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公開番号2019146094
公報種別公開特許公報(A)
公開日20190829
出願番号2018030530
出願日20180223
発明の名称画像読取装置
出願人ブラザー工業株式会社
代理人
主分類H04N 1/191 20060101AFI20190802BHJP(電気通信技術)
要約【課題】外光量が大きく変動すると、読取画像に筋が発生してしまう。
【解決手段】 画像読取装置は、原稿台と、開閉可能な原稿押え部材と、光源と、ラインデータを生成する読取部と、黒基準データに基づきラインデータを黒補正する黒補正部と、光源を消灯させて生成させたラインデータを第2黒データとして取得する第2黒データ取得処理と、原稿に光源から光を照射させて生成させたラインデータをライン画像データとして取得する画像データ取得処理と、光源を消灯させて生成させたラインデータを第1黒データとして取得する第1黒データ取得処理とを実行するデータ取得処理部と、第1黒データと第2黒データとに基づいて黒基準データを決定する黒基準データ決定部と、を備える。

【選択図】図5
特許請求の範囲約 2,400 文字を表示【請求項1】
原稿を支持する原稿台と、
前記原稿台を覆う閉塞状態と、前記原稿台を開放する開放状態とに開閉可能な原稿押え部材と、
光を照射する光源と、
入射される光を光電変換することにより主走査方向に沿った1ラインの複数の画素のデータであるラインデータを生成する読取部と、
黒基準データに基づき前記ラインデータを黒補正する黒補正部と、
前記光源を消灯させて前記読取部に生成させた前記ラインデータを第2黒データとして取得する第2黒データ取得処理と、前記第2黒データ取得処理を実行した後に前記原稿台に支持された原稿に前記光源から光を照射させて前記読取部に生成させた前記ラインデータをライン画像データとして取得する画像データ取得処理と、前記画像データ取得処理を実行した後に前記光源を消灯させて前記読取部に生成させた前記ラインデータを第1黒データとして取得する第1黒データ取得処理とを実行するデータ取得処理部と、
前記第1黒データと前記第2黒データとに基づいて前記黒基準データを決定する黒基準データ決定部と、を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記原稿台は、前記読取部が読取可能な最大の大きさの原稿を支持したときに主走査方向において原稿を支持しない原稿外領域を備え、
前記黒基準データ決定部は、
前記原稿外領域における前記第1黒データに基づき第1黒判別値を算出する第1黒判別値算出部と、
前記原稿外領域における前記第2黒データに基づき第2黒判別値を算出する第2黒判別値算出部と、
前記原稿外領域における前記ライン画像データに基づき対象判別値を算出する対象判別値算出部と、
前記対象判別値が前記第1黒判別値と同じ値であるか、または前記対象判別値が前記第2黒判別値と同じ値であるか、を判断する黒判断部と、を含み、
前記黒判断部により前記対象判別値が前記第1黒判別値と同じ値であると判断される場合に、前記第1黒データを前記黒基準データとして決定し、前記黒判断部により前記対象判別値が前記第2黒判別値と同じ値であると判断される場合に、前記第2黒データを前記黒基準データとして決定することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記第1黒判別値算出部は、前記原稿外領域における全ての画素の前記第1黒データを平均することにより前記第1黒判別値を算出し、
前記第2黒判別値算出部は、前記原稿外領域における全ての画素の前記第2黒データを平均することにより前記第2黒判別値を算出し、
前記対象判別値算出部は、前記原稿外領域における全ての画素の前記ライン画像データを平均することにより前記対象判別値を算出することを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記読取部を主走査方向と直交する副走査方向へ移動させる移動部と、
白色の濃度基準となる白色領域を有する白色部材と、
前記移動部により前記読取部を前記白色部材と対向する位置へ移動させ、前記白色部材に前記光源から光を照射させて前記読取部に生成させた前記ラインデータを白データとして取得する白データ取得部と、
前記原稿外領域における前記白データに基づき白判別値を算出する白判別値算出部と、を備え、
前記原稿押え部材が閉塞状態のときに、前記原稿外領域おいて前記読取部と対向する前記原稿押え部材の面が白色であり、
前記黒判断部は、前記対象判別値が前記第1黒判別値および前記第2黒判別値と同じ値でないか否かを判断し、
前記黒基準データ決定部は、
前記黒判断部により前記対象判別値が前記第1黒判別値および前記第2黒判別値と同じ値でないと判断される場合に、前記対象判別値が前記白判別値より大きい値であるか否かを判断する白判断部と、
前記白判断部により前記対象判別値が前記白判別値より大きい値であると判断される場合に、前記第1黒判別値が前記第2黒判別値以下であるか否かを判断する黒対比部とを含み、
前記黒対比部により前記第1黒判別値が前記第2黒判別値以下であると判断される場合に、前記第1黒データを前記黒基準データとして決定し、前記黒対比部により前記第1黒判別値が前記第2黒判別値以下でないと判断される場合に、前記第2黒データを前記黒基準データとして決定し、前記白判断部により前記対象判別値が前記白判別値より大きい値でないと判断される場合に、前記第1黒データと前記第2黒データとを補間演算することにより算出した黒補間データを前記黒基準データとして決定することを特徴とする請求項2、又は請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記白判別値算出部は、前記原稿外領域における全ての画素の前記白データを平均した値に1より小さい所定値を掛け算することにより前記白判別値を算出することを特徴とする請求項4に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記黒基準データ決定部は、
前記第2黒判別値と前記対象判別値との差分値を前記第1黒判別値と前記第2黒判別値との差分値で割り算した第1黒比率を算出し、前記第1黒判別値と前記対象判別値との差分値を前記第1黒判別値と前記第2黒判別値との差分値で割り算した第2黒比率を算出する比率算出部を備え、
前記白判断部により前記対象判別値が前記白判別値より大きい値でないと判断する場合に、1ライン中の各画素において、前記第1黒データに前記第1黒比率を掛け算したデータと、前記第2黒データに前記第2黒比率を掛け算したデータとを加算した前記黒補間データを前記黒基準データとして決定することを特徴とする請求項4、又は請求項5に記載の画像読取装置。

発明の詳細な説明約 31,000 文字を表示【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
装置外部から入射される外光の影響を低減するために、開閉可能な原稿カバーを開放した状態で、光源を消灯して外光を検知する画像読取装置が知られている。
【0003】
特許文献1に記載の画像入力装置は、光源からの赤色、緑色、および青色の光により原稿の主走査方向の1ラインを照射し、その反射光を電気信号に変換して画像を読み取り、次に光源を消灯して1ラインを読み取り、読み取られた両データを演算処理して外光の影響を低減させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平8−248529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、原稿カバーを開放した状態で原稿を読み取っている途中に原稿カバーが閉じられたり、原稿カバーを閉じた状態で原稿を読み取っている途中に原稿カバーが開放されたりすると、特許文献1に記載の画像入力装置は、原稿カバーが開閉されたときに読み取っているラインにおいて外光量が大きく変動するために、筋が発生してしまう。
【0006】
そこで、本発明は上述した事情に鑑みてなされ、原稿を読み取っている途中に原稿押え部材が開閉された場合でも、筋の発生を防止することができる画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明態様では、画像読取装置は、原稿を支持する原稿台と、前記原稿台を覆う閉塞状態と、前記原稿台を開放する開放状態とに開閉可能な原稿押え部材と、光を照射する光源と、入射される光を光電変換することにより主走査方向に沿った1ラインの複数の画素のデータであるラインデータを生成する読取部と、黒基準データに基づき前記ラインデータを黒補正する黒補正部と、前記光源を消灯させて前記読取部に生成させた前記ラインデータを第2黒データとして取得する第2黒データ取得処理と、前記第2黒データ取得処理を実行した後に前記原稿台に支持された原稿に前記光源から光を照射させて前記読取部に生成させた前記ラインデータをライン画像データとして取得する画像データ取得処理と、前記画像データ取得処理を実行した後に前記光源を消灯させて前記読取部に生成させた前記ラインデータを第1黒データとして取得する第1黒データ取得処理とを実行するデータ取得処理部と、前記第1黒データと前記第2黒データとに基づいて前記黒基準データを決定する黒基準データ決定部と、を備える。
