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公開番号2019197838
公報種別公開特許公報(A)
公開日20191114
出願番号2018091698
出願日20180510
発明の名称ガス絶縁静止誘導電器の輸送方法、およびガス絶縁静止誘導電器
出願人株式会社東芝,東芝エネルギーシステムズ株式会社
代理人特許業務法人 志賀国際特許事務所
主分類H01F 27/00 20060101AFI20191018BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】設置先での組み立てを最小限に抑えることができるガス絶縁静止誘導電器の輸送方法、およびガス絶縁静止誘導電器を提供することである。
【解決手段】実施形態のガス絶縁静止誘導電器の輸送方法は、絶縁性ガスを封入したタンクの内部に、鉄心に巻回した巻線を収納して構成されるガス絶縁静止誘導電器の輸送方法である。円筒状のタンク本体、およびタンク本体の両端部を閉塞する平板によりタンクを形成する。輸送用ヒンジが着脱可能に取り付けられる取付座を平板に取り付ける。輸送用ヒンジを吊り掛け台車に連結して輸送する。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
絶縁性ガスを封入したタンクの内部に、鉄心に巻回した巻線を収納して構成されるガス絶縁静止誘導電器の輸送方法であって、
円筒状のタンク本体、および前記タンク本体の両端部を閉塞する平板により前記タンクを形成し、
輸送用ヒンジが着脱可能に取り付けられる取付座を前記平板に取り付け、
前記輸送用ヒンジを吊り掛け台車に連結して輸送する、
ガス絶縁静止誘導電器の輸送方法。
続きを表示(約 430 文字)【請求項2】
前記タンク本体の径方向から見て前記タンク本体の中心軸線に沿う軸方向に延び、前記軸方向において前記タンク本体の中心部を跨るように配置された補強部を前記タンク本体の外周面に接合し、
前記取付座を前記補強部に着脱可能に締結する、
請求項1に記載のガス絶縁静止誘導電器の輸送方法。
【請求項3】
前記平板の厚さを50mm以上に設定する、
請求項1または請求項2に記載のガス絶縁静止誘導電器の輸送方法。
【請求項4】
鉄心および前記鉄心に巻回された巻線を有する静止誘導電器本体と、
絶縁性ガスを封入し、かつ前記静止誘導電器本体を収納するタンクであって、円筒状のタンク本体、および前記タンク本体の両端部を閉塞する平板を有するタンクと、
前記平板に取り付けられ、吊り掛け台車に連結可能な輸送用ヒンジが着脱可能に取り付けられる取付座と、
を備えるガス絶縁静止誘導電器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ガス絶縁静止誘導電器の輸送方法、およびガス絶縁静止誘導電器に関する。
続きを表示(約 12,000 文字)【背景技術】
【0002】
変圧器やリアクトル等の静止誘導電器は、巻線や鉄心等により構成された静止誘導電器本体と、静止誘導電器本体を収容する容器と、容器内に充填された絶縁用および冷却用の冷却媒体と、を備える。近年では、冷却媒体として従来の絶縁油に代えて、SF

等の不燃性の絶縁性ガスを用いたガス絶縁静止誘導電器がある。
【0003】
ガス絶縁静止誘導電器においては、絶縁および冷却の面からガス圧を高くする必要があり、容器が法令上で圧力容器に該当する場合がある。この場合、容器として、ガス圧に耐え得る円筒状のタンクと、タンクの端部を閉塞する凸状に湾曲した皿形の板状部材と、を備えた圧力容器を採用することがある。このような容器において、皿形の板状部材は、容器全体の重量の増加を抑制するために、比較的板厚が小さく設定される。
【0004】
ところで、静止誘導電器を陸上輸送する方法として、輸送限界寸法の大きい吊り掛け式による鉄道輸送やトレーラー輸送がある。吊り掛け式による輸送では、容器の両端に着脱可能な輸送用ヒンジを取り付け、輸送用ヒンジを吊り掛け台車に連結する。輸送用ヒンジは、容器に溶接された取付座に取り付けられる。
【0005】
