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公開番号2020005458
公報種別公開特許公報(A)
公開日20200109
出願番号2018124731
出願日20180629
発明の名称誘導機偏心検知システム
出願人東洋電機製造株式会社
代理人
主分類H02P 5/46 20060101AFI20191206BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】誘導機が偏心しているかどうかをリアルタイムで検知できる誘導機偏心検知システムを提供する。
【解決手段】誘導機偏心検知システム1は、インバータ部12と、複数の誘導機13と、インバータ部12の出力に流れる電流を検出する電流検出器14と、誘導機13の回転数を出力する角速度検出器15と、インバータ部12を駆動するためのゲート信号を出力する制御部21と、を備え、制御部21は、誘導機角速度選択器が出力する選択角速度に基づき選択速度を演算する乗算器と、3相-dq座標変換部が出力するトルク分電流と選択速度に基づき、トルク分電流の高周波域成分を抽出するハイパスフィルタ部と、ハイパスフィルタ部が出力するトルク分電流の高周波域成分と設定した偏心検知値と比較する比較部と、を備え、インバータ部12が出力する電流を用いて、インバータ部12に接続された複数の誘導機13の内1台以上が偏心していることを検知する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
直流電源の出力に接続し直流電力を交流電力に変換するインバータ部と、前記インバータ部に接続された複数の誘導機と、前記インバータ部の出力に流れる電流を検出する手段と、前記誘導機の回転数を出力する手段と、前記インバータ部を駆動するためのゲート信号を出力する制御部と、を備え
前記制御部は、誘導機角速度選択器が出力する選択角速度に基づき選択速度を演算する乗算器と、3相−dq座標変換部が出力するトルク分電流と前記選択速度に基づき、前記トルク分電流の高周波域成分を抽出するハイパスフィルタ部と、前記ハイパスフィルタ部が出力する前記トルク分電流の高周波域成分と設定した偏心検知値と比較する比較部と、を備え、
インバータ部が出力する電流を用いて、インバータ部に接続された複数の誘導機の内1台以上が偏心していることを検知することを特徴とする誘導機偏心検知システム。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
請求項1において、ハイパスフィルタ部に入力する電流が、3相−dq座標変換部が出力するトルク分電流では無く、3相−dq座標変換部が出力する励磁分電流であることを特徴とする誘導機偏心検知システム。
【請求項3】
請求項1に加え、インバータ部に接続された複数の各誘導機に流れる電流を検出する手段と、を備え、
制御部は、インバータ部に接続された複数の各誘導機に流れる電流に基づきトルク分電流を演算する複数の3相−dq座標変換部と、各誘導機に流れる前記トルク分電流の高周波域成分を抽出する複数のハイパスフィルタ部と、前記複数のハイパスフィルタ部が出力する前記トルク分電流の高周波域成分と設定した偏心検知値と比較する複数の比較部と、を備え、
誘導機に流れる電流を用いて、インバータ部に接続された複数の誘導機の内、偏心している誘導機を検知することを特徴とする誘導機偏心検知システム。
【請求項4】
請求項3において、ハイパスフィルタ部に入力する電流が、3相−dq座標変換部が出力するトルク分電流では無く、3相−dq座標変換部が出力する励磁分電流であることを特徴とする誘導機偏心検知システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータ装置で駆動される誘導機の偏心状態を検知するシステムに関するものである。
続きを表示(約 6,000 文字)【背景技術】
【0002】
インバータ装置で駆動される誘導機が、誘導機の主軸用ベアリングの不具合や、誘導機に接続される継手や歯車装置等の負荷の不具合による誘導機の主軸が偏心した場合、リアルタイムで検知する手段が無く、破壊に至ることがあった。
【0003】
