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公開番号2019162900
公報種別公開特許公報(A)
公開日20190926
出願番号2018050726
出願日20180319
発明の名称車体後部構造
出願人本田技研工業株式会社
代理人特許業務法人磯野国際特許商標事務所
主分類B62D 21/00 20060101AFI20190830BHJP(鉄道以外の路面車両)
要約【課題】オフセット後突時に非衝突側のリアサイドフレームに衝突荷重を伝達することができる車体後部構造を提供する。
【解決手段】車体後部構造Sは、前後方向に延在する左右一対のリアサイドフレーム1,1と、一対のリアサイドフレーム1,1同士の間に設けられるバッテリ2と、バッテリ2を支持する支持部材3と、を備えている。支持部材3は、リアサイドフレーム1に沿って前後方向に延びるとともに、リアサイドフレーム1に対して車幅方向に並んでかつ車幅方向内側に配置されている。
【選択図】図2
特許請求の範囲約 1,200 文字を表示【請求項1】
前後方向に延在する左右一対のリアサイドフレームと、
一対の前記リアサイドフレーム同士の間に設けられる車載部品と、
前記車載部品を支持する支持部材と、
を備え、
前記支持部材は、前記リアサイドフレームに沿って前後方向に延びるとともに、前記リアサイドフレームに対して車幅方向に並んでかつ車幅方向内側に配置されていることを特徴とする車体後部構造。
【請求項2】
前記支持部材は、前記リアサイドフレームに沿って前後方向かつ上下方向に延びる縦壁を備えており、
前記縦壁は、前記リアサイドフレームの車幅方向内側面に車幅方向から取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の車体後部構造。
【請求項3】
前記支持部材は、前記縦壁から車幅方向内側へ延びる横壁を備えており、
前記車載部品は、前記横壁に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の車体後部構造。
【請求項4】
前記車載部品は、バッテリ本体と、前記バッテリ本体を収容するアッパケース及びロアケースと、を備えており、
前記アッパケース及び前記ロアケースは、車幅方向に延びるケースフランジをそれぞれ備えるとともに、当該ケースフランジ同士で互いに結合されており、
前記ケースフランジは、前記横壁に取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の車体後部構造。
【請求項5】
前記ケースフランジは、前記縦壁と車幅方向に並んで配置されていることを特徴とする請求項4に記載の車体後部構造。
【請求項6】
前記リアサイドフレームは、前記車載部品と車幅方向で並んで配置される保護部と、前記保護部の後端部から後方へ延びるとともに、前後方向の衝突荷重に対して前記保護部よりも圧縮強度が低い後延部と、を備えており、
前記支持部材の後端部は、前記保護部の後端部と車幅方向に並んで配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の車体後部構造。
【請求項7】
前記車載部品は、車幅方向一方から他方に荷重を伝達する荷重伝達手段を備えており、
前記荷重伝達手段は、前記リアサイドフレームと車幅方向に並んで配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の車体後部構造。
【請求項8】
前後方向に延在する左右一対のリアサイドフレームと、
一対の前記リアサイドフレーム同士の間に設けられる車載部品と、
を備え、
前記車載部品は、車幅方向一方から他方に荷重を伝達する荷重伝達手段を備えており、
前記荷重伝達手段は、前記リアサイドフレームと車幅方向に並んで配置されていることを特徴とする車体後部構造。

発明の詳細な説明約 14,000 文字を表示【技術分野】
【0001】
本発明は、車体後部構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の車体後部構造として、前後方向に延在する左右一対のリアサイドフレームと、一対のリアサイドフレーム同士の間に設けられるバッテリと、リアサイドフレームの下方においてバッテリの周囲を覆う支持枠と、を備えているものがある(特許文献1参照)。支持枠は、上下方向に延びる連結部によりリアサイドフレームに下方から連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013−199196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
