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公開番号2019171012
公報種別公開特許公報(A)
公開日20191010
出願番号2018221682
出願日20181127
発明の名称生体情報測定装置及び生体情報測定方法、生体情報測定システム
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人全 6 件を表示,個人,個人,個人,個人
主分類A61B 5/02 20060101AFI20190913BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】生体情報の測定に適した波長を選択可能にする。
【解決手段】生体情報測定装置は、測定対象に光を照射する光源と、測定対象からの光の反射光の光量を受光する受光部と、を備え、反射光の複数の波長の各々について受光部が受光した光量に基づいて、複数の波長から生体情報の測定に用いる波長を選択する。
【選択図】 図6
特許請求の範囲【請求項1】
測定対象に光を照射する光源と、
前記測定対象からの前記光の反射光の光量を受光する受光部と、
前記反射光の複数の波長の各々について前記受光部が受光した光量に基づいて、前記複数の波長から生体情報の測定に用いる波長を選択する選択手段と、を備えることを特徴とする生体情報測定装置。
続きを表示(約 2,900 文字)【請求項2】
前記選択手段により選択された波長の光について前記受光部が検出した光量を外部装置へ送信する送信手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項3】
前記受光部により検出される、前記選択手段により選択された波長の反射光の光量に基づいて生体情報を測定する測定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項4】
前記反射光を前記複数の波長の光束に分ける分光計をさらに備え、
前記受光部は、前記複数の波長の光束に対応して設けられた複数の受光素子を有し、前記複数の受光素子を用いて複数の波長の光量を検出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の生体情報測定装置。
【請求項5】
前記選択手段は、
前記反射光の複数の波長の各々について前記受光部が検出した光量の変動量である光量変動を取得する取得手段を含み、
前記光量変動に基づいて生体情報の測定に用いる波長を選択することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の生体情報測定装置。
【請求項6】
前記選択手段は、前記光量変動が最も大きい波長を選択することを特徴とする請求項5に記載の生体情報測定装置。
【請求項7】
前記選択手段は、前記光量変動が最も大きい波長を含む所定幅の波長領域に含まれる波長を選択することを特徴とする請求項5または6に記載の生体情報測定装置。
【請求項8】
前記選択手段は、前記光量変動が所定の閾値を超える波長を選択することを特徴とする請求項5または6に記載の生体情報測定装置。
【請求項9】
前記所定の閾値は、前記光源の消灯中の光量変動よりも大きい値であることを特徴とする請求項8に記載の生体情報測定装置。
【請求項10】
前記所定の閾値を、前記光源の消灯中に測定された光量変動に基づいて設定する設定手段をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の生体情報測定装置。
【請求項11】
選択された波長の光量を統計処理する手段をさらに備えることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の生体情報測定装置。
【請求項12】
前記光源は白色LEDであることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の生体情報測定装置。
【請求項13】
予め定められた波長を用いて測定した光量変動量が所定値よりも小さい場合、前記選択手段で選択した波長を用いて、再度、生体情報を測定することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の生体情報測定装置。
【請求項14】
前記受光部が受光した複数の波長の各々における光量の中の、予め定められた波長おける光量変動量が所定値よりも小さい場合、前記選択手段で選択した波長を用いて、再度、生体情報を測定することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の生体情報測定装置。
【請求項15】
前記選択手段で選択した波長を次回測定時の測定用波長に設定することを特徴とする請求項13または14に記載の生体情報測定装置。
【請求項16】
前記光源は、出力する光の波長が異なる複数の光源を有し、
