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公開番号2019205346
公報種別公開特許公報(A)
公開日20191128
出願番号2019124007
出願日20190702
発明の名称シート搬送装置、原稿読取装置及び画像形成装置
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人
主分類H02P 21/22 20160101AFI20191101BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】回転子を所定速度で回転させる期間に所定速度に対応する所定の励磁電流成分の値を設定することに起因して消費電力が増大することを抑制できるモータの駆動を制御するシート搬送装置を提供する。
【解決手段】モータで搬送ローラを駆動している期間のうち、連結部材を連結する期間、つまり巻線を貫く磁束の強度を弱める弱め界磁を行う必要がある期間にのみ、巻線に流れる駆動電流の励磁電流成分の値を制御することによって巻線を貫く磁束の強度を弱める弱め界磁を行うことで、消費電力が増大することを抑制する。
【選択図】図10
特許請求の範囲【請求項1】
シートを搬送する搬送部と、
前記搬送部を駆動するモータと、
前記モータの駆動力が前記搬送部に伝達される第1状態と、前記モータの駆動が前記搬送部に伝達されない第2状態と、を切り替える連結部材と、
前記モータの回転子の回転位相を決定する位相決定手段と、
前記モータの巻線に流れる駆動電流を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された駆動電流のトルク電流成分の値と前記トルク電流成分の目標値との偏差が小さくなるように前記巻線に流れる駆動電流を制御し、前記巻線に流れる駆動電流の励磁電流成分の値を制御することによって前記巻線を貫く磁束の強度を弱める弱め界磁を行う制御手段と、
を有し、
前記トルク電流成分は、前記位相決定手段によって決定された回転位相を基準とする回転座標系において表される電流成分であって前記回転子にトルクを発生させる電流成分であり、
前記励磁電流成分は、前記回転座標系において表される電流成分であって前記巻線を貫く磁束の強度に影響する電流成分であって、
前記制御手段は、前記回転子の目標位相を表す指令位相と前記位相決定手段によって決定された回転位相との偏差が小さくなるように前記トルク電流成分の目標値を設定し、
前記制御手段は、前記モータを制御している期間中に、前記連結部材が前記第2状態である第1タイミングにおいて前記弱め界磁の程度を第1の程度から前記第1の程度よりも大きい第2の程度に変更することを特徴とするシート搬送装置。
続きを表示(約 5,100 文字)【請求項2】
シートを搬送する搬送部と、
前記搬送部を駆動するモータと、
前記モータの駆動力が前記搬送部に伝達される第1状態と、前記モータの駆動が前記搬送部に伝達されない第2状態と、を切り替える連結部材と、
前記モータの回転子の回転位相を決定する位相決定手段と、
前記回転子の回転速度を決定する速度決定手段と、
前記モータの巻線に流れる駆動電流を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された駆動電流のトルク電流成分の値と前記トルク電流成分の目標値との偏差が小さくなるように前記巻線に流れる駆動電流を制御し、前記巻線に流れる駆動電流の励磁電流成分の値を制御することによって前記巻線を貫く磁束の強度を弱める弱め界磁を行う制御手段と、
を有し、
前記トルク電流成分は、前記位相決定手段によって決定された回転位相を基準とする回転座標系において表される電流成分であって前記回転子にトルクを発生させる電流成分であり、
前記励磁電流成分は、前記回転座標系において表される電流成分であって前記巻線を貫く磁束の強度に影響する電流成分であって、
前記制御手段は、前記回転子の目標速度を表す指令速度と前記速度決定手段によって決定された回転速度との偏差が小さくなるように前記トルク電流成分の目標値を設定し、
前記制御手段は、前記モータを制御している期間中に、前記連結部材が前記第2状態である第1タイミングにおいて前記弱め界磁の程度を第1の程度から前記第1の程度よりも大きい第2の程度に変更することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項3】
前記第1タイミングは、前記モータの駆動が開始される駆動開始タイミングより後であって、且つ、前記駆動開始タイミングより後の最初に前記連結部材が前記第2状態から前記第1状態に切り替わる切替タイミングよりも前のタイミングであることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1タイミングから前記連結部材が前記第2状態から前記第1状態へと切り替わった後の最初に前記連結部材が前記第1状態から前記第2状態へと切り替わる第2タイミングまでの期間中、前記弱め界磁の程度が前記第2の程度である状態を維持することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項にシート搬送装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記切替タイミングより後であって且つ前記連結部材が前記第2状態である第3タイミングにおいて、前記弱め界磁の程度を前記第2の程度から前記第2の程度よりも小さい第3の程度に変更することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシート搬送装置。
