TOP特許意匠商標
特許ウォッチ DM通知 Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2019197845
公報種別公開特許公報(A)
公開日20191114
出願番号2018091996
出願日20180511
発明の名称積層セラミック電子部品の製造方法
出願人株式会社村田製作所
代理人個人,個人
主分類H01G 4/30 20060101AFI20191018BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】プレス圧力を特別に上げなくても、セラミック層間の剥がれ等が生じ難い積層セラミック電子部品の製造方法を提供する。
【解決手段】セラミックグリーンシートを準備する工程と、セラミックグリーンシート上に内部電極用導電性ペーストを塗布して内部電極形成用導電パターンを形成する工程と、セラミックグリーンシートおよび内部電極形成用導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートを複数枚積層し、積層シートを得る工程と、積層シートを積層方向にプレスし、積層ブロックを得る工程と、を有する、積層セラミック電子部品の製造方法である。そして、積層シートを構成するセラミックグリーンシート中には、可塑剤が含有されており、プレスの前に熱処理工程を有する。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
セラミックグリーンシートを準備する工程と、
前記セラミックグリーンシート上に内部電極用導電性ペーストを塗布して内部電極形成用導電パターンを形成する工程と、
前記セラミックグリーンシートおよび前記内部電極形成用導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートを複数枚積層し、積層シートを得る工程と、
前記積層シートを積層方向にプレスし、積層ブロックを得る工程と、
を有する、積層セラミック電子部品の製造方法であって、
前記積層シートを構成する前記セラミックグリーンシート中には、可塑剤が含有されており、
前記プレスの前に熱処理工程を有すること
を特徴とする、積層セラミック電子部品の製造方法。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
前記セラミックグリーンシート中には、空隙が存在しており、
前記熱処理工程により、前記可塑剤を焼失させ、新たな空隙を得て、
前記プレスの際に、前記空隙および前記新たな空隙に前記セラミックグリーンシートを流動させる、請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項3】
前記可塑剤は、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニルから選ばれる、請求項2に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項4】
前記セラミックグリーンシート中には、揮発成分がさらに含有され、
前記熱処理工程により、前記揮発成分を揮発させ、新たな空隙を得て、
前記プレスの際に、前記空隙および前記新たな空隙に前記セラミックグリーンシートを流動させる、請求項2または請求項3に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項5】
前記熱処理工程の代わりに、減圧工程を有し、
前記減圧工程により、前記揮発成分を揮発させ、新たな空隙を得て、
前記プレスの際に、前記空隙および前記新たな空隙に前記セラミックグリーンシートを流動させる、請求項4に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項6】
減圧工程をさらに有し、
前記減圧工程により、前記揮発成分を揮発させ、新たな空隙を得て、
前記プレスの際に、前記空隙および前記新たな空隙に前記セラミックグリーンシートを流動させる、請求項4に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項7】
前記揮発成分は、ヨウ素、シュウ酸、パラジクロロベンゼン、サリチル酸、ナフタレン、テレフタル酸、n−オクタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、シクロヘキサノン、酢酸nヘキシル、酢酸nヘプチルから選ばれる、請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の積層セラミック電子部品の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、積層セラミックコンデンサ等を含む積層セラミック電子部品の製造方法に関する。
