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公開番号2019205316
公報種別公開特許公報(A)
公開日20191128
出願番号2018100739
出願日20180525
発明の名称バッテリ放電制御装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類H02J 7/34 20060101AFI20191101BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】高圧バッテリの満充電電荷量が少なくても、モータジェネレータの発電電力を有効に活用できるバッテリ放電制御装置を提供する。
【解決手段】バッテリ放電制御装置は、第1バッテリ(高圧バッテリ)22の充電電荷量及び第2バッテリ(低圧バッテリ)24の充電電荷量を算出する充電電荷量算出部(充電電荷量算出部)30と、モータジェネレータ20が停止している又は放電していることを条件の一つとして、第1バッテリ及び第2バッテリの少なくとも一方から放電させるようにDC/DCコンバータ23を制御する放電制御部(電子制御装置)30と、を備える。放電制御部は、第1余裕電荷量が正の値であり、且つ第2余裕電荷量が正の値であり、且つ第1余裕電荷量と第2余裕電荷量との差分の絶対値が予め定められた閾値未満である場合には、第1バッテリ及び第2バッテリの双方から放電させるようにDC/DCコンバータを制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
駆動源としてのエンジンと、当該エンジンに駆動連結されたモータジェネレータと、前記モータジェネレータから電力が供給される第1バッテリと、前記モータジェネレータ及び前記第1バッテリに双方向のDC/DCコンバータを介して接続された第2バッテリとを備えたハイブリッドシステムに適用されるバッテリ放電制御装置であって、
前記第1バッテリの充電電荷量及び前記第2バッテリの充電電荷量を算出する充電電荷量算出部と、
前記モータジェネレータが停止している又は放電していることを条件の一つとして、前記第1バッテリ及び前記第2バッテリの少なくとも一方から放電させるように前記DC/DCコンバータを制御する放電制御部とを備え、
前記放電制御部は、
前記第1バッテリの充電電荷量から予め定められた第1下限電荷量を減算した値である第1余裕電荷量が正の値であり、且つ前記第2バッテリの充電電荷量から予め定められた第2下限電荷量を減算した値である第2余裕電荷量が正の値であり、且つ前記第1余裕電荷量と前記第2余裕電荷量との差分の絶対値が予め定められた閾値未満である場合には、前記第1バッテリ及び前記第2バッテリの双方から放電させるように前記DC/DCコンバータを制御する
ことを特徴とするバッテリ放電制御装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記放電制御部は、前記第1余裕電荷量と前記第2余裕電荷量との比較に基づいて、出力できる電荷量が多いバッテリから多くの電力が放電されるように、前記DC/DCコンバータを制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリ放電制御装置。
【請求項3】
前記放電制御部は、前記第1バッテリ及び前記第2バッテリの双方からの放電を継続した場合に、前記第1バッテリの充電電荷量が前記第1下限電荷量に達するタイミングと前記第2バッテリの充電電荷量が前記第2下限電荷量に達するタイミングとが同じタイミングとなるように、前記DC/DCコンバータを制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリ放電制御装置。
【請求項4】
前記放電制御部は、前記第1余裕電荷量及び前記第2余裕電荷量が正の値であり、且つ前記第1余裕電荷量と前記第2余裕電荷量との差分の絶対値が前記閾値以上である場合には、余裕電荷量が大きいバッテリから放電させ、余裕電荷量が小さいバッテリから放電させないように、前記DC/DCコンバータを制御する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバッテリ放電制御装置。
【請求項5】
