所から通信ネットワークを介してファーム出力上限指令値を受信し、広域低速通信を介して、前記複数基の風力発電装置へそれぞれ風車出力上限指令値を送信するファームコントローラを備え、
前記ファームコントローラは、
前記ファーム出力上限指令値を受信する受信部と、
前記複数基の風力発電装置による合成出力の上限値及び所定の配分比率に基づき、前記風車出力上限指令値を決定する風車出力上限決定部と、を有し、
前記第1の風車コントローラは、局所高速通信を介して前記送電線センサにより計測される合成発電出力の計測値を受信し、前記合成発電出力の計測値及び前記風車出力上限指令値に基づき前記第1の風力発電装置の発電指令値を決定することを特徴とするウィンドファーム。
【請求項3】
請求項2に記載のウィンドファームにおいて、
風力発電装置間または風力発電装置と電力系統の接続と切断を切替える開閉器を備え、
前記ファームコントローラは、少なくとも前記開閉器の開閉状態と、前記送電線センサの使用有無と、前記配分比率とを対応づけたテーブルを保存する制御テーブル記憶装置を有し、前記風車出力上限決定部は、前記制御テーブル記憶装置に保存されるテーブルに基づき前記風車出力上限指令値を決定することを特徴とするウィンドファーム。
【請求項4】
請求項2に記載のウィンドファームにおいて、
前記ファームコントローラは、少なくとも前記第1の風力発電装置の発電出力の閾値、前記送電線センサの使用有無と、前記配分比率とを対応づけたテーブルを保存する制御テーブル記憶装置を有し、前記風車出力上限決定部は、前記制御テーブル記憶装置に保存されるテーブルに基づき前記風車出力上限指令値を決定することを特徴とするウィンドファーム。
【請求項5】
請求項4に記載のウィンドファームにおいて、
前記ファームコントローラは、
前記受信部にて第1の風力発電装置の発電出力計測値を受信し、前記第1の風力発電装置の発電出力計測値が前記第1の風力発電装置の発電出力の閾値未満の場合、前記風車出力上限決定部は、他の風力発電装置の合成発電出力の計測値が前記ファーム出力上限指令値となるよう前記他の風力発電装置の風車出力上限指令値を決定することを特徴とするウィンドファーム。
【請求項6】
請求項2に記載のウィンドファームにおいて、
前記ファームコントローラは、第1のファームコントローラ及び第2のファームコントローラを備え、
前記第1のファームコントローラは、前記一部の風力発電装置と前記広域低速通信を介して接続され、
前記第2のファームコントローラは、少なくとも前記第1の風力発電装置及び前記送電線センサと前記局所高速通信を介して接続されることを特徴とするウィンドファーム。
【請求項7】
風力エネルギーを受けて発電する複数基の風力発電装置と、前記風力発電装置の発電出力を制御する風車コントローラと、前記複数基の風力発電装置のうち一部の風力発電装置の合成発電出力を計測する送電線センサを備えるウィンドファームの制御方法であって、
少なくとも、第1の風力発電装置を制御する第1の風車コントローラは、前記送電線センサにより計測される前記一部の風力発電装置の合成発電出力の計測値に基づき前記第1の風力発電装置の発電指令値を決定することを特徴とするウィンドファームの制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載のウィンドファームの制御方法において、
前記ウィンドファームは、電力系統制御所から通信ネットワークを介してファーム出力上限指令値を受信し、広域低速通信を介して、前記複数基の風力発電装置へそれぞれ風車出力上限指令値を送信するファームコントローラを備え、
前記ファームコントローラは、前記複数基の風力発電装置による合成出力の上限値及び所定の配分比率に基づき、前記風車出力上限指令値を決定し、
前記第1の風車コントローラは、局所高速通信を介して前記送電線センサにより計測される合成発電出力の計測値を受信し、前記合成発電出力の計測値及び前記風車出力上限指令値に基づき前記第1の風力発電装置の発電指令値を決定することを特徴とするウィンドファームの制御方法。
【請求項9】
請求項8に記載のウィンドファームの制御方法において、
前記ウィンドファームは、風力発電装置間または風力発電装置と電力系統の接続と切断を切替える開閉器を備え、
前記ファームコントローラは、少なくとも前記開閉器の開閉状態と、前記送電線センサの使用有無と、前記配分比率とを対応づけたテーブルを保存し、前記保存されたテーブルに基づき前記風車出力上限指令値を決定することを特徴とするウィンドファームの制御方法。
【請求項10】
請求項8に記載のウィンドファームの制御方法において、
前記ファームコントローラは、少なくとも前記第1の風力発電装置の発電出力の閾値、前記送電線センサの使用有無と、前記配分比率とを対応づけたテーブルを保存し、前記保存されるテーブルに基づき前記風車出力上限指令値を決定することを特徴とするウィンドファームの制御方法。
【請求項11】
請求項10に記載のウィンドファームの制御方法において、
前記ファームコントローラは、第1の風力発電装置の発電出力計測値を受信し、前記第1の風力発電装置の発電出力計測値が前記第1の風力発電装置の発電出力の閾値未満の場合、他の風力発電装置の合成発電出力の計測値が前記ファーム出力上限指令値となるよう前記他の風力発電装置の風車出力上限指令値を決定することを特徴とするウィンドファームの制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、風のエネルギーを利用して発電する風力発電装置を複数基備えるウィンドファーム及びウィンドファームの制御方法に関する。
続きを表示(約 18,000 文字)【背景技術】
【0002】
地球温暖化の原因と考えられている二酸化炭素の排出量削減が大きな課題である。二酸化炭素の排出量削減の方策の一つとして、2基以上の風力発電装置からなる風力発電装置群(以下、ウィンドファームと称する)の導入が盛んになっている。ウィンドファームは電力系統に連系されて用いられることが多いが、風速の変動により、発電出力が変動し、連系先の電力系統の周波数に悪影響を及ぼすことが懸念される。その対策の一つとして、ウィンドファームの発電出力に上限値を設定し、電力系統の周波数上昇を抑制する提案がなされている。
例えば、特許文献1には、複数基の風力発電装置を集中制御するファームコントローラによって、ウィンドファームの発電出力を所定の上限値に一致される方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2016−521538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載される構成では、ファームコントローラが、ウィンドファームの発電出力の変化に応じてウィンドファーム内の全ての風力発電装置の出力上限指令を逐次更新する必要がある。ウィンドファームの発電出力は、風速の変化によって数秒間隔で変動する場合があるため、ファームコントローラには高速な通信設備が必要となる。また、大規模なウィンドファームには、数百基の風力発電装置が接続されるため、広域の通信設備が必要となる。このことから、特許文献1に記載される構成では、ファームコントローラに高速広域の通信設備の設置を要するという課題が生じる。
