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公開番号2019176650
公報種別公開特許公報(A)
公開日20191010
出願番号2018063753
出願日20180329
発明の名称車両の電源システム
出願人本田技研工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H02J 7/00 20060101AFI20190913BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】副蓄電装置を車両に着脱可能に構成すると共に、車両から取り外した副蓄電装置を外部の負荷に給電する際の利便性がはかられた車両の電源システムを提供すること。
【解決手段】電動発電機Mと主蓄電装置1及び副蓄電装置2とを接続する電力線6に電力変換回路7を設け、制御装置5で運転モードに応じた態様で電力変換回路7を駆動する車両の電源システムSであって、副蓄電装置2は電力線6に対し着脱機構8を介して着脱可能に接続され、制御装置5は、運転モードが通常運転モードであると判別した場合には、副蓄電装置2の蓄電量Qpが通常上限蓄電量Q1以下で維持されるように副蓄電装置2の充放電を制御し、運転モードが取外し準備モードであると判別した場合には、副蓄電装置2の蓄電量Qpが通常上限蓄電量Q1よりも多くなるように副蓄電装置2の充電量を制御する車両の電源システムS。
【選択図】図1

特許請求の範囲約 1,300 文字を表示【請求項1】
駆動輪に連結された電動発電機に電力を供給する主蓄電装置及び副蓄電装置と、
前記電動発電機と前記主蓄電装置及び前記副蓄電装置とを接続する電力線に設けられた電力変換回路と、
運転モードに応じた態様で前記電力変換回路を駆動し前記副蓄電装置の充放電を制御する制御装置と、を備える車両の電源システムであって、
前記副蓄電装置は、前記電力線に対し着脱機構を介して接続され、
前記運転モードは、通常運転モードと、前記副蓄電装置の取り外しを準備する取外し準備モードと、を含み、
前記制御装置は、前記運転モードが前記通常運転モードである場合には、前記副蓄電装置の蓄電量が通常上限蓄電量以下で維持されるように前記副蓄電装置の充放電を制御し、前記運転モードが前記取外し準備モードである場合には、前記副蓄電装置の蓄電量が前記通常上限蓄電量よりも多くなるように前記副蓄電装置の充電量を制御することを特徴とする車両の電源システム。
【請求項2】
前記副蓄電装置は、前記主蓄電装置よりも出力重量密度が高くかつ軽いことを特徴とする請求項1に記載の車両の電源システム。
【請求項3】
前記着脱機構は、前記副蓄電装置を前記電力線に接続した状態で保持するラッチ機構を備え、
前記制御装置は、前記運転モードが前記取外し準備モードである場合には、前記副蓄電装置の蓄電量が前記通常上限蓄電量よりも大きな取外し時目標蓄電量になるまで前記副蓄電装置を充電した後、前記ラッチ機構による保持を解除することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の電源システム。
【請求項4】
利用者による前記副蓄電装置の取外し要求の有無を取得する取外し要求取得手段と、
前記取外し要求があった場合に、前記車両が前記副蓄電装置の取り外しを許可してよい状態であるか否かを判定する取外し可否判定手段と、をさらに備え、
前記制御装置は、前記取外し可否判定手段により前記車両が前記副蓄電装置の取り外しを許可してよい状態であると判定された場合に前記運転モードを前記取外し準備モードにすることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の車両の電源システム。
【請求項5】
利用者による前記副蓄電装置の取外し要求の有無を取得する取外し要求取得手段をさらに備え、
前記制御装置は、前記取外し要求があった場合には、前記車両が走行中であっても前記運転モードを前記取外し準備モードにすることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の電源システム。
【請求項6】
駆動輪に連結された電動発電機に電力を供給する主蓄電装置及び副蓄電装置と、
前記電動発電機と前記主蓄電装置及び前記副蓄電装置とを接続する電力線に設けられた電力変換回路と、
