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公開番号2019197826
公報種別公開特許公報(A)
公開日20191114
出願番号2018091425
出願日20180510
発明の名称チップの製造方法
出願人株式会社ディスコ
代理人個人,個人,個人
主分類H01L 21/301 20060101AFI20191018BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】エキスパンドシートを用いることなく板状の被加工物を分割して複数のチップを製造できるチップの製造方法を提供する。
【解決手段】ヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板に対して透過性を有する波長のレーザビームを分割予定ラインに沿ってチップ領域にのみ照射し、チップ領域の分割予定ラインに沿う第1改質層を形成する第1レーザ加工ステップと、ヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板に対して透過性を有する波長のレーザビームをチップ領域と外周余剰領域との境界に沿って照射し、この境界に沿う第2改質層を形成する第2レーザ加工ステップと、ヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板に力を付与してヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板を個々のチップへと分割する分割ステップと、を含み、分割ステップでは、一度の冷却または加熱により力を付与してヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板を個々のチップへと分割する。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
交差する複数の分割予定ラインによってチップとなる複数の領域に区画されたチップ領域と、該チップ領域を囲む外周余剰領域と、を有するヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板から複数の該チップを製造するチップの製造方法であって、
ヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板を保持テーブルで直に保持する保持ステップと、
該保持ステップを実施した後に、ヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板に対して透過性を有する波長のレーザビームの集光点を該保持テーブルに保持されたヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板の内部に位置づけるように該分割予定ラインに沿ってヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板の該チップ領域にのみ該レーザビームを照射し、該チップ領域の該分割予定ラインに沿って第1改質層を形成するとともに、該外周余剰領域を該第1改質層が形成されていない補強部とする第1レーザ加工ステップと、
該保持ステップを実施した後に、ヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板に対して透過性を有する波長のレーザビームの集光点を該保持テーブルに保持されたヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板の内部に位置づけるように該チップ領域と該外周余剰領域との境界に沿って該レーザビームを照射し、該境界に沿って第2改質層を形成する第2レーザ加工ステップと、
該第1レーザ加工ステップ及び該第2レーザ加工ステップを実施した後に、該保持テーブルからヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板を搬出する搬出ステップと、
該搬出ステップを実施した後に、ヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板に力を付与してヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板を個々の該チップへと分割する分割ステップと、を備え、
該分割ステップでは、一度の冷却または加熱により該力を付与してヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板を個々の該チップへと分割することを特徴とするチップの製造方法。
続きを表示(約 240 文字)【請求項2】
該第1レーザ加工ステップ及び該第2レーザ加工ステップを実施した後、該分割ステップを実施する前に、該補強部を除去する補強部除去ステップを更に備えることを特徴とする請求項1に記載のチップの製造方法。
【請求項3】
該保持テーブルの上面は、柔軟な材料によって構成されており、