特許文献1によれば、専用の測定装置を用いて偏心量等を計測するシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2013−46545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、誘導機単体のみにおける測定のため、誘導機を負荷に接続した場合の測定が不可能であった。
【0006】
そこで、誘導機を駆動するインバータ装置に流れる電流から、誘導機が偏心しているかどうかを検知できるようにし、かつ、リアルタイムで検知できるようにした。
【0007】
本発明を採用すれば、誘導機の偏心状態を専用の測定装置では無く、誘導機を駆動するインバータ装置でリアルタイムに検知することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決するため、
請求項1の発明では、誘導機偏心検知システムにおいて、
直流電源の出力に接続し直流電力を交流電力に変換するインバータ部と、前記インバータ部に接続された複数の誘導機と、前記インバータ部の出力に流れる電流を検出する手段と、前記誘導機の回転数を出力する手段と、前記インバータ部を駆動するためのゲート信号を出力する制御部と、を備え
前記制御部は、誘導機角速度選択器が出力する選択角速度に基づき選択速度を演算する乗算器と、3相−dq座標変換部が出力するトルク分電流と前記選択速度に基づき、前記トルク分電流の高周波域成分を抽出するハイパスフィルタ部と、前記ハイパスフィルタ部が出力する前記トルク分電流の高周波域成分と設定した偏心検知値と比較する比較部と、を備え、
インバータ部が出力する電流を用いて、インバータ部に接続された複数の誘導機の内1台以上が偏心していることを検知することを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明では、請求項1において、ハイパスフィルタ部に入力する電流が、3相−dq座標変換部が出力するトルク分電流では無く、3相−dq座標変換部が出力する励磁分電流であることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明では、請求項1に加え、インバータ部に接続された複数の各誘導機に流れる電流を検出する手段と、を備え、
制御部は、インバータ部に接続された複数の各誘導機に流れる電流に基づきトルク分電流を演算する複数の3相−dq座標変換部と、各誘導機に流れる前記トルク分電流の高周波域成分を抽出する複数のハイパスフィルタ部と、前記複数のハイパスフィルタ部が出力する前記トルク分電流の高周波域成分と設定した偏心検知値と比較する複数の比較部と、を備え、
誘導機に流れる電流を用いて、インバータ部に接続された複数の誘導機の内、偏心している誘導機を検知することを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明では、請求項3において、ハイパスフィルタ部に入力する電流が、3相−dq座標変換部が出力するトルク分電流では無く、3相−dq座標変換部が出力する励磁分電流であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、上述した誘導機偏心検知システムにおいて、誘導機の偏心状態を専用の測定装置では無く、誘導機を駆動するインバータ装置でリアルタイムに検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明に係る誘導機偏心検知システムの回路を示す図である。(実施例1)
本発明に係る制御部の制御ブロック構成の一例を示す図である。(実施例1)
本発明に係る電流・信号を示したチャートである。(実施例1)
本発明に係る誘導機偏心検知システムの回路を示す図である。(実施例2)
本発明に係る制御部の制御ブロック構成の一例を示す図である。(実施例2)
本発明に係る電流・信号を示したチャートである。(実施例2)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【実施例】
【0015】
図1は本発明の実施例1に係わる誘導機偏心検知システムを示す図、図2は本発明の実施例1に係わる制御ブロック構成の一例を示す図、図3は本発明の実施例1に係わる電流・信号のタイムチャートを示す図である。
【0016】
