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公開番号2019149517
公報種別公開特許公報(A)
公開日20190905
出願番号2018034779
出願日20180228
発明の名称電磁機器
出願人ファナック株式会社
代理人個人,個人全 4 件を表示,個人,個人
主分類H01F 30/12 20060101AFI20190809BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】コイルからの漏れ磁束を抑制できると共に、鉄心の体積や重量も低減することができる電磁機器を提供する。
【解決手段】外周部鉄心19と、外周部鉄心19の内面側において周方向に間隔をおいて配列された少なくとも三つの脚部鉄心15a〜17aと、少なくとも三つの脚部鉄心のそれぞれに巻き回されたコイル15b〜17bと、を具備する電磁機器であり、少なくとも三つの脚部鉄心のそれぞれは、コイルの巻き軸線の方向における一方の端部が外周部鉄心に磁気的に結合されると共に、巻き軸線の方向における他方の端部が他の脚部鉄心における他方の端部に磁気的に結合するように配置され、外周部鉄心は、周方向において隣り合う二つの脚部鉄心の間に対応する部分において、外周部鉄心の内面側に向かって凹む凹部を外面側に有する。
【選択図】図1A
特許請求の範囲約 1,100 文字を表示【請求項1】
外周部鉄心と、
前記外周部鉄心の内面側において周方向に間隔をおいて配列された少なくとも三つの脚部鉄心と、
前記少なくとも三つの脚部鉄心のそれぞれに巻き回されたコイルと、を具備し、
前記少なくとも三つの脚部鉄心のそれぞれは、前記コイルの巻き軸線の方向における一方の端部が前記外周部鉄心に磁気的に結合されると共に、前記巻き軸線の方向における他方の端部が、前記少なくとも三つの脚部鉄心のうちの他の脚部鉄心における前記他方の端部に磁気的に結合するように配置され、
前記外周部鉄心は、前記少なくとも三つの脚部鉄心のうち前記周方向において隣り合う二つの脚部鉄心の間に対応する部分において、前記外周部鉄心の前記内面側に向かって凹む凹部を外面側に有する、電磁機器。
【請求項2】
前記外周部鉄心は、前記隣り合う二つの脚部鉄心の間に対応する部分において、前記隣り合う二つの脚部鉄心のうちの一の脚部鉄心に巻き回された前記コイルの前記巻き軸線に平行に伸びるよう形成され、且つ、前記一の脚部鉄心に巻き回された前記コイルの前記巻き軸線と垂直な任意の面で切断した場合の断面積が、前記一の脚部鉄心に巻き回された前記コイルの前記巻き軸線と平行な方向において一定である部分を有する、請求項1に記載の電磁機器。
【請求項3】
前記外周部鉄心は、複数の外周部鉄心部分から構成されている、請求項1または2に記載の電磁機器。
【請求項4】
前記複数の外周部鉄心部分の数は前記少なくとも三つの脚部鉄心と同数であり、
前記複数の外周部鉄心部分のそれぞれは、直線的に伸びるように形成された基部と、該基部の前記直線的に伸びる方向の両端において前記基部と直角をなすように前記内面側に伸びる2つの側部とを有し、
前記少なくとも三つの脚部鉄心のそれぞれは、前記複数の外周部鉄心部分のそれぞれにおける前記両端部の間において前記基部に接続されている、請求項3に記載の電磁機器。
【請求項5】
前記少なくとも三つの脚部鉄心の数は3の倍数である、請求項1から4のいずれか一項に記載の電磁機器。
【請求項6】
前記少なくとも三つの脚部鉄心の数は4以上の偶数である、請求項1から4のいずれか一項に記載の電磁機器。
【請求項7】
前記コイルは、1次コイル及び2次コイルの少なくとも一方を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の電磁機器。
【請求項8】
前記電磁機器は変圧器である、請求項1から7のいずれか一項に記載の電磁機器。

