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公開番号2019195258
公報種別公開特許公報(A)
公開日20191107
出願番号2019083789
出願日20190425
発明の名称アクチュエータ装置
出願人株式会社デンソー,国立大学法人九州大学,国立大学法人名古屋大学
代理人個人,個人
主分類H02N 10/00 20060101AFI20191011BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】被駆動体の位置を検出するためのセンサを別途設けることなく、精度の高い動作を行うことのできるアクチュエータ装置を提供する。
【解決手段】アクチュエータ装置10は、その温度に応じて変形することにより、被駆動体であるIRセンサ220の位置を変化させるアクチュエータ部材230と、アクチュエータ部材230の温度調整を行う電熱線231と、アクチュエータ部材230の温度を取得する温度取得部110と、電熱線231による温度調整を制御する制御部120と、を備える。制御部120は、温度取得部110によって取得されたアクチュエータ部材230の温度に基づいて、電熱線231による温度調整を制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
アクチュエータ装置(10)であって、
その温度に応じて変形することにより、被駆動体(220)の位置を変化させるアクチュエータ部材(230)と、
前記アクチュエータ部材の温度調整を行う温度調整部材(231)と、
前記アクチュエータ部材の温度を取得する温度取得部(110)と、
前記温度調整部材による温度調整を制御する制御部(120)と、を備え、
前記制御部は、
前記温度取得部によって取得された前記アクチュエータ部材の温度に基づいて、前記温度調整部材による温度調整を制御するアクチュエータ装置。
続きを表示(約 2,900 文字)【請求項2】
前記アクチュエータ部材の温度と前記被駆動体の位置との対応関係を記憶する位置温度記憶部(130)を更に備える、請求項1に記載のアクチュエータ装置。
【請求項3】
前記アクチュエータ部材の周囲の湿度を取得する湿度取得部(160)を更に備え、
前記制御部は、
前記湿度取得部によって取得された湿度に基づいて、前記位置温度記憶部に記憶された対応関係を変化させる、請求項2に記載のアクチュエータ装置。
【請求項4】
前記被駆動体の位置が特定位置となったことを検知する位置検知部(251,252)を更に備え、
前記制御部は、
前記アクチュエータ部材の温度と、前記被駆動体の位置が特定位置となるまでに要した時間と、に基づいて、前記位置温度記憶部に記憶されている対応関係を調整する、請求項2に記載のアクチュエータ装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記被駆動体の目標位置と、前記位置温度記憶部に記憶された対応関係とに基づいて、前記アクチュエータ部材の目標温度を設定し、
前記温度取得部によって取得された前記アクチュエータ部材の温度と、前記目標温度との偏差に基づいて、前記温度調整部材による温度調整を制御する、請求項2乃至4のいずれか1項に記載のアクチュエータ装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記温度取得部によって取得された前記アクチュエータ部材の温度と、前記位置温度記憶部に記憶された対応関係とに基づいて、前記被駆動体の位置を推定し、
当該位置と、前記被駆動体の目標位置との偏差に基づいて、前記温度調整部材による温度調整を制御する、請求項2乃至4のいずれか1項に記載のアクチュエータ装置。
【請求項7】
前記位置温度記憶部に記憶された対応関係は、前記アクチュエータ部材の温度域に応じて複数の候補の中から選択されたものである、請求項2乃至6のいずれか1項に記載のアクチュエータ装置。
【請求項8】
前記温度調整部材は電力の供給を受けて発熱する発熱体(231)であって、
前記温度取得部は、前記発熱体の抵抗値に基づいて前記アクチュエータ部材の温度を推定し取得する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のアクチュエータ装置。
【請求項9】
前記発熱体の抵抗値と前記アクチュエータ部材の温度との対応関係を記憶する抵抗温度記憶部(140)を更に備え、
