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公開番号2019205335
公報種別公開特許公報(A)
公開日20191128
出願番号2019050639
出願日20190319
発明の名称単一シートの折り畳み式ソーラーアレイ
出願人ザ・ボーイング・カンパニー,The Boeing Company
代理人園田・小林特許業務法人
主分類H02S 30/20 20140101AFI20191101BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】曲折され、伸展するソーラーアレイの、設計、製造、及び試験を単純化するための単一シートの折り畳み式ソーラーアレイを提供する。
【解決手段】一又は複数のソーラーセル32がフレックス回路30に接続され、フレックス回路30は、単一シートであり、ソーラーセル32と電気接続を行うための一又は複数の導電層を有する可撓性基板で構成され、かつ、ソーラーセル32がフレックス回路30に取り付けられる一又は複数の平坦区域36であって、フレックス回路30が曲折されても平らなままであり、一又は複数の平坦区域36と、フレックス回路30が曲折される平坦区域36と平坦区域36との間の一又は複数の曲折区域38とを含む。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
フレックス回路(30)に接続された一又は複数のソーラーセル(32)を備える装置であって、
前記フレックス回路(30)は、単一シートであり、
前記フレックス回路(30)は、前記ソーラーセル(32)と電気接続を行うための一又は複数の導電層(42)を有する可撓性基板(40)で構成され、
前記フレックス回路(30)は、前記ソーラーセル(32)が前記フレックス回路(30)に取り付けられる一又は複数の平坦区域(36)と、前記フレックス回路(30)が曲折される、前記平坦区域(36)と前記平坦区域(36)との間の一又は複数の曲折区域(38)とを含む、
装置。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
前記フレックス回路(30)が、前記導電層(42)を絶縁するための一又は複数の絶縁層(44)を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記導電層(42)が前記フレックス回路(30)に埋め込まれる、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記導電層(42)が前記フレックス回路(30)上にある、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記平坦区域(36)が前記導電層(42)を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記曲折区域(38)が前記導電層(42)を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記導電層(42)が前記平坦区域(36)において前記ソーラーセル(32)に接続する、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記導電層(42)が、前記平坦区域(36)同士の間で前記曲折区域(38)を横切って、前記ソーラーセル(32)に接続する、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記導電層(42)が前記フレックス回路(30)の外に電流を搬送する、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記フレックス回路(30)が曲折されても前記平坦区域(36)が平らなままである、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記フレックス回路(30)がZ型曲折構成に曲折される、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記フレックス回路(30)が、前記フレックス回路(30)の折り目に対して垂直に伸長するウイング(68a、68b)を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記フレックス回路(30)が、前記ソーラーセル(32)の一又は複数のパネル(34)に接続するように寸法設定される、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記フレックス回路(30)が、前記ソーラーセル(