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公開番号2019163376
公報種別公開特許公報(A)
公開日20190926
出願番号2018051657
出願日20180319
発明の名称樹脂粒子の製造方法、樹脂粒子の製造装置、樹脂粒子、コアシェル型粒子の製造方法、コアシェル型粒子の製造装置、及びコアシェル型粒子
出願人株式会社リコー
代理人個人
主分類C08J 3/12 20060101AFI20190830BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】常温常圧環境において簡便な方法により樹脂の劣化が少ない樹脂粒子を製造することができる樹脂粒子の製造方法の提供。
【解決手段】樹脂を液化ハイドロフルオロオレフィンに溶解して樹脂溶液を得る溶解工程と、前記樹脂溶液をノズルから噴射して造粒する造粒工程と、を含む樹脂粒子の製造方法である。また、樹脂を液化ハイドロフルオロオレフィンに溶解して樹脂溶液を得る溶解工程と、前記樹脂溶液とコア粒子とを混合して混合液を得る混合工程と、前記混合液をノズルから噴射して造粒する造粒工程と、を含むコアシェル型粒子の製造方法である。
【選択図】図1

特許請求の範囲約 1,200 文字を表示【請求項1】
樹脂を液化ハイドロフルオロオレフィンに溶解して樹脂溶液を得る溶解工程と、
前記樹脂溶液をノズルから噴射して造粒する造粒工程と、
を含むことを特徴とする樹脂粒子の製造方法。
【請求項2】
前記液化ハイドロフルオロオレフィンが、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンである請求項1に記載の樹脂粒子の製造方法。
【請求項3】
前記樹脂が、アクリル樹脂及び生分解性樹脂の少なくともいずれかである請求項1から2のいずれかに記載の樹脂粒子の製造方法。
【請求項4】
前記アクリル樹脂が、ブチルメタクリレート/メチルメタクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、エチルアクリレート/メチルメタクリレート/塩化トリメチルアンモニウムエチルメタクリレート共重合体、及びポリメタクリル酸メチルの少なくともいずれかである請求項3に記載の樹脂粒子の製造方法。
【請求項5】
前記生分解性樹脂が、ポリ乳酸樹脂である請求項3に記載の樹脂粒子の製造方法。
【請求項6】
樹脂を液化ハイドロフルオロオレフィンに溶解して樹脂溶液を得る溶解手段と、
前記樹脂溶液をノズルから噴射して造粒する造粒手段と、
を有することを特徴とする樹脂粒子の製造装置。
【請求項7】
請求項1から5のいずれかに記載の樹脂粒子の製造方法により得られ、分子量変化が0.1未満であり、残留有機溶媒を実質的に含有しないことを特徴とする樹脂粒子。
【請求項8】
樹脂を液化ハイドロフルオロオレフィンに溶解して樹脂溶液を得る溶解工程と、
コア粒子と前記樹脂溶液とを接触させて造粒する造粒工程と、
を含むことを特徴とするコアシェル型粒子の製造方法。
【請求項9】
樹脂を液化ハイドロフルオロオレフィンに溶解して樹脂溶液を得る溶解手段と、
コア粒子と前記樹脂溶液とを接触させて造粒する造粒手段と、
を有することを特徴とするコアシェル型粒子の製造装置。
【請求項10】
請求項8に記載のコアシェル型粒子の製造方法により得られ、シェルに分子量変化が0.1未満であり、残留有機溶媒を実質的に含有しない樹脂を有することを特徴とするコアシェル型粒子。
【請求項11】
液化ハイドロフルオロオレフィンと、
ブチルメタクリレート/メチルメタクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、エチルアクリレート/メチルメタクリレート/塩化トリメチルアンモニウムエチルメタクリレート共重合体、ポリメタクリル酸メチル、及びポリ乳酸樹脂の少なくともいずれかと、
を含有することを特徴とする樹脂組成物。