発明の詳細な説明約 12,000 文字を表示【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁機器、例えば三相変圧器、単相変圧器等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、U字形状又はE字形状の鉄心とその鉄心に巻回されたコイルとを含む変圧器が使用されている。このような変圧器ではコイルが変圧器の外部に露出しているため、コイルから漏れ磁束が発生するという問題を有している。このような漏れ磁束は、コイル近傍の金属部分に渦電流を発生させ、それにより変圧器の金属部分を発熱させる要因となり得る。一般には、コイル近傍にシールド板を配置することにより、このような漏れ磁束を抑制することが行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、変圧器では、鉄心の体積や重量をできるだけ低減することが望ましい。この点に関し、例えば特許文献2には「構成部品としては同形状のブロック鉄心11が3個のみであり、3個のブロック鉄心5と2個の中央継鉄部6を必要としていた従来のY型鉄心7に比べて部品点数も少なくでき、製造性も向上できる。」と記載されている(段落0017参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特公平5−52650号公報
特開2014−204120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
変圧器等の電磁機器において、コイルからの漏れ磁束を抑制できる構成とすると共に、鉄心の体積や重量も低減することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、外周部鉄心と、前記外周部鉄心の内面側において周方向に間隔をおいて配列された少なくとも三つの脚部鉄心と、前記少なくとも三つの脚部鉄心のそれぞれに巻き回されたコイルと、を具備し、前記少なくとも三つの脚部鉄心のそれぞれは、前記コイルの巻き軸線の方向における一方の端部が前記外周部鉄心に磁気的に結合されると共に、前記巻き軸線の方向における他方の端部が、前記少なくとも三つの脚部鉄心のうちの他の脚部鉄心における前記他方の端部に磁気的に結合するように配置され、前記外周部鉄心は、前記少なくとも三つの脚部鉄心のうち前記周方向において隣り合う二つの脚部鉄心の間に対応する部分において、前記外周部鉄心の前記内面側に向かって凹む凹部を外面側に有する、電磁機器である。
【発明の効果】
【0007】
上記態様によれば、電磁機器をコイルからの漏れ磁束を抑制できる構成とすると共に、鉄心の体積や重量も低減することができる。
【0008】
添付図面に示される本発明の典型的な実施形態の詳細な説明から、本発明のこれらの目的、特徴および利点ならびに他の目的、特徴および利点がさらに明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
第1実施形態に係る電磁機器の斜視図である。
図1Aの電磁機器を上方から見た場合の平面図である。
図1Aの電磁機器の鉄心コイルの一つについて、鉄心コイルの中心軸線に垂直な面で切断した場合の断面図を示している。
図1Aの電磁機器の鉄心部分を表す図である。
図2の鉄心部分を構成する各層の鉄心を1枚の鋼板から取り出す板取り方法を説明するための図である。
コイルの軸心と垂直方向の幅が図3の鉄心部分よりも大きい場合の鉄心部分の形状の例を示すと共に、このような鉄心部分を1枚の鋼板から取り出す方法を説明する図である。
第2実施形態に係る電磁機器の斜視図である。
第2実施形態に係る電磁機器の平面図である。
図5Aの電磁機器を固定用フレームに組み付ける状態を表す分解図である。
図5Aの電磁機器が固定用フレームに組み付けられた状態を表す斜視図である。
第1実施形態及び第2実施形態にかかる電磁機器の三相変圧器としての使用例を示す図である。
