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公開番号2019205307
公報種別公開特許公報(A)
公開日20191128
出願番号2018100193
出願日20180525
発明の名称分割鉄心片の巻線装置および巻線方法
出願人株式会社ケーヒン
代理人特許業務法人落合特許事務所
主分類H02K 15/085 20060101AFI20191101BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】インデックス機構でステップ回動される分割鉄心片のスロットにトロイダル状の巻線を施すためにノズルから導線を繰り出すようにした分割鉄心片の巻線装置において、巻線に無用の捩れや緩みが生じることを抑制可能とする。
【解決手段】インデックス機構15A,15Bによってステップ回動される分割鉄心片6のスロット7,8を周方向に順次臨ませる巻線作業空間WSがインデックス機構15A,15Bに隣接して設定され、ノズル9が巻線作業空間WSに対面して配置され、インデックス機構15A,15Bに、巻線作業空間WSに在るスロット7,8にノズル9から繰り出される導線を巻回するようにしてインデックス機構15A,15Bの全体を自転させる自転駆動機構16A,16Bが連結される。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
環状のトロイダルコア(5)を協働して構成することを可能とした円弧状の分割鉄心片(6)の外周に当接、係合する駆動ローラ(17)と、前記分割鉄心片(6)の内周に当接して当該分割鉄心片(6)の移動をガイドする内側ガイド手段(18)と、前記分割鉄心片(6)の移動および位置決め保持を切替え可能な位置決め保持手段(19)とを有しつつ前記分割鉄心片(6)をステップ回動することができるインデックス機構(15A,15B)と;
当該インデックス機構(15A,15B)でステップ回動される前記分割鉄心片(6)のスロット(7,8)にトロイダル状の巻線を施すために導線(10)を繰り出すノズル(9)と;
を備える分割鉄心片の巻線装置において、
前記インデックス機構(15A,15B)によってステップ回動される前記分割鉄心片(6)のスロット(7,8)を周方向に順次臨ませる巻線作業空間(WS)が前記インデックス機構(15A,15B)に隣接して設定され、前記ノズル(9)が前記巻線作業空間(WS)に対面して配置され、前記インデックス機構(15A,15B)に、前記巻線作業空間(WS)に在る前記スロット(7,8)に前記ノズル(9)から繰り出される前記導線(10)を巻回するようにして前記インデックス機構(15A,15B)の全体を自転させる自転駆動機構(16A,16B)が連結されることを特徴とする分割鉄心片の巻線装置。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記インデックス機構(15A,15B)の前記内側ガイド手段(18)が、前記分割鉄心片(6)の内周に対向する外周を有する内側ガイド部材(21)と、前記分割鉄心片(6)の内周に転がり接触することを可能として前記内側ガイド部材(21)の外周縁部に回転可能に支持される複数のガイドローラ(22)とを備えることを特徴とする請求項1に記載の分割鉄心片の巻線装置。
【請求項3】
前記インデックス機構(15A,15B)の前記位置決め保持手段(19)が、前記分割鉄心片(6)のスロット(7,8)に係合する係合位置ならびに前記スロット(7,8)との係合を解除する係合解除位置間での移動が可能な可動ピン(25)を有する可動ピンユニット(26)を備えることを特徴とする請求項2に記載の分割鉄心片の巻線装置。
【請求項4】
前記インデックス機構(15A,15B)の前記位置決め保持手段(19)が、前記分割鉄心片(6)の一面をスライド可能に支持する支持板(20a)との間に前記分割鉄心片(6)を挟んで保持する保持位置と、前記分割鉄心片(6)をスライド可能とすべく前記支持板(20a)とは反対側から前記分割鉄心片(6)に近接、対向するガイド位置と、前記支持板(20a)から側方に退避した保持解除位置との間で作動するクランプ部材(30)を有する可動クランプユニット(29)を備えることを特徴とする請求項3に記載の分割鉄心片の巻線装置。