発明の詳細な説明約 20,000 文字を表示【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂粒子の製造方法、樹脂粒子の製造装置、樹脂粒子、コアシェル型粒子の製造方法、コアシェル型粒子の製造装置、及びコアシェル型粒子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圧縮性流体を用いてポリマー粒子を製造する方法としては、例えば、高温及び高圧環境下で圧縮性流体と原料樹脂を接触させることにより原料樹脂を溶融させ、得られる溶融体を噴射して造粒する粒子の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、常温常圧環境において簡便な方法により樹脂の劣化が少ない樹脂粒子を製造することができる樹脂粒子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
課題を解決するための手段としての本発明の樹脂粒子の製造方法は、樹脂を液化ハイドロフルオロオレフィンに溶解して樹脂溶液を得る溶解工程と、樹脂溶液をノズルから噴射して造粒する造粒工程と、を含む。
【発明の効果】
【0005】
本発明によると、常温常圧環境において簡便な方法により樹脂の劣化が少ない樹脂粒子を製造することができる樹脂粒子の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1は、本発明の樹脂粒子の製造装置の一例を示す図である。
図2は、従来の樹脂粒子の製造装置の一例を示す図である。
図3は、本発明の樹脂粒子の製造装置のその他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(樹脂粒子の製造方法及び樹脂粒子の製造装置)
本発明の樹脂粒子の製造方法は、樹脂を液化ハイドロフルオロオレフィンに溶解して樹脂溶液を得る溶解工程と、
樹脂溶液をノズルから噴射して造粒する造粒工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の樹脂粒子の製造装置は、樹脂を液化ハイドロフルオロオレフィンに溶解して樹脂溶液を得る溶解手段と、
樹脂溶液をノズルから噴射して造粒する造粒手段と、を有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
【0008】
本発明の樹脂粒子の製造方法は、従来の粒子の製造方法では、高温及び高圧環境下で樹脂を溶融するため、樹脂の分子鎖が切断されることによる劣化、黄変、物性変化を引き起すという問題があるという知見に基づくものである。
本発明の樹脂粒子の製造方法は、本発明の樹脂粒子の製造装置を好適に用いることができる。
【0009】
<溶解工程及び溶解手段>
溶解工程は、樹脂を液化ハイドロフルオロオレフィンに溶解して樹脂溶液を得る工程である。
溶解手段は、樹脂を液化ハイドロフルオロオレフィンに溶解して樹脂溶液を得る手段である。
【0010】
−ハイドロフルオロオレフィン−
ハイドロフルオロオレフィンは、オゾン層破壊係数(ODP)が約0、地球温暖化係数(GWP)が約1と非常に環境性に優れており、沸点が20℃以下であり、常温常圧(20℃、1気圧)で気体であるが、冷却により常圧で液体として取り扱うことができる不燃性の化合物である。
ハイドロフルオロオレフィンとしては、例えば、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、ジクロロ−フッ化プロペン、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、又はこれらのシス体及びトランス体などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、常圧で液体の状態を取りやすい点で、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンが好ましい。
1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンは、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、HFO−1233zd(E)(セントラル硝子株式会社製)などが挙げられる。ハイドロフルオロオレフィンの合成方法としては、例えば、特許第4864714号公報に記載している方法などが挙げられる。
【0011】
ハイドロフルオロオレフィンは、常温常圧で気体の状態であるが、僅かな冷却により常圧でも液体として取り扱えることから耐圧機構などの重厚な設備を必要とせず、簡易な設備で取り扱うことができる。また、加温した液体として扱う場合においても、僅かな耐圧機構を有する簡易な設備で取り扱うことができる。例えば、HFO−1233zd(E)の場合、60℃での蒸気圧は0.4MPa程度である。
また、ハイドロフルオロオレフィンを用いることにより、ドライプロセスで樹脂を溶解させることができるため、残留有機溶媒を実質的に含有しない樹脂粒子を製造することができる。
【0012】
−樹脂−
樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオール樹脂、ポリアミド樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂がハイドロフルオロオレフィンへの溶解性に優れるため特に好ましい。
【0013】
アクリル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブチルメタクリレート/メチルメタクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、エチルアクリレート/メチルメタクリレート/塩化トリメチルアンモニウムメチルメタクリレート共重合体、ポリメタクリル酸メチルなどが挙げられる。これらのなかでも、ブチルメタクリレート/メチルメタクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、エチルアクリレート/メチルメタクリレート/塩化トリメチルアンモニウムメチルメタクリレート共重合体であるアクリル樹脂は、pH応答性を有するため好ましい。
【0014】
ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、変性ポリエステル樹脂、未変性ポリエステル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、生分解性ポリエステル樹脂が挙げられる。生分解性樹脂としては、例えば、ポリ乳酸樹脂、ポリグリコール酸樹脂、ポリブチレンサクシネート樹脂、ポリカプロラクトン、およびこれらの樹脂原料を用いたランダム共重合体、ブロック共重合体などが挙げられる。これらの中でも、生分解性と高溶解性を有する点から、ポリ乳酸樹脂が特に好ましい。
【0015】
ポリ乳酸樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、L体、D体、又はラセミ体のポリ乳酸樹脂、ポリ乳酸系共重合体樹脂などが挙げられる。
【0016】
ポリオール樹脂としては、例えば、エポキシ骨格を有するポリエーテルポリオール樹脂が挙げられる。より具体的には、例えば、エポキシ樹脂、2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物又はそのグリシジルエーテル、及びエポキシ基と反応する活性水素を有する化合物を反応させて得られるポリオール樹脂などが挙げられる。
【0017】