そこで、本発明は、高速広域の通信設備を用いることなく、ウィンドファームの発電出力を上限値に一致させ得るウィンドファーム及びウィンドファームの制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係るウィンドファームは、風力エネルギーを受けて発電する複数基の風力発電装置と、前記風力発電装置の発電出力を制御する風車コントローラと、前記複数基の風力発電装置のうち一部の風力発電装置の合成発電出力を計測する送電線センサを備え、少なくとも、第1の風力発電装置を制御する第1の風車コントローラは、前記送電線センサにより計測される前記一部の風力発電装置の合成発電出力の計測値に基づき前記第1の風力発電装置の発電指令値を決定することを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係るウィンドファームの制御方法は、風力エネルギーを受けて発電する複数基の風力発電装置と、前記風力発電装置の発電出力を制御する風車コントローラと、前記複数基の風力発電装置のうち一部の風力発電装置の合成発電出力を計測する送電線センサを備えるウィンドファームの制御方法であって、少なくとも、第1の風力発電装置を制御する第1の風車コントローラは、前記送電線センサにより計測される前記一部の風力発電装置の合成発電出力の計測値に基づき前記第1の風力発電装置の発電指令値を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、高速広域の通信設備を用いることなく、ウィンドファームの発電出力を上限値に一致させ得るウィンドファーム及びウィンドファームの制御方法を提供することが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の一実施例に係る実施例1のウィンドファームの全体概略構成図である。
図1に示すウィンドファーム内に設置される一の風力発電装置5bの概略構成を示す図である。
図1に示すウィンドファーム内に設置される他の風力発電装置5aの概略構成を示す図である。
図1に示すウィンドファーム内に設置されるファームコントローラの概略構成を示す図である。
図4に示す制御テーブル記憶装置に保存されるテーブルの一例を示す図である。
図2に示す風力発電装置5bを構成する風車コントローラ517bの概略構成を示す図である。
図3に示す風力発電装置5aを構成する風車コントローラ517aの概略構成を示す図である。
図1に示すウィンドファーム全体の動作を示すフローチャートである。
実施例1における風力発電装置の発電出力を説明するためのグラフである。
実施例1におけるウィンドファームの合成発電出力を説明するためのグラフである。
実施例1の変形例1におけるファーム出力上限指令を説明するためのグラフである。
実施例1の変形例1におけるファーム出力上限指令を説明するためのテーブルである。
本発明の他の実施例に係る実施例2のウィンドファームの全体概略構成図である。
図13に示すウィンドファーム内に設置されるファームコントローラの概略構成を示す図である。
図14に示す制御テーブル記憶装置に保存されるテーブルの一例を示す図である。
実施例2におけるウィンドファームの結線(ケース1)を示す図である。
実施例2におけるウィンドファームの結線(ケース2)を示す図である。
実施例2におけるウィンドファームの結線(ケース3)を示す図である。
図13に示すウィンドファーム全体の動作を示すフローチャートである。
本発明の他の実施例に係る実施例3のウィンドファームの全体概略構成図である。
図20に示すウィンドファーム内に設置されるファームコントローラの概略構成を示す図である。
図21に示す制御テーブル記憶装置に保存されるテーブルの一例を示す図である。
図20に示すウィンドファーム全体の動作を示すフローチャートである。
本発明の他の実施例に係る実施例4のウィンドファームの全体概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。
【実施例】
【0010】
図1は、本発明の一実施例に係る実施例1のウィンドファームの全体概略構成図である。図1に示すように、本実施例のウィンドファーム9は、通信ネットワーク12を介して電力系統制御所6と相互に通信可能に接続されると共に、連系点2を接続地点としてウィンドファーム9の連系先の電力系統1に接続されている。ここで通信ネットワーク12は、有線であるか、無線であるかを問わない。
また、ウィンドファーム9は、連系変圧器3、送電線4(4a,4b,4c)、風力発電装置5(5a,5b,5c)、ファームコントローラ7、送電線センサ8、広域低速通信10、及び局所高速通信11にて構成されている。風力発装置5は、送電線4及び連系変圧器3を介して、連系点2に接続される。なお、図1では、ウィンドファーム9内に、風力発装置5a,風力発装置5b,及び風力発装置5cの3基の風力発装置5を、送電線4a,送電線4b,及び送電線4cを介して連系変圧器3に直列に設置する場合を一例として示している。しかし、ウィンドファーム9内に設置される風力発装置5の数はこれに限られるものではなく、例えば、2基の風力発電装置5、或いは4基以上の風力発装置5を設置する構成としても良い。
【0011】
図1に示すように、ファームコントローラ7は、電力系統制御所6から通信ネットワーク12を介してファーム出力上限指令を受信し、広域低速通信10(例えば、20分周期)を介して、風力発電装置5a,風力発電装置5b,及び風力発電装置5cへそれぞれ風車出力上限指令を送信する。ここで、ファームコントローラ7は、例えば、ウィンドファーム9内の建屋内に設置される。
電力系統制御所6は、電力系統1の周波数変動を規定値以内に抑えるために、ウィンドファーム及び火力発電所等に対し、出力調整を指令する役割を担う。送電線センサ8は、局所高速通信11(例えば、1秒周期)を介して、風力発電装置5aに、送電線4bの電力潮流計測値を送信する。局所高速通信11に代えて、送電線センサ8を構成する電圧センサ及び電流センサのアナログ出力の取り合いとしても良い。なお、送電線4bの電力潮流は、風力発電装置5b及び風力発電装置5cの合成発電出力である。その他の送電線について、送電線4cには、風力発電装置5cの発電出力が流れる。また、送電線4aには、全ての風力発電装置5a,風力発電装置5b,及び風力発電装置5cの合成発電出力が流れる。
【0012】
次に、風力発電装置5a,風力発電装置5b,及び風力発電装置5cの構成につき図2及び図3を用いて説明する。図2は図1に示すウィンドファーム9内に設置される一の風力発電装置5bの概略構成を示す図であり、図3は図1に示すウィンドファーム9内に設置される他の風力発電装置5aの概略構成を示す図である。なお、風力発電装置5cの構成は風力発電装置5bの構成と同様であるため以下では説明を省略する。
【0013】
図2に示すように、風力発電装置5bは、風を受けて回転する風力ブレード54b、風力ブレード54bを支持するハブ52b、図示しないナセル、及びナセルを回動可能に支持するタワー(図示せず)を備える。図示しないナセル内に、ハブ52bに接続されハブ52bと共に回転する回転軸55b、及び、回転軸55bに連結され回転子を回転させて発電運転する発電機56bを備えている。風力ブレード54bの回転エネルギーを発電機56bに伝達する部位は、動力伝達部と称される。また、風力ブレード54b及びハブ52bによりロータが構成される。
また、風力発電装置5bは、風速計51b、可変ピッチ機構部53b、交流電圧センサ(57b,515b)、交流電流センサ(58b,514b)、回転速度検出器59b、有効電力演算部510b、コンバータ511b、直流電圧センサ512b、インバータ513b、昇圧変圧器516b、及び風車コントローラ517bを備える。
【0014】
風速計51bは、風力ブレード54bが受ける風の速度(風速)を計測する。風力ブレード54bで受けた風力エネルギーは,可変ピッチ機構部53b、ハブ52b、及び回転軸55bを介して発電機56bに伝達される。発電機56bは、風力エネルギーを発電出力(電気エネルギー)に変換し、発電出力をコンバータ511bに送る。コンバータ511bは、交流電圧センサ57bと交流電流センサ58bの計測値、及び風車コントローラ517bから指令される発電出力目標値P
G2

