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公開番号2019194480
公報種別公開特許公報(A)
公開日20191107
出願番号2019123385
出願日20190702
発明の名称スクロール式流体機械およびそのメンテナンス方法、組立方法
出願人株式会社日立産機システム
代理人個人
主分類F04C 18/02 20060101AFI20191011BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】必要な箇所に容易にメンテナンスが可能なスクロール式流体機械およびそのメンテナンス方法を提供する。
【解決手段】流体を圧縮する本体ユニットは、固定スクロール2と、旋回スクロール3と、本体ケーシング14と、前記旋回スクロールの自転を防止する自転防止機構とを有し、前記本体ユニットを駆動するモータユニットは、ロータ5と、前記ロータを回転させるステータ4と、前記ロータと一体に回転するシャフト6と、前記ロータおよび前記ステータを収容するモータカバー21と、前記モータカバーによって内部に固定され、前記シャフトを支持する主軸受7とを有し、前記シャフトの先端に偏心部6Aを有し、前記偏心部を介して前記本体ユニットと前記モータユニットとが接続し、前記本体ケーシングと前記モータカバーとが締結部材で締結していることを特徴とするスクロール式流体機械。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
ロータと、ステータと、先端に偏心部があり前記ロータと一体に回転するシャフトと、前記シャフトを支持する主軸受と、前記ロータおよび前記ステータを収容するモータカバーと、を有するモータユニットと、
固定スクロールと、旋回スクロールと、本体ケーシングと、を有する本体ユニットと、を備え、
前記モータカバーの前記本体ユニット側の面には、主面と、前記主面から前記本体ユニット側に突出した凸部と、があり、
前記本体ケーシングの前記モータユニット側の面には、前記凸部が挿入される凹部とがあるスクロール式流体機械。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
前記凸部の径方向外側に、前記旋回スクロールの自転を防止する自転防止機構がある請求項1に記載のスクロール式流体機械。
【請求項3】
前記凸部の径方向内側に、前記主軸受がある請求項1に記載のスクロール式流体機械。
【請求項4】
前記主軸受と前記ロータとの間に、前記シャフトと一体に回転するバランスウェイトがある請求項1に記載のスクロール式流体機械。
【請求項5】
前記主軸受と前記偏心部との間に、前記シャフトと一体に回転するバランスウェイトがある請求項1に記載のスクロール式流体機械。
【請求項6】
前記主軸受の前記本体ユニット側に、前記モータカバーの前記本体ユニット側の面が接しており、
前記主軸受の前記本体ユニットと反対側に、前記シャフトの周方向に設けられた突起が接している請求項1に記載のスクロール式流体機械。
【請求項7】
前記偏心部を支持する旋回軸受を備え、
前記本体ユニットが前記旋回軸受の外輪を有し、前記モータユニットが前記旋回軸受の内輪を有することを特徴とする請求項1に記載のスクロール式流体機械。
【請求項8】
前記偏心部を支持する旋回軸受を備え、
前記本体ユニットが前記旋回軸受の内輪を有し、前記モータユニットが前記旋回軸受の外輪を有することを特徴とする請求項1に記載のスクロール式流体機械。
【請求項9】
前記本体ユニットと前記モータユニットとが前記偏心部を介して着脱可能に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のスクロール式流体機械。
【請求項10】
前記主軸受および前記自転防止機構の少なくとも一部は径方向から見て軸方向位置が重なることを特徴とする請求項1に記載のスクロール式流体機械。
【請求項11】
前記フランジは、前記本体ユニットと前記締結部材にて締結する締結座面を有し、前記主軸受の少なくとも一部の軸方向位置は前記締結座面の軸方向位置よりも前記偏心部の先端に近いことを特徴とする請求項2に記載のスクロール式流体機械。
【請求項12】
ロータと、ステータと、先端に偏心部があり前記ロータと一体に回転するシャフトと、前記シャフトを支持する主軸受と、前記ロータおよび前記ステータおよび前記主軸受を内部に収容するモータカバーと、を有するモータユニットと、