当該車体後部構造では、リアサイドフレームと支持枠とが上下方向でずれているため、オフセット後突時に一方のリアサイドフレーム側に片寄って衝突荷重が入力されると、支持枠が鉛直軸周りに回転してしまい、支持枠を通じて他方のリアサイドフレームに衝突荷重を伝達することが困難であった。
【0005】
このような観点から、本発明は、オフセット後突時に非衝突側のリアサイドフレームに衝突荷重を伝達することができる車体後部構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため本発明に係る車体後部構造は、前後方向に延在する左右一対のリアサイドフレームと、一対の前記リアサイドフレーム同士の間に設けられる車載部品と、前記車載部品を支持する支持部材と、を備えている。前記支持部材は、前記リアサイドフレームに沿って前後方向に延びるとともに、前記リアサイドフレームに対して車幅方向に並んでかつ車幅方向内側に配置されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る車体後部構造によれば、オフセット後突時に非衝突側のリアサイドフレームに衝突荷重を伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施形態に係る車体後部構造を示す底面図である。
図1のII−II断面図である。
図1のIII−III断面図である。
図1のIV−IV断面図である。
図1の部分拡大図であって、保護部と後延部との境界付近を示す底面図である。
実施形態に係る車体後部構造の作用を模式的に示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図中に矢印で示される、「前後」及び「上下」は、車体前後方向及び車体上下方向を示し、「左右」は、運転席から見た左右方向(車幅方向)をそれぞれ示している。本実施形態の車体後部構造Sは、車体の左右方向(車幅方向)の中央部を境にして左右対称な構造である。
【0010】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る車両の車体後部構造Sは、左右一対のリアサイドフレーム1,1と、バッテリ2と、左右一対の支持部材3,3と、を主に備えている。バッテリ2の前後両側には、左右のリアサイドフレーム1,1を繋ぐように車幅方向に延在するクロスメンバ4,4が配置されている。実施形態の車両は、図示せぬ電気モータを動力源として走行する電気自動車やハイブリッド自動車等である。
【0011】
<リアサイドフレーム>
リアサイドフレーム1は、前後方向に延在する金属製の構造部材である。図2に示すように、リアサイドフレーム1は、矩形状の閉断面を呈する中空構造に形成されている。リアサイドフレーム1は、リアサイドロア11と、リアサイドアッパ12と、を備えている。
【0012】
リアサイドロア11は、下側に位置しており、リアサイドフレーム1の下壁部と内壁部と外壁部を構成する板状部材である。リアサイドロア11は、断面視で上側に開口する略ハット状を呈する。リアサイドロア11は、ロア下壁部11aと、ロア内壁部11bと、ロア内フランジ11cと、ロア外壁部11dと、ロア外フランジ11eと、を一体的に備えている。
【0013】
ロア下壁部11aは、リアサイドフレーム1の下壁部を構成する部位であって、車幅方向及び前後方向に延在している。
【0014】
ロア内壁部11bは、リアサイドフレーム1の内壁部を構成する部位であって、上下方向及び前後方向に延在している。ロア内壁部11bは、ロア下壁部11aの車幅方向内側端部から上方へ延設されている。ロア内壁部11bには、ボルトBが挿通される貫通孔11fが車幅方向に貫通している。
【0015】
ロア内フランジ11cは、ロア内壁部11bの上端部から車幅方向内側へ延設されており、車幅方向及び前後方向に延在している。
【0016】
ロア外壁部11dは、リアサイドフレーム1の外壁部を構成する部位であって、上下方向及び前後方向に延在している。ロア外壁部11dは、ロア下壁部11aの車幅方向外側端部から上方へ延設されている。
