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公開番号2019177385
公報種別公開特許公報(A)
公開日20191017
出願番号2018066489
出願日20180330
発明の名称熱間プレス加工方法及び加工装置
出願人マツダ株式会社
代理人特許業務法人前田特許事務所
主分類B21D 43/00 20060101AFI20190920BHJP(本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き)
要約【課題】ワーク2,3が少なくとも一部において互いに重なり且つ位置ずれを生じないように係合してなるプレス成形品1を得る。
【解決手段】第1金型8により第1ワーク2をプレス成形する第1プレス工程と、第1金型8から第1ワーク2を第2金型9に移送する工程と、第2ワーク3を第1ワーク2と重ねることなく加熱する工程と、プレス成形済みの第1ワーク2に加熱された第2ワーク3を重ねて第2金型9によりプレス成形しプレス成形品1を得る第2プレス工程とを備え、第1プレス工程と第2プレス工程は、金型8,9各々の上型を同時に下降させるワンショットで行ない、第1金型8により第1ワーク2に係合部を形成し、第2金型9により、第2ワーク3を部分的に塑性変形させて第1ワーク2の係合部に係合させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1ワークと第2ワークを各々の少なくとも一部が互いに重なったプレス成形品に加工する熱間プレス加工方法であって、
上記第1ワークをプレス成形するための上型と下型を有する第1金型と、プレス成形済みの当該第1ワークに上記第2ワークを重ねてプレス成形するための上型と下型を有する第2金型とを並設して備え、
上記第1金型を用いて、上記第1ワークをプレス成形する第1プレス工程と、
上記第1金型からプレス成形済みの上記第1ワークを上記第2金型に移送する移送工程と、
上記第2ワークをプレス成形前に上記第1ワークと重ねることなく加熱する加熱工程と、
上記第2金型を用いて、上記プレス成形済みの第1ワークに上記加熱された第2ワークを重ねてプレス成形し、上記プレス成形品を得る第2プレス工程とを備え、
上記第1プレス工程及び上記第2プレス工程は、上記両金型各々の上型を同時に下降させるワンショットで行ない、
上記第1プレス工程において、第1金型により、上記第2ワークをずれないように係合させるための係合部を上記第1ワークに形成し、
上記第2プレス工程において、上記第2金型により、上記第2ワークにおける上記第1ワークの上記係合部に対応する部位を塑性変形させて該係合部に係合させることを特徴とする熱間プレス加工方法。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
請求項1において、
上記第2金型の下型は上方に突出した凸状成形面を備え、
上記第1プレス工程において、上記第1金型によって上記第1ワークを上方に凸になった形状に成形し、
上記上方に凸になった第1ワークを上記第2金型の下型の上記凸状成形面に嵌め、
上記第2プレス工程において、上記第2ワークを上記第1ワークの外面に倣った形状に成形することを特徴とする熱間プレス加工方法。
【請求項3】
請求項2において、
上記第2プレス工程において、上記第2ワークに上記第1ワークの下縁から下方へ張り出した張出し部を形成し、上記第1ワークの下縁を上記係合部として、上記第2ワークの張出し部を塑性変形させて上記第1ワークの当該下縁に係合させることを特徴とする熱間プレス加工方法。
【請求項4】
請求項2において、
上記第1プレス工程において、上記第1ワークに、上記第2ワークに向かって開口した凹部又は孔を形成し、
上記第2プレス工程において、上記第1ワークの上記凹部又は孔の縁を上記係合部として、上記第2ワークにおける上記第1ワークの上記凹部又は孔に対応する部位を塑性変形させて上記縁に係合させることを特徴とする熱間プレス加工方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
上記第1ワークと上記第2ワークとによって断面ハット状のプレス成形品を得ることを特徴とする熱間プレス加工方法。
【請求項6】
請求項5において、
上記断面ハット状のプレス成形品が自動車の車体構成部品であることを特徴とする熱間プレス加工方法。
