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公開番号2020005473
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200109
出願番号2018125785
出願日20180702
発明の名称太陽電池の評価装置および太陽電池の評価方法
出願人パナソニックIPマネジメント株式会社
代理人個人,個人
主分類H02S 50/10 20140101AFI20191206BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】太陽電池の発電性能を簡便に評価する評価装置を提供する。
【解決手段】本開示の一態様に係る太陽電池の評価装置は、透過光を用いて撮像された太陽電池の第1画像、および、透過光を用いて撮像された太陽電池の前駆体の第2画像からなる群より選ばれる少なくとも1つの画像に基づいて、太陽電池の発電性能を評価する画像処理部を備えたものである。画像処理部は、例えば、(i)第1学習モデルで第1画像を処理することによって、太陽電池の発電性能を評価する、および、(ii)第2学習モデルで第2画像を処理することによって、太陽電池の発電性能を評価する、からなる群より選ばれる少なくとも1つを行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
透過光を用いて撮像された太陽電池の第1画像、および、透過光を用いて撮像された前記太陽電池の前駆体の第2画像からなる群より選ばれる少なくとも1つの画像に基づいて、前記太陽電池の発電性能を評価する画像処理部を備えた、太陽電池の評価装置。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記画像処理部は、(i)第1学習モデルで前記第1画像を処理することによって、前記太陽電池の前記発電性能を評価する、および、(ii)第2学習モデルで前記第2画像を処理することによって、前記太陽電池の前記発電性能を評価する、からなる群より選ばれる少なくとも1つを行い、
前記第1学習モデルは、透過光を用いて撮像された学習モデル用太陽電池の画像と前記学習モデル用太陽電池の発電性能との関係を示し、
前記第2学習モデルは、透過光を用いて撮像された前記学習モデル用太陽電池の前駆体の画像と前記学習モデル用太陽電池の前記発電性能との関係を示す、請求項1に記載の太陽電池の評価装置。
【請求項3】
前記画像処理部は、前記学習モデル用太陽電池の前記画像と前記学習モデル用太陽電池の前記発電性能とが対応付けられた第1学習データを学習することによって、前記第1学習モデルを生成する、請求項2に記載の太陽電池の評価装置。
【請求項4】
前記画像処理部は、前記学習モデル用太陽電池の前記前駆体の前記画像と前記学習モデル用太陽電池の前記発電性能とが対応付けられた第2学習データを学習することによって、前記第2学習モデルを生成する、請求項2に記載の太陽電池の評価装置。
【請求項5】
前記画像処理部は、畳み込みニューラルネットワークを用いて、前記第1学習モデルおよび前記第2学習モデルからなる群より選ばれる少なくとも1つの学習モデルを生成する、請求項2から4のいずれか1項に記載の太陽電池の評価装置。
【請求項6】
前記太陽電池または前記太陽電池の前記前駆体を撮像する撮像部をさらに備えた、請求項1から5のいずれか1項に記載の太陽電池の評価装置。
【請求項7】
前記撮像部によって前記太陽電池または前記太陽電池の前記前駆体を撮像するときに、前記太陽電池または前記太陽電池の前記前駆体に対して、前記撮像部とは反対側に位置するとともに、前記太陽電池または前記太陽電池の前記前駆体に光を照射する照明部をさらに備えた、請求項6に記載の太陽電池の評価装置。
【請求項8】
前記画像処理部によって評価された前記太陽電池の前記発電性能の情報を出力する出力部をさらに備えた、請求項1から7のいずれか1項に記載の太陽電池の評価装置。
【請求項9】