前記選択手段は、前記複数の光源の各々を点灯して得られる前記反射光の光量に基づいて前記複数の光源から生体情報の測定に用いる光源を選択することを特徴とする請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項17】
前記選択手段により選択された光源を点灯させて生体情報を測定する測定手段をさらに備えることを特徴とする請求項16に記載の生体情報測定装置。
【請求項18】
予め定められた光源を用いて測定した光量変動量が所定値より小さい場合、前記選択手段で選択した光源を用いて、再度、生体情報を測定することを特徴とする請求項16または17に記載の生体情報測定装置。
【請求項19】
前記選択手段で選択した光源を次回測定時の光源に設定することを特徴とする請求項18に記載の生体情報測定装置。
【請求項20】
前記受光部は、異なる波長に感度を有する複数の受光部を有し、
前記選択手段は、前記複数の受光部から得られる前記反射光の光量に基づいて前記複数の受光部から生体情報の測定に用いる受光部を選択することを特徴とする請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項21】
前記選択手段により選択された受光部を用いて生体情報を測定する測定手段をさらに備えることを特徴とする請求項20に記載の生体情報測定装置。
【請求項22】
予め定められた受光部を用いて測定した光量変動量が所定値より小さい場合、前記選択手段で選択した受光部を用いて、再度、生体情報を測定することを特徴とする請求項20または21に記載の生体情報測定装置。
【請求項23】
前記選択手段で選択した受光部を次回測定時の受光部に設定することを特徴とする請求項22に記載の生体情報測定装置。
【請求項24】
前記測定手段により測定された生体情報を表示する表示手段をさらに備えることを特徴とする請求項3、17、21のいずれか1項に記載の生体情報測定装置。
【請求項25】
前記選択手段により選択された波長について前記受光部が出力する光量の値に基づいて前記光源の光量を調整する調整手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至24のいずれか1項に記載の生体情報測定装置。
【請求項26】
測定対象に光を照射する光源と、前記測定対象からの前記光の反射光の光量を受光する受光部とを含む検出装置と、前記検出装置に接続された情報処理装置とを有する生体情報測定システムであって、
前記反射光の複数の波長の各々について前記受光部が受光した光量に基づいて、前記複数の波長から生体情報の測定に用いる波長を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された波長の反射光の光量に基づいて生体情報を測定する測定手段と、を備えることを特徴とする生体情報測定システム。
【請求項27】
生体情報測定方法であって、
光源から測定対象に光を照射し、測定対象からの前記光の反射光の複数の波長の各々について受光部が受光した光量を取得する取得工程と、
前記取得工程で取得された光量に基づいて、前記複数の波長から生体情報の測定に用いる波長を選択する選択工程と、
前記選択工程で選択された波長の反射光の光量に基づいて生体情報を測定する測定工程と、を備えることを特徴とする生体情報測定方法。
【請求項28】
請求項27に記載された生体情報測定方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報測定装置及び生体情報測定方法、生体情報測定システムに関する。
続きを表示(約 13,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、人体の一部に特定の波長を有する光を照射し、生体内の血管中を移動する血液からの反射光量もしくは透過光量を、受光センサを用いて検出することにより、血液の移動に伴う血液脈波(以下、脈波)を検出する脈波測定装置が市販されている。脈波は脈拍数の測定に用いられる。また、脈波を2階微分することにより得られた加速度脈波を用いて、血管内壁部の老化もしくは蓄積物による血管の硬化度合を取得し、これを血管老化度もしくは血管年齢として提示することが提案されている。
【0003】
一般に、この種の脈波測定装置は、被験者の指先などに光を照射する発光部(例えば、LED)と、生体内で透過、又は、反射した光を受光する受光部(例えば、フォトダイオード)を有する。脈波測定装置は、受光部において受光された光量の変動に基づいて脈波を検出する。脈波測定には、一般に血液中のヘモグロビンの光吸収特性が利用される。したがって、脈波測定装置の発光部と受光部には、ヘモグロビンの光吸収特性が高くなる波長領域での測定に適した特性のものが用いられる。特許文献1には、白色LEDを光源とし、G(緑色)センサとR(赤色)センサにより反射光量を検出する脈波センサが記載されている。