第3実施形態にかかる電磁機器を上方からみた平面図である。
参考例としての電磁機器の構成を表す断面図である。
図10Aの電磁機器の鉄心部分を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。参照する図面において、同様の構成部分または機能部分には同様の参照符号が付けられている。理解を容易にするために、これらの図面は縮尺を適宜変更している。また、図面に示される形態は本発明を実施するための一つの例であり、本発明は図示された形態に限定されるものではない。
【0011】
本発明の実施形態の説明に先立ち、参考例としての電磁機器の構成について図10A及び図10Bを参照して説明する。従来用いられているE型鉄心を用いた電磁機器では、コイルからの漏れ磁束によりコイル近傍の金属部分に渦電流を発生させ、それにより電磁機器の金属部分が発熱するという問題点を有している。図10A、図10Bは、このような課題を解決すべく構成された電磁機器90の例を示す参考図である。図10Aでは、電磁機器90を上方からにみた平面図として表している。電磁機器90は、一例として、三相変圧器として用いられる。電磁機器90は、図10Aの平面視において六角形状の外形を有する外周部鉄心91と、外周部鉄心91の内側に配置された三つの鉄心コイル95〜97とを有する。三つの鉄心コイル95〜97は、同一のサイズ及び形状を有し、図10Aの平面視において、外周部鉄心91の中心の周りの円周方向において等間隔に配置されている。
【0012】
三つの鉄心コイル95〜97は、それぞれ、鉄心95a〜97aと、鉄心95a〜97aに巻回されたコイル95b〜97bとを有する。各コイル95b〜97bは、1次コイル及び2次コイルの両方を含み得る。3つの鉄心コイル95〜97は、外周部鉄心91の内側に、外周部鉄心91に取り囲まれるように配置されている。このように3つの鉄心コイルを外周部鉄心91で取り囲む構成とすることにより、各コイル95b〜97bからの磁束が外周部鉄心91の外部に漏洩するのを抑制することができる。
【0013】
図10Aに示されるように、電磁機器90を構成する鉄心は、同一のサイズ及び形状を有する3つの鉄心部分99から構成されている。すなわち、電磁機器90は、図10Bに示す形状を有する鉄心部分99を3つ接合して構成されている。このように、鉄心を三分割構成とすることにより、電磁機器90を効率的に組み立てることが可能になる。なお、各鉄心部分99は、電磁機器90として組み立てた場合に筐体フレームへの取り付けのための貫通孔101が形成されるように、両端の側辺部に切欠き99cが形成されていても良い。
【0014】
図10Aに示されるように鉄心コイル95〜97を構成する鉄心95a〜97aは、それぞれ、外周部鉄心91からコイル95b〜97bの中心軸線に沿って伸び、外周部鉄心91の中心部で互いに接合するように構成されている。以上の構成により、電磁機器90を三相変圧器として使用した場合に三相の磁路長が構造的に等しくなるという利点が得られる。
【0015】
以下、本発明の実施形態に係る電磁機器の構成について、上述の参考図10A、図10Bで示した参考例としての電磁機器90と適宜対比しつつ説明する。本発明の実施形態に係る電磁機器は、例えば変圧器、リアクトル等である。
【0016】
第1実施形態
図1Aは本発明の第1実施形態に係る電磁機器10の斜視図であり、また、図1Bは電磁機器10を上方から見た場合の平面図である。なお、電磁機器10は多相変圧器(具体的には三相変圧器)として用いられるものであるため、以下では、多相変圧器10と呼ぶこととする。
【0017】
図1A、図1Bに示されるように多相変圧器10は、外周部鉄心19と、外周部鉄心19の内側に配置された三つの鉄心コイル15〜17とを有する。三つの鉄心コイル15〜17は、それぞれ、鉄心15a〜17aと、鉄心15a〜17aに巻回されたコイル15b〜17bとを有する。各コイル15b〜17bは、1次コイル及び2次コイルの両方を含み得る。
