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公開番号2020005459
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200109
出願番号2018124777
出願日20180629
発明の名称永久磁石モータ及び回転子
出願人株式会社荏原製作所
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類H02K 1/27 20060101AFI20191206BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】高速回転時にも回転子コアの変形や破断を防止することができるとともに、固定子の巻線において滑らかな誘起電圧波形を得ることが可能な永久磁石モータ及び回転子を提供する。
【解決手段】回転子は、回転子コアの外周側に埋め込まれた外周側永久磁石と、回転子コアの内周側に埋め込まれた内周側永久磁石と、を備え、内周側永久磁石は、回転子コアの周方向に離間した内周側第1永久磁石と内周側第2永久磁石とを備え、外周側永久磁石は、回転子コアの周方向において内周側第1永久磁石及び内周側第2永久磁石と重なるように配置され、内周側第1永久磁石と内周側第2永久磁石との間における回転子コアの第1部分が、前記回転子の遠心力に抗して前記回転子の形状を保持可能とする幅を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
永久磁石が埋め込まれた回転子と、
前記回転子に対して回転磁界を作用させるための固定子と、
を備える永久磁石モータであって、
前記回転子は、
回転子コアと、
前記回転子コアの表面に複数の磁極を形成する複数の組の永久磁石と、
を備え、
前記複数の組の永久磁石における各組の永久磁石は、
前記回転子コアの外周側に埋め込まれた外周側永久磁石と、
前記回転子コアの内周側に埋め込まれ、同一組に属する前記外周側永久磁石とともに前記回転子コアの表面に1つの磁極を形成する内周側永久磁石と、
を備え、
前記内周側永久磁石は、前記回転子コアの周方向に離間した内周側第1永久磁石と内周側第2永久磁石とを備え、
前記外周側永久磁石は、前記回転子コアの周方向において前記内周側第1永久磁石及び前記内周側第2永久磁石と重なるように配置され、
前記内周側第1永久磁石と前記内周側第2永久磁石との間における前記回転子コアの第1部分が、前記回転子の遠心力に抗して前記回転子の形状を保持可能とする幅を有する、
永久磁石モータ。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
前記回転子コアの前記第1部分の幅をA、前記回転子の前記内周側永久磁石よりも外周側の部分であって前記回転子コアの1つの磁極に対応する部分の質量をM、前記回転子の回転中心から前記質量の重心までの距離をr、前記回転子の最大角速度をω、前記回転子コアの許容引張応力をσ、前記回転子の回転軸方向に沿った前記回転子コアの長さをLとしたとき、A>Mrω

/(σL)である、請求項1に記載の永久磁石モータ。
【請求項3】
前記回転子コアの前記第1部分の幅は、当該内周側永久磁石とそれに隣り合う内周側永久磁石との間における前記回転子コアの第2部分の幅よりも広い、請求項1又は2に記載の永久磁石モータ。
【請求項4】
前記回転子コアの周方向における前記外周側永久磁石の幅をBとしたとき、A<Bである、請求項2に記載の永久磁石モータ。
【請求項5】
前記外周側永久磁石の厚さは前記内周側永久磁石の厚さよりも小さい、請求項1から4のいずれか1項に記載の永久磁石モータ。
【請求項6】
前記外周側永久磁石及び前記内周側永久磁石は平板磁石である、請求項1から5のいずれか1項に記載の永久磁石モータ。
【請求項7】
回転子コアと、
前記回転子コアの表面に複数の磁極を形成する複数の組の永久磁石と、
を備える回転子であって、
前記複数の組の永久磁石における各組の永久磁石は、
前記回転子コアの外周側に埋め込まれた外周側永久磁石と、
前記回転子コアの内周側に埋め込まれ、同一組に属する前記外周側永久磁石とともに前記回転子コアの表面に1つの磁極を形成する内周側永久磁石と、
を備え、
前記内周側永久磁石は、前記回転子コアの周方向に離間した内周側第1永久磁石と内周
側第2永久磁石とを備え、
前記外周側永久磁石は、前記回転子コアの周方向において前記内周側第1永久磁石及び前記内周側第2永久磁石と重なるように配置され、