固定スクロールと、旋回スクロールと、本体ケーシングと、を有する本体ユニットと、を有するスクロール式流体機械において、
前記本体ユニットと前記モータユニットとを締結する締結部材を取り外し、前記偏心部を前記本体ユニットから抜き出して前記本体ユニットを分解せずに前記本体ユニットから前記モータユニットを分離することを特徴とするメンテナンス方法。
【請求項13】
前記本体ユニットと前記モータユニットとを分離した後、前記旋回スクロールに接続され前記シャフトを支持する旋回軸受に潤滑剤を供給することを特徴とする請求項12に記載のメンテナンス方法。
【請求項14】
前記旋回スクロールに接続され前記シャフトを支持する旋回軸受の内輪を前記シャフトと一体で取り外し、前記旋回軸受のローラに潤滑剤を供給することを特徴とする請求項12に記載のメンテナンス方法。
【請求項15】
前記本体ユニットから前記モータユニットを分離して前記旋回スクロールに接続され前記シャフトを支持する旋回軸受に潤滑剤を供給した後、前記本体ユニットと前記モータユニットとを組み付けることを特徴とする請求項17に記載のメンテナンス方法。
【請求項16】
前記固定スクロールを前記ケーシングに取り付けられた状態で前記本体ユニットと前記モータユニットとを分離することを特徴とする請求項12に記載のメンテナンス方法。
【請求項17】
前記モータユニットの一部を前記本体ケーシングから前記本体ケーシングの他端側の開口部を通して取り出すことを特徴とする請求項12に記載のメンテナンス方法。
【請求項18】
ロータと、ステータと、先端に偏心部があり前記ロータと一体に回転するシャフトと、前記シャフトを支持する主軸受と、前記ロータおよび前記ステータおよび前記主軸受を内部に収容するモータカバーと、を有するモータユニットと、
固定スクロールと、旋回スクロールと、本体ケーシングと、を有する本体ユニットと、をそれぞれ組み立て、
前記偏心部を前記本体ユニットに挿入し、前記本体ユニットと前記モータユニットとを締結部材で締結するスクロール式流体機械の組立方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、スクロール式流体機械およびそのメンテナンス方法に関する。
続きを表示(約 12,000 文字)【背景技術】
【0002】
本発明の背景技術として特許文献1、2がある。特許文献1には、「台板に取付板を立設してなる支持ブラケットにおける前記取付板の一側に、軸線を水平としたモータ式駆動ユニットにおける出力側を止着するとともに、この取付板の他側に、被駆動回転機械の本体における入力側を、着脱自在に装着することにより、前記モータ式駆動ユニットにおける出力軸と、被駆動回転機械の本体における入力軸とを連結しうるようにしたことを特徴とする回転機械」が記載されている。
【0003】
特許文献2には、「ケーシングと、該ケーシングに設けられ渦巻状のラップ部が立設された固定スクロールと、鏡板の表面に前記固定スクロールのラップ部と重なり合う渦巻状のラップ部が立設されると共に前記固定スクロールと組み合わされて複数の圧縮室を形成しつつ旋回運動される旋回スクロールと、前記ケーシングに回転可能に設けられて前記旋回スクロールを駆動する駆動軸と、前記旋回スクロールの自転を防止して旋回運動させるために旋回スクロールの周方向に複数個設けられた補助クランク機構とを備えるスクロール式流体機械において、前記補助クランク機構は、前記旋回スクロール側に設けられた旋回側軸受部と、固定側に設けられた固定側軸受部と、これら旋回側軸受部と固定側軸受部に連結された補助クランク軸とを備え、旋回側軸受部と固定側軸受部の少なくとも一方をボスピースに収容し、このボスピースを軸方向の支柱を介して前記旋回スクロールまたは前記固定側に接続したことを特徴とするスクロール式流体機械」が記載されている先行技術文献特許文献
【0004】
特開2006−29238号公報
特開2011−252448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のスクロール式流体機械(回転機械)は、例えば、モータ式駆動ユニット7を取り外した時にシャフト(出力軸10)の先端の偏心部(偏心筒14)が本体ユニット(被駆動回転機本体)側に取り付けられたままとなる。そのため、モータ単体での動作確認をすることが出来ない。
【0006】