【0008】
請求項2に記載の具体的態様では、前記原稿台は、前記読取部が読取可能な最大の大きさの原稿を支持したときに主走査方向において原稿を支持しない原稿外領域を備え、前記黒基準データ決定部は、前記原稿外領域における前記第1黒データに基づき第1黒判別値を算出する第1黒判別値算出部と、前記原稿外領域における前記第2黒データに基づき第2黒判別値を算出する第2黒判別値算出部と、前記原稿外領域における前記ライン画像データに基づき対象判別値を算出する対象判別値算出部と、前記対象判別値が前記第1黒判別値と同じ値であるか、または前記対象判別値が前記第2黒判別値と同じ値であるか、を判断する黒判断部と、を含み、前記黒判断部により前記対象判別値が前記第1黒判別値と同じ値であると判断される場合に、前記第1黒データを前記黒基準データとして決定し、前記黒判断部により前記対象判別値が前記第2黒判別値と同じ値であると判断される場合に、前記第2黒データを前記黒基準データとして決定する。
【0009】
請求項3に記載の具体的態様では、前記第1黒判別値算出部は、前記原稿外領域における全ての画素の前記第1黒データを平均することにより前記第1黒判別値を算出し、前記第2黒判別値算出部は、前記原稿外領域における全ての画素の前記第2黒データを平均することにより前記第2黒判別値を算出し、前記対象判別値算出部は、前記原稿外領域における全ての画素の前記ライン画像データを平均することにより前記対象判別値を算出する。
【0010】
請求項4に記載の具体的態様では、前記画像読取装置は、前記読取部を主走査方向と直交する副走査方向へ移動させる移動部と、白色の濃度基準となる白色領域を有する白色部材と、前記移動部により前記読取部を前記白色部材と対向する位置へ移動させ、前記白色部材に前記光源から光を照射させて前記読取部に生成させた前記ラインデータを白データとして取得する白データ取得部と、前記原稿外領域における前記白データに基づき白判別値を算出する白判別値算出部と、を備え、前記原稿押え部材が閉塞状態のときに、前記原稿外領域おいて前記読取部と対向する前記原稿押え部材の面が白色であり、前記黒判断部は、前記対象判別値が前記第1黒判別値および前記第2黒判別値と同じ値でないか否かを判断し、前記黒基準データ決定部は、前記黒判断部により前記対象判別値が前記第1黒判別値および前記第2黒判別値と同じ値でないと判断される場合に、前記対象判別値が前記白判別値より大きい値であるか否かを判断する白判断部と、前記白判断部により前記対象判別値が前記白判別値より大きい値であると判断される場合に、前記第1黒判別値が前記第2黒判別値以下であるか否かを判断する黒対比部とを含み、前記黒対比部により前記第1黒判別値が前記第2黒判別値以下であると判断される場合に、前記第1黒データを前記黒基準データとして決定し、前記黒対比部により前記第1黒判別値が前記第2黒判別値以下でないと判断される場合に、前記第2黒データを前記黒基準データとして決定し、前記白判断部により前記対象判別値が前記白判別値より大きい値でないと判断される場合に、前記第1黒データと前記第2黒データとを補間演算することにより算出した黒補間データを前記黒基準データとして決定する。
【0011】
請求項5に記載の具体的態様では、前記白判別値算出部は、前記原稿外領域における全ての画素の前記白データを平均した値に1より小さい所定値を掛け算することにより前記白判別値を算出する。
【0012】
請求項6に記載の具体的態様では、前記黒基準データ決定部は、前記第2黒判別値と前記対象判別値との差分値を前記第1黒判別値と前記第2黒判別値との差分値で割り算した第1黒比率を算出し、前記第1黒判別値と前記対象判別値との差分値を前記第1黒判別値と前記第2黒判別値との差分値で割り算した第2黒比率を算出する比率算出部を備え、前記白判断部により前記対象判別値が前記白判別値より大きい値でないと判断する場合に、1ライン中の各画素において、前記第1黒データに前記第1黒比率を掛け算したデータと、前記第2黒データに前記第2黒比率を掛け算したデータとを加算した前記黒補間データを前記黒基準データとして決定する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明態様では、データ取得処理部は、光源を消灯させて読取部に生成させたラインデータを第2黒データとして取得する第2黒データ取得処理と、第2黒データ取得処理を実行した後に原稿台に支持された原稿に光源から光を照射させて読取部に生成させたラインデータをライン画像データとして取得する画像データ取得処理と、画像データ取得処理を実行した後に光源を消灯させて読取部に生成させたラインデータを第1黒データとして取得する第1黒データ取得処理とを実行する。黒基準データ決定部は、第1黒データと第2黒データとに基づいて黒基準データを決定する。よって、ライン画像データを取得する前に取得した第2黒データと、ライン画像データを取得した後に取得した第1黒データとに基づき黒基準データを決定するため、ライン画像データを取得している途中に原稿押え部材が開閉された場合でも、精度良く黒基準データを決定することができる。
【0014】
請求項2に記載の具体的態様では、第1黒判別値算出部は、原稿外領域における第1黒データに基づき第1黒判別値を算出する。第2黒判別値算出部は、原稿外領域における第2黒データに基づき第2黒判別値を算出する。対象判別値算出部は、原稿外領域におけるライン画像データに基づき対象判別値を算出する。黒基準データ決定部は、対象判別値が第1黒判別値と同じ値であると判断される場合に、第1黒データを黒基準データとして決定し、対象判別値が第2黒判別値と同じ値であると判断される場合に、第2黒データを黒基準データとして決定する。よって、黒基準データ決定部は、対象判別値が第1黒判別値と同じ値であると判断される場合に、ライン画像データを取得する前に取得した第1黒データを黒基準データとして決定し、対象判別値が第2黒判別値と同じ値であると判断される場合に、ライン画像データを取得した後に取得した第2黒データを黒基準データとして決定するため、ライン画像データを取得している途中に原稿押え部材が開閉された場合でも、精度良く黒基準データを決定することができる。
【0015】
請求項3に記載の具体的態様では、第1黒判別値算出部は、原稿外領域における全ての画素の第1黒データを平均することにより第1黒判別値を算出する。第2黒判別値算出部は、原稿外領域における全ての画素の第2黒データを平均することにより第2黒判別値を算出する。対象判別値算出部は、原稿外領域における全ての画素のライン画像データを平均することにより対象判別値を算出する。よって、第1黒判別値算出部は、原稿外領域における全ての画素の第1黒データを平均することにより第1黒判別値を算出し、第2黒判別値算出部は、原稿外領域における全ての画素の第2黒データを平均することにより第2黒判別値を算出し、対象判別値算出部は、原稿外領域における全ての画素のライン画像データを平均することにより対象判別値を算出するため、第1黒判別値、第2黒判別値、および対象判別値を精度良く算出することができる。
【0016】
請求項4に記載の具体的態様では、白データ取得部は、白色部材に光源から光を照射させて読取部に生成させたラインデータを白データとして取得する。白判別値算出部は、原稿外領域における白データに基づき白判別値を算出する。黒基準データ設定部は、対象判別値が白判別値より大きい値であると判断され、且つ第1黒判別値が第2黒判別値以下である場合に、第1黒データを黒基準データとして決定し、対象判別値が白判別値より大きい値であると判断され、且つ第1黒判別値が第2黒判別値以下でない場合に、第2黒データを黒基準データとして決定し、対象判別値が白判別値より大きい値でないと判断される場合に、第1黒データと第2黒データとを補間演算することにより算出した黒補間データを黒基準データとして決定する。よって、黒基準データ決定部は、対象判別値が白判別値より大きい値である場合は、原稿押え部材が閉じられた場合であり、原稿押え部材が閉じられたときに取得された第1黒データ、または第2黒データを黒基準データとして決定し、対象判別値が第1黒判別値および第2黒判別値と同じ値でなく、白判別値よりも大きい値でない場合に、第1黒データと第2黒データとを補間演算することにより算出したデータを黒基準データとして決定するため、ライン画像データを取得している途中に原稿押え部材が開閉された場合でも、精度良く黒基準データを決定することができる。
