TOP特許意匠商標
特許ウォッチ DM通知 Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2019205334
公報種別公開特許公報(A)
公開日20191128
出願番号2019042759
出願日20190308
発明の名称電力系統状態評価装置、およびプログラム
出願人株式会社東芝,東芝エネルギーシステムズ株式会社
代理人特許業務法人酒井国際特許事務所
主分類H02J 3/00 20060101AFI20191101BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】電力系統の過渡計算処理の実行に要する時間を減らすことができる。
【解決手段】実施形態の電力系統状態評価装置は、設定部と、第1潮流計算部と、第2潮流計算部と、過渡計算部と、を備える。設定部は、電力系統内の少なくとも1つの送電設備を停止した複数の第1評価条件を設定する。第1潮流計算部は、複数の第1評価条件のそれぞれにおける電力系統の第1潮流状態を計算する。第2潮流計算部は、電力系統内の負荷への送電が成立する潮流状態の成立条件を満たす第1潮流状態が得られた第1評価条件において更に1つの送電設備が停止した複数の第2評価条件のそれぞれにおける電力系統の第2潮流状態を計算する。過渡計算部は、第2潮流状態が成立条件を満たす第2評価条件において電力系統が不安定になるか否かを判断する過渡計算処理を実行する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電力系統内の少なくとも1つの送電設備を停止した複数の第1評価条件を設定する設定部と、
複数の前記第1評価条件のそれぞれにおける前記電力系統の第1潮流状態を計算する第1潮流計算部と、
前記電力系統内の負荷への送電が成立する潮流状態の成立条件を満たす前記第1潮流状態が得られた前記第1評価条件において更に1つの前記送電設備が停止した複数の第2評価条件のそれぞれにおける前記電力系統の第2潮流状態を計算する第2潮流計算部と、
前記第2潮流状態が前記成立条件を満たす前記第2評価条件において前記電力系統が不安定になるか否かを判断する過渡計算処理を実行する過渡計算部と、
を備える電力系統状態評価装置。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
前記第2潮流状態が前記成立条件を満たさない前記第2評価条件において前記電力系統内の少なくとも1つの前記負荷への電力の供給を遮断した複数の第3評価条件のそれぞれにおける前記電力系統の第3潮流状態を計算する第3潮流計算部をさらに備え、
前記過渡計算部は、さらに、前記第3潮流状態が前記成立条件を満たす前記第3評価条件における前記過渡計算処理を実行する請求項1に記載の電力系統状態評価装置。
【請求項3】
前記第2潮流状態が予め設定された選定条件を満たす前記第2評価条件を選定し、かつ前記第3潮流状態が前記選定条件を満たす前記第3評価条件を選定する選定部をさらに備え、
前記過渡計算部は、前記選定部により選定される前記第2評価条件および前記第3評価条件における前記過渡計算処理を実行する請求項2に記載の電力系統状態評価装置。
【請求項4】
前記選定部は、
前記第1評価条件から前記第2評価条件に変化した場合における前記電力系統内の電力供給部の出力の変化量が大きい順に前記第2評価条件をソートし、前記変化量が大きい前記第2評価条件から順に、前記過渡計算処理によって前記電力系統が安定であると判断される前記第2評価条件まで選定し、かつ
前記第1評価条件から前記第3評価条件に変化した場合における前記変化量が大きい順に前記第3評価条件をソートし、前記変化量が大きい前記第3評価条件から順に、前記過渡計算処理によって前記電力系統が安定であると判断される前記第3評価条件まで選定する請求項3に記載の電力系統状態評価装置。
【請求項5】
前記選定部は、
前記第1評価条件から前記第2評価条件に変化した場合における前記電力系統内の発電機の内部位相角または角速度の偏差が予め設定された値を超えた前記第2評価条件を選定し、かつ
前記第1評価条件から前記第3評価条件に変化した場合における前記発電機の内部位相角または角速度の偏差が前記予め設定された値を超えた前記第3評価条件を選定する請求項3に記載の電力系統状態評価装置。
【請求項6】
前記選定部は、前記第2潮流状態の複数の要素が前記選定条件を満たす前記第2評価条件を選定し、かつ前記第3潮流状態の複数の要素が前記選定条件を満たす前記第3評価条件を選定する請求項3に記載の電力系統状態評価装置。