32)の一又は複数のパネル(34)の一部分に接続するように寸法設定される、請求項1から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記曲折区域(38)のうちの1つを横切って延在する複数のフレックス回路(30)が存在する、請求項1から14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記ソーラーセル(32)が前記フレックス回路(30)に機械的に取り付けられる、請求項1から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記フレックス回路(30)及び前記ソーラーセル(32)が展開システム(60、62)に機械的に取り付けられる、請求項1から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記フレックス回路(30)及び前記ソーラーセル(32)が、前記展開システム(60、62)の一又は複数の区域(60)にわたる、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記ソーラーセル(32)が、展開システム(60、62)に機械的に取り付けられている支持構造体(60)に装着される、請求項1から18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記支持構造体(60)が、ポリマー、ポリイミド、繊維ガラス、炭素繊維、アルミニウム、又はメッシュの、一又は複数のシートを備える、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記支持構造体(60)及び前記ソーラーセル(32)が、前記展開システム(60、62)の一又は複数の区域(60)にわたる、請求項19又は20に記載の装置。
【請求項22】
一又は複数のソーラーセル(32)をフレックス回路(30)に接続することを含む方法であって、
前記フレックス回路(30)は単一シートであり、
前記フレックス回路(30)は、前記ソーラーセル(32)と電気接続を行うための一又は複数の導電層(42)を有する可撓性基板(40)で構成され、
前記フレックス回路(30)は、前記ソーラーセル(32)が前記フレックス回路(30)に取り付けられる一又は複数の平坦区域(36)と、前記フレックス回路(30)が曲折される、前記平坦区域(36)と前記平坦区域(36)との間の一又は複数の曲折区域(38)とを含む、
方法。
【請求項23】
フレックス回路(30)に接続された一又は複数のソーラーセル(32)を展開することを含む方法(72)であって、
前記フレックス回路(30)は単一シートであり、
前記フレックス回路(30)は、前記ソーラーセル(32)と電気接続を行うための一又は複数の導電層(42)を有する可撓性基板(40)で構成され、
前記フレックス回路(30)は、前記ソーラーセル(32)が前記フレックス回路(30)に取り付けられる一又は複数の平坦区域(36)と、前記フレックス回路(30)が曲折される、前記平坦区域(36)と前記平坦区域(36)との間の一又は複数の曲折区域(38)とを含む、
方法(72)。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は概してソーラーセルパネルに関し、より具体的には、単一シートの折り畳み式ソーラーアレイに関する。
続きを表示(約 11,000 文字)【背景技術】
【0002】
宇宙船のソーラーアレイは、打ち上げのために格納されている時には、コンパクトなサイズになるように曲折されることが多い。ソーラーアレイはその後、展開時には、発電のためにその表面積を増大させるように、開いて大型構成になる。
【0003】
ソーラーアレイは通常、機械的なヒンジでひとまとめに接続された複数のパネルで構成され、各パネルには、電力を生成するための複数のソーラーセルが配置される。宇宙船に電力を搬送するために、配線は、これらのパネル全体にわたって完成されなくてはならない。
【0004】
既存の手法には、配線の設計、作製、及び試験に労力がかさむことを含む、いくつかの欠点がある。更に、配線は、ソーラーアレイの曲折及び伸展を伴う格納及び展開に、耐えることが可能でなくてはならない。衛星の小型化とソーラーアレイの大型化が、上記の問題を悪化させる。
【0005】
そのため、必要とされているのは、曲折され、伸展するソーラーアレイの、設計、製造、及び試験を単純化するための手段である。
【発明の概要】
【0006】