特許文献1の脈波センサは、生体内で反射した光のうちの緑色光をGセンサで、赤色光とRセンサで検出し、それらのレベル差に基づいて脈波に関連する情報を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016−083030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、脈波測定装置に用いられる発光部と受光部の特性は、ヘモグロビンの光吸収特性が高くなる波長領域の光量を検出できるように合わせられている。特許文献1においても、緑色センサにより緑色光(波長=550nm)の光量を検出することにより酸化ヘモグロビンのモル吸収係数の変動(脈波)を検出している。このように、脈波測定装置では、感度よく光量を検出できる波長としてあらかじめ設定された波長の光量を検出できるように発光部と受光部の特性が決定されている。しかしながら、脈波測定装置の発光/受光素子の特性やヘモグロビン自体の光吸収特性など、複数のバラツキ要素が複合的に積み重なると、検知に最適な波長(脈波変動が大きくなる波長)が変化する。その結果、脈波測定装置が感度よく検出できる波長と、実際の光量検知に最適な波長との間にずれが生じ、脈波測定装置が検出する脈波の変動量が小さくなる場合がある。検出される脈波の変動量が小さいと、ノイズの影響を受けやすくなるため、測定精度が悪化するという課題がある。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、生体情報の測定に適した波長を選択可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様による生体情報測定装置は以下の構成を備える。すなわち、
測定対象に光を照射する光源と、
前記測定対象からの前記光の反射光の光量を受光する受光部と、
前記反射光の複数の波長の各々について前記受光部が受光した光量に基づいて、前記複数の波長から生体情報の測定に用いる波長を選択する選択手段と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、生体情報の測定に適した波長が選択されるため、測定器や被験者などの条件に影響されない安定した測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
第1実施形態に係る脈波測定装置の外観を示す図。
第1実施形態に係る分光計の構造を説明する図。
第1実施形態の脈波測定装置における制御構成例を示すブロック図。
脈波及び加速度脈波の波形を示す図。
第1実施形態に係る波長選択の例を説明する図。
第1実施形態に係る波長選択処理を説明するフローチャート。
第1実施形態に係る光量調整時の受光量変化を示す図。
第1実施形態による脈波測定装置およびPCによる機能構成を示すブロック図。
第2実施形態に係る波長選択の例を説明する図。
第3実施形態の脈波測定装置における制御を説明する図。
第3実施形態に係る発光部の選択処理を示すフローチャート。
第3実施形態による脈波測定装置およびPCによる機能構成を示すブロック図。
第4実施形態に係る測定の流れを説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
図1は第1実施形態による生体情報測定装置としての脈波測定装置100の外観斜視図である。脈波測定装置100は、分光計を収納するハウジング10を有する。ハウジング10の上面は、測定対象を載置する面である。ハウジング10の上面には、上面に載置された測定対象とハウジング10の内部の分光計200(図2により詳述)との間の光の往来を可能とする開口部15と、開口部15を覆う透明な材質からなる透明カバー4が設けられている。また、開口部15および透明カバー4の上部には、シャッタ部材2と、測定対象をガイドするガイド部材3とが設けられている。なお、図1(a)は、シャッタ部材2が開口部15を覆った状態、図1(b)は、シャッタ部材2が退避し、開口部15が開放され、測定対象である指6が開口部15を覆った状態、図1(c)は、図1(b)の状態において、指の図示を省略した図である。
【0012】
本実施形態において、シャッタ部材2とガイド部材3は接続されている、または、一体で構成されている。ガイド部材3は、ガイド形状部分31と指受け形状部分32とを有する。ガイド形状部分31とハウジング10に設けられたガイドレール部16によって、ガイド部材3及びシャッタ部材2は図1中に示すX方向にスライド移動が可能となっている。ガイドレール部16の両端部は、ストッパ部18a、ストッパ部18bとして機能し、ガイド形状部分31がストッパ部18aに突き当たる位置と、ストッパ部18bに突き当たる位置との、2つの位置を規定する。ガイド部材3が指6により移動することにより、シャッタ部材2は、ハウジング10の開口部15の対向位置で開口部15を覆う第1の位置(図1(a)と、開口部15の対向位置から退避した第2の位置(図1(c))との間を移動可能となる。図1(b)の状態で、指6の脈波が本体内部に備えられた分光計200によって検出される。