【請求項7】
前記第3潮流計算部は、前記第2潮流状態が予め設定された特定条件に該当する前記第2評価条件において前記負荷への電力の供給が遮断した前記第3評価条件については前記第3潮流状態を計算しない請求項2から6のいずれか一に記載の電力系統状態評価装置。
【請求項8】
前記特定条件は、前記電力系統内において予め設定された電圧範囲内の電圧が印加されない箇所が、タップ付き変圧器の低圧側の前記負荷であることである請求項7に記載の電力系統状態評価装置。
【請求項9】
前記特定条件は、前記電力系統内において予め設定された電圧範囲内の電圧が印加されない箇所が、前記電力系統内において発電機との間に前記負荷が存在しない変圧器の高圧側であることである請求項7に記載の電力系統状態評価装置。
【請求項10】
前記特定条件は、前記第1潮流状態から前記第2潮流状態に変化した場合における前記電力系統内の発電機からの出力の変化量が規定値以上であることである請求項7に記載の電力系統状態評価装置。
【請求項11】
前記規定値は、前記電力系統が不安定と判断される前記第2評価条件における前記変化量の閾値である請求項10に記載の電力系統状態評価装置。
【請求項12】
前記規定値は、少なくとも前記電力系統内の発電機の慣性定数に応じて変化させる請求項10に記載の電力系統状態評価装置。
【請求項13】
前記特定条件は、前記電力系統における前記送電設備の接続構造が、前記第3潮流計算部において前記第3潮流状態を計算済みの前記第3評価条件における前記接続構造と同一であることである請求項7に記載の電力系統状態評価装置。
【請求項14】
前記設定部は、停止させる前記送電設備の数の分、前記第1評価条件を設定する請求項1から13のいずれか一に記載の電力系統状態評価装置。
【請求項15】
前記設定部は、前記負荷の複数の負荷条件のそれぞれと、停止させる前記送電設備と、の組合せを前記第1評価条件として設定する請求項1から14のいずれか一に記載の電力系統状態評価装置。
【請求項16】
前記第1潮流状態の計算結果、前記第2潮流状態の計算結果、前記第3潮流状態の計算結果、および前記過渡計算処理の実行結果の少なくとも1つを表示部に表示させる表示制御部をさらに備える請求項2に記載の電力系統状態評価装置。
【請求項17】
コンピュータを、
電力系統内の少なくとも1つの送電設備を停止した複数の第1評価条件を設定する設定部と、
複数の前記第1評価条件のそれぞれにおける前記電力系統の第1潮流状態を計算する第1潮流計算部と、
前記電力系統内の負荷への送電が成立する潮流状態の成立条件を満たす前記第1潮流状態が得られた前記第1評価条件において更に1つの前記送電設備が停止した複数の第2評価条件のそれぞれにおける前記電力系統の第2潮流状態を計算する第2潮流計算部と、
前記第2潮流状態が前記成立条件を満たす前記第2評価条件において前記電力系統が不安定になるか否かを判断する過渡計算処理を実行する過渡計算部と、
として機能させるためのプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電力系統状態評価装置、およびプログラムに関する。
続きを表示(約 10,000 文字)【背景技術】
【0002】
電力系統内の送電設備の高経年化が進み、想定される耐用年数を超えて使用されている送電設備も増加している。そこで、電力系統の供給信頼度を一定に保ちつつ、高経年化した送電設備を使用するなどして、電力系統に対する投資コストを抑制しつつ、故障などのリスクを低減する設備更新計画の策定手法が求められている。
【0003】
また、送電設備の一部を更新や点検のために停止させている状態で運用している電力系統において、送電設備の故障などによって、さらなる送電設備の停止が発生すると、電力系統の一部が停電に陥ったり、電力系統全体の運用に不具合が生じたりする可能性がある。
【0004】
そのため、送電設備を停止させた際の電力系統の供給信頼度や送電損失を考慮して、予め設定された基準を満たす最適な送電設備を停止させる技術が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第4020201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の技術では、1つの送電設備を停止させている状態で電力系統を運用している際に、送電設備の故障等により停止させる送電設備がさらに増えた場合における電力系統に対する影響は考慮されていない。