前記内周側第1永久磁石と前記内周側第2永久磁石との間における前記回転子コアの第1部分が、前記回転子の遠心力に抗して前記回転子の形状を保持可能とする幅を有する、
回転子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、永久磁石モータ及び回転子に関する。
続きを表示(約 9,200 文字)【背景技術】
【0002】
永久磁石モータは、従来の誘導モータでは必須の構成要素である励磁回路が不要になることから、誘導モータに比べて小型かつ高効率であり、近年の磁石性能向上や価格低下とともに普及が進んでいる。永久磁石モータにおける回転子の種類には、回転子表面に永久磁石を貼り付けた構造のSPM型と、電磁鋼板からなる回転子の開口窓に永久磁石を埋設した構造のIPM型とがある。SPM型の永久磁石モータは、回転子の回転によって固定子の巻線に発生する誘起電圧の波形を正弦波形状としやすいという利点を有しているが、その反面、回転子の永久磁石が固定子からの反磁界の影響を受けて消磁しやすい点、また、磁石が回転子表面にあるためモータの組立時に回転子を他の物にぶつけて割れや欠けを生じやすい点などの欠点も有する。そこで近年では、IPM型の永久磁石モータが利用されることが多くなってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2006−187189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のIPM型の永久磁石モータにおける回転子40の構成例を図4に示す。電磁鋼板からなる回転子コア42の開口窓部に永久磁石44が埋設されている。隣り合う異磁極の永久磁石44が発する磁束が回転子40の内部で漏れないように、永久磁石44の両端部には非磁性部(例えば空隙)46が設けられ、回転子コア42の非磁性部46に挟まれた部分の幅は非常に薄くなっている。そのため、回転子40が回転すると、回転子コア42のこの薄い部分に遠心力による応力がかかり、特にモータの高速回転時には、回転子コア42が変形又は破断してしまうおそれがある。
【0005】
従来のIPM型の永久磁石モータにおける回転子40の別の構成例を図5に示す(例えば特許文献1参照)。図5の回転子40では、各磁極の永久磁石が2つの永久磁石44−1及び44−2から構成されており、永久磁石44−1と44−2で挟まれた部分における回転子コア42の幅は比較的広くなっている。そのため、この部分にモータの高速回転時に遠心力による大きな応力がかかっても、回転子コア42の変形等を防ぐことが可能である。しかしながら、各磁極の中心部分、即ち2つの永久磁石44−1と44−2の間の部分における磁束密度が局所的に小さくなるので、固定子の巻線に生じる誘起電圧の極性の切り替わりのタイミングにおいて、誘起電圧波形に乱れが生じてしまう。その結果、トルクリプルが大きくなり、また、誘起電圧の極性変化のタイミングを利用したセンサレス駆動制御において脱調しやすくなるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的の1つは、高速回転時にも回転子コアの変形や破断を防止することができるとともに、固定子の巻線において滑らかな誘起電圧波形を得ることが可能な永久磁石モータ及び回転子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の形態によれば、永久磁石が埋め込まれた回転子と、前記回転子に対して回転磁界を作用させるための固定子と、を備える永久磁石モータであって、前記回転子は
、回転子コアと、前記回転子コアの表面に複数の磁極を形成する複数の組の永久磁石と、を備え、前記複数の組の永久磁石における各組の永久磁石は、前記回転子コアの外周側に埋め込まれた外周側永久磁石と、前記回転子コアの内周側に埋め込まれ、同一組に属する前記外周側永久磁石とともに前記回転子コアの表面に1つの磁極を形成する内周側永久磁石と、を備え、前記内周側永久磁石は、前記回転子コアの周方向に離間した内周側第1永久磁石と内周側第2永久磁石とを備え、前記外周側永久磁石は、前記回転子コアの周方向において前記内周側第1永久磁石及び前記内周側第2永久磁石と重なるように配置され、前記内周側第1永久磁石と前記内周側第2永久磁石との間における前記回転子コアの第1部分が、前記回転子の遠心力に抗して前記回転子の形状を保持可能とする幅を有する、永久磁石モータが提供される。
【0008】