【0013】
図2(a)〜(c)は分光計200の構造を説明する図である。図2(a)は脈波測定装置100のハウジング10内に収納、配置された分光計200の外観図であり、図2(b)は電気基板201、分光計のカバー部材202aを外した分光計200の内部構造を示す図である。分光計200は、カバー部材202aとケース部材202bにより外殻が形成される。電気基板201は、ラインセンサ206からの信号を増幅、A/D変換して波長ごとの出力信号(デジタル信号)を取得するための回路等を有する。また、白色LED203およびラインセンサ206(複数の受光素子)は電気基板201に(すなわち、同一基板上に)実装されている。
【0014】
分光計200の光学系は、測定対象を照射するための光を発生する光源としての白色LED203、ライトガイド204、回折格子205、ラインセンサ206を有する。ライトガイド204は、白色LED203からの光束を測定対象へ向けて導光する照明部と、測定対象からの反射光を集光導光する集光部とが一体化された導光部材である。白色LED203からの光は、ライトガイド204の照明部により開口部15へ導かれ、開口部15を通じて測定対象(本例では指6)に照射される。測定対象からの反射光は、ライトガイド204の導光部により集光導光されて、所定の波長域において所定の分解能で分光する分光部である回折格子205に導かれる。反射光は、分光部としての回折格子205により複数の波長に分光され、受光部としてのラインセンサ206は、分光された光を受光する。ラインセンサ206には、複数の波長に分解された光を受光する受光素子が直列に配置されている。分光計200は、白色LED203、ライトガイド204、回折格子205、ラインセンサ206を一体に構成し、小型化を実現している。
【0015】
図2(c)は、分光計200における、白色LED203から出射された光線の進行順序(矢印R1〜R5の順)を示している。分光計200の電気基板201に設置された白色LED203から出射された光束R1が、樹脂成型されたライトガイド204の曲面部で反射し、上面に照射光R2として出射する。照射光R2は、開口部15および透明カバー4を通過して、透明カバー4に載置されている生体の測定対象(本実施形態では指6)の腹部を照射する。その照射部位からの反射光R3は、樹脂成型されたライトガイド204の入射部204aに入射される。
【0016】
入射部204aに入射した反射光は、ライトガイド204により集光導光され、回折格子205に光束R4として照射される。回折格子205は樹脂で製作され、回折格子が凹面上に形成された凹面反射型の回折格子(凹面回折格子)である。回折格子205は、例えば、回折格子表面にアルミニウム等の反射膜とSiO2等の増反射膜を蒸着して作成される。このような回折格子205によって分光された光束R5が、電気基板201上に設置されたラインセンサ206に照射される。
【0017】
図3は脈波測定装置100の制御構成を示すブロック図である。図3では、測定対象に照射するための光を発生する光源と、測定対象からの反射光の光量を検出する受光部とを含む検出装置としての脈波測定装置100と、これに接続された情報処理装置とを有する生体情報測定システムが示されている。電気基板201は、白色LED203、ラインセンサ206、分光計制御部207を搭載している。分光計制御部207は白色LED203の駆動制御、及び、ラインセンサ206が検出した信号の演算処理を行う。また分光計制御部207は、脈波測定装置100を制御する本体制御部208と接続され、分光計200による検知結果を本体制御部208へ伝えている。また、本体制御部208は既知の通信技術を用いて外部装置である情報処理装置と通信が可能である。本実施形態では、情報処理装置として、パーソナルコンピュータ(以下、PC209)が用いられている。本体制御部208は、分光計200による測定結果を連続的にPC209へ送信する。PC209には脈波測定用のアプリケーションがインストールされており、脈波(図4(a)参照)、脈波を2回微分して求められる加速度脈波(図4(b)参照)から算出した血管年齢などのヘルスケア情報がPC209の画面上に表示される。尚、加速度脈波波形と血管年齢との関係は公知情報であるため説明は省略する。
【0018】
続いて、脈波測定装置100の上面の測定位置に実際に指6を配置した時の、分光計200の測定内容について説明する。尚、本実施形態において、回折格子205は、最短波長を400[nm]、波長分解能を10[nm]に設定されているものとし、ラインセンサ206の受光素子数を31個とする。従って、本実施形態の分光計200は、400〜700[nm]の波長領域において、10[nm]毎の受光量を測定することが可能である。
【0019】