特許文献2のスクロール式流体機械は、例えば、モータユニット(モータ(駆動源)15)の取外し後にモータユニット単体で運転し動作確認をすることが出来るが、シャフト(主軸15B)と主軸部9が別体であり締結部材を用いて締結するため、部品点数が多く分解時に手間を要する。加えて、シャフトと主軸部9が別体のため芯ズレが発生しやすく、芯ズレが発生すれば主軸受に加わる負荷が増加し軸受寿命の低下を招く。
【0007】
また、例えば、シャフトの偏心部の先端には旋回軸受があるが、旋回軸受にグリース等の潤滑剤を供給するなどメンテナンスが必要である。特許文献1,特許文献2共に偏心部が圧縮機ユニットに取り付けられた状態となるため、旋回軸受に給油するためにモータ式駆動ユニット7を外した後、さらに偏心部(偏心筒14)を取り外す必要がある。そのため、特許文献1の構成ではモータ式駆動ユニット7を本体ユニット(被駆動回転機本体)から取り外すだけでは、旋回軸受にグリースを給油できず、旋回軸受のグリースの目視確認やグリースの給油などのメンテナンスを容易に行うことが出来ない。
【0008】
上記問題点に鑑み、本発明は圧縮機本体ユニットとモータユニットの分離や組立及びメンテナンスが容易にできるスクロール式流体機械およびそのメンテナンス方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するため、流体を圧縮する本体ユニットと、前記本体ユニットを駆動するモータユニットとを備え、前記本体ユニットは、固定スクロールと、旋回スクロールと、本体ケーシングと、前記旋回スクロールおよび前記本体ケーシングに保持され、前記旋回スクロールの自転を防止する自転防止機構とを有し、前記モータユニットは、ロータと、前記ロータを回転させるステータと、前記ロータと一体に回転するシャフトと、前記ロータおよび前記ステータを収容するモータカバーと、前記モータカバーによって内部に固定され、前記シャフトを支持する主軸受とを有し、前記シャフトの先端に偏心部を有し、前記偏心部を介して前記本体ユニットと前記モータユニットとが接続し、前記本体ケーシングと前記モータカバーとが締結部材で締結していることを特徴とするスクロール式流体機械を提供する。
【0010】
また、他の観点の本発明は、固定スクロールと旋回スクロールとの間にある圧縮室内の流体を圧縮する本体ユニットと、シャフトが回転することにより、前記本体ユニットを駆動するモータユニットとを、前記固定スクロールに取り付けられた本体ケーシングと、前記シャフトの径方向外側に設けられたモータカバーとを締結する締結部材を取り外し、前記シャフトの先端に形成された偏心部を前記本体ユニットから取り外して前記本体ユニットを分解せずに前記本体ユニットから前記モータユニットを分離することを特徴とするスクロール式流体機械のメンテナンス方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、圧縮機ユニットとモータユニットの分離や組立及びメンテナンスが容易にできるスクロール式流体機械およびそのメンテナンス方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の実施例1におけるスクロール式流体機械の全体図である。
本発明の実施例1におけるスクロール式流体機械の側面方向断面図である。
本発明の実施例1における本体ユニットとモータユニットとを分離した状態の斜視図である。
本発明の実施例1における本体ユニットとモータユニットとを分離した状態の斜視図である。
本発明の実施例1における本体ユニットとモータユニットとを分離した状態の側面方向断面図である。
本発明の実施例1の変形例における本体ユニットとモータユニットとを分離した状態の側面方向断面図である。
本発明の実施例2における本体ユニットの軸方向断面図である。
本発明の実施例1における旋回軸受の拡大図である。
本発明の実施例1の変形例における旋回軸受の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0013】
以下、本発明の実施例1を図面に基づいて詳細に説明する。図1に本発明におけるスクロール式流体機械1の概略を、図2には図1におけるスクロール式流体機械1を側面から見た断面図を、図3A、3Bには本体ユニット19とモータユニット20の分離状態の一例を示す。
【0014】