(発電出力は有効電力である)に基づいて、発電機56bの交流電圧及び交流電流を制御する。また、コンバータ511bは,発電機56bの交流電圧および交流電流を直流電圧および直流電流に変換し,直流電圧および直流電流をインバータ513bに送る。インバータ513bは、直流電圧センサ512b、交流電圧センサ515b、及び交流電流センサ514bに基づいて、コンバータ511bとインバータ513bの間の直流電圧、及びインバータ513bの無効電力出力を制御する。また、インバータ513bは、コンバータ511bから送られた直流電圧及び直流電流を、交流電圧及び交流電流に逆変換することで、発電機56bの発電出力を昇圧変圧器516bに送る。昇圧変圧器516bは、電圧を昇圧して、発電出力を送電線4bに送る。
【0015】
回転速度検出器59bは、交流電圧センサ57bの交流電圧計測値から、発電機56bの回転速度ωrを検出する。
有効電力演算部510bは、交流電圧センサ57bの交流電圧計測値及び交流電流センサ58bの交流電流計測値から、発電機56bの発電出力P

(有効電力)を演算する。
【0016】
風車コントローラ517bは、風速計51bによる風速計測値V

、ファームコントローラ7から広域低速通信10(図1)により指令される風車出力上限指令値P
WT_UL
*
、回転速度検出器59bにより検出された発電機56bの回転速度ωr、及び有効電力演算部510bにより演算された発電機56bの発電出力P