しかしながら、従来のガス絶縁静止誘導電器において吊り掛け式の輸送を行う場合、容器端部の皿形の板状部材に取付座を溶接すると、皿形の板状部材の板厚が比較的小さいことから、溶接に伴う歪みが大きくなる傾向にある。このため、吊り掛け台車と連結する輸送用ヒンジに要求される寸法精度の確保が困難となる。また、皿形の板状部材に取付座を溶接すると、輸送時に輸送用ヒンジに作用する力が取付座を介して皿形の板状部材に作用し、湾曲部に応力集中が発生する。応力集中を抑制するためには、湾曲部の周囲に補強部材を取り付ける必要があるが、溶接に伴う応力の発生を考慮すると、曲げ応力が生じやすい湾曲部の周囲には補強部材を溶接することができない。したがって、従来のガス絶縁静止誘導電器では、容器端部の皿形の板状部材に取付座を溶接することが困難である。
【0006】
このため、従来のガス絶縁静止誘導電器は、陸上輸送を要する場合、輸送寸法が小さくなるように分解された状態で設置先に輸送され、設置先で組み立てられる。しかしながら、設置先で組み立てを行うと、工場で組み立てを行う場合と比較して、製造コストが上昇する可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第3155414号公報
特開平02−205004号公報
特公昭61−038845号公報
特開平04−116806号公報
特開平07−272943号公報
特開平11−087142号公報
特開平11−219829号公報
特開平07−122437号公報
特開平02−156613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、設置先での組み立てを最小限に抑えることができるガス絶縁静止誘導電器の輸送方法、およびガス絶縁静止誘導電器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態のガス絶縁静止誘導電器の輸送方法は、絶縁性ガスを封入したタンクの内部に、鉄心に巻回した巻線を収納して構成されるガス絶縁静止誘導電器の輸送方法である。円筒状のタンク本体、およびタンク本体の両端部を閉塞する平板によりタンクを形成する。輸送用ヒンジが着脱可能に取り付けられる取付座を平板に取り付ける。輸送用ヒンジを吊り掛け台車に連結して輸送する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施形態のガス絶縁静止誘導電器を示す斜視図。
図1のII−II線における断面図。
実施形態の静止誘導電器本体を示す正面図。
実施形態のガス絶縁静止誘導電器を示す斜視図。
ガス絶縁静止誘導電器の輸送方法を示す正面図。
実施形態の変形例のガス絶縁静止誘導電器の一部を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態のガス絶縁静止誘導電器の輸送方法、およびガス絶縁静止誘導電器を、図面を参照して説明する。
【0012】
最初に、設置状態におけるガス絶縁静止誘導電器1の構成について説明する。なお、実施形態では、ガス絶縁静止誘導電器1が設置される面は、水平面である。
図1は、実施形態のガス絶縁静止誘導電器を示す斜視図である。図2は、図1のII−II線における断面図である。
図1および図2に示すように、ガス絶縁静止誘導電器1は、静止誘導電器本体10と、圧力容器であって絶縁性ガスを封入し静止誘導電器本体10を内部に収納するタンク20と、タンク20に取り付けられた取付座50,60と、を備える。なお、図中符号70は、輸送時にガス絶縁静止誘導電器1に取り付けられる輸送用ヒンジを示している。輸送用ヒンジ70は、ガス絶縁静止誘導電器1の設置状態では取り外される。
【0013】
図3は、実施形態の静止誘導電器本体を示す正面図である。
図3に示すように、静止誘導電器本体10は、例えば三相三脚の変圧器を構成する。静止誘導電器本体10は、巻線11および鉄心12を有する。巻線11は、3つ設けられている。各巻線11は、巻回軸線が上下方向に沿うように、鉄心12に巻回されている。鉄心12は、巻線11が巻回される3つの脚13と、各脚13の端部に接続するヨーク14と、を備える。3つの脚13は、それぞれ鉛直方向に延びている。3つの脚13は、水平の一方向に略等間隔で並んでいる。ヨーク14は、水平の一方向に延びている。ヨーク14は、隣り合う一対の脚13の上端部同士、および下端部同士を接続している。これにより、巻線11によって生じる磁束は、脚13とヨーク14とにより形成された磁路を流れる。なお、静止誘導電器本体は、三相三脚の変圧器に限定されず、例えば三相五脚の変圧器であってもよい。