前記電力変換回路を駆動し前記副蓄電装置の充放電を制御する制御装置と、を備える車両の電源システムであって、
前記副蓄電装置は、前記主蓄電装置よりも出力重量密度が高くかつ軽く、
前記副蓄電装置は、前記電力線に対し着脱機構を介して接続されていることを特徴とする車両の電源システム。

発明の詳細な説明約 13,000 文字を表示【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、駆動輪に連結された電動発電機に電力を供給する主蓄電装置及び副蓄電装置を含む車両の電源システムが知られている。このような電源システムにおいて、主蓄電装置であるメインバッテリを車両に固定設置すると共に副蓄電装置であるサブバッテリを車両に着脱可能に設置することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の技術では、負荷に給電するに際し、残容量の低下率がメインバッテリよりもサブバッテリの方が大きくなるように制御している。一般に、メインバッテリとサブバッテリとの残容量が均等な比率で低下するように制御すると、サブバッテリを車両から取り外して外部で充電する際の許容充電量が少ない場合が生じる。特許文献1の技術では、サブバッテリの残容量が優先的に低下するため、サブバッテリを車両から取り外して充電する際の許容充電量が大きくなり、比較的高い頻度でサブバッテリを外部で充電可能にすることの利点が十分に生かされるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010−28881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、副蓄電装置を車両から取り外して、外部の任意の負荷に給電するなど、その車両の走行以外の目的に利用可能にすれば便利である。このような場合、車両から取り外した副蓄電装置は任意の負荷に直ちに給電可能な状態であることが望ましい。しかしながら、特許文献1の技術では、副蓄電装置を車両から取り外して外部で充電する際の充電効果が期待できるものの、取り外した副蓄電装置を他の負荷への給電に利用することを予定した場合の問題は解決されない。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされものであり、駆動輪に連結された電動発電機に電力を供給する主蓄電装置及び副蓄電装置を含む車両の電源システムであって、副蓄電装置を車両に着脱可能に構成すると共に、車両から取り外した副蓄電装置を外部の負荷に給電する際の利便性がはかられた車両の電源システムを提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)駆動輪(例えば、後述する駆動輪W)に連結された電動発電機(例えば、後述する電動発電機M)に電力を供給する主蓄電装置(例えば、後述する主蓄電装置1)及び副蓄電装置(例えば、後述する副蓄電装置2)と、前記電動発電機と前記主蓄電装置及び前記副蓄電装置とを接続する電力線(例えば、後述する電力線6)に設けられた電力変換回路(例えば、後述する電力変換回路7)と、運転モードに応じた態様で前記電力変換回路を駆動し前記副蓄電装置の充放電を制御する制御装置(例えば、後述する電子制御ユニット5)と、を備える車両の電源システム(例えば、後述する電源システムS)であって、前記副蓄電装置は、前記電力線に対し着脱機構(例えば、後述する着脱機構8)を介して接続され、前記運転モードは、通常運転モードと、前記副蓄電装置の取り外しを準備する取外し準備モード(例えば、後述する取外し準備モードS25(その処理内容は図3))と、を含み、前記制御装置は、前記運転モードが前記通常運転モードである場合には、前記副蓄電装置の蓄電量が通常上限蓄電量(例えば、後述する通常上限蓄電量Q1)以下で維持されるように前記副蓄電装置の充放電を制御し、前記運転モードが前記取外し準備モードである場合には、前記副蓄電装置の蓄電量が前記通常上限蓄電量よりも多くなるように前記副蓄電装置の充電量を制御することを特徴とする車両の電源システム。
【0007】
(2)この場合、前記副蓄電装置は、前記主蓄電装置よりも出力重量密度が高くかつ軽いことが好ましい。
【0008】