【0017】
ロア外フランジ11eは、ロア外壁部11dの上端部から車幅方向外側へ延設されており、車幅方向及び前後方向に延在している。なお、ロア外フランジ11eは、リアサイドロア11の後部に形成されており、リアサイドロア11の前部には形成されていない(図3及び図4参照)。
【0018】
リアサイドアッパ12は、リアサイドロア11に対して上側に位置しており、リアサイドフレーム1の上壁部と内壁部を構成する板状部材である。リアサイドアッパ12は、リアサイドロア11の上端開口を塞いでいる。リアサイドアッパ12は、断面視で略クランク形状を呈する。リアサイドアッパ12は、アッパ上壁部12aと、アッパ内壁部12bと、アッパ内フランジ12cと、を一体的に備えている。
【0019】
アッパ上壁部12aは、リアサイドフレーム1の上壁部を構成する部位であって、車幅方向及び前後方向に延在している。なお、アッパ上壁部12aの車幅方向外側において後部は、ロア外フランジ11eと溶接等によって固定されている。アッパ上壁部12aの車幅方向外側において前部は、上方へ屈曲しており、ロア外壁部11dと溶接等によって固定されている(図3及び図4参照)。
【0020】
アッパ内壁部12bは、ロア内壁部11bと協働してリアサイドフレーム1の内壁部を構成する部位であって、上下方向及び前後方向に延在している。アッパ内壁部12bは、アッパ上壁部12aの車幅方向内側端部から下方へ延設されている。
【0021】
アッパ内フランジ12cは、アッパ内壁部12bの下端部から車幅方向内側へ延設されており、車幅方向及び前後方向に延在している。アッパ内フランジ12cは、リアフロアパネル5の縁部を間に挟んでロア内フランジ11cと溶接等によって固定されている。
【0022】
図1に示すリアサイドフレーム1は、前側に位置する保護部1aと、保護部1aの後側に位置する後延部1bと、を備えている。なお、符号1cは、保護部1aと後延部1bとの境界、換言すると、保護部1aの後端部であってかつ後延部1bの前端部を示している。
【0023】
保護部1aは、バッテリ2と車幅方向で並んで配置されており、前後方向の衝突荷重に対する圧縮強度が高い部位である。後延部1bは、保護部1aの後端部から後方へ延びるとともに、前後方向の衝突荷重に対する圧縮強度が保護部1aよりも低い部位である。保護部1aと後延部1bは、例えば、リブ等の補強手段、貫通孔、板厚、材料の選択等によって強度の強弱がつけられている。
【0024】
図3に示すリアサイドフレーム1の前部には、保護部1aを補強するための第一補強部材13及び第二補強部材14が付設されている。
【0025】
第一補強部材13は、リアサイドロア11とリアサイドアッパ12とで構成される閉断面内に設置される金属製の板状部材である。第一補強部材13は、断面視で上側に開口する略コ字状を呈する。第一補強部材13は、第一下壁部13aと、第一内壁部13bと、第一外壁部13cと、を一体的に備えている。
【0026】
第一下壁部13aは、第一補強部材13の下壁部を構成する部位であって、車幅方向及び前後方向に延在している。第一下壁部13aは、ロア下壁部11aに対して上方に配置されている。第一下壁部13aの車幅方向の略中間部には、上側に突出するビード13dが形成されている。ビード13dは、断面視で円弧状を呈する。
【0027】
第一内壁部13bは、第一補強部材13の内壁部を構成する部位であって、上下方向及び前後方向に延在している。第一内壁部13bは、第一下壁部13aの車幅方向内側端部から上方へ延設されており、ロア内壁部11bと重ね合わされている。第一内壁部13bには、ボルトBが挿通される貫通孔13eが車幅方向に貫通している。貫通孔13eの車幅方向外側の縁部には、ナットNが溶接によって接合されている。
【0028】
第一外壁部13cは、第一補強部材13の外壁部を構成する部位であって、上下方向及び前後方向に延在している。第一外壁部13cは、第一下壁部13aの車幅方向外側端部から上方へ延設されており、ロア外壁部11dと溶接等によって固定されている。
【0029】
第二補強部材14は、リアサイドロア11の下側から左右両側にかけて設置される金属製の板状部材である。第二補強部材14は、断面視で上側に開口する略コ字状を呈する。第二補強部材14は、第二下壁部14aと、第二内壁部14bと、第二外壁部14cと、を一体的に備えている。
