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公開番号2019179182
公報種別公開特許公報(A)
公開日20191017
出願番号2018069275
出願日20180330
発明の名称光パラメトリック増幅器、光増幅システム、波長変換器および光通信システム
出願人古河電気工業株式会社
代理人特許業務法人酒井国際特許事務所
主分類G02F 1/39 20060101AFI20190920BHJP(光学)
要約【課題】増幅されたシグナル光の品質の劣化を抑制できる光パラメトリック増幅器、光増幅システム、波長変換器および光通信システムを提供すること。
【解決手段】光パラメトリック増幅器は、2本以上の光増幅ファイバと、前記2本以上の光増幅ファイバの間に挿入され、ポンプ光の波長およびその近傍の波長を有する光の位相をシフトさせる1つ以上の相対位相シフタと、を備え、前記相対位相シフタは、複数の高屈折率層を有してブラッグ波長を規定するグレーティング部を備えたファイバブラッググレーティングであり、前記ファイバブラッググレーティングのブラッグ波長における反射率が60[%]以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
2本以上の光増幅ファイバと、
前記2本以上の光増幅ファイバの間に挿入され、ポンプ光の波長およびその近傍の波長を有する光の位相をシフトさせる1つ以上の相対位相シフタと、
を備え、
前記相対位相シフタは、複数の高屈折率層を有してブラッグ波長を規定するグレーティング部を備えたファイバブラッググレーティングであり、前記ファイバブラッググレーティングのブラッグ波長における反射率が60[%]以下であることを特徴とする光パラメトリック増幅器。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記ファイバブラッググレーティングを構成する光ファイバのゼロ分散波長は、前記光増幅ファイバのゼロ分散波長の±20[nm]の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の光パラメトリック増幅器。
【請求項3】
前記光増幅ファイバは、非線形定数が10[1/W/km]以上であり、前記ファイバブラッググレーティングを構成する光ファイバは、非線形定数が5[1/W/km]以上であることを特徴とする請求項1に記載の光パラメトリック増幅器。
【請求項4】
前記ファイバブラッググレーティングを構成する光ファイバは、分散シフト光ファイバであることを特徴とする請求項1または2に記載の光パラメトリック増幅器。
【請求項5】
前記ファイバブラッググレーティングの温度を調整する温度調整機構および前記ファイバブラッググレーティングに掛かる張力を調整する張力調整機構の少なくとも一つを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の光パラメトリック増幅器。
【請求項6】
前記光増幅ファイバの各々の長手方向で相対位相が−0.4π以上で0.5πを含む0.9π以下の範囲に収まるように前記相対位相シフタが挿入されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の光パラメトリック増幅器。
【請求項7】
位相変調されたポンプ光を、前記光増幅ファイバに出力するポンプ光源部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の光パラメトリック増幅器。
【請求項8】
位相変調されたポンプ光を出力するポンプ光源部と、
第一ポート、偏波依存型光ファイバからなる第ニポートおよび第三ポートを有し、第一ポートから入力された光を互いに直交する偏波成分に分離して第ニポートおよび第三ポートのそれぞれから出力する偏波合分波器と、
前記偏波合分波器の第二ポートに接続された第一偏波依存型光増幅ファイバ部と、
前記偏波合分波器の第三ポートに接続された第二偏波依存型光増幅ファイバ部と、
前記ポンプ光を前記第一偏波依存型光増幅ファイバ部と前記第二偏波依存型光増幅ファイバ部とにそれぞれ入力させるように接続された光合分波器と、
前記第一偏波依存型光増幅ファイバ部と前記第二偏波依存型光増幅ファイバ部との間に接続されて前記第一偏波依存型光増幅ファイバ部と前記第二偏波依存型光増幅ファイバ部とともに光ループを構成するとともに、前記第一偏波依存型光増幅ファイバ部と前記第二偏波依存型光増幅ファイバ部のそれぞれを伝搬してきた前記ポンプ光を前記光ループの外部に排出する光排出部と、
光ファイバからなる第一ポート、第ニポートおよび第三ポートを有し、第一ポートから入力された、所定の波長帯域に含まれるシグナル光を、第二ポートから、該第二ポートに接続された前記偏波合分波器の第一ポートに出力するとともに、前記偏波合分波器により偏波分離され、前記光ループにおいて前記ポンプ光による前記第一偏波依存型光増幅ファイバ部と前記第二偏波依存型光増幅ファイバ部とにおける非線形光学効果によってパラメトリック増幅されて前記偏波合分波器により偏波合成されて前記偏波合分波器の第一ポートから第二ポートに出力されたシグナル光を、第三ポートから出力する光サーキュレータと、
