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公開番号2019177458
公報種別公開特許公報(A)
公開日20191017
出願番号2018068475
出願日20180330
発明の名称回転体の脱着工具およびその回転体の脱着方法
出願人本田技研工業株式会社
代理人特許業務法人落合特許事務所
主分類B25B 27/073 20060101AFI20190920BHJP(手工具;可搬型動力工具;手工具用の柄;作業場設備;マニプレータ)
要約【課題】内燃機関のクランクシャフトにナットにより連結されるフライホイールを取り外す脱着工具であって、前記ナットを緩める際に、そのナットに生じる軸力でフライホイールを引っ張ることで、フライホイールを取り外すようにした。
【解決手段】クランクシャフトSに締結されているナットNに、ソケットレンチ10を結合し、そのソケットレンチ10に組み付けられるプーラ20にボルト30を介してフライホイールRを結合して、プーラ20をスピンナハンドルHsによりその回転を止めながらソケットレンチ10を回転して、ナットNを緩め、フライホイールRを取り外す。
【選択図】 図4
特許請求の範囲【請求項1】
回転軸(S)の端部にナット(N)によって締結される回転体(R)の脱着工具であって、
前記ナット(N)に連結されて該ナット(N)を回転操作し得るソケットレンチ(10)と、
前記ソケットレンチ(10)に着脱可能に連結されて、該ソケットレンチ(10)を回転操作し得るプーラ(20)と、
前記プーラ(20)に抜差自在に貫通され、前記回転体(R)に連結されるボルト(30)と、
前記プーラ(20)の回転止め工具(Hs)と、
よりなり、
前記プーラ(20)の回転抑止状態において、前記ソケットレンチ(10)の回転操作によるナット(N)の弛緩操作により前記回転体(R)を前記回転軸(S)より離脱することを特徴とする、回転体の脱着工具。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
回転軸(S)の端部にナット(N)によって締結される回転体(R)の脱着工具であって、
前記ナット(N)に連結されて該ナット(N)を回転操作し得るソケットレンチ(10)と、
前記ソケットレンチ(10)に着脱可能に連結されて、該ソケットレンチ(10)を回転操作し得るプーラ(20)と、
前記プーラ(20)に抜差自在に貫通され、前記回転体(R)に連結されるボルト(30)と、
前記プーラ(20)の回転止め工具(Hs)と、
よりなり、
前記プーラ(20)の回転抑止状態において、前記ソケットレンチ(10)の回転操作によるナット(N)の締着操作により前記回転体(R)を前記回転軸(S)に締結することを特徴とする、回転体の脱着工具。
【請求項3】
前記請求項1または2に記載の回転体の脱着工具を用いて、前記回転体を回転軸に対して脱着する回転体の脱着方法であって、
前記回転軸(S)に締結されている前記ナット(N)に、前記ソケットレンチ(10)を結合し、該ソケットレンチ(10)に組み付けられる前記プーラ(20)に前記ボルト(30)を介して回転体(R)を結合して該プーラ(20)の回転を抑止しながら前記ソケットレンチ(10)を正逆回転して、前記ナット(N)を弛緩、もしくは締結して前記回転体(R)を、前記回転軸(S)に脱着することを特徴とする、回転体の脱着方法。
【請求項4】
前記回転軸(S)は、内燃機関のクランクシャフトであり、前記回転体(R)は、前記クランクシャフトの端部に圧入結合されるフライホイールであることを特徴とする、前記請求項1、2または3に記載の回転体の脱着工具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
内燃機関などの原動機付きの機械装置では、駆動源に連なる回転軸(クランクシャフト)の端部に、回転体(フライホイール)がナットにより締結されている。
続きを表示(約 5,900 文字)【0002】
ところで、前記機械装置のメンテナンスや、部品交換などのため、回転軸から回転体を取り外す作業を行う必要があるが、かかる機械装置では回転軸と回転体とは、テーパ嵌合されて、締付けトルクが高く強固に固着されることが多いため、既存の工具では、ナットを緩める工具と回転体を外す工具とが個別に必要とされており、それらの工具の脱着工数が必要となり、作業性が悪く、場合によって回転体を外せないことがあるという問題がある。