該保持ステップでは、該柔軟な材料でヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板の表面側を保持することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のチップの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、板状の被加工物を分割して複数のチップを製造するチップの製造方法に関する。
続きを表示(約 10,000 文字)【背景技術】
【0002】
ウェーハに代表される板状の被加工物(ワーク)を複数のチップへと分割するために、透過性のあるレーザビームを被加工物の内部に集光させて、多光子吸収により改質された改質層(改質領域)を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。改質層は、他の領域に比べて脆いので、分割予定ライン(ストリート)に沿って改質層を形成してから被加工物に力を加えることで、この改質層を起点に被加工物を複数のチップへと分割できる。
【0003】
改質層が形成された被加工物に力を加える際には、例えば、伸張性のあるエキスパンドシート(エキスパンドテープ)を被加工物に貼って拡張する方法が採用される(例えば、特許文献2参照)。この方法では、通常、レーザビームを照射して被加工物に改質層を形成する前に、エキスパンドシートを被加工物に貼り、その後、改質層を形成してからエキスパンドシートを拡張して被加工物を複数のチップへと分割する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2002−192370号公報
特開2010−206136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上述のようなエキスパンドシートを拡張する方法では、使用後のエキスパンドシートを再び使用することができないので、チップの製造に要する費用も高くなり易い。特に、粘着材がチップに残留し難い高性能なエキスパンドシートは、価格も高いので、そのようなエキスパンドシートを用いると、チップの製造に要する費用も高くなる。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エキスパンドシートを用いることなく板状の被加工物を分割して複数のチップを製造できるチップの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、交差する複数の分割予定ラインによってチップとなる複数の領域に区画されたチップ領域と、該チップ領域を囲む外周余剰領域と、を有するヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板から複数の該チップを製造するチップの製造方法であって、ヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板を保持テーブルで直に保持する保持ステップと、該保持ステップを実施した後に、ヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板に対して透過性を有する波長のレーザビームの集光点を該保持テーブルに保持されたヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板の内部に位置づけるように該分割予定ラインに沿ってヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板の該チップ領域にのみ該レーザビームを照射し、該チップ領域の該分割予定ラインに沿って第1改質層を形成するとともに、該外周余剰領域を該第1改質層が形成されていない補強部とする第1レーザ加工ステップと、該保持ステップを実施した後に、ヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板に対して透過性を有する波長のレーザビームの集光点を該保持テーブルに保持されたヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板の内部に位置づけるように該チップ領域と該外周余剰領域との境界に沿って該レーザビームを照射し、該境界に沿って第2改質層を形成する第2レーザ加工ステップと、該第1レーザ加工ステップ及び該第2レーザ加工ステップを実施した後に、該保持テーブルからヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板を搬出する搬出ステップと、該搬出ステップを実施した後に、ヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板に力を付与してヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板を個々の該チップへと分割する分割ステップと、を備え、該分割ステップでは、一度の冷却または加熱により該力を付与してヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板を個々の該チップへと分割するチップの製造方法が提供される。