上述の制限を克服するため、及び、本明細書を読み、理解すれば自明となるその他の制限を克服するために、本開示では、フレックス回路に接続された一又は複数のソーラーセルについて説明する。このフレックス回路は、単一シートであり、ソーラーセルと電気接続を行うための一又は複数の導電層を有する可撓性基板で構成され、かつ、ソーラーセルがフレックス回路に取り付けられる一又は複数の平坦区域であって、フレックス回路が曲折されても平らなままである、一又は複数の平坦区域と、フレックス回路が曲折される、平坦区域と平坦区域との間の一又は複数の曲折区域とを含む。
【0007】
フレックス回路は、導電層を絶縁するための一又は複数の絶縁層を含みうる。導電層は、フレックス回路内に埋め込まれうるか、又はフレックス回路上に堆積されうる。平坦区域と曲折区域の両方が、導電層を含みうる。導電層によって、平坦区域のソーラーセル同士が接続されるだけでなく、平坦区域と平坦区域との間で、曲折区域を越えてソーラーセル同士が接続される。更に、導電層はフレックス回路から電流を運び出す。
【0008】
フレックス回路は、Z型曲折構成に曲折されうる。更に、フレックス回路は、フレックス回路の折り目に対して垂直に伸長するウイングを含みうる。
【0009】
フレックス回路は、ソーラーセルの一又は複数のパネルに接続するように寸法設定されうる。あるいは、フレックス回路は、ソーラーセルの一又は複数のパネルの一部分に接続するように寸法設定されうる。加えて、曲折区域のうちの1つを横切って延在する、複数のフレックス回路が存在することもある。
【0010】
ソーラーセルは、フレックス回路に機械的に取り付けられる。フレックス回路及びソーラーセルは、更に、展開システムの一又は複数の区域にわたるように、展開システムに機械的に取り付けられる。
【0011】
これより図面を参照する。これらの図面全てを通じて、類似の参照番号は対応する部品を表している。
【図面の簡単な説明】
【0012】
小型衛星の画像である。
ソーラーアレイの図である。
単一シートの折り畳み式ソーラーアレイを示す。
フレックス回路の一部分の側断面図である。
ソーラーセルがフレックス回路に取り付けられ、一続きに直列配線されている一例を示す。
ソーラーセルがフレックス回路に取り付けられ、一続きに直列配線されている別の例を示す。
フレックス回路が展開システムにどのように取り付けられうるかを示す。
フレックス回路が展開システムにどのように取り付けられうるかを示す。
フレックス回路と共に使用される別種の展開システムを示す。
単一シートの折り畳み式ソーラーアレイを使用する開放型展開を示す。
衛星向けの単一シートの折り畳み式ソーラーアレイを製造する方法を示す。
図10に示している方法により得られる単一シートの折り畳み式ソーラーアレイを有する衛星を示す。
機能ブロック図の形態の、単一シートの折り畳み式ソーラーアレイの図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明において、本書の一部を形成している添付図面を参照する。これらの図面は、本開示が実践されうる具体例を例示する目的で示されている。その他の例も利用されうること、及び、本開示の範囲から逸脱しなければ構造的な変更がなされうることを、理解されたい。
【0014】
この開示は、フレックス回路であって、その上にソーラーセルの一又は複数のパネルが構築されており、パネルとパネルとの間で曲折されうる、フレックス回路で構成された、単一シートの折り畳み式ソーラーアレイについて説明している。パネルとソーラーセルとの間の配線は、フレックス回路内に埋め込まれるか、又はフレックス回路上に堆積され、ソーラーアレイの設計、製造、及び試験に伴う労働量が低減される。更に、配線は、ソーラーアレイの格納及び展開に耐えることが可能である。この構造により、従来技術を凌駕するいくつかの利点がもたらされる。
【0015】
図1は、Clyde Space Ltd.によって製造された小型衛星10の画像であり、2つの曲折型ソーラーパネル12a、12bを含む。衛星10自体は、長方形の箱型であり、その側部に1つのソーラーパネル12aを有しており、もう1つのソーラーパネル12bは、衛星10の側部から下方に伸展している。ヒンジ14により、ソーラーパネル12a、12bが連結され、かつ、ソーラーパネル12bが、ソーラーパネル12aから下方に伸展することが可能になっている。ヒンジ14の近隣には、様々な電線16及びその他の構成要素が視認可能である。しかし、ヒンジ14により、使用されうるパネル12a、12bの数が制限されるだけでなく、パネル12a、12bの複雑性及び重量が増大すると共に、電線16に反復的な曲げ伸ばしが行われることで、電線16は損傷のリスクを負うことになる。
【0016】