【0017】
請求項5に記載の具体的態様では、白判別値算出部は、原稿外領域における全ての画素の白データを平均した値に1より小さい所定値を掛け算することにより白判別値を算出する。よって、白判別値算出部は、原稿外領域における全ての画素の白データを平均した値に1より小さい所定値を掛け算することにより白判別値を算出するため、白色部材の白色と原稿押え部材の面の白色とが異なる白色であった場合でも、このように算出された白判別値により原稿押え部材の開閉状態を精度良く判断することができる。
【0018】
請求項6に記載の具体的態様では、黒基準データ決定部は、対象判別値が白判別値より大きい値でないと判断される場合に、1ライン中の各画素において、第1黒データに第1黒比率を掛け算したデータと、第2黒データに第2黒比率を掛け算したデータとを加算した黒補間データを黒基準データとして決定する。よって、黒基準データ決定部は、1ライン中の各画素において、第1黒データに第1黒比率を掛け算したデータと、第2黒データに第2黒比率を掛け算したデータとを加算した黒補間データを黒基準データとして決定するため、ライン画像データを取得している途中に原稿押え部材が開閉された場合でも、精度良く黒基準データを決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の実施形態に係る画像読取装置SMの内部構成を示す図面である。
原稿載置台DTの上面図である。
画像読取装置SMの電気的構成を示すブロック図である。
画像処理部36の電気的構成を示すブロック図である。
黒基準データ決定部47の電気的構成を示すブロック図である。
読取メイン処理を示すフローチャートである。
初期化処理R1を示すフローチャートである。
1ライン目の原稿GSを読み取る過程について説明する図面である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<画像読取装置SMの構成>
図面を参照して本実施形態における画像読取装置SMの構成について説明する。図1は、画像読取装置SMの正面図を示す。図2は、原稿載置台DTを上から見た上面図を示す。以下の説明において、図1の右方向を副走査方向SDの下流、図2の下方向を主走査方向MDの下流、図2の右方向を副走査方向SDの下流として説明する。
【0021】
画像読取装置SMは、原稿載置台DTと、原稿押え板CVと、を備える。原稿載置台DTは、本体MBと、透明板TPと、を備える。本体MBは、様々な部材(例えば、透明板TP、読取部20等)を収容するための筐体である。透明板TPは、図2に一点鎖線で示すように、本体MBに収容されており、本体MBに固定されている。透明板TPは、読取対象の原稿GSを支持する。原稿押え板CVは、本体MBの奥側(図1の紙面に垂直方向の奥側、図2の上側)に回動軸28を備え、本体MBの手前側(図1の紙面に垂直方向の手前側、図2の下側)から開閉され、透明板TPを開放する開放状態と透明板TPを覆う閉塞状態とに開閉される。原稿押え板CVにおいて、閉塞状態において透明板TPを覆う面が白色である。
【0022】
画像読取装置SMは、さらに、透明板TPの下方で本体MBに収容されている読取部20を備える。読取部20は、本体MBに対して副走査方向SD(即ち図1の左右方向)に沿って移動可能である。読取部20は、透明板TPに支持される原稿GSの読取動作を実行する。読取部20は、CIS(Contact Image Sensorの略で、密着型イメージセンサ)で構成され、具体的には、光源21と、ロッドレンズ24と、受光部22と、を備える。光源21は、赤色、緑色、および青色の発光ダイオードなどで構成され、透明板TPに向けて、光を照射する。ロッドレンズ24は、主に光源21から照射される光の反射光を受光部22に結像する。
【0023】
受光部22は、主走査方向MDに配列される2600個の光電変換素子23を含み、図示しないアナログシフトレジスタ、および増幅器を内蔵する。各光電変換素子23の出力は、主走査方向MDの各画素における受光量である。光電変換素子23の先頭画素は、1番目の画素であり、図2に図示する主走査方向MDの最も上流に位置する画素である。光電変換素子23の最終画素は、2600番目の画素であり、図2に図示する主走査方向MDの最も下流に位置する画素である。本実施形態では、1ラインは、この主走査方向MDの先頭画素から最終画素までの画素で構成される画素群である。
【0024】
図2において、原稿載置台DTの上面は、本体MBの上面と、透明板TPが原稿押え板CV側に露出した面とを有する。本体MBにおいて、回動軸28が主走査方向MDの上流側に配置されている。透明板TPは、図2に一点鎖線で示すように、副走査方向SDに沿って伸びる長辺と、主走査方向MDに沿って伸びる短辺と、によって構成される矩形形状を有する。透明板TPの原稿押え板CV側に露出する面は、図2において実線で示される。原稿GSは、基準位置BPを基点として透明板TPに載置される。回動軸28は、原稿押え板CVを開閉するときに回動する軸であり、本体MBの主走査方向MDの上流側に2カ所配置されている。
【0025】
透明板TPの原稿押え板CV側に露出する面のうち主走査方向MDの最も上流の位置であり、且つ副走査方向SDの最も上流の位置が基準位置BPの位置である。透明板TPの原稿押え板CV側に露出する面のうち副走査方向の最も下流の位置が読取終了位置SRPである。画像読取装置SMは、副走査方向SDにおける基準位置BPから読取終了位置SRPまでの範囲を読取範囲として原稿GSの画像を読み取る。副走査方向SDにおける基準位置BPの位置が先頭ラインの副走査方向SDの位置である。透明板TPの原稿押え板CV側に露出する面のうち主走査方向MDの最も下流の画素の位置から主走査方向MDに沿って上流へ10画素離れた画素の位置までの範囲が、主走査方向MDにおける原稿外領域NGSRである。原稿外領域NGSRは、主走査方向MDにおける2591番目の画素から2600番目の画素までの範囲の領域である。画像読取装置SMが読取可能な最も大きなサイズの原稿GSが基準位置BPを基準に載置された状態で、原稿押え板CVが開放状態のときに、原稿外領域NGSRは原稿GSに覆われずに、読取部20は画像読取装置SMの外部からの光を読み取り、原稿押え板CVが閉塞状態のときに、原稿外領域NGSRは原稿GSに覆われずに、読取部20は白色の原稿押え板CVの画像を読み取る。
【0026】
画像読取装置SMは、さらに、透明板TPの上面に固定されている基準部材BMを備える。基準部材BMは、透明板TPの副走査方向SDの上流側(即ち図2の左側)の端部に設けられている。基準部材BMは、主走査方向MDに沿って伸びる白色の基準濃度の部材である。副走査方向SDにおいて、基準部材BM上の位置が、ホーム位置HPである。読取部20は、ホーム位置HPを基準として、副走査方向SDに沿って移動可能に構成されている。本実施形態では、原稿押え部材CVが開放状態で、読取部20がホーム位置HPに位置するときには、画像読取装置SMの外部から光が入射しても、読取部20は画像読取装置SMの外部からの光は読み取らない。
【0027】
<画像読取装置SMの電気的構成>
画像読取装置SMの電気的構成について図3、図4、および図5を参照して説明する。図3において、画像読取装置SMは、CPU30、ROM31、RAM32、フラッシュROM33、デバイス制御部34、アナログフロントエンド(以下、AFEという)35、画像処理部36、および駆動回路37を主な構成要素として備える。これらの構成要素は、バス38を介して、操作機構OM、および表示機構DMに接続される。操作機構OMは、開始ボタンおよび決定ボタン等の複数のキーによって構成される。ユーザは、操作機構OMを操作することによって、様々な指示を画像読取装置SMに入力することができる。表示機構DMは、様々な情報を表示するためのディスプレイである。
【0028】
ROM31は、後述する読取メイン処理、および各メイン処理中のサブルーチンの処理など、画像読取装置SMの各種動作を実行するためのプログラムを記憶する。CPU30は、ROM31から読み出されたプログラムに従って、各部の制御を行う。フラッシュROM33は、読み書き可能な不揮発性メモリであり、CPU30の制御処理により生成された各種のデータ、例えば読取メイン処理により取得された各種のデータなどを記憶する。RAM32は、CPU30の制御処理により生成された算出結果などを一時的に記憶する。
【0029】