【0003】
そこで、本発明は、回転軸からナットを弛緩する作業と、回転体を取り外す作業とを連続的に一挙に行うことができ、着脱工数の削減および作業性の向上を図ることができるようにした、新規な、回転体の脱着工具およびその脱着方法を提供することを目的とする。
【背景技術】
【0004】
機械装置において、ボルトにより締結されている回転体を回転軸から取り外す際に、その回転体を回転軸に締結されている状態からボルトを弛緩したときに、そのボルトの抜き方向の軸力を、回転体に伝達する軸力伝達部を備えたものが、以下の特許文献1により既に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2010−249265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されるものは、セットボルト210の引き抜き方向の軸力をプーリ(回転体)1に伝達するために、C型止め具10を用意し、しかもセットボルトにそのC型止め具10を係合するための溝32を特設する必要があって、前記軸力を発生させるために、ボルト210に構造の変更を加え、さらに別途にC型止め具10を用意する必要があるという問題がある
本発明は、かゝる事情に鑑みてなされたもので、回転軸と回転体との連結部に構造上の変更を加えることなく、しかも別途に部材を必要とすることなく、回転軸と回転体とを連結するナットに軸力を発生させて回転軸と回転体との脱着(離脱もしくは締着)を容易に行うことができるようにした、新規な脱着工具およびそれらの脱着方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本請求項1に記載の発明は、回転軸の端部にナットによって締結される回転体の脱着工具であって、
前記ナットに連結されて該ナットを回転操作し得るソケットレンチと、前記ソケットレンチに着脱可能に連結されて、該ソケットレンチを回転操作し得るプーラと、前記プーラに抜差自在に貫通され、前記回転体に連結されるボルトと、前記プーラの回転止め工具とよりなり、
前記プーラの回転抑止状態において、前記ソケットレンチの回転操作によるナットの弛緩操作により前記回転体を前記回転軸より離脱することを特徴としている。
【0008】
上記目的を達成するために、本請求項2に記載の発明は、回転軸の端部にナットによって締結される回転体の脱着工具であって、
前記ナットに連結されて該ナットを回転操作し得るソケットレンチと、
前記ソケットレンチに着脱可能に連結されて、該ソケットレンチを回転操作し得るプーラと、前記プーラに抜差自在に貫通され、前記回転体に連結されるボルトと、前記プーラの回転止め工具とよりなり、
前記プーラの回転抑止状態において、前記ソケットレンチの回転操作によるナットの締着操作により前記回転体を前記回転軸に締結することを特徴としている。
【0009】
また上記目的を達成するために、本請求項3に記載の発明は、
前記請求項1または2に記載の回転体の脱着工具を用いて、前記回転体を回転軸に対して脱着する回転体の脱着方法であって、
前記回転軸に締結されている前記ナットに、前記ソケットレンチを結合し、該ソケットレンチに組み付けられる前記プーラに前記ボルトを介して回転体を結合して該プーラの回転を抑止しながら前記ソケットレンチを正逆回転して、前記ナットを弛緩、もしくは締結して前記回転体を、前記回転軸に脱着することを特徴としている。
【0010】
さらに、上記目的を達成するために、本請求項4に記載の発明は、前記請求項1、2または3記載の発明において、
