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公開番号2020005469
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200109
出願番号2018125224
出願日20180629
発明の名称無線で電力を供給する送電装置及び異物検出方法
出願人オムロン株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H02J 50/60 20160101AFI20191206BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】ロボットなどの通常動いている物体を誤検出することなく、所定範囲内に人等の異物が進入したことを検知する送電装置を提供する。
【解決手段】送電装置は、複数のアンテナ素子を備えたアレイアンテナ(110)と、検知範囲内の電波の伝搬環境の状態を示す情報であって、検知範囲内に異物が存在しない状態においてアレイアンテナで受信した信号に基づき予め求められた第1の環境情報と、第1の環境情報を求めた後に求められた検知範囲における電波の伝搬環境の状態を示す第2の環境情報とに基づき、検知範囲における異物の進入を検出する制御部(150)と、を備える。制御部は、アレイアンテナで受信した信号に基づき第2の環境情報を求め、第2の環境情報を求めた時のロボットの動作パターンを取得し、取得した動作パターンに対応する第2の環境情報を取得し、第1及び第2の環境情報に基づき検知範囲への異物の進入を検出する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
複数の動作パターンで可動するロボットが配置された環境において、受電装置に対して無線で電力を供給する送電装置であって、
電力を供給するための電波を送信する複数のアンテナ素子を備えたアレイアンテナと、
所定の検知範囲内の電波の伝搬環境の状態を示す情報であって、前記検知範囲内に異物が存在しない状態において前記アレイアンテナで受信した信号に基づき予め求められた第1の環境情報と、前記第1の環境情報を求めた後に、前記アレイアンテナで受信した信号に基づき求められた前記検知範囲における電波の伝搬環境の状態を示す第2の環境情報とに基づき、前記検知範囲における異物の進入を検出する制御部と、を備え、
前記第1の環境情報は、前記動作パターン毎に求められ、前記ロボットが各動作パターンで動作したときの一定時間毎の電波の伝搬環境の状態の変化を含み、 前記制御部は、前記アレイアンテナで受信した信号に基づき前記第2の環境情報を求め、前記第2の環境情報を求めた時の前記ロボットの動作パターンを取得し、前記取得した動作パターンで前記ロボットが動作したときの一定時間毎の電波の伝搬環境の状態の変化を含む前記第1の環境情報を取得し、前記取得した第1の環境情報と前記第2の環境情報との比較結果に基づき前記検知範囲における異物の進入の有無を検出する、
送電装置。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記第1及び第2の環境情報は、前記アレイアンテナで受信した電波のドップラー効果を示す情報を含む、請求項1に記載の送電装置。
【請求項3】
前記1及び第2の環境情報は、前記アレイアンテナで受信した電波の伝搬係数を示す情報を含む、請求項1に記載の送電装置。
【請求項4】
前記受電装置からビーコン信号を受信する受信部をさらに備え、
前記制御部は、受信したビーコン信号から前記第1及び第2の環境情報を生成する、
請求項3に記載の送電装置。
【請求項5】
前記第1の環境情報を予め格納した記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記記憶部から前記第1の環境情報を取得する、
請求項1に記載の送電装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1の環境情報を前記送電装置の外部から取得する、
請求項1に記載の送電装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記検知範囲における異物の進入を検出した場合、前記受電装置への電力伝送の停止または前記受電装置へ伝送する電力の低減を行う、請求項1に記載の送電装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の送電装置と、
前記送電装置から無線で電力を受ける受電装置と、
を備えた無線電力伝送システム。
【請求項9】
複数の動作パターンで可動するロボットが配置された環境で使用される無線電力伝送システムにおける異物検出方法であって、