【0007】
また、停止させる送電設備がさらに増えた場合における電力系統に対する影響を評価する手段として、時間域シミュレーションを実施する事前評価方法があるが、演算時間が長くなるシミュレーションを、膨大なケースについて実施する必要があるため、全てのケースについてシミュレーションを実行するためには、膨大な時間を要する。
【0008】
さらに、評価対象となる電力系統の規模が大きかったり、送電設備の数が多かったりすると、シミュレーションに非常に長い時間を要する。そのため、人の判断によって、評価するケースを減らすことがあるが、本来評価するべきケースについてシミュレーションが実行されないというリスクも生じる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の電力系統状態評価装置は、設定部と、第1潮流計算部と、第2潮流計算部と、過渡計算部と、を備える。設定部は、電力系統内の少なくとも1つの送電設備を停止した複数の第1評価条件を設定する。第1潮流計算部は、複数の第1評価条件のそれぞれにおける電力系統の第1潮流状態を計算する。第2潮流計算部は、電力系統内の負荷への送電が成立する潮流状態の成立条件を満たす第1潮流状態が得られた第1評価条件において更に1つの送電設備が停止した複数の第2評価条件のそれぞれにおける電力系統の第2潮流状態を計算する。過渡計算部は、第2潮流状態が成立条件を満たす第2評価条件において電力系統が不安定になるか否かを判断する過渡計算処理を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、第1の実施形態にかかる電力系統状態評価システムが有する電力系統状態評価装置の構成の一例を示す図である。
図2は、第1の実施形態にかかる電力系統状態評価システムにより潮流計算および過渡計算処理を実行する電力系統の一例を示す図である。
図3は、第1の実施形態にかかる電力系統状態評価システムにより設定される第1評価条件の一例を示す図である。
図4は、第1の実施形態にかかる電力系統状態評価システムにより計算される第1潮流状態の一例を示す図である。
図5は、第1の実施形態にかかる電力系統状態評価システムにより設定される第2評価条件の一例を示す図である。
図6は、第1の実施形態にかかる電力系統状態評価システムにおける第2評価条件の選定処理の一例を説明するための図である。
図7は、第1の実施形態にかかる電力系統状態評価システムにおける第2評価条件の選定処理の一例を説明するための図である。
図8は、第1の実施形態にかかる電力系統状態評価システムにおける第2評価条件の選定処理の一例を説明するための図である。
図9は、第1の実施形態にかかる電力系統状態評価システムにおける第2評価条件の選定処理の一例を説明するための図である。
図10は、第1の実施形態にかかる電力系統状態評価システムにおける第2評価条件の選定処理の一例を説明するための図である。
図11は、第2の実施形態にかかる電力系統状態評価システムの構成の一例を示す図である。
図12は、第2の実施形態にかかる電力系統状態評価システムにより設定される第3評価条件の一例を示す図である。
図13は、第5の実施形態にかかる電力系統状態評価システムにおける第1潮流状態の計算結果の表示例を示す図である。
図14は、第5の実施形態にかかる電力系統状態評価システムにおける第2潮流状態の計算結果の表示例を示す図である。
図15は、第5の実施形態にかかる電力系統状態評価システムにおける第3潮流状態の計算結果の表示例を示す図である。
図16は、第5の実施形態にかかる電力系統状態評価システムにおける過渡計算処理の実行結果の表示例を示す図である。
図17は、第6の実施形態にかかる電力系統状態評価システムの構成の一例を示す図である。
図18は、第6の実施形態にかかる電力系統状態評価システムが有する第3潮流計算部の機能構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を用いて、本実施形態にかかる電力系統状態評価装置およびプログラムを適用した電力系統状態評価システムについて説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかる電力系統状態評価システムが有する電力系統状態評価装置の構成の一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態にかかる電力系統状態評価装置は、系統情報記憶部101、評価条件設定部102、第1潮流計算部103、第2潮流計算部104、過渡計算選定部105、過渡計算部106、および系統影響評価部107を有する。