デバイス制御部34は、読取部20に接続され、CPU30からの命令に基づいて、各種信号を送信する。具体的には、デバイス制御部34は、CPU30からの命令に基づいて、光源21の点灯又は消灯を制御する信号、および光源21に流れる電流値を制御する信号を光源21に送信する。デバイス制御部34は、CPU30からの命令に基づいて、多数の光電変換素子23の電気信号を同時にアナログシフトレジスタ(不図示)に転送するためのシリアルイン信号SIおよびアナログシフトレジスタの電気信号を順番に出力させるためのクロック信号CLKを受光部22に送信する。読取部20は、デバイス制御部34からこれらの信号を受け取ると、光源21を点灯させるとともに、受光部22が受光した受光量に応じたアナログ信号を先頭画素から最終画素まで順にAFE35に送信する。
【0030】
AFE35は、読取部20に接続され、CPU30からの命令に基づいて、読取部20から送信されるアナログ信号をデジタルデータDDに変換する。AFE35は、予め定められた入力レンジおよび分解能を有する。例えば、分解能は、10ビットであるならば「0」から「1023」までの階調である。この場合、AFE35は、読取部20から送信されたアナログ信号をデジタルデータDDとして10ビット(0〜1023)の階調データに変換する。AFE35によって変換されたデジタルデータDDは、画像処理部36に送信される共に、RAM32に記憶される。
【0031】
駆動回路37は、搬送モータMTに接続され、CPU30から送信される駆動指令に基づいて搬送モータMTを駆動する。駆動回路37は、駆動指令により指令された回転量および回転方向に従って搬送モータMTを回転させる。搬送モータMTが所定量だけ回転すると、移動機構MMが所定角度回転し、読取部20が副走査方向SDに所定距離だけ搬送される。
【0032】
画像処理部36は、図4に示すように、切替部40、画素カウンタ41、ラインカウンタ42、画像データ記憶部43、黒データ記憶部44、平均化回路45、判別データ記憶部46、黒基準データ決定部47、データ取得部48、黒補正部71、白補正部72、および白基準データ記憶部73を含む。画像データ記憶部43は、第1ライン記憶部431、第2ライン記憶部432、第3ライン記憶部433、および第4ライン記憶部434を含む。
【0033】
画素カウンタ41は、AFE35からデジタルデータDDが入力されると、設定されている画素番号PNに「1」を加算し、加算した画素番号PNを切替部40、および画像データ記憶部43に送信する。画素カウンタ41は、ラインカウンタ42からライン番号LNが入力されると、画素番号PNに「0」を設定する。本実施形態では、後述する初期値設定処理RA1において画素番号PNに初期値として「0」が設定される。
【0034】
ラインカウンタ42は、ライン番号LNに「1」、「2」、または「3」が設定されているときに、AFE35からデジタルデータDDが2600個入力されると、設定されているライン番号LNに「1」を加算し、加算したライン番号LNを画素カウンタ41、切替部40、画像データ記憶部43、判別データ記憶部46、および黒データ記憶部44に送信する。ラインカウンタ42は、ライン番号LNに「4」が設定されているときに、AFE35からデジタルデータDDが2600個入力されると、ライン番号LNに「1」を設定し、設定したライン番号LNを画素カウンタ41、切替部40、画像データ記憶部43、判別データ記憶部46、および黒データ記憶部44に送信する。本実施形態では、後述する初期値設定処理RA1においてライン番号LNに初期値として「1」が設定され、ラインカウンタ42は、設定したライン番号LNを画素カウンタ41、切替部40、画像データ記憶部43、判別データ記憶部46、および黒データ記憶部44に送信する。本実施形態では、AFE35からデジタルデータDDが2600個入力されると、1ラインの先頭画素から最終画素までのデジタルデータDDが入力される。
【0035】
切替部40は、ラインカウンタ42から入力されたライン番号LNが「1」であるときに、AFE35からデジタルデータDDが入力されると、入力されたデジタルデータDDを黒データ記憶部44に送信する。切替部40は、ラインカウンタ42から入力されたライン番号LNが「2」、「3」、または「4」であるときに、AFE35からデジタルデータDDが入力されると、入力されたデジタルデータDDを画像データ記憶部43に送信する。切替部40は、画素カウンタ41から「2591」から「2600」までのいずれかの画素番号PNが入力されると、AFE35から入力されたデジタルデータDDを平均化回路45に送信する。即ち、切替部40は、2591番目の画素から2600番目の画素までのデジタルデータDDを平均化回路45に送信する。
【0036】
画像データ記憶部43は、記憶されている記憶位置番号RPNが「4」であるときに、切替部40からデジタルデータDDが入力されると、画素カウンタ41から入力された画素番号PNに関連付けて第1ライン記憶部431にデジタルデータDDを記憶する。画像データ記憶部43は、最終画素の画素番号PNである「2600」に関連付けて第1ライン記憶部431にデジタルデータDDを記憶すると、記憶位置番号RPNに「1」を設定する。画像データ記憶部43は、記憶されている記憶位置番号RPNが「1」であるときに、切替部40からデジタルデータDDが入力されると、画素カウンタ41から入力された画素番号PNに関連付けて第2ライン記憶部432にデジタルデータDDを記憶する。画像データ記憶部43は、最終画素の画素番号PNである「2600」に関連付けて第2ライン記憶部432にデジタルデータDDを記憶すると、記憶位置番号RPNに「2」を設定する。画像データ記憶部43は、記憶されている記憶位置番号RPNが「2」であるときに、切替部40からデジタルデータDDが入力されると、画素カウンタ41から入力された画素番号PNに関連付けて第3ライン記憶部433にデジタルデータDDを記憶する。画像データ記憶部43は、最終画素の画素番号PNである「2600」に関連付けて第3ライン記憶部433にデジタルデータDDを記憶すると、記憶位置番号RPNに「3」を設定する。画像データ記憶部43は、記憶されている記憶位置番号RPNが「3」であるときに、切替部40からデジタルデータDDが入力されると、画素カウンタ41から入力された画素番号PNに関連付けて第4ライン記憶部434にデジタルデータDDを記憶する。画像データ記憶部43は、最終画素の画素番号PNである「2600」に関連付けて第4ライン記憶部434にデジタルデータDDを記憶すると、記憶位置番号RPNに「4」を設定する。画像データ記憶部43は、ラインカウンタ42からライン番号LNとして「3」が入力されると、記憶されている記憶位置番号RPNを第1記憶位置RPN1として記憶する。画像データ記憶部43は、ラインカウンタ42からライン番号LNとして「4」が入力されると、記憶されている記憶位置番号RPNを第2記憶位置RPN2として記憶する。画像データ記憶部43は、ラインカウンタ42からライン番号LNとして「1」が入力されると、記憶されている記憶位置番号RPNを第3記憶位置RPN3として記憶する。本実施形態では、「2600」の画素番号PNが入力される時から「1」の画素番号PNが入力される時までに、画像データ記憶部43にライン番号LNが入力される。本実施形態では、後述する初期値設定処理RA1において記憶位置番号RPNに初期値として「4」が設定される。
【0037】
黒データ記憶部44は、5200個のデジタルデータDDを記憶するリングバッファを含む。黒データ記憶部44は、デジタルデータDDが入力されると、リングバッファにデジタルデータDDを予め定められた記憶順番で記憶する。黒データ記憶部44は、リングバッファに5200個のデジタルデータDDが記憶されているときに、ラインカウンタ42から「2」のライン番号LNが入力されると、最後にデジタルデータDDをリングバッファに記憶した記憶位置を記憶完了位置MEPとして記憶し、記憶完了信号MESを黒基準データ決定部47に送信する。本実施形態では、5200個のデジタルデータDDは、2ラインの先頭画素から最終画素までのデジタルデータDDである。記憶完了位置MEPは、最終画素の第1黒データBK1を記憶する位置である。第1黒データBK1は、記憶完了位置MEPから黒データ記憶部44が記憶する記憶順番と反対方向へ2599番目に記憶されたデジタルデータDDから記憶完了位置MEPに記憶されたデジタルデータDDまでのデータである。第2黒データBK2は、記憶完了位置MEPから黒データ記憶部44が記憶する記憶順番と反対方向へ5199番目に記憶されたデジタルデータDDから2600番目に記憶されたデジタルデータDDまでのデータである。
【0038】
平均化回路45は、ラインカウンタ42からライン番号LNが入力されると、切替部40から入力される10個のデジタルデータDDを平均し、平均した値を判別値DVとして判別データ記憶部46に送信する。
【0039】
