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公開番号2019205327
公報種別公開特許公報(A)
公開日20191128
出願番号2018101053
出願日20180525
発明の名称モータ
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人特許業務法人平木国際特許事務所
主分類H02K 5/16 20060101AFI20191101BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】メカニカルシールおよび軸受への潤滑油の供給を効率よく行うことができ、モータの駆動時の温度上昇を抑えることができるモータを提供する。
【解決手段】モータ1のメカニカルシール10は、ロータ3の回転シャフト5に挿通され、シール面11aを有するシールリング11と、回転シャフト5に固定され、シールリング11のシール面11aに接触するシール面12aを有するメイティングリング12と、を備えている。メイティングリング12には、メイティングリング12のシール面12aよりもメイティングリング12の外縁側に、潤滑油が軸受6側に流れる貫通孔14が形成されている。
【選択図】図2A
特許請求の範囲【請求項1】
モータハウジング内にロータとステータとを備え、前記ロータの回転シャフトを前記モータハウジングに回転自在に支持する軸受と、前記軸受よりも前記回転シャフトの端部側に配置され、前記軸受に供給される潤滑油を前記モータハウジングに対してシールするメカニカルシールと、を備えたモータであって、
前記メカニカルシールは、前記ロータの回転シャフトに挿通され、シール面を有するシールリングと、前記回転シャフトに挿通された状態で固定され、前記シールリングのシール面に接触するシール面を有するメイティングリングと、を備えており、
前記メイティングリングには、前記メイティングリングの前記シール面よりも前記メイティングリングの外縁側に、前記潤滑油が前記軸受側に流れる潤滑油通路が形成されていることを特徴とするモータ。
続きを表示(約 150 文字)【請求項2】
前記潤滑油通路は、前記メイティングリングに形成された貫通孔であることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記メイティングリングの外周面には、周方向に沿って延在した複数のフィンが形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のモータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータの回転シャフトを支承する軸受の近傍にメカニカルシールを備えたモータに関する。
続きを表示(約 10,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、この種のメカニカルシールを備えるモータとして、特許文献1には、メカニカルシール構造を備えたモータが提案されている。このモータでは、メカニカルシールのメイティングリングとシールリングとのシール面に潤滑油を保持した状態でこれらをシールするとともに、軸受に潤滑油を供給するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2004−72949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の如きメカニカルシール構造を備えるモータでは、メイティングリングの外周面とモータハウジングとの間から、軸受に潤滑油を供給する構造が採用されることが多い。この際に、ロータで発熱した熱は、メイティングリングから潤滑油に放熱されるが、メイティングリングの表面積が十分確保されていないため、ロータの熱をメイティングリングで、効果的に放熱することは難しい。そこで、メイティングリングの放熱効率を上げるためにメイティングリングの直径を大きくすると、メイティングリングの放熱面積を大きくすることができるが、メイティングリングの外周面とモータハウジングとの間の潤滑油の流路断面が減少してしまうため、軸受に流れる潤滑油の供給を安定して確保することが難しくなる。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、本発明では、ロータの回転シャフトを回転自在に支持する軸受への潤滑油の供給を安定して確保するとともに、モータの駆動時の温度上昇を抑えることができるモータを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題に鑑みて、本発明に係るモータは、モータハウジング内にロータとステータとを備え、前記ロータの回転シャフトを前記モータハウジングに回転自在に支持する軸受と、前記軸受よりも前記回転シャフトの端部側に配置され、前記軸受に供給される潤滑油を前記モータハウジングに対してシールするメカニカルシールと、を備えたモータであって、前記メカニカルシールは、前記ロータの回転シャフトに挿通され、シール面を有するシールリングと、前記回転シャフトに挿通された状態で固定され、前記シールリングのシール面に接触するシール面を有するメイティングリングと、を備えており、前記メイティングリングには、前記メイティングリングの前記シール面よりも前記メイティングリングの外縁側に、前記潤滑油が前記軸受側に流れる潤滑油通路が形成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、モータの駆動時に発生する熱は、ロータの回転シャフトに伝達され、伝達された熱は、回転シャフトに固定されたメイティングリングにさらに伝達される。