【0013】
系統情報記憶部101は、電力系統の潮流状態の計算に必要な情報である潮流状態情報、および電力系統が不安定になるか否かを判断する過渡計算処理に必要な情報である過渡計算情報等を記憶している。潮流状態情報は、例えば、電力系統の構成、電力系統内の送電設備のインピーダンス、電力系統内の負荷の大きさである。過渡計算情報は、例えば、電力系統内の負荷の特性、電力系統内に電力を供給する電力供給部(例えば、発電機)に関する情報である。
【0014】
評価条件設定部102は、系統情報記憶部101に記憶される潮流状態情報および過渡計算情報に基づいて、過渡計算処理を実行する電力系統の条件を設定する。具体的には、評価条件設定部102は、電力系統内の少なくとも1つの送電設備が停止した複数の第1評価条件C−1を設定する。本実施形態では、評価条件設定部102は、電力系統内の1つの送電設備が停止した第1評価条件C−1を、停止させる送電設備の数の分、設定する。
【0015】
図2は、第1の実施形態にかかる電力系統状態評価システムにより潮流計算および過渡計算処理を実行する電力系統の一例を示す図である。図3は、第1の実施形態にかかる電力系統状態評価システムにより設定される第1評価条件の一例を示す図である。例えば、評価条件設定部102は、図2に示すように、送電設備S1〜S10、負荷L1〜L6、およびノードN1〜N9を含む電力系統の第1評価条件C−1を設定する。
【0016】
送電設備S1〜S10は、ノードN1〜N9間において電力を送電する設備である。以下の説明では、送電設備S1〜S10を区別する必要がない場合には、送電設備Sと記載する。
【0017】
ノードN1〜N3は、電力系統内に電力を供給する電力供給部であり、例えば、発電機や送電端(供給端)である。ノードN4〜N9は、送電設備S1〜S10の接続点である。以下の説明では、ノードN1〜N9を区別する必要がない場合には、ノードNと記載する。
【0018】
負荷L1〜L6は、ノードN4〜N9に接続され、ノードN4〜N9を介して電力の供給を受ける需要家等の負荷である。以下の説明では、負荷L1〜L6を区別する必要がない場合には、負荷Lと記載する。
【0019】
本実施形態では、評価条件設定部102は、電力系統内の送電設備Sのうち停止させる1つの送電設備Sと、電力系統内の負荷Lに想定される条件(例えば、負荷Lの大きさ。以下、負荷条件と言う)と、の組合せを第1評価条件C−1として設定する。
【0020】
例えば、電力系統内の送電設備Sが10個であり、かつ電力系統内の負荷Lに想定される負荷条件が3種類(軽負荷、中負荷、および重負荷)である場合、評価条件設定部102は、図3に示すように、10×3=30個の第1評価条件C−1を設定する。
【0021】
ここで、軽負荷は、負荷Lに想定される最も軽い負荷である。中負荷は、負荷Lに想定される負荷であり、軽負荷より大きい負荷である。重負荷は、負荷Lに想定される負荷であり、中負荷より大きい負荷である。
【0022】
本実施形態では、10個の送電設備Sを有する電力系統の第1評価条件C−1を設定する例について説明するが、複数の送電設備Sを有する電力系統の第1評価条件C−1を設定するものであれば、これに限定するものではない。例えば、評価条件設定部102は、電力系統内の送電設備Sが500個であり、かつ電力系統内の負荷Lに想定される負荷条件が3種類である場合、500×3=1500個の第1評価条件C−1を設定する。
【0023】
本実施形態では、評価条件設定部102は、電力系統内の1つの送電設備Sが停止した状態を第1評価条件C−1として設定しているが、電力系統内の少なくとも1つの送電設備Sが停止した状態を第1評価条件C−1として設定するものであれば、これに限定するものではない。例えば、評価条件設定部102は、電力系統内の2以上の送電設備Sが停止した状態を第1評価条件C−1として設定しても良い。
【0024】
図1に戻り、第1潮流計算部103は、評価条件設定部102により設定された複数の第1評価条件C−1のそれぞれにおける電力系統の潮流状態(以下、第1潮流状態と言う)を計算する。例えば、図2に示すように、電力系統内に10個の送電設備Sが存在しかつ負荷条件が3種類である場合、第1潮流計算部103は、30個の第1評価条件C−1のそれぞれにおける電力系統の第1潮流状態を計算する。
【0025】