【請求項7】
請求項5において、
上記断面ハット状のプレス成形品が自動車の車体の骨格構成部品であることを特徴とする熱間プレス加工方法。
【請求項8】
請求項5において、
上記断面ハット状のプレス成形品が自動車のピラー部品であることを特徴とする熱間プレス加工方法。
【請求項9】
第1ワークと第2ワークを各々の少なくとも一部が互いに重なったプレス成形品に加工する熱間プレス加工装置であって、
上記第1ワークをプレス成形する上型と下型を有する第1金型と、
上記第1金型によってプレス成形された上記第1ワークに上記第2ワークを重ねてプレス成形し、上記プレス成形品を得る上型と下型を有する第2金型と、
上記第2ワークをプレス成形前に上記第1ワークと重ねることなく加熱する加熱装置とを備え、
上記第1金型は、上記第1ワーク、上記第2ワークをずれないように係合させるための係合部を形成する係合部成形部を備え、
上記第2金型は、上記第2ワークにおける上記第1ワークの上記係合部に対応する部位を該係合部に係合するように塑性変形させる係合用の成形部を備え、
上記第1金型と上記第2金型が並設され、上記第1金型の上型と上記第2金型の上型が同時に昇降するように連係していることを特徴とする熱間プレス加工装置。
【請求項10】
請求項9において、
上記第1金型及び上記第2金型各々への上記第1ワーク及び上記第2ワーク搬入、上記第1金型殻状記第2金型への上記第1ワークの移送、並びに上記第2金型からの上記プレス成形品の搬出を行なうマテハン装置を備えていることを特徴とする熱間プレス加工装置。
【請求項11】
請求項9又は請求項10において、
上記第1金型は、上記第1ワークを上方に凸になった形状に成形し、
上記第2金型は、上記上方に凸になった第1ワークが嵌まる上方に凸になった凸状成形面を下型に備え、上記第2ワークを上記第1ワークの外面に倣った形状に成形することを特徴とする熱間プレス加工装置。
【請求項12】
請求項11において、
上記第2金型は、上記第2ワークに上記第1ワークの下縁から下方へ張り出した張出し部を形成し、
上記係合用の成形部は、上記第1ワークの下縁を上記係合部として、上記第2ワークの張出し部を塑性変形させて上記第1ワークの当該下縁に係合させることを特徴とする熱間プレス加工装置。
【請求項13】
請求項9乃至請求項11のいずれか一において、
上記第1金型は、上記第1ワークに、上記第2ワークに向かって開口した凹部又は孔を形成し、
上記第2金型の上記係合用の成形部は、上記第1ワークの上記凹部又は孔の縁を上記係合部として、上記第2ワークにおける上記第1ワークの上記凹部又は孔に対応する部位を塑性変形させて上記縁に係合させることを特徴とする熱間プレス加工装置。
【請求項14】
請求項9乃至請求項13のいずれか一において、
上記第1ワークと上記第2ワークとによって断面ハット状のプレス成形品を得ることを特徴とする熱間プレス加工装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は熱間プレス加工方法及び加工装置に関する。
続きを表示(約 8,700 文字)【背景技術】
【0002】
この種の熱間プレス加工方法として、2枚以上の金属板を各々の少なくとも一部が互いに重なった成形品に加工する方法が一般に知られている。例えば、特許文献1には、複数の溶着部で接合されて重ね合わされた2枚以上の金属板からなる接合板を加熱する加熱工程と、成形凹部を有するダイと該成形凹部に対応する成形凸部を有するパンチとの間に接合板を配置する配置工程と、ダイとパンチで接合板をプレスすることにより成形凹部と成形凸部に対応した成形部を形成する成形工程と、を備えた熱間プレス加工方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017−140636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の方法では、接合板の加熱工程において、2枚のワーク(金属板)の重なった部分の温度上昇が他の部分に比して遅れることから、サイクルタイムが長くなる。また、接合板の曲げ加工において、2枚のワークの溶着部(ナゲット)にせん断力が加わって、その溶着部の破損やワークの歪みを招く懸念がある。
【0005】