を備え、前記第一偏波依存型光増幅ファイバ部および前記第二偏波依存型光増幅ファイバ部の各々が、偏波保持型の前記2本以上の光増幅ファイバと、偏波保持型の前記1つ以上の相対位相シフタとを含んでいることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の光パラメトリック増幅器。
【請求項9】
前記ファイバブラッググレーティングにおいて、前記グレーティング部を構成する高屈折率層が、前記ファイバブラッググレーティングを構成する光ファイバの光軸に対して傾斜していることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の光パラメトリック増幅器。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一つに記載の光パラメトリック増幅器を備えたことを特徴とする光増幅システム。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか一つに記載の光パラメトリック増幅器を備えたことを特徴とする波長変換器。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれか一つに記載の光パラメトリック増幅器を備えたことを特徴とする光通信システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光パラメトリック増幅器、光増幅システム、波長変換器および光通信システムに関するものである。
続きを表示(約 11,000 文字)【背景技術】
【0002】
光通信において、光増幅器は欠かせないものとなっている。現在の光通信システムにおいて、光通信波長帯域に対応する光増幅器または光増幅システムとして、EDFA(Erbium-Doped Fiber Amplifier)、Raman増幅器、またRaman増幅システムが実用化されている。
【0003】
一方、光ファイバ中の非線形効果を利用した光パラメトリック増幅器(OPA:Optical Parametric Amplifier)は、EDFAよりも低雑音化できることが知られている。
【0004】
光通信システムの通信容量の拡大などの高性能化のために、低雑音での光増幅の要求は高い。また、光ファイバ中の非線形効果を利用した波長変換器への要求も高い。たとえば、国内通信幹線、メトロ通信網、海底通信線が相互に接続される際のように、異なる波長帯域を用いたシステムを接続する場合や、データセンタ間通信において帯域を拡大する場合などに、波長変換器が好適に利用できる。
【0005】
本発明者は、2本以上の光増幅ファイバと、これらの光増幅ファイバの間に挿入され、ポンプ光の波長およびその近傍の波長を有する光の位相をシフトさせる1つ以上の相対位相シフタと、を備えるOPAを開示してきた。このようなOPAによれば、疑似位相整合(QPM:Quasi-Phase-Matching)が実現され、利得スペクトルの平坦性と広帯域性とを実現できる(特許文献1〜4、非特許文献1〜5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第6133206号公報
米国特許第9270076号明細書
特許第5877280号公報
特開2017−76008号公報
【非特許文献】
【0007】
Shigehiro Takasaka; Yu Mimura; Masanori Takahashi; Ryuichi Sugizaki; Haruki Ogoshi, “Flat and broad amplification by quasi-phase-matched fiber optical parametric amplifier,” OFC/NFOEC2012, OTh1C.4.
Shigehiro Takasaka; Yu Mimura; Hiroshi Matsuura; Masahito Morimoto; Masanori Takahashi; Ryuichi Sugizaki, “FOPA with flat 21-dB gain and NF less than 4-dB using alternately concatenated pump-phase shifters and HNLFs,” 2013 Optical Fiber Communication Conference and Exposition and the National Fiber Optic Engineers Conference (OFC/NFOEC2013), JTh2A.13.
Shigehiro Takasaka; Yuki Taniguchi; Masanori Takahashi; Jiro Hiroshi; Masateru Tadakuma; Hiroshi Matsuura; Kohei Doi; Ryuichi Sugizaki, “Quasi phase-matched FOPA with 50 nm gain bandwidth using dispersion stable highly nonlinear fiber,” OFC 2014, W3E.2.