【請求項6】
前記弱め界磁の程度が前記第3の程度である状態には、前記弱め界磁が行われない状態が含まれることを特徴とする請求項5に記載のシート搬送装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記励磁電流成分の目標値を変更することによって前記弱め界磁の程度を変更することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のシート搬送装置。
【請求項8】
前記回転子の磁束の方向において、前記励磁電流成分の目標値が第1の値である場合において当該励磁電流成分に起因して発生する磁束の強度は、前記励磁電流成分の目標値が前記第1の値よりも小さい第2の値である場合において当該励磁電流成分に起因して発生する磁束の強度よりも小さく、
前記励磁電流成分の目標値が前記第1の値である場合における前記弱め界磁の程度は、前記励磁電流成分の目標値が前記第2の値である場合における前記弱め界磁の程度よりも小さいことを特徴とする請求項7に記載のシート搬送装置。
【請求項9】
前記第2の値は負の値であることを特徴とする請求項8に記載のシート搬送装置。
【請求項10】
前記シート搬送装置は、
前記連結部材を制御する第2制御手段と、
前記搬送部が前記シートを搬送する搬送方向において前記搬送部のニップ部よりも上流側に設けられ、前記シートの有無を検知する検知手段と、
を有し、
前記第1タイミングは、前記検知手段が前記シートの先端を検知したタイミングであり、
前記第2制御手段は、前記第1タイミングから所定時間が経過したタイミングにおいて、前記連結部材が前記第2状態から前記第1状態になるように前記連結部材を制御することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のシート搬送装置。
【請求項11】
前記弱め界磁の程度が前記第1の程度である状態には、前記弱め界磁が行われない状態が含まれることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のシート搬送装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記回転子の回転速度に応じて前記弱め界磁の程度を制御することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載のシート搬送装置。
【請求項13】
原稿が積載される積載部と、
前記積載部に積載された原稿を搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送された原稿を読み取る読取部と、
負荷を駆動するモータと、
前記モータの駆動力が前記負荷に伝達される第1状態と、前記モータの駆動が前記負荷に伝達されない第2状態と、を切り替える連結部材と、
前記モータの回転子の回転位相を決定する位相決定手段と、
前記モータの巻線に流れる駆動電流を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された駆動電流のトルク電流成分の値と前記トルク電流成分の目標値との偏差が小さくなるように前記巻線に流れる駆動電流を制御し、前記巻線に流れる駆動電流の励磁電流成分の値を制御することによって前記巻線を貫く磁束の強度を弱める弱め界磁を行う制御手段と、
を有し、
前記トルク電流成分は、前記位相決定手段によって決定された回転位相を基準とする回転座標系において表される電流成分であって前記回転子にトルクを発生させる電流成分であり、
前記励磁電流成分は、前記回転座標系において表される電流成分であって前記巻線を貫く磁束の強度に影響する電流成分であって、
前記制御手段は、前記回転子の目標位相を表す指令位相と前記位相決定手段によって決定された回転位相との偏差が小さくなるように前記トルク電流成分の目標値を設定し、
前記制御手段は、前記モータを制御している期間中に、前記連結部材が前記第2状態である第1タイミングにおいて前記弱め界磁の程度を第1の程度から前記第1の程度よりも大きい第2の程度に変更することを特徴とする原稿読取装置。
【請求項14】
原稿が積載される積載部と、
前記積載部に積載された原稿を搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送された原稿を読み取る読取部と、
負荷を駆動するモータと、
前記モータの駆動力が前記負荷に伝達される第1状態と、前記モータの駆動が前記負荷に伝達されない第2状態と、を切り替える連結部材と、
前記モータの回転子の回転位相を決定する位相決定手段と、
前記回転子の回転速度を決定する速度決定手段と、
前記モータの巻線に流れる駆動電流を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された駆動電流のトルク電流成分の値と前記トルク電流成分の目標値との偏差が小さくなるように前記巻線に流れる駆動電流を制御し、前記巻線に流れる駆動電流の励磁電流成分の値を制御することによって前記巻線を貫く磁束の強度を弱める弱め界磁を行う制御手段と、