図1に示す本実施例におけるスクロール式流体機械1は、空気または窒素等の特定のガスまたは冷媒を圧縮するスクロール式圧縮機であってもよいし、スクロール式真空ポンプであってもよい。
【0015】
図3A、図3Bに示すように、スクロール式流体機械1は、流体を圧縮する本体ユニット19と本体ユニット19を駆動するモータユニット20により構成される。本体ユニット19の内部構造は図2に示すように、固定スクロール2と、固定スクロール2に対向して配置される旋回スクロール3、および旋回スクロール3を径方向外側から覆う本体ケーシング14により構成される。固定スクロール2、旋回スクロール3には、それぞれ鏡板2A、3Aの表面に渦巻状のラップ部2B、3Bが形成されている。固定スクロール2、旋回スクロール3のそれぞれのラップ部2B、3Bが重なり合うことによって圧縮室を構成している。本体ケーシング14は筒状であり、両端が開口となっている。本体ケーシング14の一端側の開口部に固定スクロール3が取り付けられ、他端側の開口部22にモータユニット20が取り付けられる。旋回スクロール3はモータユニット20によって駆動され、旋回運動する。本体ユニット19は、旋回スクロール3の旋回運動により、固定スクロール2のラップ部2Bと旋回スクロール3のラップ部3Bとの間に画成された圧縮室が連続的に縮小されることで、流体を圧縮して吐出す。なお、本実施例では、固定スクロール2、旋回スクロール3を1対しか持たないスクロール式流体機械1を例に挙げて説明したが、鏡板3Aの両側にラップ部3Bを持つ旋回スクロール3を備え、その両側に固定スクロール2を有するものであってもよい。
【0016】
旋回スクロール3は、鏡板3Aの背面側(ラップ部3Bが形成された表面と反対側)にモータユニット20のシャフト6を収容するボス部9Aを備える。ボス部9Aは旋回スクロール3の鏡板3Aの背面に直接形成されたものであってもよいし、図2に示すように鏡板3Aの背面から離間した位置にボスプレート9を設け、ボスプレート9の背面(旋回スクロール3と反対側の表面)に形成されたものであってもよい。
【0017】
旋回スクロール3の背面側に設けられたボス部9Aには、旋回スクロール2の旋回運動により発生する遠心力と、空気を圧縮することにより発生するガス荷重を支持する旋回軸受10が設けられている。
【0018】
本体ケーシング14と旋回スクロール3との間には、旋回スクロール3の自転運動を防止するための複数の自転防止機構が設けられている。自転防止機構は旋回スクロール3の自転運動を防止するとともに、旋回スクロール3からの軸方向のガス荷重を支持している。自転防止機構は、偏心した2本の軸が軸方向に一体となり形成され、ケーシング側補助クランク軸受13により径方向に保持され、旋回スクロール3に従動して回転運動することで旋回スクロール3の自転を防止する補助クランクシャフト11と、補助クランクシャフト11を支持し、旋回スクロール3に収容された旋回側補助クランク軸受12と、本体ケーシング14に収容されたケーシング側補助クランク軸受13から構成される。なお、自転防止機構としては、ここで説明した補助クランク機構に替えて、例えば、ボールカップリング機構またはオルダム継手等を用いて構成してもよい。
【0019】
補助クランクシャフト11は旋回側補助クランク軸受12およびケーシング側補助クランク軸受13を介して本体ケーシング14と旋回スクロール3から保持されている。例えば、補助クランクシャフト11は本体ケーシング11にボルトによって固定され、旋回スクロール3に旋回側補助クランク軸受12を介して締り嵌めによって固定されている。なお、補助クランクシャフト11は旋回側補助クランク軸受12(ケーシング側補助クランク軸受13)に隙間嵌めされていて、押え板によって旋回スクロール3(本体ケーシング14)に固定されていてもよい。
【0020】
即ち、本体ケーシング14と旋回スクロール3とは軸方向(シャフト6の長手方向)に対向し、自転防止機構を介して軸方向に保持(固定)されている。
【0021】
そのため、本体ユニット19とモータユニット20を分離するために本体ユニット19からシャフト6を引き抜くときに旋回スクロール3が本体ケーシング14から分離されることはない。これにより、本体ユニット19を分解することなくモータユニット20を分離することが可能となる。
【0022】