駆動源としてのエンジンと、当該エンジンに駆動連結されたモータジェネレータと、前記モータジェネレータから電力が供給される第1バッテリと、前記モータジェネレータ及び前記第1バッテリに双方向のDC/DCコンバータを介して接続された第2バッテリとを備えたハイブリッドシステムに適用されるバッテリ放電制御装置であって、
前記第1バッテリの充電電荷量及び前記第2バッテリの充電電荷量を算出する充電電荷量算出部と、
前記モータジェネレータが停止している又は放電していることを条件の一つとして、前記第1バッテリ及び前記第2バッテリの少なくとも一方から放電させるように前記DC/DCコンバータを制御する放電制御部とを備え、
前記放電制御部は、
前記第1バッテリの充電電荷量から予め定められた第1下限電荷量を減算した値である第1余裕電荷量が正の値であり、且つ前記第2バッテリの充電電荷量から予め定められた第2下限電荷量を減算した値である第2余裕電荷量が正の値であり、且つ前記第1余裕電荷量と前記第2余裕電荷量との差分の絶対値が予め定められた閾値未満である場合には、前記第1バッテリ及び前記第2バッテリを交互に放電させるように前記DC/DCコンバータを制御する
ことを特徴とするバッテリ放電制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッドシステムにおけるバッテリ放電制御装置に関する。
続きを表示(約 12,000 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1のハイブリッドシステムは、駆動源として、エンジンと、当該エンジンに駆動連結されたモータジェネレータとを備えている。モータジェネレータには、高圧バッテリが接続されている。モータジェネレータがモータとして機能する際には、高圧バッテリからモータジェネレータに電力が供給される。また、モータジェネレータが発電機として機能する際には、モータジェネレータから高圧バッテリへと電力が供給される。
【0003】
一方、モータジェネレータ及び高圧バッテリには、DC/DCコンバータを介して低圧バッテリが接続されている。また、DC/DCコンバータ及び低圧バッテリには、オーディオやライト等の電動の補機が接続されている。これらの補機には、DC/DCコンバータや低圧バッテリから電力が供給される。特許文献1のハイブリッドシステムにおいては、高圧バッテリの充電量が所定量以上である場合には、高圧バッテリからDC/DCコンバータを介して補機に電力が供給されるように、DC/DCコンバータが制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2009−261091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のハイブリッドシステムにおいては、高圧バッテリの充電量が所定量未満になるまでは、高圧バッテリの電力が優先して放電される。したがって、モータジェネレータが発電機として機能する際に、高圧バッテリの充電量が相応に低下している可能性が高い。そのため、高圧バッテリの充電量が高すぎて、モータジェネレータの発電電力を高圧バッテリに供給できないといった事態は生じにくい。
【0006】
しかしながら、特許文献1のハイブリッドシステムのような高圧バッテリの放電制御を行おうとも、高圧バッテリに充電できる最大の電荷量、すなわち高圧バッテリの満充電電荷量が少ない場合には、高圧バッテリに充電できる電力の量も少なくなる。したがって、高圧バッテリの満充電電荷量が少なくても、モータジェネレータの発電電力を有効に活用できる技術が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、駆動源としてのエンジンと、当該エンジンに駆動連結されたモータジェネレータと、前記モータジェネレータから電力が供給される第1バッテリと、前記モータジェネレータ及び前記第1バッテリに双方向のDC/DCコンバータを介して接続された第2バッテリとを備えたハイブリッドシステムに適用されるバッテリ放電制御装置であって、前記第1バッテリの充電電荷量及び前記第2バッテリの充電電荷量を算出する充電電荷量算出部と、前記モータジェネレータが停止している又は放電していることを条件の一つとして、前記第1バッテリ及び前記第2バッテリの少なくとも一方から放電させるように前記DC/DCコンバータを制御する放電制御部とを備え、前記放電制御部は、前記第1バッテリの充電電荷量から予め定められた第1下限電荷量を減算した値である第1余裕電荷量が正の値であり、且つ前記第2バッテリの充電電荷量から予め定められた第2下限電荷量を減算した値である第2余裕電荷量が正の値であり、且つ前記第1余裕電荷量と前記第2余裕電荷量との差分の絶対値が予め定められた閾値未満である場合には、前記第1バッテリ及び前記第2バッテリの双方から放電させるように前記DC/DCコンバータを制御する。
