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公開番号2019172483
公報種別公開特許公報(A)
公開日20191010
出願番号2018060275
出願日20180327
発明の名称セメント複合材
出願人太平洋マテリアル株式会社
代理人
主分類C04B 28/04 20060101AFI20190913BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】速硬性を有し、乾燥収縮ひずみが少ない軽量のセメント複合材の提供。
【解決手段】セメント、速硬性セメント混和材、セメント混和用ポリマー、凝結遅延剤及び絶乾密度が1.0〜2.3g/cm3の軽量骨材を含有し、かつ前記セメント混和用ポリマーが、セメントと速硬性セメント混和材の合量100質量部に対して4〜14質量部であるセメント複合材。更に、軽量骨材が絶乾密度1.0〜2.0g/cm3の粗骨材であることが好ましい。
【選択図】なし
特許請求の範囲約 310 文字を表示【請求項1】
セメント、速硬性セメント混和材、セメント混和用ポリマー、凝結遅延剤及び絶乾密度が1.0〜2.3g/cm

の軽量骨材を含有し、かつ前記セメント混和用ポリマーが、セメントと速硬性セメント混和材の合量100質量部に対して4〜14質量部であることを特徴とするセメント複合材。
【請求項2】
前記軽量骨材が絶乾密度1.0〜2.0g/cm

の粗骨材であることを特徴とする請求項1に記載のセメント複合材。
【請求項3】
さらに、絶乾密度1.5〜2.3g/cm

の細骨材を含むことを特徴とする請求項2に記載のセメント複合材。

発明の詳細な説明約 6,600 文字を表示【技術分野】
【0001】
本発明は速硬性かつ軽量のセメント複合材に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、コンクリート構造物は老朽化が進んでいる。コンクリート構造物の修繕の例として、RC床版は高品質なプレキャストコンクリートを床版へ取り換える方法が実施、普及しつつある。 この工法には、コンクリート床版間の継手部を埋める際に、別途コンクリート打設が必要になる。そのコンクリートにもプレキャストコンクリートと同等の性質が望ましいが、通常、間詰に用いるコンクリートは現場で製造、打設するため、床版のコンクリートと比べて、高い品質のコンクリート製造が難しいのが現状である。間詰に使用されるコンクリートに必要な性質は早期道路開放のために速硬性、自重軽減による建設コストの削減の観点から軽量であること、劣化因子への耐久性、床版間の密着性を考慮して寸法安定性等が挙げられる。
【0003】
短時間で強度発現性を得るために、速硬性のあるセメントや混和材料を添加した水硬性材料が使用されている。また、これらの材料にセメント混和用ポリマーを加え、速硬性と耐久性を考慮した水硬性組成物が提案されている(特許文献1、2等)。
【0004】
また、ポリマーを混和することで、外部からの劣化因子浸透を抑制することが知られており、乾燥収縮ひずみも低下することが知られている。さらに上記コンクリートに軽量骨材を使用することで、軽量化ならびに自己養生効果による乾燥収縮ひずみの低減が期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-58437号公報
特開2016−2673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らは、速硬性を有したセメント複合材を検討するにあたり、軽量骨材ならびにセメント混和用ポリマーを用いた配合を鋭意検討した結果、あるコンクリート配合において、速硬性を失わずに硬化後の乾燥収縮ひずみが少ないセメント複合材が経済的に得られるとの知見を得た。本発明は、係る知見に基づいてなされたものである。
したがって、本発明は、速硬性を有し、乾燥収縮ひずみが少ないセメント複合材を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔3〕を提供するものである。
〔1〕セメント、速硬性セメント混和材、セメント混和用ポリマー、凝結遅延剤及び絶乾密度が1.0〜2.3g/cm

の軽量骨材を含有し、かつ前記セメント混和用ポリマーが、セメントと速硬性セメント混和材の合量100質量部に対して4〜14質量部であるセメント複合材。
〔2〕前記軽量骨材が絶乾密度1.0〜2.0g/cm

の粗骨材である〔1〕のセメント複合材。
〔3〕さらに、絶乾密度1.5〜2.3g/cm

の細骨材を含む〔2〕のセメント複合材。
【発明の効果】
【0008】
速硬性を有し、かつ乾燥収縮ひずみの少ない軽量のセメント複合材が経済的に得られる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態が、以下、説明される。
本発明はセメント、速硬性セメント混和材、セメント混和用ポリマー、凝結遅延剤及び絶乾密度が1.0〜2.3g/cm