図4は、第1の実施形態にかかる電力系統状態評価システムにより計算される第1潮流状態の一例を示す図である。例えば、第1潮流計算部103は、図4に示すように、評価条件設定部102により設定された各第1評価条件C−1におけるノード電圧、送電電力、および送電損失を、第1潮流状態として計算する。ここで、ノード電圧は、ノードNに印加される電圧である。送電電力は、送電設備Sが送電する皮相電力である。送電損失は、電力系統全体の電力の損失である。
【0026】
また、第1潮流計算部103は、第1潮流状態を計算した第1評価条件C−1のうち、予め設定された系統成立条件を満たす第1潮流状態が得られた第1評価条件C−1を選定する。ここで、系統成立条件は、電力系統内の負荷Lへの送電が成立する潮流状態の条件である。本実施形態では、系統成立条件は、ノード電圧の許容変動量、送電電力の上限、および送電損失の上限を含む。
【0027】
ノード電圧の許容変動量は、予め設定された定格電圧(例えば、1.0[PU])を基準として、負荷Lに対する電力の送電が成立するノード電圧の変動量である。送電損失の上限は、負荷Lに対する電力の送電が成立する送電損失の上限(例えば、0.015[PU])である。送電電力の上限は、各送電設備Sに流せる送電電力の上限である。
【0028】
例えば、送電設備S1〜S3の送電電力の上限は1.20[PU]であり、送電設備S4,S5の送電電力の上限は0.50[PU]であり、送電設備S6の送電電力の上限は0.75[PU]であり、送電設備S7の送電電力の上限は0.45[PU]であり、送電設備S8の送電電力の上限は0.60[PU]であり、送電設備S9,S10の送電電力の上限は0.015[PU]である。
【0029】
そして、第1潮流計算部103は、第1評価条件C−1のうち、ノード電圧の許容変動量、送電電力の上限、および送電損失の上限の全てを満たす第1評価条件C−1(条件番号1−2,1−3,1−4,1−5,1−9,1−10の第1評価条件C−1)を選定する。
【0030】
図1に戻り、第2潮流計算部104は、第1潮流計算部103により選定される第1評価条件C−1において更に1つの送電設備Sが停止した複数の第2評価条件C−2のそれぞれにおける電力系統の潮流状態(以下、第2潮流状態と言う)を計算する。すなわち、第2潮流計算部104は、系統成立条件を満たさない第1潮流状態が得られた第1評価条件C−1において更に1つの送電設備Sが停止した評価条件については、潮流状態の計算を行わない。
【0031】
次いで、第2潮流計算部104は、第1潮流計算部103と同様に、第2潮流状態を計算した第2評価条件C−2のうち、第2潮流状態が系統成立条件を満たす第2評価条件C−2を選定する。そして、第2潮流計算部104は、第2潮流状態が系統成立条件を満たす第2評価条件C−2を過渡計算選定部105に通知する。
【0032】
図5は、第1の実施形態にかかる電力系統状態評価システムにより設定される第2評価条件の一例を示す図である。図5に示すように、第2潮流計算部104は、第1潮流計算部103により選定された条件番号1−2,1−3,1−4,1−5,1−9,1−10の第1評価条件C−1において停止させる1つの送電設備Sと、当該送電設備Sに加えて新たに停止させるもう1つの送電設備Sと、負荷条件と、の組合せを第2評価条件C−2として設定する。そして、第2潮流計算部104は、設定した全ての第2評価条件C−2のそれぞれにおける電力系統の第2潮流状態を計算する。
【0033】
図1に戻り、過渡計算選定部105は、第2評価条件C−2のうち、第2潮流計算部104により計算される第2潮流状態が予め設定された選定条件を満たす第2評価条件C−2を、過渡計算処理を実行する第2評価条件C−2として選定する。ここで、予め設定された選定条件は、第1評価条件C−1において重潮流となっている送電設備Sが、第2評価条件C−2に変化した際に停止している場合など、第1評価条件C−1から第2評価条件C−2に変化した際に電力系統の潮流状態が大きく変化することである。
【0034】
図6〜8は、第1の実施形態にかかる電力系統状態評価システムにおける第2評価条件の選定処理の一例を説明するための図である。図6において、縦軸はノードN1の出力の変化量(以下、出力変化量と言う)を表し、横軸は第2評価条件C−2の条件番号を表す。図7において、縦軸はノードN2の出力変化量を表し、横軸は第2評価条件C−2の条件番号を表す。図8において、縦軸はノードN3の出力変化量を表し、横軸は第2評価条件C−2の条件番号を表す。
【0035】