透過光を用いて撮像された学習モデル用太陽電池の画像と前記学習モデル用太陽電池の発電性能とが対応付けられた第1学習データ、および、透過光を用いて撮像された前記学習モデル用太陽電池の前駆体の画像と前記学習モデル用太陽電池の前記発電性能とが対応付けられた第2学習データからなる群より選ばれる少なくとも1つの学習データを記憶する記憶部をさらに備えた、請求項1から8のいずれか1項に記載の太陽電池の評価装置。
【請求項10】
前記太陽電池および前記太陽電池の前記前駆体は、ペロブスカイト化合物を含む光吸収層を備える、請求項1から9のいずれか1項に記載の太陽電池の評価装置。
【請求項11】
前記太陽電池の前記発電性能は、変換効率、短絡電流密度、開放電圧、曲線因子、シリーズ抵抗、シート抵抗、ヒステリシス、電流電圧カーブ、および、これらの経時変化からなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項1から10のいずれか1項に記載の太陽電池の評価装置。
【請求項12】
透過光を用いて撮像された太陽電池の第1画像、および、透過光を用いて撮像された前記太陽電池の前駆体の第2画像からなる群より選ばれる少なくとも1つの画像に基づいて、前記太陽電池の発電性能を評価することを含む、太陽電池の評価方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、太陽電池の評価装置および太陽電池の評価方法に関する。
続きを表示(約 12,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、塗布型太陽電池の一例として、ペロブスカイト太陽電池の研究開発が進められている。「塗布型太陽電池」とは、塗布液を用いて作製された光吸収層を備える太陽電池を意味する。ペロブスカイト太陽電池は、光吸収材料としてABX
3
(Aは1価のカチオン、Bは2価のカチオン、Xはハロゲンアニオン)で示されるペロブスカイト型結晶、およびその類似の構造体(以下、「ペロブスカイト化合物」と呼ぶ)を用いている。ペロブスカイト太陽電池の光吸収層は、例えば、光吸収材料を含む塗布液を用いて作製される。
【0003】
非特許文献1には、ペロブスカイト太陽電池の光吸収材料として、(Cs,CH
3
NH
3
,HC(NH
2

2
)PbI
3
(以下、「(Cs,MA,FA)PbI
3
」と省略することがある)で示されるペロブスカイト化合物を用いた太陽電池が報告されている。
【0004】
特許文献1には、基板上に薄膜が積層された太陽電池パネルの画像を撮像し、得られた画像の色むらを解析することによって、薄膜の膜厚データを生成する検査装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2004−95731号公報
【非特許文献】
【0006】
Michael Saliba、外10名、「Incorporation of rubidium cations into perovskite solar cells improves photovoltaic performance」、Science(米国)、2016年9月、第354巻、第6309号、p.206−209
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
太陽電池の発電性能を簡便に評価するための技術が求められている。
【0008】
本開示の限定的でない例示的なある態様は、太陽電池の発電性能を簡便に評価する評価装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様は、
透過光を用いて撮像された太陽電池の第1画像、および、透過光を用いて撮像された前記太陽電池の前駆体の第2画像からなる群より選ばれる少なくとも1つの画像に基づいて、前記太陽電池の発電性能を評価する画像処理部を備えた、太陽電池の評価装置を提供する。
【0010】
包括的または具体的な態様は、素子、デバイス、モジュール、システム、集積回路、方法またはコンピュータプログラムで実現されてもよい。包括的または具体的な態様は、素子、デバイス、モジュール、システム、集積回路、方法およびコンピュータプログラムの任意の組み合わせによって実現されてもよい。
【0011】