(3)この場合、前記着脱機構は、前記副蓄電装置を前記電力線に接続した状態で保持するラッチ機構を備え、前記制御装置は、前記運転モードが前記取外し準備モードである場合には、前記副蓄電装置の蓄電量が前記通常上限蓄電量よりも大きな取外し時目標蓄電量(例えば、後述する取外し時目標蓄電量Q2)になるまで前記副蓄電装置を充電した後、前記ラッチ機構による保持を解除することが好ましい。
【0009】
(4)利用者による前記副蓄電装置の取外し要求の有無を取得する取外し要求取得手段(例えば、後述するバッテリイジェクトボタン91及びECU5)と、前記取外し要求があった場合に、前記車両が前記副蓄電装置の取り外しを許可してよい状態であるか否かを判定する取外し可否判定手段(例えば、後述する車速センサ92、シフト位置センサ93、及びECU5等)と、をさらに備え、前記制御装置は、前記取外し可否判定手段により前記車両が前記副蓄電装置の取り外しを許可してよい状態であると判定された場合に前記運転モードを前記取外し準備モードにすることが好ましい。
【0010】
(5)この場合、前記電源システムは、利用者による前記副蓄電装置の取外し要求の有無を取得する取外し要求取得手段をさらに備え、前記制御装置は、前記取外し要求があった場合には、前記車両が走行中であっても前記運転モードを前記取外し準備モードにすることが好ましい。
【0011】
(6)駆動輪(例えば、後述する駆動輪W)に連結された電動発電機(例えば、後述する電動発電機M)に電力を供給する主蓄電装置(例えば、後述する主蓄電装置1)及び副蓄電装置(例えば、後述する副蓄電装置2)と、前記電動発電機と前記主蓄電装置及び前記副蓄電装置とを接続する電力線(例えば、後述する電力線6)に設けられた電力変換回路(例えば、後述する電力変換回路7)と、前記電力変換回路を駆動し前記副蓄電装置の充放電を制御する制御装置(例えば、後述する電子制御ユニット5)と、を備える車両の電源システム(例えば、後述する電源システムS)であって、前記副蓄電装置は、前記主蓄電装置よりも出力重量密度が高くかつ軽く、前記副蓄電装置は、前記電力線に対し着脱機構(例えば、後述する着脱機構8)を介して接続されていることを特徴とする車両の電源システム。
【発明の効果】
【0012】
(1)の車両の電源システムは、通常運転モードでは、副蓄電装置の蓄電量を通常上限蓄電量以下で維持されるように副蓄電装置の充放電を制御する。これにより、電動発電機で回生電力が発生する場合には、これを副蓄電装置に受け入れる余力を残すことができる。取外し準備モードでは、副蓄電装置の蓄電量を通常上限蓄電量より多くする。これにより、利用者は、十分に充電された副蓄電装置を取り外して外部機器に用いることができるので、外部機器を長く利用でき便利である。
【0013】
(2)の車両の電源システムは、取り外すことができる副蓄電装置として、主蓄電装置よりも出力重量密度が高くかつ軽いものを用いる。これにより利用者は、高い出力が要求される様々な外部機器に副蓄電装置を用いることができ、さらにこの副蓄電装置を取り外して容易に持ち運びできるので、便利である。
【0014】
(3)の車両の電源システムは、取外し準備モードでは、副蓄電装置の蓄電量が取外し時目標蓄電量になるまで副蓄電装置を充電した後、着脱機構のラッチ機構による保持を解除し、副蓄電装置を着脱機構から取り外し可能な状態にする。これにより利用者は、十分に充電された副蓄電装置を取り外して外部機器に利用することができるので、便利である。換言すれば電源システムによれば、十分に充電されていない状態で副蓄電装置が取り外されるのを防止できる。したがって利用者は、一旦取り外した副蓄電装置を再び充電する必要がないので、便利である。
【0015】
(4)の車両の電源システムは、利用者による副蓄電装置の取外し要求があった場合には、車両が副蓄電装置の取り外しを許可して良い状態であるか否かを判定し、取り外しを許可してよい状態であると判定された場合に、運転モードを取外し準備モードにし、副蓄電装置を充電する。これにより、車両が副蓄電装置の取り外しを許可できない状態で副蓄電装置が充電され、ひいては利用者によって蓄電装置が取り外されるのを防止できる。
【0016】