を有し、
前記トルク電流成分は、前記位相決定手段によって決定された回転位相を基準とする回転座標系において表される電流成分であって前記回転子にトルクを発生させる電流成分であり、
前記励磁電流成分は、前記回転座標系において表される電流成分であって前記巻線を貫く磁束の強度に影響する電流成分であって、
前記制御手段は、前記回転子の目標速度を表す指令速度と前記速度決定手段によって決定された回転速度との偏差が小さくなるように前記トルク電流成分の目標値を設定し、
前記制御手段は、前記モータを制御している期間中に、前記連結部材が前記第2状態である第1タイミングにおいて前記弱め界磁の程度を第1の程度から前記第1の程度よりも大きい第2の程度に変更することを特徴とする原稿読取装置。
【請求項15】
記録媒体が積載される積載部と、
前記積載部に積載された記録媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送された記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
負荷を駆動するモータと、
前記モータの駆動力が前記負荷に伝達される第1状態と、前記モータの駆動が前記負荷に伝達されない第2状態と、を切り替える連結部材と、
前記モータの回転子の回転位相を決定する位相決定手段と、
前記モータの巻線に流れる駆動電流を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された駆動電流のトルク電流成分の値と前記トルク電流成分の目標値との偏差が小さくなるように前記巻線に流れる駆動電流を制御し、前記巻線に流れる駆動電流の励磁電流成分の値を制御することによって前記巻線を貫く磁束の強度を弱める弱め界磁を行う制御手段と、
を有し、
前記トルク電流成分は、前記位相決定手段によって決定された回転位相を基準とする回転座標系において表される電流成分であって前記回転子にトルクを発生させる電流成分であり、
前記励磁電流成分は、前記回転座標系において表される電流成分であって前記巻線を貫く磁束の強度に影響する電流成分であって、
前記制御手段は、前記回転子の目標位相を表す指令位相と前記位相決定手段によって決定された回転位相との偏差が小さくなるように前記トルク電流成分の目標値を設定し、
前記制御手段は、前記モータを制御している期間中に、前記連結部材が前記第2状態である第1タイミングにおいて前記弱め界磁の程度を第1の程度から前記第1の程度よりも大きい第2の程度に変更することを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
記録媒体が積載される積載部と、
前記積載部に積載された記録媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送された記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
負荷を駆動するモータと、
前記モータの駆動力が前記負荷に伝達される第1状態と、前記モータの駆動が前記負荷に伝達されない第2状態と、を切り替える連結部材と、
前記モータの回転子の回転位相を決定する位相決定手段と、
前記回転子の回転速度を決定する速度決定手段と、
前記モータの巻線に流れる駆動電流を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された駆動電流のトルク電流成分の値と前記トルク電流成分の目標値との偏差が小さくなるように前記巻線に流れる駆動電流を制御し、前記巻線に流れる駆動電流の励磁電流成分の値を制御することによって前記巻線を貫く磁束の強度を弱める弱め界磁を行う制御手段と、
を有し、
前記トルク電流成分は、前記位相決定手段によって決定された回転位相を基準とする回転座標系において表される電流成分であって前記回転子にトルクを発生させる電流成分であり、
前記励磁電流成分は、前記回転座標系において表される電流成分であって前記巻線を貫く磁束の強度に影響する電流成分であって、
前記制御手段は、前記回転子の目標速度を表す指令速度と前記速度決定手段によって決定された回転速度との偏差が小さくなるように前記トルク電流成分の目標値を設定し、
前記制御手段は、前記モータを制御している期間中に、前記連結部材が前記第2状態である第1タイミングにおいて前記弱め界磁の程度を第1の程度から前記第1の程度よりも大きい第2の程度に変更することを特徴とする画像形成装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、モータの駆動を制御するシート搬送装置、原稿読取装置及び画像形成装置に関する。
続きを表示(約 12,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、モータを制御する方法として、モータの回転子の回転位相を基準とした回転座標系における電流値を制御することによってモータを制御するベクトル制御と称される制御方法が知られている。具体的には、例えば、回転子の指令位相と実際の回転位相との偏差が小さくなるように電流値を制御する位相フィードバック制御を行うことによってモータを制御する。また、回転子の指令速度と実際の回転速度との偏差が小さくなるように電流値を制御する速度フィードバック制御を行うことによってモータを制御する手法もある。