【請求項5】
前記自転駆動機構(16A,16B)が個別に連結される一対の前記インデックス機構(15A,15B)が、前記巻線作業空間(WS)を相互間に挟んで配置されることを特徴とする請求項4に記載の分割鉄心片の巻線装置。
【請求項6】
前記請求項5に記載の分割鉄心片の巻線装置を用いて分割鉄心片(6)に巻線を施すための分割鉄心片の巻線方法であって、一対の前記インデックス機構(15A,15B)の一方で1つの前記分割鉄心片(6)を引き込んで当該分割鉄心片(6)の巻始めのスロット(7,8)を前記巻線作業空間(WS)に露呈させるワークセット工程と;
前記可動ピン(25)を前記係合位置に移動させるとともに前記クランプ部材(30)を前記保持位置に移動させて前記分割鉄心片(6)を位置決め保持する位置決め保持工程と;
前記ノズル(9)から繰り出した導線(10)を前記巻線作業空間(WS)にある前記スロット(7,8)に係止した後に一対の前記インデックス機構(15A,15B)を連動して自転させて前記導線(10)を前記分割鉄心片(6)に巻回するようにして前記分割鉄心片(6)にトロイダル状の巻線を施す巻線工程と;
を順次実行することを特徴とする分割鉄心片の巻線方法。
【請求項7】
前記巻線工程で巻線を施した後に前記可動ピン(25)を前記係合解除位置に移動させるとともに前記クランプ部材(30)を前記ガイド位置に移動させて前記分割鉄心片(6)の位置決め保持状態を一旦解除し、前記分割鉄心片(6)を前記ガイドローラ(22)でガイドしつつステップ回動させることで巻線の渡り線を形成する渡り線形成工程を含むことを特徴とする請求項6に記載の分割鉄心片の巻線方法。
【請求項8】
前記分割鉄心片(6)が一対の前記インデックス機構(15A,15B)間に跨がった位置に在る状態の前記位置決め保持工程では、分割鉄心片(6)をその一対の前記インデックス機構(15A,15B)の前記位置決め保持手段(19)で位置決め保持することを特徴とする請求項7に記載の分割鉄心片の巻線方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、環状のトロイダルコアを協働して構成することを可能とした円弧状の分割鉄心片の外周に当接、係合する駆動ローラと、前記分割鉄心片の内周に当接して当該分割鉄心片の移動をガイドする内側ガイド手段と、前記分割鉄心片の移動および位置決め保持を切替え可能な位置決め保持手段とを有しつつ前記分割鉄心片をステップ回動することができるインデックス機構と;当該インデックス機構でステップ回動される前記分割鉄心片のスロットにトロイダル状の巻線を施すために導線を繰り出すノズルと;備える分割鉄心片の巻線装置、ならびにその巻線装置による巻線作業を適切に実行し得るようにした分割鉄心片の巻線方法に関する。
続きを表示(約 12,000 文字)【背景技術】
【0002】
分割鉄心片が保持具で保持された状態でフライヤを回転させ、当該フライヤが有する一対の腕部の一方から繰り出される導体が、分割鉄心片のスロットに巻回されるようにした分割鉄心片の巻線装置が特許文献1で知られている。また環状のトロイダルコアを、当該トロイダルコアの外周の複数箇所に接触する駆動ローラで位置決め保持しつつステップ回動させ、トロイダルコア内に一部が配置されるシャトルリングを回転させることで分割鉄心片への巻線を行なうようにした巻線装置が特許文献2で知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第3428082号公報