続きを表示(約 11,000 文字)【背景技術】
【0002】
一般的に、積層セラミック電子部品の製造工程では、セラミックグリーンシート同士をプレスにより接着させる工程が存在する(特許文献1参照)。
【0003】
具体的には、たとえば、内部電極形成用導電パターンを有する複数のセラミックグリーンシートが、積み重ねられて成形型(図示せず)で挟まれ、静水圧プレスなどによってプレスが行われることで、内部電極形成用導電パターンを有する複数のセラミックグリーンシート同士が密着され、積層ブロックが得られる。
【0004】
より具体的には、内部電極分の段差がある積層体ブロックを高温高圧下でプレスし、セラミックグリーンシートを流動させることにより、段差をなくし、セラミックグリーンシート間やセラミックグリーンシートと内部電極との間の密着を得て、積層体ブロックが得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2009−277800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、近年では、電子機器の高性能化により、積層セラミックコンデンサの大容量化が求められ、セラミックグリーンシートおよび内部電極層の積層枚数の増加に伴い、積層セラミックコンデンサ全体における段差量が増加し、セラミックグリーンシートの変形量だけでは、段差を埋められないことがある。その結果、積層セラミックコンデンサの内部において、剥がれなどの構造欠陥が生じてしまうことが考えられる。
【0007】
それゆえに、本発明の主たる目的は、セラミックグリーンシートおよび内部電極層の積層枚数が増加に伴い、積層セラミック電子部品内において段差量が増加しても、積層セラミック電子部品の内部においてセラミック層間の剥がれ等の構造欠陥が生じがたい積層セラミック電子部品の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法は、セラミックグリーンシートを準備する工程と、セラミックグリーンシート上に内部電極用導電性ペーストを塗布して内部電極形成用導電パターンを形成する工程と、セラミックグリーンシートおよび内部電極形成用導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートを複数枚積層し、積層シートを得る工程と、積層シートを積層方向にプレスし、積層ブロックを得る工程と、を有する、積層セラミック電子部品の製造方法であって、積層シートを構成するセラミックグリーンシート中には、可塑剤が含有されており、プレスの前に熱処理工程を有することを特徴とする、積層セラミック電子部品の製造方法である。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、セラミックグリーンシートおよび内部電極層の積層枚数が増加に伴い、積層セラミック電子部品内において段差量が増加しても、積層セラミック電子部品の内部においてセラミック層間の剥がれ等の構造欠陥が生じがたい積層セラミック電子部品の製造方法が得られる。
【0010】
本発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
この発明の実施の形態に係る積層セラミック電子部品として、積層セラミックコンデンサの一例を示す外観斜視図である。
図1の線II−IIにおける断面図である。
図1の線III−IIIにおける断面図である。
図1の線IV−IVにおける断面図である。
この発明の第1の実施の形態に係る積層セラミック電子部品の製造方法の一例を説明するためのフローチャートである。
この発明の第1の実施の形態に係る積層セラミック電子部品の製造方法の一例を説明するための模式断面図である。
この発明の第1の実施の形態に係る積層セラミック電子部品の製造方法を説明するための図であって、セラミックグリーンシート同士の界面の状態を示す模式拡大断面図である。
この発明の第2の実施の形態に係る積層セラミック電子部品の製造方法の一例を説明するためのフローチャートである。
この発明の第2の実施の形態に係る積層セラミック電子部品の製造方法の一例を説明するための模式断面図である。
この発明の第2の実施の形態に係る積層セラミック電子部品の製造方法を説明するための図であって、セラミックグリーンシート同士の界面の状態を示す模式拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.積層セラミック電子部品