【0018】
3つの鉄心コイル15〜17は、同一のサイズ及び形状を有し、外周部鉄心19の内側において、外周部鉄心19の中心部Pの周りの周方向において等間隔に配置されている。この場合、3つの鉄心コイル15〜17の中心軸線(巻き軸線)l
0
のうち、隣接する2つの中心軸線l
0
は120度の角度をなすように中心部Pで交わることとなる。また、3つの鉄心コイル15〜17の中心軸線l
0
に沿って伸びる鉄心15a〜17aのそれぞれの中心部P側の先端部は、中心部Pに向かって収斂する形状となっており、先端部は約120度の角度を形成している。このように3つの鉄心コイル15〜17を外周部鉄心19で取り囲む構成とすることにより、各コイル15b〜17bからの磁束が外周部鉄心19の外部に漏洩するのを抑制することができる。したがって、多相変圧器10の外部にシールド板を配置する必要性をなくすことができ、コスト低減を実現することができる。
【0019】
また、上記構成を有する多相変圧器10を三相変圧器として使用した場合には、三相の磁路長が構造的に等しくなるという利点がある。
【0020】
図1Bには、図10Aに示した参考例の電磁機器90の六角形状の外形(鉄心コイル15〜17の延在方向に平行な面に沿って外周部鉄心19を切断した場合における断面の外周上にある角部を仮想的に接続することによって形成される多角形)が破線Dで示されている。図1Bに示されるように、第1実施形態に係る多相変圧器10は、外周部鉄心19の外側の6つの角部19a〜19fを破線Dのようにつなぐことに形成される多角形(六角形)の各辺のうち、隣接する鉄心コイル間をつなぐ辺を中心部Pに向かって凹ませた形状に対応する凹部19rを有している。この構成によって、外周部鉄心19を鉄心コイル15〜17の延在方向に平行な面で切断した場合の断面でみたときの鉄心の断面積が(図1B参照)、図10Aの参考例の場合と比較してかなり減少できていることが理解される。すなわち、多相変圧器の鉄心の体積及び重量を低減することができる。なお、外周部鉄心19は、図1Bの平面視において均等の厚みTを有し、各鉄心コイル15〜17の外側に密着して各鉄心コイル15〜17を取り囲んでいる。したがって、各鉄心コイル15〜17から外周部鉄心19の外部への磁束の漏れを確実に抑制することができる。なお、外周部鉄心19の外面は、図10Aの参考例の外周部鉄心99の外周面と比較してより表面積が大きい形状となっているので、放熱の観点で図10Aの参考例の電磁機器90と比較して有利である。
【0021】
図1Cは、鉄心コイル15〜17の一つについて、鉄心コイルの中心軸線l
0
に垂直な面で切断した場合の断面図を示している。外周部鉄心19のうち、凹部19rを形成する部分であって、各鉄心コイル15〜17の側面15sに沿って形成されている部分(後述の図2における側部9b又は9d)は、側面15sに垂直な任意の面で切断した場合の断面積Sが同一となる(すなわち、断面積Sが一定となる)ように形成されている。
【0022】
図1A及び図1Bに示されるように、多相変圧器10を構成する鉄心は、同一のサイズ及び形状を有する3つの鉄心部分9から構成されている。すなわち、多相変圧器10は、図2に示すような形状を有する鉄心部分9を3つ接合して構成されている。このように外周部鉄心19を三分割構成とすることにより、多相変圧器10を効率的に組み立てることが可能になる。図2に示されるように、鉄心部分9は、略角柱状の基部9aと、基部9aの長手方向の両端部から基部9aに対して直角を成すように同一方向に突出する側部9b,9dと、基部9aの長手方向の中心部から側部9b,9dと同一方向に突出する中央脚部9cとを有する。中央脚部9cは、多相変圧器10の各鉄心コイル15〜17の各鉄心15a〜17aを構成する。また、基部9aと両側部9b,9dは、多相変圧器10における外周部鉄心19を構成する。図1Bにおいては、各鉄心部分9における基部9aは、鉄心コイル15〜17が配列される周方向に沿うように直線的に伸びる形状を有している。