に基づいて、発電出力目標値P
G2

及びピッチ角目標値θ
PITCH
*
を決定する。
風車コントローラ517bは、発電出力目標値P
G2

をコンバータ511bへ送信すると共に、ピッチ角目標値θ
PITCH
*
を可変ピッチ機構部53bへ送信する。コンバータ511bは、発電出力P

が風車コントローラ517bより送信された発電出力目標値P
G2

に追従するように、発電機56bの出力電流を制御する。可変ピッチ機構部53bは、風車コントローラ517bより送信されたピッチ角目標値θ
PITCH
*
に一致するように、風力ブレード54bのピッチ角(風向に対する風力ブレードの角度)を調整する。
【0017】
図3に示すように、風力発電装置5aが、風力発電装置5b及び風力発電装置5cと異なる点は、風車コントローラ517aに、送電線センサ8の電力潮流計測値P
LINE
(風力発電装置5b及び風力発電装置5cの合成発電出力の計測値)が入力される点である。風車コントローラ517aは、風速計51aによる風速計測値V

、ファームコントローラ7から広域低速通信10(図1)により指令される風車出力上限指令値P
WT_UL
*
、回転速度検出器59aにより検出された発電機56aの回転速度ωr、有効電力演算部510aにより演算された発電出力P

、及び送電線センサ8からの電力潮流計測値P
LINE
に基づいて、発電出力目標値P
G2

及びピッチ角目標値θ
PITCH
*
を決定する。換言すれば、風車コントローラ517aが、他の風力発電装置5b及び風力発電装置5cの合成発電出力の計測値(送電線センサ8の電力潮流計測値P
LINE
)の過不足を判定し発電出力目標値P
G2

を求め風力発電装置5aの発電出力P

が求めた発電出力目標値P
G2

となるよう発電機56aの出力電流を制御する。なお、詳細については後述する。また、図3に示す風力発電装置5aの構成要素である風速計51a〜昇圧変圧器516aは、上述の図2に示す風力発電装置5bの風速計51b〜昇圧変圧器516bと同様の機能を有するため、ここでは詳細説明を省略する。
【0018】
次に、ファームコントローラ7につき図4及び図5を用いて説明する。図4は図1に示すウィンドファーム9内に設置されるファームコントローラ7の概略構成を示す図であり、図5は図4に示す制御テーブル記憶装置74に保存されるテーブルの一例を示す図である。
【0019】
図4に示すように、ファームコントローラ7は、受信部71、風車出力上限決定部72、送信部73、及び制御テーブル記憶装置74を備える。受信部71は、電力系統制御所6から通信ネットワーク12を介して指令されるファーム出力上限指令値を取得する。風車出力上限決定部72は、受信部71にて取得されたファーム出力上限指令、及び制御パラメータ記憶装置74に保存されるテーブルに基づいて、各風力発電装置5a,風力発電装置5b,及び風力発電装置5cの風車出力上限指令値を決定する。送信部73は、風車出力上限決定部72により決定された風車出力上限指令値を、広域低速通信10を介して各風力発電装置5a,風力発電装置5b,及び風力発電装置5cへ送信する。
【0020】
図5に示すように、ファームコントローラ7を構成する制御テーブル記憶装置74には、各風力発電装置の識別番号及び出力上限配分比率(%)を対応づけてテーブル形式にて保存している。図5に示す例では、「風力発電装置識別番号」が“5a”には「出力上限配分比率(%)」が“100”、「風力発電装置識別番号」が“5b”には「出力上限配分比率(%)」が“50”、及び「風力発電装置識別番号」が“5c”には「出力上限配分比率(%)」が“50”がそれぞれ対応付けて保存されている。
【0021】
風車出力上限決定部72は、ファーム出力上限指令及び図5のテーブルに示す出力上限配分比率から、以下の式(1)によって、各風力発電装置5a,風力発電装置5b,及び風力発電装置5cの風車出力上限指令値を決定する。

WT_UL

(i)=P
WF_UL

×α(i)/100 ・・・(1)
ここで、P
WT_UL

(i)は風車出力上限指令値であり、P
WF_UL

はファーム出力上限指令値であり、α(i)は出力上限配分比率であり、iは風力発電装置の識別番号(5a,5b,5c)である。
【0022】
ここで、ファームコントローラ7を構成する風車出力上限決定部72が、式(1)に具体的な数値を代入し、風車出力上限指令値P
WT_UL

の決定する方法について説明する。
【0023】
例えば、ファーム出力上限指令値P
WF_UL

が6MWの場合、風車出力上限決定部74は上述の式(1)に基づき、図5に示す出力配分比率から、風車出力上限指令値P
WT_UL

は、それぞれ、風力発電装置5aでは6MW、風力発電装置5bでは3MW、及び風力発電装置5cでは3MWとなる。風力発電装置5b及び風力発電装置5cは、それぞれ、発電機56b及び発電機56cの発電出力P

を、風車出力上限指令値P
WT_UL

の3MWに制御する。一方、風力発電装置5aは、発電機56aの発電出力P

と送電線センサ8の電力潮流計測値P
LINE
(風力発電装置5b及び風力発電装置5cの合成発電出力)の合計値を、風車出力上限指令値P
WT_UL

の6MWに制御する。
なお、風力発電装置5b及び風力発電装置5cの各々の発電出力P

が風車出力上限指令値P
WT_UL

の3MWと一致する場合、その合成出力は6MWとなりファーム出力上限指令値P
WF_UL

の6MWと一致するため、風力発電装置5aの発電出力は0MWとなる。
【0024】
また、仮に、風力発電装置5a、風力発電装置5b、及び風力発電装置5cの定格出力がいずれも5MWであり、風力発電装置5bの発電出力P