図5(a)は、白色LED203を所定光量で発光させた時の、ラインセンサ206による各波長の受光量を示している。尚、図5(a)の縦軸は、ラインセンサ206によって電気信号(アナログ)に変換された受光量波形を、分光計制御部207でA/D変換(10ビット分解能)した値である。図5(a)のデータを所定時間継続してモニタした場合、血管の脈動(ヘモグロビンの移動量の変化)と共に受光量が変動する。所定時間内(例えば5秒間)の各波長における受光量の変動幅は図5(b)のようになる。ここで、変動幅は、所定時間内に測定された受光量の最大値と最小値の差である。図5(b)では、580[nm]付近の波長で光量変動が最も大きくなっており、580[nm]がS/N比の観点から脈波測定に適した波長と言える。一方、脈波測定装置、又は、測定対象者(指)が異なる場合の、波長ごとの光量変動を図5(c)に示す。図5(c)において、光量変動が最大となる波長は560[nm]であり、脈波測定に適した波長は図5(b)の場合(580[nm])とは異なっている。つまり、変動量が大きく脈波測定に適した波長は、測定対象やその時の測定条件によって変化する。そのため、固定波長で脈波測定を行った場合には、脈波の変動が小さく(ノイズの影響を受けやすく)、安定した測定が困難となるケースが出てくる。
【0020】
図6(a)は、第1実施形態における波長選択処理を説明するフローチャートである。分光計制御部207は、脈波測定のための光量検出を開始する前に、以下に説明する波長選択処理を実行して、脈波測定に適切な波長を選択するとともに、選択した波長で十分な受光量を得るために白色LED203の光量を調節する。
【0021】
まず、分光計制御部207は、所定光量で白色LED203を点灯し(S601)、全波長(400〜700[nm]の波長領域)の各波長(例えば、50nm刻みの波長)における受光量を測定する(S602)。これにより上述した図5(a)の受光量データが得られる。分光計制御部207は、S602の測定を所定期間(または所定回数)にわたって繰り返し実行すると、全波長の受光量の測定を終了する(S603でYES)。分光計制御部207は、S602における受光量の複数の測定結果から各波長における光量変動を取得し、図5(b)(c)で説明したような、各波長の光量変動の測定データを生成する(S604)。分光計制御部207は、生成した測定データから受光量の変動が最大となる波長λmaxを脈波測定用波長として決定する(S605)。そして、分光計制御部207は、決定した波長における白色LEDの光量調整を実施する(S606)。
【0022】
図7は、第1実施形態による光量調整を説明する図である。図7の実線は、図5(a)に示した受光量(図7中の点線)に対して、光量調整の結果、白色LED203の光量を約1.5倍にアップさせた時の受光量である。これにより、例えば、波長580[nm]の受光量を10ビット分解能の最大値(1023[dec])付近まであげることができる。結果、脈波測定時の受光量変動幅に対してもS/N比が更に向上する。なお、光量調整は、S605で決定された波長についてラインセンサ206が出力する光量の値に基づいてなされる。例えば、S602で取得された受光量のデータのうち、S605で決定された波長の受光量の最大値が分解能の最大値を超えないように設定される。例えば、光量調整として1.25倍、1.5倍、1.75倍のいずれかを選択できるようにしておき、決定された波長の受光量の最大値が分解能の最大値を越えない範囲で最大の倍率が選択される。上述の1.5倍は例えばこのようにして選択された調整量である。あるいは、決定された波長の受光量の最大値と分解能の最大値との比に基づいて光源の調整量を決定するようにしてもよい。
【0023】
また、図6(a)のS605では、光量変動が最大となる波長λmaxのみを脈波測定用波長として選択しているがこれに限られるものではない。図6(b)のS605aに示すようにλmaxを含む所定幅(例えば、±10[nm])の波長領域に含まれる波長が選択されるようにしてもよい。この場合、波長領域に含まれる複数の波長に対応した複数の光量が得られることになるので、これら得られた光量の値を統計処理して用いる。例えば、受光量を平均化した値を採用することで、S/N比、及び、突発ノイズに対するロバスト性を向上させることができる。
【0024】
以上のようにして、測定に用いる波長の選択と白色LED203の光量調整を終えると、脈波測定のための光量測定を開始する。すなわち、分光計制御部207は、S606で調整された光量となるように白色LED203を駆動し、S605で決定された波長の光量をラインセンサ206から逐次に取得して本体制御部208へ送る。本体制御部208は、分光計制御部207から受信した光量のデータをPC209へ送信する。こうして、PC209は、脈波測定装置100から図4(a)に示されるような脈波を得ることができる。PC209はこの脈波に基づいて脈拍数を取得し、表示する。また、PC209は、例えば、脈波を2回微分して得られる波形(図4(b))に基づいて血管年齢を推定し、その推定結果を表示する。
【0025】
