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公開番号2019183044
公報種別公開特許公報(A)
公開日20191024
出願番号2018077335
出願日20180413
発明の名称熱硬化性樹脂組成物、これを用いたインクジェットインク、硬化膜、硬化膜付き基板および電子部品
出願人JNC株式会社
代理人
主分類C08L 63/00 20060101AFI20190927BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】 PET上においても、透明絶縁膜およびオーバーコートのいずれにも使用できる樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 モノアミン(a1)と酸無水物基を1つ有する化合物(a2)からの反応生成物であるシリコンアミド酸化合物(A)、
平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)、及び
溶媒(D)を含む熱硬化性樹脂組成物であり;
前記モノアミン(a1)及び前記酸無水物基を1つ有する化合物(a2)の少なくとも一方が-C-Si-O-構造を含み;そして
前記環状エーテル化合物成分(B)に含まれる環状エーテル化合物が、エポキシ化合物(b1)及びオキセタン化合物(b2)から選ばれる少なくとも1つである熱硬化性樹脂組成物、これを用いたインクジェットインク、硬化膜及び電子部品。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
モノアミン(a1)と酸無水物基を1つ有する化合物(a2)からの反応生成物であるシリコンアミド酸化合物(A)、
平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)、及び
溶媒(D)を含む熱硬化性樹脂組成物であり;
前記モノアミン(a1)及び前記酸無水物基を1つ有する化合物(a2)の少なくとも一方が−C−Si−O−構造を含み;そして
前記環状エーテル化合物成分(B)に含まれる環状エーテル化合物が、エポキシ化合物(b1)及びオキセタン化合物(b2)から選ばれる少なくとも1つである熱硬化性樹脂組成物。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
シリコンアミド酸化合物(A)が、一般式(1)で表されるアミド酸化合物(A)である、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(一般式(1)中、R

は、炭素数1〜100の2価の有機基を表し、R

は、炭素数1〜100の1価の有機基を表し、R

およびR

の少なくとも一方には−C−Si−O−構造が含まれている。)
【請求項3】
モノアミン(a1)が−C−Si−O−構造を含む、請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
モノアミン(a1)が一般式(2)で表される化合物であり、酸無水物基を1つ有する化合物(a2)が一般式(3)で表される化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(一般式(2)中、R