また、メイティングリングとシールリングとの摩擦熱も加わり、メイティングリングの温度は上昇する。この際、軸受に供給される潤滑油は、メイティングリングのシール面よりも外縁側に形成された潤滑油通路を通して軸受に流れるため、潤滑油でメイティングリングに伝達された熱を吸熱することができる。このような結果、メイティングリングを含むモータの温度上昇を抑えることができ、軸受への潤滑油の供給を安定して行うことができる。
【0008】
ここで、潤滑油通路は、メイティングリングの周縁部に形成された切欠きまたは貫通孔などを挙げることができ、潤滑油を、軸受側に通過させることができるのであれば、特に限定されるものではない。しかしながら、より好ましい態様としては、前記潤滑油通路は、前記メイティングリングに形成された貫通孔である。
【0009】
この態様によれば、潤滑油通路を貫通孔にすることにより、メイティングリングの外面と貫通孔の壁面とにより、メイティングリングの熱を効率的に放熱することができる。切欠きの場合に比べて、メイティングリングに挿通される回転シャフトにより近い位置に、放熱面積のより広い壁面を有した貫通孔が存在するので、潤滑油でメイティングリングに伝達された熱をより効率的に吸熱することができる。
【0010】
さらに、前記したメイティングリングの形状については特に規定されるものでないが、より好ましい態様としては、前記メイティングリングの外周面には、周方向に沿って延在した複数のフィンが形成されている。
【0011】
この態様によれば、メイティングリングの外周面に周方向に沿って複数のフィンを形成することにより、メイティングリングの表面積を増加させることができ、フィンから熱を効率良く放熱することができる。このような結果、潤滑油との熱交換の効率を高めることで、メイティングリングの温度上昇を抑えることができ、結果としてモータの駆動時の温度上昇を抑制できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ロータの回転シャフトを支承する軸受への潤滑油の供給を、メイティングリングの貫通孔により、安定して確保するとともに、モータの駆動時に発熱する熱を、メイティングリングから潤滑油に放熱し、モータの温度上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の実施形態に係るモータの一実施形態を示す断面図である。
図1のメカニカルシール部分を示す要部断面図である。
図2Aのメカニカルシールの分解状態を示す要部断面図である。
図2Aのメカニカルシールのメイティングリングの正面図である。
図3AのA−A線に沿ったメイティングリングの矢視方向の断面図である。
本発明に係るモータの他の実施形態のメカニカルシール部分を示す断面図である。
図4のメカニカルシールのメイティングリングの正面図である。
図5AのB−B線に沿ったメイティングリングの矢視方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に係るモータの一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るモータの断面図、図2Aは、図1のメカニカルシール部分を示す要部断面図、図2Bは、図2Aのメカニカルシールの分解状態を示す要部断面図、図3Aは、図2Aのメカニカルシールのメイティングリングの正面図、図3Bは、図3AのA−A線に沿ったメイティングリングの矢視方向の断面図である。
【0015】
本実施形態のモータ1は、モータハウジング2内にロータ3と、ステータ4とを備えている。モータハウジング2は、モータ1の筐体を構成するものであり、ロータ3とステータ4とを収容している。モータハウジング2は、ロータ3、ステータ4等を収容する本体部2aと、本体部2aの開口を塞ぐ蓋体2bで構成されている。
【0016】
ロータ3は回転シャフト5の外周に固定されており、回転シャフト5は、軸受6,7を介して、モータハウジング2に回転自在に支持されている。軸受6,7には、球軸受などの転がり軸受が用いられている。ステータ4は、モータハウジング2内で、その内壁に沿って固定されている。ロータ3は、例えば永久磁石型のロータであり、ステータ4は、例えばヨークとコイルを備えるものである。
【0017】
モータ1は、軸受6よりも回転シャフト5の端部側に配置されるメカニカルシール10を備えている。本実施形態では、メカニカルシール10は、軸受6に近接している。なお、軸受7にもメカニカルシールを設けるようにしてもよい。メカニカルシール10は、軸受6に供給される潤滑油をモータハウジング2に対してシールする機能を有している。すなわち、潤滑油が軸受6,7に供給される潤滑空間から、潤滑油がモータハウジング2の外部に漏れることを防止している。