【0003】
ベクトル制御を用いると、モータの巻線に供給する駆動電流は、回転子が回転するためのトルクを発生させる電流成分(トルク電流成分)と、巻線を貫く磁束の強度に影響する電流成分(励磁電流成分)とに分けて制御される。回転子にかかる負荷トルクの変化に応じてトルク電流成分の値が制御されることによって、回転に必要なトルクが効率的に発生するこの結果、余剰トルクに起因したモータ音の増大や消費電力の増大が抑制される。また、従来問題とされていた、回転子にかかる負荷トルクがモータの巻線に供給した駆動電流に対応した出力トルクを超えて、回転子が入力信号に同期しない制御不能な状態(脱調状態)になることが抑制される。
【0004】
モータの各相の巻線には、回転子が回転することによって誘起電圧が発生する。モータの巻線に誘起電圧が発生すると、モータの巻線に印加できる電圧が小さくなってしまう。具体的には、例えば、モータの巻線に電圧を印加する電源の電圧が24Vである場合、電源電圧(24V)から該巻線に発生した誘起電圧を減算した電圧が巻線に印加できる電圧となる。従って、該巻線に誘起電圧が発生することによって、巻線に印加できる電圧が24Vよりも小さくなってしまう。誘起電圧の大きさは、回転子の回転速度が速くなればなるほど大きくなる。したがって、回転子の回転速度が速くなればなるほど、モータの巻線に印加できる電圧は小さくなる。モータの巻線に印加できる電圧が小さくなると、回転子に与えることができるトルク(出力可能トルク)も小さくなってしまう。
【0005】
特許文献1では、回転子の回転速度が速度閾値以上である場合に、励磁電流成分の値を該回転速度に対応する負の値に制御することによって、モータの巻線を貫く磁束の強度を弱める構成(弱め界磁)が述べられている。なお、回転速度と励磁電流成分の値との対応関係は1対1の関係である。即ち、所定の回転速度に対しては所定の励磁電流成分の値が設定される。弱め界磁を行うと、巻線に発生する誘起電圧の大きさを低減することができる。この結果、巻線に印加できる電圧が小さくなることを抑制することができ、出力可能トルクが小さくなることを防ぐことができる。なお、励磁電流成分の値が負の値であって且つ絶対値が大きいほど、出力可能トルクが小さくなることをより防ぐことができる。
【0006】
記録媒体や原稿等のシートを搬送するシート搬送装置においては、シートを搬送する搬送ローラ等の負荷が複数個設けられており、モータ1個で複数個の負荷を駆動する場合がある。このような場合、例えば、クラッチを用いてモータと負荷とを連結させたり離間させたりすることによって、負荷を駆動する。
【0007】
図1は、モータと負荷としての搬送ローラとの構成を示すブロック図である。図1に示すように、搬送ローラ701はモータ509によって駆動される。また、モータ509と搬送ローラ702は、クラッチ700によって連結及び離間される。
【0008】
クラッチ700によるモータ509と搬送ローラ702との連結及び離間は、モータ509の回転子が所定速度で(一定速度で)回転している状態で行われる。即ち、モータ509の回転子が所定速度で回転する期間においては、モータ509と搬送ローラ702とが連結していない期間とモータ509と搬送ローラ702とが連結している期間とがある。モータ509と搬送ローラ702とが離間しており、モータ509が搬送ローラ701を駆動している場合、モータ509の回転子には搬送ローラ701に対応する負荷トルクがかかる。また、モータ509が搬送ローラ701を駆動している状態で、モータ509と搬送ローラ702とが連結されると、モータ509の回転子には搬送ローラ701に対応する負荷トルクだけでなく、搬送ローラ702に対応する負荷トルクもかかる。したがって、モータと搬送ローラ702とがクラッチによって連結される際には、回転子にかかる負荷トルクは増大する。このように、モータ509に連結される負荷が多くなればなるほど、モータの回転子を所定速度で回転させる際に回転子にかかる負荷トルクは大きくなる。また、回転子が所定速度で回転する期間においては、巻線に発生する誘起電圧に起因して出力可能トルクが小さくなる。したがって、回転子が所定速度で回転する期間において、モータに負荷が連結されることに起因して回転子にかかる負荷トルクが出力可能トルクを超えてしまう可能性がある。回転子にかかる負荷トルクが出力可能トルクを超えた場合には、回転子を回転させることができなくなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2007−153273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記特許文献1に記載されている構成においては、回転速度と励磁電流成分の値との対応関係は1対1の関係である。したがって、回転子が所定速度で回転する期間においては、所定速度に対応する所定の励磁電流成分の値が設定される。
【0011】
前述したように、回転子が所定速度で回転する期間においては、モータと負荷とが連結されている期間における負荷トルクはモータと負荷とが連結されていない期間における負荷トルクよりも大きい。即ち、クラッチにより負荷と連結又は離間されるモータの制御に特許文献1の構成を適用する場合、負荷トルクが出力可能トルクを超えないよう、モータと負荷とが連結されている期間における負荷トルクを考慮して励磁電流成分の値が設定される必要がある。