【0008】
本発明の一態様において、該第1レーザ加工ステップ及び該第2レーザ加工ステップを実施した後、該分割ステップを実施する前に、該補強部を除去する補強部除去ステップを更に備えても良い。また、本発明の一態様において、該保持テーブルの上面は、柔軟な材料によって構成されており、該保持ステップでは、該柔軟な材料でヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板の表面側を保持しても良い。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様に係るチップの製造方法では、ヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板を保持テーブルで直に保持した状態で、ヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板のチップ領域にのみレーザビームを照射して、分割予定ラインに沿う第1改質層を形成し、チップ領域と外周余剰領域との境界にレーザビームを照射して、境界に沿う第2改質層を形成した後、一度の冷却または加熱により力を付与してヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板を個々のチップへと分割するので、ヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板に力を加えて個々のチップへと分割するためにエキスパンドシートを用いる必要がない。このように、本発明の一態様に係るチップの製造方法によれば、エキスパンドシートを用いることなく板状の被加工物であるヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板を分割して複数のチップを製造できる。
【0010】
また、本発明の一態様に係るチップの製造方法では、ヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板のチップ領域にのみレーザビームを照射して分割予定ラインに沿う第1改質層を形成するとともに、外周余剰領域を第1改質層が形成されていない補強部とするので、この補強部によってチップ領域は補強される。よって、搬送等の際に加わる力によってヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板が個々のチップへと分割されてしまい、ヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板を適切に搬送できなくなることもない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
被加工物の構成例を模式的に示す斜視図である。
レーザ加工装置の構成例を模式的に示す斜視図である。
図3(A)は、保持ステップについて説明するための断面図であり、図3(B)は、第1レーザ加工ステップについて説明するための断面図である。
第2レーザ加工ステップについて説明するための断面図である。
図5(A)は、改質層が形成された後の被加工物の状態を模式的に示す平面図であり、図5(B)は、改質層の状態を模式的に示す断面図である。
補強部除去ステップについて説明するための断面図である。
分割ステップについて説明するための断面図である。
変形例に係る保持ステップについて説明するための断面図である。
図9(A)は、変形例に係る分割ステップについて説明するための断面図であり、図9(B)は、変形例に係る分割ステップでチップ領域を分割する前の被加工物の状態を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して、本発明の一態様に係る実施形態について説明する。本実施形態に係るチップの製造方法は、保持ステップ(図3(A)参照)、第1レーザ加工ステップ(図3(B)等参照)、第2レーザ加工ステップ(図4等参照)、搬出ステップ、補強部除去ステップ(図6参照)、及び分割ステップ(図7参照)を含む。
【0013】
保持ステップでは、分割予定ラインによって複数の領域に区画されたチップ領域と、チップ領域を囲む外周余剰領域と、を有する被加工物(ワーク)をチャックテーブル(保持テーブル)で直に保持する。第1レーザ加工ステップでは、被加工物に対して透過性を有する波長のレーザビームを照射し、チップ領域の分割予定ラインに沿って改質層(第1改質層)を形成するとともに、外周余剰領域を改質層が形成されていない補強部とする。
【0014】
第2レーザ加工ステップでは、被加工物に対して透過性を有する波長のレーザビームを照射し、チップ領域と外周余剰領域との境界に沿って改質層(第2改質層)を形成する。搬出ステップでは、チャックテーブルから被加工物を搬出する。補強部除去ステップでは、被加工物から補強部を除去する。分割ステップでは、一度の冷却または加熱により力を付与して被加工物を複数のチップへと分割する。以下、本実施形態に係るチップの製造方法について詳述する。
【0015】