図2A、図2B、図2C、図2D、及び図2Eは、ソーラーパネル20と伸長可能な三角ブーム構造体22とを有する、MMA Design LLCによって製造されたソーラーアレイ18の図である。図2Aは、格納構成のソーラーアレイ18と、パネル20と、ブーム構造体22とを示しており、図2B及び図2Cは、Z型曲折構成が途中まで展開された時の、ソーラーアレイ18と、パネル20と、ブーム構造体22とを示しており、図2Dは、横方向ウイング24が、Z型曲折構成の伸長に対して直角又は垂直な方向に展開されている、Z型曲折構成が完全に伸長した時のソーラーアレイ18と、パネル20と、ブーム構造体22とを示しており、かつ、図2Eは、Z型曲折構成の側面図26である。図2Aに示しているように、ソーラーアレイ18は、格納時には平らになるように曲折される。図2B及び図2Cに示しているように、ブーム構造体22が、ソーラーアレイ18を伸長させ、伸展させる。図2Dに示しているように、ソーラーアレイ18のパネル20は、格納時には非常にコンパクトになる一方で、展開時には、大量の太陽電力を提供するために、非常に広い面積を占めることになる。しかし、ソーラーアレイ18は機械的に複雑であり、パネル20の配線は手間がかかるものである。
【0017】
図3は、この開示による、単一シートの折り畳み式ソーラーアレイ28を示している。単一シートの折り畳み式ソーラーアレイ28は、一又は複数のソーラーセル32が機械的に取り付けられている単一シートである、フレックス回路30で構成され、ソーラーセル32は一又は複数のパネル34に配置され、パネル34の各々は、ソーラーセル32の二次元(2D)アレイを備える。この例では、3つのパネル34が示されており、パネル34の各々は、4行及び4列に配置された、ソーラーセル32の4×4アレイを備える。
【0018】
フレックス回路30は、ソーラーセル32のパネル34が装着される一又は複数の平坦区域36と、フレックス回路30が曲折されうる、平坦区域36同士を隔てる一又は複数の曲折区域38とを含む。フレックス回路30は、平坦区域36と平坦区域36の間の曲折区域38で曲折されうると共に、平坦区域36は実質的に平らなままであるという、利点を有する。曲折区域38により、ソーラーアレイ28が曲折されて、格納のためによりコンパクトな形状になることが、可能になる。
【0019】
フレックス回路30は、ソーラーセル12の一又は複数のパネル34に接続するように寸法設定されうる。あるいは、フレックス回路30は、ソーラーセル12の一又は複数のパネル34の一部分に接続するように寸法設定されうる。加えて、曲折区域38のうちの1つを横切って延在する、複数のフレックス回路30が存在することもある。
【0020】
図4は、この開示による、フレックス回路30の一部分の側断面図である。フレックス回路30は、ソーラーセル32と電気接続を行うための少なくとも1つの導電層42を有する、可撓性基板40を備える。導電層42は、電気接続のための埋め込まれた導電体又は配線を提供するよう、パターニングされうる。
【0021】
一例では、導電層42は、フレックス回路30における少なくとも2つの絶縁層(すなわち可撓性基板40と絶縁層44)の間に挟まれ、絶縁層44は、接着剤46を使用して、導電層42及び可撓性基板40の上に積層される。
【0022】
この例では、可撓性基板40はポリイミド又は別のポリマーであり、導電層42は銅(Cu)又は別の金属若しくは合金であり、絶縁層44はポリイミド又は別のポリマーであり、かつ、接着剤46は、ポリマー向けの宇宙認証された(space−qualified)接着剤である。
【0023】
他の例では、フレックス回路30は、積層構造になっている1つ以上の導電層42を有しうる。更なる導電層42の各々は、2つの絶縁層(例えば、絶縁層44と更なる絶縁層44、又は2つの更なる絶縁層44)の間に挟まれていることにより、ソーラーセル32と電気接続を行うための埋め込まれた導電体又は配線を提供する。
【0024】
導電層42は、ソーラーセル32と電気接続を行うために露出していることもあることに、留意されたい。あるいは、導電層42とソーラーセル32とを電気接続させるために、ビア、相互接続部、その他の導電体、又はその他の構造体が使用されうる。
【0025】
フレックス回路30を使用する利点の1つは、製造の時点で導電層42がフレックス回路30に埋め込まれ、一又は複数の平坦区域36及び曲折区域38全体に延在することにより、配線を取り付けるための追加的な製造労力が必要なくなるか、又はほとんど必要なくなることである。好ましくは、フレックス回路30内の導電層42は、結果として得られる導電体が薄くなる(例えば、1ミリメートルをずっと下回る厚さになる)ようにパターニングされることによって、曲げが容易になり、かつ曲げによる損傷を受けなくなる。
【0026】