開示された実施形態の追加的な効果および利点は、明細書および図面から明らかになる。効果および/または利点は、明細書および図面に開示の様々な実施形態または特徴によって個々に提供され、これらの1つ以上を得るために全てを必要とはしない。
【発明の効果】
【0012】
本開示の一態様によれば、太陽電池の発電性能を簡便に評価する評価装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1は、本開示の太陽電池の評価装置の一例を示す模式的な構成図である。
図2は、図1の評価装置の画像処理部による学習処理および出力処理を説明するための図である。
図3は、図1の評価装置の画像処理部による出力処理を示すフローチャートである。
図4は、図1の評価装置の画像処理部の演算モジュールによる演算処理を説明するための図である。
図5は、図1の評価装置によって評価されるべき太陽電池の一例を示す模式的な断面図である。
図6は、図1の評価装置によって評価されるべき太陽電池の前駆体の一例を示す模式的な断面図である。
図7は、本開示の太陽電池の評価装置の他の例を示す模式的な構成図である。
図8は、実施例で評価された太陽電池の変換効率の予測値と、当該太陽電池の変換効率の実測値との関係を示すグラフである。
図9は、実施例において、変換効率の予測値が13%以上であった太陽電池の画像である。
図10は、実施例において、変換効率の予測値が5%以下であった太陽電池の画像である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<本開示の基礎となった知見>
本開示の基礎となった知見は以下のとおりである。
【0015】
複数の塗布型太陽電池を互いに同じ条件で作製した場合であっても、複数の塗布型太陽電池の発電性能が互いに大きく異なることがある。複数の塗布型太陽電池の発電性能が互いに大きく異なることについて、例えば、以下の原因が考えられる。塗布型太陽電池において、光吸収層は、塗布法によって作製される。塗布法における乾燥条件、塗布法によって塗布された塗布液の基板上での広がり方などに応じて、光吸収層内での光吸収材料の結晶の偏り、または、光吸収層の膜厚の偏りが生じることがある。複数の塗布型太陽電池において、光吸収層内での光吸収材料の結晶の偏り、または、光吸収層の膜厚の偏りが互いに異なることがある。このとき、複数の塗布型太陽電池の発電性能が互いに異なると考えられる。塗布型太陽電池では、光吸収層において、添加物または不純物相が偏析することもある。光吸収層内での光吸収材料の結晶の偏り、光吸収層の膜厚の偏り、光吸収層における添加物または不純物相の偏析などは、光吸収層の色むらとして表れる。そのため、光吸収層の色むらに基づいて、塗布型太陽電池の発電性能を簡便に評価できれば、その技術は有用である。
【0016】
従来の太陽電池パネルの検査装置では、特許文献1に記載されている装置のように、照明器は、太陽電池パネルに対して撮像部が位置する側と同じ側に配置されている。そのため、照明器から照射された光は、太陽電池パネルの表面で反射し、撮像部に入射する。反射光を用いて撮像された太陽電池パネルの画像には、太陽電池パネルの表面状態の情報のみが反映される。すなわち、反射光を用いて撮像された太陽電池パネルの画像から、太陽電池内部にある光吸収層の内部の情報を得ることはできない。そのため、従来の検査装置では、太陽電池パネルの発電性能を高い精度で評価することは難しい。
【0017】
<本開示に係る一態様の概要>
本開示の第1の態様に係る太陽電池の評価装置は、
透過光を用いて撮像された太陽電池の第1画像、および、透過光を用いて撮像された前記太陽電池の前駆体の第2画像からなる群より選ばれる少なくとも1つの画像に基づいて、前記太陽電池の発電性能を評価する画像処理部を備えたものである。
【0018】
第1の態様によれば、画像処理部は、太陽電池の発電性能の評価に、透過光を用いて撮像された太陽電池の第1画像、および、透過光を用いて撮像された太陽電池の前駆体の第2画像からなる群より選ばれる少なくとも1つの画像を利用する。そのため、画像処理部によれば、太陽電池または太陽電池の前駆体の内部の情報に基づいて、太陽電池の発電性能を評価することができる。これにより、第1の態様の評価装置は、太陽電池の発電性能を簡便かつ高い精度で評価できる。