本発明は、上述の如き溶着部を予め設けることなく、2枚のワークが少なくとも一部において互いに重なり且つ位置ずれを生じないように係合してなるプレス成形品を得ること、そして、サイクルタイムの延長化問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、第1ワークを成形する第1金型と第2ワークを成形する第2金型を並設し、第1金型で成形した第1ワークを第2金型に移してこれに第2ワークを重ね、第2金型において両ワークを互いにずれないように係合させるようにした。
【0007】
ここに開示する熱間プレス加工方法は、第1ワークと第2ワークを各々の少なくとも一部が互いに重なった成形品に加工する方法であって、
上記第1ワークをプレス成形するための上型と下型を有する第1金型と、プレス成形済みの当該第1ワークに上記第2ワークを重ねてプレス成形するための上型と下型を有する第2金型とを並設して備え、
上記第1金型を用いて、上記第1ワークをプレス成形する第1プレス工程と、
上記第1金型からプレス成形済みの上記第1ワークを上記第2金型に移送する移送工程と、
上記第2ワークをプレス成形前に上記第1ワークと重ねることなく加熱する加熱工程と、
上記第2金型を用いて、上記プレス成形済みの第1ワークに上記加熱された第2ワークを重ねてプレス成形し、上記プレス成形品を得る第2プレス工程とを備え、
上記第1プレス工程及び上記第2プレス工程は、上記両金型各々の上型を同時に下降させるワンショットで行ない、
上記第1プレス工程において、第1金型により、上記第2ワークをずれないように係合させるための係合部を上記第1ワークに形成し、
上記第2プレス工程において、上記第2金型により、上記第2ワークにおける上記第1ワークの上記係合部に対応する部位を塑性変形させて該係合部に係合させることを特徴とする。
【0008】
この方法によれば、第2ワークを第1ワークと重ねることなく加熱するから、プレス成形前のワークの昇温に時間がかかることが避けられ、サイクルタイムの短縮に有利になる。そして、第1金型において第1ワークに係合部を形成し、第2金型において第2ワークを部分的に塑性変形させて第1ワークの係合部に係合させるから、両ワークを、溶接によらず、プレス加工によって互いにずれない状態にすることができる。しかも、第1金型からプレス成形済みの第1ワークを第2金型に移送するようにして、第1金型による新たな第1ワークのプレス成形と、第2金型による第1ワークと第2ワークが係合したプレス成形品のプレス成形とをワンショットで行なうから、生産性の向上に有利になる。
【0009】
ここに、本発明は、上記第2プレス工程の後に両ワークの重なり部分にスポット溶接等の接合加工を追加することを排除するものではない。そのような追加工を行なう場合でも、既に両ワークが互いにずれないように係合しているから、その加工は容易であり、例えば、スポット溶接であれば、その打点数を減らすことも可能になる。
【0010】
従って、本発明は、両ワークをプレス成形前に溶着させるケースに比べて、追加工を行なう場合でも、サイクルタイムが長くなることはなく、かえって、その短縮が図れ、しかも、ナゲットの損壊による強度低下や、ワークの歪みも避けられる。
【0011】
一実施形態では、上記第2金型の下型は上方に突出した凸状成形面を備え、
上記第1プレス工程において、上記第1金型によって上記第1ワークを上方に凸になった形状に成形し、
上記上方に凸になった第1ワークを上記第2金型の下型の上記凸状成形面に嵌め、
上記第2プレス工程において、上記第2ワークを上記第1ワークの外面に倣った形状に成形する。
【0012】
これによれば、第2金型の下型の凸状成形面に嵌められた第1ワークの外面を成形面として、第2ワークをプレス成形することができる。上型の下降によってプレス成形されるのは加熱された第2ワークのみであるから、プレス成形が容易になり、第2ワークを塑性変形させて第1ワークの係合部に確実に係合させる上で有利になる。
【0013】
一実施形態では、上記第2プレス工程において、上記第2ワークに上記第1ワークの下縁から下方へ張り出した張出し部を形成し、上記第1ワークの下縁を上記係合部として、上記第2ワークの張出し部を塑性変形させて上記第1ワークの当該下縁に係合させる。
【0014】
これによれば、第1ワークの下縁を係合部として、この下縁に第2ワークの張出し部を係合させるから、第1ワークに新たに係合部を設ける必要がなく、工数の削減ないしは生産性の向上に有利になる。