その他使用可能な樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩化パラフィン、パラフィンワックス、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0018】
ビニル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレンの共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルメチルケトン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピリミジン、ブタジエン等の単量体の重合体、これらの単量体の2種類以上からなる共重合体、及びそれらの混合物などが挙げられる。
【0019】
溶解工程を行う温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、使用するハイドロフルオロオレフィンの沸点以下の温度が挙げられる。
ハイドロフルオロオレフィンの沸点以下の温度としては、例えば、常温(20℃)以下などが挙げられる。また、ハイドロフルオロオレフィンの沸点以上であっても、当該沸点におけるハイドロフルオロオレフィンの蒸気圧下で使用することができる。
【0020】
溶解工程を行う圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、大気圧(0.1MPa)以上などが挙げられる。
【0021】
<造粒工程及び造粒手段>
造粒工程は、樹脂溶液をノズルから噴射して樹脂粒子を造粒する工程である。
造粒手段は、樹脂溶液をノズルから噴射して樹脂粒子を造粒する手段である。
【0022】
樹脂溶液をノズルから噴射して樹脂粒子を造粒する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂溶液を貯留する容器に圧縮気体を供給しつつ、樹脂溶液をノズルから噴射する方法などが挙げられる。
【0023】
圧縮気体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、圧縮空気、窒素、二酸化炭素などが挙げられる。
【0024】
圧縮気体を供給する圧縮気体供給手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コンプレッサー、ガスボンベとポンプなどが挙げられる。
【0025】
ノズルの内径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1mm以上0.7mm以下が好ましい。
【0026】
噴射される樹脂溶液の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0℃以上100℃以下が好ましく、0℃以上20℃以下がより好ましい。
噴射される樹脂溶液の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.2MPa以上100MPa以下であることが好ましい。
【0027】
本発明の樹脂粒子の製造方法は、ハイドロフルオロオレフィンを用いることにより環境性に優れ、常温常圧付近で樹脂を溶解することができるため、樹脂が劣化するのを防ぐことができる。また、ハイドロフルオロオレフィンを用いることで、残留有機溶媒を実質的に含有しない樹脂粒子を製造することができる。
【0028】
ここで、本発明の樹脂粒子の製造方法に用いられる樹脂粒子の製造装置について、図面を参照して説明する。
【0029】
図1は、本発明の樹脂粒子の製造方法に用いられる樹脂粒子の製造装置の一例を示す図である。
樹脂粒子の製造装置1は、溶解手段10、造粒手段11、及び回収手段12を有している。
溶解手段10は、着脱式圧力タンク101を有しており、着脱式タンク101に樹脂溶液102が収容され、配管103によりバルブ104、ポンプ105、背圧弁106に接続している。樹脂溶液102は、着脱式タンク101に投入する原料の樹脂と液化ハイドロフルオロオレフィンを混合することにより得られる。着脱式タンク101には、スクリューなどの撹拌機構を設けていてもよい。
造粒手段11は、ノズル111、及び乾燥チャンバー112、及び圧縮気体供給手段124を有しており、溶解手段10で得られた樹脂溶液102を、圧縮気体供給手段124の圧縮気体によりノズル111から乾燥チャンバー112に噴射し、樹脂粒子を造粒する。
回収手段12は、造粒手段11により造粒した樹脂粒子をサイクロン121、粒子捕集器122、ブロワー123により回収する手段である。
【0030】
図2は、従来の樹脂粒子の製造装置の一例を示す図である。従来の樹脂粒子の製造装置2では、ボンベ202に貯蔵した圧縮性流体(例えば、液化二酸化炭素など)をポンプ212b、バルブ213bを介して高圧セル224に投入した原料の樹脂に供給し、高温及び高圧環境下で樹脂に二酸化炭素を含侵させることで可塑化し、樹脂溶融体を得る。樹脂溶融体とは、膨潤及び可塑化させた樹脂を意味する。得られた樹脂溶融体は、図2中のAの位置でボンベ201から供給する圧縮性流体と合流し、背圧弁213dを介して、ノズル232から噴射され、樹脂粒子Tを造粒する。図2中、Aの位置で供給する圧縮性流体はヒータ216により適宜加温してから供給してもよい。
【0031】
図1及び図2を比較すると、図1に示す本発明の樹脂粒子の製造装置1で使用するハイドロフルオロオレフィンは、常温常圧で気体であるが、冷却により常圧で液体として取り扱うことができるため、溶解工程及び造粒工程に耐圧容器などを使用する必要がなく、簡易な構成とすることができ、図2に示す従来の樹脂粒子の製造装置のように重厚な設備を用いる必要がない。また、図1に示す本発明の樹脂粒子の製造方法では、樹脂をハイドロフルオロオレフィンに溶解させるのに対して、図2に示す従来の樹脂粒子の製造方法では、高温の樹脂に二酸化炭素を含侵させることで、樹脂を膨潤・可塑化させ樹脂溶融体を得る点で異なる。即ち、本発明の樹脂粒子の製造方法では、低濃度から高濃度まで任意な濃度の樹脂溶液を作製できるが、従来の樹脂粒子の製造方法では、高固形分濃度の樹脂溶融体しか作製できない。
【0032】
(樹脂粒子)
本発明の樹脂粒子は、製造条件による樹脂の分子量変化が少ない樹脂粒子である。製造条件による樹脂の分子量変化が少ないとは、製造時に原料樹脂に加わる熱及び圧力等によって、樹脂がダメージを受ける。その結果、重量平均分子量が変化することを意味する。重量平均分子量の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)などが挙げられる。
【0033】
分子量変化としては、目的に応じて適宜選択することができるが、造粒後の樹脂粒子の重量平均分子量(Mw)を原料の樹脂の重量平均分子量(Mw)で除した値が、0.1未満である。
【0034】
また、本発明の樹脂粒子は、実質的に有機溶媒を含まない樹脂粒子である。樹脂粒子は実質的に有機溶媒を含まないことから、得られる樹脂粒子の安全性、安定性に優れる。なお、実質的に有機溶媒を含まないとは、以下の測定方法により測定されるポリマー中の有機溶媒の含有量が検出限界以下であることを意味する。
【0035】
−残留溶媒量の測定方法−
測定対象となる粒子1質量部に、2−プロパノール2質量部を加え、超音波で30分間分散させた後、冷蔵庫(5℃)にて1日間以上保存し、粒子中の溶媒を抽出する。上澄み液をガスクロマトグラフィー(GC−14A、株式会社島津製作所製)で分析し、粒子中の溶媒を測定することにより求めることができる。残留溶媒量の測定方法に使用する装置、及び条件は以下の通りである。
・装置:GC−14A(株式会社島津製作所製)
・カラム:CBP20−M50−0.25(株式会社島津製作所製)
・検出器:FID
・注入量:1〜5μL
・キャリアガス:He 2.5kg/cm