前記温度取得部は、
前記発熱体の抵抗値と、前記抵抗温度記憶部に記憶された対応関係とに基づいて、前記アクチュエータ部材の温度を推定し取得する、請求項8に記載のアクチュエータ装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記発熱体の抵抗値に基づいて前記発熱体の温度を推定し、当該温度の時間変化に基づいて、前記抵抗温度記憶部に記憶された対応関係を調整する、請求項9に記載のアクチュエータ装置。
【請求項11】
前記アクチュエータ部材の周囲の気温を取得する気温取得部(150)を更に備え、
前記制御部は、
前記気温取得部によって取得された気温に基づいて、前記温度調整部材による温度調整のフィードバックゲインを変化させる、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のアクチュエータ装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記発熱体により前記アクチュエータ部材の温度を上昇させる駆動制御と、
自然放熱により前記アクチュエータ部材の温度を低下させる非駆動制御と、を交互に繰り返すように構成されており、
前記温度取得部は、
前記非駆動制御が行われているときに、所定期間に亘って前記発熱体に電圧を印可しながら前記発熱体の抵抗値を取得し、当該抵抗値に基づいて前記アクチュエータ部材の温度を推定し取得する、請求項8に記載のアクチュエータ装置。
【請求項13】
前記温度取得部は、
前記所定期間における前記発熱体からの発熱量が、自然放熱量を下回るように、前記所定期間の長さを設定する、請求項12に記載のアクチュエータ装置。
【請求項14】
前記温度取得部は、
前記所定期間の開始タイミングから所定の待ち時間が経過した後に、前記発熱体の抵抗値を取得する、請求項12又は13に記載のアクチュエータ装置。
【請求項15】
前記アクチュエータ部材は、
前記被駆動体の位置を第1方向に変化させる第1アクチュエータ部材と、前記被駆動体の位置を前記第1方向とは反対の第2方向に変化させる第2アクチュエータ部材と、を有し、
前記発熱体には、
前記第1アクチュエータ部材の温度調整を行うための第1発熱体(231A)と、
前記第2アクチュエータ部材の温度調整を行うための第2発熱体(231B)と、が含まれており、
前記制御部は、
前記第1アクチュエータ部材に対しては前記駆動制御を行い、前記第2アクチュエータ部材に対しては前記非駆動制御を行う第1状態と、
前記第1アクチュエータ部材に対しては前記非駆動制御を行い、前記第2アクチュエータ部材に対しては前記駆動制御を行う第2状態と、
を交互に繰り返すように構成されている、請求項12乃至14のいずれか1項に記載のアクチュエータ装置。
【請求項16】
前記温度取得部は、
前記第1状態及び前記第2状態のいずれにおいても、前記第1発熱体の抵抗値及び前記第2発熱体の抵抗値の両方を取得する、請求項15に記載のアクチュエータ装置。
【請求項17】
前記第1状態において、前記第2発熱体に電圧が印加される前記所定期間の長さと、
前記第2状態において、前記第1発熱体に電圧が印加される前記所定期間の長さと、が互いに等しい、請求項16に記載のアクチュエータ装置。
【請求項18】
前記発熱体における異常を検知する異常検知部(170)を更に備える、請求項8に記載のアクチュエータ装置。
【請求項19】
前記アクチュエータ部材は、
前記被駆動体の位置を第1方向に変化させる第1アクチュエータ部材と、前記被駆動体の位置を前記第1方向とは反対の第2方向に変化させる第2アクチュエータ部材と、を有し、
前記発熱体には、
前記第1アクチュエータ部材の温度調整を行うための第1発熱体と、
前記第2アクチュエータ部材の温度調整を行うための第2発熱体と、が含まれており、
前記異常検知部により、前記第1発熱体及び前記第2発熱体のうちいずれか一方における異常が検知された場合には、
前記制御部は、
前記第1発熱体及び前記第2発熱体のうち、異常が検知されていない方のみを用いて、前記アクチュエータ部材の温度調整を制御する、請求項18に記載のアクチュエータ装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示はアクチュエータ装置に関する。
続きを表示(約 10,000 文字)【背景技術】
【0002】