【0019】
本開示の第2の態様において、例えば、第1の態様に係る太陽電池の評価装置では、前記画像処理部は、(i)第1学習モデルで前記第1画像を処理することによって、前記太陽電池の前記発電性能を評価する、および、(ii)第2学習モデルで前記第2画像を処理することによって、前記太陽電池の前記発電性能を評価する、からなる群より選ばれる少なくとも1つを行い、前記第1学習モデルは、透過光を用いて撮像された学習モデル用太陽電池の画像と前記学習モデル用太陽電池の発電性能との関係を示し、前記第2学習モデルは、透過光を用いて撮像された前記学習モデル用太陽電池の前駆体の画像と前記学習モデル用太陽電池の前記発電性能との関係を示していてもよい。第2の態様の太陽電池の評価装置は、太陽電池の発電性能を簡便かつ高い精度で評価できる。
【0020】
本開示の第3の態様において、例えば、第2の態様に係る太陽電池の評価装置では、前記画像処理部は、前記学習モデル用太陽電池の前記画像と前記学習モデル用太陽電池の前記発電性能とが対応付けられた第1学習データを学習することによって、前記第1学習モデルを生成してもよい。第3の態様の太陽電池の評価装置は、太陽電池の発電性能を簡便かつ高い精度で評価できる。
【0021】
本開示の第4の態様において、例えば、第2の態様に係る太陽電池の評価装置では、前記画像処理部は、前記学習モデル用太陽電池の前記前駆体の前記画像と前記学習モデル用太陽電池の前記発電性能とが対応付けられた第2学習データを学習することによって、前記第2学習モデルを生成してもよい。第4の態様の太陽電池の評価装置は、太陽電池の発電性能を簡便かつ高い精度で評価できる。
【0022】
本開示の第5の態様において、例えば、第2から第4の態様のいずれか1つに係る太陽電池の評価装置では、前記画像処理部は、畳み込みニューラルネットワークを用いて、前記第1学習モデルおよび前記第2学習モデルからなる群より選ばれる少なくとも1つの学習モデルを生成してもよい。第5の態様の太陽電池の評価装置は、太陽電池の発電性能を簡便かつ高い精度で評価できる。
【0023】
本開示の第6の態様において、例えば、第1から第5の態様のいずれか1つに係る太陽電池の評価装置は、前記太陽電池または前記太陽電池の前記前駆体を撮像する撮像部をさらに備えていてもよい。第6の態様によれば、撮像部によって、第1画像または第2画像を取得できる。
【0024】
本開示の第7の態様において、例えば、第6の態様に係る太陽電池の評価装置は、前記撮像部によって前記太陽電池または前記太陽電池の前記前駆体を撮像するときに、前記太陽電池または前記太陽電池の前記前駆体に対して、前記撮像部とは反対側に位置するとともに、前記太陽電池または前記太陽電池の前記前駆体に光を照射する照明部をさらに備えていてもよい。第7の態様の太陽電池の評価装置は、第1画像または第2画像を取得できる。
【0025】
本開示の第8の態様において、例えば、第1から第7の態様のいずれか1つに係る太陽電池の評価装置は、前記画像処理部によって評価された前記太陽電池の前記発電性能の情報を出力する出力部をさらに備えていてもよい。第8の態様の太陽電池の評価装置は、太陽電池の発電性能を簡便かつ高い精度で評価できる。
【0026】
本開示の第9の態様において、例えば、第1から第8の態様のいずれか1つに係る太陽電池の評価装置は、透過光を用いて撮像された学習モデル用太陽電池の画像と前記学習モデル用太陽電池の発電性能とが対応付けられた第1学習データ、および、透過光を用いて撮像された前記学習モデル用太陽電池の前駆体の画像と前記学習モデル用太陽電池の前記発電性能とが対応付けられた第2学習データからなる群より選ばれる少なくとも1つの学習データを記憶する記憶部をさらに備えていてもよい。第9の態様の太陽電池の評価装置は、太陽電池の発電性能を簡便かつ高い精度で評価できる。
【0027】
本開示の第10の態様において、例えば、第1から第9の態様のいずれか1つに係る太陽電池の評価装置では、前記太陽電池および前記太陽電池の前記前駆体は、ペロブスカイト化合物を含む光吸収層を備えていてもよい。第10の態様の太陽電池の評価装置は、太陽電池の発電性能を簡便かつ高い精度で評価できる。