モータユニット20は図2に示すように、動力を発生するステータ4およびロータ5と、ロータ5を圧入等により一体化し、動力を外部に伝達するシャフト6を有する。ステータ4がロータ5に回転力を付与することにより、ロータ5と一体になったシャフト6が回転する。シャフト6は偏心部6Aを有し、偏心部6Aは、本体ユニット19とモータユニット20とを組み立てる際に旋回スクロール2の背面に設けられたボス部9Aに軸方向に引くだけで抜くことができるように収容され(例えば偏心部6Aはボス部9Aに隙間嵌めにて取り付けられ)、本体ユニットに着脱可能に取り付けられる。これにより、本体ユニット19とモータユニット20とは偏心部6Aを介して接続されている。シャフト6の偏心部6Aはシャフト6の回転運動に伴い、偏心運動する。そのため、シャフト6が回転することにより、偏心部6Aと接続された旋回スクロール3が旋回運動する。さらにモータユニット20は、ステータ4、ロータ5を収容するモータカバー21を有する。モータカバー21は、ステータ4、ロータ5、シャフト6を径方向外側から覆う筒状のモータケーシング17と、モータケーシング17の本体ユニット19側の開口部に設けられたフランジ15、本体ユニット19とは反対側の開口部に設けられたエンドブラケット16により構成される。
【0023】
モータケーシング17はステータ5と固定され、ステータ5およびロータ6を収容する。シャフト6は、主軸受7と反負荷軸受8により支持される。主軸受7と反負荷軸受8が同心となるように配置され、主軸受7、反負荷軸受8の軸線に対してシャフト6が傾かないようにしている。これにより、スクロール式流体機械1の運転時にシャフト6が傾くことによって発生する振動を抑制する。
【0024】
本実施例では、主軸受7をモータカバー21内に配置、つまりフランジ15とエンドブラケット16との間(フランジ15に対して本体ユニット19と反対側)に配置した。また、主軸受7は、フランジ15によってモータカバー21内に固定されている。さらに、フランジ15はモータケーシング17と締結されている。フランジ15はモータケーシング17と一体に形成してもよい。なお、本体ケーシング14とモータカバー21を締結する際に本体ケーシング14とモータケーシング17との間にフランジ15を挟む形で締結してもよい。
【0025】
本実施例では主軸受7および自転防止機構の少なくとも一部は径方向から見て軸方向(シャフト6の長手方向)の位置が重なるように配置した。即ち、主軸受7の本体ユニット19側端面は、自転防止機構(ケーシング側補助クランク軸受13)のモータユニット20側端面よりも本体ユニット19側に位置するように配置した。
【0026】
特に本実施例のように本体ユニット19とモータユニット20とを別体として形成し、分離可能な構造とした場合、軸方向に大型化しやすい。一方で、本体ユニット19の自転防止機構の径方向内側にはスペースがあるため、このスペースに主軸受7を配置した。これにより、シャフト6の軸方向寸法を短くでき、スクロール式流体機械1全体の軸方向寸法を短くすることができる。
【0027】
また、旋回スクロール3が正しい位置で安定して旋回運動するために主軸受7と自転防止機構とを接続(固定)する必要がある。このとき、主軸受7と自転防止機構の軸方向位置が離れていると、スクロール式流体機械1の運転中に両者を接続する部材に大きな負荷(モーメント)がかかる。そのため、リブなどの補強部材を大きくしなければならず、小型・軽量化を実現することができない。一方、本実施例のように主軸受7および自転防止機構の少なくとも一部の軸方向の位置が重なるように配置した場合、主軸受7と自転防止機構とを接続する部材を小型・軽量化することができ、スクロール式流体機械1全体の小型・軽量化を実現することができる。
【0028】
ここで、主軸受7の外輪が露出した状態でモータカバー21の外側に設けられた場合、モータユニット20を運転するためには、本体ユニット19とモータユニット20を組み付ける際に、主軸受7の安定性を確保する必要がある。また、運転時の振動も抑制しなくてはならない。そのため、主軸受7を本体ユニット19に嵌合する必要がある。一方、本実施例では、主軸受7をモータカバー21の内部にフランジ15によって固定されている。このようにすることで、本体ユニット19とモータユニット20とを着脱する際に主軸受7を本体ユニット19に着脱する必要がなくなる。また、本体ユニット19とモータユニット20とを分離した時に、主軸受7がシャフト6の軸方向に動いて不安定になることを防止できる。そのため、主軸受7をモータカバー21内に設けることで、本体ユニット19とモータユニット20との着脱が容易となる。また、本体ユニット19とモータユニット20を分離するために本体ユニット19からシャフト6を引き抜くときに主軸受7がモータユニット20から分離されることはない。これにより、モータユニット20を分解することなく本体ユニット19からモータユニット20を分離することが可能となる。すなわちスクロール式流体機械1の組立や、本体ユニット19及びモータユニット20交換作業が容易となり、加えてモータユニット20単体での動作確認や部品交換(モータの容量変更に伴うモータ交換を含む)やグリース供給等のメンテナンスが可能となる。