【0008】
上記構成によれば、第1バッテリの第1余裕電荷量と第2バッテリの第2余裕電荷量との差分の絶対値が閾値未満である場合には、第1バッテリ及び第2バッテリのいずれか一方だけではなく、双方から放電される。したがって、その後、モータジェネレータが発電した場合には、第1バッテリ及び第2バッテリのいずれか一方だけでなく他方のバッテリの充電電荷量も低下しており、双方のバッテリへ発電電力を供給できる。すなわち、モータジェネレータの発電電力の供給先として双方のバッテリを有効に活用できる。
【0009】
上記発明において、前記放電制御部は、前記第1余裕電荷量と前記第2余裕電荷量との比較に基づいて、出力できる電荷量が多いバッテリから多くの電力が放電されるように、前記DC/DCコンバータを制御してもよい。
【0010】
上記構成によれば、第1バッテリに充電できる最大の電荷量と第2バッテリに充電できる最大の電荷量との間に違いがあっても、第1バッテリ及び第2バッテリの双方から放電した際に、いずれか一方のバッテリの充電電荷量が他方のバッテリの充電電荷量よりも速く下限電荷量に低下することを抑制できる。
【0011】
上記発明において、前記放電制御部は、前記第1バッテリ及び前記第2バッテリの双方からの放電を継続した場合に、前記第1バッテリの充電電荷量が前記第1下限電荷量に達するタイミングと前記第2バッテリの充電前記放電制御部は、前記第1バッテリ及び前記第2バッテリの双方からの放電を継続した場合に、前記第1バッテリの充電電荷量が前記第1下限電荷量に達するタイミングと前記第2バッテリの充電電荷量が前記第2下限電荷量に達するタイミングとが同じタイミングとなるように、前記DC/DCコンバータを制御するが前記第2下限電荷量に達するタイミングとが同じタイミングとなるように、前記DC/DCコンバータを制御してもよい。
【0012】
上記構成によれば、第1バッテリ及び第2バッテリからの放電を継続した場合に、両バッテリの充電電荷量が略同時にそれぞれの下限電荷量に達する。この状態においては、モータジェネレータから各バッテリへと充電できる電荷量の合計が、最大になっている。したがって、モータジェネレータの発電電力を、より有効に活用できる。
【0013】
上記発明において、前記放電制御部は、前記第1余裕電荷量及び前記第2余裕電荷量が正の値であり、且つ前記第1余裕電荷量と前記第2余裕電荷量との差分の絶対値が前記閾値以上である場合には、余裕電荷量が大きいバッテリから放電させ、余裕電荷量が小さいバッテリから放電させないように、前記DC/DCコンバータを制御してもよい。この構成によれば、余裕電荷量の少ないバッテリから放電されて、当該バッテリの充電電荷量が過度に低下することを抑制できる。
【0014】
上記課題を解決するため、本発明は、駆動源としてのエンジンと、当該エンジンに駆動連結されたモータジェネレータと、前記モータジェネレータから電力が供給される第1バッテリと、前記モータジェネレータ及び前記第1バッテリに双方向のDC/DCコンバータを介して接続された第2バッテリとを備えたハイブリッドシステムに適用されるバッテリ放電制御装置であって、前記第1バッテリの充電電荷量及び前記第2バッテリの充電電荷量を算出する充電電荷量算出部と、前記モータジェネレータが停止している又は放電していることを条件の一つとして、前記第1バッテリ及び前記第2バッテリの少なくとも一方から放電させるように前記DC/DCコンバータを制御する放電制御部とを備え、前記放電制御部は、前記第1バッテリの充電電荷量から予め定められた第1下限電荷量を減算した値である第1余裕電荷量が正の値であり、且つ前記第2バッテリの充電電荷量から予め定められた第2下限電荷量を減算した値である第2余裕電荷量が正の値であり、且つ前記第1余裕電荷量と前記第2余裕電荷量との差分の絶対値が予め定められた閾値未満である場合には、前記第1バッテリ及び前記第2バッテリを交互に放電させるように前記DC/DCコンバータを制御する。