【0012】
励磁電流成分の値の絶対値が大きければ大きいほど、モータの巻線に供給する電流は大きくなる。したがって、モータと負荷とが連結されている期間における負荷トルクを考慮して励磁電流成分の値が設定されると、モータと負荷とが連結されていない期間においては、不要な電流を巻線に供給してしまう。この結果、消費電力が増大してしまう。
【0013】
上記課題に鑑み、本発明は、モータの制御を効率的に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明は、
シートを搬送する搬送部と、
前記搬送部を駆動するモータと、
前記モータの駆動力が前記搬送部に伝達される第1状態と、前記モータの駆動が前記搬送部に伝達されない第2状態と、を切り替える連結部材と、
前記モータの回転子の回転位相を決定する位相決定手段と、
前記モータの巻線に流れる駆動電流を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された駆動電流のトルク電流成分の値と前記トルク電流成分の目標値との偏差が小さくなるように前記巻線に流れる駆動電流を制御し、前記巻線に流れる駆動電流の励磁電流成分の値を制御することによって前記巻線を貫く磁束の強度を弱める弱め界磁を行う制御手段と、
を有し、
前記トルク電流成分は、前記位相決定手段によって決定された回転位相を基準とする回転座標系において表される電流成分であって前記回転子にトルクを発生させる電流成分であり、
前記励磁電流成分は、前記回転座標系において表される電流成分であって前記巻線を貫く磁束の強度に影響する電流成分であって、
前記制御手段は、前記回転子の目標位相を表す指令位相と前記位相決定手段によって決定された回転位相との偏差が小さくなるように前記トルク電流成分の目標値を設定し、
前記制御手段は、前記モータを制御している期間中に、前記連結部材が前記第2状態である第1タイミングにおいて前記弱め界磁の程度を第1の程度から前記第1の程度よりも大きい第2の程度に変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、モータの制御を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
モータと負荷との構成を示すブロック図である。
第1実施形態に係る画像形成装置を説明する断面図である。
前記画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。
A相及びB相から成る2相のモータと回転座標系のd軸及びq軸との関係を示す図である。
第1実施形態に係るモータ制御装置の構成を示すブロック図である。
PWMインバータに設けられているフルブリッジ回路の構成を示す図である。
出力可能トルクと回転子の回転数との関係を示す図である。
第1実施形態に係る弱め界磁制御のタイムチャートを示す図である。
第1実施形態に係る弱め界磁制御を行う方法を説明するフローチャートである。
速度フィードバック制御を行うモータ制御装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の形状及びそれらの相対配置などは、この発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲が以下の実施の形態に限定される趣旨のものではない。なお、以下の説明においては、モータ制御装置が画像形成装置に設けられる場合について説明するが、モータ制御装置が設けられるのは画像形成装置に限定されるわけではない。例えば、モータ制御装置は記録媒体や原稿等のシートを搬送するシート搬送装置にも用いられる。
【0018】
〔第1実施形態〕
[画像形成装置]
図2は、本実施形態で用いられるシート搬送装置を有するモノクロの電子写真方式の複写機(以下、画像形成装置と称する)100の構成を示す断面図である。なお、画像形成装置は複写機に限定されず、例えば、ファクシミリ装置、印刷機、プリンタ等であっても良い。また、記録方式は、電子写真方式に限らず、例えば、インクジェット等であっても良い。更に、画像形成装置の形式はモノクロ及びカラーのいずれの形式であっても良い。
【0019】
以下に、図2を用いて、画像形成装置100の構成および機能について説明する。画像形成装置100は、原稿給送装置201、読取装置202及び画像印刷装置301を有する。
【0020】
原稿給送装置201の原稿積載部203に積載された原稿は、給紙ローラ204によって1枚ずつ給紙され、搬送ガイド206に沿って読取装置202の原稿ガラス台214上に搬送される。更に、原稿は、搬送ベルト208によって一定速度で搬送されて、排紙ローラ205によって不図示の排紙トレイへ排紙される。読取装置202の読取位置において照明209によって照明された原稿画像からの反射光は、反射ミラー210、211、212からなる光学系によって画像読取部101に導かれ、画像読取部101によって画像信号に変換される。画像読取部101は、レンズ、光電変換素子であるCCD、CCDの駆動回路等で構成される。画像読取部101から出力された画像信号は、ASIC等のハードウェアデバイスで構成される画像処理部112によって各種補正処理が行われた後、画像印刷装置301へ出力される。前述の如くして、原稿の読取が行われる。即ち、原稿給送装置201及び読取装置202は、原稿読取装置として機能する。