被駆動体の位置を変化させるためのアクチュエータとしては、例えば電磁力を用いた回転電機等、種々の方式のものが知られている。下記特許文献1には、その温度に応じて変形するポリマーファイバーを用いたアクチュエータについての記載がある。当該アクチュエータは、例えば人工筋肉等の用途に用いられるものであって、被駆動体を直線に沿って移動させたり、特定の軸の周りに回転させたりすることが可能となっている。
【0003】
本発明者らは、上記のような温度に応じて変形するアクチュエータを、例えばセンサの向きを変化させるためのアクチュエータとして用いることについて検討を進めている。温度に応じて変形するアクチュエータは、電磁モータのような従来のアクチュエータに比べると、その体格を小さく抑えることができる等の多くの利点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016−42783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
温度に応じて変形するアクチュエータは、その動作が周囲の環境温度等によって影響を受けてしまうため、被駆動体の位置決めを精度よく行うことが難しいという問題を有している。精度よく位置決めを行うためには、例えば被駆動体の位置を検出するためのセンサを別途設け、検出された位置をフィードバックしながら制御を行うことが考えられる。しかしながら、そのような構成においてはアクチュエータの全体の体格が大きくなってしまい、温度に応じて変形するアクチュエータの利点が損なわれることとなるので好ましくない。また、位置検出用のセンサの構成によっては、当該センサによる動作抵抗が、アクチュエータの動作に影響を及ぼしてしまう可能性もある。
【0006】
本開示は、被駆動体の位置を検出するためのセンサを別途設けることなく、精度の高い動作を行うことのできるアクチュエータ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るアクチュエータ装置(10)は、その温度に応じて変形することにより、被駆動体(220)の位置を変化させるアクチュエータ部材(230)と、アクチュエータ部材の温度調整を行う温度調整部材(231)と、アクチュエータ部材の温度を取得する温度取得部(110)と、温度調整部材による温度調整を制御する制御部(120)と、を備える。制御部は、温度取得部によって取得されたアクチュエータ部材の温度に基づいて、温度調整部材による温度調整を制御する。
【0008】
このようなアクチュエータ装置では、アクチュエータ部材の温度に基づいて温度調整部材による温度調整が制御され、その結果としてアクチュエータ部材の動作が制御される。
【0009】
アクチュエータ部材の温度と、アクチュエータ部材の形状との関係には相関が有る。このため、上記構成のアクチュエータ装置によれば、被駆動体の位置を検出するためのセンサを用いることなく、被駆動体を精度よく動作させることが可能となる。
【0010】
尚、上記における「アクチュエータ部材の形状」とは、「被駆動体の位置」ということもできる。この場合の「被駆動体の位置」とは、被駆動体を並進運動させる場合における被駆動体の位置、例えば特定位置からの移動距離だけでなく、被駆動体を回転運動させる場合における被駆動体の位置、例えば特定位置からの回転角度をも含むものである。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、被駆動体の位置を検出するためのセンサを別途設けることなく、精度の高い動作を行うことのできるアクチュエータ装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1は、第1実施形態に係るアクチュエータ装置の全体構成を模式的に示す図である。
図2は、アクチュエータ部材の一部を拡大して示した図である。
図3は、アクチュエータ部材の温度と、被駆動体の位置と、の対応関係の例を示す図である。
図4は、アクチュエータ部材の温度と、電熱線の抵抗値と、の対応関係の例を示す図である。
図5は、第1実施形態に係る制御方法について説明するためのブロック線図である。
図6は、第1実施形態に係るアクチュエータ装置の、制御装置によって行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図7は、第1実施形態に係るアクチュエータ装置の、制御装置によって行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図8は、第2実施形態に係る制御方法について説明するためのブロック線図である。