【0015】
上記構成によれば、第1バッテリの第1余裕電荷量と第2バッテリの第2余裕電荷量との差分が閾値未満である場合には、第1バッテリ及び第2バッテリのいずれか一方だけではなく、双方が交互に放電する。したがって、その後、モータジェネレータが発電した場合には、第1バッテリだけでなく第2バッテリへも、発電電力を供給できる。すなわち、モータジェネレータの発電電力の供給先として第2バッテリを有効に活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
ハイブリッドシステムの概略構成図。
バッテリ放電制御処理のフローチャート。
モータジェネレータによるエンジンアシスト時の各バッテリの充電電荷量の変化を概略的に示す図。
車両停止時の各バッテリの充電電荷量の変化を概略的に示す図。
変更例の均等供給モードにおける各バッテリの充電電荷量の変化を概略的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明を、車両のハイブリッドシステムに適用した実施形態について説明する。
図1に示すように、ハイブリッドシステムは、車両の駆動源としてエンジン10を備えている。エンジン10のクランクシャフト10aは、トランスミッション11等を介して駆動輪に駆動連結されている。また、エンジン10のクランクシャフト10aは、第1プーリ12に駆動連結されている。第1プーリ12には、伝達ベルト13が掛け回されている。なお、図示は省略するが、エンジン10のクランクシャフト10aは、ベルト、プーリ、ギア(スプロケット)、チェーン等を介して、油圧を発生するための油圧ポンプやエアコンのコンプレッサ等にも駆動連結されている。
【0018】
ハイブリッドシステムは、上記エンジン10とは別の駆動源として、モータジェネレータ20を備えている。モータジェネレータ20は、いわゆる三相交流電動機である。モータジェネレータ20の出力軸20aは、第2プーリ14に駆動連結されている。第2プーリ14には、伝達ベルト13が掛け回されている。すなわち、モータジェネレータ20は、第2プーリ14、伝達ベルト13、及び第1プーリ12を介して、エンジン10のクランクシャフト10aに駆動連結されている。
【0019】
モータジェネレータ20は、電動モータとして機能する場合には、第2プーリ14に回転トルクを与え、その回転トルクが伝達ベルト13及び第1プーリ12を介してエンジン10のクランクシャフト10aに入力される。すなわち、この場合には、モータジェネレータ20は、エンジン10の駆動をアシストする。一方、モータジェネレータ20は、発電機として機能する場合には、エンジン10のクランクシャフト10aの回転トルクが、第1プーリ12、伝達ベルト13、及び第2プーリ14を介して、モータジェネレータ20の出力軸20aに入力される。そして、出力軸20aの回転に応じて、モータジェネレータ20が発電する。
【0020】
モータジェネレータ20には、インバータ21を介して、第1バッテリとしての高圧バッテリ22が接続されている。インバータ21は、いわゆる双方向インバータであり、モータジェネレータ20が発電した交流電圧を直流電圧に変換して高圧バッテリ22に出力し、高圧バッテリ22が出力した直流電圧を交流電圧に変換してモータジェネレータ20に出力する。なお、図1では、インバータ21をモータジェネレータ20とは別のものとして描いているが、インバータ21がモータジェネレータ20の筐体内に内蔵されていることもある。
【0021】
高圧バッテリ22は、48Vのリチウムイオン電池である。高圧バッテリ22は、モータジェネレータ20が電動モータとして機能するときには、当該モータジェネレータ20に電力を供給する。また、高圧バッテリ22は、モータジェネレータ20が発電機として機能するときには、当該モータジェネレータ20から電力の供給を受けて充電される。
【0022】