例えば、過渡計算選定部105は、ノードN1〜N3のそれぞれについて、第1評価条件C−1から第2評価条件C−2に変化した際のノードN1〜N3の出力変化量を求める。次いで、過渡計算選定部105は、図6〜8に示すように、出力変化量が大きい順に第2評価条件C−2をソートする。そして、過渡計算選定部105は、出力変化量が大きい第2評価条件C−2から順に、後述する過渡計算部106による過渡計算処理によって電力系統が安定であると判断される第2評価条件C−2まで選定する。
【0036】
図9は、第1の実施形態にかかる電力系統状態評価システムにおける第2評価条件の選定処理の一例を説明するための図である。図9において、縦軸は第1評価条件C−1から第2評価条件C−2に変化した際の電力系統内の発電機(ノードN1〜N3)の内部位相角[度]を表し、横軸は時間[sec]を表す。
【0037】
例えば、過渡計算選定部105は、図9に示すように、第2評価条件C−2(例えば、送電設備S1が停止した第2評価条件C−2、送電設備S3が停止した第2評価条件C−2)のうち、第1評価条件C−1から第2評価条件C−2に変化した場合における発電機(ノードN1〜N3)の内部位相角が予め設定された値(例えば、−180[度])を超えた第2評価条件C−2を選定する。
【0038】
図10は、第1の実施形態にかかる電力系統状態評価システムにおける第2評価条件の選定処理の一例を説明するための図である。図10において、縦軸は第1評価条件C−1から第2評価条件C−2に変化した際の電力系統内の発電機(ノードN1〜N3)の角速度の偏差[%]を表し、横軸は時間[sec]を表す。
【0039】
例えば、過渡計算選定部105は、図10に示すように、第2評価条件C−2(例えば、送電設備S1が停止した第2評価条件C−2、送電設備S3が停止した第2評価条件C−2)のうち、第1評価条件C−1から第2評価条件C−2に変化した場合における発電機(ノードN1〜N3)の角速度の偏差が予め設定された値(例えば、2[%])を超えた第2評価条件C−2を選定する。
【0040】
図1に戻り、過渡計算部106は、過渡計算選定部105により選定される第2評価条件C−2に変化した際に電力系統が不安定となるか否かを判断する過渡計算処理を実行する。ここで、過渡計算処理は、第1評価条件C−1から第2評価条件C−2に変化した際の電力系統が不安定となるか否かを判断するシミュレーション(時間域シミュレーション)である。例えば、過渡計算部106は、第2評価条件C−2に変化した際のノードN1〜N3の出力、負荷Lに印加される電圧等を過渡計算処理によって求める。そして、過渡計算部106は、過渡計算処理の実行結果を、系統影響評価部107に通知する。
【0041】
これにより、1つの送電設備Sを停止させている状態で電力系統を運用している際に、送電設備Sの故障等によって、停止させる送電設備Sが増えた場合における、電力系統に対する影響を評価することが可能となる。また、第2評価条件C−2のうち本来評価すべき第2評価条件C−2(すなわち、送電設備Sが停止した場合でも運用を継続できかつ電力系統が不安定となる可能性が高い第2評価条件C−2)を抽出して電力系統の過渡計算処理を実行できるので、電力系統の過渡計算処理に要する時間を減らすことができ、かつ本来評価すべき第2評価条件C−2について電力系統の過渡計算処理が実行されないリスクを低減することができる。
【0042】
本実施形態では、過渡計算部106は、過渡計算選定部105により選定される第2評価条件C−2における電力系統の過渡計算処理を実行しているが、第2潮流計算部104により第2潮流状態を計算した第2評価条件C−2のうち第2潮流状態が系統成立条件を満たす第2評価条件C−2における電力系統の過渡計算処理を実行するものであれば、これに限定するものではない。すなわち、過渡計算選定部105における第2評価条件C−2の選定を行わなくても良い。
【0043】
系統影響評価部107は、過渡計算部106による過渡計算処理の実行結果に基づいて、過渡計算部106により電力系統の過渡計算処理を実行した第2評価条件C−2において、電力系統の運用が継続可能か否かを判断する。本実施形態では、系統影響評価部107は、第1評価条件C−1から第2評価条件C−2に変化した際に、ノードN1〜N3を構成する発電機の内部位相角や角速度の偏差が予め設定された範囲内にある場合には、第2評価条件C−2において電力系統の運用を継続可能と判断する。一方、系統影響評価部107は、ノードN1〜N3を構成する発電機の内部位相角や角速度の偏差が予め設定された範囲外である場合には、第2評価条件C−2において電力系統の運用を継続できないと判断する。