【0018】
具体的には、図2Bに示すように、メカニカルシール10は、基本的にはシールリング11と、メイティングリング12と、シールリング11をメイティングリング12に付勢するバネ13と、を備えている。
【0019】
シールリング11は、ロータ3の回転シャフト5に挿通され、シール面11aを有している。シールリング11は、回転シャフト5に沿って移動自在になっている。メイティングリング12は、回転シャフト5に挿通された状態で固定され、シールリング11のシール面11aに潤滑油を介して接触するシール面12aを有している。バネ13は、シールリング11をメイティングリング12に付勢することにより、メイティングリング12のシール面12aに、シールリング11のシール面11aを押圧している。
【0020】
シールリング11のシール面11aは、回転シャフト5の中心軸と直交する方向に延在する平坦面であり、メイティングリング12のシール面12aも、回転シャフト5の中心軸と直交する方向に延在する平坦面であるため、両シール面11a,12aは互いに密着するような平坦面となっている。
【0021】
メイティングリング12は回転シャフト5とともに回転するものであり、シールリング11はモータハウジング2に装着され、バネ13は、シールリング11をメイティングリング12に向けて付勢している。シールリング11のシール面11aと、メイティングリング12のシール面12aとの間には、潤滑油の油膜が形成されている。
【0022】
これにより、シールリング11は、メイティングリング12とともに回転せず、シール面11a,12aに形成された潤滑油の油膜を介してメイティングリング12と密着状態で摺動するようになっている。したがって、シールリング11とメイティングリング12とのシール面11a,12aで潤滑油はシールされる。
【0023】
シールリング11は、モータハウジング2と回転シャフト5とにより形成された取付凹部2c内において、ケース15に収容された状態で、モータハウジング2に装着されている。具体的には、ケース15内にバネ13およびシールリング11が開口から挿入され、バネ13は、シールリング11をメイティングリング12の方向に付勢している。
【0024】
本実施形態では、ケース15の開口方向に延出している薄肉の筒状部15aとシールリング11の段差部との間に、断面が円形のOリング16が介在されている。このOリング16によりケース15とシールリング11との間のシールが形成され、ケース15内部の潤滑油がモータハウジング2の外へ漏れることを防止することができる。
【0025】
また、ケース15には、外周面より内方に向けて突出した突部15bが形成され、突部15bは、シールリング11の外周に形成された凹部11b内に入り込んでいる。突部15bと凹部11bにより、シールリング11がケース15に対して回転することを防止するとともに、シールリング11が回転軸方向に移動する移動量を規制することができる。
【0026】
これにより、シールリング11がケース15内で回転シャフト5とともに回転することを防止し、シール面11aがメイティングリング12のシール面12aに押圧されても、突部15bがバネ13の受金13aに当接して、バネ13により、シールリング11がケース15から飛び出すことを防止することができる。ケース15に形成された突部15bと、シールリング11に形成された凹部11bは、外周面に沿って複数個所に形成されることが好ましい。
【0027】
メイティングリング12は、金属製の円板で形成され、中心孔12bが回転シャフト5の小径部51に圧入により嵌合し、回転シャフト5の小径部51と大径部52との段差に当接している。メイティングリング12は、シールリング11のシール面11aと接触するシール面12aを備えており、両シール面11a,12aは平坦な円滑面に形成されている。
【0028】
メイティングリング12には、メイティングリング12のシール面12aよりもメイティングリング12の外縁側に、潤滑油が軸受6側に流れる貫通孔14が形成されている。より具体的には、本実施形態では、シールリング11のシール面11aで、貫通孔14の一部が覆われないように、貫通孔14は、シールリング11のシール面11aよりも、メイティングリング12の外縁側に形成されている。本実施形態では、貫通孔14は、メイティングリング12のシール面12a側から軸受6側に潤滑油が流れる潤滑油通路である。本実施形態では、貫通孔14は、回転シャフト5の周りの円周上に90°の間隔で、等間隔に4個形成されている。なお、メイティングリング12は金属製に限られるものではなく、セラミック等の円板でもよく、貫通孔は4個に限られるものではない。
【0029】
前記した軸受6は、本実施形態ではアンギュラ型の玉軸受が用いられ、図2Aに示すように、内輪6aが回転シャフト5に圧入嵌合で固定され、外輪6bはモータハウジング2の本体部2aに形成された取付凹部2cに、受部材17とスペーサリング18を介して固定されている。これらの部材を固定した状態で、取付凹部2c内に形成される空間に、潤滑油が流れる油路20(図1参照)の一部が形成される。
【0030】