高圧バッテリ22には、当該高圧バッテリ22の状態を検出するセンサ部22aが内蔵されている。センサ部22aは、高圧バッテリ22の端子間電圧、入力電流、温度等を検出し、これらを高圧バッテリ22の状態情報SHbを示す信号として出力する。
【0023】
モータジェネレータ20には、インバータ21を介してDC/DCコンバータ23が接続されている。また、DC/DCコンバータ23は、高圧バッテリ22にも接続されている。DC/DCコンバータ23は、いわゆる昇降圧コンバータ(双方向コンバータ)である。DC/DCコンバータ23は、降圧コンバータとして機能する場合には、インバータ21や高圧バッテリ22から出力される直流電圧を10V〜15Vに降圧して出力する。また、DC/DCコンバータ23は、昇圧コンバータとして機能する場合には、後述する低圧バッテリ24から出力される直流電圧を45V〜55Vに昇圧して出力する。
【0024】
DC/DCコンバータ23には、当該DC/DCコンバータ23の状態を検出するセンサ部23aが内蔵されている。センサ部23aは、DC/DCコンバータ23の出力電圧、出力電流等を検出し、これらをDC/DCコンバータ23の状態情報Sdcを示す信号として出力する。
【0025】
DC/DCコンバータ23には、第2バッテリとしての低圧バッテリ24が接続されている。低圧バッテリ24は、高圧バッテリ22よりも電圧の小さい12Vの鉛蓄電池である。低圧バッテリ24は、DC/DCコンバータ23が駆動していないときやDC/DCコンバータ23の出力電圧が12Vであるときには、12Vの直流電圧を出力する。低圧バッテリ24は、DC/DCコンバータ23の出力電圧が低圧バッテリ24の開回路電圧(OCV)よりも大きいときには、DC/DCコンバータ23から電力の供給を受けて充電される。
【0026】
低圧バッテリ24には、当該低圧バッテリ24の状態を検出するセンサ部24aが内蔵されている。センサ部24aは、低圧バッテリ24の端子間電圧、入力電流、温度等を検出し、これらを低圧バッテリ24の状態情報SLbを示す信号として出力する。
【0027】
DC/DCコンバータ23及び低圧バッテリ24には、各種の電動の補機25が接続されている。補機25としては、例えば、エンジン10の始動用のスタータや、車両の前照灯、方向指示灯、室内灯などのライト関係や、カーナビゲーション装置やスピーカ等の車室内装備が挙げられる。補機25は、DC/DCコンバータ23が駆動していないときには、低圧バッテリ24から電力の供給を受ける。補機25は、DC/DCコンバータ23の出力電圧が低圧バッテリ24の開回路電圧(OCV)よりも大きいときには、当該DC/DCコンバータ23から電力の供給を受ける。
【0028】
図1に示すように、ハイブリッドシステムは、高圧バッテリ22及び低圧バッテリ24の放電を含めたハイブリッドシステムの全体を統括して制御する電子制御装置30を備えている。すなわち、電子制御装置30は、高圧バッテリ22及び低圧バッテリ24に対する放電制御装置として機能する。電子制御装置30は、各種のプログラム(アプリケーション)を実行する演算部、プログラム等が記憶されている不揮発性の記憶部、及びプログラムの実行にあたってデータが一時的に記憶される揮発性メモリ等を備えた処理回路(コンピュータ)である。
【0029】
電子制御装置30には、DC/DCコンバータ23のセンサ部23aから、状態情報Sdcを示す信号が入力される。この信号に基づいて、電子制御装置30は、DC/DCコンバータ23の出力電圧や出力電流等を把握する。
【0030】
電子制御装置30には、高圧バッテリ22のセンサ部22aから、状態情報SHbを示す信号が入力される。電子制御装置30は、状態情報SHbに含まれる高圧バッテリ22の端子間電圧、入力電流、温度等の情報に基づいて、高圧バッテリ22の充電電荷量や満充電電荷量を算出する。この実施形態において、高圧バッテリ22の充電電荷量とは、状態情報SHbが入力された時点で高圧バッテリ22に蓄えられている電荷量であり、例えばアンペア秒(A・s)で表される。また、満充電電荷量とは、状態情報SHbが入力された時点で高圧バッテリ22に蓄えることのできる最大の電荷量である。
【0031】