複数のアンテナ素子を備えたアレイアンテナを介して電力を供給するための電波を送信し、 制御部により、検知範囲内の電波の伝搬環境の状態を示す情報であって、前記検知範囲内に異物が存在しない状態において前記アレイアンテナで受信した信号に基づき第1の環境情報を予め求めておき、
前記第1の環境情報は、前記動作パターン毎に求められ、前記ロボットが各動作パターンで動作したときの一定時間毎の電波の伝搬環境の状態の変化を含み、
前記制御部により、前記第1の環境情報を求めた後に、前記アレイアンテナで受信した信号に基づき前記検知範囲における電波の伝搬環境の状態を示す第2の環境情報を求め、 前記制御部により、前記第2の環境情報を求めた時の前記ロボットの動作パターンを取得し、
前記制御部により、前記取得した動作パターンで前記ロボットが動作したときの一定時間毎の電波の伝搬環境の状態の変化を含む前記第1の環境情報を取得し、
前記制御部により、前記取得した第1の環境情報と、前記第2の環境情報とを比較し、その比較結果に基づき前記検知範囲における異物の進入の有無を検出する、
異物検出方法。
【請求項10】
複数の動作パターンで可動するロボットが配置された環境において、所定の検知範囲における異物の進入を検出する異物検出装置であって、
前記検知範囲に電波を送信する複数のアンテナ素子を備えたアレイアンテナと、
前記検知範囲における電波の伝搬環境の状態を示す情報であって、前記検知範囲内に異物が存在しない状態において前記アレイアンテナで受信した信号に基づき予め求められた第1の環境情報と、前記第1の環境情報を求めた後に、前記アレイアンテナで受信した信号に基づき求められた前記検知範囲における電波の伝搬環境の状態を示す第2の環境情報とに基づき、前記検知範囲における異物の進入を検出する制御部と、を備え、
前記第1の環境情報は、前記動作パターン毎に求められ、前記ロボットが各動作パターンで動作したときの一定時間毎の電波の伝搬環境の状態の変化を含み、
前記制御部は、前記アレイアンテナで受信した信号に基づき前記第2の環境情報を求め、前記第2の環境情報を求めた時の前記ロボットの動作パターンを取得し、前記取得した動作パターンで前記ロボットが動作したときの一定時間毎の電波の伝搬環境の状態の変化を含む前記第1の環境情報を取得し、取得した前記第1の環境情報と前記第2の環境情報との比較結果に基づき前記検知範囲における異物の進入の有無を検出する、
異物検出装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、無線電力伝送において、電力の送電範囲を含む所定の検知範囲において人などの異物が進入したことを検出する装置に関する。
続きを表示(約 9,900 文字)【背景技術】
【0002】
無線電力伝送により対象に給電する技術において、大電力を伝送するときに、電力伝送領域内に人が進入した場合に電波が人に与える影響が懸念されている。このため、従来、無線電力伝送技術においては、人などの物体が所定の領域に進入したか否かを検出し、進入が検出されたときには、電力伝送を停止することを行っている。
【0003】
例えば、特許文献1の電力伝送システムでは、検知範囲に電波を送信し、送信した電波の反射波を複数の受信部で受信し、複数の受信部で受信した反射波の位相差の情報を用いることで異物の存在を検出し、異物が検出されたときに電力伝送を停止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014−207749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような検出技術を例えば工場のような、動いているロボットが存在する環境に適用した場合、動いているロボットが検知範囲に進入する場合もあり、その場合にロボットを異物として誤検出してしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、無線で電力を伝送する装置であって、ロボットなどの通常動いている物体を誤検出することなく、所定の検知範囲内に人などの異物が進入したことを検知する送電装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様において、複数の動作パターンで可動するロボットが配置された環境において、受電装置に対して無線で電力を供給する送電装置が提供される。送電装置は、電力を供給するための電波を送信する複数のアンテナ素子を備えたアレイアンテナと、所定の検知範囲内の電波の伝搬環境の状態を示す情報であって、検知範囲内に異物が存在しない状態においてアレイアンテナで受信した信号に基づき予め求められた第1の環境情報と、第1の環境情報を求めた後に、アレイアンテナで受信した信号に基づき求められた検知範囲における電波の伝搬環境の状態を示す第2の環境情報とに基づき、検知範囲における異物の進入を検出する制御部と、を備える。第1の環境情報は、動作パターン毎に求められ、ロボットが各動作パターンで動作したときの一定時間毎の電波の伝搬環境の状態の変化を含む。制御部は、アレイアンテナで受信した信号に基づき第2の環境情報を求め、第2の環境情報を求めた時のロボットの動作パターンを取得し、取得した動作パターンでロボットが動作したときの一定時間毎の電波の伝搬環境の状態の変化を含む第1の環境情報を取得し、第2の環境情報と、取得した第1の環境情報との比較結果に基づき検知範囲における異物の進入の有無を検出する。