特開昭63−250107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが上記特許文献1および特許文献2で開示されるものでは、分割鉄心片およびトロイダルコアが静止状態にあるときに導線を繰り出すフライヤやシャトルリングが回転しており、巻線に無用の捩れが緩みが生じる可能性がある。このため巻線の占積率(スロットの断面積に対する巻線の占める割合)が低下したり、巻線が膨らむことに起因して電動モータの小型化が困難となったり、巻線作業中に巻線の皮膜に傷が生じたりする。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、巻線に無用の捩れや緩みが生じることを抑制し得るようにした分割鉄心片の巻線装置、ならびに巻線装置による巻線作業を適切に実施し得るようにした分割鉄心片の巻線方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、環状のトロイダルコアを協働して構成することを可能とした円弧状の分割鉄心片の外周に当接、係合する駆動ローラと、前記分割鉄心片の内周に当接して当該分割鉄心片の移動をガイドする内側ガイド手段と、前記分割鉄心片の移動および位置決め保持を切替え可能な位置決め保持手段とを有しつつ前記分割鉄心片をステップ回動することができるインデックス機構と;当該インデックス機構でステップ回動される前記分割鉄心片のスロットにトロイダル状の巻線を施すために導線を繰り出すノズルと;を備える分割鉄心片の巻線装置において、前記インデックス機構によってステップ回動される前記分割鉄心片のスロットを周方向に順次臨ませる巻線作業空間が前記インデックス機構に隣接して設定され、前記ノズルが前記巻線作業空間に対面して配置され、前記インデックス機構に、前記巻線作業空間に在る前記スロットに前記ノズルから繰り出される前記導線を巻回するようにして前記インデックス機構の全体を自転させる自転駆動機構が連結されることを第1の特徴とする。
【0007】
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記インデックス機構の前記内側ガイド手段が、前記分割鉄心片の内周に対向する外周を有する内側ガイド部材と、前記分割鉄心片の内周に転がり接触することを可能として前記内側ガイド部材の外周縁部に回転可能に支持される複数のガイドローラとを備えることを第2の特徴とする。
【0008】
本発明は、第2の特徴の構成に加えて、前記インデックス機構の前記位置決め保持手段が、前記分割鉄心片のスロットに係合する係合位置ならびに前記スロットとの係合を解除する係合解除位置間での移動が可能な可動ピンを有する可動ピンユニットを備えることを第3の特徴とする。
【0009】
本発明は、第3の特徴の構成に加えて、前記インデックス機構の前記位置決め保持手段が、前記分割鉄心片の一面をスライド可能に支持する支持板との間に前記分割鉄心片を挟んで保持する保持位置と、前記分割鉄心片をスライド可能とすべく前記支持板とは反対側から前記分割鉄心片に近接、対向するガイド位置と、前記支持板から側方に退避した保持解除位置との間で作動するクランプ部材を有する可動クランプユニットを備えることを第4の特徴とする。
【0010】
本発明は、第4の特徴の構成に加えて、前記自転駆動機構が個別に連結される一対の前記インデックス機構が、前記巻線作業空間を相互間に挟んで配置されることを第5の特徴とする。
【0011】
本発明は、第5の特徴の構成を有する分割鉄心片の巻線装置を用いて分割鉄心片に巻線を施すための分割鉄心片の巻線方法であって、一対の前記インデックス機構の一方で1つの前記分割鉄心片を引き込んで当該分割鉄心片の巻始めのスロットを前記巻線作業空間に露呈させるワークセット工程と;前記可動ピンを前記係合位置に移動させるとともに前記クランプ部材を前記保持位置に移動させて前記分割鉄心片を位置決め保持する位置決め保持工程と;前記ノズルから繰り出した導線を前記巻線作業空間にある前記スロットに係止した後に一対の前記インデックス機構を連動して自転させて前記導線を前記分割鉄心片に巻回するようにして前記分割鉄心片にトロイダル状の巻線を施す巻線工程と;を順次実行することを第6の特徴とする。
【0012】
本発明は、第6の特徴の構成に加えて、前記巻線工程で前記巻線を施した後に前記可動ピンを前記係合解除位置に移動させるとともに前記クランプ部材を前記ガイド位置に移動させて前記分割鉄心片の位置決め保持状態を一旦解除し、前記分割鉄心片を前記ガイドローラでガイドしつつステップ回動させることで巻線の渡り線を形成する渡り線形成工程を含むことを第7の特徴とする。
【0013】