が風車出力上限指令値P
WT_UL

の3MWと一致し、風力発電装置5cの各々の発電出力P

が2MWで風車出力上限指令値P
WT_UL

の3MWと一致しない場合、風力発電装置5b及び風力発電装置5cの合成出力は5MWとなりファーム出力上限指令値P
WF_UL

の6MWに対し1MW不足する。この場合、風力発電装置5aの発電出力P

を1MWとなるよう発電機56aを調整することで、風力発電装置5a、風力発電装置5b、及び風力発電装置5cの発電出力P

の合計値が6MWとなり、ファーム出力上限指令値P
WF_UL

の6MWに一致させる。すなわち、風力発電装置5aは、風力発電装置5b及び風力発電装置5cの各々の発電出力P

が風車出力上限指令値P
WT_UL

に対して不足する場合に、その不足分を補償するように発電出力P

を調整する。
【0025】
次に、風力発電装置5aを構成する風車コントローラ517a、風力発電装置5bを構成する風車コントローラ517b、及び風力発電装置5cを構成する風車コントローラ517cの構成につき図6及び図7を用いて説明する。図6は図2に示す風力発電装置5bを構成する風車コントローラ517bの概略構成を示す図であり、図7は図3に示す風力発電装置5aを構成する風車コントローラ517aの概略構成を示す図である。なお、風力発電装置5cを構成する風車コントローラ517cの構成は風力発電装置5bを構成する風車コントローラ517bの構成と同様であるため以下では説明を省略する。
【0026】
図6に示すように、風力発電装置5bを構成する風車コントローラ517bは、最大電力点追従制御器5171b(MPPT:Maximum power point tracking)、減算器、回転速度制御器5172b(ASR:Auto speed regulator)、及びリミッタ5173bより構成される。
【0027】
最大電力点追従制御器5171b(MPPT)は、風速計51bによる風速計速値V

と有効電力演算部510bにより演算された発電出力P

を入力し、発電出力P

を最大化する回転速度指令値ωr

を算出する。
減算器は、最大電力点追従制御器5171b(MPPT)により算出された回転速度指令値ωr

と回転速度検出器59bにより検出された発電機56bの回転速度計測値ωrとの差分を算出し、算出結果の差分を回転速度制御器5172b(ASR)へ出力する。
回転速度制御器5172b(ASR)は、減算器より入力される差分がゼロとなるよう、ずなわち、回転速度指令値ωr

と回転速度検出器59bにより検出された発電機56bの回転速度計測値ωrが一致するように、抑制前発電出力目標値P
G1

及びピッチ角目標値θ
PITCH
*
を決定する。回転速度制御器5172b(ASR)は、決定した抑制前発電出力目標値P
G1

をリミッタ5173bへ出力すると共にピッチ角目標値θ
PITCH
*
を可変ピッチ機構部53bへ送信する。
リミッタ5173bは、抑制前発電出力目標値P
G1

の上限を風車出力上限指令値P
WT_UL
*
に制限した発電出力目標値P
G2

を算出する。なお、発電出力の抑制によって回転速度計測値ωrが上昇する場合は、回転速度制御器5172b(ASR)がピッチ角目標値θ
PITCH
*
を調整することで、回転速度計測値ωrの上昇を抑制する。リミッタ5173bは、算出した発電出力目標値P
G2

をコンバータ511bへ送信する。
【0028】
図7に示すように、風力発電装置5aを構成する風車コントローラ517aが、図6に示す風力発電装置5bを構成する上述の風車コントローラ517bと異なる点は、送電線センサ8の電力潮流計測値P
LINE
を受信する点である。そして、風車コントローラ517aは、風車出力上限指令値P
WT_UL

(ファーム出力上限指令値P
WF_UL

と同じ値)から、電力潮流計測値(風力発電装置5bと風力発電装置5cの合成発電出力の計測値)を引いた値P
WT_UL


(ファーム発電出力の上限指令に対する不足分)を、リミッタ5173aに入力する。風車コントローラ517aのその他の構成については、風車コントローラ517bと同様であるため、説明を省略する。
【0029】
次に、ウィンドファーム9全体の動作について説明する、図8は図1に示すウィンドファーム9全体の動作を示すフローチャートである。
図8に示すように、ステップS101では、電力系統制御所6にて、ファーム出力上限指令値P
WF_UL

の初期値が設定される。ここで、ファーム出力上限指令値P
WF_UL

の初期値として、ウィンドファーム9の定格出力(最大出力)が設定される。
ステップS102では、ファームコントローラ7が、電力系統制御所6から通信ネットワーク12を介してファーム出力上限指令値P
WF_UL

を受信したか否かを判定する。判定の結果、ファーム出力上限指令値P
WF_UL

を受信していない場合にはステップS104へ進む。一方、判定の結果、ファーム出力上限指令値P
WF_UL

を受信した場合には、ステップS103へ進む。なお、通信ネットワーク12を介して電力系統制御所6よりファーム出力上限指令値P
WF_UL

を受信する周期は、例えば、1時間に設定される。
【0030】
ステップS103では、例えば、1時間周期で受信されるファーム出力上限指令値P
WF_UL

を、ファームコントローラ7が更新し、ステップS104へ進む。
ステップS104では、ファームコントローラ7を構成する風車出力上限決定部72が、上述の式(1)に基づき、受信されたファーム出力上限指令値P
WF_UL