【0008】
本開示の第2の態様において、上記の送電装置と、送電装置から無線で電力を受ける受電装置と、を備えた無線電力伝送システムが提供される。
【0009】
本開示の第3の態様において、複数の動作パターンで可動するロボットが配置された環境で使用される無線電力システムにおける異物検出方法が提供される。異物検出方法は、複数のアンテナ素子を備えたアレイアンテナを介して電力を供給するための電波を送信し、制御部により、検知範囲内の電波の伝搬環境の状態を示す情報であって、検知範囲内に異物が存在しない状態においてアレイアンテナで受信した信号に基づき第1の環境情報を予め求めておく。第1の環境情報は、動作パターン毎に求められ、ロボットが各動作パターンで動作したときの一定時間毎の電波の伝搬環境の状態の変化を含む。制御部により、第1の環境情報を求めた後に、アレイアンテナで受信した信号に基づき検知範囲における電波の伝搬環境の状態を示す第2の環境情報を求め、第2の環境情報を求めた時のロボットの動作パターンを取得し、取得した動作パターンでロボットが動作したときの一定時間毎の電波の伝搬環境の状態の変化を含む第1の環境情報を取得し、取得した第1の環境情報と第2の環境情報とを比較し、その比較結果に基づき検知範囲における異物の進入の有無を検出する。
【0010】
本開示の第4の態様において、複数の動作パターンで可動するロボットが配置された環境において、所定の検知範囲における異物の進入を検出する異物検出装置が提供される。異物検出装置は、検知範囲に電波を送信する複数のアンテナ素子を備えたアレイアンテナと、検知範囲における電波の伝搬環境の状態を示す情報であって、検知範囲内に異物が存在しない状態においてアレイアンテナで受信した信号に基づき予め求められた第1の環境情報と、第1の環境情報を求めた後にアレイアンテナで受信した信号に基づき求められた検知範囲における電波の伝搬環境の状態を示す第2の環境情報とに基づき、検知範囲における異物の進入を検出する制御部と、を備える。第1の環境情報は、動作パターン毎に求められ、ロボットが各動作パターンで動作したときの一定時間毎の電波の伝搬環境の状態の変化を含む。制御部は、アレイアンテナで受信した信号に基づき第2の環境情報を求め、第2の環境情報を求めた時のロボットの動作パターンを取得し、取得した動作パターンでロボットが動作したときの一定時間毎の電波の伝搬環境の状態の変化を含む第1の環境情報を取得し、取得した第1の環境情報と第2の環境情報との比較結果に基づき検知範囲における異物の進入の有無を検出する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、異物が存在しない通常の環境状態を示す環境情報との差分に基づき、検知範囲内への、人などの異物の進入を検出する。これにより、通常の環境状態において動きのある物体があったとしてもそれを誤検出することを防止でき、精度よく検知範囲への異物の進入を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明に係る物体検出装置の技術を無線電力伝送システムに適用した例を示す図
本発明の実施の形態1における無線電力伝送システムの構成を示すブロック図
基準伝搬環境データの測定方法を説明した図
検知範囲に人がいないときの伝搬環境データ(基準伝搬環境データ)と、検知範囲に人が進入したときの伝搬環境データとを示した図
伝搬環境テーブルの例を示す図
無線電力伝送システムにおける伝搬環境データの測定を説明した図
実施の形態1の無線電力伝送システムにおける基準伝搬環境データの測定動作を示すフローチャート
実施の形態1の無線電力伝送システムにおける異物検出動作を示すフローチャート
本発明の実施の形態2における無線電力伝送システムの構成を示すブロック図
実施の形態2の無線電力伝送システムにおける基準伝搬環境データの測定動作を示すフローチャート
実施の形態2の無線電力伝送システムにおける異物検出動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
(適用例)
まず、本開示に係る異物検出装置が適用される場面の一例を説明する。本開示に係る異物検出装置は、例えば、製造工場において無線で電力伝送を行うで用いられる無線電力伝送システムに適用することができる。
【0015】