図8は、第1実施形態による脈波測定に関する機能構成例を示すブロック図である。全波長光量取得部701は、所定期間(または所定回数)にわたり、ラインセンサ206から全波長にわたる各波長の光量を取得する(S601〜S603)。光量変動取得部702は、全波長光量取得部により取得された、所定期間(または所定回数)の光量から、各波長における光量変動を取得する(S604)。波長選択部703は、光量変動取得部702が取得した光量変動に基づいて、脈波測定などの生体情報測定に用いる波長を上述の全波長の中から選択し、決定する(S605)。発光量調整部704は、波長選択部703が選択した波長の光量が大きくなるように白色LED203の発光量を調整する(S606)。
【0026】
以上のようにして測定に適した波長の選択と光源の発光量の調整を終えると、脈波測定のための光量測定が開始する。すなわち、光量取得部705は、発光量調整部704により調整された発光量で白色LED203を点灯し、波長選択部703が選択した波長の光量をラインセンサ206から逐次に取得する。脈波検出部706は、光量取得部705から時系列に並ぶ光量を取得して脈波を生成し、これに基づいて脈拍数を測定する。また、脈波検出部706は、脈波を2回微分した波形に基づいて、血管年齢を推定する。測定結果、推定結果はPC209が備える表示器に表示される。
【0027】
本実施形態では、全波長光量取得部701〜光量取得部705が脈波測定装置100において、すなわち分光計制御部207および本体制御部208により実現される。光量取得部705は取得した光量をPC209に送信し、脈波測定用のアプリケーションが稼働するPC209は脈波検出部706として機能する。ただし、脈波測定装置100とPC209の役割分担はこれに限られるものではなく、例えば、光量変動取得部702〜波長選択部703がPC209側で実現されるようにしてもよい。この場合、全波長光量取得部701は、取得した光量をPC209に通知し、PC209が備える波長選択部703が波長の選択結果を脈波測定装置100の発光量調整部704に通知する。
【0028】
なお、第1実施形態では、PC209を含めた構成で記載したがこれに限られるものではない。例えば、脈波測定装置100に表示部を設けて、本体制御部208が脈波数の計数や血管年齢の推定を行い表示部に表示するというような、測定から解析/結果表示までの一連の動作を脈波測定装置100で実施してもよい。この場合、分光計制御部207および本体制御部208により全波長光量取得部701〜脈波検出部706の機能が実現されることになる。
【0029】
以上、説明したように、第1実施形態によれば、全波長の中から脈波測定に最適な波長を選択することが可能となるため、安定した脈波測定が可能となる。
【0030】
<第2実施形態>
第1実施形態では、光量変動の量が最大となる波長を特定することにより脈波測定のための適切な波長を選択した。第2実施形態では、光量変動の量が所定値を超える波長域を脈波測定に用いる波長域として選択する。なお、第2実施形態による脈波測定装置の構成は、第1実施形態(図1〜図3)と同様である。
【0031】
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、分光計制御部207が所定時間内の各波長の受光量を測定し(S601〜S603)、各波長の光量変動を得る(S604)。第2実施形態による各波長の光量変動の例を図9(a)に示す。本実施形態の分光計制御部207は、光量変動が予め決められた閾値を超える波長領域を脈波測定に用いる波長領域に決定する。図9(a)の例では、光量変動が予め決められた閾値(90[dec])を超えている波長領域(580〜590[nm])を脈波測定用の波長領域に決定する。
【0032】
図9(b)は、白色LED203の消灯中における、所定時間内の各波長の受光量の変動幅を示した図である。図9(b)が示す変動量は、脈波測定装置100の電源電圧(不図示)の変動や、分光計制御部207のAD変換誤差など、様々なバラツキ要素の影響で生じるものである。本例では、約10[dec]であることがわかる。脈波測定を行うにあたって、上述した変動量の閾値は、図9(b)のバラツキ要素の変動量(約10[dec])よりも大きくする必要がある。本実施形態では、閾値として90[dec]が設定されており、結果として約ばらつき要素の変動量の約9倍(閾値(90[dec])/バラツキ要素の変動量(約10[dec]))のマージンが得られている。
【0033】
なお、光量変動が閾値=90[dec]を越える波長が存在しない場合に、分光計制御部207が適宜閾値を下げて閾値を超える波長領域を取得するようにしてもよい。また、分光計制御部207が白色LED203を点灯する前に、すなわち白色LED203の消灯中に光量変動(図9(b))を測定し、その測定結果に基づいて閾値を設定するようにしてもよい。例えば、消灯中に得られた各波長の光量変動の平均値、あるいは得られた光量変動のうちの最大値を所定倍(例えば9倍)した値を上記の閾値として用いるようにしてもよい。