・水素流量:0.6
・空気流量:0.5
・チャートスピード:5mm/min
・感度:Range101×Atten20
・カラム温度:40℃
・Injection Temp:150℃
【0036】
樹脂粒子の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオール樹脂、ポリアミド樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。
【0037】
−用途−
本発明の樹脂粒子は、安全性、及び安定性に優れるため、例えば、日用品、医薬品、化粧品、電子写真用トナー等の用途として幅広く適用される。
本発明の樹脂粒子の用途としては、例えば、洗顔料、サンスクリーン剤、クレンジング剤、化粧水、乳液、美容液、クリーム、コールドクリーム、アフターシェービングローション、シェービングソープ、あぶらとり紙、マティフィアント剤などのスキンケア製品添加剤、ファンデーション、おしろい、水おしろい、マスカラ、フェイスパウダー、どうらん、眉墨、マスカラ、アイライン、アイシャドー、アイシャドーベース、ノーズシャドー、口紅、グロス、ほうべに、おはぐろ、マニキュア、トップコートなどの化粧品またはその改質剤、シャンプー、ドライシャンプー、コンディショナー、リンス、リンスインシャンプー、トリートメント、ヘアトニック、整髪料、髪油、ポマード、ヘアカラーリング剤などのヘアケア製品の添加剤、香水、オーデコロン、デオドラント、ベビーパウダー、歯磨き粉、洗口液、リップクリーム、石けんなどのアメニティ製品の添加剤、トナー用添加剤、塗料などのレオロジー改質剤、医療用診断検査剤、自動車材料、建築材料などの成形品への機械特性改良剤、フィルム、繊維などの機械特性改良材、ラピッドプロトタイピング、ラピッドマニュファクチャリングなどの樹脂成形体用原料、フラッシュ成形用材料、プラスティックゾル用ペーストレジン、粉ブロッキング材、粉体の流動性改良材、潤滑剤、ゴム配合剤、研磨剤、増粘剤、濾剤および濾過助剤、ゲル化剤、凝集剤、塗料用添加剤、吸油剤、離型剤、接着剤用充填剤、プラスティックフィルム・シートの滑り性向上剤、ブロッキング防止剤、光沢調節剤、つや消し仕上げ剤、光拡散剤、表面高硬度向上剤、靭性向上材等の各種改質剤、液晶表示装置用スペーサー、クロマトグラフィー用充填材、化粧品ファンデーション用基材・添加剤、マイクロカプセル用助剤、ドラッグデリバリーシステム・診断薬などの医療用材料、香料・農薬の保持剤、化学反応用触媒及びその担持体、ガス吸着剤、セラミック加工用焼結材、測定・分析用の標準粒子、食品工業分野用の粒子、粉体塗料用材料、電子写真現像用トナーなどが挙げられる。
【0038】
(コアシェル型粒子の製造方法及びコアシェル型粒子の製造装置)
本発明のコアシェル型粒子の製造方法は、樹脂を液化ハイドロフルオロオレフィンに溶解して樹脂溶液を得る溶解工程と、コア粒子と前記樹脂溶液を接触させて造粒する造粒工程と、を含み、さらに必要に応じてその他の工程を含む。
本発明のコアシェル型粒子の製造装置は、樹脂を液化ハイドロフルオロオレフィンに溶解して樹脂溶液を得る溶解手段と、コア粒子と前記樹脂溶液を接触させて造粒する造粒手段と、を有し、さらに必要に応じてその他の手段を有する。
【0039】
<溶解工程及び溶解手段>
溶解工程は、本発明の樹脂粒子の製造方法における溶解工程と同様の工程を用いることができるため、その説明を省略する。
溶解手段は、本発明の樹脂粒子の製造装置における溶解手段と同様の手段を用いることができるため、その説明を省略する。
【0040】
溶解工程及び溶解手段で得られた樹脂溶液は、本発明のシェル層として機能する。
【0041】
<造粒工程及び造粒手段>
造粒工程は、コア粒子と樹脂溶液とを接触させて造粒する造粒工程である。
造粒手段は、コア粒子と樹脂溶液とを接触させて造粒する造粒手段である。
【0042】
接触とは、コア粒子の表面に樹脂溶液が存在する状態を意味する。
【0043】
造粒工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂溶液とコア粒子とを混合した混合液を調製し、調整した混合液をノズルから噴射して造粒する方法、粒子浮遊手段を用いてコア粒子を浮遊させ、浮遊したコア粒子に樹脂溶液を噴射してコア粒子の表面を樹脂溶液でコーティングする方法などが挙げられる。また、この他にも、コア粒子を樹脂溶液に浸漬し、取り出して乾燥する方法や取り出さずにそのまま乾燥する方法でコーティングする方法などを用いてもよい。
【0044】
混合液及び樹脂溶液をノズルから噴射する方法としては、本発明の樹脂粒子の製造方法にて説明した方法と同様の方法を用いることができるため、説明を省略する。
【0045】
粒子浮遊手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、流動床式装置などが挙げられる。
【0046】
−コア粒子−
コア粒子は、溶解工程で得られた樹脂溶液により被覆される粒子であり、コアシェル型粒子におけるコアとして機能する。
【0047】
コア粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、非晶性樹脂、結晶性樹脂、顔料、及び離型剤を含有する樹脂粒子、多孔質粒子などが挙げられる。
【0048】
多孔質粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、タンパク質、リン酸カルシウム類、及び金属酸化物の少なくともいずれかであることが好ましい。
【0049】
タンパク質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、BMP(bone morphogenetic protein:骨再生促進因子)、EP4A(EP4 antagonist、プロスタグランディンE受容体4)、FGF−18(Fibroblast growth factor 18:線維芽細胞増殖因子18)、VEGF(vascular endothelial growth factor:血管内皮細胞増殖因子)、及びbFGF(basic fibroblast growth factor:塩基性線維芽細胞増殖因子)の少なくともいずれかであることが好ましい。
【0050】
リン酸カルシウム類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ハイドロキシアパタイト、α−リン酸三カルシウム、β−リン酸三カルシウム、リン酸四カルシウム、及びリン酸八カルシウムの少なくともいずれかであることが好ましい。
【0051】
金属酸化物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、シリカ、チタニア、ジルコニア、及びジンカイトの少なくともいずれかであることが好ましい。
【0052】
コア粒子の体積平均粒径(Dv)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1μm以上20.0μm以下が好ましく、0.5μm以上15.0μm以下がより好ましく、0.5μm以上10.0μm以下が特に好ましい。
体積平均粒径(Dv)は、例えば、マイクロトラックUPA−150(日機装株式会社製)を用いて測定できる。
【0053】
コア粒子のBET比表面積としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1m