ここで、スペーサリング18は、軸受6の内輪6aとメイティングリング12との間隔を一定に保っている。メイティングリング12は、受部材17の凹部17a内に位置するように配置されており、凹部17a内で隙間S(図2B参照)が形成されるように設定されている。このような隙間Sを形成することにより、この隙間Sを油路20の一部として、潤滑油を流すことができる。
【0031】
モータ1には、上述したように、軸受6,7に潤滑油を供給する油路20が形成されている。図1に示すように、モータハウジング2の本体部2aには、中心軸CLに沿った方向に、油路20の一部として第1油路20aが形成されている。さらに、軸受6用として、第1油路20aと連通する第2油路20bと、第2油路20b端部から軸受6方向に延長した細径の第3油路20cとが形成されている。また、軸受7用として、第1油路20aに連通するように、蓋体2bの厚さ方向に沿って形成された第4油路20dと、第4油路20dに連通する第5油路20eと、第5油路20eから軸受7方向に延長された細径の第6油路20fと、が形成されている。
【0032】
軸受6用の第3油路20cは、図2A等に示すように、軸受6を固定している受部材17に形成された供給路17bに連通し、供給路17bは、受部材17の端面に開口している。受部材17の端面は、メイティングリング12のシール面12aとシールリング11とのシール面11aとの接触面よりも外周側に位置しており、供給路17bから流れ出た潤滑油が、メイティングリング12のシール面12a側に供給されるように、油路が形成されている。また、図1に示すように、軸受7用の第6油路20fから流れ出た潤滑油が、軸受7に供給されるように、油路が形成されている。
【0033】
前記した軸受6,7に潤滑油を供給すべく、油路20に潤滑油を送る循環装置21は、図1に示すように、循環ポンプ22と循環用モータ23とを備えている。モータハウジング2は、本体部2aの下部に、軸受6,7に供給された潤滑油が滴下して溜まるオイルパン2dを備えている。そして、循環装置21は、オイルパン2dで溜められた潤滑油を循環ポンプ22に送る配管25と、循環ポンプ22からモータハウジング2の第1油路20aに潤滑油を送る配管26とを備えている。
【0034】
前記の如く構成された本実施形態のモータ1の作用について以下に説明する。モータ1を駆動するときは、まず潤滑油の循環装置21を作動させる。これにより、軸受6,7に潤滑油が強制的に供給される。具体的には、モータハウジング2のオイルパン2dに貯留された潤滑油は、循環用モータ23で駆動された循環ポンプ22により配管25,26を通して送出され、モータハウジング2の上部の注入口から第1油路20aに注入される。注入された潤滑油は、第1油路20a、第2油路20b、第3油路20cの順に、これらを通過し(図1の矢印Y1参照)、受部材17の供給路17bの開口から放出される(図2Aの矢印Y2参照)。
【0035】
潤滑油の一部は、シールリング11のシール面11aと、メイティングリング12のシール面12aとの接触面に供給され、これらの間に油膜が形成される。さらに、メイティングリング12の貫通孔14を通して軸受6に潤滑油が供給される(図2Aの矢印Y3参照)とともに、メイティングリング12の外周面12cを通過して、軸受6に潤滑油が供給される(図2Aの矢印Y4参照)。
【0036】
一方、第1油路20aから、これと連通する第4油路20dに潤滑油が流れ、さらに、潤滑油は、第5油路20e、第6油路20fの順にこれらを通過し、軸受7に供給される(図1の矢印Y5参照)。そして、軸受6に供給された潤滑油は、図1の矢印Y6のように流れ、オイルパン2dに貯留される。なお、軸受7に供給された潤滑油も、図示していないが、同様に滴下し、オイルパン2dに貯留される。そして、貯留された潤滑油が循環装置21で送出される。このようにして、潤滑油の循環経路が形成される。
【0037】
このあと、モータ1に通電して、モータ1のロータ3を回転させると、回転シャフト5に固定されたメイティングリング12は一体的に回転する。このとき、シールリング11は回転シャフト5とともに回転しないため、メイティングリング12のシール面12aと、シールリング11のシール面11aとの接触面に供給された潤滑油により、シール面11aとシール面12aの全周に潤滑油の油膜が形成される。
【0038】
このように、メカニカルシール10に潤滑油を供給することで、シールリング11のシール面11aと、メイティングリング12のシール面12aとの間に、油膜が形成されるため、シール面11a,12a同士の摩耗を抑制できるとともに、円滑な摺動が可能となる。また、摺動するシール面11a,12a同士から発生する騒音を抑制することができる。そして、シール面11a,12a同士が潤滑油の油膜で覆われるため、シール性能が安定して、モータハウジング2から外部への潤滑油の漏洩を防止できる。
【0039】
さらに、モータ1の駆動時に発生する熱は、ロータ3の回転シャフト5に伝達され、伝達された熱は、回転シャフト5に固定されたメイティングリング12にさらに伝達される。また、メイティングリング12とシールリング11との摩擦熱も加わり、メイティングリングの温度は上昇する。
【0040】