さらに本発明は、第7の特徴の構成に加えて、前記分割鉄心片が一対の前記インデックス機構間に跨がった位置に在る状態の前記位置決め保持工程では、分割鉄心片を一対の前記インデックス機構の前記位置決め保持手段で位置決め保持することを第8の特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第1の特徴によれば、インデックス機構によって分割鉄心片のスロットを巻線作業空間に順次位置させるように分割鉄心片をステップ回動させ、巻線作業空間に対面した位置にあるノズルから導線を繰り出しつつインデックス機構を自転させることで、スロットに導線を巻回させることができ、従来技術のフライヤやシャトルリングを用いて導線側を回転させるものではないので、導線に捩れや緩みが生じることを抑制することができ、巻線の占積率の向上および電動モータの小型化を図ることが可能となり、巻線の皮膜に傷が生じることもない。
【0015】
また本発明の第2の特徴によれば、分割鉄心片の内周に対向する外周を有する内側ガイド部材の外周縁部に、分割鉄心片の内周に転がり接触し得る複数のガイドローラが支持されているので、分割鉄心片を円滑にステップ回動させることができ、周方向で隣接するスロット間の渡り線に緩みや捩れが生じないようにすることができる。
【0016】
本発明の第3の特徴によれば、位置決め保持手段が有する可動ユニットの可動ピンを分割鉄心片のスロットに係合することで、分割鉄心片の位置決めおよび芯出し精度を高めることができる。
【0017】
本発明の第4の特徴によれば、位置決め保持手段が有する可動クランプユニットで、分割鉄心片を保持することができ、分割鉄心片を確実に位置決め保持し、芯出し精度をより高めることができる。
【0018】
本発明の第5の特徴によれば、自転駆動機構が個別に連結される一対のインデックス機構が巻線作業空間の両側に配置されることで、固定位置にあるノズルから繰り出される導線を巻回するにあたってインデックス機構が邪魔にならないようにしつつ、一対のインデックス機構間に跨がる状態の分割鉄心片を一対のインデックス機構で確実に保持することができる。
【0019】
本発明の第6の特徴によれば、ワークセット工程で一対のインデックス機構の一方で1つの前記分割鉄心片を引き込んで当該分割鉄心片の巻始めのスロットを前記巻線作業空間に露呈させ、次の位置決め保持工程で分割鉄心片を位置決め保持した状態で、導線を巻線作業空間のスロットに係止した後に一対のインデックス機構を連動して自転させることによって導線を分割鉄心片に巻回することで、分割鉄心片への巻線の巻き始めをスムーズに実行することができる。
【0020】
本発明の第7の特徴によれば、巻線を巻回した後に分割鉄心片の位置決め保持状態を一旦解除した後に分割鉄心片をステップ回動させることで巻線の渡り線を形成するので、分割鉄心片が有するスロット間での渡り線を円滑に形成することができる。
【0021】
さらに本発明の第8の特徴によれば、分割鉄心片が一対のインデックス機構間に跨がった位置に在る状態の位置決め保持工程では、一対のインデックス機構の前記位置決め保持手段で分割鉄心片を位置決め保持するので、一対のインデックス機構の自転回転時に分割鉄心片をしっかりと保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
巻線装置の概略的な機能説明図である。
分割鉄心片への巻線始め状態でのインデックス機構およびノズルを示す側面図である。
巻線装置での巻線実行手順を示すフローチャートである。
一対のインデックス機構間に分割鉄心片が跨がった状態での図2に対応した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態について添付の図面を参照しながら説明すると、先ず図1において円弧状の分割鉄心片6は、環状のトロイダルコア5がたとえば周方向で3つに分割されて成るものであり、3つの分割鉄心片6で前記トロイダルコア5が構成される。この分割鉄心片6がその内周側に有する複数の内側ティース6a間には内側スロット7がそれぞれ形成され、前記内側ティース6aに個別に対応した位置で前記分割鉄心片6がその外周側に有する複数の外側ティース6b間には外側スロット8がそれぞれ形成される。
【0024】