電子制御装置30には、低圧バッテリ24のセンサ部24aから、状態情報SLbを示す信号が入力される。電子制御装置30は、状態情報SLbに含まれる低圧バッテリ24の端子間電圧、入力電流、温度等の情報に基づいて、低圧バッテリ24の充電電荷量や満充電電荷量を算出する。このように、電子制御装置30は、高圧バッテリ22の充電電荷量等を算出する充電電荷量算出部として機能する。
【0032】
電子制御装置30は、上述のようにして算出される高圧バッテリ22の充電電荷量や低圧バッテリ24の充電電荷量に基づいて、DC/DCコンバータ23の出力電圧を制御するための操作信号MSdcを生成し、その操作信号MSdcをDC/DCコンバータ23に出力する。なお、DC/DCコンバータ23の出力電圧を制御することにより、高圧バッテリ22及び低圧バッテリ24のどちらから放電するかや放電するときの放電量が制御される。すなわち、電子制御装置30は、高圧バッテリ22及び低圧バッテリ24に対する放電制御部として機能する。
【0033】
また、電子制御装置30は、エンジン10等の状態を検出する各種のセンサからの信号に基づいて、モータジェネレータ20を制御するための操作信号MSmgを生成し、その操作信号MSmgをモータジェネレータ20に出力する。モータジェネレータ20は、操作信号MSmgに従って、モータとして機能(放電)したり、発電機として機能(発電)したり、駆動を停止したりする。
【0034】
次に、電子制御装置30によるバッテリ放電制御処理を、図2に従って説明する。なお、以下のバッテリ放電制御処理は、高圧バッテリ22の充電電荷量が下限電荷量Lim1を越えていて、且つ、低圧バッテリ24の充電電荷量が下限電荷量Lim2を超えている場合に、所定の制御周期毎に繰り返し実行される。すなわち、バッテリ放電制御処理は、高圧バッテリ22及び低圧バッテリ24から放電が可能な状況下で実行される。なお、高圧バッテリ22の下限電荷量Lim1及び低圧バッテリ24の下限電荷量Lim2については後述する。
【0035】
バッテリ放電制御処理が開始されると、電子制御装置30は、ステップS11の処理を実行する。ステップS11では、電子制御装置30は、モータジェネレータ20に出力している操作信号MSmgに基づいて、モータジェネレータが発電中か、放電中か、停止中かを判定する。モータジェネレータ20が発電中であると判定された場合(ステップS11においてNO)には、高圧バッテリ22や低圧バッテリ24からモータジェネレータ20に放電する状況にないので、バッテリ放電制御処理は終了し、所定周期後に再びバッテリ放電制御処理が開始される。一方、モータジェネレータ20が停止中である又はモータジェネレータ20が放電中であると判定された場合(ステップS11においてYES)には、電子制御装置30の処理は、ステップS12に移行する。
【0036】
ステップS12では、電子制御装置30は、高圧バッテリ22の充電電荷量に関して余裕電荷量HEqを算出する。具体的には、電子制御装置30の記憶部には、高圧バッテリ22の充電電荷量の目標範囲が予め記憶されている。この目標範囲としては、例えば、満充電電荷量に対して40%〜70%といった範囲である。そして、電子制御装置30は、高圧バッテリ22のセンサ部22aからの状態情報SHbに基づいて算出された高圧バッテリ22の充電電荷量から目標範囲の下限電荷量Lim1(上の例では満充電電荷量の40%)を減算した値を、高圧バッテリ22の余裕電荷量HEqとして算出する。なお、上述したように高圧バッテリ22の充電電荷量は、下限電荷量Lim1を越えているので、余裕電荷量HEqは正の値になる。このように、高圧バッテリ22に関する目標範囲の下限電荷量Lim1が第1下限電荷量に、高圧バッテリ22の余裕電荷量HEqが第1余裕電荷量に相当する。高圧バッテリ22の余裕電荷量HEqの算出後、電子制御装置30の処理は、ステップS13に移行する。
【0037】
ステップS13では、電子制御装置30は、低圧バッテリ24の充電電荷量に関して余裕電荷量LEqを算出する。具体的には、電子制御装置30の記憶部には、低圧バッテリ24の充電電荷量の目標範囲が予め記憶されている。この目標範囲としては、例えば、満充電電荷量に対して80%〜95%といった範囲である。そして、電子制御装置30は、低圧バッテリ24のセンサ部24aからの状態情報SLbに基づいて算出された低圧バッテリ24の充電電荷量から目標範囲の下限電荷量Lim2(上の例では満充電電荷量の80%)を減算した値を、低圧バッテリ24の余裕電荷量LEqとして算出する。なお、上述したように低圧バッテリ24の充電電荷量は、下限電荷量Lim2を越えているので、余裕電荷量LEqは正の値になる。このように、低圧バッテリ24に関する目標範囲の下限電荷量Lim2が第2下限電荷量に、低圧バッテリ24の余裕電荷量LEqが第2余裕電荷量に相当する。低圧バッテリ24の余裕電荷量LEqの算出後、電子制御装置30の処理は、ステップS14に移行する。