この構造は、配線を挟持する従来型のソーラーパネルよりもフレキシブルなものになる。この構造を使用することで、ソーラーセル32は、複数の連結体(string)に組み立てられ、フレックス回路30に取り付けられうる更に、上記の相互参照応用で説明しているソーラーアレイの製造のための角部接続手法は、この単一シートの曲折ソーラーアレイ28の構成には理想的である。
【0027】
図5は、48のソーラーセル32が、フレックス回路30に取り付けられ、100Vの出力を生成するよう一続きに直列配線されている、一例を示している。この例では、フレックス回路30の3つの平坦区域36に装着され、かつ、フレックス回路30の2つの曲折区域38によって隔てられた、3つのパネル34が存在している。パネル34の各々は16のソーラーセル32を包含しており、ソーラーセル32は、第1パネル34ではA1〜A16と、第2パネル34ではA17〜A32と、第3パネル34ではA33〜A48と標識されている。矢印48の曲線は、A1〜A5と標識された、直列接続されたソーラーセル32の間の電流の流れを示している。
【0028】
フレックス回路30に埋め込まれている導電体50が、一続きになっている48のセルにおいて、ソーラーセル32同士を接続する。A1、A2、A3と標識されたソーラーセル32の間では、上記の導電体50は、隣り合ったソーラーセル32同士を繋ぐだけである。パネル34の行の先頭では、ソーラーセル32同士が背中合わせになっている(例えばA8とA9)。ここで、導電体50は、A8と標識されたソーラーセル32の角領域から、A9と標識されたソーラーセル32の角領域まで延在している。このシーケンスは、A16及びA17と標識されたソーラーセル32へと続く。導電体50は、ここでも、2つのソーラーセル32の角領域同士を接続する。ここには、ソーラーアレイ28が曲折されうる、A16と標識されたソーラーセル32とA17と標識されたソーラーセル32との間に、広い間隙(すなわち曲折区域38)が存在している。曲折区域38には、フレックス回路30の薄型可撓層だけが存在する。
【0029】
この例では、角部接続手法が説明されているが、線状紐部及び端部タブが実装される、より従来的なソーラーセル接続手法が使用されることもある。この開示の基本的な部分は、平坦区域36自体だけでなく、平坦区域36と平坦区域36の間の曲折区域38における配線も、フレックス回路30に埋め込まれることである。
【0030】
同じくフレックス回路30に埋め込まれる導電体52は、ソーラーセル32の複数の連結体を終端させ、かつ、電流を、ソーラーセル32から離れ、かつソーラーアレイ28から出て宇宙船(図示せず)に至るように、搬送する。
【0031】
この例では、48のソーラーセル32の連結長が示されており、この長さは、単一のパネル34の各々における16のソーラーセルよりも長い。更にこの例では、連結体の終端は全て、ソーラーセル32の列の先頭又は最後尾にある。
【0032】
図6は、図5に示している単一のパネル34における16のソーラーセルよりも短い、単一のパネル34における13のソーラーセルの連結長を有する、一例を示している。フレックス回路30に埋め込まれている導電体50は、ここでも、ソーラーセル32の間の直列接続を示している。フレックス回路30に埋め込まれている導電体52が、A1〜A13と標識されたソーラーセル32による第1の連結体を終端させている。ソーラーセル32の各々の角部の間には導電体50があり、導電体50は、ソーラーセル32の間の架橋線であり、かつ、フレックス回路30に埋め込まれている。
【0033】
フレックス回路30に埋め込まれている導電体54が、B1〜B13と標識されたソーラーセル32による第2の連結体を終端させている。1つの導電体54は、A13と標識されたソーラーセル32の下を通って、B1と標識されたソーラーセル32に接続している。別の導電体54は、C2及びC1と標識されたソーラーセル32の下を通って、B13と標識されたソーラーセル32に接続している。
【0034】
フレックス回路30に埋め込まれている導電体56が、C1〜C13と標識されたソーラーセル32による第3の連結体を終端させている。1つの導電体56は、C2と標識されたソーラーセル32の下を通って、C1と標識されたソーラーセル32に接続している。別の導電体56は、C11及びC12と標識されたソーラーセル32の下を通って、C13と標識されたソーラーセル32に接続している。
【0035】
D1と標識されたソーラーセル32がパネル34の先頭行にあり、導電体58が、フレックス回路30の上部エッジに沿って(フレックス回路30上とフレックス回路30内のいずれかで)、D1と標識されたソーラーセルに接続されている。これは、Z型曲折構成を使用するために、直列接続されたソーラーセル32が、どのようにフレックス回路30の曲折区域38を横切って容易に接続されうるかを、示している。加えて、13のソーラーセル32の回路を完成させるためには、D9と標識されたソーラーセル32が、他のパネル34上又は他のフレックス回路30上のソーラーセル32に接続されることになる。