本発明に従う巻線装置によれば、半径方向に沿う内外で対をなす前記内側スロット7および前記外側スロット8を、予め設定した巻線作業空間WSに周方向に順次臨ませるようにして前記分割鉄心片6がステップ回動され、前記巻線作業空間WSに対面した所定位置に配置されるノズル9から繰り出される導線10を、前記巻線作業空間WSに在る前記内側スロット7および前記外側スロット8に巻回するようにして、前記巻線作業空間WSでの前記分割鉄心片6の半径方向中心を通る旋回軸線TCまわりに前記分割鉄心片6を自転させることで、前記内側スロット7および前記外側スロット8に前記導線10がトロイダル状に巻回される。
【0025】
しかも前記ノズル9には、複数のボビン11にそれぞれ巻回されている導線10がテンショナー12およびローラ13を経て供給されており、前記ノズル9が有する複数のノズル孔14から平行に繰り出される導線10が束となったパラ巻線として前記内側スロット7および前記外側スロット8に巻回される。
【0026】
図2において、前記巻線装置は、前記分割鉄心片6の移動および位置決め保持を切替え可能としつつ前記分割鉄心片6をステップ回動することができるようにして前記巻線作業空間WSを相互間に挟んで配置されるとともに前記巻線作業空間WSを相互間に挟む一対の支持台20上にそれぞれ配設される第1および第2のインデックス機構15A,15Bと、前記巻線作業空間WSとは反対側で第1および第2のインデックス機構15A,15Bにそれぞれ個別に連結される第1および第2の自転駆動機構16A,16Bと、前記ノズル9とを備える。
【0027】
前記第1のインデックス機構15Aおよび前記第2のインデックス機構15Bは、前記旋回軸線TCに直交しつつ前記巻線作業空間WSの中央部を通る仮想平面IPに介して対称に構成され、また前記第1の自転駆動機構16Aおよび前記第2の自転駆動機構16Bも前記仮想平面IPに関して対称に構成されるものであり、以下の説明では、図2上で前記仮想平面IPの右側に配置される第1のインデックス機構15Aおよび第1の自転駆動機構16Aについて詳細に説明し、第2のインデックス機構15Bおよび第2の自転駆動機構16Bについては対応する主要部分に同一の参照符号を付して図示するのみで詳細な説明は省略する。
【0028】
第1のインデックス機構15Aは、前記分割鉄心片6の外周に当接、係合する駆動ローラ17と、前記分割鉄心片6の内周に当接して当該分割鉄心片6の移動をガイドする内側ガイド手段18と、前記分割鉄心片6の移動および位置決め保持を切替え可能な位置決め保持手段19とを有する。
【0029】
前記内側ガイド手段18は、前記分割鉄心片6の内周に対向する外周を有して前記支持台20上に固定される内側ガイド部材21と、前記分割鉄心片6の内周に転がり接触することを可能として前記内側ガイド部材21の外周縁部に回転可能に支持される複数のガイドローラ22とを備える。
【0030】
前記駆動ローラ17は、前記内側ガイド手段18でガイドされる前記分割鉄心片6の半径方向外方に配置され、前記支持台20の内部に内蔵されるステップモータ等の回転駆動源(図示せず)に連なる回転軸23に固定されており、前記分割鉄心片6が外周に有する複数の外側ティース6bのうち周方向に隣接する一対の外側ティース6b間に係脱可能に係合する複数の係合突部17aが前記駆動ローラ17の外周に設けられる。
【0031】
前記位置決め保持手段19は、前記分割鉄心片6の内側スロット7および外側スロット8のうち外側スロット8に係合する係合位置ならびに前記外側スロット8との係合を解除する係合解除位置間での移動が可能な可動ピン25を有する可動ピンユニット26と、可動クランプユニット29とを備える。
【0032】
可動ピンユニット26は、前記巻線作業空間WSの近傍で前記分割鉄心片6の半径方向に沿う軸線を有しつつ前記分割鉄心片6の半径方向外方で前記支持台20上に支持されるシリンダ27と、そのシリンダ27で軸線方向に駆動される前記可動ピン25とで構成されるものであり、前記係合位置にある前記可動ピン25の先端部は、前記分割鉄心片6が外周に有する複数の外側ティース6bのうち周方向に隣接する一対の外側ティース6bの先端部間に嵌入され、係合解除位置では前記可動ピン25の先端部は前記一対の外側ティース6bの先端部間から離脱する。
【0033】