図9は、アクチュエータ部材の温度と、被駆動体の位置と、の対応関係の例を示す図である。
図10は、第2実施形態に係るアクチュエータ装置の、制御装置によって行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図11は、発熱体の温度の時間変化の例を示す図である。
図12は、第3実施形態に係るアクチュエータ装置の、制御装置によって行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図13は、第4実施形態に係るアクチュエータ装置の構成を説明するための図である。
図14は、第4実施形態に係る制御方法について説明するための図である。
図15は、第4実施形態に係るアクチュエータ装置の、制御装置によって行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図16は、第5実施形態に係るアクチュエータ装置の全体構成を模式的に示す図である。
図17は、検出回路の構成を示す図である。
図18は、第5実施形態に係るアクチュエータ装置の、制御装置によって行われる処理の概要について説明するための図である。
図19は、非駆動制御が行われているときの、抵抗値の取得について説明するための図である。
図20は、抵抗値の取得タイミングについて説明するための図である。
図21は、第5実施形態に係るアクチュエータ装置の、制御装置によって行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図22は、第6実施形態に係るアクチュエータ装置の全体構成を模式的に示す図である。
図23は、第6実施形態に係るアクチュエータ装置の、制御装置によって行われる処理の概要について説明するための図である。
図24は、第6実施形態に係るアクチュエータ装置の、制御装置によって行われる処理の概要について説明するための図である。
図25は、第6実施形態に係るアクチュエータ装置の、制御装置によって行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0014】
第1実施形態について説明する。本実施形態に係るアクチュエータ装置10は、不図示の車両に搭載される装置であって、センサユニット200を動作させるための装置として構成されている。図1及び図2を参照しながら、センサユニット200の構成について先ず説明する。
【0015】
センサユニット200は、車両の車室内に設置され、車室内の各部における表面温度、例えば乗員の体温を検知するためのものである。図1に示されるように、センサユニット200は、筐体210と、IRセンサ220と、アクチュエータ部材230と、弾性体240と、を備えている。
【0016】
筐体210は、全体が概ね矩形の箱状の部材である。後述のIRセンサ220やアクチュエータ部材230等は、筐体210の内側に収容されている。筐体210は、車室内のうち運転席よりも前方側部分、例えば車両のインストルメントパネル上に固定される。筐体210のうち後方側の側面には開口OPが形成されている。次に説明するIRセンサ220は、開口OPから筐体210の内側に入射する輻射(赤外線)に基づいて、車室内の各部における表面温度を検知する。
【0017】
IRセンサ220は、車室RM内にある物体から発せられる輻射を受光し、当該輻射の強度に基づいて物体の表面温度を検知するセンサである。本実施形態におけるIRセンサ220は、車室内に存在する乗員の表面温度を検知し、当該表面温度に基づいて空調を適切に行うための温度センサとして設けられている。
【0018】
IRセンサ220の側面には、輻射を受光するための部分である受光部221が設けられている。後述のアクチュエータ部材230によってIRセンサ220が回転すると、受光部221の向きが左右方向に変化し、IRセンサ220が表面温度を検知し得る範囲が変化する。センサユニット200は、受光部221の向きを上記のように変化させることで、車室内の表面温度を広範囲に亘って検知することができる。
【0019】
アクチュエータ部材230は、アクチュエータ装置10の一部を成すものであって、IRセンサ220を上記のように回転させるためのアクチュエータである。IRセンサ220の位置は、アクチュエータ部材230の動作によって変化する。上記における「IRセンサ220の位置」とは、具体的には、特定の向きを基準とした回転角度である。IRセンサ220は、本実施形態における「被駆動体」に該当する。
