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公開番号2019158032
公報種別公開特許公報(A)
公開日20190919
出願番号2018046544
出願日20180314
発明の名称自動変速機の制御装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人特許業務法人酒井国際特許事務所
主分類F16H 61/10 20060101AFI20190823BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】不要な変速の発生を抑制することができる自動変速機の制御装置を提供すること。
【解決手段】自動変速機3の制御装置は、ロックアップクラッチ21が係合状態である場合に、要求トルクに基づいてダウンシフトを実行するものであり、要求トルクと実トルクとの乖離が大きい場合のダウンシフト線を、乖離が小さい場合のダウンシフト線よりも高トルク側に設定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲約 160 文字を表示【請求項1】
ロックアップクラッチが係合状態である場合に、要求トルクに基づいてダウンシフトを実行する自動変速機の制御装置であって、
前記要求トルクと実トルクとの乖離が大きい場合のダウンシフト線を、前記乖離が小さい場合のダウンシフト線よりも高トルク側に設定することを特徴とする自動変速機の制御装置。

発明の詳細な説明約 5,200 文字を表示【技術分野】
【0001】
本発明は、自動変速機の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ロックアップクラッチが係合状態であり、かつ車両の運転状態がNV(Noise, Vibration)悪化領域に留まっている場合において、自動変速機が高速ギヤ段の時は、変速マップを変更し、ロックアップクラッチを係合状態に保持したまま自動変速機をダウンシフトすることにより、ロックアップクラッチの係合による燃費向上効果を維持しつつ、NV悪化を抑制する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2016−211686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、ロックアップクラッチが係合状態である場合に、NV悪化領域での走行を回避するために、例えば要求トルクがNV悪化領域になった際にダウンシフトを実行することが考えられる。しかしながら、実トルクが要求トルクに追従するまでには遅れ(トルク応答遅れ)があるため、実際にはNV悪化領域となるまでに余裕があるにもかかわらずダウンシフトを実行してしまい、不要な変速が発生するおそれがある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、不要な変速の発生を抑制することができる自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る自動変速機の制御装置は、ロックアップクラッチが係合状態である場合に、要求トルクに基づいてダウンシフトを実行する自動変速機の制御装置であって、前記要求トルクと実トルクとの乖離が大きい場合のダウンシフト線を、前記乖離が小さい場合のダウンシフト線よりも高トルク側に設定することを特徴とする。
【0007】
これにより、自動変速機の制御装置は、要求トルクと実トルクとの乖離が大きい場合は高トルク域を許容したダウンシフト線が設定され、要求トルクと実トルクとの乖離が小さい場合は高トルク域を許容しないダウンシフト線が設定される。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る自動変速機の制御装置は、要求トルクと実トルクとの乖離が大きい場合は高トルク域を許容したダウンシフト線が設定されるため、トルク要求にダウンシフトのタイミングを遅らせることができ、不要な変速の発生を抑制することができる。また、要求トルクと実トルクとの乖離が小さい場合は高トルク域を許容しないダウンシフト線が設定されるため、実トルクがNV悪化領域となる前にダウンシフトを実行することができ、NV悪化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本発明の実施形態に係る自動変速機の制御装置の構成を示す概略図である。
図2は、本発明の実施形態に係る自動変速機の制御装置による制御方法を示すフローチャートである。
図3は、本発明の実施形態に係る自動変速機の制御装置において、NV悪化領域を説明するためのグラフである。
図4は、従来技術に係る自動変速機の制御装置による制御方法を実施した際のエンジントルク、アクセル開度およびギヤ段の変化を示すタイムチャートである。
図5は、本発明の実施形態に係る自動変速機の制御装置による制御方法を実施した際のエンジントルク、アクセル開度およびギヤ段の変化を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態に係る自動変速機の制御装置の構成について、図1を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0011】
本実施形態に係る自動変速機の制御装置は、車両に搭載されるものであり、エンジン1と、トルクコンバータ2と、自動変速機3と、制御部4と、を備えている。
【0012】
エンジン1は、燃料を燃焼させて動力を出力する動力装置である。エンジン1としては、例えばガソリンエンジンまたはディーゼルエンジン等の内燃機関が挙げられる。トルクコンバータ2は、エンジン1と自動変速機3との間に配置される流体伝動装置であり、図示しないポンプインペラ、タービンランナおよびステータを備えている。また、トルクコンバータ2は、タービンランナとエンジン1との間に、ロックアップクラッチ21を備えている。このロックアップクラッチ21は、エンジン回転とタービン回転とを直結可能に構成されており、図示しない油圧制御回路によって係合状態および解放状態が切り替わるように構成されている。
【0013】
自動変速機3は、所望のギヤ段を形成することにより、クランクシャフト(図示省略)の回転速度を所望の回転速度に変速する。
【0014】
制御部4は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)および入出力等のインターフェースを含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)によって構成されている。