【0029】
このとき、フランジ15は径方向内側が径方向外側よりも本体ユニット20側に突出した段差形状となっている。主軸受15は、フランジ15の本体ユニット反対側の面の径方向内側(本体ユニット20側に突出した部分)に固定されている。一方、本体ユニット20との締結座面24は、フランジ15の径方向外側(本体ユニット20側に突出していない部分)にある。つまり、主軸受7の少なくとも一部の軸方向位置はフランジ15に形成された本体ユニット20との締結座面24の軸方向位置よりも偏心部6Aの先端に近くなっている。これにより、主軸受7がモータカバー21内にフランジ15によって固定され、かつ主軸受7の少なくとも一部の軸方向位置が自転防止機構と重なるように配置される構成を実現することができる。
【0030】
図7Aに本実施例に係る旋回軸受10の拡大図を示す。シャフト6の偏心部6Aは旋回軸受10によって旋回スクロール3に対して支持される。シャフト6の動力は旋回軸受10を介して旋回スクロール3に伝達される。旋回軸受10はシャフト6に圧入等により固定されたリング状の旋回軸受内輪10A、本体ユニット19のボス部9Aに設けられる複数の旋回軸受ローラ10B、ボス部9Aに圧入等により固定されたリング状の旋回軸受外輪10Cにより構成される。
【0031】
旋回軸受ローラ10Bは、旋回軸受内輪10Aと旋回軸受外輪10Cとの間で回転可能に保持される。メンテナンス時には、本体ユニット19側(またはモータユニット側)に分離された複数の旋回軸受ローラ10Bにグリース等の潤滑剤を供給する必要がある。本実施例では、旋回軸受内輪10Aをシャフト6の偏心部6Aと一体に形成することにより、モータユニット20の構成要素とした。また、旋回軸受外輪10Cをボス部9Aと一体に形成することにより、本体ユニット19の構成要素とした。これにより、旋回軸受内輪10Aと旋回軸受ローラ10Bを境として、本体ユニット19とモータユニット20を容易に分離することができ、再組立も容易にすることができる。また、シャフト6と偏心部6Aを一体として形成することで、部品点数を削減でき組立及び分解の手間を減らすことができる。加えて、分解時に旋回軸受ローラ10Bが露出するため、旋回軸受ローラ10Bへのグリースの供給や部品交換や目視確認などのメンテナンスが容易となる。
【0032】
なお、本実施例では、旋回軸受ローラ10Bを本体ユニット19側の構成要素としたが、本体ユニット19とモータユニット20とを分離したときに旋回軸受ローラ10Bが露出する構造であれば、例えば図7Bに示す変形例のように旋回軸受内輪10Aを本体ユニット19側の構成要素とし、旋回軸受ローラ10Bと旋回軸受外輪10Cをモータユニット20側の構成要素としてもよい。なお、図7Bのボス部9Aはバランスウェイト23と一体として、モータユニット20側の構成要素としてもよい。
【0033】
図3A、図3Bに示す通り、本実施例では、モータカバー21と本体ケーシング14を締結する締結部材を外し、本体ユニット19とモータユニット20を分離し、メンテナンスを実施する。この際、シャフト6の偏心部6Aは、本体ユニット19(ボス部9A)から取り外される。このとき、旋回軸受内輪10Aはシャフト6と一体に取り外される。一方、旋回軸受外輪10Cはモータユニット20を取り外した後も本体ユニット19側にある。ここで、シャフト6の偏心部6Aはボス部9Aに対し(旋回軸受内輪10Aは旋回軸受ローラ10Bに対し)、隙間嵌めで取り付けられている。そのため、締結ボルト18を外し、本体ユニット19を軸方向に引き抜くだけで、本体ユニット19とモータユニット20を分離することができる。これにより、各ユニットを容易に新品と交換したり、モータユニット20の出力を容易に変更したりできる。また、モータユニット20が主軸受7を有するため、各ユニットを分離後に、モータユニット20単体での動作、性能確認が可能である。また、本体ユニット19では、旋回軸受10(旋回軸受ローラ10B)とケーシング側補助クランク軸受13を背面側より露出させることで、部品交換や目視確認やグリース等の潤滑剤の供給などのメンテナンスが容易となる。