【0038】
ステップS14では、電子制御装置30は、算出した高圧バッテリ22の余裕電荷量HEqと低圧バッテリ24の余裕電荷量LEqとの差分を算出する。電子制御装置30は、算出した差分の絶対値が、予め定められている閾値X以上であるか否かを判定する。閾値Xは、例えば高圧バッテリ22や低圧バッテリ24の満充電電荷量に対する数%以下の電荷量である。各余裕電荷量の差分の絶対値が閾値X以上であると判定された場合(ステップS14においてYES)、電子制御装置30の処理は、ステップS15に移行する。
【0039】
ステップS15では、電子制御装置30は、高圧バッテリ22の余裕電荷量HEqが低圧バッテリ24の余裕電荷量LEq以上であるか否かを判定する。高圧バッテリ22の余裕電荷量HEqが低圧バッテリ24の余裕電荷量LEq以上であると判定された場合(ステップS15においてYES)、電子制御装置30の処理は、ステップS16に移行する。
【0040】
ステップS16では、電子制御装置30は、高圧バッテリ22が放電して、当該高圧バッテリ22からモータジェネレータ20や補機25へと電力が供給されるように、DC/DCコンバータ23を制御する。具体的には、電子制御装置30は、DC/DCコンバータ23を降圧コンバータとして機能させる。その後、電子制御装置30によるバッテリ放電制御処理は終了し、所定周期後に再びバッテリ放電制御処理が開始される。
【0041】
一方、ステップS15において、高圧バッテリ22の余裕電荷量HEqが低圧バッテリ24の余裕電荷量LEq未満であると判定された場合(ステップS15においてNO)、電子制御装置30の処理は、ステップS17に移行する。
【0042】
ステップS17では、電子制御装置30は、低圧バッテリ24が放電して、当該低圧バッテリ24からモータジェネレータ20や補機25へと電力が供給されるように、DC/DCコンバータ23を制御する。具体的には、電子制御装置30は、低圧バッテリ24からモータジェネレータ20へと電力を供給する必要がある場合には、DC/DCコンバータ23を昇圧コンバータとして機能させる。また、電子制御装置30は、低圧バッテリ24からモータジェネレータ20へと電力を供給する必要がない場合には、DC/DCコンバータ23の駆動を停止させて、当該DC/DCコンバータ23からモータジェネレータ20へと電力を出力しないようにする。その後、電子制御装置30によるバッテリ放電制御処理は終了し、所定周期後に再びバッテリ放電制御処理が開始される。なお、ステップS16又はステップS17での処理が実行されて、高圧バッテリ22及び低圧バッテリ24のいずれか一方のみから放電される状態を、この実施形態では優先供給モードと呼称する。
【0043】
ステップS14において、高圧バッテリ22の余裕電荷量HEqと低圧バッテリ24の余裕電荷量LEqとの差分の絶対値が閾値X未満であると判定された場合(ステップS14においてNO)、電子制御装置30の処理は、ステップS20に移行する。
【0044】
ステップS20では、電子制御装置30は、高圧バッテリ22の余裕電荷量HEq及び低圧バッテリ24の余裕電荷量LEqに基づいて、DC/DCコンバータ23の出力方向(昇圧か降圧か)及びその出力電圧を算出する。この実施形態では、電子制御装置30は、仮に、高圧バッテリ22及び低圧バッテリ24の双方からの放電を継続した場合に、高圧バッテリ22の充電電荷量が下限電荷量Lim1(例えば満充電電荷量の40%)に達するタイミングと、低圧バッテリ24の充電電荷量が下限電荷量Lim2(例えば満充電電荷量の80%)に達するタイミングとが同じタイミングとなるように、DC/DCコンバータ23の出力方向(昇圧か降圧か)及びその出力電圧を算出する。なお、ここでいう「同じタイミング」とは、計算上同じタイミングになっていればよく、各センサ部の検出誤差や、DC/DCコンバータ23の制御遅れ等に起因するタイミングのずれは許容される。