【0014】
図4は、実施形態のガス絶縁静止誘導電器を示す斜視図である。
図1および図4に示すように、タンク20は、円筒状のタンク本体21と、タンク本体21の両端部21a,21bを閉塞する一対の平板24A,24Bと、タンク本体21の外周面に接合された補強部30および上部接続部40と、を備える。
【0015】
タンク本体21は、静止誘導電器本体10を囲うように配置される(図2参照)。タンク本体21は、鉄心12の3つの脚13(図3参照)が並ぶ水平の一方向に沿って延びている。タンク本体21は、例えば10mm程度の板厚を有する。以下の説明では、タンク本体21の中心軸線に沿う方向を軸方向といい、タンク本体21の径方向を単に径方向といい、タンク本体21の周方向を単に周方向という。また、軸方向において、タンク本体21の中心部から各端部に向かう方向を軸方向の外側といい、タンク本体21の中心部に向かう方向を軸方向の内側という。
【0016】
一対の平板24A,24Bは、タンク本体21の第1端部21aを閉塞する第1平板24Aと、タンク本体21の第2端部21bを閉塞する第2平板24Bと、である。第1平板24Aは、タンク本体21の外径と略同径の円板状に形成されている。第1平板24Aは、タンク本体21の第1端部21aの開口縁に全周に亘って溶接されている。第2平板24Bは、タンク本体21の第2端部21bに設けられたフランジ22の外径と略同径の円板状に形成されている。第2平板24Bは、タンク本体21の第2端部21bの開口縁に全周に亘って密着している。第2平板24Bは、タンク本体21の第2端部21bのフランジ22に、図示しない複数のボルトによって締結されている。一対の平板24A,24Bは、それぞれタンク本体21よりも厚く形成されている。具体的に、一対の平板24A,24Bは、圧力容器として必要な強度を確保するために、それぞれ50mm以上の板厚を有する。
【0017】
図4に示すように、補強部30は、タンク本体21の撓みを抑制するとともに、タンク20と設置面との間に介在してタンク20を支持する。補強部30は、径方向から見て軸方向に延びている。補強部30は、軸方向におけるタンク本体21の中心部を軸方向に跨るように配置されている。補強部30は、軸方向におけるタンク本体21の第1端部21a側の端部から、タンク本体21の第2端部21b側の端部に亘って連なり、一体化している。補強部30は、タンク本体21の下面から延びている。補強部30は、平面視で軸方向に直交する方向に延びる脚部31と、軸方向に延びるリブ32と、脚部31に接合されたジャッキ受け33と、脚部31に接合された下部接続部34と、を備える。
【0018】
脚部31は、複数(本実施形態では3つ)設けられ、軸方向に間隔をあけて並んでいる。複数の脚部31は、等間隔に配置されている。複数の脚部31は、軸方向において、タンク本体21の両端部21a,21bよりも軸方向の内側に配置されている。脚部31は、軸方向の全長に亘ってタンク本体21の下面に溶接されている。脚部31の下端面は、水平方向に延び、設置面に接触する。
【0019】
リブ32は、軸方向および上下方向に延びる矩形板状に形成されている。リブ32は、複数(本実施形態では2つ)設けられ、軸方向から見て水平方向に間隔をあけて並んでいる。リブ32は、軸方向におけるタンク本体21の第1端部21aと同じ位置から第2端部21bの同じ位置に亘って延在している。リブ32は、全長に亘ってタンク本体21の下面に溶接されている。リブ32の下端縁は、軸方向に延び、脚部31の下端面よりも僅かに上方に位置している。リブ32および脚部31は、互いに交差するように設けられている。リブ32および脚部31は、溶接等によって互いに接合されている。リブ32および脚部31は、一体化している。
【0020】