/g以上100m

/g以下が好ましく、5m

/g以上50m

/g以下がより好ましく、10m

/g以上30m

/g以下が特に好ましい。
BET比表面積は、例えば、自動比表面積/細孔分布測定装置TriStar3000(株式会社島津製作所製)を用いて測定できる。
【0054】
コア粒子の平均孔径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20nm以上200nm以下が好ましく、50nm以上170nm以下がより好ましく、60nm以上150nm以下が特に好ましい。
コア粒子の孔径は、例えば、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いてコア粒子を観察し、得られた画像からコア粒子の細孔の孔径を測定することで求めることができる。
コア粒子の平均孔径は、100個の細孔の孔径を測定し、それらの平均値から求めることができる。
【0055】
樹脂溶液とコア粒子を混合した混合液を用いる場合、混合液におけるコア粒子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、樹脂に対して、1質量%以上80質量%以下が好ましく、3質量%以上50質量%以下がより好ましく、5質量%以上30質量%以下が特に好ましい。コア粒子の含有量が、1質量%未満であると、シェル層の厚みが不均一になることがあり、80質量%を超えると、コアシェル型粒子同士の接着が顕著になることがある。
【0056】
本発明のコアシェル型粒子の製造装置は、図1及び図3に示す構成とすることができる。図1に示す本発明の樹脂粒子の製造装置の一例と同様の構成とすることができるため、その説明を省略する。
図3に示す本発明のコアシェル型粒子の製造装置は、溶解手段10、造粒手段11を有している。
溶解手段10は、着脱式圧力タンク101を有しており、着脱式タンク101に樹脂溶液102が収容され、配管103によりバルブ104、ポンプ105、背圧弁106に接続している。樹脂溶液102は、着脱式タンク101に投入する原料の樹脂と液化ハイドロフルオロオレフィンを混合することにより得られる。着脱式タンク101には、スクリューなどの撹拌機構を設けていてもよい。
造粒手段11は、ノズル113、及び流動床式装置114、及び圧縮気体供給手段124を有しており、溶解手段10で得られた樹脂溶液102を、圧縮気体供給手段124の加圧空気によりノズル113から流動床式装置114に噴射し、流動床式装置114内に浮遊させたコア粒子表面をコーティングして造粒する。
【0057】
(コアシェル型粒子)
本発明のコアシェル型粒子は、樹脂を液化ハイドロフルオロオレフィンに溶解した樹脂溶液と、コア粒子とを混合して得られた混合液を、ノズルから噴射することによって得られる。コアシェル型粒子は、コア粒子の表面に樹脂を被覆している。コアシェル型粒子におけるコア粒子を被覆する樹脂をシェル層と称することもある。
【0058】
また、本発明のコアシェル型粒子は、シェル層に分子量変化の少ない樹脂を有する。分子量変化が少ないとは、製造時の影響による樹脂の分子鎖の切断が少ないことを意味する。
製造時の影響としては、特に制限はなく、例えば、加圧、加熱などが挙げられる。
本発明のコアシェル型粒子は、本発明のコアシェル型粒子の製造方法により好適に製造することができる。
【0059】
分子量変化としては、目的に応じて適宜選択することができるが、造粒後のコアシェル型粒子のシェル層の樹脂の重量平均分子量(Mw)を原料の樹脂の重量平均分子量(Mw)で除した値が、0.1未満である。
【0060】
コアシェル型粒子のシェル層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の樹脂粒子の製造方法で使用可能な樹脂と同様のものを用いることができる。
【0061】
また、本発明のコアシェル型粒子としては、その形状、大きさなどについては特に制限はなく、以下のような、体積平均粒径(Dv)、シェル層の平均厚み、BET比表面積、コアシェル型粒子のBET比表面積とコア粒子のBET比表面積との差、平均孔径、コアシェル型粒子の平均孔径とコア粒子の平均孔径との差などを有していることが好ましい。
【0062】
コアシェル型粒子の体積平均粒径(Dv)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1μm以上20.0μm以下が好ましく、0.5μm以上15.0μm以下がより好ましく、0.5μm以上10.0μm以下が特に好ましい。
体積平均粒径(Dv)は、例えば、マイクロトラックUPA−150(日機装株式会社製)を用いて測定できる。
【0063】
コアシェル型粒子におけるシェル層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10nm以上3μm以下が好ましく、50nm以上2μm以下がより好ましく、100nm以上1μm以下が特に好ましい。平均厚みが、10nm未満であると、シェル層が削れてしまうことがあり、3μmを超えると均一な厚みのシェル層の形成が困難になる恐れがある。平均厚みが、特に好ましい範囲内であると、均一な厚みのシェル層が形成しやすいため、例えば、得られるコアシェル型粒子をDDS(ドラッグデリバリーシステム)に用いる場合、安定した徐放性が確保することができるという点で有利である。
コアシェル型粒子におけるシェル層の平均厚みは、走査型電子顕微鏡によるコアシェル型粒子の断面観察により得られた画像から定規を使って測定できる。
平均厚みは、シェル層の厚みを100箇所測定し、それらの平均値から求めることができる。
【0064】
コアシェル型粒子のBET比表面積としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1m