【0028】
本開示の第11の態様において、例えば、第1から第10の態様のいずれか1つに係る太陽電池の評価装置では、前記太陽電池の前記発電性能は、変換効率、短絡電流密度、開放電圧、曲線因子、シリーズ抵抗、シート抵抗、ヒステリシス、電流電圧カーブ、および、これらの経時変化からなる群より選ばれる少なくとも1つであってもよい。第11の態様の太陽電池の評価装置は、太陽電池の発電性能を簡便かつ高い精度で評価できる。
【0029】
本開示の第12の態様に係る太陽電池の評価方法は、
透過光を用いて撮像された太陽電池の第1画像、および、透過光を用いて撮像された前記太陽電池の前駆体の第2画像からなる群より選ばれる少なくとも1つの画像に基づいて、前記太陽電池の発電性能を評価することを含むものである。
【0030】
第12の態様によれば、太陽電池または太陽電池の前駆体の内部の情報に基づいて、太陽電池の発電性能を評価することができる。第12の態様の評価方法によれば、太陽電池の発電性能を簡便かつ高い精度で評価できる。
【0031】
<本開示の実施形態>
以下、本開示の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の実施形態は一例であり、本開示は以下の実施形態に限定されない。
【0032】
[実施形態1]
(太陽電池の評価装置)
図1に示すように、本実施形態の太陽電池の評価装置100は、画像処理部20を備える。画像処理部20は、透過光を用いて撮像された太陽電池の第1画像、および、透過光を用いて撮像された太陽電池の前駆体の第2画像からなる群より選ばれる少なくとも1つの画像に基づいて、太陽電池の発電性能を評価する。太陽電池および前駆体は、ペロブスカイト化合物を含む光吸収層を備える。詳細には、太陽電池は、第1電極と、第1電極に対向する第2電極と、第1電極と第2電極との間に位置し、かつペロブスカイト化合物を含む光吸収層と、を備えたものを意味する。第1電極および第2電極のそれぞれは、光が透過する領域を有する。「光が透過する領域」の語は、200〜2000nmの波長の光のうち、いずれかの波長において、10%以上の光が透過する領域のことを意味する。光吸収層は、例えば、透光性を有する。「透光性を有する」の語は、200〜2000nmの波長を有する光のうち、いずれかの波長において、10%以上の光が透過することを意味する。光吸収層に含まれるペロブスカイト化合物のバンドギャップは、例えば、1.1eV以上である。そのため、光吸収層は、例えば、赤色の光に対して透光性を有する。後述するとおり、太陽電池は、電子輸送層、多孔質層および正孔輸送層をさらに備えていることがある。電子輸送層、多孔質層および正孔輸送層のそれぞれは、例えば、透光性を有する。太陽電池の前駆体は、第1電極と、第1電極の上に位置し、かつペロブスカイト化合物を含む光吸収層と、を備えたものを意味する。前駆体は、第1電極のみを電極として備える。第1画像および第2画像のそれぞれは、静止画像であってもよく、動画像であってもよい。
【0033】
画像処理部20は、例えば、後述する学習処理を実行する情報処理機器である。情報処理機器としては、例えば、スマートデバイス、デスクトップPC(Personal Computer)およびノートPCが挙げられる。画像処理部20は、A/D変換回路、入出力回路、演算回路、メモリなどを含むDSP(Digital Signal Processor)であってもよい。画像処理部20には、第1画像または第2画像を適切に処理するためのプログラムが格納されている。画像処理部20は、サーバまたはクラウドシステムにより実現されてもよい。画像処理部20は、例えば、後述する学習データから、透過光を用いて撮像された学習モデル用太陽電池の画像と学習モデル用太陽電池の発電性能との関係性、または、透過光を用いて撮像された学習モデル用太陽電池の前駆体の画像と学習モデル用太陽電池の発電性能との関係性を学習し、学習モデルを生成する。学習モデル用太陽電池とは、学習モデルの生成に用いられる学習データを作成するための太陽電池を意味する。学習モデルを用いて第1画像または第2画像を処理することによって、太陽電池の発電性能を予測することができる。これにより、太陽電池の発電性能を評価できる。画像処理部20は、例えば、学習モデル読み込みモジュール、画像読み込みモジュール、画像処理モジュール、画像受付モジュール、演算モジュールおよび出力モジュールの手段または機能を備える。