【0045】
ここで、上記のように同じタイミングで両バッテリの充電電荷量が下限電荷量に達するためには、高圧バッテリ22の放電電流HIと低圧バッテリ24の放電電流LIとの比が、高圧バッテリ22の余裕電荷量HEqと低圧バッテリ24の余裕電荷量LEqとの比と同じになることが理想的である。すなわち、<HI:LI=HEq:LEq>の関係を満たすことが理想的である。そして、この式を高圧バッテリ22の放電電流HIに関する関係式に変換すると、<HI=LI(HEq/LEq)>となる。そこで、電子制御装置30は、高圧バッテリ22のセンサ部22aや低圧バッテリ24のセンサ部24aからの信号に基づいて、高圧バッテリ22の放電電流HIが上記関係式を満たすように、DC/DCコンバータ23を制御する。このようにして高圧バッテリ22及び低圧バッテリ24の双方から放電される状態を、この実施形態では、均等供給モードと呼称する。
【0046】
なお、ステップS20において、上記のようにDC/DCコンバータ23を制御した場合、当該DC/DCコンバータ23は昇圧コンバータとして機能する場合も、降圧コンバータとして機能する場合もあり得る。例えば、モータジェネレータ20に対する要求電流が、高圧バッテリ22の放電電流HIよりも大きいときには、DC/DCコンバータ23は、昇圧コンバータとして機能する。また、モータジェネレータ20に対する要求電流が、高圧バッテリ22の放電電流HIよりも小さいときには、DC/DCコンバータ23は、降圧コンバータとして機能する。
【0047】
上記のようにしてDC/DCコンバータが制御されると、電子制御装置30の処理は、ステップS21に移行する。ステップS21では、高圧バッテリ22の余裕電荷量HEqがゼロ以下であるか否か、低圧バッテリ24の余裕電荷量LEqがゼロ以下であるか否かを判定する。なお、この実施形態では、高圧バッテリ22の充電電荷量が下限電荷量Lim1になるタイミングと低圧バッテリ24の充電電荷量が下限電荷量Lim2になるタイミングとが同じタイミングである。したがって、高圧バッテリ22の充電電荷量の余裕電荷量HEq及び低圧バッテリ24の余裕電荷量LEqの両方がゼロを越えているか、両方がゼロ以下であるかである。高圧バッテリ22の余裕電荷量HEq及び低圧バッテリ24の余裕電荷量LEqの両方がゼロを越えている場合(ステップS21においてNO)、電子制御装置30によるバッテリ放電制御処理は終了し、所定周期後に再びバッテリ放電制御処理が開始される。一方、高圧バッテリ22の余裕電荷量HEq及び低圧バッテリ24の余裕電荷量LEqの両方がゼロ以下であると判定された場合には、電子制御装置30の処理は、ステップS22に移行する。
【0048】
ステップS22では、電子制御装置30は、モータジェネレータ20に対する発電要求を行う。この発電要求は、例えば、発電要求の有無を示す信号(フラグ)の電圧レベルをローレベルからハイレベルに切り替えたり、ハイレベルからローレベルに切り替えたりすることにより行う。なお、このようにして発電要求を行ったとしても、モータジェネレータ20において発電を行うための他の条件が満たされていなければ、モータジェネレータ20において発電が開始されないこともある。ステップS22の後、電子制御装置30によるバッテリ放電制御処理は終了する。
【0049】
なお、ステップS22の終了後は、高圧バッテリ22の充電電荷量は下限電荷量Lim1を下回っており、低圧バッテリ24の充電電荷量は下限電荷量Lim2を下回っている。したがって、高圧バッテリ22や低圧バッテリ24が充電されて、両者の充電電荷量がいずれも下限電荷量を超えるまでは、ステップS11の処理は開始されない。
【0050】
本実施形態の作用及び効果について説明する。
先ず、モータジェネレータ20がモータとして機能していて、エンジン10の駆動をアシストしている状態について説明する。なお、この例では、説明の簡略化のために、モータジェネレータ20は一定の電力を放電(消費)しているものとする。また、補機25における電力の消費はゼロであるものとする。
(【0051】以降は省略されています)

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