、R

及びR

はそれぞれ独立して水素、ハロゲンまたは炭素数1〜100の1価の有機基を表し、Yは炭素数1〜20の2価の有機基を表し、一般式(3)中、Xは炭素数1〜100の2価の有機基を表す。)
【請求項5】
モノアミン(a1)が、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジメトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジエトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシランおよびm−アミノフェニルメチルジエトキシシランからなる群から選ばれる1以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
酸無水物基を1つ有する化合物(a2)が、無水フタル酸、3−メチルフタル酸無水物、4−メチルフタル酸無水物、4−tert−ブチルフタル酸無水物、3−フルオロフタル酸無水物、4−フルオロフタル酸無水物、4−エチニルフタル酸無水物、4−フェニルエチニルフタル酸無水物、コハク酸無水物、グルタル酸無水物、イタコン酸無水物、cis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、cis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、アリルコハク酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、アリルナジック酸無水物、ブチルコハク酸無水物、n−オクチルコハク酸無水物、デシルコハク酸無水物、ドデシルコハク酸無水物、テトラデシルコハク酸無水物、ヘキサデシルコハク酸無水物、オクタデシルコハク酸無水物、2−ブテン−1−イルコハク酸無水物、2−ヘキセン−1−イルコハク酸無水物、n−オクテニルコハク酸無水物、n−デセニルコハク酸無水物、2−ドデセン−1−イルコハク酸無水物、テトラデセニルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物、オクタデセニルコハク酸無水物、p−(トリメトキシシリル)フェニルコハク酸無水物、p−(トリエトキシシリル)フェニルコハク酸無水物、m−(トリメトキシシリル)フェニルコハク酸無水物、m−(トリエトキシシリル)フェニルコハク酸無水物、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物および3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物からなる群から選ばれる1以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項7】
シリコンアミド酸化合物(A)100重量部に対し、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)を10〜200重量部含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項8】
さらに、硬化剤(E)を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項9】
硬化剤(E)が、酸無水物系硬化剤、フェノール樹脂系硬化剤、アミンアダクト、ポリカルボン酸系硬化剤、ポリアミン系硬化剤および触媒型硬化剤からなる群より選ばれる1種以上の化合物である、請求項8に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を含有することを特徴とするインクジェット用インク。
【請求項11】
タッチパネル用である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項12】
請求項1〜9および11のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物である硬化膜。
【請求項13】
請求項12に記載の硬化膜を有する硬化膜付き基板。
【請求項14】
請求項12に記載の硬化膜または請求項13に記載の硬化膜付き基板を有する電子部品。
【請求項15】
タッチパネルである、請求項14に記載の電子部品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱硬化性樹脂組成物、硬化膜、硬化膜付き基板および電子部品に関する。さらに詳しくは、特定の化合物を含む熱硬化性樹脂組成物、該組成物から形成された硬化膜、該硬化膜を有する硬化膜付き基板、および、該硬化膜または硬化膜付き基板を有する電子部品に関する。
続きを表示(約 9,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、入力装置として、液晶表示装置または有機エレクトロルミネッセンス装置と位置検出装置とを組み合わせたタッチパネル型入力装置が普及している。タッチパネル型入力装置は表示画面上に、指やペンの先を接触させたときに、その接触位置を検出する入力装置である。タッチパネル型入力装置には各種検出方式が存在し、抵抗膜方式、静電容量方式等がある。
【0003】