【0030】
第二下壁部14aは、第二補強部材14の下壁部を構成する部位であって、車幅方向及び前後方向に延在している。第二下壁部14aは、ロア下壁部11aに対して下方に配置されている。
【0031】
第二内壁部14bは、第二補強部材14の内壁部を構成する部位であって、上下方向及び前後方向に延在している。第二内壁部14bは、第二下壁部14aの車幅方向内側端部から上方へ延設されており、ロア内壁部11bと重ね合わされている。第二内壁部14bには、ボルトBが挿通される貫通孔14dが車幅方向に貫通している。
【0032】
第二外壁部14cは、第二補強部材14の外壁部を構成する部位であって、上下方向及び前後方向に延在している。第二外壁部14cは、第二下壁部14aの車幅方向外側端部から上方へ延設されており、ロア外壁部11d及び第一外壁部13cと溶接等によって固定されている。
【0033】
<バッテリ>
バッテリ2は、一対のリアサイドフレーム1,1同士の間に設けられる車載部品である。図2に示すバッテリ2は、動力源に電力を供給するバッテリ本体21と、バッテリ本体21を収容するアッパケース22及びロアケース23と、を備えている。なお、図2では、バッテリ本体21を二点鎖線で模式的に示している。
【0034】
ロアケース23は、樹脂製又は金属製の部材である。ロアケース23は、後部が上側に開口する凹状であって(図2参照)、前部が略水平板状を呈する(図3及び図4参照)。バッテリ本体21は、ロアケース23の後部の凹部内に配置される。アッパケース22は、下側に開口する凹状の樹脂製又は金属製の部材である。アッパケース22は、ロアケース23の上端に取り付けられている。図4に示すように、アッパケース22及びロアケース23は、車幅方向に延びるケースフランジ22a,23aをそれぞれ備えている。ケースフランジ22a,23aには、ボルトBが挿通される貫通孔22b,23bが上下方向に貫通している。アッパケース22及びロアケース23は、ケースフランジ22a,23a同士でボルトBによって互いに結合されている。
【0035】
図1に示すように、バッテリ2は、荷重伝達手段24と横骨部材25とを備えている。荷重伝達手段24は、車幅方向一方から他方に荷重を伝達する手段である。荷重伝達手段24は、ロアケース23の下面の前側において、車幅方向に延在している。荷重伝達手段24は、バッテリ2の前後方向の中心よりも前側に配置されている。荷重伝達手段24の数は特に制限されないが、本実施形態では前後方向に互いに離間して二つ設けられている。荷重伝達手段24の構成は荷重を伝達可能であれば特に制限されないが、図4に示す本実施形態ではロアケース23とは別体のビームである。当該ビームの材質や形状等は特に制限されないが、本実施形態では四角筒状のアルミニウム合金製の押出形材で形成されている。
【0036】
荷重伝達手段24及びケースフランジ22a,23aは、リアサイドフレーム1(リアサイドロア11)と上下方向で同じ位置、換言すると、車幅方向に沿う断面視でリアサイドフレーム1と車幅方向に並んで配置されている。荷重伝達手段24及びケースフランジ22a,23aは、後記する支持部材3の縦壁3aと上下方向で同じ位置、換言すると、車幅方向に沿う断面視で縦壁3aと車幅方向に並んで配置されている。荷重伝達手段24及びケースフランジ22a,23aは、車幅方向において縦壁3aと隙間を空けて配置されている。荷重伝達手段24及びケースフランジ22a,23aは、縦壁3aを間に挟んでリアサイドフレーム1と対向している。荷重伝達手段24及びケースフランジ22a,23aは、後記する支持部材3の横壁3bに対して下方に配置されている。荷重伝達手段24には、ボルトBが挿通される貫通部24aが上下方向に貫通している。貫通部24aは、荷重伝達手段24の上下壁に形成された貫通孔と、上下の貫通孔を連通するカラーとで構成される。なお、荷重伝達手段24は、ロアケース23と一体的に設けた車幅方向に延びるリブ等でもよい。
【0037】
横骨部材25は、ロアケース23の下面の後側において、車幅方向に延在している。横骨部材25は、バッテリ2の前後方向の中心よりも後側に配置されている。横骨部材25の数は特に制限されないが、本実施形態では一つ設けられている。横骨部材25の構成は特に制限されないが、本実施形態では荷重伝達手段24と同様の構成からなる。
【0038】
<支持部材>