図1は、本実施形態で使用される被加工物(ワーク)11の構成例を模式的に示す斜視図である。図1に示すように、被加工物11は、例えば、シリコン(Si)、ヒ化ガリウム(GaAs)、リン化インジウム(InP)、窒化ガリウム(GaN)、シリコンカーバイド(SiC)等の半導体、サファイア(Al



)、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス等の誘電体(絶縁体)、又は、タンタル酸リチウム(LiTa

)、ニオブ酸リチウム(LiNb

)等の強誘電体(強誘電体結晶)でなる円盤状のウェーハ(基板)である。
【0016】
被加工物11の表面11a側は、交差する複数の分割予定ライン(ストリート)13でチップとなる複数の領域15に区画されている。なお、以下では、チップとなる複数の領域15の全てを含む概ね円形の領域をチップ領域11cと呼び、チップ領域11cを囲む環状の領域を外周余剰領域11dと呼ぶ。
【0017】
チップ領域11c内の各領域15には、必要に応じて、IC(Integrated Circuit)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、LED(Light Emitting Diode)、LD(Laser Diode)、フォトダイオード(Photodiode)、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルタ、BAW(Bulk Acoustic Wave)フィルタ等のデバイスが形成されている。
【0018】
この被加工物11を分割予定ライン13に沿って分割することで、複数のチップが得られる。具体的には、被加工物11がシリコンウェーハの場合には、例えば、メモリやセンサ等として機能するチップが得られる。被加工物11がヒ化ガリウム基板やリン化インジウム基板、窒化ガリウム基板の場合には、例えば、発光素子や受光素子等として機能するチップが得られる。
【0019】
被加工物11がシリコンカーバイド基板の場合には、例えば、パワーデバイス等として機能するチップが得られる。被加工物11がサファイア基板の場合には、例えば、発光素子等として機能するチップが得られる。被加工物11がソーダガラスやホウケイ酸ガラス、石英ガラス等でなるガラス基板の場合には、例えば、光学部品やカバー部材(カバーガラス)として機能するチップが得られる。
【0020】
被加工物11がタンタル酸リチウムや、ニオブ酸リチウム等の強誘電体でなる強誘電体基板(強誘電体結晶基板)の場合には、例えば、フィルタやアクチュエータ等として機能するチップが得られる。なお、被加工物11の材質、形状、構造、大きさ、厚み等に制限はない。同様に、チップとなる領域15に形成されるデバイスの種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等にも制限はない。チップとなる領域15には、デバイスが形成されていなくても良い。
【0021】
本実施形態に係るチップの製造方法では、被加工物11として円盤状のヒ化ガリウム基板又はリン化インジウム基板を用い、複数のチップを製造する。具体的には、まず、この被加工物11をチャックテーブルで直に保持する保持ステップを行う。図2は、本実施形態で使用されるレーザ加工装置の構成例を模式的に示す斜視図である。
【0022】
図2に示すように、レーザ加工装置2は、各構成要素が搭載される基台4を備えている。基台4の上面には、被加工物11を吸引、保持するためのチャックテーブル(保持テーブル)6をX軸方向(加工送り方向)及びY軸方向(割り出し送り方向)に移動させる水平移動機構8が設けられている。水平移動機構8は、基台4の上面に固定されX軸方向に概ね平行な一対のX軸ガイドレール10を備えている。
【0023】
X軸ガイドレール10には、X軸移動テーブル12がスライド可能に取り付けられている。X軸移動テーブル12の裏面側(下面側)には、ナット部(不図示)が設けられており、このナット部には、X軸ガイドレール10に概ね平行なX軸ボールネジ14が螺合されている。
【0024】
X軸ボールネジ14の一端部には、X軸パルスモータ16が連結されている。X軸パルスモータ16でX軸ボールネジ14を回転させることにより、X軸移動テーブル12はX軸ガイドレール10に沿ってX軸方向に移動する。X軸ガイドレール10に隣接する位置には、X軸方向においてX軸移動テーブル12の位置を検出するためのX軸スケール18が設置されている。
【0025】
X軸移動テーブル12の表面(上面)には、Y軸方向に概ね平行な一対のY軸ガイドレール20が固定されている。Y軸ガイドレール20には、Y軸移動テーブル22がスライド可能に取り付けられている。Y軸移動テーブル22の裏面側(下面側)には、ナット部(不図示)が設けられており、このナット部には、Y軸ガイドレール20に概ね平行なY軸ボールネジ24が螺合されている。
【0026】
Y軸ボールネジ24の一端部には、Y軸パルスモータ26が連結されている。Y軸パルスモータ26でY軸ボールネジ24を回転させることにより、Y軸移動テーブル22はY軸ガイドレール20に沿ってY軸方向に移動する。Y軸ガイドレール20に隣接する位置には、Y軸方向においてY軸移動テーブル22の位置を検出するためのY軸スケール28が設置されている。