【0036】
一例では、図5及び図6に示している導電体50、52、54、56、58は、フレックス回路30の同一の導電層42に埋め込まれ、したがって、互いに交差可能ではない。しかし、代替例であれば、導電体50、52、54、56、58は、フレックス回路30の別々の導電層42に埋め込まれる。これにより、導電体50、52、54、56、58は、互いに上又は下を通って交差することが可能になる。フレックス回路30には任意の数の絶縁層44及び導電層42が存在しうる。ただし、これにより、製造に際して更なる費用がかかり、フレックス回路30がより厚くなりうると共に、フレックス回路30の質量が増大しうる。
【0037】
図7D、図7B、図7C、図7D、及び図7Eは、フレックス回路30及びソーラーセル12が、展開システムにどのように取り付けられうるかを示している。この例では、展開システムは、ヒンジ62を介して接続された複数の剛性パネル60であって、フレックス回路30の平坦区域36が各剛性パネル60の一方の側に取り付けられており、かつ、フレックス回路30の曲折区域38が剛性パネル60の間に配置されている、剛性パネル60を伴う。具体的には、図7Aは格納構成の剛性パネル60を示す側面図であり、図7Bは、Z型曲折構成が途中まで展開された時の、剛性パネル60を示す側面図であり、図7Cは、完全に展開され、伸長した時の、平らになっている剛性パネル60を示す側面図である。この展開システムでは、フレックス回路30の表と裏が交互になるようにひとまとめに曲折されることにより、Z型曲折構成となる。あるいは、剛性パネル60を、フレックス回路30の平坦区域36を少なくとも名目上は平らに保つための、多種多様な構造体で置き換えることも可能である。
【0038】
図7D及び図7Eは、ヒンジ62でひとまとめに連結された2つの剛性パネル60の正面図である。図7Dはフレックス回路30が装着されていない剛性パネル60を示し、図7Eはフレックス回路30が装着されている剛性パネル60を示している。図7Dに図示しているように、各剛性パネル60は、長方形の支持構造を有するフレームである。図7Eに示しているように、各剛性パネル60は、フレックス回路30の外周部に沿ってフレックス回路30を支持する。具体的には、剛性パネル60は、フレックス回路30を支持するために使用されると共に、曲折区域38がヒンジ62によって曲折されること、及び平坦区域36を少なくとも名目上は平らに保つことを、可能にする。
【0039】
他の例では、剛性パネル60の外周部に沿って、又はその内部に、フレックス回路30の平坦区域36に更なる支持を提供する、その他の支持要素(ストラット(struts)、紐状部、メッシュ構造体、又はその他の要素など)が存在することもある。
【0040】
この種のアセンブリにより、ソーラーアレイの製造における製造フローが劇的に変化する。従来的には、剛性パネルにソーラーセルが配置され、これが完了してから、パネルがソーラーセルに組み立てられる。この例では、剛性パネル60及びヒンジ62を含むアセンブリは、ソーラーセル32がフレックス回路30に装着されるのと同時に、構築され、試験されてよく、その後に、フレックス回路30及びソーラーセルが剛性パネル60に機械的に取り付けられて、ソーラーアレイ28が完成しうる。これにより、製造を完遂するのにかかる貴重な時間が大幅に減少する。
【0041】
しかし、フレックス回路30以外の支持構造体が使用されることもある。例えば、ソーラーセル32は、展開システムに機械的に取り付けられうる任意の支持構造体(アルミニウムシート、メッシュ、炭素繊維シート、又は繊維ガラスシートなど)に装着されることもある。フレックス回路30及び/又はその他の支持構造体は、展開システムの単一の区域に取り付けられることも、展開システムの複数の区域にわたって取り付けられることもある。
【0042】
図8A及び図8Bは、ソーラーセル(図示せず)が常にフレックス回路30の同一の側に来る、別種の展開システムを示している。この例では、ソーラーセルは、フレックス回路30の一方の側(例えば外向きの面)に装着される。フレックス回路30は、カプラ64に取り付けられてから、格納のために衛星本体66の周りを覆う。これにより、図8Aに示しているように、平坦区域36は平らなままになり、曲折区域38は曲折される。展開すれば、フレックス回路30は、図8Bに示しているような平坦シートに伸展され、伸長する。この例では、フレックス回路30は、格納時及び展開時の適切な形状の維持を確実にするために、より剛性が高い裏当材(繊維ガラスなど)を含みうる。