【0015】
一実施形態では、上記第1プレス工程において、上記第1ワークに、上記第2ワークに向かって開口した凹部又は孔を形成し、
上記第2プレス工程において、上記第1ワークの上記凹部又は孔の縁を上記係合部として、上記第2ワークにおける上記第1ワークの上記凹部又は孔に対応する部位を塑性変形させて上記縁に係合させる。
【0016】
これにより、第1ワークと第2ワークを互いにずれないように係合させることができる。
【0017】
一実施形態では、上記第1ワークと上記第2ワークとによって断面ハット状のプレス成形品を得る。例えば、自動車の断面ハット状車体構成部品、車体の断面ハット状骨格構成部品、又は自動車の断面ハット状ピラー部品を得ることができる。
【0018】
ここに開示する熱間プレス加工装置は、第1ワークと第2ワークを各々の少なくとも一部が互いに重なったプレス成形品に加工する装置であって、
上記第1ワークをプレス成形する上型と下型を有する第1金型と、
上記第1金型によってプレス成形された上記第1ワークに上記第2ワークを重ねてプレス成形し、上記プレス成形品を得る上型と下型を有する第2金型と、
上記第2ワークをプレス成形前に上記第1ワークと重ねることなく加熱する加熱装置とを備え、
上記第1金型は、上記第1ワーク、上記第2ワークをずれないように係合させるための係合部を形成する係合部成形部を備え、
上記第2金型は、上記第2ワークにおける上記第1ワークの上記係合部に対応する部位を該係合部に係合するように塑性変形させる係合用の成形部を備え、
上記第1金型と上記第2金型が並設され、上記第1金型の上型と上記第2金型の上型が同時に昇降するように連係していることを特徴とする。
【0019】
これによれば、上記熱間プレス加工方法を実施して、サイクルタイムの短縮を図りながら、第1ワークと第2ワークが互いにずれないように係合したプレス成形品を得ることができる。
【0020】
上記装置の一実施形態では、上記第1金型及び上記第2金型各々への上記第1ワーク及び上記第2ワーク搬入、上記第1金型殻状記第2金型への上記第1ワークの移送、並びに上記第2金型からの上記プレス成形品の搬出を行なうマテハン装置を備えている。
【0021】
これによれば、第1ワークのプレス成形から第1ワークと第2ワークを重ねたプレス成形までのワンショットプレスを円滑に行なうことができ、生産性の向上に有利になる。
【0022】
上記装置の一実施形態では、上記第1金型は、上記第1ワークを上方に凸になった形状に成形し、上記第2金型は、上記上方に凸になった第1ワークが嵌まる上方に凸になった凸状成形面を下型に備え、上記第2ワークを上記第1ワークの外面に倣った形状に成形する。
【0023】
これによれば、第2金型の下型の凸状成形面に嵌められた第1ワークの外面を成形面として、第2ワークをプレス成形することができる。上型の下降によってプレス成形されるのは加熱された第2ワークのみであるから、プレス成形が容易になり、第2ワークを塑性変形させて第1ワークの係合部に確実に係合させる上で有利になる。
【0024】
上記装置の一実施形態では、上記第2金型は、上記第2ワークに上記第1ワークの下縁から下方へ張り出した張出し部を形成し、
上記係合用の成形部は、上記第1ワークの下縁を上記係合部として、上記第2ワークの張出し部を塑性変形させて上記第1ワークの当該下縁に係合させる。
【0025】
これによれば、第1ワークの下縁を第2ワークが係合する係合部とするから、第1ワークに新たに係合部を設ける必要がなく、工数の削減ないしは生産性の向上に有利になる。
【0026】
上記装置の一実施形態では、上記第1金型は、上記第1ワークに、上記第2ワークに向かって開口した凹部又は孔を形成し、
上記第2金型の上記係合用の成形部は、上記第1ワークの上記凹部又は孔の縁を上記係合部として、上記第2ワークにおける上記第1ワークの上記凹部又は孔に対応する部位を塑性変形させて上記縁に係合させる。
【0027】
これによれば、第1ワークと第2ワークを互いにずれないように係合させることができる。
【0028】
上記装置の一実施形態では、上記第1ワークと上記第2ワークとによって断面ハット状のプレス成形品を得る。例えば、自動車の断面ハット状車体構成部品、車体の断面ハット状骨格構成部品、又は自動車の断面ハット状ピラー部品を得ることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る熱間プレス加工方法及び熱間プレス加工加工装置各々によれば、サイクルタイムの短縮を図りながら、第1ワークと第2ワークが互いにずれないように係合したプレス成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