【0023】
両側部9b,9d及び中央脚部9cの先端部分は、図2中に破線Lで表される三角形の辺の一部を形成している。なお、上述の通り、中央脚部9cの先端部分9fは120度の角度を形成するように収斂している。この構成により、図1Bに示すように、三つの鉄心部分9を、両側部9b,9dと中央脚部9cの先端部分同士をそれぞれ突き合わせて密着させることが可能となっている。なお、一例として、両側部9b,9dそれぞれの幅d0は、中央脚部9cの幅d1の1/2の大きさであっても良い。
【0024】
各鉄心部分9は、例えば、複数の鉄板、炭素鋼板、電磁鋼板を積層して構成される。図3は、鉄心部分9を構成する各層の鉄心を1枚の鋼板から取り出す板取り方法を説明するための図である。図2に示されるように、各鉄心部分9は、両側部9b,9dと中央脚部9cが基部9aに対して直角をなしており、両側部9b,9dと中央脚部9cの先端が三角形の辺の一部を形成するように構成されている。したがって、図3に示すように、上段の鉄心部分9の列L1と、下段の鉄心部分の列L2とを、互いの先端部同士が向き合い且つ図3中横方向に鉄心部分9の幅Mの半分だけ互いにずれた密着状態の配列で、鋼板から打ち抜き加工することができる。したがって、鋼板利用率を上げることができる。他方、図10Bに示した参考例の鉄心部分99の場合には、図10B中の破線Nで示されるような矩形形状で鉄心部分99を鋼板から打ち抜く必要があり、本実施形態の部分鉄心9の形状であれば鋼板利用率を大きく向上できることが理解できる。
【0025】
図4は、コイルの軸心と垂直方向の幅が、図1Aに示した幅W0よりも大きい場合の鉄心部分7の形状の例を示すと共に、このような鉄心部分7を1枚の鋼板から取り出す方法を説明する図である。図4に示す鉄心部分7の中央脚部7cと両側部7b,7dとの間の隙間S0の幅は、両側部7b,7dの幅よりも太くなっている。このような場合には、隣り合う鉄心部分7の先端部が互いに反対方向を向き、且つ、隣り合う鉄心部分7の互いの側部(7d,7d)が、中央脚部7cと側部7dとの間の隙間S0に嵌り合うような配置状態で、各鉄心部分7を鋼板から打ち抜くことができる。この場合においても、図10Bに示した参考例の鉄心部分99の打ち抜き方法と比較して、鋼板利用率を大きく向上できることが理解される。
【0026】
なお、多相変圧器10には、固定用フレーム(不図示)への取り付けのための貫通孔が形成されていても良い。
【0027】
第2実施形態
以下、第2実施形態に係る多相変圧器50の構成について説明する。第2実施形態に係る多相変圧器50は、第1実施形態の多相変圧器10の鉄心コイルの数を6つに増加させた構成であり、基本的な構成の考え方は第1実施形態と同様である。図5Aは多相変圧器50の斜視図であり、図5Bは多相変圧器50の平面図である。
【0028】
図5A、図5Bに示されるように多相変圧器50は、外周部鉄心59と、外周部鉄心59の内側に配置された6つの鉄心コイル51〜56とを有する。6つの鉄心コイル51〜56は、それぞれ、鉄心51a〜56aと、鉄心51a〜56aに巻回されたコイル51b〜56bとを有する。各コイル51b〜56bは、1次コイル及び2次コイルの両方を含み得る。
【0029】
6つの鉄心コイル51〜56は、同一のサイズ及び形状を有し、外周部鉄心59の内側において、外周部鉄心59の中心部Pの周りの周方向において等間隔に配置されている。この場合、6つの鉄心コイル51〜56の中心軸線のうち、隣接する2つの中心軸線は60度の角度をなすように中心部Pで交わることとなる。また、6つの鉄心コイル51〜56の中心軸線に沿って伸びる鉄心51a〜56aのそれぞれの中心部P側の先端部は、中心部Pに向かって収斂する形状となっており、先端部は約60度の角度を形成している。このように6つの鉄心コイル51〜56を外周部鉄心59で取り囲む構成とすることにより、各コイル51b〜51bからの磁束が外周部鉄心59の外部に漏洩するのを抑制することができる。したがって、多相変圧器50の外部にシールド板を配置する必要性をなくすことができ、コスト低減を実現することができる。