この発明の実施の形態に係る積層セラミック電子部品について説明する。図1は、この発明の実施の形態に係る積層セラミック電子部品として、積層セラミックコンデンサの一例を示す外観斜視図である。図2は、図1の線II−IIにおける断面図であり、図3は、図1の線III−IIIにおける断面図である。図4は、図1の線IV−IVにおける断面図である。
【0013】
以下、積層セラミック電子部品として、積層セラミックコンデンサを例にして説明する。なお、本実施の形態は、通常の2端子コンデンサを例にして説明するけれども、これに限定されるものではなく、多端子コンデンサにも適応することができる。
【0014】
図1ないし図3に示すように、積層セラミックコンデンサ10は、直方体状の積層体12を含む。
【0015】
積層体12は、積層された複数のセラミック層14と複数の内部電極層16とを有する。さらに、積層体12は、積層方向xに相対する第1の主面12aおよび第2の主面12bと、積層方向xに直交する幅方向yに相対する第1の側面12cおよび第2の側面12dと、積層方向xおよび幅方向yに直交する長さ方向zに相対する第1の端面12eおよび第2の端面12fとを有する。積層体12の寸法は、特に限定されない。ただし、積層体12は、長さ方向zの寸法が幅方向yの寸法よりも必ずしも長いとは限らない。
【0016】
この積層体12には、角部および稜線部に丸みがつけられていることが好ましい。なお、角部とは、積層体の隣接する3面が交わる部分のことであり、稜線部とは、積層体の隣接する2面が交わる部分のことである。
【0017】
セラミック層14は、複数枚のセラミック層14から構成される外層部14aと単数もしくは複数枚のセラミック層14とそれらの上に配置される複数枚の内部電極層16から構成される内層部14bとを含む。外層部14aは、積層体12の第1の主面12a側および第2の主面12b側に位置し、第1の主面12aと最も第1の主面12aに近い内部電極層16との間に位置する複数枚のセラミック層14、および第2の主面12bと最も第2の主面12bに近い内部電極層16との間に位置する複数枚のセラミック層14の集合体である。そして、両外層部14aに挟まれた領域が内層部14bである。
【0018】
積層体12の寸法は、特に限定されない。
【0019】
セラミック層14は、たとえば、誘電体材料により形成することができる。誘電体材料としては、たとえば、BaTiO
3
、CaTiO
3
、SrTiO
3
、またはCaZrO
3
などの成分を含む誘電体セラミックを用いることができる。上記の誘電体材料を主成分として含む場合、所望する積層体12の特性に応じて、たとえば、Mn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの主成分よりも含有量の少ない成分を添加したものを用いてもよい。
【0020】
なお、積層体12に、圧電体セラミックを用いた場合、積層セラミック電子部品は、セラミック圧電素子として機能する。圧電セラミック材料の具体例としては、たとえば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系セラミック材料などが挙げられる。
【0021】
また、積層体12に、半導体セラミックを用いた場合、積層セラミック電子部品は、サーミスタ素子として機能する。半導体セラミック材料の具体例としては、たとえば、スピネル系セラミック材料などが挙げられる。
【0022】
また、積層体12に、磁性体セラミックを用いた場合、積層セラミック電子部品は、インダクタ素子として機能する。また、インダクタ素子として機能する場合は、内部電極層16は、コイル状の導体となる。磁性体セラミック材料の具体例としては、たとえば、フェライトセラミック材料などが挙げられる。
【0023】
焼成後のセラミック層14の厚みは、0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。
【0024】
図2に示すように、積層体12は、複数の内部電極層16として、たとえば略矩形状の複数の第1の内部電極層16aおよび複数の第2の内部電極層16bを有する。複数の第1の内部電極層16aおよび複数の第2の内部電極層16bは、積層体12の積層方向xに沿って等間隔に交互に配置されるように埋設されている。
【0025】
第1の内部電極層16aの一端側には、積層体12の第1の端面12eに引き出された第1の引出電極部18aを有する。第2の内部電極層16bの一端側には、積層体12の第2の端面12fに引き出された第2の引出電極部18bを有する。具体的には、第1の内部電極層16aの一端側の第1の引出電極部18aは、積層体12の第1の端面12eに露出している。また、第2の内部電極層16bの一端側の第2の引出電極部18bは、積層体12の第2の端面12fに露出している。
【0026】