の軽量骨材を含有してなるセメント複合材である。
【0010】
本発明で用いられるセメントとしては、工業的に製造されるポルトランドセメントが使用できる。例えば、普通、早強、超早強、低熱及び中庸熱等の各種ポルトランドセメントが挙げられる。また、前記ポルトランドセメントに、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカフューム又は石灰石微粉末等が混合された各種の混合セメントが挙げられる。これらセメントの一種であっても、二種以上のものであっても良い。
【0011】
本発明で用いられる速硬性セメント混和材は、セメントに添加することによって早期に硬化を促進する材料を指す。いわゆるセメント・コンクリート用の硬化促進剤と呼ばれるものであり、例えば硝酸塩、亜硝酸塩、アルミン酸塩系等の液体系のもの、カルシウムアルミネート類を有効成分として含む粉体系のものが挙げられるが、特に短時間強度発現性の観点からは、カルシウムアルミネート類を含む粉体系の速硬性セメント混和材が好ましい。これらの速硬性セメント混和材はセメント100質量部に対して5〜100質量部添加される。
【0012】
前記速硬性セメント混和材の有効成分として含まれるカルシウムアルミネート類には、CaOをC、Al



をA、Na

OをN、Fe



をFで表示した場合、C

A,C

A,C
12


,C



,CA,C



又はCA

等と表示される鉱物組成を有するカルシウムアルミネート、C

AF,C

AF等と表示されるカルシウムアルミノフェライト、カルシウムアルミネートにハロゲンが固溶又は置換したC



・CaF

やC
11
A7・CaF

等と表示されるカルシウムフロロアルミネートを含むカルシウムハロアルミネート、C

NA

やC





等と表示されるカルシウムナトリウムアルミネート、カルシウムリチウムアルミネート、アウイン(3CaO・3Al



・CaSO

)等のカルシウムサルホアルミネート、アルミナセメント、並びにこれらにSiO

,K

O,Fe



,TiO

等が固溶又は化合したもの等が含まれる。特にカルシウムアルミネートを有効成分として含むものが好ましい。含まれるカルシウムアルミネート類は一種であっても、二種以上であっても良い。さらに、安定した強度発現性の観点からカルシウムアルミネート類に硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩が併用された速硬性セメント混和材が好ましい。カルシウムアルミネート類を有効成分として含む粉体系の速硬性セメント混和材の添加量としては、セメント100質量部に対して20〜70質量部が好ましい。
【0013】
なお、前記セメントと速硬性セメント混和材の代替とし、「ジェットセメント」(商品名)等の超速硬セメントも使用することができる。
【0014】
本発明で用いられるセメント混和用ポリマーは、一般にセメント混和用に使用されている何れのポリマーも使用することができるが、アクリル酸エステル系ポリマー、アクリルスチレン系ポリマー、スチレンブタジエン(SBR)系ポリマー、酢酸ビニル系ポリマー、エチレン酢酸ビニル系ポリマー、酢酸ビニル/バーサチック酸ビニルエステル系ポリマー、エチレンビニルアルコール(EVA)系ポリマー、酢酸ビニル/バーサチック酸ビニル/アクリル酸エステル系ポリマー等が好ましい。これらのポリマーは、通常ポリマーディスパージョンの形態で市販されているもの、及び再乳化粉末樹脂として市販されているもののいずれでもよい。これらの中で、スチレンブタジエン系ポリマーが特に好ましい。
【0015】
ポリマー(ポリマーの固形分)の配合量は、前記セメントと速硬性セメント混和材の合量100質量部に対して、4〜14質量部である。当該量とすることで、強度発現性に影響せずに、硬化後のポリマーフィルム形成による乾燥収縮ひずみ量を低減する。4質量部未満の場合は、乾燥収縮ひずみ量が増加し、一方14質量部を超えると、強度発現性及び耐久性の低下がみられる。好ましくは、5〜12質量部であり、より好ましくは7〜11質量部である。
【0016】
本発明における凝結遅延剤はセメントの凝結に遅延作用を及ぼすものである。凝結遅延剤は、液状のもの、粉体状のものいずれでも構わないが、液状のものが好ましい。凝結遅延剤が液状のものを好ましいとしたのは、遅延効果が速やかに得られるからである。このような液状凝結遅延剤としては、例えばクエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸などの有機酸、又はその塩、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、リン酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム等の無機塩、糖類などの群の中から選ばれる一種又は二種以上を含む液状(例えば、水溶液、エマルジョン、懸濁液の形態)のものが挙げられる。中でも、クエン酸、クエン酸塩、酒石酸、酒石酸塩、アルカリ金属炭酸塩の群の中から選ばれる一種又は二種以上を含む水溶液が用いられると、セメント複合材の可使時間が長く、かつ、初期の強度発現が高いことから好ましい。
【0017】
凝結遅延剤の配合量は、セメント複合材の可使時間や初期強度発現性の観点から、前記セメントと速硬性セメント混和材の合量100質量部に対して、0.05〜2.0質量部が好ましい。セメント複合材の可使時間は、20分以上確保することが好ましい。より好ましくは、30分以上であり、更に好ましくは60分以上である。打設現場における温度や施工状況を考慮の上、適切な施工性が確保されるよう、可使時間が設定され、凝結遅延剤の配合量が決定される。
【0018】
本発明に用いられる軽量骨材は、絶乾密度が1.0〜2.3g/cm