【0030】
このように、多相変圧器50が3の倍数の鉄心コイルを有する場合、多相変圧器50を三相変圧器として用いることができる。この場合、各コイルを直列或いは並列で接続することができる。本実施形態の場合にも、三相の磁路長が構造的に等しくなるという効果を得ることができる。
【0031】
図5Bに示されるように、第1実施形態に係る多相変圧器10は、外周部鉄心19の外側の12箇所の角部を破線Eのようにつなぐことに形成される多角形(12角形)の各辺のうち、隣接する鉄心コイル間をつなぐ辺を中心部Pに向かって凹ませた形状に対応する凹部59rを有している。この構成によって、外周部鉄心59を鉄心コイル51〜56の延在方向に平行な面で切断した場合の断面でみたときの鉄心の断面積が(図5B参照)、外周部鉄心59が破線Eのような多角形の断面形状を有する場合と比較して減少できていることが理解される。すなわち、多相変圧器の鉄心の体積及び重量を低減することができる。なお、外周部鉄心59は、図5Bの平面視において均等の厚みT2を有し、各鉄心コイル51〜56の外側に密着して各鉄心コイル51〜56を取り囲んでいる。したがって、各鉄心コイル51〜56から外周部鉄心19の外部への磁束の漏れを確実に抑制することができる。なお、外周部鉄心59の外面は、図5Bにおける破線Eで規定される多角形の外周面と比較してより表面積が大きい形状となっているので、放熱の観点で有利である。
【0032】
図1Cの場合と同様に、外周部鉄心59のうち、凹部59rを形成する部分であって、各鉄心コイル51〜56の側面51sに沿って形成されている部分(側部61b又は61d)は、側面51sに垂直な任意の面で切断した場合の断面積が同一となるように形成されている。
【0033】
図5Bに示されるように、多相変圧器50を構成する鉄心は6分割構成となっている。このように外周部鉄心59を分割した構成とすることにより、多相変圧器50を効率的に組み立てることが可能になる。ここで、図6及び図7を参照して多相変圧器50の組付け構造について説明する。図6は、多相変圧器50を固定用フレーム200に組み付ける状態を表す分解図である。図7は、多相変圧器50が固定用フレーム200に組み付けられた状態を表す斜視図である。
【0034】
図6に示すように、固定用フレーム200は、外周部鉄心59を上下から挟んで固定する上部フレーム201及び下部フレーム202を有する。各鉄心部分61は、上部フレーム201及び下部フレーム202に形成された孔gに、各鉄心部分59に形成された貫通孔hを位置合わせしてボルト220で上部フレーム201及び下部フレーム202に固定される(図7参照)。以上の構成により、多相変圧器50は、固定用フレーム200にしっかりと固定される。
【0035】
第2実施形態の多相変圧器50においても第1実施形態の多相変圧器10と同等の効果を得ることができる。
【0036】
図8は、上述の多相変圧器10及び多相変圧器50の三相変圧器としての使用例を示す図である。図8に示されるように、多相変圧器は三相交流電源PSの下流に配置することができる。
【0037】
第3実施形態
第3実施形態に係る電磁機器は、4つの鉄心コイルを有し、単相変圧器として用いることができるものである。以下、第3実施形態に係る単相変圧器110の構成について説明する。図9は、単相変圧器110を上方からみた平面図である。第3実施形態に係る単相変圧器110は、外周部鉄心119と、4つの鉄心コイル111〜114を有している。第3実施形態に係る単相変圧器110は、第1実施形態の多相変圧器10の鉄心コイルの数を4つに増加させた構成であり、基本的な構成の考え方は第1実施形態と同様である。4つの鉄心コイル111〜114は、第1実施形態における各鉄心コイル15〜17と同等の構成を有している。