を用いて、各風力発電装置5a,風力発電装置5b,及び風力発電装置5cの風車出力上限指令値P
WT_UL
*
を決定する。そして、決定された風力発電装置毎の風車出力上限指令値P
WT_UL
*
を、ファームコントローラ7を構成する送信部73が広域低速通信10を介して各風力発電装置へ送信する。ここで、風車出力上限指令値P
WT_UL
*
の送信周期は、上述のファーム出力上限指令値P
WF_UL

の受信周期と同様に、例えば、1時間に設定される。
【0031】
ステップS105では、風車出力上限指令値P
WT_UL
*
の送信先の風力発電装置が送電線センサ8の計測値を使用する風力発電装置5aであるか否かを判定し、風力発電装置5aでない場合、すなわち、風車出力上限指令値P
WT_UL
*
の送信先の風力発電装置が風力発電装置5b及び風力発電装置5cの場合にはステップS109へ進む。一方、送信先が送電線センサ8の計測値を使用する風力発電装置5aである場合にはステップS106へ進む。
【0032】
ステップS106では、風力発電装置5aを構成する風車コントローラ517aが、送電線センサ8から電力潮流計測値P
LINE
(風力発電装置5b及び風力発電装置5cの合成発電出力の計測値)を受信したか否かを判定する。ここでの受信周期は、例えば、1秒に設定される。送電線センサ8から電力潮流計測値P
LINE
を受信していない場合にはステップS111へ進む。一方、送電線センサ8から電力潮流計測値P
LINE
を受信した場合は、ステップS107へ進む。
ステップS107では、風力発電装置5aを構成する風車コントローラ517aが、有効電力演算部510aにより演算された風力発電装置5aの発電出力P

(有効電力)を受信し、ステップS108へ進む。
ステップS108では、風力発電装置5aを構成する風車コントローラ517aが、風車出力上限指令値P
WT_UL

(ファーム出力上限指令値P
WF_UL

と同じ値)から、送電線センサ8の電力潮流計測値P
LINE
(風力発電装置5bと風力発電装置5cの合成発電出力の計測値)を引いた値P
WT_UL


(ファーム発電出力の上限指令に対する不足分)を、リミッタ5173aに入力する。これにより、電力潮流計測値P
LINE
(風力発電装置5bと風力発電装置5cの合成発電出力の計測値)及び風力発電装置5aの発電出力P

(有効電力)の合計出力が風車出力上限指令値P
WT_UL

(ファーム出力上限指令値P
WF_UL

と同じ値)に追従するよう制御する。そしてステップS111へ進む。
【0033】
ステップS109では、風力発電装置5bを構成する風車コントローラ517bが、有効電力演算部510bにより演算された発電出力P