【0034】
評価装置100は、撮像部30をさらに備えていてもよい。撮像部30は、例えば、画像処理部20に接続されている。撮像部30は、太陽電池または太陽電池の前駆体を撮像する。撮像部30は、太陽電池または太陽電池の前駆体を撮像することによって得られた信号に基づき、第1画像または第2画像を生成する機能を有していてもよい。第1画像または第2画像は、撮像部30から出力された信号に基づき、画像処理部20によって生成されてもよい。
【0035】
図1に示すように、撮像部30によって太陽電池10または太陽電池10の前駆体を撮像するとき、太陽電池10または太陽電池10の前駆体は、例えば、撮像部30の下方に配置される。なお、図1では、太陽電池10を撮像する例が示されている。撮像部30は、太陽電池10または太陽電池10の前駆体の主面全体を撮像できる位置に配置されている。主面は、太陽電池10または太陽電池10の前駆体の最も広い面積を有する面である。太陽電池10または前駆体は、太陽電池10または前駆体の中央部と、撮像部30とが、太陽電池10または前駆体の主面に対して垂直の方向に並ぶように配置されてもよい。撮像部30は、可視光全域に対して感度を有するカメラであってもよく、特定の波長領域の光のみに対して感度を有するカメラであってもよい。撮像部30は、例えば、300nmから500nmの波長領域の光に対して感度を有する近紫外カメラであってもよい。撮像部30は、例えば、700nmから1200nmの波長領域の光に対して感度を有する近赤外カメラであってもよい。
【0036】
評価装置100は、照明部40をさらに備えていてもよい。照明部40は、撮像部30によって太陽電池10または太陽電池10の前駆体を撮像するときに、太陽電池10または太陽電池10の前駆体に対して、撮像部30とは反対側に位置する。図1では、撮像部30が太陽電池10または太陽電池10の前駆体の上方に位置する。照明部40が太陽電池10または太陽電池10の前駆体の下方に位置する。照明部40は、太陽電池10または太陽電池10の前駆体に光を照射する。照明部40から照射された光は、太陽電池10または太陽電池10の前駆体を透過し、撮像部30に入射する。これにより、撮像部30は、透過光を用いて太陽電池10または太陽電池10の前駆体を撮像することができる。撮像部30および照明部40によれば、光吸収層の色むらの情報が反映された第1画像または第2画像を取得することができる。第1画像または第2画像を画像処理部20で処理することによって太陽電池10の発電性能を予測できる。
【0037】
照明部40は、光を照射できるものであれば特に限定されない。照明部40は、例えば、発光ダイオード(LED)、スーパールミネッセントダイオード(SLD)、レーザーダイオード(LD)などの半導体発光素子である。照明部40は、例えば、蛍光灯であってもよい。照明部40は、評価対象の太陽電池10または太陽電池10の前駆体の主面の面積と同程度の大きさの面積を有する発光面を備えていてもよい。照明部40は、白色光を照射してもよく、特定の波長の光を照射してもよい。照明部40は、300nmから500nmの波長の光を照射してもよい。この波長領域の光で太陽電池10または太陽電池10の前駆体を撮像すると、光吸収層の膜厚のむらの情報が第1画像または第2画像に顕著に表れる。照明部40は、700nmから1200nmの波長の光を照射してもよい。この波長領域の光で太陽電池10または太陽電池10の前駆体を撮像すると、光吸収層内での光吸収材料の結晶の偏り、光吸収層の膜厚の偏り、または、添加物もしくは不純物相の偏析の情報が第1画像または第2画像に顕著に表れる。
【0038】