実施形態1に係る熱間プレス加工装置の全体構成図。
実施形態1に係るプレス成形品の断面図。
実施形態1に係る熱間プレス加工装置の加熱装置の概略平面図。
同熱間プレス加工装置の第2金型の上型と下型の間にワークを搬入した状態を示す断面図。
同熱間プレス加工装置の第2金型の上型を下降させた状態を示す断面図。
同熱間プレス加工装置によるワークのプレス状態を示す断面図。
同熱間プレス加工装置におけるプレス成形品の脱型状態を示す断面図。
実施形態2に係るプレス成形品の断面図。
実施形態2に係る図4と同様の断面図。
実施形態2に係る図6と同様の断面図。
実施形態3に係るプレス成形品の断面図。
実施形態3に係る第1ワーク成形用金型の断面図。
実施形態3に係る図4と同様の断面図。
実施形態3に係る図6と同様の断面図。
実施形態4に図4と同様の断面図。
実施形態4に係る図6と同様の断面図。
実施形態5に図4と同様の断面図。
実施形態5に係る図6と同様の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0032】
<実施形態1>
図1に本実施形態に係る熱間プレス加工装置1を示す。熱間プレス加工装置1は、プレス成形により、図2に示すように第1ワーク2と第2ワーク3が少なくとも一部において互いに重なった高張力鋼製プレス成形品4を得るものである。
【0033】
(プレス成形品)
本実施形態のプレス成形品4は、断面形状がハット状であり、具体的には、自動車の車体の骨格を構成するピラー部品である。第2ワーク3がフランジ3aを有する断面ハット状のピラー本体を形成し、第1ワーク2がピラー本体を内側から補強する断面ハット状の補強パッチ(言わば、内パッチ構造)になっている。
【0034】
プレス成形品4においては、第2ワーク3は、第1ワーク2の両側の下縁5から下方に張り出した張出し部6を有する。この第2ワーク3の張出し部6には、第1ワーク2の下縁5から張り出した際(きわ)から第1ワーク2の板厚分だけ内側に突出した塑性変形部7が形成されていて、この塑性変形部7が第1ワーク2の下縁5に係合している。
【0035】
すなわち、第1ワーク2の下縁5は、第2ワーク3を第1ワーク2に対してずれないように係合させるための係合部を構成しており、この下縁5と塑性変形部7の係合により、第1ワーク2と第2ワーク3とは互いに位置ずれしないように一体化している。ここに、第2ワーク3が第1ワーク2を塑性変形部7によって下から言わば抱きかかえる形になっている。
【0036】
プレス成形品4においては、第2ワーク3の塑性変形部7がプレス成形品4の長手方向に間隔をおいて複数箇所に設けられている。なお、プレス成形品4の長手方向の全長にわたって、或いは当該長手方向の所定範囲にわたって、連続して延びる塑性変形部7を設けてもよい。
【0037】
(熱間プレス加工装置)
図1に示す熱間プレス加工装置1において、101はワーク加熱装置(加熱炉)、102は第1ワーク2及び第2ワーク3からプレス成形品4を得るトランスファータイプのプレス装置、103はワーク搬入装置、104はワークの移送及び成形品の搬出を行なう移送搬出装置である。ワーク搬入装置103と移送搬出装置104がトランスファープレスを円滑に行なうためのマテハン装置を構成している。
【0038】
[ワーク加熱装置]
ワーク加熱装置101は、図3に示すように、各々平板状である第1ワーク2と第2ワーク3を、互いに重ね合わせることなく、同一平面に並べて、オーステナイト温度域に加熱する。
【0039】
[プレス装置]
プレス装置102は、並設された第1金型8と第2金型9を備えている。第1金型8は、平板状の第1ワーク2を断面ハット状にプレス成形するものである。そのために、第1金型8は、下方に開口した凹状成形面を有する上型8aと、上方に凸になった凸状成形面を有する下型8bとを備えている。第2金型9は、第1金型8によってプレス成形された第1ワーク2に平板状の第2ワーク3を上から重ねてプレス成形し、断面ハット状のプレス成形品4を得るものである。そのために、第2金型9は、下方に開口した凹状成形面を有する上型11と、上方に凸になった凸状成形面を有する下型12とを備えている。