前記可動クランプユニット29は、前記分割鉄心片6の一面をスライド可能に支持する支持板20a(図2では第2のインデックス機構15B側でのみ表示)との間に前記分割鉄心片6を挟んで保持する保持位置と、前記支持板20aとは反対側から前記分割鉄心片6に近接、対向させて前記分割鉄心片6をスライド可能とするとともに前記分割鉄心片6の脱落を防止するようにしたガイド位置と、前記支持板20aから側方に退避した保持解除位置との間で作動するクランプ部材30を有する。
【0034】
前記支持板20aは、前記支持台20のうち前記内側ガイド手段18の半径方向外方に配置される部分で構成される。前記クランプ部材30は円弧状の平板から成り、このクランプ部材30には、直線状に延びる板部材31の長手方向両端部が固定され、前記板部材31の長手方向中央部は支持アーム32の先端部に固定される。また前記支持台20上には、前記支持アーム32の基端部が固定される駆動軸33を有する駆動源34が固定されており、この駆動源34は、前記駆動軸33を軸方向(図2の紙面に直交する方向)に作動させることができるとともに軸線まわりに作動させることができる。そして駆動源34の作動によって、前記クランプ部材30は、図2において第1のインデックス機構15A側で示す位置にあって前記支持板20aとの間に前記分割鉄心片6を挟んで保持する保持位置と、前記駆動軸33を軸方向(図2の手前方向)に移動させて前記支持板20aとは反対側から前記分割鉄心片6に近接、対向するガイド位置と、前記駆動軸33を軸線まわりに回動させることで前記支持板20aから側方に退避して第2のインデックス機構15B側で示す位置となる保持解除位置との間の3段階で作動することができる。
【0035】
前記第1の自転駆動機構16Aは、前記旋回軸線TCに沿う軸線を有して前記支持台20に一端部が連結される連結軸36と、その連結軸36を回転させるようにして当該連結軸36の他端部に連結されるサーボモータ等の回転駆動源37とを有し、第1および第2の自転駆動機構16A,16Bの前記回転駆動源37は同期して作動する。
【0036】
上述の巻線装置での巻線は図3で示す手順に従って実行されるものであり、この手順では、第1および第2のインデックス機構15A,15Bの一方である第1のインデックス機構15Aにおいて前記クランプ部材30を保持解除位置に移動させた状態で1つの前記分割鉄心片6を引き込んで当該分割鉄心片6の巻始めの内側スロット7および外側スロット8を図2で示すように巻線作業空間WSに露呈させるワークセット工程(第1および第2のステップS1,S2)と、第1のインデックス機構15Aにおける位置決め保持手段19の可動ピン25を係合位置に移動させるとともにクランプ部材30を保持位置に移動させて前記分割鉄心片6を位置決め保持する位置決め保持工程(第3および第4のステップ)と、ノズル9から繰り出した複数の導線10を束にしたパラ巻線を前記巻線作業空間WSにある前記内側スロット7および前記外側スロット8に係止した後に第1および第2のインデックス機構15A,15Bを連動して自転させて前記導線10を前記分割鉄心片6に巻回してパラ巻線を分割鉄心片6に施す巻線工程(第5および第6のステップ)と、この巻線工程で前記パラ巻線を施した後に前記可動ピン25を係合解除位置に移動させるとともに前記クランプ部材30を前記ガイド位置に移動させて前記分割鉄心片6の位置決め保持状態を一旦解除し、前記分割鉄心片6を前記ガイドローラ22でガイドしつつステップ回動させることでパラ巻線の渡り線を形成する渡り線形成工程(第7のステップ)とを順次実行する。
【0037】
上述の第1のステップS1では、分割鉄心片6を内側ガイド手段18と駆動ローラ17との間に挟み、第2のステップS2では位置決め保持手段19による位置決め保持を解除した状態で駆動ローラ17を回動させることで巻始めの内側スロット7および外側スロット8を巻線作業空間WSに露呈させる。また第3のステップS3では、可動ピンユニット26の作動によって可動ピン25を係合位置に移動させて分割鉄心片6を位置決めし、第4のステップS4では可動クランプユニット29のクランプ部材30を保持位置に移動させて前記分割鉄心片6を支持板20aおよびクランプ部材30間に保持する。