【0038】
4つの鉄心コイル111〜114は、外周部鉄心119の内側において、外周部鉄心119の中心部Pの周りの周方向において等間隔に配置されている。この場合、4つの鉄心コイル111〜114の中心軸線のうち、隣接する2つの中心軸線は90度の角度をなすように中心部Pで交わる。4つの鉄心コイル111〜114の中心軸線に沿って伸びる鉄心111a〜114aのそれぞれの中心部P側の端部は、中心部Pに向かって収斂する形状となっており、先端部分は約90度の角度を形成している。このように4つの鉄心コイル111〜114を外周部鉄心119で取り囲む構成とすることにより、各コイル111b〜114bからの磁束が外周部鉄心119の外部に漏洩するのを抑制することができる。
【0039】
図9に示されるように、単相変圧器110は、外周部鉄心119の外側の8つの角部を破線E3のようにつなぐことに形成される多角形(8角形)の各辺のうち、隣接する鉄心コイル間をつなぐ辺を中心部Pに向かって凹ませた形状に対応する凹部119rを有している。この構成によって、外周部鉄心119を鉄心コイル111〜114の延在方向に平行な面で切断した場合の断面でみたときの鉄心の断面積を(図9参照)、外周部鉄心の断面が破線E3のような多角形形状であるような場合と比較してかなり減少できていることが理解される。すなわち、多相変圧器の鉄心の体積及び重量を低減することができる。なお、外周部鉄心119は、図9の平面視において均等の厚みT3を有し、各鉄心コイル111〜114の外側に密着して各鉄心コイル111〜114を取り囲んでいる。したがって、各鉄心コイル111〜114から外周部鉄心119の外部への磁束の漏れを確実に抑制することができる。
【0040】
図9に示されるように、単相変圧器110を構成する鉄心は4分割構成となっている。このように外周部鉄心119を分割した構成とすることにより、単相変圧器110を効率的に組み立てることが可能になる。
【0041】
第3実施形態の単相変圧器110においても第1実施形態の多相変圧器10と同等の効果を得ることができる。
【0042】
第3実施形態のように4つ以上の偶数の鉄心コイルを有するように電磁機器を構成することで単相変圧器として用いることができる。このような4つ以上の偶数の鉄心コイルを有する単相変圧器では、各コイルを直列或いは並列で接続することができる。
【0043】
以上、典型的な実施形態を用いて本発明を説明したが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなしに、上述の各実施形態に変更及び種々の他の変更、省略、追加を行うことができるのを理解できるであろう。
【0044】
例えば、外周部鉄心の分割数は、上述の実施形態で示した数以外にも様々な分割数をとり得る。
【0045】
外周部鉄心の内部に配置する鉄心コイルの数についても、上述の実施形態で示した例以外にも3つ以上の様々な数をとり得る。
【0046】
図2に示した鉄心部分9は一体構造となっているが、中央脚部9cが他の鉄心部分とは別体となっていても良い。この場合、別体としての中央脚部9cが基部9aに磁気的に結合するように部分鉄心9が組み立てられる。
【0047】
上述の実施形態では、図1Bに示されるように鉄心コイル15〜17の鉄心15a〜17aの先端部同士は互いに密着しているが、鉄心15a〜17aの先端部同士はギャップを介して結合される構成であっても良い。
【0048】
なお、外周部鉄心は、分割されておらず、一体的な構造を有していても良い。
【0049】
また、本開示の課題を解決するために、以下のような各種の態様とその効果を提供することができる。なお、以下の態様の説明文における括弧内の番号は本開示の図面の参照符号に対応する。
【0050】