【0034】
メンテナンス実施後は、シャフト6の偏心部6Aを本体ユニット19のボス部9Aに挿入し、モータカバー21と本体ケーシング14を締結部材にて締結することにより(例えば締結ボルト18をモータカバー21および本体ケーシング14に設けられたボルト挿通孔に挿入することにより)、モータユニット20は本体ユニット19とを組み付け、再びスクロール式流体機械1を組み立てる。
【0035】
以上の分離組立構造により、本体ユニット19とモータユニット20を別々に組み立てた後に、スクロール式流体機械1を容易に運転可能な状態に組み立てることもできる。
【0036】
図3A、3B、4を用いて本体ユニット19とモータユニット20の分離構造について説明する。図4は分離状態での側面方向断面図である。
【0037】
本体ユニット19のメンテナンス時には、グリース等の潤滑剤を供給することより旋回軸受10のメンテナンスを実施する必要がある。特許文献1に記載の従来技術では、本体ユニット19とモータユニット20を分離可能に直列で接続されているが、シャフト6の偏心部6Aが本体ユニット19に取り付けられたままとなる。旋回軸受10のメンテナンスを行うためには、本体ユニット19とモータユニット20の分離後に、シャフト6の偏心部6Aを分解し、さらにシャフト6の偏心部を取り外す作業が必要となる。そのため、本体ユニット19とモータユニット20とを分離する以外の作業工程が必要となり、容易にメンテナンスをすることが出来ない。
【0038】
一方、本実施例では、シャフト6の偏心部6Aがシャフト6と一体に形成され、モータユニット20側の構成要素であるため、本体ユニット19とモータユニット20との分離時にシャフト6の偏心部6Aが本体ユニット19から取り外される。そのため、さらに本体ユニット19を分解しなくても本体ユニット19の旋回軸受10のグリースの目視確認やグリースの供給ができ、メンテナンスが容易となる。なお、シャフト6の偏心部6Aは、シャフト6と一体に形成され、本体ユニット19とモータユニット20を分離時にシャフト6と一体にモータユニット側に取り外す構成となっている。このような構成であれば、例えば、シャフト6と偏心部6Aがボルトによって締結されたものであり、ボルトを取り外すことによってシャフト6と偏心部6Aが分離可能な構成であってもよい。
【0039】
ここで、本体ケーシング14のモータユニット20側の開口部22の面積を、シャフト6の軸方向から見た偏心部6Aの先端とフランジ15との間(フランジ15から本体ユニット19側に突出した部分)におけるモータユニット19の投影面積(フランジ15から本体ユニット19側に突出した部分にシャフト6の軸方向から平行光を当てたときにできる影の面積)よりも大きくした。即ち、本体ケーシング14の開口部22の径ΦAを、偏心部6Aの先端とフランジ15との間(フランジ15から本体ユニット19側に突出した部分)におけるモータユニット19の最大径22Φaよりも大きくした。これにより、本体ユニット19とモータユニット20を組み付けるときまたは分離するときにモータユニット20を傾けることなく、本体ケーシング14の開口部22を通して本体ケーシング14の内部にモータユニット20の一部を入れて組み付けるまたは本体ケーシングの内部からモータユニット20の一部を取りだすことが可能となる。
【0040】
なお、シャフト6のフランジ15から本体ユニット19側に突出した部分に旋回スクロール2のバランスを取るバランスウェイト23を設けた場合、モータユニット19のシャフト6の偏心部6Aの先端とフランジ15との間の軸方向から見た投影面積はバランスウェイト23を含めたものとなる。また、モータユニット20側の開口部の径は、シャフト6の偏心部6Aの最大径またはバランスウェイト23の最大径のいずれか大きいほうの径よりも大きくなる。
【0041】