例えば、静電容量方式は、ガラス基板上に、XおよびY電極をマトリックス状に配置した構造を有する装置を用い、指先などが接触することで生じる静電容量の変化を、電流変化として検出する方式である。
【0004】
前記の電極を形成する際、XおよびY位置を認識するため、XおよびY電極の重なり部分にITO(酸化インジウムスズ)などでジャンパーを形成し、また、XおよびY電極が互いに接触しないように透明絶縁膜が設けられる。前記透明絶縁膜には、高硬度、高透明性、ガラスに対する密着性などが要求される。
【0005】
また、前記静電容量方式のタッチパネルには、例えば、XおよびY電極上を平坦化させる等のために、絶縁性のオーバーコートを設ける場合がある。このオーバーコートは平坦性に加え、脱ガス防止、高硬度、高透明性、ガラスに対する密着性が要求される。
【0006】
タッチパネルでは、製造コストを削減するなどの理由から、従来使用されていたガラスからPET(ポリエチレンテレフタレート)のようなプラスチックへ一部または総代替が検討されている。また、製造の省エネ化、低コスト化を考慮して低い焼成温度で硬化できる材料が求められている。
【0007】
前記透明絶縁膜またはオーバーコートに使用できる高透明絶縁材料については各種組成物が検討されている。
例えば、特許文献1には、特定構造のポリエステルアミド酸、エポキシ樹脂、エポキシ硬化剤などを含む熱硬化性樹脂組成物が開示されている。特許文献2には、特定構造のポリエステルアミド酸、フルオレン骨格を有するエポキシ化合物および硬化剤を含む熱硬化性樹脂組成物が開示されている。特許文献3には、特定の構造単位を有するポリイミド前駆体、フルオレン構造にビフェニルエーテル鎖で結合したエポキシ化合物を含む熱硬化性樹脂組成物が開示されている。
また、特許文献4には、高濃度のアミド酸化合物を含有し、1回のジェッティングで比較的厚い(1μm以上の)膜を形成できるインクジェットインクが開示されている。
また、特許文献5には、シリコンアミド酸化合物(シランカップリング剤)は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂と併用すると、金属と反応或いは錯体を形成するため膜の密着性が高くなり耐半田クラック性が向上することが知られている。
しかしながら、これらいずれの特許文献にも、該組成物から得られる硬化膜のガラス基板に対する密着性や硬度や透明性についてはなんら検討されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2005−105264号公報
WO2015/012395号パンフレット
特開2015−078253号公報
特開2009−144138号公報
特開2003−105059号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ガラスからプラスチックへの代替にあたり、例えばPETの耐熱性を考慮した場合、130℃以下の低温焼成が要求される。
しかしながら、特許文献1〜3には、熱硬化性樹脂組成物の低温硬化性、低温硬化によって得られる硬化膜の物理的性質等についてなんら検討されていない。特許文献2には、熱硬化性樹脂組成物を120℃で加熱して硬化膜を得ることが記されているが、当該熱硬化性樹脂組成物を120℃の低温で硬化させて得られた硬化膜は、エタノールやIPAなどに対する耐薬品性が悪く、硬度も低く、透明絶縁膜として使用するためには、改良が求められている。本発明の課題は、タッチパネル型入力装置を製造するに際して、ラインの簡略化および歩留まり向上等の点から、前記透明絶縁膜およびオーバーコートのいずれにも使用できる樹脂組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の課題は、低温硬化性、高硬度、高透明性、ガラスに対する密着性を有する硬化膜を形成することが可能な熱硬化性樹脂組成物、およびその用途を提供することにある。
【0011】
本発明者らは、前記問題点を解決すべく鋭意検討を行った。
例えば、前記特許文献に具体的に記載されている樹脂組成物を検討したところ、該組成物から得られた硬化膜は、透明性と硬度が悪かった。
【0012】
本発明者らは、前記知見を踏まえて、様々な検討をした結果、下記構成を有する熱硬化性樹脂組成物により前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、例えば以下の[1]〜[21]に関する。
【0013】
[1] モノアミン(a1)と酸無水物基を1つ有する化合物(a2)からの反応生成物であるシリコンアミド酸化合物(A)、
平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)、及び
溶媒(D)を含む熱硬化性樹脂組成物であり;
前記モノアミン(a1)及び前記酸無水物基を1つ有する化合物(a2)の少なくとも一方が−C−Si−O−構造を含み;そして
前記環状エーテル化合物成分(B)に含まれる環状エーテル化合物が、エポキシ化合物(b1)及びオキセタン化合物(b2)から選ばれる少なくとも1つである熱硬化性樹脂組成物。
【0014】
[2] シリコンアミド酸化合物(A)が、一般式(1)で表されるアミド酸化合物(A)である、前記[1]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(一般式(1)中、R