前記回転軸は、内燃機関のクランクシャフトであり、前記回転体は、前記クランクシャフトの端部に圧入結合されるフライホイールであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によれば、回転軸、回転体およびナットに何らの構造上の変更を加えることなく、しかも別途に脱着用の部材を用意することなく、前記ナットに連結されるソケットレンチの回転操作により前記ナットに軸力を発生させて前記回転軸から回転体を離脱することができる。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、回転軸、回転体およびナットに何らの構造上の変更を加えることなく、しかも別途に脱着用の部材を用意することなく、前記ナットに連結されるソケットレンチの回転操作により前記ナットに軸力を発生させて前記回転軸に回転体を締結することができる。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、回転軸に回転体を連結しているナットの回転操作により、そのナットに軸力を発生させて、回転体を軸方向に移動させることができるので、脱着工具の一回の操作で、ナットの弛緩と回転体の取り外し、もしくは、回転体の組み付けと、ナットの締結とを行うことができ、脱着工数の低減および作業性の向上を図ることができる。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、回転軸を内燃機関のクランクシャフト、回転体をクランクシャフトの端部に圧入結合されるフライホイールとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
内燃機関と、そのクランクシャフトに連結されるフライホイールおよびクーリングファンの分解斜視図
クランクシャフト、フライホイールおよびクーリングファンの組付図で、(A)は(B)のA−A線断面図、(B)は(A)のB−B線矢視図
クランクシャフト、フライホイール、クーリングファンおよび脱着工具の組付図で、(A)は(B)のA−A線断面図、(B)は(A)のB−B線矢視図
クランクシャフトおよびフライホイールに脱着工具をセットした状態を示す図で、(A)は(B)のA−A線断面図、(B)は(A)のB−B線矢視図
クランクシャフトからフライホイールが離脱方向に移動した状態を示す断面図
クランクシャフトからフライホイールが離脱する過程を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0017】
以下、回転軸として内燃機関のクランクシャフトS、回転体としてフライホイールRとした場合の実施形態について説明する。
【0018】
図1、2において、内燃機関Eに回転可能に軸支されるクランクシャフト(回転軸)S端部のテーパ軸Stにはフライホイール(回転体)Rが圧入嵌合され、さらにフライホイールRの外側面には、セッティングプレート1を介してクーリングファンFが並設され、このクーリングファンFは、クランクシャフトSの端部に螺締されるナットNにより、該クランクシャフトSの端部に固着される。セッティングプレート1の外周に突設して凸部6は、クーリングファンFに設けた凹部7に係合される。
【0019】
クランクシャフトSのテーパ軸Stに圧入嵌合されるフライホイールRは、該テーパ軸Stの外端に螺着される前記ナットNにより、クランクシャフトSのテーパ軸Stに固着される。
【0020】
前記フライホイールRの外側面には、周方向に間隔をあけて複数のねじ穴3が予め開けられており、これらのねじ穴3は、汎用品(図示せず)の取付用工具取付穴などに利用されるものであって、後述する本発明にかかる脱着工具Tの取付穴として利用される。
【0021】
また、図1に示すように、フライホイールRの外面には、クーリングファンFの位置決め及び回転止め用の複数の穴4が予め開けられており、これらの穴4は、前記ねじ穴3に代えて本発明にかかる脱着工具Tの取付穴として利用してもよい。
【0022】
ところで、フライホイールRをクランクシャフトSから取り外す場合、フライホイールRをクランクシャフトSに締結しているナットNを弛緩したときに、ナットNに生じる軸力により、フライホイールRをクランクシャフトSから引き抜くという手順でフライホイールRが取り外される。
【0023】
また、フライホイールRをクランクシャフトSに締結する場合には、フライホイールRをナットNによりクランクシャフトSに締結するときに、ナットNに生じる軸力によりフライホイールRをクランクシャフトSに螺合するという手順で、クランクシャフトSにフライホイールRが締結される。
【0024】
次に、図3〜6を参照して、フライホイール(回転体)Rをクランクシャフト(回転軸)Sから取り外し、またはフライホイールRをクランクシャフトSに締結する、本発明に係る脱着工具Tについて説明する。
【0025】