例えば、本開示の第一態様は、外周部鉄心(19)と、前記外周部鉄心(19)の内面側において周方向に間隔をおいて配列された少なくとも三つの脚部鉄心(15a〜17a))と、前記少なくとも三つの脚部鉄心(15a〜17a)のそれぞれに巻き回されたコイル(15b〜17b)と、を具備し、前記少なくとも三つの脚部鉄心(15a〜17a)のそれぞれは、前記コイル(15b〜17b)の巻き軸線(l
0
)の方向における一方の端部が前記外周部鉄心(19)に磁気的に結合されると共に、前記巻き軸線(l
0
)の方向における他方の端部が、前記少なくとも三つの脚部鉄心のうちの他の脚部鉄心における前記他方の端部に磁気的に結合するように配置され、前記外周部鉄心(19)は、前記少なくとも三つの脚部鉄心(15a〜17a)のうち前記周方向において隣り合う二つの脚部鉄心の間に対応する部分において、前記外周部鉄心(19)の前記内面側に向かって凹む凹部(19r)を外面側に有する、電磁機器である。
【0051】
上記第一態様によれば、コイルからの漏れ磁束を抑制できる構成とすると共に、鉄心の体積や重量も低減することができる。
【0052】
また、本開示の第二態様は、上記第一態様の電磁機器(10)であって、前記外周部鉄心(19)は、前記隣り合う二つの脚部鉄心の間に対応する部分において、前記隣り合う二つの脚部鉄心のうちの一の脚部鉄心に巻き回された前記コイル(15b)の前記巻き軸線(l
0
)に平行に伸びるよう形成され、且つ、前記一の脚部鉄心に巻き回された前記コイルの前記巻き軸線(l
0
)と垂直な任意の面で切断した場合の断面積が、前記一の脚部鉄心に巻き回された前記コイルの前記巻き軸線(l
0
)と平行な方向において一定である部分を有する。
【0053】
また、本開示の第三態様は、上記第一態様又は第二態様の電磁機器(10)であって、前記外周部鉄心(19)は、複数の外周部鉄心部分(9)から構成されている。
【0054】
また、本開示の第四態様は、上記第三態様の電磁機器(10)であって、前記複数の外周部鉄心部分(9)の数は前記少なくとも三つの脚部鉄心(15a〜17a)と同数であり、前記複数の外周部鉄心部分(9)のそれぞれは、直線的に伸びるように形成された基部(9a)と、該基部の前記直線的に伸びる方向の両端において前記基部(9a)と直角をなすように前記内面側に伸びる2つの側部(9b,9d)とを有し、前記少なくとも三つの脚部鉄心(15a〜17a)のそれぞれは、前記複数の外周部鉄心部分(9)のそれぞれにおける前記両端部の間において前記基部(9a)に接続されている。
【0055】
また、本開示の第五態様は、上記第一態様から第四態様のいずれかの電磁機器(10、50)であって、前記少なくとも三つの脚部鉄心(15a〜17a)の数は3の倍数である。
【0056】
また、本開示の第六態様は、上記第一態様から第四態様のいずれかの電磁機器(110)であって、前記少なくとも三つの脚部鉄心(15a〜17a)の数は4以上の偶数である。
【0057】
また、本開示の第七態様は、上記第一態様から第六態様のいずれかの電磁機器(10)であって、前記コイル(15b〜17b)は、1次コイル及び2次コイルの少なくとも一方を含む。
【0058】
また、本開示の第八態様は、上記第一態様から第七態様のいずれかの電磁機器(10)であって、前記電磁機器は変圧器である。
【符号の説明】
【0059】
9 鉄心部分
9a 基部
9b,9d 側部
9c 中央脚部
10 多相変圧器
15,16,17 鉄心コイル
15a,16a,17a 鉄心
15b,16b,17b コイル
50 多相変圧器
59 外周部鉄心
59r 凹部
51−56 鉄心コイル
51a−57a 鉄心
51b−57b コイル
90 電磁機器
91 外周部鉄心
95−97 鉄心コイル
95a−99a 鉄心
95b−97b コイル
110 単相変圧器
111−114 鉄心コイル
111a−114a 鉄心
111b−114b コイル
119 外周部鉄心
119r 凹部

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