は、炭素数1〜100の2価の有機基を表し、R

は、炭素数1〜100の1価の有機基を表し、R

およびR

の少なくとも一方には−C−Si−O−構造が含まれている。)
【0015】
[3] モノアミン(a1)が−C−Si−O−構造を含む、前記[1]または[2]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【0016】
[4] モノアミン(a1)が一般式(2)で表される化合物であり、酸無水物基を1つ有する化合物(a2)が一般式(3)で表される化合物である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
(一般式(2)中、R

、R

及びR

はそれぞれ独立して水素、ハロゲンまたは炭素数1〜100の1価の有機基を表し、Yは炭素数1〜20の2価の有機基を表し、一般式(3)中、Xは炭素数1〜100の2価の有機基を表す。)
【0017】
[5] モノアミン(a1)が、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジメトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジエトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシランおよびm−アミノフェニルメチルジエトキシシランからなる群から選ばれる1以上である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
【0018】
[6] 酸無水物基を1つ有する化合物(a2)が、無水フタル酸、3−メチルフタル酸無水物、4−メチルフタル酸無水物、4−tert−ブチルフタル酸無水物、3−フルオロフタル酸無水物、4−フルオロフタル酸無水物、4−エチニルフタル酸無水物、4−フェニルエチニルフタル酸無水物、コハク酸無水物、グルタル酸無水物、イタコン酸無水物、cis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、cis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、アリルコハク酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、アリルナジック酸無水物、ブチルコハク酸無水物、n−オクチルコハク酸無水物、デシルコハク酸無水物、ドデシルコハク酸無水物、テトラデシルコハク酸無水物、ヘキサデシルコハク酸無水物、オクタデシルコハク酸無水物、2−ブテン−1−イルコハク酸無水物、2−ヘキセン−1−イルコハク酸無水物、n−オクテニルコハク酸無水物、n−デセニルコハク酸無水物、2−ドデセン−1−イルコハク酸無水物、テトラデセニルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物、オクタデセニルコハク酸無水物、p−(トリメトキシシリル)フェニルコハク酸無水物、p−(トリエトキシシリル)フェニルコハク酸無水物、m−(トリメトキシシリル)フェニルコハク酸無水物、m−(トリエトキシシリル)フェニルコハク酸無水物、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物および3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物からなる群から選ばれる1以上である、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
【0019】
[7] シリコンアミド酸化合物(A)100重量部に対し、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)を10〜200重量部含む、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
【0020】
[8] さらに、硬化剤(E)を含有する、前記[1]〜[7]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
【0021】
[9] 硬化剤(E)が、酸無水物系硬化剤、フェノール樹脂系硬化剤、アミンアダクト、ポリカルボン酸系硬化剤、ポリアミン系硬化剤および触媒型硬化剤からなる群より選ばれる1種以上の化合物である、前記[8]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【0022】
[10] 前記[1]〜[9]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物を含有することを特徴とするインクジェット用インク。
【0023】
[11] タッチパネル用である、前記[1]〜[9]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
【0024】
[12] 前記[1]〜[9]および[11]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物である硬化膜。
【0025】
[13] 前記[12]に記載の硬化膜を有する硬化膜付き基板。
【0026】
[14] 前記[12]に記載の硬化膜または前記[13]に記載の硬化膜付き基板を有する電子部品。
【0027】
[15] タッチパネルである、前記[14]に記載の電子部品。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、低温硬化性、高硬度、高透明性、ガラスに対する密着性、耐薬品性をバランスよく有する硬化膜を形成することができる。このため、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、非常に実用性の高いものであり、例えば、タッチパネル用の透明絶縁膜およびオーバーコートを生産性よく作製することが可能であり、これらの用途に好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の熱硬化性樹脂組成物(以下「本発明の組成物」ともいう。)、該組成物の調製方法、硬化膜の形成方法、硬化膜付き基板および電子部品について詳細に説明する。
【0030】
1.熱硬化性樹脂組成物
本発明の組成物は、シリコンアミド酸化合物(A)、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)、および溶媒(D)を含有する。本発明の組成物は前記成分のほか、添加剤を含有してもよく、有色、無色のどちらであってもよい。
このような本発明の組成物によれば、130℃以下の低温硬化が可能であり、高硬度、高透明性、ガラスに対する密着性、耐薬品性等バランスよく優れる硬化膜を得ることができる。このため、タッチパネル用の透明絶縁膜やオーバーコートを生産性よく作製することが可能であり、これらの用途に好適に用いることができる。
【0031】
本発明の組成物は、シリコンアミド酸化合物(A)、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)、および溶媒(D)を含有することで初めて、前記効果に優れる、特に、鉛筆硬度が5H以上であり、膜厚1.2マイクロメートル以上の硬化膜の透過率が波長400nmで99%以上であり、ガラスに対する密着性に優れ、種々の耐薬品性に優れた硬化膜が得られる。
従来の、ポリエステルアミド酸からなる組成物や、フルオレン骨格を有するエポキシ化合物およびエポキシ硬化剤からなる組成物では、これらの基板、鉛筆硬度が5H以上であり、上記透過率が99%以上の硬化膜は得られなかった。
従って、本発明の組成物は、従来の組成物からでは予期しえない効果を有する組成物であり、シリコンアミド酸化合物(A)、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)、溶媒(D)を組み合わせることにより、相乗効果を有する組成物である。
【0032】
1.1 シリコンアミド酸化合物(A)
本発明の熱硬化性樹脂組成物に含まれるシリコンアミド酸化合物(A)は、少なくとも、モノアミン(a1)と酸無水物基を1つ有する化合物(a2)とを反応させて得ることができるが、これらの反応物(シリコンアミド酸化合物(A))は、−COOH基が塩を形成している場合も含む。
【0033】
シリコンアミド酸化合物(A)としては、一般式(1)で表される化合物が挙げられる。一般式(1)におけるR

は酸無水物基を1つ有する化合物(a2)の反応残基であり、R

はモノアミン(a1)の反応残基である。反応残基とは、モノアミン(a1)又は酸無水物基を1つ有する化合物(a2)において、一般式(1)に含まれるアミド結合を構成する部位以外の基を意味する。
一般式(1)におけるR

とR

は、それぞれ炭素数1〜100の2価の有機基、炭素数1〜100の1価の有機基であり、R

およびR

の少なくとも一方に−C−Si−O−構造が含まれていれば特に限定されるものではない。「炭素数1〜100の有機基」は、好ましくは炭素数2〜70の有機基であり、より好ましくは炭素数4〜50の有機基である。
【0034】
上記「有機基」としては、具体的には、以下の基が挙げられる。
炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数2〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、アミノ基を有する炭化水素基、シリル基を有する炭化水素基(−C−Si−O−構造が含まれている有機基は、この態様にも含まれている)、アルキルチオ基(−SY