Shigehiro Takasaka; Yuki Taniguchi; Masanori Takahashi; Jiro Hiroishi; Masateru Tadakuma; Ryuichi Sugizaki, “Wideband parametric processing with 1-dB bandwidth of 40nm using dispersion stable PM-HNLF,” 2014 The European Conference on Optical Communication (ECOC2014), P.1.13.
Shigehiro Takasaka; Ryuichi Sugizaki, “Polarization insensitive fiber optical parametric amplifier using a SBS suppressed diversity loop,” 2016 Optical Fiber Communications Conference and Exhibition (OFC2016), M3D.4.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者は、特許文献1などにおいて、相対位相シフタとして、ファイバブラッググレーティング(FBG:Fiber Bragg Grating)を用いることを開示している。FBGは、ブラッグ波長を中心とする所定の波長帯域において、入力された光の一部を反射し、一部を透過する特性を有する。そこで、FBGを位相シフタとして用いる場合は、ポンプ光の波長における反射率が小さいが、透過したポンプ光を位相シフトする波長領域にブラッグ波長を設定したFBGを用いることが好ましい。このような波長領域は、たとえばブラッグ波長を中心波長とするFBGの透過または反射スペクトルの3dB帯域の外側の領域に設定される。
【0009】
ところが、ポンプ光は、光増幅ファイバ内でSBS(Stimulated Brillouin Scattering)が発生させることを抑制するために、スペクトル幅が広い状態で使用される場合がある。スペクトル幅が広い状態にするために、たとえばポンプ光を位相変調してスペクトル幅を広げている。この場合、ポンプ光のスペクトルの裾の一部が、FBGの反射率が比較的高い波長と重なってしまうことがある。その結果、ポンプ光の一部がFBGによって反射され、その反射光に起因してSBSやOPO(Optical Parametric Oscillation)が発生してしまい、これによって、増幅されたシグナル光の強度が時間的に変動するなどして、雑音特性などの品質が劣化する場合がある。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、増幅されたシグナル光の品質の劣化を抑制できる光パラメトリック増幅器、光増幅システム、波長変換器および光通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る光パラメトリック増幅器は、2本以上の光増幅ファイバと、前記2本以上の光増幅ファイバの間に挿入され、ポンプ光の波長およびその近傍の波長を有する光の位相をシフトさせる1つ以上の相対位相シフタと、を備え、前記相対位相シフタは、複数の高屈折率層を有してブラッグ波長を規定するグレーティング部を備えたファイバブラッググレーティングであり、前記ファイバブラッググレーティングのブラッグ波長における反射率が60[%]以下であることを特徴とする。
【0012】
本発明の一態様に係る光パラメトリック増幅器は、前記ファイバブラッググレーティングを構成する光ファイバのゼロ分散波長は、前記光増幅ファイバのゼロ分散波長の±20[nm]の範囲内にあることを特徴とする。
【0013】
本発明の一態様に係る光パラメトリック増幅器は、前記光増幅ファイバは、非線形定数が10[1/W/km]以上であり、前記ファイバブラッググレーティングを構成する光ファイバは、非線形定数が5[1/W/km]以上であることを特徴とする。
【0014】
本発明の一態様に係る光パラメトリック増幅器は、前記ファイバブラッググレーティングを構成する光ファイバは、分散シフト光ファイバであることを特徴とする。
【0015】