(5)の車両の電源システムは、利用者による副蓄電装置の取外し要求があった場合には、車両が走行中であっても運転モードを取外し準備モードにし、蓄電量が通常上限蓄電量よりも多くなるように副蓄電装置を充電する。これにより利用者は、例えば目的地へ向けて車両を走行させている間に副蓄電装置を充電しておき、目的地に到着した直後から十分に充電された副蓄電装置を取り外し、外部機器に用いることができるので、便利である。また車両が走行中である場合、主蓄電装置からの電力だけでなく、電動発電機からの回生電力を用いて副蓄電装置を充電できる。よって本発明によれば、回生電力を利用して効率的に副蓄電装置を充電できる。
【0017】
(6)の車両の電源システムは、取り外すことができる副蓄電装置として、主蓄電装置よりも出力重量密度が高くかつ軽いものを用いる。これにより利用者は、高い出力が要求される様々な外部機器に副蓄電装置を用いることができ、さらにこの副蓄電装置を取り外して容易に持ち運びできるので、便利である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の車両の電源システムを示す図である。
本発明の車両の電源システムのサブバッテリ管理処理の手順を示すフローチャートである。
図2のサブバッテリ管理処理のサブルーチンである取外し準備モード処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る電源システムSを搭載する車両Vの構成を示す図である。なお本実施形態では、車両Vが、電源として主蓄電装置及び副蓄電装置の2つを備え、この電源から駆動輪に連結された電動発電機に電力を供給する所謂電気自動車を例に説明するが、本発明はこれに限るものではない。本発明に係る車両の電源システムは、電気自動車に限らず、ハイブリッド車両や燃料電池自動車等、主蓄電装置及び副蓄電装置の2つ以上の電源とこれら電源の間に設けられた電圧変換器とを備えるものであれば、どのような車両にも適用可能である。
【0020】
車両Vは、電源システムSと、電動発電機Mと、駆動輪Wと、を備える。電動発電機Mは、主として車両Vが走行するための動力を発生する。電動発電機Mは、駆動輪Wに接続されている。電源システムSから電動発電機Mに電力を供給することにより電動発電機Mで発生させたトルクは駆動輪Wに伝達され、駆動輪Wを回転させ、車両Vを走行させる。また電動発電機Mは、車両Vの減速回生時には発電機として作用する。電動発電機Mによって発電された回生電力は、電源システムSが備える後述の主蓄電装置1や副蓄電装置2に充電される。
【0021】
電源システムSは、主蓄電装置1と、副蓄電装置2と、主蓄電装置1及び副蓄電装置2と電動発電機Mとを接続する電力線6と、この電力線6に設けられた電圧変換器3(以下、「VCU(Voltage Control Unit)3」との略称を用いる)及びインバータ4と、VCU3及びインバータ4を制御する電子制御ユニット5(以下、「ECU(Electrical Control Unit)5」との略称を用いる)と、バッテリイジェクトボタン91と、車速センサ92と、シフト位置センサ93と、パワーボタン95と、を備える。
【0022】
電力線6は、主蓄電装置1と電動発電機Mとを接続する主電力線61と、主電力線61と副蓄電装置2とを接続する副電力線62と、を備える。
【0023】
インバータ4は、主電力線61に設けられる。インバータ4は、例えば、複数のスイッチング素子をブリッジ接続して構成されるブリッジ回路を備えた、パルス幅変調によるPWMインバータであり、直流電力と交流電力とを変換する機能を備える。インバータ4は、ECU5のゲートドライブ回路から送信される駆動信号に従って作動し、主蓄電装置1及びVCU3から供給される直流電力を三相交流電力に変換して電動発電機Mに供給したり、電動発電機Mから供給される三相交流電力を直流電力に変換して主蓄電装置1やVCU3に供給したりする。
【0024】
VCU3は、副電力線62に設けられる。VCU3は、リアクトル、平滑コンデンサ、及びスイッチング素子等で構成される双方向DCDCコンバータであり、主蓄電装置1と副蓄電装置2との間で電圧を変換する。VCU3は、ECU5のゲートドライブ回路から送信される信号に従って作動し、副蓄電装置2側の電圧を昇圧又は降圧することによって副蓄電装置2から放電される電力を主電力線61側へ供給したり、主電力線61側の電圧を降圧又は昇圧することによって主蓄電装置1又はインバータ4から放電される電力を副蓄電装置2に供給したりする。本実施形態における電力変換回路7は、これらVCU3及びインバータ4によって構成される。
【0025】