図1は、本開示に係る異物検出装置を無線電力伝送システムに適用した例を示す図である。無線電力伝送システム10は、無線により給電対象の装置に電力を送電するシステムである。無線電力伝送システム10は送電装置100と受電装置200とで構成される。送電装置100は例えばマイクロ波により受電装置200に電力を供給する。受電装置200は、送電装置100からマイクロ波を受け、受けたマイクロ波の電力で稼働する。受電装置200は例えば、製造工場内に配置されるセンサである。送電装置100は電力送信のためにアレイアンテナ110を備える。アレイアンテナ110は、複数のアンテナ素子112を備え、指向性を有した電波の送信及び受信が可能である。
【0016】
この無線電力伝送システム10によれば、送電装置100がアレイアンテナ110から電波(マイクロ波)を送信することで、所定の給電範囲P内にある複数の受電装置200に対して電力を伝送する。さらに、送電装置100は、アレイアンテナ110で、給電範囲Pを含む所定の検知範囲S(詳細は後述)内にある物体からの反射波を受信し、受信した電波に基づき、そのときの検知範囲S内の空間における電波の伝搬環境を検出する。そして、送電装置100は、検出した伝搬環境に基づき、検知範囲S内に異物が進入したか否かを検出する。ここで、異物とは、無線電力伝送システム10の動作中に検知範囲S内において本来配置されない又は存在しない物体であり、例えば、人、動物または移動機械である。
【0017】
送電装置100は、人420などの異物の進入を検出したときは、受電装置200に対する給電を停止するか、または、伝送する電力の値を人体に影響のないレベルまでに低減させるような処理を行う。これにより、人体や機械に対する、電力伝送のための電波の影響を低減することができる。
【0018】
検知範囲S内に、人420などの異物が存在するときと、存在しないときとでは、検知範囲S内の空間における電波の伝搬環境が変化する。そこで、送電装置100は、人420などの異物が存在するときと、存在しないときとでの伝搬環境の差異を利用して、検知範囲S内への人420などの異物の進入を検出する。このように、検知範囲S内に人420などの異物が存在するときと、存在しないときとでの伝搬環境の差異を利用することで、検知範囲S内にロボット400のような動く物体が存在する場合であっても、精度よく、検知範囲S内への異物の進入を検出することが可能となる。
【0019】
(実施の形態1)
以下、添付の図面を参照して、本発明に係る無線電力伝送システム及び異物検出装置の実施の形態を説明する。
【0020】
1.構成
図2は、本開示の実施の形態1における無線電力伝送システムの構成を示すブロック図である。実施の形態1における無線電力伝送システム10は、電力を無線で伝送する送電装置100と、送電装置100から伝送された電力を受ける受電装置200とで構成される。
【0021】
送電装置100は、指向性を有するアレイアンテナ110と、アレイアンテナの指向性を制御する指向性制御部120と、電力を伝送するための給電信号を生成する給電信号生成部130と、アレイアンテナ110を介して伝搬環境を示す電波を受信する受信部140と、送電装置100の動作を制御する制御部150と、基準となる伝搬環境データを示す伝搬環境テーブルを格納するメモリ160と、を備える。
【0022】
アレイアンテナ110は複数のアンテナ素子112を含み、所望の放射指向性を実現できる。例えば、アレイアンテナ110において、N個(Nは2以上の自然数)のアンテナ素子112を適宜配列し、その全部あるいは一部を励振し、励振電流(電圧)の振幅と位相を制御することで、所望の放射指向性(放射パターン)を得ることができる。
【0023】
給電信号生成部130は、制御部150からの制御にしたがい、電力を搬送するマイクロ波を生成するための給電信号を生成する回路である。給電信号生成部130は、例えば、ガンダイオード等の半導体発振器、又はマグネトロン等のマイクロ波発振器である。
【0024】
指向性制御部120は、制御部150からの制御にしたがい、アレイアンテナ110から放射する信号の指向性を制御する回路であり、給電信号生成部130からの給電信号に基づき各アンテナ素子112に給電する信号を生成する。
【0025】
具体的には、指向性制御部120は、給電信号生成部130によって生成された給電信号をN個の給電信号(マイクロ波)に分配する。さらに、指向性制御部120は、N個の給電信号のそれぞれの位相を個別に調整する。指向性制御部120のこの機能は、例えば、移相器で実現できる。さらに、指向性制御部120は、N個のマイクロ波の振幅を個別に調整する。指向性制御部120のこの機能は、例えば、可変利得増幅器等の電力増幅器で実現できる。
【0026】
受信部140は、アレイアンテナ110を介して受信した電波を電気信号として取り出す回路である。
【0027】
制御部150は、送電装置100の動作全体の制御を司り、例えば、プログラムを実行することで所定の機能を実現する。制御部150は、CPU、RAM及びROM等を含む。制御部150は、CPUに変えて、他の種類の汎用プロセッサ、例えばMPUを備えてもよい。または、CPUに変えて、所定の機能を実現するように専用に設計されたプロセッサを用いてもよい。すなわち、制御部150はCPU、MPU、GPU、DSP、FPGA、ASIC等、種々のプロセッサを含むことができる。