/g以上100m

/g以下が好ましく、5m

/g以上50m

/g以下がより好ましく、10m

/g以上30m

/g以下が特に好ましい。
BET比表面積は、例えば、自動比表面積/細孔分布測定装置TriStar3000(株式会社島津製作所製)を用いて測定できる。
【0065】
コアシェル型粒子のBET比表面積とコア粒子のBET比表面積との差としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、絶対値で、1.5m

/g以下が好ましく、1.0m

/g以下がより好ましく、0.5m

/g以下が特に好ましい。差が、絶対値で、1.5m

/gを超えると、均一な厚みのシェル層が形成しにくいため、例えば、得られるコアシェル型粒子をDDS(ドラッグデリバリーシステム)に用いる場合、安定した徐放性が確保することができなくなる恐れがある。一方で、差が、絶対値で、特に好ましい範囲内であれば、そのような安定性が確保できるという点で有利である。
【0066】
コアシェル型粒子の平均孔径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10nm以上200nm以下が好ましく、20nm以上130nm以下がより好ましく、40nm以上100nm以下が特に好ましい。
孔径及び平均孔径は、コア粒子の孔径及び平均孔径と同様にして求めることができる。
【0067】
コアシェル型粒子の平均孔径と、コア粒子の平均孔径との差としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、絶対値で、100nm以下が好ましく、80nm以下がより好ましく、50nm以下が特に好ましい。差が、絶対値で、100nmを超えると、均一な厚みのシェル層が形成しにくいため、例えば、得られるコアシェル型粒子をDDS(ドラッグデリバリーシステム)に用いる場合、安定した徐放性が確保することができなくなる恐れがある。一方で、差が、絶対値で、特に好ましい範囲内であれば、そのような安定性が確保できるという点で有利である。
【0068】
−用途−
本発明のコアシェル型粒子は、本発明の樹脂粒子と同様の用途に用いることができるため、その説明を省略する。
【0069】
(樹脂組成物)
本発明の樹脂組成物は、液化ハイドロフルオロオレフィンと、ブチルメタクリレート/メチルメタクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、エチルアクリレート/メチルメタクリレート/塩化トリメチルアンモニウムエチルメタクリレート共重合体、ポリメタクリル酸メチル、及びポリ乳酸樹脂の少なくともいずれかと、を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
【0070】
液化ハイドロフルオロオレフィンとしては、本発明の樹脂粒子の製造方法、及び本発明の樹脂粒子と同様のものを使用することができる。
【0071】
ブチルメタクリレート/メチルメタクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、オイドラギットE100(エボニック社製)などが挙げられる。
【0072】
エチルアクリレート/メチルメタクリレート/塩化トリメチルアンモニウムエチルメタクリレート共重合体としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、オイドラギットRS100(エボニック社製)などが挙げられる。
【0073】
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、保存安定化材などが挙げられる。
【実施例】
【0074】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0075】
(実施例1)
アクリル樹脂(商品名:オイドラギットE100、エボニック社製、ブチルメタクリレート/メチルメタクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合体)10質量部、ハイドロフルオロオレフィンガス(商品名:HFO−1233zd(E)、セントラル硝子株式会社製、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン)90質量部を容器に採り、0.1MPa、室温(17℃)で均一溶解させ、樹脂溶液1を得た。得られた樹脂溶液1を、図1に示す樹脂粒子の製造装置1(ノズル穴径0.2mm)を用いて連続的に噴射して、樹脂粒子1を得た。
【0076】
(実施例2)
アクリル樹脂(商品名:オイドラギットRS100、エボニック社製、エチルアクリレート/メチルメタクリレート/塩化トリメチルアンモニウムエチルメタクリレートの共重合体)5質量部、ハイドロフルオロオレフィンガス(商品名:HFO−1233zd(E)、セントラル硝子株式会社製、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン)95質量部を容器に採り、0.1MPa、室温(17℃)で均一溶解させ、樹脂溶液2を得た。得られた樹脂溶液2を、図1に示す樹脂粒子の製造装置1(ノズル穴径0.3mm)を用いて連続的に噴射して、樹脂粒子2を得た。
【0077】
(実施例3)
アクリル樹脂(商品名:EH−1000DP、株式会社クラレ製、ポリメタクリル酸メチル)5質量部、ハイドロフルオロオレフィンガス(商品名:HFO−1233zd(E)、セントラル硝子株式会社製、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン)93質量部を容器に採り、0.1MPa、室温(17℃)で均一溶解させ、樹脂溶液3を得た。得られた樹脂溶液3を、図1に示す樹脂粒子の製造装置1(ノズル穴径0.7mm)を用いて連続的に噴射して、樹脂粒子3を得た。
【0078】
(実施例4)