積層体12は、セラミック層14の内層部14bにおいて、第1の内部電極層16aと第2の内部電極層16bとが対向する対向電極部20aを含む。また、積層体12は、対向電極部20aの幅方向yの一端と第1の側面12cとの間および対向電極部20aの幅方向yの他端と第2の側面12dとの間に形成される積層体12の側部(Wギャップ)20bを含む。さらに、積層体12は、第1の内部電極層16aの第1の引出電極部18aとは反対側の端部と第2の端面12fとの間および第2の内部電極層16bの第2の引出電極部18bとは反対側の端部と第1の端面12eとの間に形成される積層体12の端部(Lギャップ)20cを含む。
【0027】
内部電極層16は、たとえば、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属や、これらの金属の一種を含む、たとえば、Ag−Pd合金などの、それらの金属の少なくとも一種を含む合金などの適宜の導電材料を含有している。内部電極層16は、さらにセラミック層14に含まれるセラミックスと同一組成系の誘電体粒子を含んでいてもよい。
内部電極層16の厚みは、0.2μm以上2.0μm以下であることが好ましい。第1の内部電極層16aおよび第2の内部電極層16bの枚数は、特に限定されない。
【0028】
積層体12の第1の端面12e側および第2の端面12f側には、外部電極22が配置される。外部電極22は、第1の外部電極22aおよび第2の外部電極22bを有する。
第1の外部電極22aは、積層体12の第1の端面12eの表面に配置され、第1の端面12eから延伸して第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。この場合、第1の外部電極22aは、第1の内部電極層16aの第1の引出電極部18aと電気的に接続される。
第2の外部電極22bは、積層体12の第2の端面12fの表面に配置され、第2の端面12fから延伸して第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。この場合、第2の外部電極22bは、第2の内部電極層16bの第2の引出電極部18bと電気的に接続される。
【0029】
積層体12内においては、各対向電極部20aで第1の内部電極層16aと第2の内部電極層16bとがセラミック層14を介して対向することにより、静電容量が形成されている。そのため、第1の内部電極層16aが接続された第1の外部電極22aと第2の内部電極層16bが接続された第2の外部電極22bとの間に、静電容量を得ることができる。
【0030】
第1の外部電極22aは、図2に示すように、積層体12側から順に、第1の下地電極層24aと第1の下地電極層24aの表面に配置された第1のめっき層26aとを有する。同様に、第2の外部電極22bは、積層体12側から順に、第2の下地電極層24bと第2の下地電極層24bの表面に配置された第2のめっき層26bとを有する。
【0031】
第1の下地電極層24aは、積層体12の第1の端面12eの表面に配置され、第1の端面12eから延伸して第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。
第2の下地電極層24bは、積層体12の第2の端面12fの表面に配置され、第2の端面12fから延伸して第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。
なお、第1の下地電極層24aは、積層体12の第1の端面12eの表面のみに配置されてもよいし、第2の下地電極層24bは、積層体12の第2の端面12fの表面にのみ配置されてもよい。
【0032】
第1の下地電極層24aおよび第2の下地電極層24b(以下、単に下地電極層ともいう)は、それぞれ、焼付け層、導電性樹脂層、薄膜層などから選ばれる少なくとも1つを含む。
【0033】
まず、下地電極層が、焼付け層で形成された第1の下地電極層24aおよび第2の下地電極層24bについて説明する。
焼付け層は、ガラスと金属とを含む。焼付け層の金属としては、たとえば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含む。また、焼付け層のガラスとしては、B、Si、Ba、Mg、Al、Li等から選ばれる少なくとも1つを含む。焼付け層は、複数層であってもよい。焼付け層は、ガラスおよび金属を含む導電性ペーストを積層体12に塗布して焼き付けたものであり、セラミック層14および内部電極層16と同時に焼成したものでもよく、セラミック層14および内部電極層16を焼成した後に焼き付けたものでもよい。
【0034】
第1の端面12eに位置する第1の下地電極層24aおよび第2の端面12fに位置する第2の下地電極層24bの高さ方向中央部におけるそれぞれの焼付け層の厚みは、10μm以上200μm以下であることが好ましい。