図5に本実施例の変形例を示す。図5において、バランスウェイト23をモータカバー21内、つまり、フランジ15よりも本体ユニット19から離れた側に配置している。この場合、バランスウェイト23は本体ケーシング14の開口部22を通す必要はないため、本体ケーシング14の開口部22の面積はモータユニット19の偏心部6Aの先端とフランジとの間の軸方向から見た投影面積よりも大きければよい。つまり、本体ケーシング14の開口部22の面積はバランスウェイト23の軸方向から見た断面積よりも小さくてもよい。バランスウェイト23をモータカバー21内に配置することにより、バランスウェイト23を大きくした場合でも本体ケーシング14の開口部22を大きくする必要はない。開口部22を大きくする必要がないため、本体ケーシング14自体を大きく形成する必要がなくなり、スクロール式流体機械1全体の小型・軽量化を図ることができる。実施例2
【0042】
本発明の実施例2について、図6を用いて説明する。実施例1と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。本実施例では本体ユニット19とモータユニット20との締結位置について説明する。
【0043】
図6は本体ユニット19を背面側から見た図である。ここで、本体ユニット19とモータユニット20の締結位置が固定スクロール2の外周面よりも径方向内側にあると、固定スクロール2の陰になって締結位置が見えづらい。また、締結作業や分離作業をする際に固定スクロール2に当たってしまう。そのため、固定スクロール2を外さないとメンテナンス作業が容易にできない。そこで、本実施例では、シャフト6の中心を基準として、本体ユニット19とモータユニット20の締結位置(締結座面24の位置)を固定スクロール2の外周面よりも径方向外側とした。これにより、本体ユニット19の分離時の固定スクロール2の取外しを不用とし、固定スクロールを取り付けた状態で本体ユニット19とモータユニット20の分離が可能となり、容易なメンテナンスを可能とした。
【0044】
加えて、本実施例では締結位置(締結座面24の位置)のシャフト6の中心からの距離ΦDを、補助クランク軸受13のシャフト6の中心からの距離Φdよりも大きくした。つまり、本体ユニット19とモータユニット20との締結位置を自転防止機構(補助クランクシャフト11、旋回側補助クランク軸受12、ケーシング側補助クランク軸受13)の位置よりも径方向外側に設けた。
【0045】
ここで、スクロール式流体機械1は、運転時に本体ユニット19、特に固定スクロール2と旋回スクロール3との間に形成される圧縮室が大きく発熱することにより、旋回スクロール3が熱膨張する。旋回スクロール3が熱膨張すると、旋回スクロール3と本体ケーシングとの間にある補助クランクシャフト11が傾き、旋回スクロール3の旋回半径が大きくなる。このとき、固定スクロール2のラップ部2Bと旋回スクロール3のラップ部3Bとが接触し、信頼性が低下する可能性がある。一方で、固定スクロール2のラップ部2Bと旋回スクロール3のラップ部3Bの熱膨張による変形を予め考慮してラップ部2B、3Bが接触しないようにラップ部2B、3Bの位置を規定すると、圧縮性能が確保できない。
【0046】
そこで、本実施例では、本体ユニット19とモータユニット20との締結位置を自転防止機構よりも外側に配置した。旋回スクロール3の熱膨張は自転防止機構を介して、本体ケーシング14にも伝達するが、締結ボルト18によって自転防止機構よりも径方向外側で本体ケーシング14をモータカバー21と締結することで、本体ケーシング18の熱膨張による変形を抑制することができる。これにより、旋回スクロール3の旋回半径が大きくなることを抑制でき、旋回スクロール3の信頼性と圧縮性能の確保が可能となる。
【0047】
これまでに説明してきた実施例は、いずれも本発明を実施するに当たっての一例を示したものに過ぎず、実施例1,2を組み合わせることにより本発明を実施しても良い。
【符号の説明】
【0048】
1 スクロール式流体機械2 固定スクロール3 旋回スクロール4 ステータ5 ロータ6 シャフト6A 偏心部7 主軸受8 反負荷軸受9 ボスプレート9A ボス部10 旋回軸受10A 旋回軸受内輪10B 旋回軸受ローラ10C 旋回軸受外輪11 補助クランクシャフト12 旋回側補助クランク軸受13 ケーシング側補助クランク軸受14 本体ケーシング15 フランジ16 エンドブラケット17 モータケーシング18 締結ボルト19 本体ユニット20 モータユニット21 モータカバー22 開口部23 バランスウェイト24 締結座面

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