本発明の一態様に係る光パラメトリック増幅器は、前記ファイバブラッググレーティングの温度を調整する温度調整機構および前記ファイバブラッググレーティングに掛かる張力を調整する張力調整機構の少なくとも一つを備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の一態様に係る光パラメトリック増幅器は、前記光増幅ファイバの各々の長手方向で相対位相が−0.4π以上で0.5πを含む0.9π以下の範囲に収まるように前記相対位相シフタが挿入されていることを特徴とする。
【0017】
本発明の一態様に係る光パラメトリック増幅器は、位相変調されたポンプ光を、前記光増幅ファイバに出力するポンプ光源部をさらに備えることを特徴とする。
【0018】
本発明の一態様に係る光パラメトリック増幅器は、位相変調されたポンプ光を出力するポンプ光源部と、第一ポート、偏波依存型光ファイバからなる第ニポートおよび第三ポートを有し、第一ポートから入力された光を互いに直交する偏波成分に分離して第ニポートおよび第三ポートのそれぞれから出力する偏波合分波器と、前記偏波合分波器の第二ポートに接続された第一偏波依存型光増幅ファイバ部と、前記偏波合分波器の第三ポートに接続された第二偏波依存型光増幅ファイバ部と、前記ポンプ光を前記第一偏波依存型光増幅ファイバ部と前記第二偏波依存型光増幅ファイバ部とにそれぞれ入力させるように接続された光合分波器と、前記第一偏波依存型光増幅ファイバ部と前記第二偏波依存型光増幅ファイバ部との間に接続されて前記第一偏波依存型光増幅ファイバ部と前記第二偏波依存型光増幅ファイバ部とともに光ループを構成するとともに、前記第一偏波依存型光増幅ファイバ部と前記第二偏波依存型光増幅ファイバ部のそれぞれを伝搬してきた前記ポンプ光を前記光ループの外部に排出する光排出部と、光ファイバからなる第一ポート、第ニポートおよび第三ポートを有し、第一ポートから入力された、所定の波長帯域に含まれるシグナル光を、第二ポートから、該第二ポートに接続された前記偏波合分波器の第一ポートに出力するとともに、前記偏波合分波器により偏波分離され、前記光ループにおいて前記ポンプ光による前記第一偏波依存型光増幅ファイバ部と前記第二偏波依存型光増幅ファイバ部とにおける非線形光学効果によってパラメトリック増幅されて前記偏波合分波器により偏波合成されて前記偏波合分波器の第一ポートから第二ポートに出力されたシグナル光を、第三ポートから出力する光サーキュレータと、を備え、前記第一偏波依存型光増幅ファイバ部および前記第二偏波依存型光増幅ファイバ部の各々が、偏波保持型の前記2本以上の光増幅ファイバと、偏波保持型の前記1つ以上の相対位相シフタとを含んでいることを特徴とする。
【0019】
本発明の一態様に係る光パラメトリック増幅器は、前記ファイバブラッググレーティングにおいて、前記グレーティング部を構成する高屈折率層が、前記ファイバブラッググレーティングを構成する光ファイバの光軸に対して傾斜していることを特徴とする。
【0020】
本発明の一態様に係る光増幅システムは、前記光パラメトリック増幅器を備えたことを特徴とする。
【0021】
本発明の一態様に係る波長変換器は、前記光パラメトリック増幅器を備えたことを特徴とする。
【0022】
本発明の一態様に係る光通信システムは、前記光パラメトリック増幅器を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、増幅されたシグナル光の品質の劣化を抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1は、実施形態1に係る光増幅器の模式的な構成図である。
図2は、相対位相シフタであるFBGの模式的な構成図である。
図3は、作製例1のFBGの反射スペクトルを示す図である。
図4は、作製例1のFBGの透過スペクトルを示す図である。
図5は、作製例1のFBGの群遅延スペクトルを示す図である。
図6は、作製例1のFBGの位相遅延スペクトルを示す図である。
図7は、作製例2のFBGの反射スペクトルを示す図である。
図8は、作製例2のFBGの透過スペクトルを示す図である。
図9は、作製例2のFBGの群遅延スペクトルを示す図である。
図10は、作製例2のFBGの位相遅延スペクトルを示す図である。
図11は、作製例3のFBGの反射スペクトルを示す図である。
図12は、作製例3のFBGの透過スペクトルを示す図である。
図13は、作製例3のFBGの群遅延スペクトルを示す図である。
図14は、作製例3のFBGの位相遅延スペクトルを示す図である。
図15は、相対位相シフタであるスラントFBGの模式的な構成図である。