ECU5は、車両Vの走行制御、より具体的には、VCU3及びインバータ4の制御を担うマイクロコンピュータである。ECU5は、後述する運転モードに応じた態様で電力変換回路7を駆動し、副蓄電装置2の充放電を制御する。
【0026】
主蓄電装置1は、化学エネルギを電気エネルギに変換する放電と、及び電気エネルギを化学エネルギに変換する充電との両方が可能な二次電池である。以下では、この高電圧バッテリ21として、電極間をリチウムイオンが移動することで充放電を行う所謂リチウムイオン蓄電池を用いた場合について説明するが、本発明はこれに限らない。
【0027】
副蓄電装置2は、化学エネルギを電気エネルギに変換する放電と、電気エネルギを化学エネルギに変換する充電との両方が可能な二次電池である。以下では、この高電圧バッテリ21として、電極間をリチウムイオンが移動することで充放電を行う所謂リチウムイオン蓄電池を用いた場合について説明するが、本発明はこれに限らない。
【0028】
主蓄電装置1は、副蓄電装置2よりも出力重量密度が低くかつエネルギ重量密度が高い所謂メインバッテリである。副蓄電装置2は、主蓄電装置1よりも出力重量密度が高くかつエネルギ重量密度が低い所謂サブバッテリである。なお、エネルギ重量密度とは、単位重量あたりの電力量[Wh/kg]であり、出力重量密度とは、単位重量あたりの電力[W/kg]である。したがって、エネルギ重量密度が優れている主蓄電装置1は、高容量を主目的とした蓄電装置であり、出力重量密度が優れている副蓄電装置2は、高出力を主目的とした蓄電装置である。また副蓄電装置2は、主蓄電装置1よりも軽い。以下の説明においては、主蓄電装置1を適宜メインバッテリと称し、副蓄電装置2を適宜サブバッテリと称する。
【0029】
サブバッテリ2は、電力線6に対し着脱機構8を介して接続されている。すなわち、利用者は、このサブバッテリ2を着脱機構8から取り外し、車外に持ち出すことができる。また利用者は、取り外したサブバッテリ2を、電動台車や小型電動車両等の車外機器の電源として用いることが可能となっている。
【0030】
着脱機構8は、サブバッテリ2の装着を維持するために機械的なロックを行うラッチ機構を備える。サブバッテリ2を着脱機構8に挿入し、サブバッテリ2の出力端子を電力線6に電気的に接続すると、ラッチ機構によりサブバッテリ2は着脱機構8に機械的にロックされる。ラッチ機構によるロックは、ECU5から送信される信号に応じて解除され、これにより利用者はサブバッテリ2を着脱機構8から取り外すことができる。
【0031】
電力線6には、ECU5の管理下で作動するバッテリヒータ、空調機、及び図示しない補機バッテリを充電するためのDCDCコンバータ等で構成される補機10が接続されている。また、電力線6には、商用交流電源等の外部電源(不図示)からの電力を受電するための接続部11が充電回路12を介して接続されている。
【0032】
バッテリイジェクトボタン91は、着脱機構8を介して電力線6に接続されているサブバッテリ2の取り外しを要求する際に、利用者が押下操作するボタンである。バッテリイジェクトボタン91は、サブバッテリ2が着脱機構8を介して電力線6に接続されている状態で利用者によって押下操作されると、ECU5へサブバッテリ2の取り外しが要求されている旨の信号を送信する。ECU5は、このバッテリイジェクトボタン91から送信される信号に基づいて、利用者によるサブバッテリ2の取外し要求の有無を取得できる。
【0033】
車速センサ92は、駆動輪Wの回転速度、すなわち車両Vの速度である車速に応じたパルス信号を生成し、ECU5へ送信する。ECU5では、この車速センサ92から送信される信号に基づいて車両Vが停止した状態であるか否かを判定できる。
【0034】
シフト位置センサ93は、シフト操作部94のシフト位置情報をECU5へ送信する。利用者は、シフト操作部94を操作することにより、シフト位置を、車両Vを前進させるためのドライブ位置と、電動発電機Mと駆動輪Wとの間の機械的な連結を切り離すためのニュートラル位置と、車軸に固定されているパーキングギヤにパーキングポールを噛合させることにより駆動輪Wをロック(所謂、パーキングロック)させるためのパーキング位置と、車両Vを後進させるためのリバース位置と、の少なくとも4つで切り替えることができる。ECU8は、シフト位置センサ93から送信されるシフト位置情報を用いることによって、利用者が車両Vを再び走行させる意思を有するか否かを判定できる。すなわち、ECU8は、シフト位置がパーキング位置である場合、利用者は車両Vを再び走行させる意思が無いと判定できる。