【0027】
Y軸移動テーブル22の表面側(上面側)には、支持台30が設けられており、この支持台30の上部には、チャックテーブル6が配置されている。チャックテーブル6の表面(上面)は、上述した被加工物11の裏面11b側(又は表面11a側)を吸引、保持する保持面6aになっている。保持面6aは、例えば、酸化アルミニウム等の硬度が高い多孔質材で構成されている。ただし、保持面6aは、ポリエチレンやエポキシ等の樹脂に代表される柔軟な材料で構成されていても良い。
【0028】
この保持面6aは、チャックテーブル6の内部に形成された吸引路6b(図3(A)等参照)やバルブ32(図3(A)等参照)等を介して吸引源34(図3(A)等参照)に接続されている。チャックテーブル6の下方には、回転駆動源(不図示)が設けられており、チャックテーブル6は、この回転駆動源によってZ軸方向に概ね平行な回転軸の周りに回転する。
【0029】
水平移動機構8の後方には、柱状の支持構造36が設けられている。支持構造36の上部には、Y軸方向に伸びる支持アーム38が固定されており、この支持アーム38の先端部には、被加工物11に対して透過性を有する波長(吸収され難い波長)のレーザビーム17(図3(B)参照)をパルス発振して、チャックテーブル6上の被加工物11に照射するレーザ照射ユニット40が設けられている。
【0030】
レーザ照射ユニット40に隣接する位置には、被加工物11の表面11a側又は裏面11b側を撮像するカメラ42が設けられている。カメラ42で被加工物11等を撮像して形成された画像は、例えば、被加工物11とレーザ照射ユニット40との位置等を調整する際に使用される。
【0031】
チャックテーブル6、水平移動機構8、レーザ照射ユニット40、カメラ42等の構成要素は、制御ユニット(不図示)に接続されている。制御ユニットは、被加工物11が適切に加工されるように各構成要素を制御する。
【0032】
図3(A)は、保持ステップについて説明するための断面図である。なお、図3(A)では、一部の構成要素を機能ブロックで示している。保持ステップでは、図3(A)に示すように、例えば、被加工物11の裏面11bをチャックテーブル6の保持面6aに接触させる。そして、バルブ32を開いて吸引源34の負圧を保持面6aに作用させる。
【0033】
これにより、被加工物11は、表面11a側が上方に露出した状態でチャックテーブル6に吸引、保持される。なお、本実施形態では、図3(A)に示すように、被加工物11の裏面11b側をチャックテーブル6で直に保持する。つまり、本実施形態では、被加工物11に対してエキスパンドシートを貼る必要がない。
【0034】
保持ステップの後には、レーザビーム17を分割予定ライン13に沿って照射し、改質層(第1改質層)を形成する第1レーザ加工ステップ、及びレーザビーム17をチップ領域11cと外周余剰領域11dとの境界に沿って照射し、改質層(第2改質層)を形成する第2レーザ加工ステップを行う。なお、本実施形態では、第1レーザ加工ステップの後に第2レーザ加工ステップを行う場合について説明する。
【0035】
図3(B)は、第1レーザ加工ステップについて説明するための断面図であり、図4は、第2レーザ加工ステップについて説明するための断面図であり、図5(A)は、改質層19が形成された後の被加工物11の状態を模式的に示す平面図であり、図5(B)は、改質層19を模式的に示す断面図である。なお、図3(B)及び図4では、一部の構成要素を機能ブロックで示している。
【0036】
第1レーザ加工ステップでは、まず、チャックテーブル6を回転させて、例えば、対象となる分割予定ライン13の延びる方向をX軸方向に対して平行にする。次に、チャックテーブル6を移動させて、対象となる分割予定ライン13の延長線上にレーザ照射ユニット40の位置を合わせる。そして、図3(B)に示すように、X軸方向(すなわち、対象の分割予定ライン13の延びる方向)にチャックテーブル6を移動させる。
【0037】
その後、対象となる分割予定ライン13上の2箇所に存在するチップ領域11cと外周余剰領域11dとの境界の一方の直上にレーザ照射ユニット40が到達したタイミングで、このレーザ照射ユニット40から被加工物11に対して透過性を有する波長のレーザビーム17の照射を開始する。本実施形態では、図3(B)に示すように、被加工物11の上方に配置されたレーザ照射ユニット40から、被加工物11の表面11aに向けてレーザビーム17が照射される。
【0038】
このレーザビーム17の照射は、レーザ照射ユニット40が、対象となる分割予定ライン13上の2箇所に存在するチップ領域11cと外周余剰領域11dとの境界の他方の直上に到達するまで続けられる。つまり、ここでは、対象の分割予定ライン13に沿ってチップ領域11c内にのみレーザビーム17を照射する。
【0039】