【0043】
この開示は、ソーラーセル32がある平坦区域36と、ソーラーセル32がない曲折区域38とを有する単一シートである、フレックス回路30を伴う。フレックス回路30における配線は、平坦区域36と曲折区域38の両方にわたり、かつ非常にフレキシブルである。図7Aから図7E、及び図8Aから図8Bは、この基本構造が、一般的な展開機構にどのように適用されうるかを示している。
【0044】
図7Aから図7E、及び図8Aから図8Bの展開システムは、フレックス回路30が、1つの次元においてどのように伸長しうるかを示すものでもある。側方ウイングによって、更なる展開が達成されうる。フレックス回路30が第1次元で伸長するにつれて、側方ウイングも、図2に示している手法と同様に、第1次元に対して直角又は垂直に開きうる。
【0045】
図9は、一例による、単一シートの折り畳み式ソーラーアレイ28を使用する2D開放型展開を示している。この例では、単一シートの折り畳み式ソーラーアレイ28はウイング68a、68bを含み、ウイング68a、68bは、矢印の方向に、フレックス回路30の中心区域の方向に(例えば、それぞれ上向きと下向きに)曲折される。次いで、フレックス回路30は曲折区域38で曲折されて、単一シートの折り畳み式ソーラーアレイ28のZ型曲折構成が創出される。この例では、フレックス回路30が、曲折区域38に、ウイング68a、68bを画定する切り欠き70を有することにより、各ウイング68a、68bが個別に伸長することが可能になる。フレックス回路30に埋め込まれた配線により、平坦区域36のソーラーセル32と、曲折区域38のソーラーセル32と、ウイング68a、68bのソーラーセル32とが接続される。
【0046】
この例では、フレックス回路30は、フレックス回路30上のソーラーセル32のパネル34と実質的に同じ寸法を有するしかし、フレックス回路30は、パネル34の一部分のみとなる寸法を有することもある。加えて、フレックス回路30は、第1パネル34の一部分を含み、曲折区域38を横切って延在し、かつ第2パネル34の一部分を含むことが可能である。1を上回る数のフレックス回路30が、単一の曲折区域38を横切って延在することもある。これは、フレックス回路配線を一連の剛性パネルに適用する場合に、特に有益である。
【0047】
本開示の例は、衛星向けの単一シートの折り畳み式ソーラーアレイ28を備える装置を製造する方法72に照らして説明されうる。方法72は、図10に示しているステップ74〜86を含み、これによって得られる、単一シートの折り畳み式ソーラーアレイ28を有する衛星88を、図11に示している。
【0048】
図10に示しているように、例示的な方法72は、製造前段階において、ソーラーアレイ28及び/又は衛星88の仕様及び設計74と、それらのための材料の調達76とを含みうる。製造段階では、ソーラーアレイ28及び/又は衛星88のコンポーネント及びサブアセンブリの製造78とシステムインテグレーション80とが行われ、これは、ソーラーアレイ28及び/又は衛星88の製造を含む。その後、ソーラーアレイ28及び/又は衛星88は、運航84に供されるために認可及び納品82を経うる。ソーラーアレイ28及び/又は衛星88には、打ち上げ前に、整備及び保守86(改変、再構成、改修などを含む)が予定されることもある。
【0049】
方法72の各プロセスは、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例えば顧客)によって実施されうるか、又は実行されうる。本明細書において、システムインテグレータは、任意の数のソーラーセルの、ソーラーセルパネルの、衛星の、又は宇宙船の製造者及び主要システム下請業者を含みうるが、それらに限定されるわけではなく、第三者は、任意の数の供給業者、下請業者、及びサプライヤを含みうるが、それらに限定されるわけではなく、オペレータは、衛星企業、軍事団体、サービス機関などでありうる。
【0050】
図11に示しているように、例示的な方法72によって製造された衛星88は、システム90と、本体92と、一又は複数の単一シートの折り畳み式ソーラーアレイ28と、一又は複数のアンテナ94とを含みうる。衛星88と共に含まれるシステム90の例は、推進システム96、電気システム98、通信システム100、及び動力システム102のうちの1つ又は複数を含むが、それらに限定されるわけではない。任意の数の他のシステム90も含まれうる。
(【0051】以降は省略されています)

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