この際、軸受6に供給される潤滑油は、メイティングリング12の外縁側に形成された貫通孔14を通して軸受6に流れるとともに、メイティングリング12の外周面12cを通過して軸受6に流れるため、潤滑油でメイティングリング12に伝達された熱を吸熱することができる。このような結果、メイティングリング12を含むモータ1の温度上昇を抑えることができ、軸受6への潤滑油の供給を安定して行うことができる。これにより、モータ1の磁気特性の低下を抑えることができる。特に、ロータ3に、永久磁石を用いる場合には、昇温による永久磁石の減磁を抑えることができる。
【0041】
さらに、油路20である潤滑油通路として、たとえば、貫通孔14の代わりにメイティングリング12の周縁部に切欠きを設けてもよいが、本実施形態の如く、貫通孔14を設けることにより、切欠きの場合に比べて、メイティングリング12により広い放熱面積を確保することができる。さらに、切欠きの場合に比べて、メイティングリング12に挿通される回転シャフト5により近い位置に、放熱面積のより広い壁面を有した貫通孔14を設けることができるため、潤滑油でメイティングリング12に伝達された熱をより効率的に吸熱することができる。
【0042】
つぎに、本発明に係るモータの他の実施形態を図4,図5A,および図5Bに基づき詳細に説明する。図4は、本発明に係るモータの他の実施形態のメカニカルシール部分を示す要部断面図であり、図5Aは、図4のメカニカルシールのメイティングリングの正面図であり、図5Bは、図5AのB−B線に沿ったメイティングリングの矢視方向の断面図である。なお、この実施形態は、前記した実施形態に対し、メイティングリングの形状が異なり、メイティングリングの外周面にフィンが形成されている。そして、他の実質的に同等の構成については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0043】
本実施形態のモータ1Aでは、メカニカルシール10Aのメイティングリング30は、金属製の円板で形成され、回転シャフト5の中心軸CLと直交する方向に延在するシール面30aを備えている。メイティングリング30は、中心孔30bが、回転シャフト5の小径部51に圧入により嵌合し、回転シャフト5の小径部51と大径部52との段差に当接している。メイティングリング30のシール面30aは、シールリング11のシール面11aと接触し、両シール面30a,11aに潤滑油が供給されて油膜が形成され、動的シールが形成されている。
【0044】
そして、メイティングリング30には、メイティングリング30のシール面30aよりもメイティングリング30の外縁側に、潤滑油が軸受側に流れる貫通孔31が形成されている。本実施例においても、この貫通孔31は、回転シャフト5の周りの円周上に等間隔で4個形成されている。メイティングリング30の外周面30cには、周方向に沿って延在したフィン32が複数形成されている。本実施例において、フィン32は2本平行に突出して形成されている。フィン32の断面は、矩形状となっている。
【0045】
本実施形態においては、メイティングリング30は、外縁に複数のフィン32が形成されているため、メイティングリング30の表面積を大きくできるとともに、潤滑油がフィン32に沿って全周に亘って形成された溝部に潤滑油が入り込むことができ、放熱性能が向上する。このため、シールリング11とメイティングリング30との接触による摩擦熱を、より効率よく放熱することができ、モータ1Aの温度上昇を抑制することができる。
【0046】
メイティングリング30の外縁に形成されたフィンは、前記のように断面が矩形のものに限られず、半円状、山型状、台形状等、適宜の形状とすることができる。いずれにしても、メイティングリングの外縁の表面積を大きくするものであれば、形状はいかなるものでもよい。また、フィンの個数は、2個に限定されるものでなく、フィンが3個以上形成されていてもよい。
【0047】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
【0048】
本実施形態では、メイティングリングの外縁側に形成された貫通孔が、円周上に等間隔で4個形成された例を示したが、さらに多数とすることで、軸受への潤滑油の供給を増量することができ、貫通孔内を流通する潤滑油により、モータの温度上昇をさらに抑えることができる。
【0049】
さらに、本実施形態では、メイティングリングのシール面よりもメイティングリングの外縁側に、潤滑油が前記軸受側に流れる貫通孔を複数設けたが、たとえば、上述した如く、メイティングリングのシール面よりもメイティングリングの外縁側に、潤滑油が軸受側に流れるように、メイティングリングの外縁の一部を切欠いた切欠きを複数設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の活用例として、前記した実施形態のモータを用いて各種の装置に使用することができ、前記実施形態のモータを取付けることによって圧縮装置やポンプモータを駆動源とする各種の装置等の用途にも適用することができる。特に、圧縮装置は、流体を圧縮するものであり、装置自体の発熱が大きいため、温度上昇を抑制することができる本実施形態のモータを有効に適用できるものである。
【符号の説明】
(【0051】以降は省略されています)

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