【0035】
パワーボタン95は、電源システムSを起動又は停止する際に利用者が押下操作するスイッチである。ECU5は、このパワーボタン95の操作に応じて電源システムSを起動したり停止したりする。
【0036】
ECU5は、これらメインバッテリ1やサブバッテリ2の状態を検出するセンサ(図示省略)の検出信号に基づいて、これらバッテリ1,2の充電率(バッテリの残容量の満充電容量に対する割合を百分率で表したものであり、以下では「SOC(State Of Charge)」という)を監視する。
【0037】
ここで、上述した運転モードは、通常運転モードと、サブバッテリ2の取り外しを準備する取外し準備モードと、を含む。ECU5は、運転モードが通常運転モードである場合には、サブバッテリ2の蓄電量が通常上限蓄電量Q1以下で維持されるようにサブバッテリ2の充放電を制御する。また、ECU5は、運転モードが取外し準備モードである場合には、サブバッテリ2の蓄電量が通常上限蓄電量Q1よりも多くなるようにサブバッテリ2の充電量を制御する。
【0038】
詳細には、ECU5は、取外し準備モード時には、サブバッテリ2の蓄電量が通常上限蓄電量Q1よりも大きな取外し時目標蓄電量Q2になるように、メインバッテリ1から放電される電力を電力変換回路7におけるVCU3を介してサブバッテリ2に供給する。これら通常上限蓄電量Q1及び取外し時目標蓄電量Q2はSOCで表される。通常上限蓄電量Q1は、電動発電機Mが発生する回生電力の回収能力を十分に確保するために、例えば、80%に設定される。これに対して、取外し時目標蓄電量Q2は、サブバッテリ2を取り外して車両Vの外部で用いる際に十分な容量の電力源として用いることができるように、例えば、100%に設定される。
【0039】
次に、図2及び図3を参照して、車両Vの電源システムSにおけるECU5において実行されるサブバッテリ管理処理の手順について説明する。
ここに、サブバッテリ管理処理とは、利用者による、サブバッテリ2を車両Vから取り外すための操作の有無を監視して、サブバッテリ2を取り外すための操作が行われたときには、所定の条件で、サブバッテリ2を充電する処理である。
【0040】
図2は、図1の車両の電源システムのサブバッテリ管理処理の手順を示すフローチャートである。
図2のサブバッテリ管理処理は、利用者によってパワーボタン95が操作されることによって電源システムSが起動したことに応じて開始し、その後再び利用者によってパワーボタン95が操作されることによって電源システムSが停止するまでの間において、ECU5において所定の制御周期で繰り返し実行される。
【0041】
図3は、図2のサブバッテリ管理処理のサブルーチンである取外し準備モード処理の手順を示すフローチャートである。
【0042】
始めにS21では、車両VのECU5は、操作者による取外し要求の有無を判別する。この判別は、利用者が押下操作するバッテリイジェクトボタン91から送信される信号に基づいて行われる。S21の判別がNOである場合には、ECU5は、S22に移る。S22では、通常運転モードを維持して今回の処理を終了し、所定時間後に再びS21の処理を実行する。上述のように、運転モードが通常運転モードである場合には、ECU5は、サブバッテリ2の蓄電量が通常上限蓄電量Q1以下で維持されるようにサブバッテリ2の充放電を制御する。S21の判別がYESである場合には、S23に移る。
【0043】
S23では、ECU5は、車両Vが停止しているか否かを判別する。この判別は、車速センサ92から送信される信号に基づいて行われる。S23の判別がYESである場合には、S24に移る。S24では、ECU5は、シフト位置がパーキング位置であるか否かを判別する。
【0044】
S24の判別がYESである場合、すなわち、車両Vが停止した状態でありかつシフト位置がパーキング位置である場合には、ECU5は、利用者には車両Vの走行を再開させる意思が無く、サブバッテリ2の取り外しを許可してよいと判断し、S25に移る。またS23及びS24の判別の何れかがNOである場合、すなわち、車両Vが走行中であるか又は利用者が車両Vの走行を再開させる意思があると推定される場合には、サブバッテリ2の取り外しを許可できないと判断し、S22に移る。