【0028】
メモリ160は情報を記録する記録媒体であり、例えば、フラッシュメモリである。メモリ160は不揮発性の記録媒体であれば、他の種類の記録媒体(例えば、ハードディスク、SSD)でもよい。特に、メモリ160は、検知範囲Sにおいて人等の異物が存在しない環境で測定された伝搬環境データを予め格納している(詳細は後述)。
【0029】
受電装置200は、送電装置100から電力を受け、受けた電力で駆動する。受電装置200は、例えば、センサである。受電装置200は、給電信号を示す電波を受信するアンテナ210と、アンテナ210で受けた電波を処理する受信部220と、受電装置200の動作を制御する制御部230とを備える。受信部220は、アンテナ210で受けた給電信号から電力を生成するための回路を含む。制御部230は受電装置200の機能を実現する制御回路を含む。
【0030】
また、送電装置100は、他の機器と通信を行うためのインタフェース回路(図示せず)を介して、ロボット400を制御する制御装置300に接続される。
【0031】
2.動作
以上のような構成を有する無線電力伝送システム10における動作を以下に説明する。特に、以下では、無線電力伝送システム10における異物検出動作について説明する。
【0032】
無線電力伝送システム10において、送電装置100は電力伝送中、検知範囲Sの空間における電波の伝搬環境を監視し、電波の伝搬環境の状態に基づいて検知範囲内に人等の異物が進入したか否かを検出する。ここで、所定の検知範囲Sは、アレイアンテナ110が電波を受信できる範囲である。検知範囲Sは、アレイアンテナ110の感度や指向性を調整することで制御できる。検知範囲Sは、例えば、給電範囲Pと同じ範囲に設定してもよいし、それよりも大きい範囲に設定してもよい。
【0033】
このため、本実施の形態の無線電力伝送システム10では、予め、人等の異物がない状態においてロボット400を通常に動作させた状態で、検知範囲Sの空間における電波の伝搬環境を測定する。以下、電波の伝搬環境を示す情報を「伝搬環境データ」という。本実施の形態では、伝搬環境データの例として、ドップラー効果を示す情報を採用している。
【0034】
具体的には、予め、図3に示すように、検知範囲Sにおいて人等の異物がない環境において、ロボット400を通常に動作させ、かつ、受電装置200(例えば、センサ)に給電した状態(以下「基準状態」という)で、アレイアンテナ110により、周囲の環境から電波を受信する。このとき受信される電波は、電力伝送のためにアレイアンテナ110から送信されたマイクロ波が、検知範囲Sの空間内にあるロボット400や受電装置200等により反射された反射波である。ロボット400は動いているため、この反射波も時間とともに変化する。図4は、アレイアンテナ110により受信された反射波の変化の例を示す図である。図4の実線Aは、基準状態でアレイアンテナ110により受信された反射波の波形を示している。
【0035】
以上のようにして基準状態で求められた伝搬環境データ(以下「基準伝搬環境データ」という)は、伝搬環境テーブルとして、メモリ160に格納される。
【0036】
図5は、基準伝搬環境データを含む伝搬環境テーブルの例を示した図である。ロボット400は複数の動作パターンで動作可能である。伝搬環境テーブルは、ロボット400の動作パターンと、その動作パターンの動作期間(開始時刻から終了時刻)と、その動作パターンの動作中に測定された基準伝搬環境データとを含む。伝搬環境データは、ドップラー効果を示す情報を数値化したデータである。このように基準伝搬環境データは、動作パターン毎に求められ、ロボット400が各動作パターンで動作したときの一定時間毎の電波の伝搬環境の状態の変化を含む。
【0037】
送電装置100は、通常の送電動作中において、アレイアンテナ110を介して周囲の環境からの反射波を受信する。送電装置100は、受信した反射波から伝搬環境データを求める。
【0038】
例えば、図6に示すように、人420が検知範囲S内に進入した場合、アレイアンテナ110は、人420からの反射波を受信する。このため、アレイアンテナ110を介して受信される電波は、人420がいない基準状態で測定されたものとは異なるものになる。よって、例えば、図4において、基準状態で求めた波形が実線Aで示す波形であるのに対して、人420がいる場合は、破線Bで示すような波形となり、両者は異なる。
【0039】
そこで、送電装置100は、通常の送電動作中に求めた伝搬環境データと、人等の異物がいない基準状態で予め求めていた基準伝搬環境データとを比較し、その差異を検出することで、人等の異物が検知範囲S内に進入したか否かを検出する。
【0040】