ジャッキ受け33は、ガス絶縁静止誘導電器1の設置時等に、ジャッキによって支持される部分である。ジャッキ受け33は、軸方向から見た左右両側において、それぞれ軸方向に間隔をあけて一対設けられている。ジャッキ受け33は、複数の脚部31のうち軸方向の外側に位置する一対の脚部31に固定されている。ジャッキ受け33は、ジャッキ等が下方から接触する水平板33aと、水平板33aに交差して延びる補強板33bと、を備える。
【0021】
水平板33aは、水平方向に沿う平板状に形成されている。水平板33aは、タンク本体21と脚部31との接合部における、軸方向から見た端部から延びている。水平板33aは、タンク本体21から離間する方向に向かって延びている。水平板33aは、タンク本体21と脚部31との接合部に溶接されている。
【0022】
補強板33bは、軸方向に直交する面方向に沿って延びる平板状に形成されている。補強板33bは、タンク本体21と脚部31との接合部における、軸方向から見た端部を上下方向に跨いでタンク本体21および脚部31の双方から延びている。補強板33bは、タンク本体21および脚部31から離間する方向に向かって延びている。補強板33bは、タンク本体21および脚部31に溶接されている。補強板33bの上部には、クレーンの吊りワイヤが掛けられるフックが形成されている。補強板33bは、水平板33aと交差するように設けられている。本実施形態では、補強板33bは、軸方向における水平板33aの中間部において、水平板33aに直交している。補強板33bは、水平板33aに溶接されている。これにより、補強板33bは、水平板33aとタンク本体21とを接続するとともに、水平板33aと脚部31とを接続し、水平板33aを補強している。
【0023】
下部接続部34は、取付座50,60が接続される箇所である。下部接続部34は、取付座50,60が固定される固定部34aと、固定部34aと脚部31との間に介在する第1介在部34bと、固定部34aとジャッキ受け33との間に介在する第2介在部34cと、を備える。
【0024】
固定部34aは、軸方向の外側の脚部31よりもさらに軸方向の外側に配置されている。固定部34aは、取付座50,60の後述する基部51,61の下端部に対向する位置に設けられている。固定部34aは、軸方向に直交する面方向に沿って延びる平板状に形成されている。固定部34aにおける径方向内側の端部は、周方向の全長に亘ってタンク本体21の外周面に溶接されている。
【0025】
第1介在部34bは、軸方向に延びる平板状に形成されている。第1介在部34bにおける軸方向の外側の端部は、固定部34aに溶接されている。第1介在部34bにおける軸方向の内側の端部は、脚部31に溶接されている。これにより、第1介在部34bは、固定部34aと脚部31とを固定している。第1介在部34bにおける径方向の内側の端部は、軸方向の全長に亘ってタンク本体21の外周面に溶接されている。
【0026】
第2介在部34cは、軸方向に延びる平板状に形成されている。第2介在部34cにおける軸方向の外側の端部は、固定部34aに溶接されている。第2介在部34cにおける軸方向の内側の端部は、ジャッキ受け33の水平板33aに連なっている。本実施形態では、第2介在部34cは、ジャッキ受け33の水平板33aと一体の部材により形成されている。これにより、第2介在部34cは、固定部34aとジャッキ受け33とを固定している。また、下部接続部34は、脚部31およびジャッキ受け33と一体化している。
【0027】
上部接続部40は、複数設けられている。上部接続部40は、複数の下部接続部34それぞれの上方に設けられている。すなわち、上部接続部40は、タンク本体21の第1端部21a近傍、および第2端部21b近傍のそれぞれにおいて、軸方向から見て左右一対設けられている。上部接続部40は、取付座50,60の基部51,61の上端部に対向する位置に設けられている。上部接続部40は、軸方向に直交する面方向に沿って延びる平板状に形成されている。上部接続部40における径方向内側の端部は、周方向の全長に亘ってタンク本体21の外周面に溶接されている。
【0028】
図1および図4に示すように、取付座50,60は、タンク20の両端部にそれぞれ設けられている。取付座50,60は、タンク20の第1平板24Aに接合された第1取付座50と、タンク20の第2平板24Bに接合された第2取付座60と、である。
【0029】