【0015】
制御部4は、ロックアップクラッチ21が係合状態である場合に、要求トルクに基づいてダウンシフトを実行可能に構成されている。すなわち、ロックアップ制御(ロックアップクラッチ21の係合)の実施中に、低回転高トルク領域(NV悪化領域)で走行を継続するとこもり音(ロックアップこもり音)が発生する。その際、制御部4は、ダウンシフトによってエンジン回転数を上昇させることにより、前記したこもり音の発生を回避する。
【0016】
また、制御部4は、トルク応答遅れの発生、すなわち要求トルクと実トルクとの乖離が、予め設定した規定値以上となったか否かを判定可能に構成されている。そして、制御部4は、後記するように、要求トルクと実トルクとの乖離が大きくトルク応答遅れが発生している場合のダウンシフト線を、要求トルクと実トルクとの乖離が小さくトルク応答遅れが発生していない場合のダウンシフト線よりも高トルク側に設定することが可能に構成されている。
【0017】
以下、本実施の形態に係る自動変速機3の制御装置による制御方法について、図2および図3を参照しながら説明する。
【0018】
まず、制御部4は、トルク応答遅れが発生している否か、すなわち要求トルクと実トルクとの乖離が、予め設定した規定値以上となったか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1において、トルク応答遅れが発生していると判定された場合(ステップS1でYes)、制御部4は、通常変速線によるダウンシフト判定を行う(ステップS2)。
【0019】
ステップS2では、具体的には図3に示すように、車速およびアクセル開度に基づく車両の運転状態が、予め設定された(A)の「通常タウンシフト領域」に含まれるか否かを判定する。ステップS2において、肯定判定がなされた場合、制御部4は、ダウンシフトを実行し(ステップS3)、処理を終了する。一方、ステップS2において、否定判定がなされた場合(ステップS2でNo)、制御部4は、ダウンシフトを実行せずにステップS1の冒頭に戻り、ステップS1以降の処理を再度行う。
【0020】
ここで、ステップS1において、トルク応答遅れが発生していない、すなわち要求トルクと実トルクとの乖離が、予め設定した規定値未満であると判定された場合(ステップS1でNo)、制御部4は、こもり音発生領域内、すなわちNV悪化領域内であるか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4では、具体的には図3に示すように、車速およびアクセル開度に基づく車両の運転状態が、予め設定された(B)の「こもり音発生領域内」と(C)の「こもり音発生領域外」のいずれに含まれるのかを判定する。
【0021】
ステップS4において、こもり音発生領域内であると判定された場合(ステップS4でYes)、制御部4は、ダウンシフトを即時実行し(ステップS3)、処理を終了する。一方、ステップS4において、こもり音発生領域外であると判定された場合(ステップS4でYes)、制御部4は、ダウンシフトを実行せずにステップS1の冒頭に戻り、ステップS1以降の処理を再度行う。
【0022】
このように、自動変速機3の制御装置では、実トルクが要求通りに出力され(ステップS1でNo)、かつ車両がこもり音発生領域内で走行している場合(ステップS4でYes)に、ダウンシフトを実行する(ステップS3)。また、自動変速機3の制御装置では、要求トルクと実トルクとの乖離が大きく、トルク応答遅れが発生している場合のダウンシフト線(ステップS1でYes→ステップS2でYes→ステップS3の場合のダウンシフト線)を、要求トルクと実トルクとの乖離が小さく、トルク応答遅れが発生していない場合のダウンシフト線(ステップS1でNo→ステップS4でYes→ステップS3の場合のダウンシフト線)よりも、高トルク側に設定する。
【0023】
以上説明したような自動変速機3の制御装置によれば、要求トルクと実トルクとの乖離が大きい場合は高トルク域を許容したダウンシフト線が設定されるため、トルク要求にダウンシフトのタイミングを遅らせることができ、不要な変速の発生を抑制することができる。また、要求トルクと実トルクとの乖離が小さい場合は高トルク域を許容しないダウンシフト線が設定されるため、実トルクがNV悪化領域となる前にダウンシフトを実行することができ、NV悪化を抑制することができる。
【0024】
ここで、従来技術に係る自動変速機の制御装置では、例えば図4に示すような以下の流れに沿って制御が実施される。
(1)アクセルONによりエンジントルクが要求される。
(2)実トルクは要求トルクに対して遅れるため、こもり音は発生しない。
(3)こもり音発生領域内であるため、ダウンシフトを実行する。
(4)想定以上の加速度であるため、アクセルを戻す。
(5)アクセルを戻したことによりアップシフトする。
(6)駆動力が足りないため、アクセルを踏み増す。
【0025】
このように、従来技術に係る自動変速機の制御装置では、こもり音が発生していなくてもダウンシフトする場合があった。
【0026】
一方、本実施形態に係る自動変速機3の制御装置では、例えば図5に示すような以下の流れに沿って制御が実施される。
(1)アクセルONによりエンジントルクが要求される。
(2)実トルクは要求トルクに対して遅れるため、こもり音は発生しない。
(3’)実トルクが要求トルクに対して遅れている間はダウンシフトの判断を行わない。
(4’)トルクが要求通りに出力される頃には車両は加速しているため、こもり音発生領域外となる。
【0027】
このように、本実施形態に係る自動変速機3の制御装置では、車両加速時において、要求トルクに対する実トルクの応答遅れを考慮してダウンシフトの判断を行うため、ロックアップの際のこもり音を発生させることなく、かつ無駄な変速を排除した安定した走行が可能となる。
【0028】
以上、本発明に係る自動変速機の制御装置について、発明を実施するための形態により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変等したものも本発明の趣旨に含まれることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0029】
1 エンジン
2 トルクコンバータ
21 ロックアップクラッチ
3 自動変速機
4 制御部

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