である。この範囲の軽量骨材を使用することによって、軽量性および初期の圧縮強度を満足するセメント複合材が得られる。上記の軽量骨材としては、粗骨材、細骨材のいずれか一方、または両方を使用することができる。より具体的には、少なくとも粗骨材として、絶乾密度が1.0〜2.0g/cm

での軽量骨材を使用することが好ましい。さらに細骨材としては、絶乾密度が1.5〜2.3g/cm

ある軽量骨材を使用することが好ましく、これらを併用して使用する場合が特に好ましい。粗骨材の絶乾密度は、1.0〜1.5g/cm

がより好ましく、1.1〜1.4g/cm

がさらに好ましく、1.2〜1.3g/cm

が特に好ましい。細骨材の絶乾密度は1.5〜2.0g/cm

がより好ましく、1.6〜1.8g/cm

がさらに好ましく、1.63〜1.73g/cm

が特に好ましい。
【0019】
軽量骨材の配合量は、軽量性および初期の圧縮強度の観点から、200〜1600kg/m

が好ましい。400〜1400kg/m

がより好ましく、450〜1000kg/m

がさらに好ましい。
【0020】
本発明において使用される水は、特に限定されるものではなく、水道水などを使用することができる。水の配合量(単位水量)は、70〜150kg/m

とすることが、フレッシュコンクリート性状、初期強度発現性、乾燥収縮性の観点から好ましい。また、水の配合量は、前記セメントと速硬性セメント混和材の合量100質量部に対し、15〜30質量部とすることが好ましい。
【0021】
本発明におけるセメント複合材には、上記以外の成分として、本発明の特長が損なわれない範囲で、各種添加材が併用されても良い。この種の添加材としては、例えば減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤等のセメント分散剤、発泡剤、起泡剤、防水剤、防錆剤、収縮低減剤、増粘剤、保水剤、顔料、撥水剤、白華防止剤、消泡剤、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、石粉、シリカフューム、火山灰等が挙げられる。
【0022】
セメント複合材の混練方法としては、特に限定されないが、製造量や均質な混練性の観点から、ミキサを用いる方法が好ましい。ミキサとしては、連続式ミキサやバッチ式ミキサが用いられる。例えば、パン型コンクリートミキサ、パグミル型コンクリートミキサ、重力式コンクリートミキサ等が挙げられる。混練時間は120秒〜360秒が好ましい。
【実施例】
【0023】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
【0024】
<使用材料>
(1)セメント:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製、密度;3.16g/cm


(2)速硬性セメント混和材:カルシウムアルミネート系急硬材(カルシウムアルミネート及び硫酸塩を含む、密度;2.93g/cm


(3)セメント混和用ポリマー:スチレンブタジエン系ポリマー(固形分45%、密度;1.00g/cm


(4)凝結遅延剤:クエン酸系遅延剤、水溶液として添加
(5)軽量骨材:a)人工軽量細骨材(絶乾密度1.68g/cm


b)人工軽量粗骨材(絶乾密度1.25g/cm


(6)通常骨材:a)静岡県掛川産山砂(絶乾密度2.51g/cm


b)茨城県桜川産砕石(絶乾密度2.61g/cm


(7)水:水道水
【0025】
上記材料を使用して、20℃環境下で評価試験を行った。そのときのコンクリート配合を表1に示す。単位はkg/m

である。凝結遅延剤の添加量はセメントと速硬性セメント混和材の合量100質量部に対して0.5質量部(固形分換算)とした。
【0026】
【0027】
<評価試験>
(1)圧縮強度
圧縮強度は、JIS A 1108に準拠し、20℃環境下でコンクリート供試体を材齢6時間における強度を測定した。
(2)乾燥収縮ひずみ
乾燥収縮ひずみは、JIS A 1129に準拠して行い、材齢182日まで測定した。
【0028】
<試験結果>
試験結果を表2に示す。ポリマー量は、セメントと速硬性セメント混和材の合量100質量部に対するポリマーの固形分換算量である。ポリマー量が所定の範囲内かつ、軽量コンクリートI種を配合(実施例1〜4)においては、圧縮強度が材齢6時間で24N/mm

以上でかつ材齢182日の乾燥収縮ひずみはポリマー量に比例して増加した。軽量コンクリートII種を配合(実施例5)においてより顕著な結果となった。一方、通常骨材と用いた配合、ポリマー量が所定範囲外の配合のうち少なくとも一つが組み合わされる水準(比較例1〜5)では、材齢6時間の圧縮強度が24N/mm

に達しないか、もしくは材齢182日の乾燥収縮ひずみが実施例と比べて大きくなった。
【0029】

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