また、第1の主面12aおよび第2の主面12b、ならびに第1の側面12cおよび第2の側面12dの表面に下地電極層を設ける場合には、第1の主面12aおよび第2の主面12b、ならびに第1の側面12cおよび第2の側面12dの表面に位置する第1の下地電極層24aおよび第2の下地電極層24bである長さ方向の中央部におけるそれぞれの焼付け層の厚みは、5μm以上50μm以下程度であることが好ましい。
【0035】
次に、下地電極層が、導電性樹脂層で形成された第1の下地電極層24aおよび第2の下地電極層24bについて説明する。
導電性樹脂層は、焼付け層の表面に焼付け層を覆うように配置されるか、積層体12の表面に直接配置されてもよい。
導電性樹脂層は、熱硬化性樹脂および金属を含む。導電性樹脂層は、熱硬化性樹脂を含むため、たとえば、めっき膜や導電性ペーストの焼成物からなる導電層よりも柔軟性に富んでいる。このため、積層セラミックコンデンサに物理的な衝撃や熱サイクルに起因する衝撃が加わった場合であっても、導電性樹脂層が緩衝層として機能し、積層セラミックコンデンサへのクラックを防止することができる。
【0036】
導電性樹脂層に含まれる金属としては、Ag、Cu、またはそれらの合金を使用することができる。また、金属粉の表面にAgコーティングされたものを使用することができる。金属粉の表面にAgコーティングされたものを使用する際には金属粉としてCuやNiを用いることが好ましい。また、Cuに酸化防止処理を施したものを使用することもできる。特に、導電性樹脂層に含まれる金属としてAgの導電性金属粉を用いることは、Agは金属の中でもっとも比抵抗が低いため電極材料に適しており、Agは貴金属であるため酸化せず耐候性が高いため、好ましい。なお、導電性樹脂層に含まれる金属としてAgコーティングされた金属を用いることは、上記のAgの特性を保ちつつ、母材の金属を安価なものにすることが可能になるため、好ましい。
導電性樹脂層に含まれる金属は、導電性樹脂全体の体積に対して、35vol%以上75vol%以下で含まれていることが好ましい。
導電性樹脂層に含まれる金属(導電性フィラー)の形状は、特に限定されない。導電性フィラーは、球形状、扁平状などのものを用いることができるが、球形状金属粉と扁平状金属粉とを混合して用いるのが好ましい。
導電性樹脂層に含まれる金属(導電性フィラー)の平均粒径は、特に限定されない。導電性フィラーの平均粒径は、たとえば、0.3μm以上10μm以下程度であってもよい。
導電性樹脂層に含まれる金属(導電性フィラー)は、主に導電性樹脂層の通電性を担う。具体的には、導電性フィラーどうしが接触することにより、導電性樹脂層内部に通電経路が形成される。
【0037】
導電性樹脂層の樹脂としては、たとえば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などの公知の種々の熱硬化性樹脂を使用することができる。その中でも、耐熱性、耐湿性、密着性などに優れたエポキシ樹脂は、最も適切な樹脂の一つである。
導電性樹脂層に含まれる樹脂は、導電性樹脂全体の体積に対して、25vol%以上65vol%以下で含まれていることが好ましい。
また、導電性樹脂層には、熱硬化性樹脂とともに、硬化剤を含むことが好ましい。ベース樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂の硬化剤としては、フェノール樹脂、アミン系、酸無水物系、イミダゾール系など公知の種々の化合物を使用することができる。
【0038】
第1の端面12eに位置する第1の下地電極層24aおよび第2の端面12fに位置する第2の下地電極層24bの高さ方向中央部におけるそれぞれの導電性樹脂層の厚みは、たとえば、10μm以上200μm以下程度であることが好ましい。
また、第1の主面12aおよび第2の主面12b、ならびに第1の側面12cおよび第2の側面12dの表面に下地電極層を設ける場合には、第1の主面12aおよび第2の主面12b、ならびに第1の側面12cおよび第2の側面12dの表面に位置する第1の下地電極層24aおよび第2の下地電極層24bである長さ方向の中央部におけるそれぞれの導電性樹脂層の厚みは、5μm以上50μm以下程度であることが好ましい。
【0039】
また、下地電極層が薄膜層の場合、薄膜層は、スパッタ法または蒸着法等の薄膜形成法により形成され、金属粒子が堆積された1μm以下の層である。
【0040】
第1のめっき層26aは、第1の下地電極層24aを覆うように配置される。具体的には、第1のめっき層26aは、第1の下地電極層24aの表面の第1の端面12eに配置され、第1の下地電極層24aの表面の第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dにも至るように設けられていることが好ましい。なお、第1のめっき層26aは、第1の端面12eに配置される第1の下地電極層24aの表面のみに配置されてもよい。