図1に示すように、第1取付座50は、軸方向から見て左右一対に分割されている。軸方向から見た第1取付座50の左部および右部のそれぞれは、輸送用ヒンジ70が取り付けられる基部51と、基部51と補強部30とを連結する一対の連結部52A,52Bと、を備える。
【0030】
基部51は、軸方向に厚みを有し、上下方向を長手方向とする平板状の部材である。基部51は、第1平板24Aに対向配置されている。基部51の上下両端部は、軸方向から見て第1平板24Aよりも径方向の外側に配置されている。基部51は、第1平板24Aに溶接されている。基部51には、輸送用ヒンジ70を固定するためのボルト(不図示)が螺着されるねじ穴が形成されている。
【0031】
連結部52A,52Bは、基部51の上端部から軸方向の内側に向かって延びる上部連結部52Aと、基部51の下端部から軸方向の内側に向かって延びる下部連結部52Bと、である。上部連結部52Aは、基部51と上部接続部40とを連結する。上部連結部52Aにおける軸方向の外側の端部は、基部51に溶接されている。上部連結部52Aにおける軸方向の内側の端部は、上部接続部40に溶接されている。上部連結部52Aは、例えば一対の平行平板によって形成されている。下部連結部52Bは、基部51と下部接続部34とを連結する。下部連結部52Bにおける軸方向の外側の端部は、基部51に溶接されている。下部連結部52Bにおける軸方向の内側の端部は、下部接続部34の固定部34aに溶接されている。下部連結部52Bは、例えば3つの平行平板によって形成されている。
【0032】
図4に示すように、第2取付座60は、軸方向から見て左右一対に分割されている。軸方向から見た第2取付座60の左部および右部のそれぞれは、輸送用ヒンジ70が取り付けられる基部61と、基部61と第2平板24Bとの間に介在する架台62と、基部61と補強部30とを連結する一対の連結部63A,63Bと、を備える。
【0033】
基部61は、軸方向に厚みを有する平板状に形成されている。基部61は、第2平板24Bに対向配置されている。基部61は、上下に分割されている。基部61の上部と下部との間には、隙間が設けられている。基部61の上端部は、軸方向から見て第2平板24Bよりも径方向の外側に配置されている。基部61の下端部は、軸方向から見て第2平板24Bよりも径方向の外側に配置されている。基部61には、輸送用ヒンジ70を固定するためのボルト(不図示)が螺着されるねじ穴が形成されている。なお、第2取付座60の基部61は、上下に分割されていなくてもよい。
【0034】
架台62は、基部61の上部と下部とに跨るように配置されている(図1参照)。架台62は、上下方向に延びる平板部材と、軸方向および上下方向に直交する方向に延びる平板部材と、により構成されている。架台62における軸方向の外側の端部は、基部61に溶接されている。架台62における軸方向の内側の端部は、第2平板24Bに溶接されている。このように、基部61が架台62によって第2平板24Bから浮いた状態で第2平板24Bの取り付けられることで、基部61がタンク本体21と第2平板24Bとを締結するボルトに接触することを防止している。
【0035】
連結部63A,63Bは、基部61の上端部から軸方向の内側に向かって延びる上部連結部63Aと、基部61の下端部から軸方向の内側に向かって延びる下部連結部63Bと、を備える。第2取付座60の連結部63A,63Bは、第1取付座50の連結部52A,52Bと略同様に形成されている。
【0036】
次に、輸送時におけるガス絶縁静止誘導電器の構成について説明する。
図1に示すように、ガス絶縁静止誘導電器1の輸送時には、ガス絶縁静止誘導電器1の軸方向両端部に、輸送用ヒンジ70が取り付けられる。輸送用ヒンジ70は、取付座50,60の基部51,61に取り付けられた一対のヒンジ本体71と、一対のヒンジ本体71の間に架設された架設部72と、を備える。
【0037】
ヒンジ本体71は、取付座50,60の基部51,61に沿って、上下方向に延びている。ヒンジ本体71の上端部は、取付座50,60の基部51,61の上端部近傍に位置している。ヒンジ本体71の下端部は、取付座50,60の基部51,61の下端部近傍に位置している。ヒンジ本体71は、図示しないボルト等によって取付座50,60の基部51,61に締結され、着脱可能に固定されている。ヒンジ本体71の下部には、軸孔73が形成されている。軸孔73は、軸方向および上下方向に直交する方向に貫通している。一対のヒンジ本体71の軸孔73は、互いに同軸に設けられている。