図3及び図4に示すように、支持部材3は、リアサイドフレーム1とバッテリ2との間において前後方向に延設されている金属製の部材である。支持部材3は、リアサイドフレーム1に沿って前後方向に延びるとともに、リアサイドフレーム1に対して車幅方向に並んでかつ車幅方向内側に配置されている。支持部材3は、車幅方向から見たときにリアサイドフレーム1とラップする位置、換言すると、リアサイドフレーム1の車幅方向内側においてリアサイドフレーム1と上下方向で同じ位置に配置されている。支持部材3は、リアサイドフレーム1に対してバッテリ2を吊り下げ支持している。支持部材3は、リアフロアパネル5によって上側から覆われている。支持部材3の後端部3cは、保護部1aの後端部1cと車幅方向に並んで配置されている(図5参照)。支持部材3は、例えば複数の鋼板を組み合わせることによって、L字形状の閉断面を呈する中空構造に形成されている。支持部材3は、第一支持部材31と、第二支持部材32と、を備えている。
【0039】
第一支持部材31は、支持部材3の縦壁及び横壁を構成する金属製の板状部材である。第一支持部材31は、第一縦壁31aと、第一横壁31bと、第一フランジ31c,31dと、を一体的に備えている。
【0040】
第一縦壁31aは、支持部材3の縦壁の内側を構成する部位であって、上下方向及び前後方向に延在している。図3に示す第一縦壁31aには、貫通孔31eが車幅方向に貫通している。
【0041】
第一横壁31bは、支持部材3の横壁の下側を構成する部位であって、車幅方向及び前後方向に延在している。第一横壁31bは、第一縦壁31aの上端部から車幅方向内側へ延設されている。第一支持部材31は、第一縦壁31aと第一横壁31bとで構成される略L字形状の部位を有する。図4に示す第一横壁31bには、貫通孔31fが上下方向に貫通している。
【0042】
第一フランジ31cは、第一横壁31bの車幅方向内側端部から上方へ延設されており、上下方向及び前後方向に延在している。
第一フランジ31dは、第一縦壁31aの下端部から車幅方向外側へ延設されており、車幅方向及び前後方向に延在している。
【0043】
第二支持部材32は、支持部材3の縦壁及び横壁を構成する金属製の板状部材である。第二支持部材32は、第二縦壁32aと、第二横壁32bと、第二フランジ32c,32dと、を一体的に備えている。
【0044】
第二縦壁32aは、支持部材3の縦壁の外側を構成する部位であって、上下方向及び前後方向に延在している。第二縦壁32aは、第一縦壁31aに対して車幅方向外側に離間しており、第一縦壁31aの上端部よりも上側に延びている。第一縦壁31a及び第二縦壁32aは、リアサイドフレーム1に沿って上下方向かつ前後方向に延びる縦壁3aを構成している。縦壁3aは、車幅方向において、リアサイドフレーム1とバッテリ2との間に配置されている。図3に示す第二縦壁32aには、貫通孔32eが車幅方向に貫通している。当該貫通孔32eと第一縦壁31aの貫通孔31e内には、フランジ付のカラー33が設置されている。縦壁3aは、カラー33を介して間接的又は直にリアサイドフレーム1の車幅方向内側面に面接触している(図4も併せて参照)。
【0045】
第二横壁32bは、支持部材3の横壁の上側を構成する部位であって、車幅方向及び前後方向に延在している。第二横壁32bは、第二縦壁32aの上端部から車幅方向内側へ延設されている。第二支持部材32は、第二縦壁32aと第二横壁32bとで構成される略L字形状の部位を有する。第二横壁32bは、第一横壁31bに対して上方に離間している。第一横壁31b及び第二横壁32bは、リアサイドフレーム1に沿って車幅方向かつ前後方向に延びる横壁3bを構成している。図4に示すように、横壁3bは、バッテリ2のケースフランジ22a,23a及び荷重伝達手段24に対して上方に配置されている。第二横壁32bには、貫通孔32fが上下方向に貫通している。当該貫通孔32fと第一横壁31bの貫通孔31f内には、フランジ付のナットNが設置されている。
【0046】
第二フランジ32cは、第二横壁32bの車幅方向内側端部から上方へ延設されており、上下方向及び前後方向に延在している。第二フランジ32cは、第一フランジ31cと重ね合わされており、溶接等によって固定されている。