【0021】
また、原稿の読取モードとして、第1読取モードと第2読取モードがある。第1読取モードは、一定速度で搬送される原稿の画像を、所定の位置に固定された照明系209及び光学系によって読み取るモードである。第2読取モードは、読取装置202の原稿ガラス214上に載置された原稿の画像を、一定速度で移動する照明系209及び光学系によって読み取るモードである。通常、シート状の原稿の画像は第1読取モードで読み取られ、本や冊子等の綴じられた原稿の画像は第2読取モードで読み取られる。
【0022】
画像印刷装置301の内部には、シート収納トレイ302、304が設けられている。シート収納トレイ302、304には、それぞれ異なる種類の記録媒体を収納することができる。例えば、シート収納トレイ302にはA4サイズの普通紙が収納され、シート収納トレイ304にはA4サイズの厚紙が収納される。なお、記録媒体とは、画像形成装置によって画像が形成されるものであって、例えば、用紙、樹脂シート、布、OHPシート、ラベル等が記録媒体に含まれる。
【0023】
シート収納トレイ302に収納された記録媒体は、給紙ローラ303によって給送されて、搬送ローラ306によってレジストレーションローラ308へ送り出される。また、シート収納トレイ304に収納された記録媒体は、給紙ローラ305によって給送されて、搬送ローラ307及び306によってレジストレーションローラ308へ送り出される。なお、図2に示すように、搬送ローラ306の上流側及び下流側には、記録媒体の有無を検知するシートセンサ330、331が設けられている。シートセンサ330、331の用途については後述する。なお、本実施形態におけるシートセンサは、光学式センサであるが、これに限定されるものではなく、例えば、フラグセンサ等であっても良い。
【0024】
読取装置202から出力された画像信号は、半導体レーザ及びポリゴンミラーを含む光走査装置311に入力される。また、感光ドラム309は、帯電器310によって外周面が帯電される。感光ドラム309の外周面が帯電された後、読取装置202から光走査装置311に入力された画像信号に応じたレーザ光が、光走査装置311からポリゴンミラー及びミラー312、313を経由し、感光ドラム309の外周面に照射される。この結果、感光ドラム309の外周面に静電潜像が形成される。なお、感光ドラムの帯電には、例えば、コロナ帯電器や帯電ローラを用いた帯電方法が用いられる。
【0025】
続いて、静電潜像が現像器314内のトナーによって現像され、感光ドラム309の外周面にトナー像が形成される。感光ドラム309に形成されたトナー像は、感光ドラム309と対向する位置(転写位置)に設けられた転写帯電器315によって記録媒体に転写される。この際、レジストレーションローラ308は、トナー像にタイミングを合わせて、記録媒体を転写位置へ送り込む。
【0026】
前述の如くして、トナー像が転写された記録媒体は、搬送ベルト317によって定着器318へ送り込まれ、定着器318によって加熱加圧されて、トナー像が記録媒体に定着される。このようにして、画像形成装置100によって記録媒体に画像が形成される。
【0027】
片面印刷モードで画像形成が行われる場合は、定着器318を通過した記録媒体は、排紙ローラ319、324によって、不図示の排紙トレイへ排紙される。また、両面印刷モードで画像形成が行われる場合は、定着器318によって記録媒体の第1面に定着処理が行われた後に、記録媒体は、排紙ローラ319、搬送ローラ320、及び反転ローラ321によって、反転パス325へと搬送される。その後、記録媒体は、搬送ローラ322、323によって再度レジストレーションローラ308へと搬送され、前述した方法で記録媒体の第2面に画像が形成される。その後、記録媒体は排紙ローラ319、324によって不図示の排紙トレイへ排紙される。
【0028】
また、第1面に画像形成された記録媒体がフェースダウンで画像形成装置100の外部へ排紙される場合は、定着器318を通過した記録媒体を、排紙ローラ319を通って搬送ローラ320へ向かう方向へ搬送される。その後、記録媒体の後端が搬送ローラ320のニップ部を通過する直前に搬送ローラ320の回転が反転することによって、記録媒体の第1面が下向きになった状態で、記録媒体が排紙ローラ324を経由して、画像形成装置100の外部へ排出される。
【0029】
以上が画像形成装置100の構成および機能についての説明である。なお、本発明における負荷とはモータによって駆動される対象物である。例えば、給紙ローラ204、303、305、レジストレーションローラ308及び排紙ローラ319等の各種ローラ(搬送ローラ)や感光ドラム309、搬送ベルト208、317、照明系209及び光学系等は本発明における負荷に対応する。本実施形態のモータ制御装置は、これら負荷を駆動するモータに適用することができる。
【0030】
図3は、画像形成装置100の制御構成の例を示すブロック図である。図3に示すように、画像形成装置100には電源1が備えられている。電源1は交流電源(AC)に接続されており、画像形成装置100の内部の各種装置は電源1から出力される電力によって稼働する。また、システムコントローラ151は、図3に示すように、CPU151a、ROM151b、RAM151cを備えている。また、システムコントローラ151は、画像処理部112、操作部152、アナログ・デジタル(A/D)変換器153、高圧制御部155、モータ制御装置157、クラッチ700、シートセンサ330、331、センサ類159、ACドライバ160と接続されている。システムコントローラ151は、接続された各ユニットとの間でデータやコマンドの送受信をすることが可能である。