第2のめっき層26bは、第2の下地電極層24bを覆うように配置される。具体的には、第2のめっき層26bは、第2の下地電極層24bの表面の第2の端面12fに配置され、第2の下地電極層24bの表面の第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dにも至るように設けられていることが好ましい。なお、第2のめっき層26bは、第2の端面12fに配置される第2の下地電極層24bの表面のみに配置されてもよい。
【0041】
また、第1のめっき層26aおよび第2のめっき層26b(以下、単にめっき層ともいう)としては、たとえば、Cu、Ni、Sn、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含む。
めっき層は、複数層によって形成されてもよい。この場合、めっき層は、Niめっき層とSnめっき層の2層構造であることが好ましい。Niめっき層が、下地電極層の表面を覆うように設けられることで、積層セラミックコンデンサ10を実装する際に、実装に用いられる半田によって下地電極層が侵食されることを防止することができる。また、Niめっき層の表面に、Snめっき層を設けることにより、積層セラミックコンデンサ10を実装する際に、実装に用いられる半田の濡れ性を向上させ、容易に実装することができる。
【0042】
めっき層一層あたりの厚みは、2μm以上15μm以下であることが好ましい。
【0043】
なお、下地電極層を設けずに、めっき層だけで外部電極22を形成してもよい。以下、下地電極層を設けずに、めっき層を設ける構造について説明する。
第1の外部電極22aおよび第2の外部電極22bのそれぞれは、下地電極層が設けられず、めっき層が積層体12の表面に直接形成されていてもよい。すなわち、積層セラミックコンデンサ10は、第1の内部電極層16aまたは第2の内部電極層16bに電気的に接続されるめっき層を含む構造であってもよい。このような場合、前処理として積層体12の表面に触媒を配設した後で、めっき層が形成されてもよい。
めっき層は、積層体12の表面に形成される下層めっき電極と、下層めっき電極の表面に形成される上層めっき電極とを含むことが好ましい。
下層めっき電極および上層めっき電極はそれぞれ、たとえば、Cu、Ni、Sn、Pb、Au、Ag、Pd、BiまたはZnなどから選ばれる少なくとも1種の金属または当該金属を含む合金を含むことが好ましい。
下層めっき電極は、はんだバリア性能を有するNiを用いて形成されることが好ましく、上層めっき電極は、はんだ濡れ性が良好なSnやAuを用いて形成されることが好ましい。また、たとえば、第1の内部電極層16aおよび第2の内部電極層16bがNiを用いて形成される場合、下層めっき電極は、Niと接合性のよいCuを用いて形成されることが好ましい。なお、上層めっき電極は、必要に応じて形成されればよく、第1の外部電極22aおよび第2の外部電極22bはそれぞれ、下層めっき電極のみで構成されてもよい。
めっき層は、上層めっき電極を最外層としてもよいし、上層めっき電極の表面にさらに他のめっき電極を形成してもよい。
下地電極層を設けずに配置するめっき層の1層あたりの厚みは、1μm以上15μm以下であることが好ましい。めっき層は、ガラスを含まないことが好ましい。めっき層の単位体積あたりの金属割合は、99vol%以上であることが好ましい。
【0044】
積層体12、第1の外部電極22aおよび第2の外部電極22bを含む積層セラミックコンデンサ10の長さ方向zの寸法をL寸法とし、積層体12、第1の外部電極22aおよび第2の外部電極22bを含む積層セラミックコンデンサ10の積層方向xの寸法をT寸法とし、積層体12、第1の外部電極22aおよび第2の外部電極22bを含む積層セラミックコンデンサ10の幅方向yの寸法をW寸法とする。
積層セラミックコンデンサ10の寸法は、特に限定されないが、たとえば、長さ方向zのL寸法が0.4mm以上6mm以下、幅方向yのW寸法が0.2mm以上6mm以下、積層方向xのT寸法が0.2mm以上3mm以下であることが好ましい。
【0045】
2.積層セラミック電子部品の製造方法
次に、以上の構成からなる積層セラミック電子部品の製造方法の第1の実施の形態について説明する。図5は、この発明の第1の実施の形態に係る積層セラミック電子部品の製造方法の一例を説明するためのフローチャートである。図6は、この発明の第1の実施の形態に係る積層セラミック電子部品の製造方法の一例を説明するための模式断面図である。図7は、この発明の第1の実施の形態に係る積層セラミック電子部品の製造方法を説明するための図であって、セラミックグリーンシート同士の界面の状態を示す模式拡大断面図である。ここでは、積層セラミックコンデンサ10の製造方法を例として説明する。