第二フランジ32dは、第二縦壁32aの下端部から車幅方向内側へ延設されており、車幅方向及び前後方向に延在している。第二フランジ32dは、第一フランジ31dと重ね合わされており、溶接等によって固定されている。
【0047】
次に、支持部材3、リアサイドフレーム1及びバッテリ2の取付構造について詳細に説明する。
図2及び図3に示すように、支持部材3の縦壁3aは、リアサイドフレーム1のロア内壁部11bに車幅方向から取り付けられている。詳しくは、図2に示す縦壁3aの後部は、ロア内壁部11bに対して、車幅方向内側からのボルトBによって互いに結合されている。すなわち、ボルトBがカラー33及び貫通孔11fに車幅方向内側から挿通されナットNに螺合することで、支持部材3とリアサイドフレーム1とが締結固定されている。また、図3に示す縦壁3aの前部は、ロア内壁部11bと第二内壁部14bと第一内壁部13bに対して、車幅方向内側からのボルトBによって互いに結合されている。すなわち、ボルトBがカラー33及び貫通孔14d,11f,13eに車幅方向内側から挿通されナットNに螺合することで、支持部材3とリアサイドフレーム1とが締結固定されている。支持部材3とリアサイドフレーム1とを締結固定するボルトBを以下「第1ボルトB1」とも称する。
【0048】
図1に示すように、第1ボルトB1による結合部は、前後方向に互いに間隔を空けて複数形成されている。第1ボルトB1は、前後方向から見たときに荷重伝達手段24とラップする位置、換言すると、荷重伝達手段24の前方又は後方において荷重伝達手段24と上下方向及び車幅方向で同じ位置に配置されている。また、第1ボルトB1は、前後方向から見たときに横骨部材25とラップする位置、換言すると、横骨部材25の前方又は後方において横骨部材25と上下方向及び車幅方向で同じ位置に配置されている。第1ボルトB1は、後突時に荷重伝達手段24や横骨部材25と当接することで、リアサイドフレーム1に入力された衝突荷重を荷重伝達手段24や横骨部材25に伝達するとともに、バッテリ2の回転及び前後移動を抑制するストッパーとしての役割を果たす。本実施形態では、第1ボルトB1の頭部(一部)が荷重伝達手段24や横骨部材25の車幅方向の端部側とラップしているが(図2乃至図4を併せて参照)、第1ボルトB1においてラップする部位(範囲)は適宜設定してよい。
【0049】
図4に示す支持部材3の横壁3bは、バッテリ2に上下方向から取り付けられている。詳しくは、横壁3bは、ケースフランジ22a,23aと荷重伝達手段24に対して、下側からのボルトBによって互いに結合されている。逆に言うと、バッテリ2のケースフランジ22a,23a及び荷重伝達手段24は、下側からのボルトBによって横壁3bに取り付けられている。すなわち、ボルトBが貫通部24aと貫通孔23b,22bに下側から挿通されナットNに螺合することで、荷重伝達手段24とロアケース23とアッパケース22と支持部材3とが締結固定されている。支持部材3とバッテリ2とを締結固定するボルトBを以下「第2ボルトB2」とも称する。
【0050】
図1に示すように、第2ボルトB2による結合部は、前後方向に互いに間隔を空けて複数形成されている。第2ボルトB2は、各荷重伝達手段24の左右の端部に前後2本ずつ配置されていて支持部材3と荷重伝達手段24とを締結固定している。また、第2ボルトB2は、横骨部材25の左右の端部にも前後2本ずつ配置されていて支持部材3と横骨部材25とを締結固定している。これにより、支持部材3と荷重伝達手段24との固定力及び支持部材3と横骨部材25との固定力がそれぞれ増加するため、後突時にバッテリ2が支持部材3から外れにくくなり、バッテリ2の回転を抑制することができる。なお、第2ボルトB2の本数は、前後3本以上でもよい。
【0051】
本実施形態に係る車体後部構造Sは、基本的に以上のように構成されるものである。次に、その作用効果について説明する。
【0052】
図6は、実施形態に係る車体後部構造Sの作用を模式的に示す底面図である。図6では説明の便宜上、支持部材3にハッチングを付している。図6に示すように、オフセット後突時に一方のリアサイドフレーム1側(例えば左側)に片寄って衝突荷重Cが入力されると、左右両側の支持部材3,3及びバッテリ2は、矢印Y1方向に回転しようとする。このとき、本実施形態では、図1及び図2に示すように、支持部材3は、リアサイドフレーム1に沿って前後方向に延びるとともに、リアサイドフレーム1に対して車幅方向に並んでかつ車幅方向内側に配置されているため、衝突側においては支持部材3の後部がリアサイドフレーム1の後部の車幅方向内側面に当接して支えられ(矢印Y2参照)、非衝突側においては支持部材3の前部がリアサイドフレーム1の前部の車幅方向内側面に当接して支えられる(矢印Y3参照)。これにより、左右両側の支持部材3,3の回転を防止することができ、ひいては、衝突側の支持部材3、バッテリ2及び非衝突側の支持部材3を通じて非衝突側のリアサイドフレーム1に衝突荷重Cを確実に伝達することができる。