かかる形態の永久磁石モータによれば、モータが高速回転された際にも回転子が遠心力によって変形したり破断したりしないように、回転子コアの幅広の第1部分で回転子の形状を保持することができる。また、外周側永久磁石が回転子コアの周方向において内周側第1永久磁石及び内周側第2永久磁石と重なるように配置されているので、永久磁石の各組から生じる磁束は突極性を有するものとなり、その結果、回転子の回転によって固定子の巻線に生じる誘起電圧が正から負、又は負から正に切り替わるタイミングにおいて、誘起電圧を滑らかに変化させることができる。
【0009】
本発明の第2の形態によれば、第1の形態において、前記回転子コアの前記第1部分の幅をA、前記回転子の前記内周側永久磁石よりも外周側の部分であって前記回転子コアの1つの磁極に対応する部分の質量をM、前記回転子の回転中心から前記質量の重心までの距離をr、前記回転子の最大角速度をω、前記回転子コアの許容引張応力をσ、前記回転子の回転軸方向に沿った前記回転子コアの長さをLとしたとき、A>Mrω

/(σL)である。
【0010】
かかる形態の永久磁石モータによれば、回転子コアの第1部分は回転子の変形や破断を防止することができる。
【0011】
本発明の第3の形態によれば、第1又は第2の形態において、前記回転子コアの前記第1部分の幅は、当該内周側永久磁石とそれに隣り合う内周側永久磁石との間における前記回転子コアの第2部分の幅よりも広い。
【0012】
かかる形態の永久磁石モータによれば、回転子コアの第1部分の幅が回転子コアの第2部分の幅よりも広いので、回転子コアの幅広の第1部分で回転子の変形や破断を防止することができるとともに、回転子コアの薄い第2部分の存在によって磁束の漏れを低減することができる。
【0013】
本発明の第4の形態によれば、第2の形態において、前記回転子コアの周方向における前記外周側永久磁石の幅をBとしたとき、A<Bである。
【0014】
かかる形態の永久磁石モータによれば、永久磁石の各組から生じる磁束は突極性を有するものとなるので、回転子の回転によって固定子の巻線に生じる誘起電圧が正から負、又は負から正に切り替わるタイミングにおいて、誘起電圧を滑らかに変化させることができる。また、永久磁石の各組によって形成される磁極の中心部において磁束密度が高くなり、磁束密度分布が正弦波形状に近くなるため、モータのトルクリプルを小さくすることができる。
【0015】
本発明の第5の形態によれば、第1から第4のいずれか1つの形態において、前記外周側永久磁石の厚さは前記内周側永久磁石の厚さよりも小さい。
【0016】
かかる形態の永久磁石モータによれば、永久磁石の各組における磁束密度分布の形を更に正弦波に近づけることができ、これによりモータのトルクリプルをより一層低減することができる。
【0017】
本発明の第6の形態によれば、第1から第5のいずれか1つの形態において、前記外周側永久磁石及び前記内周側永久磁石は平板磁石である。
【0018】
かかる形態の永久磁石モータによれば、製造コストを抑制することができる。
【0019】
本発明の第7の形態によれば、回転子コアと、前記回転子コアの表面に複数の磁極を形成する複数の組の永久磁石と、を備える回転子であって、前記複数の組の永久磁石における各組の永久磁石は、前記回転子コアの外周側に埋め込まれた外周側永久磁石と、前記回転子コアの内周側に埋め込まれ、同一組に属する前記外周側永久磁石とともに前記回転子コアの表面に1つの磁極を形成する内周側永久磁石と、を備え、前記内周側永久磁石は、前記回転子コアの周方向に離間した内周側第1永久磁石と内周側第2永久磁石とを備え、前記外周側永久磁石は、前記回転子コアの周方向において前記内周側第1永久磁石及び前記内周側第2永久磁石と重なるように配置され、前記内周側第1永久磁石と前記内周側第2永久磁石との間における前記回転子コアの第1部分が、前記回転子の遠心力に抗して前記回転子の形状を保持可能とする幅を有する、回転子が提供される。
【0020】
かかる形態の回転子によれば、モータが高速回転された際にも回転子が遠心力によって変形したり破断したりしないように、回転子コアの幅広の第1部分で回転子の形状を保持することができる。また、外周側永久磁石が回転子コアの周方向において内周側第1永久磁石及び内周側第2永久磁石と重なるように配置されているので、永久磁石の各組から生じる磁束は突極性を有するものとなり、その結果、回転子の回転によって固定子の巻線に生じる誘起電圧が正から負、又は負から正に切り替わるタイミングにおいて、誘起電圧を滑らかに変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の一実施形態に係る永久磁石モータの構成図である。