、式中、Y

は炭素数1〜20のアルキル基を示す)、アリールチオ基(−SY

、式中、Y

は炭素数6〜18のアリール基を示す)、アルキルスルホニル(−SO



、式中、Y

は炭素数1〜20のアルキル基を示す)、アリールスルホニル基(−SO



、式中、Y

は炭素数6〜18のアリール基を示す)。以上例示した有機基は、いずれも置換基を有することを妨げない。
【0035】
「炭素数1〜20の炭化水素基」の炭化水素基は、飽和若しくは不飽和の非環式であってもよいし、飽和若しくは不飽和の環式であってもよい。炭素数1〜20の炭化水素基が非環式の場合には、直鎖状でもよいし、分岐鎖状でもよい。「炭素数1〜20の炭化水素基」には、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数4〜20のアルキルジエニル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基、炭素数7〜20のアリールアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、及び炭素数3〜20のシクロアルケニル基等が含まれる。
【0036】
「炭素数1〜20のアルキル基」は、炭素数2〜10のアルキル基であることが好ましく、炭素数2〜6のアルキル基であることが更に好ましい。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、及びドデシル等が挙げられる。
【0037】
「炭素数2〜20のアルケニル基」は、炭素数2〜10のアルケニル基であることが好ましく、炭素数2〜6のアルケニル基であることが更に好ましい。アルケニル基の例としては、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチルアリル、及び2−ブテニル等が挙げられる。
【0038】
「炭素数2〜20のアルキニル基」は、炭素数2〜10のアルキニル基であることが好ましく、炭素数2〜6のアルキニル基であることが更に好ましい。アルキニル基の例としては、エチニル、プロピニル、及びブチニル等が挙げられる。
【0039】
「炭素数4〜20のアルキルジエニル基」は、炭素数4〜10のアルキルジエニル基であることが好ましく、炭素数4〜6のアルキルジエニル基であることが更に好ましい。アルキルジエニル基の例としては、1,3−ブタジエニル等が挙げられる。
【0040】
「炭素数6〜18のアリール基」は、炭素数6〜10のアリール基であることが好ましい。アリール基の例としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、インデニル、ビフェニリル、アントリル、及びフェナントリル等が挙げられる。
【0041】
「炭素数7〜20のアルキルアリール基」は、炭素数7〜12のアルキルアリール基であることが好ましい。アルキルアリール基の例としては、o−トリル、m−トリル、p−トリル、2,3−キシリル、2,4−キシリル、2,5−キシリル、o−クメニル、m−クメニル、p−クメニル、及びメシチル等が挙げられる。
【0042】
「炭素数7〜20のアリールアルキル基」は、炭素数7〜12のアリールアルキル基であることが好ましい。アリールアルキル基の例としては、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、2,2−ジフェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、及び5−フェニルペンチル等が挙げられる。
【0043】
「炭素数3〜20のシクロアルキル基」は、炭素数3〜10のシクロアルキル基であることが好ましい。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシル等が挙げられる。
【0044】
「炭素数3〜20のシクロアルケニル基」は、炭素数3〜10のシクロアルケニル基であることが好ましい。シクロアルケニル基の例としては、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、及びシクロヘキセニル等が挙げられる。
【0045】
「炭素数2〜20のアルコキシ基」は、炭素数2〜10のアルコキシ基であることが好ましく、炭素数2〜6のアルコキシ基であることが更に好ましい。アルコキシ基の例としては、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、及びペンチルオキシ等がある。
【0046】
「炭素数6〜20のアリールオキシ基」は、炭素数6〜10のアリールオキシ基であることが好ましい。アリールオキシ基の例としては、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、及びビフェニルオキシ等が挙げられる。
【0047】
「アルキルチオ基(−SY

)」及び「アルキルスルホニル基(−SO



)」において、Y

及びY

は、炭素数2〜10のアルキル基であることが好ましく、炭素数2〜6のアルキル基であることが更に好ましい。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、及びドデシル等が挙げられる。
【0048】
「アリールチオ基(−SY

)」及び「アリールスルホニル基(−SO



)」において、Y

及びY

は、炭素数6〜10のアリール基であることが好ましい。アリール基の例としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、インデニル、ビフェニリル、アントリル、及びフェナントリル等が挙げられる。
【0049】
「炭素数1〜20の炭化水素基」、「炭素数2〜20のアルコキシ基」、「炭素数6〜20のアリールオキシ基」、「アミノ基を有する炭化水素基」、「シリル基を有する炭化水素基」、「アルキルチオ基」、「アリールチオ基」、「アルキルスルホニル基」、及び「アリールスルホニル基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換としては、例えば、エステル、カルボキシル、アミド、アルキン、トリメチルシリル、アミノ、ホスホニル、チオ、カルボニル、ニトロ、スルホ、イミノ、ハロゲノ、及びアルコキシ等が挙げられる。
この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上、置換可能な最大数まで導入されてい
てもよく、好ましくは1個〜4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0050】
「アミノ基を有する炭化水素基」の例としては、アミノメチル、メチルアミノメチル、アミノエチル、アミノフェニルメチル、及びアミノフェニル等が挙げられる。
(【0051】以降は省略されています)

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