以下、本実施の形態の無線電力伝送システム10の送電装置100における基準伝搬環境データの測定動作と、異物検出動作を伴う電力伝送動作とを説明する。
【0041】
2.1 基準伝搬環境データの測定
図7は、無線電力伝送システム10の送電装置100における基準伝搬環境データの測定動作を示すフローチャートである。図7に示す処理は、無線電力伝送システム10が設置された環境において、通常の送電動作の開始前に予め実施される。また、無線電力伝送システム10が設置された環境において、検知範囲S内においてロボット400が配置されているとする。
【0042】
送電装置100の制御部150はまず、受電装置200に対して給電動作を開始する(S10)。このために、制御部150は、アレイアンテナ110の各アンテナ素子(i)112に入力する電力Pout_iと位相θout_iと周波数foutとを示す制御信号を給電信号生成部130と指向性制御部120とに送信する。給電信号生成部130は周波数foutのマイクロ波による給電信号を生成する。指向性制御部120は、給電信号生成部130からの給電信号を変調し、アンテナ素子(i)112毎に、電力Pout_i、位相θout_i、周波数foutとなる給電信号を生成し、各アンテナ素子(i)112に送信する。これにより、アレイアンテナ110から所望の指向性を持った電波(給電信号)が送信される。
【0043】
次に、制御部150は制御変数Nを1に設定する(S11)。次に制御部150は、ロボット400を制御する制御装置300に対して、N番目の動作パターンでロボット400を動作させるように指示を行う(S12)。これにより、ロボット400はN番目の動作パターンで動作する。
【0044】
送電装置100はアレイアンテナ110の各アンテナ素子112を介して環境から電波を受信する(S13)。
【0045】
制御部150は、アレイアンテナ110の各アンテナ素子112により受信した信号に基づきドップラー効果情報を算出する(S14)。具体的には、まず、受信部140は、各アンテナ素子112により受信した信号から、送信周波数foutと同じ周波数成分を除去し、環境により変動した成分(例えば、ロボット400からの反射波)のみを含む信号を生成する。そして、制御部150は、この環境による変動成分を含む信号をフーリエ変換して、複数のドップラー周波数とその強度(振幅)を得る。そして、ドップラー周波数とその強度(振幅)の情報をドップラー効果情報とする。なお、ドップラー効果情報については例えば特開2017-211348号に開示されている。
【0046】
各動作パターンに対するドップラー効果情報の算出(S12〜S14)をロボット400が有する全ての動作パターンに対して実行する(S15、S17)。全ての動作パターンについて上記の処理(S12〜S14)が実行されると、制御部150は、算出したドップラー効果情報(ドップラー周波数とその強度(振幅)の情報)に基づき、図5に示すような基準伝搬環境データを生成し、メモリ160内の伝搬環境テーブルに登録する(S16)。
【0047】
以上のようにして、ドップラー効果に関する基準伝搬環境データを求めることができる。
【0048】
2.2 異物検出動作を伴う電力伝送
次に、無線電力伝送システム10の異物検出動作を伴う電力伝送動作を説明する。図8は、無線電力伝送システム10の送電装置100における物体検知動作を伴う電力伝送動作を示すフローチャートである。図8に示す処理は所定時間間隔で定期的に実行される。
【0049】
送電装置100の制御部150は、ロボット400を制御する制御装置300から、稼働中のロボット400の動作パターンを示す動作パターン番号を取得する(S21)。制御部150は、取得した動作パターン番号に基づき、メモリ160に格納された伝搬環境テーブルを参照して、現在のロボットの動作パターンに対応する基準伝搬環境データを取得する(S22)。
【0050】
制御部150は、アレイアンテナ110で受信した電波に基づき、現在の伝搬環境データを測定する(S23)。具体的には、送電装置100が送電を行っている場合、受信部140は、アレイアンテナ110の各アンテナ素子112により受信した信号から、送信周波数foutと同じ周波数成分を除去し、環境により変動した成分(例えば、ロボット400からの反射波)のみを抽出し、制御部150に送信する。一方、送電装置100が送電を行っていない場合は、送電装置100は非常に短い間送電し、アレイアンテナ110の各アンテナ素子112により受信した信号から、送信周波数foutと同じ周波数成分を除去し、環境により変動した成分のみを抽出し、制御部150に送信する。制御部150は、受信部140から受信した信号を用いてドップラー効果情報(ドップラー周波数と強度)を算出して、伝搬環境データの測定値を得る。
(【0051】以降は省略されています)

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