本発明の一実施形態に係る永久磁石モータの構成図である。
本発明の一実施形態に係る永久磁石モータの構成図である。
従来のIPM型の永久磁石モータにおける回転子の構成図である。
従来のIPM型の永久磁石モータにおける回転子の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態に係る永久磁石モータ100の構成図である。図1は、永久磁石モータ100の回転軸に対して垂直な断面を示している。
【0024】
永久磁石モータ100は、固定子120、回転子140、及びモータシャフト160を備える。固定子120は、回転子140の外周を取り囲んで設置されている。回転子140には、モータシャフト160が挿通され、回転子140とモータシャフト160は互いに固着されている。固定子120は、回転磁界を発生させる。回転子140は、固定子120からの回転磁界の作用を受けて、モータシャフト160を回転軸としてモータシャフト160とともに回転する。モータシャフト160の回転により、永久磁石モータ100の出力トルクが得られる。
【0025】
固定子120は、固定子コア122及び巻線124を備える。固定子コア122は、磁性材料(例えば珪素鋼)から構成され、図1に示される例では、概ね円筒形状を有する。固定子コア122は、回転子140と対向するその内側部分に、回転子140の側へ向かって突出した複数の磁極部122aを備える。磁極部122aには各々、巻線124が装着されている。各巻線124に所定の位相で制御された交流電流を流すことによって、複数の磁極部122aに極性が時間的に順次切り替わる磁極が誘起され、固定子120の内側の空間に回転磁界が形成される。図1に例示された固定子コア122は、その内周上に等間隔に配置された6個の磁極部122aと、これら磁極部122aのそれぞれに対応する6組の巻線124を備えている。しかしながら、磁極部122aの数及び巻線124の組の数は、これに限定されるものではなく、任意の数であってよい。
【0026】
回転子140は、回転子コア142と、複数の組の永久磁石144とを備える。図1に示される例において、回転子140は4つの永久磁石の組144−1、144−2、144−3、144−4を備えているが、永久磁石の組の数はこれに限定されず、任意であってよい。
【0027】
回転子コア142は、固定子コア122と同様、磁性材料(例えば珪素鋼)から構成される。回転子コア142の外周面は円柱面をなしており、回転子コア142のこの外周表面に近接して、固定子コア122の各磁極部122aの先端が位置している。回転子コア142の中央部には、回転子コア142の円柱の中心軸に沿ってモータシャフト160が挿通される。回転子コア142はモータシャフト160に固着されている。
【0028】
永久磁石の各組144−1、144−2、144−3、144−4は、それぞれ外周側永久磁石144A及び内周側永久磁石144Bを含み、内周側永久磁石144Bは、それぞれ内周側第1永久磁石144B1及び内周側永久磁石144B2を含む。外周側永久磁石144Aは、回転子コア142の外周近傍部分に埋め込まれており、内周側永久磁石144Bは、外周側永久磁石144Aから所定距離だけ離れて、回転子コア142のより中心に近い部分に埋め込まれている。外周側永久磁石144A及び内周側永久磁石144Bは、平板磁石である。各組144−1、144−2、144−3、144−4の外周側永久磁石144Aは、回転子コア142の円柱の径方向に対して垂直な向きに向けられている。各組144−1、144−2、144−3、144−4の内周側永久磁石144Bは、同じ組の外周側永久磁石144Aと平行に配置されている。
【0029】
外周側永久磁石144A及び内周側永久磁石144Bの各々の磁極の向きは、回転子コア142の外周表面に永久磁石の各組144−1、144−2、144−3、144−4に対応して異なる磁極が形成されるように定められる。図1に示される例において、永久磁石の第1の組144−1並びに第3の組144−3の外周側永久磁石144A及び内周側永久磁石144Bは、回転子コア142の外周面側(即ち固定子120側)にN極、中心側(即ちモータシャフト160側)にS極を向けて配置されている。また永久磁石の第2の組144−2並びに第4の組144−4の外周側永久磁石144A及び内周側永久磁石144Bは、回転子コア142の外周面側にS極、中心側にN極を向けて配置されている。これにより、回転子コア142の外周表面において、永久磁石の第1の組144−1及び第3の組144−3に対応する場所にはN極が形成され、永久磁石の第2の組144−2及び第4の組144−4に対応する場所にはS極が形成される。