【0031】
CPU151aは、ROM151bに格納された各種プログラムを読み出して実行することによって、予め定められた画像形成シーケンスに関連する各種シーケンスを実行する。
【0032】
RAM151cは記憶デバイスである。RAM151cには、例えば、高圧制御部155に対する設定値、モータ制御装置157に対する指令値及び操作部152から受信される情報等の各種データが格納される。
【0033】
システムコントローラ151は、画像処理部112における画像処理に必要となる、画像形成装置100の内部に設けられた各種装置の設定値データを画像処理部112に送信する。更に、システムコントローラ151は、センサ類159等からの信号を受信して、受信した信号に基づいて高圧制御部155の設定値を設定する。高圧制御部155は、システムコントローラ151によって設定された設定値に応じて、高圧ユニット156(帯電器310、現像器314、転写帯電器315等)に必要な電圧を供給する。
【0034】
図3に示すように、本実施形態におけるモータ509は、複数個の負荷を駆動する。具体的には、例えば、モータ509は搬送ローラ307と搬送ローラ306とを駆動する。モータ509と搬送ローラ306は、クラッチ700によって連結、離間される。即ち、クラッチ700は連結部材として機能する。モータ509と搬送ローラ306とがクラッチ700によって連結されると、モータ509は搬送ローラ307と搬送ローラ306とを駆動することができる。また、モータ509と搬送ローラ306とが離間されると、モータ509は搬送ローラ307のみを駆動する。なお、クラッチによる連結、離間は、モータ509の回転子が所定速度で(一定速度で)回転する状態において行われるものとする。本実施形態におけるクラッチは、電磁力によって連結、離間を行う電磁クラッチであるものとするが、これに限定されるものではなく、モータと負荷とを連結、離間させてモータの駆動力を負荷に伝達させる構成であればよい。
【0035】
システムコントローラ151は、シートセンサ330、331の検知結果に基づいて、クラッチ700を制御する。クラッチ700は、CPU151aから出力される信号に応じてモータ509と搬送ローラ306とを連結、離間する。また、モータ制御装置157は、CPU151aから出力された指令に応じて、モータ509を制御する。なお、図3においては、モータ509は、搬送ローラ306と搬送ローラ307とを駆動する構成となっているが、これに限定されるものではない。例えば、搬送ローラ306、307だけでなく、その他の負荷を駆動する構成であっても良い。また、図3においては、負荷を駆動するモータとしてモータ509のみが記載されているが、実際には、画像形成装置には複数個のモータが設けられているものとする。また、モータ制御装置1個で複数個のモータを制御する構成であっても良い。更に、図3においては、モータ制御装置が1個しか設けられていないが、実際には、複数個のモータ制御装置が設けられているものとする。
【0036】
電源1はモータ制御装置157に設けられたフルブリッジ回路50に電圧Vccを供給する。なお、フルブリッジ回路50については後述する。
【0037】
A/D変換器153は、定着ヒータ161の温度を検出するためのサーミスタ154が検出した検出信号を受信し、検出信号をアナログ信号からデジタル信号に変換してシステムコントローラ151に送信する。システムコントローラ151は、A/D変換器153から受信したデジタル信号に基づいて、ACドライバ160の制御を行う。ACドライバ160は、定着ヒータ161の温度が定着処理を行うために必要な温度となるように定着ヒータ161を制御する。なお、定着ヒータ161は、定着処理に用いられるヒータであり、定着器318に含まれる。
【0038】
システムコントローラ151は、使用する記録媒体の種類(以下、紙種と称する)等の設定をユーザが行うための操作画面を、操作部152に設けられた表示部に表示するように、操作部152を制御する。システムコントローラ151は、ユーザが設定した情報を操作部152から受信し、ユーザが設定した情報に基づいて画像形成装置100の動作シーケンスを制御する。また、システムコントローラ151は、画像形成装置の状態を示す情報を操作部152に送信する。なお、画像形成装置の状態を示す情報とは、例えば、画像形成枚数、画像形成動作の進行状況、画像印刷装置301及び原稿給送装置201におけるシートのジャムや重送等に関する情報である。操作部152は、システムコントローラ151から受信した情報を表示部に表示する。
【0039】
前述の如くして、システムコントローラ151は、画像形成装置100の動作シーケンスを制御する。
【0040】
[ベクトル制御]
次に、本実施形態におけるモータ制御装置について説明する。本実施形態におけるモータ制御装置は、ベクトル制御によってモータを制御する。
【0041】