【0044】
また、本実施形態では、系統影響評価部107は、第1評価条件C−1から第2評価条件C−2に変化した際に、負荷L1〜L6に印加される電圧の変動が予め設定された時間以上継続したか否かに基づいて、第2評価条件C−2において電力系統の運用を継続できるか否かを判断しても良い。
【0045】
このように、第1の実施形態にかかる電力系統状態評価システムによれば、第2評価条件C−2のうち本来評価すべき第2評価条件C−2を抽出して電力系統の過渡計算処理を漏れなく実行でき、かつ、第1評価条件C−1から第2評価条件C−2に変化した際の電力系統が明らかに安定となる条件の時間域シミュレーションを省略することができるので、電力系統の過渡計算処理に要する時間を減らすことができ、かつ本来評価すべき第2評価条件C−2について、電力系統の過渡計算処理が実行されないリスクを低減することができる。
【0046】
(第2の実施形態)
本実施形態は、第2潮流状態が系統成立条件を満たさない第2評価条件において少なくとも1つの負荷への電力の供給を遮断した複数の第3評価条件それぞれにおける電力系統の第3潮流状態を計算し、第3潮流状態が系統成立条件を満たす第3評価条件における電力系統の過渡計算処理を実行する例である。以下の説明では、第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0047】
図11は、第2の実施形態にかかる電力系統状態評価システムの構成の一例を示す図である。図11に示すように、本実施形態にかかる電力系統状態評価システムは、系統情報記憶部101、評価条件設定部102、第1潮流計算部103、第2潮流計算部104、第3潮流計算部601、過渡計算選定部602、過渡計算部603、および系統影響評価部107を有する。
【0048】
第3潮流計算部601は、第2評価条件C−2のうち第2潮流状態が系統成立条件を満たさない第2評価条件C−2において負荷L1〜L6のうち1つの負荷L(以下、制限負荷Lと言う)を停止させた第3評価条件C−3における電力系統の潮流状態(以下、第3潮流状態と言う)を計算する。そして、第3潮流計算部601は、第3潮流状態が系統成立条件を満たす第3評価条件C−3を後述する過渡計算選定部105に通知する。
【0049】
図12は、第2の実施形態にかかる電力系統状態評価システムにより設定される第3評価条件の一例を示す図である。条件番号1−2−1,1−2−3,1−2−4,1−2−5,1−2−6,1−2−7,1−2−8,1−2−9,1−2−10の第2評価条件C−2が、第2潮流状態が系統成立条件を満たさない第2評価条件C−2である場合、第3潮流計算部601は、図12に示すように、第2潮流状態が系統成立条件を満たさない第2評価条件C−2それぞれと、負荷L1〜L6のうち停止させる1つの制限負荷Lと、の組合せを第3評価条件C−3として設定する。そして、第3潮流計算部601は、設定した全ての第3評価条件C−3のそれぞれにおける電力系統の第3潮流状態を計算する。
【0050】
過渡計算選定部602は、第3評価条件C−3のうち、第3潮流計算部601により計算なれる第3潮流状態が予め設定された選定条件を満たす第3評価条件C−3を選定する。
(【0051】以降は省略されています)

関連特許

株式会社東芝
サーバ
株式会社東芝
回路装置
株式会社東芝
回転電機
株式会社東芝
回転電機
株式会社東芝
監視方法
株式会社東芝
支援装置
株式会社東芝
半導体装置
株式会社東芝
自動精算機
株式会社東芝
真空バルブ
株式会社東芝
半導体装置
株式会社東芝
半導体装置
株式会社東芝
半導体装置
株式会社東芝
半導体装置
株式会社東芝
半導体装置
株式会社東芝
半導体装置
株式会社東芝
半導体装置
株式会社東芝
真空開閉装置
株式会社東芝
軌道識別装置
株式会社東芝
真空開閉装置
株式会社東芝
電界紡糸装置
株式会社東芝
信号制御回路
株式会社東芝
GM式冷凍機
株式会社東芝
極低温冷却装置
株式会社東芝
主蒸気入口装置
株式会社東芝
入出場管理装置
株式会社東芝
データ記録装置
株式会社東芝
半導体集積回路
株式会社東芝
線路分岐検出装置
株式会社東芝
情報管理システム
株式会社東芝
密閉容器の放熱機構
株式会社東芝
車室構造の形成方法
株式会社東芝
ケーブルドラム搬送機
株式会社東芝
分析用データ作成装置
株式会社東芝
厚さ測定装置及び方法
株式会社東芝
積層体および半導体装置
株式会社東芝
磁気センサ及び診断装置
続きを見る