【0030】
永久磁石の各組において、内周側第1永久磁石144B1と内周側第2永久磁石144B2は、互いから回転子コア142の周方向に離間距離Aだけ離れて配置されている。換言すると、例えば、永久磁石の組144−1の内周側第1永久磁石144B1は、永久磁石の組144−1の内周側第2永久磁石144B2から見て、隣の永久磁石の組144−4の側へ距離Aだけ離れている(反対に永久磁石の組144−1の内周側第1永久磁石1
44B1から見ると、永久磁石の組144−1の内周側第2永久磁石144B2は、もう一方の隣の永久磁石の組144−2の側へ距離Aだけ離れている)。よって、内周側第1永久磁石144B1と内周側第2永久磁石144B2との間には、回転子コア142の部分的領域である第1部分142aが存在する。この回転子コア第1部分142aの、回転子コア142の周方向に沿った幅はAである。
【0031】
内周側第1永久磁石144B1の内周側第2永久磁石144B2と反対側の端部には、非磁性部146(例えば空隙)が設けられる。同様に、内周側第2永久磁石144B2の内周側第1永久磁石144B1と反対側の端部にも、非磁性部146が設けられる。非磁性部146は、内周側永久磁石144Bの端部での磁束の漏れを低減するためのものである。永久磁石のある組(例えば144−1)の内周側永久磁石144Bの端部に設けられた非磁性部146と、永久磁石の当該ある組に隣り合った組(例えば144−2及び144−4)の内周側永久磁石144Bの端部に設けられた非磁性部146との間には、回転子コア142の第2部分142bが存在する。この第2部分142b(その幅をCとする)は、磁束の漏れを効果的に低減させるために、できるだけ薄く形成されている。
【0032】
このように、回転子140は、その外周側部分(回転子コア142のうち内周側永久磁石144Bよりも外周側にある部分、外周側永久磁石144A、及び内周側永久磁石144Bの三者を一体とみなした合計質量Mを有する1つの物体)が、回転子コア142の第1部分142aと第2部分142bを介して回転子コア142の内側部分(内周側永久磁石144Bよりも中心側にある部分)に連結された力学的構造を有する。そのため、永久磁石モータ100の駆動時には、回転子140の質量Mの外周側部分に作用する遠心力によって、回転子コア142の第1部分142aと第2部分142bに応力が生じる。
【0033】
図1に示されるように、回転子コア142の第1部分142aは、回転子コア142の第2部分142bよりも幅が広く形成される(即ちA>C)。これにより、モータが高速回転された際にも回転子140が変形したり破断したりしないように回転子コア142の幅広の第1部分142aで回転子140の形状を保持できるとともに、回転子コア142の薄い第2部分142bの存在によって磁束の漏れを低減することができる。
【0034】
回転子140の回転中心から質量Mの重心までの距離をr、回転子140の最大角速度をω、回転子コア142の許容引張応力をσ、回転子140の回転軸方向に沿った回転子コア142の長さをLとすると、次式
A>Mrω

/(σL)
が成り立つ場合に、回転子コア142の第1部分142aは遠心力による回転子140の変形や破断を防止することができる。
【0035】
モータの回転が加速又は減速する際には、回転子140の径方向の遠心力に加えて周方向に慣性力が作用し、この慣性力による応力が回転子コア142の薄い第2部分142bにも加わるが、内周側第1永久磁石144B1又は内周側第2永久磁石144B2の1つ当たりの質量は内周側永久磁石144B全体の質量の半分であるので、その応力は、内周側永久磁石144Bが1つの磁石として構成される場合に比べて軽減される。したがって、モータの加減速時における回転子コア142の第2部分142bでの破断のおそれを低減することができる。
【0036】
また、図1に示されるように、回転子コア142の第1部分142aの幅Aは、回転子コア142の周方向における外周側永久磁石144Aの幅Bよりも小さく、外周側永久磁石144Aは、回転子コア142の周方向において内周側第1永久磁石144B1及び内周側第2永久磁石144B2と重なるように配置されている。これにより、永久磁石の各組144から生じる磁束は突極性を有するものとなる。したがって、回転子140の回転