【0020】
アクチュエータ部材230は、例えばポリアミドのような高分子材料からなる繊維であって、当該繊維を螺旋状に捩じることによって全体を概ね棒状としたものである。棒状となったアクチュエータ部材230の中心軸は、概ね鉛直方向に沿っている。アクチュエータ部材230の下端は筐体210の底面に接続されており、アクチュエータ部材230の上端はIRセンサ220の下端に接続されている。アクチュエータ部材230は、温度に応じてその長さを変化させるような高分子材料によって形成されている。具体的には、アクチュエータ部材230は高温になるほど収縮して短くなる。
【0021】
図2には、上記のように螺旋状に捩じられたアクチュエータ部材230の一部を、直線状に伸ばした状態が示されている。同図に示されるように、アクチュエータ部材230の外周面には、アクチュエータ部材230よりも細い電熱線231が螺旋状に巻き付けられている。電熱線231は、電力の供給を受けてジュール熱により発熱する発熱体であって、アクチュエータ部材230と共にアクチュエータ装置10の一部を成すものである。
【0022】
電圧が印加されることによって電熱線231が発熱すると、これに当接しているアクチュエータ部材230は加熱され、その温度を上昇させる。これに伴い、螺旋状に捩じられたアクチュエータ部材230は収縮するので、その先端部分が捩じれ方向に回転する。その結果、IRセンサ220はアクチュエータ部材230から受ける力によって回転し、その向きを変化させる。電熱線231に対する電圧の印加が停止されると、アクチュエータ部材230の温度は低下し、IRセンサ220の向きは元に戻ることとなる。このように、アクチュエータ部材230は、電熱線231に対して印加される電圧に応じて、IRセンサ220の位置を図1の矢印で示される方向に変化させることができる。電熱線231に対して印加される電圧の大きさは、後述の制御装置100によって制御される。
【0023】
以上のように、アクチュエータ部材230は、その温度に応じて変形することにより、被駆動体であるIRセンサ220の位置を変化させるものである。また、電熱線231は、アクチュエータ部材230に当接した状態で自らの温度を変化させることにより、アクチュエータ部材230の温度調整を行うためのものである。このような電熱線231は、本実施形態における「温度調整部材」に該当する。
【0024】
尚、アクチュエータ部材230が螺旋状に捩じられていない場合には、アクチュエータ部材230の温度が変化すると、IRセンサ220は鉛直方向に沿って並進運動することとなる。アクチュエータ部材230は、本実施形態のように被駆動体を回転運動させるものであってもよいが、上記のように被駆動体を並進運動させるものであってもよい。
【0025】
弾性体240は、樹脂によって形成された棒状の部材である。弾性体240の上端は筐体210の天面に接続されており、弾性体240の下端はIRセンサ220の上端に接続されている。弾性体240の中心軸は、棒状となったアクチュエータ部材230の中心軸と一致している。
【0026】
アクチュエータ部材230によってIRセンサ220の向きが変化すると、弾性体240は捩じれて変形する。その結果、アクチュエータ部材230によって加えられる力とは反対方向の力が、弾性体240によってIRセンサ220へと加えられる。このため、電熱線231に対する電圧の印加が停止され、アクチュエータ部材230からIRセンサ220に加えられる力が0になると、IRセンサ220は弾性体240によって元の位置(回転角度)へと戻されることとなる。
【0027】
このような態様に替えて、アクチュエータ部材230とは反対の方向に捩じられた別のアクチュエータ部材が、弾性体240に換えて設けられているような態様としてもよい。このような構成とすれば、一対のアクチュエータ部材のそれぞれによって、IRセンサ220の位置を双方向に変化させることができる。
【0028】
引き続き図1を参照しながら、アクチュエータ装置10の構成について説明する。アクチュエータ装置10は、先に説明したアクチュエータ部材230や電熱線231に加えて、制御装置100と、気温センサ150と、湿度センサ160と、を備えている。
【0029】