【0053】
また、バッテリ2は、図1及び図2に示すように、車幅方向一方から他方に荷重を伝達する荷重伝達手段24を備えており、荷重伝達手段24は、リアサイドフレーム1と車幅方向に並んで配置されている。このため、オフセット後突時に一方のリアサイドフレーム1側に片寄って衝突荷重Cが入力されても、荷重伝達手段24を通じて非衝突側のリアサイドフレーム1に衝突荷重Cを確実に伝達することができる。
すなわち、図6に示すように、オフセット後突時に一方のリアサイドフレーム1側(例えば左側)に片寄って衝突荷重Cが入力されると、衝突側においては荷重伝達手段24の一方の車幅方向外側端部(図6では左端部)が支持部材3を介してリアサイドフレーム1の車幅方向内側面に当接し、非衝突側においては荷重伝達手段24の他方の車幅方向外側端部(図6では右端部)が支持部材3を介してリアサイドフレーム1の車幅方向内側面に当接する。これにより、車幅方向一方から他方に荷重が伝達され(矢印Y4参照)、荷重伝達手段24を通じて非衝突側のリアサイドフレーム1に衝突荷重Cを確実に伝達することができる。
【0054】
また、図1乃至図3に示すように、支持部材3とリアサイドフレーム1とを締結固定する第1ボルトB1は、前後方向から見たときに荷重伝達手段24とラップする位置にある。このため、図6に示すように、オフセット後突時に一方のリアサイドフレーム1側(例えば左側)に片寄って衝突荷重Cが入力されると、衝突側においては第1ボルトB1と荷重伝達手段24とが当接することで、リアサイドフレーム1に入力された衝突荷重Cが荷重伝達手段24に伝達される。これにより、車幅方向一方から他方に荷重が伝達され(矢印Y4参照)、荷重伝達手段24を通じて非衝突側のリアサイドフレーム1に衝突荷重Cを確実に伝達することができる。
なお、図6に示すように、第1ボルトB1は、前後方向から見たときに横骨部材25とラップする位置にある。このため、オフセット後突時に一方のリアサイドフレーム1側(例えば左側)に片寄って衝突荷重Cが入力されると、衝突側においては第1ボルトB1と横骨部材25とが当接することで、リアサイドフレーム1に入力された衝突荷重Cが横骨部材25にも伝達される。これにより、衝突荷重Cを分散して伝達することができる。
また、第1ボルトB1によって荷重伝達手段24及び横骨部材25の回転及び前後移動を抑制することができる。
【0055】
また、図6に示すように、第2ボルトB2は、各荷重伝達手段24の左右の端部に前後2本ずつ配置されていて支持部材3と荷重伝達手段24とを締結固定している。また、第2ボルトB2は、横骨部材25の左右の端部に前後2本ずつ配置されていて支持部材3と横骨部材25とを締結固定している。このため、各荷重伝達手段24や横骨部材25の左右の端部に第2ボルトB2を1本ずつ配置する場合に比べ、支持部材3と荷重伝達手段24との固定力及び支持部材3と横骨部材25との固定力が増加するため、オフセット後突時にバッテリ2が支持部材3から外れにくくなり、バッテリ2の回転を規制することができる。これにより、衝突側の支持部材3、バッテリ2及び非衝突側の支持部材3を通じて非衝突側のリアサイドフレーム1に衝突荷重Cを確実に伝達することができる。
【0056】
本実施形態によれば、図2及び図3に示すように、支持部材3は、リアサイドフレーム1に沿って前後方向かつ上下方向に延びる縦壁3aを備えており、縦壁3aは、リアサイドフレーム1の車幅方向内側面に車幅方向から取り付けられている。これにより、後突時に縦壁3aがリアサイドフレーム1に対して面接触するため、非衝突側のリアサイドフレーム1に衝突荷重Cをより確実に伝達することができる。また、縦壁3aがリアサイドフレーム1の車幅方向内側面に車幅方向から取り付けられることにより、縦壁3aがリアサイドフレーム1から車幅方向内側に離間することを抑制できるため、非衝突側のリアサイドフレーム1に衝突荷重Cをより確実に伝達することができる。