を受信する。
ステップS110では、風車コントローラ517bが、ファームコントローラ7より受信した風車出力上限指令値P
WT_UL
*
をリミッタ5173bの上限値に設定し、更新周期(例えば、1時間)毎に調整し、ステップS111へ進む。
【0034】
ステップS111では、ウィンドファーム9が稼働中か否かを判定し、ウィンドファーム9が停止或いは稼働していない場合には動作を終了する。一方、ウィンドファーム9が稼働中の場合には、上述のステップS102〜ステップS110の処理を繰り返し実行する。
【0035】
次に、本実施例のウィンドファーム9によって、高速広域の通信設備を用いることなく、ウィンドファーム9の発電出力を出力上限指令に一致させることができる原理について、図9及び図10を用いて説明する。
図9は、本実施例における風力発電装置の発電出力を説明するためのグラフであり、単一の時間断面における、各風力発電装置5a,風力発電装置5b,及び風力発電装置5cの各々の可能発電出力13(13a,13b,13c)、発電出力14(14a,14b,14c)、及び風車出力上限指令値15(15b,15c)の一例を示す。なお、風力発電装置5aには、風力発電装置5a,風力発電装置5b,及び風力発電装置5cの合成出力に対する風車出力上限指令値が設定される。そのため、風力発電装置5aの風車出力上限指令値15aは、図9には示さない。
図9に示すように、風力発電装置5cでは、風車出力上限指令値15cより可能発電出力13cが大きいため、発電出力の抑制によって、風車出力上限指令値15cと発電出力14cは一致する。風力発電装置5bでは、風車出力上限指令値15bより可能発電出力13bが小さいため、風車出力上限指令値15bに対して、発電出力14bは不足分16bだけ小さい。風力発電装置5aでは、風力発電装置5bの不足分16bを発電するように、発電出力14aを調整する。
【0036】
図10は、本実施例におけるウィンドファーム9の合成発電出力を説明するためのグラフであり、横軸を時間としたファーム発電出力及びファーム出力上限指令値のグラフの一例を示している。また、ファーム発電出力は、各風力発電装置5a,風力発電装置5b,及び風力発電装置5cの発電出力14(14a,14b,14c)の合成値である。そのため、図10には、発電出力14(14a,14b,14c)も合わせて示す。
図10に示すように、ファーム出力上限指令値17は、電力系統制御所6によって、時刻t(t0,t1,t2,t3)に更新される。ファームコントローラ7は、ファーム出力上限指令値17の更新に応じて、時刻t1及びt2に風車出力上限指令値を更新する。そして、風車出力上限指令値は、各風力発電装置5a,風力発電装置5b,及び風力発電装置5cへ送信される。ファーム出力上限指令値17及び風車出力上限指令値の更新周期は、例えば20分である。
【0037】
上述の図9で説明した通り、風力発電装置5aは、風力発電装置5b及び風力発電装置5cの合成発電出力(14b+14c)がファーム出力上限指令値17より小さい場合に、その不足分(例えば、図9に示す16b)と同量の発電出力(13a)を供給する。また、風力発電装置5aは、上述の図3に示す送電線センサ8及び局所高速通信11(例えば、1秒周期)によって、その不足分(例えば、図9に示す16b)を検出することができる。
【0038】
以上より、本実施例によれば、高速広域の通信設備を用いることなく、ウィンドファームの発電出力を上限値に一致させ得るウィンドファーム及びウィンドファームの制御方法を提供することが可能となる。
具体的には、ファーム発電出力が所定の上限値に制限される場合に、送電線センサ8と局所高速通信11を用いることで、ファーム発電出力を上限値と一致させることができる。これにより、ファームコントローラ7と各風力発電装置5a,風力発電装置5b,及び風力発電装置5cをつなぐ広域低速通信10を高速通信に変更する設備増強が不要となり、ウィンドファーム9の設備費用を削減できる。また、ファーム発電出力を上限値に一致させることにより、制限された範囲内で、ウィンドファーム9から電力系統1に供給する電力を最大化でき、二酸化炭素の排出量削減に貢献できる。
<実施例1の変形例>
図11は実施例1の変形例1におけるファーム出力上限指令を説明するためのグラフであり、図12は実施例1の変形例1におけるファーム出力上限指令を説明するためのテーブルである。
上述の実施例1におけるファーム出力上限指令及び風車出力上限指令は、発電出力の上限値(W:ワット)に代えて、発電出力の時間変化率(W/分)としても良い。図11には、ファーム出力上限指令を発電出力の時間変化率とした場合での、横軸を時間としたファーム出力上限指令のグラフを示している。図11では、時刻t1からt2の期間におけるファーム発電出力の上昇の時間変化を(P2−P1)/(t2−t1)以下に制限している。ファームコントローラ7は、図11に示すファーム出力上限指令を、図12に示すような時刻とファーム出力上限指令を対応づけたテーブルに変換し、各風力発電装置5a,風力発電装置5b,及び風力発電装置5cに送信する。これにより、実施例1と同じ構成で実現が可能である。
【実施例】
【0039】
図13は、本発明の他の実施例に係る実施例2のウィンドファーム9aの全体概略構成図である。本実施例のウィンドファーム9aでは、風力発電装置(5a,5b,5c)、送電線(4a,4b,4c),及び送電線センサ8と同じ構成の風力発電装置(5d,5e,5f)、送電線(4e,4f,4g)、及び送電線センサ8aが、連系変圧器3に並列に接続されている点が実施例1と異なる。また更に、開閉器18(18a,18b,18c,18d,18e)及び送電線(4d,4h)が追加された点が実施例1と異なる。送電線4dと4hの間には、開閉器14eが配置される。開閉器14(a,b,c,d,e)は、開閉状態を切替えることで、その両端の送電線を電気的に接続、または切り離すことができる。以下では、実施例1と同様の構成要素に同一符号を付し、実施例1と重複する説明を省略する。
【0040】
図14は、図13に示すウィンドファーム9a内に設置されるファームコントローラ7aの概略構成を示す図である。図14に示すように、本実施例のファームコントローラ7aの構成は、上述の実施例1のファームコントローラ7と異なり、開閉器18の開閉状態を、受信部71aによって取得する。風車出力上限決定部72aは、電力系統制御所6から通信ネットワーク12を介して指令されるファーム出力上限指令、開閉器14の開閉状態、及び制御テーブル記憶装置74aに保存されるテーブルに基づいて、各風力発電装置5の風車出力上限指令値を決定する。風車出力上限指令値は、送信部73によって、各風力発電装置5に送信される。
【0041】
図15は、図14に示す制御テーブル記憶装置74aに保存されるテーブルの一例を示す図である。図15に示すように、ファームコントローラ7aを構成する制御テーブル記憶装置74aには、開閉器18の開閉状態、風車番号、送電線センサの使用有無、及び出力上限配分比率(%)を対応づけてテーブル形式にて保存している。ファームコントローラ7aを構成する風車出力上限決定部72aは、開閉器18の開閉状態の組合せに応じて、3種類(図14に示すケース1,2,3)の出力上限配分比率を使い分ける。
【0042】
図16は、本実施例におけるウィンドファーム9aの結線(ケース1)を示す図である。図15に示すように、ケース1では、「開閉器の開閉状態」は、「開閉器18a及び開閉器18b」並びに「開閉器18c及び開閉器18d」は共に“閉状態”であり、「開閉器18e」のみが“開状態”である。よって、図16に示すように、送電線4dと送電線4hは切り離される。この状態は、上述の実施例1における風力発電装置5a,風力発電装置5b,及び風力発電装置5cと同様に、風力発電装置5d,風力発電装置5e,及び風力発電装置5fを制御すれば良い。
【0043】
図17は、本実施例におけるウィンドファーム9aの結線(ケース2)を示す図である。図15に示すように、ケース2では、「開閉器の開閉状態」は、「開閉器18a及び開閉器18b」が“閉状態”であり、「開閉器18c及び開閉器18d」が“開状態”であり、「開閉器18e」が“閉状態”である。よって、図17に示すように、連系変圧器3と送電線4eは切り離される。この場合では、送電線センサ8は、風力発電装置5b,風力発電装置5c,風力発電装置5d,風力発電装置5e,及び風力発電装置5fの合成発電出力を計測する。そのため、風力発電装置5b,風力発電装置5c,風力発電装置5d,風力発電装置5e,及び風力発電装置5fは、自身の発電出力を風車出力上限指令値P
WT_UL
*
と一致するように制御する。そして、風力発電装置5aは、送電線センサ8を用いてファーム発電出力がファーム出力上限指令値P
WF_UL