【0038】
架設部72は、上下に一対設けられている。各架設部72は、一対のヒンジ本体71を連結するように、軸方向および上下方向に直交する方向に延びている。図示の例では、上側の架設部72は、一対のヒンジ本体71の上端部同士を連結している。下側の架設部72は、一対のヒンジ本体71の下端部よりも上方の箇所同士を連結している。
【0039】
次に、ガス絶縁静止誘導電器1の輸送方法について説明する。以下では、ガス絶縁静止誘導電器1の輸送方法として、鉄道輸送またはトレーラー輸送を適用する場合を説明する。
図5は、ガス絶縁静止誘導電器の輸送方法を示す正面図である。
図5に示すように、ガス絶縁静止誘導電器1の輸送方法は、吊り掛け台車80を用いて行われる。具体的に、ガス絶縁静止誘導電器1は、軸方向の両側から一対の吊り掛け台車80によって挟まれた状態で輸送される。吊り掛け台車80は、機関車、またはトラクター(牽引車)によって牽引される。吊り掛け台車80は、台車81と、台車81の上部に回転自在に支持されたシュナーベル82と、を備える。
【0040】
シュナーベル82は、第1端部82aにおいて台車81に回転自在に支持され、第2端部82bにおいて輸送用ヒンジ70に連結される。シュナーベル82は、台車81に対して上下方向に沿う軸回りに回転自在となっている。シュナーベル82の第2端部82bの下部には、輸送用ヒンジ70の軸孔73に共通の軸棒84が挿通される軸孔83が形成されている。輸送状態では、輸送用ヒンジ70の軸孔73と、シュナーベル82の軸孔83と、に共通の軸棒84が挿通されることによって、輸送用ヒンジ70が吊り掛け台車80に連結される。輸送状態では、輸送用ヒンジ70およびシュナーベル82は、軸棒84を中心として回転自在となっている。シュナーベル82の第2端部82bの上部は、輸送用ヒンジ70のヒンジ本体71の上部に接触する。これにより、ガス絶縁静止誘導電器1は、輸送用ヒンジ70を介して、一対のシュナーベル82の第2端部82bの上部によって挟まれ、かつ一対のシュナーベル82の第2端部82bの下部によって斜め上方に引っ張られる。以上により、ガス絶縁静止誘導電器1は、一対の吊り掛け台車80によって吊り上げられた状態で輸送される。
【0041】
本実施形態において、輸送用ヒンジ70に作用する力は、以下の経路で伝達される。輸送用ヒンジ70に作用する力は、輸送用ヒンジ70と取付座50,60との締結部を介して取付座50,60に伝達される。取付座50,60に伝達された力は、取付座50,60と補強部30の下部接続部34との接合部を介して補強部30に伝達される。これにより、補強部30において輸送時に輸送用ヒンジ70からガス絶縁静止誘導電器1に作用する力を負担し、タンク20に過度の力が作用することが抑制される。
【0042】
ところで、従来のガス絶縁静止誘導電器では、円筒状のタンク本体の両端部を、耐圧性の高い凸状に湾曲した皿形の板状部材によって閉塞している。この場合、皿形の板状部材は、タンクの重量の増加を抑制するために比較的板厚が小さく設定される。しかしながら、皿形の板状部材に、上記実施形態と同様に取付座を溶接すると、輸送時に輸送用ヒンジに作用する力が取付座を介して皿形の板状部材に作用し、湾曲部に応力集中が発生する。応力集中を抑制するためには、湾曲部の周囲に補強部材を取り付ける必要があるが、溶接に伴う応力の発生を考慮すると、曲げ応力が生じやすい湾曲部の周囲には補強部材を溶接することができない。したがって、従来技術のガス絶縁静止誘導電器は、取付座をタンクに取り付ける構造が複雑化するので、吊り掛け台車を用いた輸送が困難である。このため、従来技術のガス絶縁静止誘導電器は、分解された状態で設置先に輸送され、設置先で組み立てられる。
【0043】