【0057】
本実施形態によれば、図4に示すように、支持部材3は、縦壁3aから車幅方向内側へ延びる横壁3bを備えており、車載部品であるバッテリ2は、横壁3bに取り付けられている。これにより、支持部材3が縦壁3aと横壁3bとで構成される略L字形状の部位を有するため、支持部材3の剛性を高めることができる。また、縦壁3aをリアサイドフレーム1に車幅方向内側から取り付けた後に、バッテリ2を横壁3bに下側から取り付けることができるため、支持部材3と他部材との組付性を向上させることができる。
【0058】
本実施形態によれば、図4に示すように、車載部品であるバッテリ2のアッパケース22及びロアケース23は、車幅方向に延びるケースフランジ22a,23aをそれぞれ備えるとともに、当該ケースフランジ22a,23a同士で互いに結合されている。また、ケースフランジ22a,23aは、横壁3bに取り付けられている。これにより、アッパケース22とロアケース23とを互いに結合する剛性の高いケースフランジ22a,23aが支持部材3の横壁3bに取り付けられるため、バッテリ2と支持部材3との取付剛性を高めることができる。
【0059】
本実施形態によれば、図4に示すように、ケースフランジ22a,23aは、縦壁3aと車幅方向に並んで配置されている。これにより、衝突側の支持部材3を通じてバッテリ2に回転力が入力された際に、ケースフランジ22a,23aが非衝突側の支持部材3の縦壁3aと当接して衝突荷重Cを伝達することができるため、非衝突側のリアサイドフレーム1に衝突荷重Cを確実に伝達することができる。
【0060】
本実施形態によれば、図1に示すように、リアサイドフレーム1は、バッテリ2と車幅方向で並んで配置される保護部1aと、保護部1aの後端部1cから後方へ延びるとともに前後方向の衝突荷重Cに対して保護部1aよりも圧縮強度が低い後延部1bと、を備えている。このため、後突時に後延部1bの変形を促進し、効率的な衝突エネルギー吸収が可能となる。また、図5に示すように、支持部材3の後端部3cは、保護部1aの後端部1cと車幅方向に並んで配置されている。これにより、後延部1bの変形後に保護部1aと支持部材3が同時に衝突荷重Cを受けるため、衝突側の保護部1aに荷重を集中させることなく、支持部材3及びバッテリ2を通じて非衝突側のリアサイドフレーム1に衝突荷重Cを確実に伝達することができる。なお、支持部材3の後端部3cは、保護部1aの後端部1cと厳密に同じ位置に並んで配置される場合の他、製造誤差等により後端部1cに対して前側又は後側に僅かにずれて配置されてもよい。
【0061】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本実施形態では、電気自動車やハイブリッド自動車などに適用される車両後部構造を例にとって本発明を具体的に説明したが、本発明は、駆動装置が内燃機関のみである通常の自動車にも適用することができる。通常の自動車に適用される車両後部構造における車載部品は、燃料タンクを意味する。
なお、前記実施形態では、車載部品として、バッテリ2を例示したが、本発明での車載部品としては、これらに限定されるものではなく、リアサイドフレーム1の車幅方向内側に配置される、例えば駆動用の電動機、トランスミッション、燃料電池車における燃料電池、水素タンク、その他の公知の車載部品がこれに該当する。
本実施形態では、リアサイドフレーム1に保護部1aと後延部1bを設けたが、当該保護部1aと後延部1bとを設けずに強度の強弱をつけなくてもよい。また、第一補強部材13及び第二補強部材14を設けたが省略してもよい。
本実施形態では、バッテリ2は荷重伝達手段24を備えたが省略してもよい。
本実施形態では、支持部材3を設けたが省略してもよい。この場合には、荷重伝達手段24のみによって非衝突側のリアサイドフレーム1に衝突荷重Cを伝達する。
【符号の説明】
【0062】
S 車体後部構造
1 リアサイドフレーム
1a 保護部
1b 後延部
1c 後端部
2 バッテリ(車載部品)
21 バッテリ本体
22 アッパケース
23 ロアケース
22a,23a ケースフランジ
24 荷重伝達手段
3 支持部材
3a 縦壁
3b 横壁
3c 後端部

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