評価装置100は、記憶部50をさらに備えていてもよい。記憶部50は、例えば、画像処理部20に接続されている。記憶部50は、透過光を用いて撮像された学習モデル用太陽電池の画像と学習モデル用太陽電池の発電性能とが対応付けられた第1学習データ、および、透過光を用いて撮像された学習モデル用太陽電池の前駆体の画像と学習モデル用太陽電池の発電性能とが対応付けられた第2学習データからなる群より選ばれる少なくとも1つの学習データを記憶する。記憶部50は、画像処理部20によって生成された学習モデルを記憶していてもよい。記憶部50は、例えば、サーバまたはクラウドシステムにより実現される。画像処理部20が記憶部として機能してもよい。
【0039】
評価装置100は、出力部60をさらに備えていてもよい。出力部60は、例えば、画像処理部20に接続されている。出力部60は、画像処理部20によって評価された太陽電池10の発電性能の情報を出力する。出力部60は、第1画像または第2画像を出力することもできる。出力部60としては、モニタ(ディスプレイ)、タッチパネル、プリンタなどが挙げられる。図1では、出力部60としてモニタが示されている。スマートデバイス、デスクトップPC、ノートPCなどの情報処理機器が、画像処理部20および出力部60を兼ねていてもよい。出力部60によって出力される発電性能は、例えば、変換効率、短絡電流密度、開放電圧、曲線因子、シリーズ抵抗、シート抵抗、ヒステリシス、電流電圧カーブ、および、これらの経時変化からなる群より選ばれる少なくとも1つである。ヒステリシスは、順方向の電流電圧カーブと逆方向の電流電圧カーブとのヒステリシスを含む。電流電圧カーブは、太陽電池10に光を照射したときの電流電圧カーブ、および、太陽電池10に光を照射していないときの電流電圧カーブを含む。変換効率の経時変化の指標としては、例えば、変換効率の維持率が挙げられる。
【0040】
評価装置100は、画像処理部20に対して指令を与えるための入力部をさらに備えていてもよい。入力部としては、マウス、キーボード、タッチパッド、タッチパネルなどが挙げられる。
【0041】
評価装置100は、撮像部30を操作するためのスイッチ70をさらに備えていてもよい。スイッチ70は、例えば、画像処理部20に接続されている。スイッチ70は、画像処理部20を介して撮像部30に接続されている。スイッチ70は、画像処理部20を通じて、撮像部30に信号を送信する。スイッチ70は、撮像部30に直接接続されていてもよい。その場合、スイッチ70は、撮像部30に信号を直接送信する。
【0042】
(太陽電池の評価方法)
次に、評価装置100を用いた太陽電池10の評価方法を説明する。
【0043】
太陽電池10の評価方法は、例えば、透過光を用いて撮像された太陽電池10の第1画像、および、透過光を用いて撮像された太陽電池10の前駆体の第2画像からなる群より選ばれる少なくとも1つの画像に基づいて、太陽電池10の発電性能を評価することを含む。太陽電池10の評価方法は、透過光を用いて太陽電池10を撮像することによって、太陽電池10の第1画像を得ることをさらに含んでいてもよく、透過光を用いて太陽電池10の前駆体を撮像することによって、前駆体の第2画像を得ることをさらに含んでいてもよい。
【0044】
太陽電池10の評価方法では、まず、太陽電池10または太陽電池10の前駆体を所定の位置に配置する。次に、スイッチ70をオンにする。これにより、スイッチ70から画像処理部20に信号が送信される。画像処理部20は、スイッチ70からの信号を受信すると、撮像部30に信号を送信する。撮像部30は、画像処理部20からの信号を受信すると、太陽電池10または太陽電池10の前駆体を撮像する。このとき、照明部40は、太陽電池10または太陽電池10の前駆体に光を照射している。撮像部30は、第1画像または第2画像を生成する。撮像部30は、第1画像または第2画像を画像処理部20に送信する。画像処理部20は、第1画像または第2画像から太陽電池10の発電性能を予測することによって、発電性能を評価する。画像処理部20は、得られた評価結果を出力部60に送信する。出力部60は、受信した評価結果を出力する。
【0045】