本実施形態のガス絶縁静止誘導電器1の輸送方法は、円筒状のタンク本体21、およびタンク本体21の両端部21a,21bを閉塞する一対の平板24A,24Bによりタンク20を形成し、輸送用ヒンジ70が着脱可能に取り付けられる取付座50,60を平板24A,24Bに取り付け、輸送用ヒンジ70を吊り掛け台車80に連結して輸送する。この方法によれば、取付座50,60が平板24A,24Bに取り付けられるので、取付座を湾曲した部材に取り付ける場合と比較して、簡単な構成で取付座50,60を平板24A,24Bに取り付けることができる。これにより、ガス絶縁静止誘導電器1を分解して輸送する必要がないので、組み立てられた状態のガス絶縁静止誘導電器1を吊り掛け台車80を用いて輸送することができる。したがって、設置先での組み立てを最小限に抑えることができる。
【0044】
しかも、平板24A,24Bへの取付座50,60の取付構造が簡素化されたことで、平板24A,24Bと取付座50,60との溶接長が小さくなるので、溶接に伴う歪み量も小さくなる。これにより、取付座50,60の位置ずれが抑制され、取付座50,60に取り付けられる輸送用ヒンジ70と吊り掛け台車80との連結部がずれることを抑制できる。したがって、ガス絶縁静止誘導電器1を安定して輸送できる。
【0045】
さらに、タンク本体21の両端部を湾曲した皿形の板状部材によって閉塞する場合と比較して、湾曲部が存在しない分、平板24A,24Bに発生する応力集中が抑制される。このため、応力集中を抑制するための補強部材をタンクへ取り付ける必要がない。したがって、ガス絶縁静止誘導電器1の構造を簡素化することができる。
【0046】
また、平板24A,24Bの厚さは、機器の運転時の内圧に対して十分な強度を持たせるため、50mm以上に設定されている。これにより、平板24A,24Bと取付座50,60との溶接に伴う歪みを確実に抑制できる。したがって、輸送用ヒンジ70と吊り掛け台車80との連結部がずれることを抑制できる。
【0047】
(変形例)
図6は、実施形態の変形例のガス絶縁静止誘導電器の一部を示す斜視図である。
図6に示すように、実施形態の変形例のガス絶縁静止誘導電器1は、取付座60に代えて取付座160を備え、取付座160と補強部30とがボルト167,168によって締結されている点で、実施形態と異なる。
【0048】
取付座160は、基部61と、架台62と、基部61と補強部30とを連結する一対の連結材163A,163Bと、を備える。連結材163A,163Bは、基部61の上端部と上部接続部40との間に介在する上部連結材163Aと、基部61の下端部と下部接続部34との間に介在する下部連結材163Bと、である。
【0049】
上部連結材163Aは、径方向の外側に向けて開口した直方体の箱状に形成されている。すなわち、上部連結材163Aは、軸方向に直交する面方向に沿って延びる一対の側板163Aaと、一対の側板163Aaを接続して固定する底板163Abおよび一対の側板163Acと、を備える。軸方向外側の側板163Aaは、基部61の上端部に沿って配置されている。軸方向内側の側板163Aaは、上部接続部40に沿って配置されている。上部連結材163Aは、軸方向外側の側板163Aaおよび基部61を締結するボルト165によって固定されている。これにより、上部連結材163Aは、基部61から分離可能となっている。なお、ボルト165は、側板163Aaおよび基部61のうちいずれか一方に形成されたねじ穴に螺着されてもよいし、ナットに螺着されてもよい(後述のボルト166,167,168も同様)。図示の例では、ボルト165は、ナットに螺着されている。
【0050】
下部連結材163Bは、径方向の外側に向けて開口した直方体の箱状に形成されている。すなわち、下部連結材163Bは、軸方向に直交する面方向に沿って延びる一対の側板163Baと、一対の側板163Baを接続して固定する底板163Bbおよび一対の側板163Bcと、を備える。軸方向外側の側板163Baは、基部61の下端部に沿って配置されている。軸方向内側の側板163Baは、下部接続部34の固定部34aに沿って配置されている。下部連結材163Bは、軸方向外側の側板163Baおよび基部61を締結するボルト166によって固定されている。下部連結材163Bは、基部61から分離可能となっている。
(【0051】以降は省略されています)

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