によって固定子120の巻線124に生じる誘起電圧が正から負、又は負から正に切り替わるタイミングにおいて、誘起電圧を滑らかに変化させることができる。そのため、巻線124の誘起電圧を利用した回転子140の回転位置検出を、精度良く行うことができる。また、永久磁石の各組144によって形成される磁極は、その中心部において磁束密度が高くなり、磁束密度分布が正弦波形状に近くなるため、モータのトルクリプルを小さくすることができる。外周側永久磁石144Aの厚さt

を内周側永久磁石144Bの厚さt

よりも小さくすることで、磁束密度分布の形を更に正弦波に近づけることができ、これによりモータのトルクリプルをより一層低減することができる。
【0037】
図2は、永久磁石モータ100の変形例の構成を示す。図2に示されるように、永久磁石モータ100の内周側永久磁石144Bは、3つ(又はそれ以上)の永久磁石を含むのであってもよい。この場合、3つの永久磁石の間の離間距離の合計A

+A

が、図1における離間距離(第1部分142aの幅)Aに相当するものとする。
【0038】
図3は、永久磁石モータ100の別の変形例の構成を示す。図3に示されるように、永久磁石モータ100における永久磁石の各組144は、3層(又はそれ以上)の永久磁石を含むのであってもよい。この場合、最外周の永久磁石は1つの永久磁石から構成され、最外周よりも内側の永久磁石は2つ以上の永久磁石を含むのであってよい。但し、図3に示される永久磁石間の離間距離A及びA

+A

が、図1における離間距離(第1部分142aの幅)Aに相当するものとする。
【0039】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されず、その要旨を逸脱しない範囲内において様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0040】
100 永久磁石モータ
120 固定子
122 固定子コア
122a 磁極部
124 巻線
140 回転子
142 回転子コア
142a 第1部分
142b 第2部分
144 永久磁石
144A 外周側永久磁石
144B 内周側永久磁石
144B1 内周側第1永久磁石
144B2 内周側第2永久磁石
146 非磁性部
160 モータシャフト

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株式会社荏原製作所
給水装置を制御するための制御ユニット、及び給水装置
株式会社荏原製作所
給水装置を制御するための制御ユニット、及び給水装置
株式会社荏原製作所
基板搬送装置および基板搬送装置を備える基板処理装置
株式会社荏原製作所
ポンプシステム、およびポンプ駆動機用の冷却システム
株式会社荏原製作所
めっき方法、めっき装置、及び限界電流密度を推定する方法
株式会社荏原製作所
ポンプ選定装置、ポンプ選定システム、およびポンプ選定方法
株式会社荏原製作所
ポンプ選定図作成装置、ポンプ選定装置、およびポンプ選定図
株式会社荏原製作所
情報処理システム、情報処理方法、情報処理装置及び端末装置
株式会社荏原製作所
制御装置、制御システム、制御方法、プログラム及び機械学習装置
株式会社荏原製作所
基板搬送システムのためのティーチング装置およびティーチング方法
株式会社荏原製作所
パージ方法、パージのための制御装置、および制御装置を備えるシステム
株式会社荏原製作所
基板研磨装置のための研磨パッドおよび当該研磨パッドを備える基板研磨装置
株式会社荏原製作所
基板研磨装置のための研磨パッドおよび当該研磨パッドを備える基板研磨装置
株式会社荏原製作所
基板を搬送するための洗浄部搬送ロボット、基板処理装置および基板の搬送方法
株式会社荏原製作所
Ni-Fe基合金粉末、及び当該Ni-Fe基合金粉末を用いる合金皮膜の製造方法
株式会社荏原製作所
温度調整された加熱流体および冷却流体を熱交換器に供給するシステム、および研磨装置
株式会社荏原製作所
研磨パッド積層体、研磨パッド位置決め治具、および研磨パッドを研磨テーブルに貼り付ける方法
株式会社荏原製作所
渦電流センサの軌道を特定する方法、基板の研磨の進行度を算出する方法、基板研磨装置の動作を停止する方法および基板研磨の進行度を均一化する方法、これらの方法を実行するためのプログラムならびに当該プログラムが記録された非一過性の記録媒体
日本製紙株式会社
ゴム組成物
個人
モーター
個人
磁力回転装置
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