図16は、作製例4のスラントFBGの反射スペクトルを示す図である。
図17は、作製例4のスラントFBGの透過スペクトルを示す図である。
図18は、作製例4のスラントFBGの群遅延スペクトルを示す図である。
図19は、作製例4のスラントFBGの位相遅延スペクトルを示す図である。
図20は、実施形態2に係る光増幅器の模式的な構成図である。
図21は、実施形態3に係る光増幅器の模式的な構成図である。
図22は、実施形態4に係る光通信システムの模式的な構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、各図面において、同一または対応する構成要素には適宜同一の符号を付している。
【0026】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る光増幅器の模式的な構成図である。光パラメトリック増幅器である光増幅器100は、2本以上(本実施形態1では4本)の光増幅ファイバ110と、1つ以上(本実施形態1では3つ)の相対位相シフタ120と、ポンプ光源部130と、光合分波器140、150と、を備えている。
【0027】
各々の相対位相シフタ120は、4本の光増幅ファイバ110の各々の間に挿入されている。ポンプ光源部130は、ポンプ光Pを出力する。光合分波器140は、被増幅光であるシグナル光S1と、ポンプ光Pとを合波し、紙面右側の光増幅ファイバ110に出力する。4本の光増幅ファイバ110は、各々の相対位相シフタ120を介して直列接続されており、シグナル光S1とポンプ光Pとを伝搬し、シグナル光S1を光パラメトリック増幅する。光合分波器150は、シグナル光S1が増幅されたものであるシグナル光S2と、光パラメトリック増幅に使用されなかった分のポンプ光である残留ポンプ光RPおよび後述するアイドラ光とを分波して出力する。光合分波器140、150は、たとえばWDM(Wavelength Division Multiplexing)カプラなどの公知の光カプラで構成されている。
【0028】
各光増幅ファイバ110中では、ポンプ光Pとシグナル光S1との非線形効果によりアイドラ光が発生する。このアイドラ光の波長λidler[nm]は、ポンプ光Pの波長λpump[nm]とシグナル光S1の波長λsignal[nm]と次の式(1)で示される関係を有する。
1/λidler=2/λpump-1/λsignal ・・・ (1)
【0029】
なお、本発明に係る光パラメトリック増幅器は、位相感応光増幅器(PSA:Phase Sensitive Amplifier)としても機能する。この場合、光増幅ファイバには、ポンプ光とシグナル光とともに、たとえばシグナル光に対して1/10倍〜10倍のパワーを持つアイドラ光を入力する。直列接続された光増幅ファイバからは、増幅されたシグナル光と増幅されたアイドラ光とが出力される。このアイドラ光の波長も(1)で示される関係を有する。
【0030】
各々の相対位相シフタ120は、ポンプ光Pの波長およびその近傍の波長を有する光の位相をシフトさせ、光増幅器100の利得スペクトル波形を波長領域で平坦かつ広帯域にする機能を有する。相対位相φrelは、シグナル光の位相φsignal[radian]、アイドラ光の位相φidler[radian]、ポンプ光の位相φpump[radian]、各光の波数であるksignal、kidler、kpumpによって定義されるΔk=ksignal+kidler−2kpump、光増幅ファイバ110における各光の伝搬距離zを用いて、以下の式(2)で記述される量である。
φrel=Δkz+φsignal+φidler-2φpump[radian] ・・・ (2)
【0031】
各々の相対位相シフタ120は、相対位相φrelを、入力するポンプ光Pのパワーや光増幅ファイバ110などの波長分散特性などに応じて、適切な量だけシフトさせる。光増幅ファイバ110の長さや波長分散は、必要とされる利得スペクトル波形に応じて適切に設定する。
【0032】
各々の相対位相シフタ120の挿入により、挿入しない場合では得られない利得スペクトルの平坦性が実現する。また、同時に各々の相対位相シフタ120を挿入しない場合より低い雑音指数(NF:Noise Figure)が得られる。
【0033】