制御装置100は、アクチュエータ装置10の全体の動作を統括し制御するための装置である。制御装置100は、CPU、ROM、RAM等を有するコンピュータシステムとして構成されている。制御装置100は、機能的な制御ブロックとして、温度取得部110と、制御部120と、位置温度記憶部130と、抵抗温度記憶部140と、を備えている。
【0030】
温度取得部110は、アクチュエータ部材230の温度を取得する部分である。後に説明するように、本実施形態における温度取得部110は、アクチュエータ部材230の温度を、電熱線231の抵抗値に基づいて推定し取得する。このような態様に替えて、温度取得部110が、アクチュエータ部材230の温度を温度センサによって直接測定して取得することとしてもよい。
【0031】
制御部120は、電熱線231に印加される電圧を調整し、これによりアクチュエータ部材230の温度を制御する部分である。図1では、電熱線231の両端に電圧を印加するための一対の導線が、点線DLで示されている。
【0032】
制御部120は、温度取得部110によって取得されるアクチュエータ部材230の温度が目標温度となるように、電熱線231に印加される電圧を調整する。これにより、アクチュエータ部材230の位置が所定の目標位置となるように制御されることとなる。このような制御部120は、温度調整部材である電熱線231によるアクチュエータ部材230の温度調整を制御する部分、ということができる。制御部120によって行われる当該制御の具体的な内容については後に説明する。
【0033】
位置温度記憶部130は、アクチュエータ部材230の温度と、被駆動体であるIRセンサ220の位置との対応関係を記憶する部分である。この対応関係は、アクチュエータ部材230の温度と、アクチュエータ部材230の形状との対応関係ということもできる。先に述べたように、アクチュエータ部材230はその温度に応じて変形するので、当該温度とIRセンサ220の位置との対応関係が定まることとなる。図3の線L1には、位置温度記憶部130に記憶されている対応関係の一例が示されている。
【0034】
図3のグラフの横軸はアクチュエータ部材230の温度であり、縦軸はIRセンサ220の位置である。同図に示される「T0」は周囲の環境温度である。図3では、アクチュエータ部材230の温度がT0となっているときにおけるIRセンサ220の位置が0とされている。
【0035】
アクチュエータ部材230の温度がT10よりも低いときには、線L1は右肩上がりの直線状となっている。アクチュエータ部材230の温度がT10を超えると、線L1は右肩上がりの曲線状となっている。アクチュエータ部材230の温度が更に高くなると、線L1は再び右肩上がりの直線状となっている。高温時における線L1の傾きは、低温時における線L1の傾きよりも大きい。T10で示される温度は所謂「ガラス転移点」と称される温度であって、温度に基づくアクチュエータ部材230の変形の仕方が上記のように変わる温度となっている。線L1で示される対応関係は、予め実験等によって求められ、位置温度記憶部130に記憶されている。図3に示される線L2及び線L3については後に説明する。
【0036】
抵抗温度記憶部140は、発熱体である電熱線231の抵抗値と、アクチュエータ部材230の温度との対応関係を記憶する部分である。図4には、抵抗温度記憶部140に記憶されている対応関係の一例が示されている。
【0037】
図4のグラフの横軸はアクチュエータ部材230の温度であり、縦軸は電熱線231の抵抗値である。
【0038】
図2に示されるように、電熱線231はその全体がアクチュエータ部材230に当接しているので、電熱線231の温度はアクチュエータ部材230の温度に概ね等しい。このため、アクチュエータ部材230の温度が高いときには、電熱線231の温度も高くなっている。電熱線231の温度が高いときには、よく知られているように電熱線231の電気抵抗も高くなる。以上のようであるから、抵抗温度記憶部140に記憶されている対応関係は、図4に示されるような右肩上がりのグラフとなっている。図4に示される対応関係は、予め実験等によって求められ、抵抗温度記憶部140に記憶されている。
【0039】
図1に戻って説明を続ける。気温センサ150は、アクチュエータ部材230の周囲の気温を取得するためのセンサである。気温センサ150は、本実施形態における「気温取得部」に該当する。気温センサ150によって測定された気温は制御装置100に入力される。
【0040】