ポリ乳酸樹脂(商品名:BE−410、東洋紡株式会社製)3質量部、ハイドロフルオロオレフィンガス(商品名:HFO−1233zd(E)、セントラル硝子株式会社製、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン)97質量部を容器に採り、0.1MPa、室温(17℃)で均一溶解させ、樹脂溶液4を得た。得られた樹脂溶液4を、図1に示す樹脂粒子の製造装置1(ノズル穴径0.5mm)を用いて連続的に噴射して、樹脂粒子4を得た。
【0079】
(実施例5)
アクリル樹脂(商品名:オイドラギットRS100、エボニック社製、エチルアクリレート/メチルメタクリレート/塩化トリメチルアンモニウムエチルメタクリレートの共重合体)5質量部、ハイドロフルオロオレフィンガス(商品名:HFO−1233zd(E)、セントラル硝子株式会社製、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン)95質量部を容器に採り、0.1MPa、室温(17℃)で均一溶解させ、これにコア粒子としてリン酸カルシウム(製品名:球形HAP、太平化学産業株式会社製、平均粒径15〜20μm)5質量部を添加し、樹脂溶液5を得た。得られた樹脂溶液5を、図1に示す樹脂粒子の製造装置1(ノズル穴径0.5mm)を用いて連続的に噴射して、樹脂粒子5を得た。
【0080】
(実施例6)
アクリル樹脂(商品名:オイドラギットE100、エボニック社製、ブチルメタクリレート/メチルメタクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合体)15質量部、ハイドロフルオロオレフィンガス(商品名:HFO−1233zd(E)、セントラル硝子株式会社製、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン)85質量部を容器に採り、0.1MPa、室温(17℃)で均一溶解させ、樹脂溶液6を得た。次にコア粒子としてリン酸カルシウム(製品名:球形HAP、太平化学産業株式会社製、平均粒径15〜20μm)10質量部を図3に示す流動床式装置を用いて浮遊させ、流動床式装置内の温度を室温に制御し、これに樹脂溶液6を連続的に噴射(ノズル穴径0.7mm)して、樹脂粒子6を得た。
【0081】
(比較例1)
ポリ乳酸樹脂(商品名:BE−410、東洋紡株式会社製)91質量部を、図2の樹脂粒子の製造装置2(ノズル穴径:0.2mm)の高圧セル224に投入し、超臨界二酸化炭素を180℃、40MPaで含浸させ、固形分濃度が91%の樹脂溶融体7を調製した。次に、バルブ213dを開き、ポンプ212aとポンプ212cを作動させ、樹脂溶融体7をノズル232より噴射して、樹脂粒子7を得た。このとき、ポンプ212bと背圧弁213dを調製することにより高圧セル214内は、温度180℃、圧力40MPaを一定に維持した。
【0082】
(比較例2〜4)
比較例1において、使用する樹脂を表1に記載のものに変更した以外は、比較例1と同様にして、樹脂粒子8〜10を得た。
【0083】
(比較例5)
実施例4において、ハイドロフルオロオレフィンを酢酸エチルに変更した以外は、実施例4と同様にして、樹脂粒子11を得た。
【0084】
(比較例6〜8)
比較例5において、使用する樹脂を表1に記載のものに変更した以外は、比較例5と同様にして、樹脂粒子12〜14を得た。
【0085】
(比較例9)
実施例1において、ハイドロフルオロオレフィンをエタノールに変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂粒子15を得た。
【0086】
【0087】
次に、実施例1〜6及び比較例1〜9で得られた樹脂粒子1〜15において、以下のようにして、「着色の有無」、「分子量変化[Mw(造粒後)/Mw(造粒前)]」、及び「残留有機溶媒量」を評価及び測定した。結果を表2に示す。
【0088】
(着色の有無)
造粒前の樹脂と造粒後の樹脂粒子を目視で確認し、着色の有無を以下の評価基準で評価した。
【0089】
[評価基準]
○:造粒前と比較して着色がない
△:造粒前と比較して僅かな着色がある
×:造粒前と比較して着色がある
【0090】
(重量平均分子量変化[Mw(造粒後)/Mw(造粒前)])
原料樹脂及び造粒後の樹脂粒子の重量平均分子量をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により以下の条件で測定した。
・装置:GPC−8020(東ソー株式会社製)
・カラム:TSK G2000HXL及びG4000HXL(東ソー株式会社製)
・温度:40℃
・溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
・流速:1.0mL/分
濃度0.5質量%のポリマーを1mL注入し、上記の条件で測定したポリマーの分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して、造粒前の原料樹脂及び造粒後の樹脂粒子の重量平均分子量Mwを算出した。算出した重量平均分子量Mwを以下の評価基準で評価した。
【0091】
[評価基準]
○:重量平均分子量変化[Mw(造粒後)/Mw(造粒前)]≧0.9
×:重量平均分子量変化[Mw(造粒後)/Mw(造粒前)]<0.9
【0092】
(残留有機溶媒量)
測定対象となる樹脂粒子1質量部に、2−プロパノール2質量部を加え、超音波で30分間分散させた後、冷蔵庫(5℃)にて1日間以上保存し、樹脂粒子中の有機溶媒を抽出する。上澄み液をガスクロマトグラフィー(GC−14A、株式会社島津製作所製)で分析し、樹脂粒子中の有機溶媒を定量することにより、残留有機溶媒量を測定する。かかる分析時の測定条件は、以下の通りである。残留有機溶媒量を以下の評価基準で評価した。
・装置 :島津GC−14A
・カラム :CBP20−M 50−0.25
・検出器 :FID
・注入量 :1μL〜5μL
・キャリアガス :He 2.5kg/cm