【0046】
まず、工程S1で、可塑剤が含有されているセラミックグリーンシートが準備される。具体的には、セラミック粉末(誘電体粉末)、添加粉末およびバインダ樹脂の溶解液が用意され、分散混合することでセラミックスラリー(誘電体スラリー)が得られる。なお、この時、成形したセラミックグリーンシートに柔軟性を持たせるために可塑剤が添加される。
【0047】
ここで、添加される可塑剤は、フタル酸ジオクチル(DOP(DEHP)(Dioctyl phthalate))、フタル酸ジイソノニル(DINP(Diisononyl phthalate))、フタル酸ジイソデシル(DIDP(Diisodecyl phthalate))、フタル酸ジブチル(DBP(Dibutyl phthalate))、アジピン酸ジオクチル(DOA(DEHA)(Dioctyl adipate))、アジピン酸ジイソノニル(DINA(Diisononyl adipate))から選ばれる可塑剤を用いるのが好ましい。これにより、本発明の効果をより確実なものにすることができる。
【0048】
セラミックスラリーは、溶剤系であってもよいし、水系であってもよい。セラミックスラリーを水系塗料とする場合は、水溶性のバインダ樹脂や分散剤などを水に溶解させたセラミック原料が混合される。
【0049】
セラミックスラリーは、PETなどの支持フィルム上にシート状に成型され、セラミックグリーンシートとされる。シート状に成型される方法としては種々の方法があり、例えば支持フィルムを移動させながら塗布ヘッドからセラミックスラリーを押し出し、シート状に成型してもよい。セラミックグリーンシートの厚みは、支持フィルムの移動速度およびセラミックスラリーの押し出し量により決定される。支持フィルムに塗布されたセラミックスラリーは、雰囲気乾燥や冷凍乾燥や遠赤外線などを組み合わせることによって乾燥され、セラミック層14となるセラミックグリーンシートが作製される。
【0050】
次に、工程S2で、可塑剤を含有しているセラミックグリーンシートの上に、内部電極層16を形成するための内部電極用導電性ペーストが、例えばスクリーン印刷法などによって所定のパターンに塗布され、内部電極形成用導電パターン32が形成された複数枚のセラミックグリーンシート30が準備される(図6(A)参照)。
(【0051】以降は省略されています)

関連特許

株式会社村田製作所
電子部品
株式会社村田製作所
電力増幅器
株式会社村田製作所
キャパシタ
株式会社村田製作所
半導体装置
株式会社村田製作所
高周波回路
株式会社村田製作所
電力増幅回路
株式会社村田製作所
電力変換装置
株式会社村田製作所
車載電子装置
株式会社村田製作所
導電性ペースト
株式会社村田製作所
表面実装インダクタ
株式会社村田製作所
車載用ワイヤハーネス
株式会社村田製作所
貼付型生体用デバイス
株式会社村田製作所
チップ部品の整列方法
株式会社村田製作所
積層セラミックコンデンサ
株式会社村田製作所
インダクタおよびその製造方法
株式会社村田製作所
マルチプレクサおよび通信装置
株式会社村田製作所
ピエゾリングジャイロスコープ
株式会社村田製作所
ピエゾリングジャイロスコープ
株式会社村田製作所
積層セラミック電子部品の製造方法
株式会社村田製作所
ジャイロスコープのための同期構造
株式会社村田製作所
商品陳列用ラック及び商品管理システム
株式会社村田製作所
電荷検知回路および圧電マイクロフォン
株式会社村田製作所
LIDARデバイスのファブリペロー要素
株式会社村田製作所
高周波フロントエンド回路および通信装置
株式会社村田製作所
アンテナ装置、アンテナコイル及び電子機器
株式会社村田製作所
磁器組成物、及び、チューナブルキャパシタ
株式会社村田製作所
拡大された画像領域を備える走査光学デバイス
株式会社村田製作所
巻回型コンデンサの製造方法及び巻回型コンデンサ
株式会社村田製作所
リーダライタアンテナ、商品陳列用ラック及び商品管理システム
株式会社村田製作所
リチウムイオン二次電池の製造方法およびリチウムイオン二次電池
株式会社村田製作所
積層セラミックコンデンサおよび積層セラミックコンデンサの製造方法
株式会社村田製作所
ハンガーラック用リーダ装置、ハンガーラック、及び衣料品の商品管理システム
株式会社村田製作所
細胞培養液回収フィルタユニット、細胞培養液回収方法、及び細胞培養液回収キット
株式会社アロマジョイン
香り時計
日本板硝子株式会社
反応処理装置
日本板硝子株式会社
反応処理装置および反応処理方法
続きを見る