湿度センサ160は、アクチュエータ部材230の周囲の湿度を取得するためのセンサである。湿度センサ160は、本実施形態における「湿度取得部」に該当する。湿度センサ160によって測定された湿度は制御装置100に入力される。
【0041】
図5のブロック線図を参照しながら、制御部120によって実行される制御の内容について説明する。図5に示されるブロックB01等は、制御部120によって実現される機能をブロックとして模式的に表現したものとなっている。
【0042】
ブロックB01は、入力される目標位置を目標温度に変換するものである。ここでいう「目標位置」とは、IRセンサ220の位置についての目標値として、制御装置100が行う演算によって予め算出され設定されるものである。ブロックB01では、位置温度記憶部130に記憶されている対応関係に基づいて、目標位置に対応するアクチュエータ部材230の温度が目標温度として算出される。「目標温度」は、アクチュエータ部材230の温度についての目標値である。既に述べたように、制御部120は、温度取得部110によって取得されるアクチュエータ部材230の温度が目標温度となるように、電熱線231に印加される電圧を調整する。これにより、アクチュエータ部材230の位置は目標位置に近づけられることとなる。
【0043】
ブロックB01で算出された目標温度は、ブロックB02に入力される。ブロックB02は所謂減算器である。ブロックB02には、後述のブロックB05から、アクチュエータ部材230の温度も入力される。ブロックB02では、目標温度からアクチュエータ部材230の温度を差し引くことにより、温度偏差が算出される。算出された温度偏差はブロックB03に入力される。
【0044】
ブロックB03は、上記の温度偏差が0に近づくよう、電熱線231への印加電圧をPID制御によって調整し、これによりアクチュエータ部材230の位置を変化させるものである。このようなブロックB03は、フィードバック制御を行うための制御器に該当する。
【0045】
ブロックB04は、電圧が印加されて発熱する電熱線231、及び電熱線231によって加熱され動作するアクチュエータ部材230を、単一のブロックとして表現したものである。ブロックB04に入力される印加電圧が変化すると、ブロックB04から出力されるアクチュエータ部材230の位置が変化する。
【0046】
図5において、ブロックB04からブロックB05へと伸びるように描かれているのは、電熱線231の抵抗値である。当該抵抗値は、電熱線231に印加される電圧の値と、電熱線231に流れる電流の値とに基づいて、制御装置100によって都度算出されるものである。算出された抵抗値はブロックB04からブロックB05へと入力される。
【0047】
尚、上記のように電熱線231の抵抗値を算出するにあたっては、例えばホイーストンブリッジ等によって、電熱線231における電圧降下を増幅して検出することとしてもよい。
【0048】
ブロックB05は、入力される抵抗値をアクチュエータ部材230の温度に変換するものである。ブロックB05では、抵抗温度記憶部140に記憶されている対応関係に基づいて、抵抗値に対応するアクチュエータ部材230の温度が推定値として算出される。アクチュエータ部材230の温度をこのように算出する処理は、既に述べたように温度取得部110によって行われる。
【0049】
このように、本実施形態に係る温度取得部110は、発熱体である電熱線231の抵抗値に基づいてアクチュエータ部材230の温度を推定し取得する。具体的には、電熱線231の抵抗値と、抵抗温度記憶部140に記憶された対応関係とに基づいて、アクチュエータ部材230の温度を推定し取得する。取得されたアクチュエータ部材230の温度は、ブロックB05からブロックB02に入力され、既に述べたように温度偏差の算出に供される。
【0050】
本実施形態に係る制御部120は、被駆動体であるIRセンサ220の目標位置と、位置温度記憶部130に記憶された対応関係とに基づいて、アクチュエータ部材230の目標温度を設定する(ブロックB01)。制御部120は更に、温度取得部110によって取得されたアクチュエータ部材230の温度と、目標温度との偏差、すなわちブロックB02で算出される温度偏差に基づいて、温度調整部材である電熱線231による温度調整を制御する(ブロックB03)。
(【0051】以降は省略されています)

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