判別データ記憶部46は、第1黒判別値DVBK1が記憶されてなく、且つラインカウンタ42から入力されるライン番号LNが「2」であるときに、判別値DVが入力されると、入力された判別値DVを第1黒判別値DVBK1として記憶する。判別データ記憶部46は、第1黒判別値DVBK1が記憶されており、且つラインカウンタ42から入力されるライン番号LNが「2」であるときに、判別値DVが入力されると、記憶されている第1黒判別値DVBK1を第2黒判別値DVBK2として記憶し、入力された判別値DVを第1黒判別値DVBK1として記憶する。判別データ記憶部46は、ラインカウンタ42から入力されるライン番号LNが「3」であるときに、判別値DVが入力されると、入力された判別値DVを第1判別値DV1として記憶する。判別データ記憶部46は、ラインカウンタ42から入力されるライン番号LNが「4」であるときに、判別値DVが入力されると、入力された判別値DVを第2判別値DV2として記憶する。判別データ記憶部46は、ラインカウンタ42から入力されるライン番号LNが「1」であるときに、判別値DVが入力されると、入力された判別値DVを第3判別値DV3として記憶する。判別データ記憶部46は、後述する処理RA5において算出した第1白判別値DVWH1がCPU30から入力されると、第1白判別値DVWH1を記憶する。判別データ記憶部46は、後述する処理RA6において算出した第2白判別値DVWH2がCPU30から入力されると、第2白判別値DVWH2を記憶する。判別データ記憶部46は、後述する処理RA7において算出した第3白判別値DVWH3がCPU30から入力されると、第3白判別値DVWH3を記憶する。
【0040】
黒基準データ決定部47は、図5に示すように、処理ラインカウンタ50、判別データ取得部51、黒比較部52、黒データ取得部53、白比較部54、比率算出部55、および黒基準データ算出部56を含む。
【0041】
処理ラインカウンタ50は、黒データ記憶部44から記憶完了信号MESが入力されると、「1」を処理ライン番号PLNとして設定し、設定した処理ライン番号PLNを判別データ取得部51、白補正部72、およびデータ取得部48に送信する。処理ラインカウンタ50は、処理ライン番号PLNが「1」であるときに、黒補正部71から補正完了信号CESが入力されると、「2」を処理ライン番号PLNとして設定し、設定した処理ライン番号PLNを判別データ取得部51、白補正部72、およびデータ取得部48に送信する。処理ラインカウンタ50は、処理ライン番号PLNが「2」であるときに、黒補正部71から補正完了信号CESが入力されると、「3」を処理ライン番号PLNとして設定し、設定した処理ライン番号PLNを判別データ取得部51、白補正部72、およびデータ取得部48に送信する。本実施形態では、処理ライン番号PLNが処理ラインカウンタ50から送信される時から補正完了信号CESが処理ラインカウンタ50に入力される時までの時間は、AFE35から1ラインのデジタルデータDDが画像処理部36に入力される時間より短い時間である。
【0042】
判別データ取得部51は、処理ラインカウンタ50から処理ライン番号PLNとして「1」が入力されると、判別データ記憶部46から第1判別値DV1、第1黒判別値DVBK1、および第2黒判別値DVBK2を取得し、取得した第1判別値DV1を対象判別値TDVとして黒比較部52へ送信し、取得した第1黒判別値DVBK1および第2黒判別値DVBK2を黒比較部52へ送信する。判別データ取得部51は、処理ラインカウンタ50から処理ライン番号PLNとして「2」が入力されると、判別データ記憶部46から第2判別値DV2、第1黒判別値DVBK1、および第2黒判別値DVBK2を取得し、取得した第2判別値DV2を対象判別値TDVとして黒比較部52へ送信し、取得した第1黒判別値DVBK1および第2黒判別値DVBK2を黒比較部52へ送信する。判別データ取得部51は、処理ラインカウンタ50から処理ライン番号PLNとして「3」が入力されると、判別データ記憶部46から第3判別値DV3、第1黒判別値DVBK1、および第2黒判別値DVBK2を取得し、取得した第3判別値DV3を対象判別値TDVとして黒比較部52へ送信し、取得した第1黒判別値DVBK1および第2黒判別値DVBK2を黒比較部52へ送信する。判別データ取得部51は、入力された処理ライン番号PLNが「1」であるときに、後述する黒比較部52から白比較信号WHCSが入力されると、判別データ記憶部46から第1白判別値DVWH1を取得し、取得した第1白判別値DVWH1を対象白判別値TDVWHとして白比較部54へ送信する。判別データ取得部51は、入力された処理ライン番号PLNが「2」であるときに、後述する黒比較部52から白比較信号WHCSが入力されると、判別データ記憶部46から第2白判別値DVWH2を取得し、取得した第2白判別値DVWH2を対象白判別値TDVWHとして白比較部54へ送信する。判別データ取得部51は、入力された処理ライン番号PLNが「3」であるときに、後述する黒比較部52から白比較信号WHCSが入力されると、判別データ記憶部46から第3白判別値DVWH3を取得し、取得した第3白判別値DVWH3を対象白判別値TDVWHとして白比較部54へ送信する。
【0043】
黒比較部52は、対象判別値TDV、第1黒判別値DVBK1、および第2黒判別値DVBK2が入力されると、対象判別値TDVが第1黒判別値DVBK1と同じ値であるか、対象判別値TDVが第2黒判別値DVBK2と同じ値であるか、または対象判別値TDVが第1黒判別値DVBK1および第2黒判別値DVBK2と同じ値でないかを判断する。黒比較部52は、対象判別値TDVが第1黒判別値DVBK1と同じ値であると判断すると、第1取得信号AS1を黒データ取得部53へ送信する。黒比較部52は、対象判別値TDVが第2黒判別値DVBK2と同じ値であると判断すると、第2取得信号AS2を黒データ取得部53へ送信する。黒比較部52は、対象判別値TDVが第1黒判別値DVBK1および第2黒判別値DVBK2と同じ値でないと判断すると、白比較信号WHCSを判別データ取得部51へ送信し、対象判別値TDV、第1黒判別値DVBK1、および第2黒判別値DVBK2を白比較部54に送信する。
【0044】
白比較部54は、対象白判別値TDVWHが入力されると、黒比較部52から入力された対象判別値TDVが対象白判別値TDVWHより大きいか否かを判断する。白比較部54は、対象判別値TDVが対象白判別値TDVWHより大きいと判断すると、第1黒判別値DVBK1が第2黒判別値DVBK2以下であるか否かを判断する。白比較部54は、第1黒判別値DVBK1が第2黒判別値DVBK2以下であると判断すると、第3取得信号AS3を黒データ取得部53へ送信し、第1黒判別値DVBK1が第2黒判別値DVBK2以下でないと判断すると、第4取得信号AS4を黒データ取得部53へ送信する。白比較部54は、対象判別値TDVが対象白判別値TDVWHより大きくないと判断すると、第5取得信号AS5を黒データ取得部53へ送信し、対象判別値TDV、第1黒判別値DVBK1、および第2黒判別値DVBK2を比率算出部55へ送信する。
【0045】
黒データ取得部53は、黒比較部52から第1取得信号AS1が入力されると、黒データ記憶部44から記憶完了位置MEPを取得し、取得した記憶完了位置MEPに基づき第1黒データBK1を取得し、取得した第1黒データBK1を黒基準データBKSDとして黒補正部71へ送信する。黒データ取得部53は、黒比較部52から第2取得信号AS2が入力されると、黒データ記憶部44から記憶完了位置MEPを取得し、取得した記憶完了位置MEPに基づき第2黒データBK2を取得し、取得した第2黒データBK2を黒基準データBKSDとして黒補正部71へ送信する。黒データ取得部53は、白比較部54から第3取得信号AS3が入力されると、黒データ記憶部44から記憶完了位置MEPを取得し、取得した記憶完了位置MEPに基づき第1黒データBK1を取得し、取得した第1黒データBK1を黒基準データBKSDとして黒補正部71へ送信する。白比較部54から第4取得信号AS4が入力されると、黒データ記憶部44から記憶完了位置MEPを取得し、取得した記憶完了位置MEPに基づき第2黒データBK2を取得し、取得した第2黒データBK2を黒基準データBKSDとして黒補正部71へ送信する。黒データ取得部53は、白比較部54から第5取得信号AS5が入力されると、黒データ記憶部44から記憶完了位置MEPを取得し、取得した記憶完了位置MEPに基づき第1黒データBK1および第2黒データBK2を取得し、取得した第1黒データBK1および第2黒データBK2を黒基準データ算出部56へ送信する。
【0046】