ここで、相対位相シフタ120は、図2で示されるように、ファイバブラッググレーティング(FBG)である。すなわち、相対位相シフタ120は、コア部121と、コア部121の外周に形成されたクラッド部122とを備える光ファイバで構成されている。コア部121は、グレーティング部G1を備えている。グレーティング部G1は、複数の高屈折率層HRで構成されている。各々の高屈折率層HRは、光ファイバの光軸であるコア部121の中心軸に対して直交する平面状の形状を有しており、中心軸方向において互いに離間して周期的に配置されている。高屈折率層HRは、たとえば公知のFBGと同様に、コア部121に紫外光を照射して照射した部分の屈折率を高め、高屈折率層HRのパターンを書き込むことで形成することができる。
【0034】
グレーティング部G1はブラッグ波長λg[nm]を規定する。高屈折率層HRの配置の周期をΛ[nm]とすると、λg=2nΛが成り立つ。ここで、nは相対位相シフタ120を構成する光ファイバの実効屈折率である。グレーティング部G1は、ブラッグ波長λgを中心とする所定の波長帯域において、コア部121に入力された入力光ILの一部を、入力光ILの波長における反射率で反射し、入力光ILの波長における透過率で透過する。透過光TLは入力光ILの進行方向と同じ方向に進行してコア部121を伝搬し、反射光RLは入力光ILの進行方向とは反対方向に戻るようにコア部121を伝搬する。
【0035】
相対位相シフタ120のブラッグ波長λgは、ポンプ光Pの波長とは異なる波長であり、かつ相対位相シフタ120がポンプ光Pの位相を所定量だけシフトさせるように設定される。たとえば、ブラッグ波長λgは、ブラッグ波長λgを中心とする反射スペクトルの3dB波長帯域の外側の波長領域にポンプ光Pの波長が含まれるように設定される。
【0036】
本実施形態1に係る光増幅器100では、相対位相シフタ120のλgにおける反射率が、60[%]以下という、FBGとしては低い反射率である。これにより、ポンプ光Pのスペクトル幅が広く、そのスペクトルの裾の一部が相対位相シフタ120の反射波長帯域と重なってしまった場合でも、発生する反射光のパワーは比較的小さいので、増幅されたシグナル光S2の品質の劣化が抑制される。λgにおける反射率は、所望の光増幅特性を実現するために必要なポンプ光の位相シフト量が得られ、かつ発生する反射光が実用上問題にならない程度に設定することが好ましい。たとえば、λgにおける反射率は、30[%]以下としてよく、15[%]以下としてもよいが、5[%]以上とすることが好ましい。
【0037】
以下、光増幅器100の各構成要素について説明する。
【0038】
ポンプ光源部130は、たとえば、レーザ光源と、位相変調器と、EDFAなどの光ファイバ増幅器とを備えている。レーザ光源は、TLS(Tunable Light Source)、DFB−LD(Distributed FeedBack-Laser Diode)、外部共振器型半導体LDなどであり、連続光(CW:Continuous Wave)のレーザ光を発生する。位相変調器は、レーザ光源から出力されたレーザ光を位相変調し、そのスペクトル幅を広げる。光ファイバ増幅器は、スペクトル幅を広げられたレーザ光を光増幅してポンプ光Pとして出力する。
【0039】
光増幅ファイバ110は、非線形定数が、XPM法(Cross Phase Modulation Method)により測定された値で10[1/W/km]以上である高非線形光ファイバであると、所望の利得を得るための各々の光増幅ファイバ110の長さが短くなり、実装が容易となる。光増幅ファイバ110の波長分散特性については、ゼロ分散波長がポンプ光波長λpump[nm]の±10[nm]の範囲内にあり、分散スロープの絶対値が0.05[ps/nm

/km]以下であると、増幅帯域が広帯域になり、増幅器としての機能が高まる。または、光増幅ファイバ110の波長分散が、シグナル光S1が含まれる波長帯域(たとえばCバンド)において、0.0[ps/nm/km]±1.0[ps/nm/km]の範囲にある場合も、光増幅ファイバ110が前記波長分散特性の場合と同様に、増幅帯域が広帯域になり、光増幅器としての機能が高まる。シグナル光の波長がCバンドの波長帯域内にある場合、ポンプ光波長λpumpは、その帯域端に近い波長、たとえば1565[nm]に設定される。この場合、光増幅ファイバ110のゼロ分散波長は、1555[nm]〜1575[nm]の範囲内にあることが好ましく、1565[nm]であることがより好ましい。
【0040】