【0034】
以上、説明したように、第2実施形態によれば、脈波測定のために選択する波長を、変動量の値から決定することが可能となるため、安定した脈波測定が可能となる。
【0035】
<第3実施形態>
第1実施形態及び第2実施形態では、分光計を利用した脈波測定装置100において、脈波測定に利用する適切な波長を複数の波長の光量変動に基づいて決定していた。第3実施形態では、波長の異なる複数のLEDを備え、脈波測定に利用する波長を持つLEDを選択する。
【0036】
図10(a)は第3実施形態における脈波測定装置100のブロック図である。第3実施形態では、第1、第2実施形態の分光計200に代えて、波長の異なる2つの光源としてのLED211及びLED212、受光素子としてフォトダイオード213、本体制御部208が実装された電気基板201が設けられている。電気基板201は図10(b)で示すように、測定対象(指)に対して水平になるように、すなわち、LED211、LED212、フォトダイオード213が実装された電気基板201の面がハウジング10の上面と平行になるよう配置される。尚、本体制御部208とPC209との関係は第1実施形態と同様である。
【0037】
次に、第3実施形態における波長選択方法を図11のフローチャートを用いて説明する。脈波測定開始する前に、本体制御部208は所定光量でLED211を点灯する(S1001)。本体制御部208は、所定の期間にわたりその時のフォトダイオード213による受光量を測定し(S1002)、LED211の発光における光量変動を得る。その後、本体制御部208はLED211を消灯する(S1003)。続いて、本体制御部208は、所定光量でLED212を点灯する(S1004)。本体制御部208は、所定の期間にわたりその時のフォトダイオード213による受光量を測定し(S1005)、LED212の発光における光量変動を得る。その後、本体制御部208は、LED212を消灯する(S1006)。なお、光量変動は、第1実施形態と同様に、所定の期間において複数回測定された受光量の最大値と最小値の差である。
【0038】
本体制御部208は、LED211の点灯時とLED212の点灯時とで、どちらの光量変動が大きいかを判定する(S1007)。LED211の点灯時の光量変動の方が大きい場合(S1007でYES)は、脈波測定にLED211を選択(S1008)する。他方、LED211の点灯時の光量変動の方が大きい場合(S1007でNO)は、脈波測定にLED212を選択(S1009)する。その後、本体制御部208は、選択したLEDについて光量調整を実施する(S1010)。尚、光量調整時の動作は第1実施形態と同様である。
【0039】
第3実施形態において、例えばLED211が560[nm]で発光し、LED212が580[nm]で発光する場合、図5(b)と図5(c)のような光量変動に対して適切な波長のLEDを選択することができる。更に波長の異なるLEDを増やすことで(3個以上の異なる波長のLEDを用いることで)、環境に適した波長のLEDをより細やかに選択することができる。
【0040】
図12は、第3実施形態による脈波測定装置100とPC209の機能構成例を示すブロック図である。光量変動測定部1201は、それぞれ波長の異なる複数の光源を個々に点灯し、その反射光量の変動(光量変動)を、フォトダイオード213を用いて取得する。すなわち、光量変動測定部1201は、S1001〜S1006を実行する。光源選択部1202は、光量変動測定部1201により取得された光量変動に基づいて脈波測定に使用する光源(すなわち、脈波測定に使用する光の波長)を選択する(S1007〜S1009)。発光量調整部1203は、光源選択部1202が選択したLEDの光量を調整する(S1010)。
【0041】
光量取得部1204は、光源選択部1202により選択され、発光量調整部1203により光量が調整された光源(LED)を用いてフォトダイオード213により検出された光量を逐次に取得し、脈波検出部1205に送信する。脈波検出部1205は、光量取得部1204から時系列に並ぶ光量を取得して脈波(図4(a))を生成し、これに基づいて脈拍数を測定する。また、脈波検出部706は、脈波を2回微分した波形に基づいて、血管年齢を推定する。測定結果、推定結果はPC209が備える表示器に表示される。なお、本実施形態では、光量変動測定部1201〜光量取得部1204が本体制御部208により実現され、脈波検出部1205はPC209により実現される。ただし、光源選択部1202がPC209により実現されるようにしてもよい。
【0042】
なお、上記実施形態では、波長の異なる複数のLEDを設けたが、異なる波長に感度を有する複数のフォトダイオード(受光部)を設けるようにしてもよい。この場合、光源は白色LEDを1つとすることができる。それぞれの波長についての光量変動の測定結果から、最も光量変動の大きい波長に対応するフォトダイオードが選択され、脈波測定に用いられる。
【0043】