比率算出部55は、白比較部54から対象判別値TDV、第1黒判別値DVBK1、および第2黒判別値DVBK2が入力されると、第1比率RN1および第2比率RN2を線形補間処理により算出し、算出した第1比率RN1および第2比率RN2を黒基準データ算出部56へ送信する。具体的には、比率算出部55は、第2黒判別値DVBK1と対象判別値TDVとの差分値を第1黒判別値DVBK1と第2黒判別値DVBK2との差分値で割り算した値を第1比率RN1として算出し、第1黒判別値DVBK2と対象判別値TDVとの差分値を第1黒判別値DVBK1と第2黒判別値DVBK2との差分値で割り算した値を第2比率RN2として算出する。
【0047】
黒基準データ算出部56は、比率算出部55から第1比率RN1および第2比率RN2が入力されると、先頭画素から最終画素までの各画素において、第1黒データBK1に第1比率RN1を掛け算した値に第2黒データBK2に第2比率RN2を掛け算した値を加算し、先頭画素から最終画素までの加算した値を黒基準データBKSDとして黒補正部71へ送信する。
【0048】
データ取得部48は、図4に示すように、黒基準データ決定部47から処理ライン番号PLNとして「1」が入力されると、画像データ記憶部43から第1記憶位置RPN1を取得し、取得した第1記憶位置RPN1に対応するライン記憶部に記憶されたデジタルデータDDをラインデータLDとして取得し、取得したラインデータLDを黒補正部71に送信する。第1記憶位置RPN1に対応するライン記憶部は、第1記憶位置RPN1が「1」であるときには、第1ライン記憶部431であり、第1記憶位置RPN1が「2」であるときには、第2ライン記憶部432であり、第1記憶位置RPN1が「3」であるときには、第3ライン記憶部433であり、第1記憶位置RPN1が「4」であるときには、第4ライン記憶部434である。データ取得部48は、黒基準データ決定部47から処理ライン番号PLNとして「2」が入力されると、画像データ記憶部43から第2記憶位置RPN2を取得し、取得した第2記憶位置RPN2に対応するライン記憶部に記憶されたデジタルデータDDをラインデータLDとして取得し、取得したラインデータLDを黒補正部71に送信する。第2記憶位置RPN2に対応するライン記憶部は、第2記憶位置RPN2が「1」であるときには、第1ライン記憶部431であり、第2記憶位置RPN2が「2」であるときには、第2ライン記憶部432であり、第2記憶位置RPN2が「3」であるときには、第3ライン記憶部433であり、第2記憶位置RPN2が「4」であるときには、第4ライン記憶部434である。データ取得部48は、黒基準データ決定部47から処理ライン番号PLNとして「3」が入力されると、画像データ記憶部43から第3記憶位置RPN3を取得し、取得した第3記憶位置RPN3に対応するライン記憶部に記憶されたデジタルデータDDをラインデータLDとして取得し、取得したラインデータLDを黒補正部71に送信する。第3記憶位置RPN3に対応するライン記憶部は、第3記憶位置RPN3が「1」であるときには、第1ライン記憶部431であり、第3記憶位置RPN3が「2」であるときには、第2ライン記憶部432であり、第3記憶位置RPN3が「3」であるときには、第3ライン記憶部433であり、第3記憶位置RPN3が「4」であるときには、第4ライン記憶部434である。
【0049】
黒補正部71は、黒基準データ決定部47から黒基準データBKSDが入力されると、1ライン中の各画素についてラインデータLDから黒基準データBKSDを引き算することにより黒補正データBKCDを算出し、算出した黒補正データBKCDを白補正部72へ送信し、補正完了信号CESを黒基準データ決定部47へ送信する。1ライン中の各画素についてラインデータLDから黒基準データBKSDを引き算することが、黒補正処理の一例である。
【0050】
白基準データ記憶部73は、後述する処理RA4において算出した3色の白基準データWHSDがCPU30から入力されると、3色の白基準データWHSDを記憶する。
【0051】
白補正部72は、処理ライン番号PLNが「1」であるときに、黒補正部71から黒補正データBKCDが入力されると、白基準データ記憶部73から赤色の白基準データWHSDを取得する。白補正部72は、処理ライン番号PLNが「2」であるときに、黒補正部71から黒補正データBKCDが入力されると、白基準データ記憶部73から緑色の白基準データWHSDを取得する。白補正部72は、処理ライン番号PLNが「3」であるときに、黒補正部71から黒補正データBKCDが入力されると、白基準データ記憶部73から青色の白基準データWHSDを取得する。白補正部72は、白基準データWHSDを取得すると、1ライン中の各色の各画素について取得した白基準データWHSDで黒補正データBKCDを割り算した値にターゲットデータを掛け算することにより3色の白補正データWHCDを算出し、算出した3色の白補正データWHCDをRAM32に記憶する。本実施形態では、ターゲットデータは、白色を読み取ったときに正規化される値であり、例えば「255」である。
【0052】
<画像読取装置SMの動作>
次に、画像読取装置SMの動作について図面を参照して説明する。画像読取装置SMは、原稿GSを読み取る読取メイン処理を主に実行する。図6に示す読取メイン処理中の処理R1〜処理R8は、CPU30が実行する処理である。
【0053】
(読取メイン処理)
図6に示す読取メイン処理は、ユーザが原稿GSを透明板TPに載置し、操作機構OMの読取開始ボタンを押下することにより、開始される。即ち、CPU30は、読取開始ボタンを押下した指令を受け取ることにより、読取メイン処理を開始する。
【0054】
CPU30は、初期化処理を実行する(R1)。詳細は後述するため、ここでは概説する。CPU30は、デバイス制御部34、AFE35、および画像処理部36に初期値を設定する。CPU30は、黒データBKD、および白データWHDを取得する。CPU30は、白基準データWHSD、第1白判別値DVWH1、第2白判別値DVWH2、および第3白判別値DVWH3を算出する。
【0055】
CPU30は、駆動動作を開始する(R2)。具体的には、CPU30は、駆動回路37に駆動指令を送信し、読取部20を基準位置BPに移動させる。CPU30は、駆動回路37に指令を送信し、基準位置BPから副走査方向SDに沿って下流へ読取部20を移動させる駆動動作を開始する。
【0056】
CPU30は、消灯読取処理を実行する(R3)。具体的には、CPU30は、光源21を消灯させて読取部20に1ラインの画像を読み取らせる。処理R3が実行されると、1ラインのデジタルデータDDがAFE35から画像処理部36に送信され、ラインカウンタ42からライン番号LNとして「1」が送信され、切替部40により1ラインのデジタルデータDDが黒データ記憶部44に記憶される。
【0057】
CPU30は、赤点灯読取処理を実行する(R4)。具体的には、CPU30は、光源21から赤色の光を照射させて読取部20に1ラインの画像を読み取らせる。処理R4が実行されると、1ラインのデジタルデータDDがAFE35から画像処理部36に送信され、ラインカウンタ42からライン番号LNとして「2」が送信され、切替部40により1ラインのデジタルデータDDが画像データ記憶部43に記憶される。
【0058】
CPU30は、緑点灯読取処理を実行する(R5)。具体的には、CPU30は、光源21から緑色の光を照射させて読取部20に1ラインの画像を読み取らせる。処理R5が実行されると、1ラインのデジタルデータDDがAFE35から画像処理部36に送信され、ラインカウンタ42からライン番号LNとして「3」が送信され、切替部40により1ラインのデジタルデータDDが画像データ記憶部43に記憶される。
【0059】
CPU30は、青点灯読取処理を実行する(R6)。具体的には、CPU30は、光源21から青色の光を照射させて読取部20に1ラインの画像を読み取らせる。処理R6が実行されると、1ラインのデジタルデータDDがAFE35から画像処理部36に送信され、ラインカウンタ42からライン番号LNとして「4」が送信され、切替部40により1ラインのデジタルデータDDが画像データ記憶部43に記憶される。
【0060】
CPU30は、読取部20が読取終了位置SRPに位置するか否かを判断する(R7)。CPU30は、読取部20が読取終了位置SRPに位置する場合(R7:Yes)に、処理R3に進み、読取部20が読取終了位置SRPに位置しない場合(R7:No)に、処理R8に進む。本実施形態では、処理R3から処理R7まで1サイクルだけ実行されると、読取部20が副走査方向SDに副走査方向SDの読取解像度に対応する距離だけ移動する。
【0061】
CPU30は、駆動動作を終了する(R8)。具体的には、CPU30は、駆動回路37に指令を送信し、読取部20を駆動停止させた後に、読取部20をホーム位置HPに移動させる。処理R8が終了すると、読取メイン処理が終了する。
【0062】
(初期化処理R1)