・水素流量 :0.6kg/cm

・空気流量 :0.5kg/cm

・チャートスピード:5mm/min
・感度 :Range101×Atten20
・カラム温度 :40℃
・Injection Temp :150℃
【0093】
[評価基準]
○:残留有機溶媒量が検出下限以下(N.D.)
△:残留有機溶媒量が検出下限(N.D.)以上、1000ppm未満
×:残留有機溶媒量が1000ppm以上
【0094】
(総合評価)
上記の各評価において、下記の評価基準に基づき総合評価を行った。結果を表2に示す。
【0095】
[評価基準]
○:すべて○であった場合
△:×がなく△があった場合
×:×が1つ以上あった場合
【0096】
【0097】
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 樹脂を液化ハイドロフルオロオレフィンに溶解して樹脂溶液を得る溶解工程と、
前記樹脂溶液をノズルから噴射して造粒する造粒工程と、
を含むことを特徴とする樹脂粒子の製造方法である。
<2> 前記液化ハイドロフルオロオレフィンが、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンである前記<1>に記載の樹脂粒子の製造方法である。
<3> 前記樹脂が、アクリル樹脂及び生分解性樹脂の少なくともいずれかである前記<1>から<2>のいずれかに記載の樹脂粒子の製造方法である。
<4> 前記アクリル樹脂が、ブチルメタクリレート/メチルメタクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、エチルアクリレート/メチルメタクリレート/塩化トリメチルアンモニウムエチルメタクリレート共重合体、及びポリメタクリル酸メチルの少なくともいずれかである前記<3>に記載の樹脂粒子の製造方法である。
<5> 前記生分解性樹脂が、ポリ乳酸樹脂である前記<3>に記載の樹脂粒子の製造方法である。
<6> 樹脂を液化ハイドロフルオロオレフィンに溶解して樹脂溶液を得る溶解手段と、
前記樹脂溶液をノズルから噴射して造粒する造粒手段と、
を有することを特徴とする樹脂粒子の製造装置である。
<7> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の樹脂粒子の製造方法により得られ、分子量変化が0.1未満であり、残留有機溶媒を実質的に含有しないことを特徴とする樹脂粒子である。
<8> 樹脂を液化ハイドロフルオロオレフィンに溶解して樹脂溶液を得る溶解工程と、
コア粒子と前記樹脂溶液とを接触させて造粒する造粒工程と、
を含むことを特徴とするコアシェル型粒子の製造方法である。
<9> 樹脂を液化ハイドロフルオロオレフィンに溶解して樹脂溶液を得る溶解手段と、
コア粒子と前記樹脂溶液とを接触させて造粒する造粒手段と、
を有することを特徴とするコアシェル型粒子の製造装置である。
<10> 前記<8>に記載のコアシェル型粒子の製造方法により得られ、シェルに分子量変化が0.1未満であり、残留有機溶媒を実質的に含有しない樹脂を有することを特徴とするコアシェル型粒子である。
<11> 液化ハイドロフルオロオレフィンと、
ブチルメタクリレート/メチルメタクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、エチルアクリレート/メチルメタクリレート/塩化トリメチルアンモニウムエチルメタクリレート共重合体、ポリメタクリル酸メチル、及びポリ乳酸樹脂の少なくともいずれかと、
を含有することを特徴とする樹脂組成物である。
【0098】
前記<1>から<5>のいずれかに記載の樹脂粒子の製造方法、前記<6>に記載の樹脂粒子の製造装置、前記<7>に記載の樹脂粒子、前記<8>に記載のコアシェル型粒子の製造方法、前記<9>に記載のコアシェル型粒子の製造装置、前記<10>に記載のコアシェル型粒子、前記<11>に記載の樹脂組成物によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0099】
特開2013−216847号公報
【符号の説明】
【0100】
1、2 樹脂粒子の製造装置
10 溶解手段
11 造粒手段

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