第5のステップS5では、ノズル9の複数のノズル孔14から繰り出した複数の導線10を束にしてパラ巻線として、巻線作業空間WSにある内側スロット7および外側スロット8に係止し、第6のステップS6では、第1および第2の自転駆動機構16A,16Bによる連動駆動によって第1および第2のインデックス機構15A,15Bを連動して自転させる。さらに第7のステップS7では、位置決め保持手段19の可動ピンユニット26の作動によって可動ピン25を係合解除位置に移動させるとともに可動クランプユニット29の作動によってクランプ部材30を前記ガイド位置に移動させた状態で、駆動ローラ17によって前記分割鉄心片6をステップ回動させる、このとき、分割鉄心片6のうち巻線処理が終わった部分は、図4で示すように、第2のインデックス機構15B側に送り込まれ、第1および第2のインデックス機構15A,15Bの駆動ローラ17および位置決め保持手段19は同期して作動する。
【0038】
また図4で示すように、前記分割鉄心片6が第1および第2のインデックス機構15A,15B間に跨がった位置に在る状態の位置決め保持工程では、前記分割鉄心片6をその両側の第1および第2のインデックス機構15A,15Bの前記位置決め保持手段19でそれぞれ位置決め保持することになる。
【0039】
次にこの実施の形態の作用について説明すると、第1および第2のインデックス機構15A,15Bは、円弧状の分割鉄心片6の外周に当接、係合する駆動ローラ17と、前記分割鉄心片6の内周に当接して当該分割鉄心片6の移動をガイドする内側ガイド手段18と、前記分割鉄心片6の移動および位置決め保持を切替え可能な位置決め保持手段19とを有しつつ前記分割鉄心片6をステップ回動することができるものであり、第1および第2のインデックス機構15A,15Bによってステップ回動される前記分割鉄心片6の内側スロット7および外側スロット8を周方向に順次臨ませる巻線作業空間WSが、第1および第2のインデックス機構15A,15B間でそれらのインデックス機構15A,15Bに隣接して設定され、前記内側スロット7および前記外側スロット8にトロイダル状の巻線を施すために導線10を繰り出すノズル9が前記巻線作業空間WSに対面して配置され、前記巻線作業空間WSに在る前記内側スロット7および前記外側スロット8に前記ノズル9から繰り出される前記導線10を巻回するようにして第1および第2のインデックス機構15A,15Bの全体を自転させる第1および第2の自転駆動機構16A,16Bが第1および第2のインデックス機構15A,15Bに個別に連結されるので、第1および第2のインデックス機構15A,15Bによって分割鉄心片6の内側スロット7および外側スロット8を巻線作業空間WSに順次位置させるように分割鉄心片6をステップ回動させ、巻線作業空間WSに対面した位置にあるノズル9から導線10を繰り出しつつ第1および第2のインデックス機構15A,15Bを自転させることで、内側スロット7および外側スロット8に導線10を巻回させることができ、従来技術のフライヤやシャトルリングを用いて導線10側を回転させるものではないので、導線10に捩れや緩みが生じることを抑制することができ、巻線の占積率の向上および電動モータの小型化を図ることが可能となり、巻線の皮膜に傷が生じることもない。
【0040】
また前記ノズル9は、複数の導線10を束にしたパラ巻線を前記スロットに巻回することを可能として、導線10を平行に繰り出すようにした複数のノズル孔14を有するので、複数のノズル孔14から繰り出す導線10を束ねてパラ巻線とすることができ、曲げ難いとされるパラ巻線を分割鉄心片6に効果的に巻回することができる。
【0041】
また前記内側ガイド手段18が、前記分割鉄心片6の内周に対向する外周を有する内側ガイド部材21と、前記分割鉄心片6の内周に転がり接触することを可能として前記内側ガイド部材21の外周縁部に回転可能に支持される複数のガイドローラ22とを備えるので、分割鉄心片6を円滑にステップ回動させることができ、周方向で隣接するスロット間の渡り線に緩みや捩れが生じないようにすることができる。
【0042】
また前記位置決め保持手段19が、前記分割鉄心片6の外側スロット8に係合する係合位置ならびに前記外側スロット8との係合を解除する係合解除位置間での移動が可能な可動ピン25を有する可動ピンユニット26を備えるので、可動ピン25を分割鉄心片6の外側スロット8に係合することで、分割鉄心片6の位置決めおよび芯出し精度を高めることができる。