図1は、インバータ部が4台の誘導機を駆動する場合の誘導機偏心検知システム1の構成を示しており、直流電源11と、インバータ部12と、誘導機13a〜13dと、電流検出器14a及び14bと、角速度検出器15a〜15dと、制御部21とを備える。
【0017】
インバータ部12は、直流電源11が出力した直流電力を、制御部21が出力するゲート信号に従い、3相の交流電力に変換し、4台の誘導機13a〜13dを駆動する。
【0018】
電流検出器14a及び14bは、インバータが出力する電流Iu及びIwを検出する。
【0019】
角速度検出器15a〜15dは、それぞれ、誘導機15a〜15dの角速度ωm1〜ωm4を検出する。
【0020】
制御部21は、電流検出器14a及び14bで検出した電流と、角速度検出器15a〜15dで検出した角速度に基づき、インバータ部12のスイッチング素子に対してゲート信号を出力する。
【0021】
図2は、制御部21の構成を示しており、制御部21は、電流指令生成部211と、すべり周波数指令演算部212と、誘導機角速度選択器213と、加算器214と、積分器215と、3相−dq座標変換部216と、電流制御部217と、dq座標−3相変換部218と、ゲート信号生成部219と、乗算器220と、ハイパスフィルタ部221と、比較部222と、を備える。
【0022】
電流指令生成部211は、外部から入力される誘導機トルク指令T*及び磁束指令φ*に基づき、励磁分電流指令Id*及びトルク分電流指令Iq*を演算する。
【0023】
すべり周波数指令演算部212は、励磁分電流指令Id*及びトルク分電流指令Iq*に基づき、すべり周波数指令ωs*を演算する。
【0024】
誘導機角速度選択器213は、誘導機13a〜13dの角速度であるωm1〜ωm4の内、制御に使用するひとつの角速度を選択し、選択角速度ωmを出力する。平均値でも良い。
【0025】
加算器214は、すべり周波数指令ωs*と選択角速度ωmを加算し、インバータ周波数ωiを出力する。
【0026】
積分器215は、インバータ周波数ωiを積分し、位相θを出力する。
【0027】
3相−dq座標変換部216は、電流Iu及びIwと、位相θに基づき、インバータが出力している励磁分電流Id及びトルク分電流Iqを演算する。
【0028】
電流制御部217は、検出値である励磁分電流Id及びトルク分電流Iqを、励磁電流指令Id*及びトルク分電流指令Iq*に一致させるように、d軸電圧指令Vd*、q軸電圧指令Vq*を出力する。例えば、PI制御を使用する。
【0029】
dq座標−3相変換部218は、d軸電圧指令Vd*と、q軸電圧指令Vq*と、位相θに基づき、3相座標に対する3相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を演算する。
【0030】
ゲート信号生成部219は、3相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*と、キャリア信号Csに基づき、ゲート信号を出力する。
【0031】
インバータ部12は、ゲート信号に基づき、スイッチング素子を動作させ、誘導機13a〜13dを駆動する。
【0032】
これまで説明した実施内容は、一般的な誘導機の駆動方法であり、これに限った動作である必要は無い。
【0033】
乗算器220は、選択角速度ωmを1/(2π)倍した選択速度fmを演算する。
【0034】
ハイパスフィルタ部221は、トルク分電流Iqと選択速度fmに基づき、選択速度fmをカットオフ周波数としたトルク分電流Iqの高周波成分Iq_hpfを抽出する。
【0035】
比較部222は、トルク分電流高周波成分Iq_hpfと設定された偏心検知値とを比較し、トルク分電流高周波成分Iq_hpfが偏心検知値を超えた時に、偏心検知信号を出力する。検知した信号は、リセット信号があるまで保持すると良い。
【0036】
図3は、実施例1において、誘導機が動作している途中に偏心が開始した時のトルク分電流高周波成分Iq_hpf・偏心検知信号のタイムチャートを示す図である。
【0037】
動作の流れを説明する。
【0038】
インバータ部12で駆動される誘導機13a〜13dが偏心の無い状態においては、インバータ部から出力される3相の交流電流はバランスした電流であるため、トルク分電流Iqは脈動の無い直流となる。
【0039】