また、このレーザビーム17は、被加工物11の内部の表面11a(又は裏面11b)から所定の深さの位置に集光点を位置付けるように照射される。このように、被加工物11に対して透過性を有する波長のレーザビーム17を、被加工物11の内部に集光させることで、集光点及びその近傍で被加工物11の一部を多光子吸収により改質し、分割の起点となる改質層19(改質層19a等)を形成できる。
【0040】
本実施形態の第1レーザ加工ステップでは、対象の分割予定ライン13に沿ってチップ領域11c内にのみレーザビーム17を照射するので、対象の分割予定ライン13に沿ってチップ領域11c内にのみ改質層19が形成される。すなわち、図5(B)に示すように、第1レーザ加工ステップでは、外周余剰領域11dに改質層19が形成されない。
【0041】
対象の分割予定ライン13に沿って所定の深さの位置に改質層19を形成した後には、同様の手順で、対象の分割予定ライン13に沿って別の深さの位置に改質層19を形成する。本実施形態では、図5(B)に示すように、例えば、被加工物11の表面11a(又は裏面11b)からの深さが異なる3つの位置に改質層19(改質層19a、改質層19b、改質層19c)を形成する。
【0042】
ただし、1つの分割予定ライン13に沿って形成される改質層19の数や位置に特段の制限はない。例えば、1つの分割予定ライン13に沿って形成される改質層19の数を1つにしても良い。また、この改質層19は、表面11a(又は裏面11b)にクラックが到達する条件で形成されることが望ましい。もちろん、表面11a及び裏面11bの両方にクラックが到達する条件で改質層19を形成しても良い。これにより、被加工物11をより適切に分割できるようになる。
【0043】
対象の分割予定ライン13に沿って必要な数の改質層19を形成した後には、上述の手順を繰り返し、他の全ての分割予定ライン13に沿って改質層19を形成する。図5(A)に示すように、全ての分割予定ライン13に沿って必要な数の改質層19が形成されると、第1レーザ加工ステップは終了する。
【0044】
なお、この第1レーザ加工ステップでは、一つの分割予定ライン13に沿って必要な数の改質層19を形成した後に、他の分割予定ライン13に沿って同様の改質層19を形成しているが、改質層19を形成する順序等に特段の制限はない。例えば、全ての分割予定ライン13の同じ深さの位置に改質層19を形成してから、別の深さの位置に改質層19を形成しても良い。
【0045】
被加工物11がシリコンウェーハの場合には、例えば、次のような条件で改質層19が形成される。
被加工物:シリコンウェーハ
レーザビームの波長:1340nm
レーザビームの繰り返し周波数:90kHz
レーザビームの出力:0.1W〜2W
チャックテーブルの移動速度(加工送り速度):180mm/s〜1000mm/s、代表的には、500mm/s
【0046】
被加工物11がヒ化ガリウム基板やリン化インジウム基板の場合には、例えば、次のような条件で改質層19が形成される。
被加工物:ヒ化ガリウム基板、リン化インジウム基板
レーザビームの波長:1064nm
レーザビームの繰り返し周波数:20kHz
レーザビームの出力:0.1W〜2W
チャックテーブルの移動速度(加工送り速度):100mm/s〜400mm/s、代表的には、200mm/s
【0047】
被加工物11がサファイア基板の場合には、例えば、次のような条件で改質層19が形成される。
被加工物:サファイア基板
レーザビームの波長:1045nm
レーザビームの繰り返し周波数:100kHz
レーザビームの出力:0.1W〜2W
チャックテーブルの移動速度(加工送り速度):400mm/s〜800mm/s、代表的には、500mm/s
【0048】
被加工物11がタンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の強誘電体でなる強誘電体基板の場合には、例えば、次のような条件で改質層19が形成される。
被加工物:タンタル酸リチウム基板、ニオブ酸リチウム基板
レーザビームの波長:532nm
レーザビームの繰り返し周波数:15kHz
レーザビームの出力:0.02W〜0.2W
チャックテーブルの移動速度(加工送り速度):270mm/s〜420mm/s、代表的には、300mm/s
【0049】
被加工物11がソーダガラスやホウケイ酸ガラス、石英ガラス等でなるガラス基板の場合には、例えば、次のような条件で改質層19が形成される。
被加工物:ソーダガラス基板、ホウケイ酸ガラス基板、石英ガラス基板
レーザビームの波長:532nm
レーザビームの繰り返し周波数:50kHz
レーザビームの出力:0.1W〜2W
チャックテーブルの移動速度(加工送り速度):300mm/s〜600mm/s、代表的には、400mm/s
【0050】
被加工物11が窒化ガリウム基板の場合には、例えば、次のような条件で改質層19が形成される。
被加工物:窒化ガリウム基板
レーザビームの波長:532nm
レーザビームの繰り返し周波数:25kHz
レーザビームの出力:0.02W〜0.2W
チャックテーブルの移動速度(加工送り速度):90mm/s〜600mm/s、代表的には、150mm/s
(【0051】以降は省略されています)

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