以上、説明したように、第3実施形態によれば、分光計を用いない、より安価な構成において、安定した脈波測定が可能となる。
【0044】
<第4実施形態>
第1実施形態及び第2実施形態では、分光計を利用した脈波測定装置100において、測定に利用する波長の選択方法について説明した。第1、第2実施形態のいずれにおいても、測定に用いる波長を選択するための処理が脈波測定に先立って実行される。第4実施形態では、脈波測定装置100を用いた生体情報の測定(例えば、脈波測定)の流れの中で波長選択を実施する。より具体的には、第4実施形態では、予め設定された波長(所定波長)における光量変動を測定し、その光量変動量が所定値以上であれば当該光量変動から生体情報(脈波)を取得する。したがって、所定波長における光量変動量が所定値以上の場合であれば、生体情報の測定に要する時間が第1、第2実施形態と比べて短縮されることになる。
【0045】
第4実施形態による脈波測定装置の構成は、第1実施形態(図1〜図3)と同様である。以下、第4実施形態における波長選択の処理ついて、図13のフローチャートを用いて説明する。
【0046】
はじめに、分光計制御部207は、所定光量P1で白色LED203を点灯し(S1301)、予め定められた波長(所定波長A)における受光量を測定する(S1302)。分光計制御部207は、S1302の測定を所定期間(または所定回数)にわたって繰り返し実行すると、所定波長Aにおける受光量の測定を終了する(S1303)。分光計制御部207は、S1302における受光量の測定結果から所定波長Aにおける光量変動量を取得する(S1304)。
【0047】
分光計制御部207は、算出した波長Aの光量変動量が予め定められた所定値以上か否かを比較し(S1305)、所定値以上の場合には(S1305でYES)、所定波長Aの光量の変動に基づいて生体情報を取得する(S1315)。この際に、S1302で測定された受光量が、S1315で生体情報の取得に用いられるデータの一部として用いられてもよい。一方、S1304で算出された波長Aの光量変動量が所定値以下の場合には(S1305でNO)、分光計制御部207は、図6(S601〜S605)で示した波長選択処理を実行する(S1306)。ここでは、S1306の波長選択処理により選択された波長を波長Bとする。分光計制御部207は、引き続き所定光量P1で白色LED203を点灯し、選択した波長Bにおける受光量を測定する(S1307)。分光計制御部207は、S1307の測定を所定期間(または所定回数)にわたって繰り返し実行すると、波長Bにおける受光量の測定を終了する(S1308)。
【0048】
続いて、分光計制御部207は、S1307における受光量の測定結果から波長Bにおける光量変動を取得する(S1309)。分光計制御部207は、算出した波長Bの光量変動量が予め定められた所定値以上か否かを比較し(S1310)、所定値以上の場合には、波長Bの光量の変動に基づいて生体情報を取得する(S1314)。この際に、S1307で測定された受光量が、S1314で生体情報の取得に用いられるデータの一部として用いられてもよい。他方、S1310で算出した波長Bの光量変動量が所定値以下の場合には、分光計制御部207は、白色LED203の光量をP2(>P1)に変更(増加)し(S1311)、再度、波長Bにおける受光量を測定する(S1312)。分光計制御部207は、S1302の測定を所定期間(または所定回数)にわたって繰り返し実行すると、波長Bにおける受光量の測定を終了する(S1313)。その後、分光計制御部207は、S1312で取得された波長Bの光量の変動に基づいて生体情報を取得する(S1314)。
【0049】
なお、上記処理では、所定波長Aの受光量を測定している際には、単波長の測定を行うようにしたがこれに限られるものではない。例えば、分光計200を用いた構成では、所定波長Aの受光量を測定する際に、他の複数の波長のそれぞれについても受光量が検出され得る。したがって、例えばサンプリング周期に余裕があれば、S1302で複数の波長について受光量を測定しておき、S1306で波長選択処理を行う際に、S1302で測定された受光量を用いるようにしてもよい。また、S1307〜S1308で波長Bについて受光量を測定しているが、S1306において実行された測定の結果(S602、S603の結果)を流用するようにしてもよい。さらに、S1309により波長Bが選択された場合に、当該波長BでもってS1302〜S1304、S1315で使用される所定波長Aを更新するようによしてもよい。すなわち、選択した波長を次回測定時の測定用波長に設定するようにしてもよい。
【0050】
以上説明したように、第4実施形態によれば、波長選択処理の実施とLED光量を抑えることができるため、測定時間の短縮や消費電力の削減が可能となる。
(【0051】以降は省略されています)

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