この脱着工具Tは、ソケットレンチ10、プーラ20およびボルト30を備え、クランクシャフトSにフライホイールRを締結しているナットNを緩めるときの軸力を利用して、フライホイールRに引き抜き力を付与し、該フライホイールRをクランクシャフトSから取り外すことができる。
【0026】
前記ソケットレンチ10は、ソケット部11とレンチ部12とよりなり、ソケット部11には、フライホイールRをクランクシャフトSに連結するナットNに嵌合する嵌合凹部15が形成され、前記レンチ部12の外周面には、プーラ20が軸方向に摺動自在に嵌合され、ソケット部11の背面にはプーラ20がワッシャ40を介して係合し得る段部13が形成され、さらにレンチ部12の外端には、後述するラチェットハンドルHrの連結用係合凹部14が形成されている。そして、後に述べるように、ラチェットハンドルHrの緩み方向(左方向)の回動によりナットNを弛緩することができる。また、前記ソケットレンチ10のレンチ部12の外周面には、円盤状の前記プーラ20が摺動可能の嵌挿される。このプーラ20には、その周方向に間隔をあけて、径方向に延びる楕円形状の複数(3個)のボルト挿通口21が開口されている。これらのボルト挿通口21には、プーラ20の外側より、ボルト30が挿通され、これらのボルト30はカラー41を介してフライホイールRのボス部に設けた前述のねじ穴3に螺着される。これにより、プーラ20は、複数の脱着ボルト30を介してフライホイールRに一体に連結され、ソケットレンチ10によりナットNを緩めるときのナットNの軸力をプーラ20を介してフライホイールRに伝達することができ、該フライホイールRを引き抜くことができる。
【0027】
前記プーラ20の外側面には、四角な工具差込口22が刻設されており、この工具差込口22には、図4に示すように、回り止め用スピンナハンドルHsが抜差自在に差し込まれ、プーラ20の回転を抑止することができる。
【0028】
つぎに、図4〜6を参照して、前記脱着工具Tを用いて、クランクシャフト(回転軸)SにナットNにより固着されているフライホイール(回転体)Rを取り外す過程について説明する。
【0029】
フライホイールRに開けた空の複数の前記ねじ穴3(汎用品取付用の工具取付穴)を利用して、以下の過程を経てクランクシャフトSからフライホイールRが取り外される。
【0030】
(1) 図3に示すように、ソケットレンチ10のソケット部11の嵌合凹部15を、ナットNに嵌合した状態で、該ソケットレンチ10のレンチ部12外周にプーラ20を嵌合し、そのプーラ20に挿通されている複数本(3本)のボルト30を、カラー41を介して前記複数の空のねじ穴3にそれぞれ緩みのないように締め付ける。これにより、プーラ20は、フライホイールRに固定される。
【0031】
(2) つぎに、図4に示すように、プーラの工具差込口孔22に、スピンナハンドルHs先端の突部17を差し込んでプーラ20の回動を抑止する。
【0032】
(3) スピンナハンドルHsによりプーラ20の回り止めをしながら、ソケットレンチ10外端の係合凹部14に、ラチェットハンドルHrの係合凸部18を係合して該ラチェットハンドルHrを緩み方向(図4、矢印a方向)に回動すれば、ソケットレンチ10を介してナットNは緩み方向に回転する。
【0033】
(4) ナットNの緩み方向の回転継続によりソケットレンチ10を介してプーラ20が外方に押される。プーラ20とフライホイールRとは一体化しているため、ナットNの軸力がプーラ20を介してフライホイールRに伝わり、フライホイールRをクランクシャフトSから抜き取ることができる。
【0034】
また、前記脱着工具Tを用いてクランクシャフトSにフライホイールRを締結するには、前記(1) 〜(4) の操作を逆に行えばよい。
【0035】
前記実施態様では、回転軸Sとしてクランクシャフト、回転体Rとしてフライホイールとした場合について説明したが、本発明は、一般の回転軸および回転体に適用可能である。
【符号の説明】
【0036】
S・・・・・・回転軸(クランクシャフト)
R・・・・・・回転体(フライホイール)
N・・・・・・ナット
Hs・・・・・回転止め工具(スピンナハンドル)
10・・・・・ソケットレンチ
20・・・・・プーラ
30・・・・・ボルト

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