まず、図4及び図5を用いて、本実施形態におけるモータ制御装置157がベクトル制御を行う方法について説明する。なお、以下の説明におけるモータには、モータの回転子の回転位相を検出するためのロータリエンコーダなどのセンサは設けられていないが、ロータリエンコーダなどのセンサが設けられている構成であっても良い。
【0042】
図4は、A相(第1相)とB相(第2相)との2相から成るステッピングモータ(以下、モータと称する)509と、d軸及びq軸によって表される回転座標系との関係を示す図である。図4では、静止座標系において、A相の巻線に対応した軸であるα軸と、B相の巻線に対応した軸であるβ軸とが定義されている。また、図4では、回転子402に用いられている永久磁石の磁極によって作られる磁束の方向に沿ってd軸が定義され、d軸から反時計回りに90度進んだ方向(d軸に直交する方向)に沿ってq軸が定義されている。α軸とd軸との成す角度はθと定義され、回転子402の回転位相は角度θによって表される。ベクトル制御では、回転子402の回転位相θを基準とした回転座標系が用いられる。具体的には、ベクトル制御では、巻線に流れる駆動電流に対応する電流ベクトルの、回転座標系における電流成分であって、回転子にトルクを発生させるq軸成分(トルク電流成分)と巻線を貫く磁束の強度に影響するd軸成分(励磁電流成分)とが用いられる。
【0043】
ベクトル制御とは、回転子の目標位相を表す指令位相と実際の回転位相との偏差が小さくなるようにトルク電流成分の値と励磁電流成分の値とを制御する位相フィードバック制御を行うことによってモータを制御する制御方法である。また、回転子の目標速度を表す指令速度と実際の回転速度との偏差が小さくなるようにトルク電流成分の値と励磁電流成分の値とを制御する速度フィードバック制御を行うことによってモータを制御する方法もある。
【0044】
図5は、モータ509を制御するモータ制御装置157の構成の例を示すブロック図である。
【0045】
図5に示すように、モータ制御装置157は、ベクトル制御を行う回路として、位相制御器502、電流制御器503、座標逆変換器505、座標変換器511、モータの巻線に駆動電流を供給するPWMインバータ506等を有する。座標変換器511は、モータ509のA相及びB相の巻線に流れる駆動電流に対応する電流ベクトルを、α軸及びβ軸で表される静止座標系からq軸及びd軸で表される回転座標系に座標変換する。この結果、巻線に流れる駆動電流は、回転座標系における電流値であるq軸成分の電流値(q軸電流)とd軸成分の電流値(d軸電流)とによって表される。なお、q軸電流は、モータ509の回転子402にトルクを発生させるトルク電流に相当する。また、d軸電流は、モータ509の巻線を貫く磁束の強度に影響する励磁電流に相当し、回転子402のトルクの発生には寄与しない。モータ制御装置157は、q軸電流及びd軸電流をそれぞれ独立に制御することができる。この結果、モータ制御装置157は、回転子402にかかる負荷トルクに応じてq軸電流を制御することによって、回転子402が回転するために必要なトルクを効率的に発生させることができる。
【0046】
モータ制御装置157は、モータ509の回転子402の回転位相θを後述する方法により決定し、その決定結果に基づいてベクトル制御を行う。CPU151aは、モータ509の回転子402の目標位相を表す指令位相θ_refを生成し、所定の時間周期で指令位相θ_refをモータ制御装置157へ出力する。
【0047】
減算器101は、モータ509の回転子402の回転位相θと指令位相θ_refとの偏差を演算し、該偏差を位相制御器502に出力する。
【0048】
位相制御器502は、比例制御(P)、積分制御(I)、微分制御(D)に基づいて、減算器101から出力された偏差が小さくなるように、q軸電流指令値(目標値)iq_refを生成して出力する。具体的には、位相制御器502は、P制御、I制御、D制御に基づいて減算器101から出力された偏差が0になるように、q軸電流指令値iq_refを生成して出力する。なお、P制御とは、制御する対象の値を指令値と推定値との偏差に比例する値に基づいて制御する制御方法である。また、I制御とは、制御する対象の値を指令値と推定値との偏差の時間積分に比例する値に基づいて制御する制御方法である。また、D制御とは、制御する対象の値を指令値と推定値との偏差の時間変化に比例する値に基づいて制御する制御方法である。本実施形態における位相制御器502は、PID制御に基づいてq軸電流指令値iq_refを生成しているが、これに限定されるものではない。例えば、位相制御器502は、PI制御に基づいてq軸電流指令値iq_refを生成しても良い。
【0049】
モータ509のA相及びB相の巻線に流れる駆動電流は、電流検出器507、508によって検出され、その後、A/D変換器510によってアナログ値からデジタル値へと変換される。
【0050】
A/D変換器510によってアナログ値からデジタル値へと変換された駆動電流の電流値は、静止座標系における電流値iα及びiβとして、図4に示す電流ベクトルの位相θeを用いて次式によって表される。なお、電流ベクトルの位相θeは、α軸と電流ベクトルとの成す角度と定義される。また、Iは電流ベクトルの大きさを示す。
iα=I*cosθe (1)
iβ=I*sinθe (2)
(【0051】以降は省略されています)

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