相対位相シフタ120は、光増幅ファイバ110の各々の長手方向で相対位相が−0.4π以上で0.5πを含む0.9π以下の範囲に収まるように挿入されることが、平坦な利得スペクトルを得る上で好ましい(特許文献1)。
【0041】
また、相対位相シフタ120を構成する光ファイバのゼロ分散波長が、光増幅ファイバ110のゼロ分散波長の±20[nm]の範囲内にあることが好ましく、光増幅ファイバ110のゼロ分散波長と一致することがより好ましい。相対位相シフタ120を構成する光ファイバのゼロ分散波長が、光増幅ファイバ110のゼロ分散波長と近いことによって、相対位相シフタ120を構成する光ファイバの波長分散が、光増幅器100の増幅特性に与える影響を抑制できる。たとえば、光増幅ファイバ110が、非線形定数が10[1/W/km]以上の高非線形光ファイバであり、相対位相シフタ120を構成する光ファイバが、非線形定数が5[1/W/km]以上の高非線形光ファイバであれば、両者のゼロ分散波長は近くなるので好ましい。
【0042】
また、相対位相シフタ120を構成する光ファイバは、分散シフト光ファイバ(Dispersion Shifted fiber:DSF)でもよい。DSFとは、ITU−T(国際電気通信連合)G.653規格に準拠する、ゼロ分散波長が1500[nm]〜1600[nm]の範囲にある光ファイバであり、ゼロ分散波長は典型的には1550[nm]の近傍の波長である。したがって、相対位相シフタ120を構成する光ファイバをDSFとすれば、そのゼロ分散波長を光増幅ファイバ110のゼロ分散波長の±20[nm]の範囲内にすることが容易である。この場合、相対位相シフタ120を構成するDSFの長さが数メートル程度の長さであっても、その波長分散が光増幅器100の増幅特性に与える影響を抑制できる。
【0043】
つぎに、相対位相シフタとして作製したFBGの例について説明する。作製例1、2、3のFBGは、高非線形光ファイバを用いて作製されたものである。この高非線形光ファイバは、非線形定数が10[1/W/km]程度であり、ゼロ分散波長が1565[nm]であり、長さが2mである。
【0044】
図3は、作製例1のFBGの反射スペクトルを示す図であり、図4は、作製例1のFBGの透過スペクトルを示す図である。図3、4に示すように、作製例1のFBGは、反射率のピーク波長(ブラッグ波長に相当)が1564.9[nm]、ピーク波長における反射率が約5[%]、反射スペクトルの3dB帯域が4.1[nm]であった。
【0045】
作製例1のFBGの群遅延を、市販の分散測定装置を用い、変調位相シフト法を用いて測定した。図5は、作製例1のFBGの群遅延スペクトルを示す図である。なお、図5は、測定によって得られたスペクトルデータに対して、適正量のオフセットを加算するとともに、フロア値の変動を補正したスペクトルを示す。図5に示すように、反射率のピーク波長において、約100[fs]の群遅延が確認された。
【0046】
つづいて、図5に示す群遅延スペクトルのデータから、位相遅延スペクトルを算出した。位相遅延をτp、群遅延をτgとすると、それぞれは、以下の式(3)、(4)で表される。ここで、φは光の位相であり、ωは光の角周波数である。
【0047】
τpはτgから以下の式(5)を用いて表される。なお、λは光の波長であり、cは光速度である。
【0048】
図6は、作製例1のFBGの位相遅延スペクトルを示す図である。図6に示すように、作製例1のFBGでは、変化点PO1と変化点PO2との間で位相が大きく変化しており、その位相差は約0.3[radian]である。変化点PO1の波長と変化点PO2の波長の中間の波長は1564.9[nm]であり、反射率のピーク波長に相当する。
【0049】
このような作製例1のFBGを相対位相シフタとして用いる場合は、変化点PO1の波長と変化点PO2の波長の間の波長であって、かつ変化点PO1または変化点PO2に近い波長をポンプ光の波長に設定することによって、ポンプ光の位相シフト量を大きくすることができる。
【0050】
図7は、作製例2のFBGの反射スペクトルを示す図であり、図8は、作製例2のFBGの透過スペクトルを示す図である。図7、8に示すように、作製例2のFBGは、反射率のピーク波長が1565.0[nm]、ピーク波長における反射率が約10[%]、反射スペクトルの3dB帯域が4.9[nm]であった。
(【0051】以降は省略されています)

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