しかし、偏心が発生すると、誘導機内部の回転子と固定子の位置関係が均一では無くなり、回転子と固定子間のエアギャップ距離が回転速度の2倍の周波数で振動し、誘導機の回転速度を用いて静止座標(3相座標)から回転座標(dq座標)に変換しているトルク分電流Iqは直流にはならず脈動する。
【0040】
トルク分電流Iqの高周波成分であるIq_hpfの振幅は偏心量に依存することが、本発明者らの研究によって分かったため、ある程度以上の振幅が発生した場合、インバータ部が駆動する4台の誘導機の内、1台以上が偏心していると判断できる。
【実施例】
【0041】
図4は本発明の実施例2に係わる誘導機偏心検知システムを示す図、図5は本発明の実施例2に係わる制御ブロック構成の一例を示す図、図6は本発明の実施例2に係わる電流・信号のタイムチャートを示す図である。
【0042】
図4は、インバータ部が4台の誘導機を駆動する場合の誘導機偏心検知システム1Aの構成を示しており、4台の各誘導機に流れる電流を検出する電流検出器16a、16b、17a、17b、18a、18b、19a、19bが追加され、各電流検出値が制御部21Aに入力されている点が実施例1の図1と異なる。
【0043】
電流検出器16a及び16bは、誘導機1に流れる電流Iu1及びIv1を検出する。電流検出器17a及び17b、18a及び18b、19a及び19bは、それぞれ、誘導機2、3、4に流れる電流Iu2及びIv2、電流Iu3及びIv3、電流Iu4及びIv4を検出する。
【0044】
図5は、制御部21Aの構成を示しており、電流検出器16a、16b、17a、17b、18a、18b、19a、19bで検出した電流を変換する3相−dq座標変換部216a〜216dと、各3相−dq座標変換部で演算したトルク分電流の高周波域成分を抽出するハイパスフィルタ部221a〜221dと、各ハイパスフィルタ部で抽出したトルク分電流高周波成分と設定された偏心検知値とを比較する比較部222a〜222dが追加されている点が実施例1の図2と異なる。
【0045】
3相−dq座標変換部216aは、電流Iu1及びIw1と、位相θに基づき、誘導機1に流れているトルク分電流Iq1を演算する。3相−dq座標変換部216b、216c、216dは、それぞれ、電流Iu2及びIv2、電流Iu3及びIv3、電流Iu4及びIv4と、位相θに基づき、誘導機2、3、4に流れているトルク分電流Iq2、Iq3、Iq4を演算する。
【0046】
ハイパスフィルタ部221aは、トルク分電流Iq1と選択速度fmに基づき、選択速度fmをカットオフ周波数としたトルク分電流高周波成分Iq1_hpfを抽出する。ハイパスフィルタ部221b、221c、221dは、それぞれ、トルク分電流Iq2、Iq3、Iq4と選択速度fmに基づき、選択速度fmをカットオフ周波数としたトルク分電流高周波成分Iq2_hpf、Iq3_hpf、Iq4_hpfを抽出する。
【0047】
比較部222aは、トルク分電流高周波成分Iq1_hpfと設定された偏心検知値とを比較し、トルク分電流高周波成分Iq1_hpfが偏心検知値を超えた時に、偏心検知信号を出力する。比較部222b、222c、222dは、トルク分電流高周波成分Iq2_hpf、Iq3_hpf、Iq4_hpfと設定された偏心検知値とを比較し、各ルク分電流高周波成分が偏心検知値を超えた時に、偏心検知信号を出力する。検知した信号は、リセット信号があるまで保持すると良い。
【0048】
図6は、実施例2において、誘導機が動作している途中に偏心が開始した時のトルク分電流高周波成分Iq1_hpf〜Iq4_hpf・誘導機1〜4偏心検知信号のタイムチャートを示す図である。
【0049】
動作の流れは実施例1と同様であるが、インバータ部が駆動する4台の誘導機に流れる各電流を検出することにより、どの誘導機が偏心したのかの判断が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、誘導機偏心検知システムにおいて、誘導機を駆動するインバータ装置が出力する電流、もしくは誘導機に流れる電流から、誘導機が偏心しているかどうかをリアルタイムで検知できるようになり、専用の測定装置を使用する必要がなくなる。
【符号の説明】
(【0051】以降は省略されています)

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