に一致するように制御すれば良い。
【0044】
図18は、本実施例におけるウィンドファーム9aの結線(ケース3)を示す図である。図15に示すように、ケース3では、「開閉器の開閉状態」は、「開閉器18a及び開閉器18b」のみが“開状態”であり、「開閉器18c及び開閉器18d」並びに「開閉器18e」は共に“閉状態”である。よって、図18に示すように、連系変圧器3と送電線4aは切り離される。この場合では、送電線センサ8aは、風力発電装置5a,風力発電装置5b,風力発電装置5c,風力発電装置5e,及び風力発電装置5fの合成発電出力を計測する。そのため、風力発電装置5a,風力発電装置5b,風力発電装置5c,風力発電装置5e,及び風力発電装置5fは、自身の発電出力を風車出力上限指令値P
WT_UL
*
と一致するように制御する。そして、風力発電装置5dは、送電線センサ8aを用いてファーム発電出力がファーム出力上限指令値P
WF_UL

に一致するように制御すれば良い。
【0045】
次に、ウィンドファーム9a全体の動作について説明する、図19は図13に示すウィンドファーム9a全体の動作を示すフローチャートである。
図19に示すように、ステップS201では、電力系統制御所6にて、ファーム出力上限指令値P
WF_UL

の初期値が設定される。ここで、ファーム出力上限指令値P
WF_UL

の初期値として、ウィンドファーム9aの定格出力(最大出力)が設定される。
ステップS202では、ファームコントローラ7aが、電力系統制御所6から通信ネットワーク12を介してファーム出力上限指令値P
WF_UL

を受信したか否かを判定する。判定の結果、ファーム出力上限指令値P
WF_UL

を受信していない場合にはステップS204へ進む。一方、判定の結果、ファーム出力上限指令値P
WF_UL

を受信した場合には、ステップS203へ進む。なお、通信ネットワーク12を介して電力系統制御所6よりファーム出力上限指令値P
WF_UL

を受信する周期は、例えば、1時間に設定される。
【0046】
ステップS203では、例えば、1時間周期で受信されるファーム出力上限指令値P
WF_UL

を、ファームコントローラ7aが更新し、ステップS204へ進む。
ステップ204では、開閉器の開閉状態の初期値が設定される。ここで、開閉器の開閉状態の初期値は、送電線4が健全の時の開閉状態(図15に示すケース1)が設定される。
【0047】
ステップ205では、ファームコントローラ7aが、開閉器18a,開閉器18b,開閉器18c,開閉器18d,及び開閉器18eより広域低速通信10を介して開閉状態を。ファームコントローラ7aの受信部71aにて受信したか否かを判定する。受信した場合はステップS206へ進み、一方、受信したなった場合はステップS207へ進む。なお、開閉器の開閉状態を受信するタイミングは、例えば、送電線4aまたは送電線4eが事故によって断線した時である。
ステップS206では、受信した開閉器18a,開閉器18b,開閉器18c,開閉器18d,及び開閉器18eの開閉状態を更新し制御テーブル記憶装置74aに保存する。
【0048】
ステップS207では、ファームコントローラ7aを構成する風車出力上限決定部72aが、開閉器18の開閉状態及び図15に示すテーブルから、開閉状態に応じたケースを選択する。選択したケースに対応する出力上限配分比率及び上記ファーム出力上限指令値P
WF_UL

に基づき、風力発電装置毎に個別の風車出力上限指令値P
WT_UL
*
を上述の式(1)によって求める。風車出力上限決定部72aにより求められた個別の風車出力上限指令値P
WT_UL
*
は、送信部73より対応する風力発電装置へ広域低速通信10を介して送信される。ここで、風車出力上限指令値P
WT_UL
*
の送信周期は、上述のファーム出力上限指令値P
WF_UL

の受信周期と同様に、例えば1時間に設定される。
【0049】
ステップS208では、風車出力上限指令値P
WT_UL
*
の送信先の風力発電装置が送電線センサの計測値を使用する風力発電装置であるか否かを判定し、送電線センサの計測値を使用する風力発電装置である場合、上述の実施例1と同様に図8に示すステップS106へ進む。一方、送電線センサの計測値を使用する風力発電装置でない場合、上述の実施例1と同様に図8に示すステップS109へ進む。以降は、上述の実施例1と同様にステップS107〜ステップS111と同様の処理を実行する。
【0050】
以上より、本実施例によれば、上述の実施例1の効果に加え、開閉器18の開閉状態に応じて、使用する送電線センサを選択することで、例えば送電線4aまたは送電線4eが事故によって断線した場合においても、ファーム発電出力を上限値と一致させることができる。
【実施例】
(【0051】以降は省略されています)

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