【0043】
また前記位置決め保持手段19が、前記分割鉄心片6の一面をスライド可能に支持する支持板20aとの間に前記分割鉄心片6を挟んで保持する保持位置と、前記分割鉄心片6をスライド可能とすべく前記支持板20aとは反対側から前記分割鉄心片6に近接、対向するガイド位置と、前記支持板20aから側方に退避した保持解除位置との間で作動するクランプ部材30を有する可動クランプユニット29を備えるので、可動クランプユニット29で、分割鉄心片6を保持することができ、分割鉄心片6を確実に位置決め保持し、芯出し精度をより高めることができる。
【0044】
また前記自転駆動機構16A,16Bが個別に連結される第1および第2のインデックス機構15A,15Bが、前記巻線作業空間WSを相互間に挟んで配置されるので、固定位置にあるノズル9から繰り出される導線10を巻回するにあたって第1および第2のインデックス機構15A,15Bが邪魔にならないようにしつつ、第1および第2のインデックス機構15A,15B間に分割鉄心片6が跨がる状態で分割鉄心片6を第1および台2のインデックス機構15A,15Bで確実に保持することができる。
【0045】
また分割鉄心片6に巻線を施すにあたって、第1および第2のインデックス機構15A,15Bの一方である第1のインデックス機構15Aに1つの前記分割鉄心片6を引き込んで当該分割鉄心片6の巻始めの内側スロット7および外側スロット8を前記巻線作業空間WSに露呈させるワークセット工程と、前記可動ピン25を前記係合位置に移動させるとともに前記クランプ部材30を前記保持位置に移動させて前記分割鉄心片6を位置決め保持する位置決め保持工程と、前記ノズル9から繰り出した複数の導線10を束にしたパラ巻線を前記巻線作業空間WSにある前記内側スロット7および前記外側スロット8に係止した後に第1および第2のインデックス機構15A,15Bを連動して自転させて前記パラ巻線を前記分割鉄心片6に巻回して前記分割鉄心片6にトロイダル状のパラ巻線を施す巻線工程とを順次実行するので、分割鉄心片6へのパラ巻線の巻き始めをスムーズに実行することができる。
【0046】
また前記巻線工程で前記パラ巻線を施した後に前記可動ピン25を前記係合解除位置に移動させるとともに前記クランプ部材30を前記ガイド位置に移動させて前記分割鉄心片6の位置決め保持状態を一旦解除し、前記分割鉄心片6を前記ガイドローラ22でガイドしつつステップ回動させることでパラ巻線の渡り線を形成するので、分割鉄心片6が有する内側スロット7および外側スロット8の隣接スロット間での渡り線を円滑に形成することができる。
【0047】
さらに前記分割鉄心片6が第1および第2のインデックス機構15A,15B間に跨がった位置に在る状態の前記位置決め保持工程では、分割鉄心片6をその第1および第2のインデックス機構15A,15Bの前記位置決め保持手段19で位置決め保持するので、第1および第2のインデックス機構15A,15Bの自転回転時に分割鉄心片6をしっかりと保持することができる。
【0048】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0049】
たとえば上述の実施の形態では、複数ずつの内側スロット7および外側スロット8について説明したが、内周および外周のいずれかに複数のスロットを有する分割鉄心片6についても本発明の適用が可能である。
【符号の説明】
【0050】
5・・・トロイダルコア
6・・・分割鉄心片
7,8・・・スロット
9・・・ノズル
10・・・導線
15A,15B・・・インデックス機構
16A,16B・・・自転駆動機構
17・・・駆動ローラ
18・・・内側ガイド手段
19・・・位置決め保持手段
20a・・・支持板
21・・・内側ガイド部材
22・・・ガイドローラ
25・・・可動ピン
26・・・可動ピンユニット
29・・・可動クランプユニット
30・・・クランプ部材
WS・・・巻線作業空間

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