【0045】
S25では、ECU5は、取外し準備モードで電力変換回路7を駆動し、サブバッテリ2への充電を制御する。即ち、ECU5は、取外し準備モードにおいて、サブバッテリ2の充電量が上述の通常上限蓄電量Q1よりも大きな取外し時目標蓄電量Q2になるように、メインバッテリ1から放電される電力を電力変換回路7におけるVCU3を介してサブバッテリ2に供給する。
【0046】
S25の取外し準備モードにおける処理の詳細は、図2のサブバッテリ管理処理におけるサブルーチンとして図3のフローチャートに示される。
取外し準備モードでは、始めに、S31で、ECU5は、サブバッテリ2の現在時点での蓄電量Qpが満充電の蓄電量Qfに達しているか否かを判別する。この判別は、サブバッテリ2の状態を検出するセンサ(図示省略)の検出信号に基づいて、サブバッテリ2のSOCを常時監視し、サブバッテリ2の現在時点での蓄電量Qpと満充電の蓄電量Qfとの比較に基づいて行われる。S31の判別がYESである場合には、ECU5は、今回の処理を終了し、所定時間後に再び上述のS21の処理を実行する。S31の判別がNOである場合には、S32に移る。
【0047】
S32では、ECU5は、サブバッテリ2の充電目標値を、通常運転モード時における通常上限蓄電量Q1よりも大きな取外し時目標蓄電量Q2に切り替える。次いで、ECU5は、S33に移り、バッテリ要求電力を取得する処理を実行する。
S33の処理では、ECU5は、サブバッテリ2の取外し時目標蓄電量Q2と現在時点での蓄電量Qpとの比較に基づいて、取外し時目標蓄電量Q2に達するまでにサブバッテリ2に供給することを要するバッテリ要求電力Qdを演算により取得する。この演算は所定のテーブルを参照する態様を含み得る。
【0048】
S33の処理に次いで、ECU5は、S34の処理を実行する。S34の処理では、ECU5は、電力変換回路7におけるVCU3を、サブバッテリ2にメインバッテリ1からバッテリ要求電力Qdを供給するに適合した態様で作動させる(図3にて、VCU作動と表記)。これに伴い、メインバッテリ1からサブバッテリ2への充電電力のパスが形成される(図3にて、電力パス形成と表記)。S34の処理により、サブバッテリ2はメインバッテリ1から供給される電力で充電され、蓄電量Qpが取外し時目標蓄電量Q2に向けて上昇する。次いで、ECU5は、S35の処理を実行する。
【0049】
S35では、ECU5は、サブバッテリ2の蓄電量Qpが取外し時目標蓄電量Q2に達したか否かを判別する。この判別は、サブバッテリ2の蓄電量Qpと取外し時目標蓄電量Q2との比較に基づいて行われる。S35の判別がYESである場合には、ECU5は、S36に移る。S35の判別がNOである場合には、ECU5は、S33に戻って、S33からS35までの処理を繰り返す。S33からS35までの処理を繰り返す間にサブバッテリ2の蓄電量Qpは増加し、やがて取外し時目標蓄電量Q2に達して、S35の判別がYESとなる。
【0050】
S36では、ECU5は、着脱機構8のラッチ機構によるサブバッテリ2の機械的なロックを解除する。この解除に際して、ECU5は、S34で形成した充電電力のパスを解除する等の処理を行う。これにより、利用者はサブバッテリ2を安全に取り外すことができる。S36が完了すると、ECU5は、今回の処理を終了し、所定時間後に再びS21の処理を実行する。
【0051】
本実施形態の車両の電源システムSによれば、以下の効果を奏する。
(1)車両の電源システムSは、通常運転モードでは、サブバッテリ2の蓄電量を通常上限蓄電量Q1である例えば、SOCで80%以下とすることで、電動発電機Mが発生する回生電力の回収余力を残すことができる。取外し準備モードでは、取外し時目標蓄電量Q2をサブバッテリ2の通常上限蓄電量Q1より多くすることにより、サブバッテリ2には多くの電力が蓄電される。このため、利用者がサブバッテリ2を取り外して外部機器に用いる場合に十分な容量の電力源として機能し得て便利である。取外し時目標蓄電量Q2は、例えば、SOCで100%に設定される。
【0052】
(2)車両の電源システムSは、取り外すことができるサブバッテリ2として、メインバッテリ1よりも出力重量密度が高くエネルギ重量密度が低いものを用いることにより、持ち運びに便利であり、様々な外部機器に用いることができるので、便利である。