【0040】
第1金型8の上型8aと第2金型9の上型11は上型ホルダ13に固定されている。上型ホルダ13はプレス機械の昇降するスライダ(図示省略)に取り付けられている。従って、第1金型8の上型8aと第2金型9の上型11は同時に昇降する。第1金型8の下型8bと第2金型9の下型12は下型ホルダ14に固定されている。
【0041】
[ワーク搬入装置]
ワーク搬入装置103は、加熱装置101からプレス装置102に第1ワーク2及び第2ワーク3を搬入するものである。そのために、ワーク搬入装置102は、第1ワーク2を運搬するための第1ホルダ105と、第2ワーク3を運搬するための第2ホルダ106とを備えている。第1ホルダ105と第2ホルダ106は、第1金型8と第2金型9の並設間隔に対応する間隔をあけてフィードバー107に取付けられている。加熱装置101においても、第1ワーク2と第2ワーク3は第1金型8と第2金型9の並設間隔に対応する間隔をあけて設けられる。
【0042】
ワーク搬入装置103は、ワーク2,3について、加熱装置10からの取り上げ、金型8,9の下型8a,12の上への移送、並びに下型8a,12への載置を行なうべく、フィードバー107を2次元モーションで作動させる駆動装置を備えている。
【0043】
[移送搬出装置]
移送搬出装置104は、第1金型8から第2金型9への第1ワーク2の移送と、第2金型9から搬送装置(ベルトコンベア)120へのプレス成形品の搬出を行なうものである。そのために、移送搬出装置104は、第1ワーク2を運搬するための第1ホルダ108とプレス成形品4を運搬するための第2ホルダ109とを備えている。第1ホルダ108と第2ホルダ109は、第1金型8と第2金型9の並設間隔に対応する間隔をあけてフィードバー111に取付けられている。
【0044】
移送搬出装置104は、第1ワーク2について、第1金型8の下型8aからの取り上げ、第2金型9の下型12の上への移送、並びに下型12への載置を行なうべく、また、プレス成形品4について、第2金型9の下型12からの取り上げ、搬送装置120への移送、並びに搬送装置120への載置を行なうべく、フィードバー111を2次元モーションで作動させる駆動装置を備えている。
【0045】
[第1金型について]
図示は省略するが、第1金型8の上型8a及び下型8bには、第1ワーク2をプレス状態で型冷却するための液状冷媒(例えば、冷却水)が供給される冷媒通路が設けられている。
【0046】
[第2金型について]
図4に示すように、第2金型9の下型12は、上方に突出した凸状成形面15を備えている。上型11は、下型12の凸状成形面15に対応する凹状成形面16を備えている。上型11及び下型12には、プレス成形品4をプレス状態で型冷却するための液状冷媒が供給される冷媒通路17,18が設けられている。
【0047】
下型12の凸状成形面15には、第1金型8によって断面ハット状に成形された第1ワーク2が嵌められる。第1ワーク2の上に平板状の第2ワーク3が重ねられる。
【0048】
上型11の凹状成形面16の傾斜した両側面には、下型12の凸状成形面15に嵌められた第1ワーク2の下縁5に対応する部位において内側に突出した係合用の成形部19が形成されている。上型11が下型12に向かって下降したとき、係合用の成形部19が第2ワーク3における第1ワーク2の下縁5に対応する部位を内側に塑性変形させる。これにより、下縁5に係合する塑性変形部7が形成される。係合用の成形部19は、上型11の長手方向に間隔をおいて複数箇所に設けられている。
【0049】
係合用の成形部19の形状は、断面くの字状になっていて、その上部はプレス成形品4の脱型を可能とするべく略垂直になっている。係合用の成形部19の略垂直になった上部に続く下部は外側へ下降傾斜した下向きの斜面になっている。
【0050】
(熱間プレス加工方法)
[加熱工程]
図1に示すように、第1ワーク2及び第2ワーク3を、加熱装置101により、所定温度(オーステナイト温度域)に加熱する。
(【0051】以降は省略されています)

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車両の車体構造
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車両用制御装置