評価装置100では、画像処理部20は、太陽電池の発電性能の評価に、透過光を用いて撮像された太陽電池10の第1画像、および、透過光を用いて撮像された太陽電池10の前駆体の第2画像からなる群より選ばれる少なくとも1つの画像を利用する。そのため、画像処理部20によれば、太陽電池10または太陽電池10の前駆体の内部の情報に基づいて、太陽電池10の発電性能を評価することができる。これにより、太陽電池10の発電性能を簡便に評価できる。評価装置100によれば、太陽電池10の発電性能を得るために、太陽電池10を疑似太陽光下で動作させる必要がない。評価装置100によれば、太陽電池10と太陽電池10にバイアス電圧を印加するための装置とを接続する必要がない。評価装置100によれば、第1画像または第2画像から太陽電池10の発電性能を評価できるため、比較的短い時間で太陽電池10の評価を行うことができる。さらに、評価装置100によれば、前駆体の第2画像に基づいて、太陽電池10の発電性能を評価できる。第2画像から評価された発電性能が十分でない場合、前駆体から太陽電池10を作製する必要がない。そのため、太陽電池10を作製するための材料の消費を抑制できる。
【0046】
(画像処理部による学習処理および出力処理)
次に、画像処理部20によって、太陽電池10の発電性能を評価する具体的な方法の例を説明する。この例において、画像処理部20では、学習処理および出力処理が実施される。
【0047】
図2は、画像処理部20による学習処理および出力処理の概要を示している。まず、画像処理部20による学習処理を説明する。画像処理部20は、記憶部50に記憶された第1学習データまたは第2学習データを記憶部50から受け取る。上述のとおり、第1学習データは、透過光を用いて撮像された学習モデル用太陽電池の画像と学習モデル用太陽電池の発電性能とが対応付けられた学習データである。第2学習データは、透過光を用いて撮像された学習モデル用太陽電池の前駆体の画像と学習モデル用太陽電池の発電性能とが対応付けられた学習データである。第1学習データまたは第2学習データは、例えば、複数の画像と、複数の画像のそれぞれに対応付けられた複数の発電性能とを含む。
【0048】
第1学習データまたは第2学習データにおける画像は、静止画像であってもよく、動画像であってもよい。第1学習データまたは第2学習データにおける画像は、例えば、評価装置100の撮像部30によって、あらかじめ撮像された画像である。第1学習データにおける発電性能は、例えば、画像に表示された学習モデル用太陽電池を疑似太陽光下で動作させることによって得られる。第2学習データにおける発電性能は、例えば、画像に表示された前駆体から作製された学習モデル用太陽電池を疑似太陽光下で動作させることによって得られる。第1学習データまたは第2学習データにおける発電性能は、例えば、変換効率、短絡電流密度、開放電圧、曲線因子、シリーズ抵抗およびシート抵抗からなる群より選ばれる少なくとも1つの数値データである。
【0049】
第1学習データまたは第2学習データは、任意の機械学習に用いることを目的として、任意の作成者によって試作、作成および登録されたものであってもよい。第1学習データまたは第2学習データは、公知の文献などから得られたものであってもよい。第1学習データまたは第2学習データにおける画像には、光吸収層を作製するときの光吸収材料を含む塗布液の塗布条件、塗布液を塗布することによって得られた塗布膜の乾燥条件、または、基板のラフネスがさらに対応付けられていてもよい。塗布液の塗布条件としては、塗布液の塗布速度および塗布温度が挙げられる。塗布膜の乾燥条件としては、乾燥速度、乾燥温度および湿度が挙げられる。
【0050】
次に、画像処理部20は、第1学習データを用いて、透過光を用いて撮像された学習モデル用太陽電池の画像と学習モデル用太陽電池の発電性能との関連性を学習し、第1学習モデルを生成する、または、第2学習データを用いて、透過光を用いて撮像された学習モデル用太陽電池の前駆体の画像と学習モデル用太陽電池の発電性能との関連性を学習し、第2学習モデルを生成する。第1学習モデルまたは第2学習モデルは、記憶部50または画像処理部20に記憶される。
(【0051】以降は省略されています)

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