図7に示す初期化処理(R1)が開始されると、CPU30は、デバイス制御部34、AFE35、および画像処理部36に初期値を設定する(RA1)。具体的には、CPU30は、主走査方向MDの読取解像度が300DPI、および副走査方向SDの読取解像度が300DPIで読み取るためのクロック信号CLKおよびシリアルイン信号SIの設定値をフラッシュROM33から取得し、デバイス制御部34に設定する。CPU30は、主走査方向MDの読取解像度が300DPI、および副走査方向SDの読取解像度が300DPIで読み取るための設定値をフラッシュROM33から取得し、AFE35に設定する。CPU30は、画像処理部36の画素カウンタ41に画素番号PNとして「0」を設定する。CPU30は、画像処理部36のラインカウンタ42にライン番号LNとして「1」を設定する。CPU30は、画像処理部36の判別データ記憶部46の第1黒判別値DVBK1を削除する。CPU30は、画像処理部36の画像データ記憶部43に記憶位置番号RPNとして「4」を設定する。CPU30は、駆動指令を送信し、読取部20をホーム位置HPに移動させる。
【0063】
CPU30は、黒データBKDを取得する(RA2)。具体的には、CPU30は、光源21を消灯して読取部20に読み取らせたアナログデータをAFE35で変換した1ラインのデジタルデータDDを1ラインの黒データBKDとして取得する。本実施形態では、処理RA2において変換した1ラインのデジタルデータDDは、画像処理部36には送信されない。
【0064】
CPU30は、白データWHDを取得する(RA3)。具体的には、CPU30は、光源21の赤色の光で基準部材BMを照射し、その反射光が読取部20により読み取られたときのアナログデータをAFE35で変換した1ラインのデジタルデータDDを赤色の白データWHDとして取得する。CPU30は、光源21の緑色の光で基準部材BMを照射し、その反射光が読取部20により読み取られたときのアナログデータをAFE35で変換した1ラインのデジタルデータDDを緑色の白データWHDとして取得する。CPU30は、光源21の青色の光で基準部材BMを照射し、その反射光が読取部20により読み取られたときのアナログデータをAFE35で変換した1ラインのデジタルデータDDを青色の白データWHDとして取得する。本実施形態では、赤色の白データWHDと、緑色の白データWHDと、青色の白データWHDとを組み合わせたデータが、1ラインの3色の白データWHDである。本実施形態では、処理RA3において変換した1ラインのデジタルデータDDは、画像処理部36には送信されない。
【0065】
CPU30は、白基準データWHSDを算出する(RA4)。具体的には、CPU30は、1ライン中の各色の各画素において白データWHDから黒データBKDを引き算することにより3色の白基準データWHSDを算出する。CPU30は、算出した3色の白基準データWHSDを白基準データ記憶部73に送信する。
【0066】
CPU30は、第1白判別値DVWH1を算出する(RA5)。具体的には、CPU30は、2591番目の画素から2600番目の画素までの10個の画素の赤色の白データWHDを平均し、平均した値に第1所定値を掛け算することにより第1白判別値DVWH1を算出する。CPU30は、算出した第1白判別値DVWH1を判別データ記憶部46に送信する。本実施形態では、第1白判別値DVWH1は、基準部材BMの白色の画像を読み取ることにより算出される。一方、対象判別値TDVは、原稿押え板CVが閉塞状態において原稿押え板CVの白色の画像を読み取ることにより算出される。基準部材BMの白色と原稿押え板CVの白色との違いを考慮して、第1所定値は、「0.9」である。
【0067】
CPU30は、第2白判別値DVWH2を算出する(RA6)。具体的には、CPU30は、2591番目の画素から2600番目の画素までの10個の画素の緑色の白データWHDを平均し、平均した値に第2所定値を掛け算することにより第2白判別値DVWH2を算出する。CPU30は、算出した第2白判別値DVWH2を判別データ記憶部46に送信する。本実施形態では、第2白判別値DVWH2は、基準部材BMの白色の画像を読み取ることにより算出される。一方、対象判別値TDVは、原稿押え板CVが閉塞状態において原稿押え板CVの白色の画像を読み取ることにより算出される。基準部材BMの白色と原稿押え板CVの白色との違いを考慮して、第2所定値は、「0.9」である。
【0068】
CPU30は、第3白判別値DVWH3を算出する(RA7)。具体的には、CPU30は、2591番目の画素から2600番目の画素までの10個の画素の青色の白データWHDを平均し、平均した値に第3所定値を掛け算することにより第3白判別値DVWH3を算出する。CPU30は、算出した第3白判別値DVWH3を判別データ記憶部46に送信する。本実施形態では、第3白判別値DVWH3は、基準部材BMの白色の画像を読み取ることにより算出される。一方、対象判別値TDVは、原稿押え板CVが閉塞状態において原稿押え板CVの白色の画像を読み取ることにより算出される。基準部材BMの白色と原稿押え板CVの白色との違いを考慮して、第3所定値は、「0.9」である。処理RA7が終了すると、処理R1が終了する。
【0069】
(具体例)
図8を参照して黒基準データBKSDが決定される過程について説明する。本具体例では、画像読取装置SMが、1ライン目の原稿GSの画像を読み取るときの過程について説明する。本具体例では、1ライン目緑色位置の原稿GSの画像を読み取っている時に、ユーザが原稿押え板CVを開放状態から閉塞状態へと開閉させた場合について説明する。本具体例では、事前に実行された初期化処理R1により第2白判別値DVWH2として「700」と、第3白判別値DVWH3として「550」とが判別データ記憶部46に記憶されている。
【0070】
画像読取装置SMは、消灯読取処理R2において光源21を消灯した状態で1ライン目消灯位置における原稿GSの画像を読み取ることにより、1ラインのデジタルデータDDが第2黒データBK2として黒データ記憶部44に記憶され、2591番目の画素から2600番目の画素までのデジタルデータDDを平均した「400」が第2黒判別値DVBK2として判別データ記憶部46に記憶される。この処理において、本来であれば第1黒データBK1として記憶した後に、第2黒データBK2として記憶されるが、説明の簡略化のために、第2黒データBK2として記憶されるとして説明した。
【0071】
画像読取装置SMは、赤点灯読取処理R3において光源21から赤色の光を照射した状態で1ライン目赤色位置における原稿GSの画像を読み取ることにより、1ラインのデジタルデータDDがラインデータLDとして第1ライン記憶部431に記憶され、2591番目の画素から2600番目の画素までのデジタルデータDDを平均した「400」が第1判別値DV1として判別データ記憶部46に記憶される。本具体例では、1ライン目消灯位置の原稿GSの画像を読み取っているときと、1ライン目赤色位置の原稿GSの画像を読み取っているときとは、原稿押え板CVが開放状態であるため、どちらの時点においても同じ光量の外光が読取部20に入射することにより、第2黒判別値DVBK2と第1判別値DV1とが同じ値となっている。
【0072】
画像読取装置SMは、緑点灯読取処理R4において光源21から緑色の光を照射した状態で1ライン目緑色位置における原稿GSの画像を読み取ることにより、1ラインのデジタルデータDDがラインデータLDとして第2ライン記憶部432に記憶され、2591番目の画素から2600番目の画素までのデジタルデータDDを平均した「160」が第2判別値DV2として判別データ記憶部46に記憶される。本具体例では、1ライン目緑色位置の原稿GSの画像を読み取っている時に、原稿押え板CVが開放状態から閉塞状態へとなるため、第2判別値DV2が第1判別値DV1より低い値になっている。
【0073】
画像読取装置SMは、青点灯読取処理R5において光源21から青色の光を照射した状態で1ライン目青色位置における原稿GSの画像を読み取ることにより、1ラインのデジタルデータDDがラインデータLDとして第3ライン記憶部433に記憶され、2591番目の画素から2600番目の画素までのデジタルデータDDを平均した「600」が第3判別値DV3として判別データ記憶部46に記憶される。本具体例では、1ライン目青色位置の原稿GSの画像を読み取っている時に、原稿押え板CVは閉塞状態であるため、読取部20が原稿押え板CVの白色の画像を読み取ることにより、第3判別値DV3は大きな値となっている。
【0074】
画像読取装置SMは、消灯読取処理R2において光源21を消灯した状態で2ライン目消灯位置における原稿GSの画像を読み取ることにより、1ラインのデジタルデータDDが第1黒データBK1として黒データ記憶部44に記憶され、2591番目の画素から2600番目の画素までのデジタルデータDDを平均した「40」が第1黒判別値DVBK1として判別データ記憶部46に記憶される。黒データ記憶部44は、本具体例では、2ライン目消灯位置の原稿GSの画像を読み取っている時に、原稿押え板CVは閉塞状態であるため、第1黒判別値DVBK1は低い値となっている。