【0053】
(3)車両の電源システムSは、取外し準備モード(図2のS25、その処理内容は図3)では、メインバッテリ1に蓄えられている電力を、VCU3を介してサブバッテリ2に供給することにより、効率良くサブバッテリ2を充電できる。サブバッテリ2を充電する場合、電動発電機Mで発電した三相交流電力をインバータ4で直流電力に変換し、VCU3を介してサブバッテリ2に供給する構成を採ると、インバータ4を介するため効率が低下する。これに対し、車両の電源システムSでは、インバータ4を介することなくサブバッテリ2を充電するため充電効率が良い。
【0054】
(4)車両の電源システムSは、取外し要求が有り(S21:YES)、車両が停止した状態であり(S22:YES)、かつ利用者が走行意思を有しないと判定された場合(S23:YES)に、運転モードを取外し準備モード(S25(その処理内容は図3))にし、サブバッテリ2を充電する。これにより、実際に利用者がサブバッテリを取り外して利用する可能性が高いタイミングでサブバッテリ2を充電できるので、無駄な充電を回避できる。
【0055】
(5)車両の電源システムSは、取り外すことができるサブバッテリ2として、メインバッテリ1よりも出力重量密度が高くエネルギ重量密度が低いものを用いることにより、持ち運びに便利であり、様々な外部機器に用いることができるので、便利である。
【0056】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限らない。本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜変更してもよい。例えば、着脱機構によって副蓄電装置の装着が維持された状態にあるときには、その旨の警告表示が車両のダッシュボードや副蓄電装置の装着部近傍の適所に行われるようにしてもよい。
【0057】
また上記実施形態では、バッテリイジェクトボタン91の操作が検出され、車両Vが停止した状態であり、かつシフト位置がパーキング位置である場合に、運転モードを通常運転モードから取り外し準備モードに移行し、サブバッテリ2の蓄電量が通常上限蓄電量Q1よりも大きな取外し時目標蓄電量Q2になるように、メインバッテリ1から放電される電力でサブバッテリ2を充電したが、サブバッテリ2を充電するタイミング及びサブバッテリ2を充電するための電力供給源はこれに限らない。
【0058】
例えば、利用者が車両Vの走行中にバッテリイジェクトボタン91を操作することにより、利用者が近い将来においてサブバッテリ2を取り外して車外で利用する意思があることを示している場合には、車両Vが走行中であっても、運転モードを取外し準備モードにし、サブバッテリ2の充電量が取外し時目標蓄電量Q2になるように、サブバッテリ2を充電してもよい。またこのように車両Vの走行中にサブバッテリ2を充電する場合、サブバッテリ2には、メインバッテリ1から放電される電力を供給してもよいし、車両Vの走行中に電動発電機Mで発生する回生電力を供給してもよい。またこのように車両Vの走行中にサブバッテリ2を充電する場合であっても、着脱機構8によるサブバッテリ2のロックの解除は、上記実施形態と同様に、車両Vが停止した状態でありかつシフト位置がパーキング位置であることが確認された後であることが好ましい。
【0059】
また上記実施形態では、電力線6に対し着脱可能であり、主蓄電装置1よりも出力重量密度が高くかつエネルギ重量密度が低い副蓄電装置2として、リチウムイオン蓄電池を用いた場合について説明したが、副蓄電装置2の種類はこれに限らない。副蓄電装置2には、キャパシタを用いてもよい。
【符号の説明】
【0060】
M…電動発電機
S…電源システム
V…車両
W…駆動輪
1…メインバッテリ(主蓄電装置)
2…サブバッテリ(副蓄電装置)
3…VCU
4…インバータ
5…ECU(制御装置、取外し可否判定手段)
6…電力線
7…電力変換回路
8…着脱機構
61…主電力線
62…副電力線
91…バッテリイジェクトボタン(取外し要求取得手段)
92…車速センサ(取外し可否判定手段)
93…シフト位置センサ(取外し可否判定手段)
94…シフト操作部
95…パワーボタン

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