【0075】
画像読取装置SMは、2ライン目赤色位置における原稿GSの画像を読み取っている時に、黒データ記憶部44が黒基準データ決定部47へ記憶完了信号MESを送信する。処理ラインカウンタ50は、記憶完了信号MESが入力されると、処理ライン番号PLNとして「1」を判別データ取得部51、データ取得部48、および白補正部72に送信する。判別データ取得部51は、処理ライン番号PLNとして「1」が入力されると、第1判別値DV1の「400」を対象判別値TDVとして取得し、第1黒判別値DVBK1である「40」、および第2黒判別部DVBK2である「400」を取得する。黒比較部52は、対象判別値TDVである「400」と第2黒判別値DVBK2である「400」とが同じ値であると判断し、第2取得信号AS2を黒データ取得部53へ送信する。黒データ取得部53は、第2取得信号AS2が入力されると、第2黒データBK2を黒基準データBKSDとして黒補正部71へ送信する。データ取得部48は、処理ライン番号PLNとして「1」が入力されると、第1ライン記憶部431のラインデータLDを取得し、取得したラインデータLDを黒補正部71へ送信する。黒補正部71は、入力されたラインデータLDから黒基準データBKSDを引き算することにより黒補正データBKCDを算出し、補正完了信号CESを黒基準データ決定部47へ送信する。
【0076】
処理ラインカウンタ50は、処理ライン番号PLNが「1」であるときに、補正完了信号CESが入力されると、処理ライン番号PLNとして「2」を判別データ取得部51、データ取得部48、および白補正部72に送信する。判別データ取得部51は、処理ライン番号PLNとして「2」が入力されると、第2判別値DV2の「160」を対象判別値TDVとして取得し、第1黒判別値DVBK1である「40」、および第2黒判別値DVBK2である「400」を取得する。黒比較部52は、対象判別値TDVである「160」が第1黒データBK1である「40」、および第2黒データBK2である「400」と同じ値でないと判断し、白比較信号WHCSを判別データ取得部51に送信する。判別データ取得部51は、第2白判別値DVWH2である「700」を対象白判別値TDVWHとして白比較部54に送信する。白比較部54は、対象判別値TDVである「160」が対象白判別値TDVWHである「700」よりも大きくないと判断し、第5取得信号AS5を黒データ取得部53に送信する。比率算出部55は、第2黒判別値DVBK2と対象判別値TDVとの差分値である「240」を第1黒判別値DVBK1と第2黒判別値DVBK2との差分値である「360」で割り算した「0.667」を第1比率RN1として算出し、第1黒判別値DVBK1と対象判別値TDVとの差分値である「120」を第1黒判別値DVBK1と第2黒判別値DVBK2との差分値である「360」で割り算した「0.333」を第2比率RN2として算出する。黒データ取得部53は、第5取得信号AS5が入力されると、第1黒データBK1および第2黒データBK2を黒基準データ算出部56に送信する。黒基準データ算出部56は、第1黒データBK1に第1比率RN1を掛け算した値に第2黒データBK2に第2比率RN2を掛け算した値を加算し、加算した値を黒基準データBKSDとして黒補正部71へ送信する。データ取得部48は、処理ライン番号PLNとして「2」が入力されると、第2ライン記憶部432のラインデータLDを取得し、取得したラインデータLDを黒補正部71へ送信する。黒補正部71は、入力されたラインデータLDから黒基準データBKSDを引き算することにより黒補正データBKCSを算出し、補正完了信号CESを黒基準データ決定部47へ送信する。
【0077】
処理ラインカウンタ50は、処理ライン番号PLNが「2」であるときに、補正完了信号CESが入力されると、処理ライン番号PLNとして「3」を判別データ取得部51、データ取得部48、および白補正部72に送信する。判別データ取得部51は、処理ライン番号PLNとして「3」が入力されると、第3判別値DV3の「600」を対象判別値TDVとして取得し、第1黒判別値DVBK1である「40」、および第2黒判別値DVBK2である「400」を取得する。黒比較部52は、対象判別値TDVである「600」が第1黒データBK1である「40」および第2黒データBK2である「400」と同じ値でないと判断し、白比較信号WHCSを判別データ取得部51に送信する。判別データ取得部51は、第3白判別値DVWH3である「550」を対象白判別値TDVWHとして白比較部54に送信する。白比較部54は、対象判別値TDVである「600」が対象白判別値TDVWHである「550」より大きいと判断し、さらに第1黒判別値DVBK1が第2黒判別値DVBK2以下であると判断し、第3取得信号AS3を黒データ取得部53に送信する。黒データ取得部53は、第3取得信号AS3が入力されると、第1黒データBK1を黒基準データBKSDとして黒補正部71に送信する。データ取得部48は、処理ライン番号PLNとして「3」が入力されると、第3ライン記憶部433のラインデータLDを取得し、取得したラインデータLDを黒補正部71へ送信する。黒補正部71は、入力されたラインデータLDから黒基準データBKSDを引き算することにより黒補正データBKCDを算出する。
【0078】
<実施形態の効果>
本実施形態では、切替部40は、ライン番号LNが「1」であるときに、入力されたデジタルデータDDを黒データ記憶部44に送信し、ライン番号LNが「2」、「3」、または「4」であるときに、入力されたデジタルデータDDを画像データ記憶部43に送信する。黒データ記憶部44は、2ライン分のデジタルデータDDを記憶する。黒比較部52は、対象判別値TDVが第1黒判別値DVBK1と同じ値であると判断すると、第1取得信号AS1を黒データ取得部53に送信し、対象判別値TDVが第2黒判別値DVBK2と同じ値であると判断すると、第2取得信号AS2を黒データ取得部53に送信する。黒データ取得部53は、第1取得信号AS1が入力されると、第1黒データBK1を黒基準データBKSDとして黒補正部71へ送信し、第2取得信号AS2が入力されると、第2黒データBK2を黒基準データBKSDとして黒補正部71へ送信する。データ取得部48は、画像データ記憶部43からラインデータLDを取得し、黒補正部71にラインデータLDを送信する。黒補正部71は、黒基準データBKSDに基づきラインデータLDに黒補正処理を実行する。よって、ラインデータLDが生成される前に生成された第1黒データBK1と、ラインデータLDが生成された後に生成された第2黒データBK2とから黒基準データBKSDを決定するため、ラインデータLDを生成している途中に原稿押え板CVが開閉された場合でも、精度良く黒基準データBKSDを決定することができる。
【0079】
黒比較部52は、対象判別値TDVが第1黒判別値DVBK1および第2黒判別値DVBK2と同じ値でないと判断すると、白比較信号WHCSを判別データ取得部51に送信する。判別データ取得部51は、白比較信号WHCSが入力されると、対象白判別値TDVWHを白比較部54に送信する。白比較部54は、対象判別値TDVが対象白判別値TDVWHより大きいと判断すると、第1黒判別値DVBK1が第2黒判別値DVBK2以下であるか否かを判断する。白比較部54は、第1黒判別値DVBK1が第2黒判別値DVBK2以下であると判断すると、第3取得信号AS3を黒データ取得部53に送信し、第1黒判別値DVBK1が第2黒判別値DVBK2以下でないと判断すると、第4取得信号AS4を黒データ取得部53に送信する。白比較部54は、対象判別値TDVが対象白判別値TDVWHより大きくないと判断すると、第5取得信号AS5を黒データ取得部53に送信すると共に、対象判別値TDV、第1黒判別値DVBK1、および第2黒判別値DVBK2を比率算出部55に送信する。黒データ取得部53は、第3取得信号AS3が入力されると、第1黒データBK1を黒基準データBKSDとして黒補正部71へ送信し、第4取得信号AS4が入力されると、第2黒データBK2を黒基準データBKSDとして黒補正部71へ送信し、第5取得信号AS5が入力されると、第1黒データBK1および第2黒データBK2を黒基準データ算出部56へ送信する。比率算出部55は、対象判別値TDV、第1黒判別値DVBK1、および第2黒判別値DVBK2が入力されると、第1比率RN1および第2比率RN2を算出し、算出した第1比率RN1および第2比率RN2を黒基準データ算出部56に送信する。黒基準データ算出部56は、第1黒データBK1、第2黒データBK2、第1比率RN1、および第2比率RN2から黒基準データBKSDを算出し、算出した黒基準データBKSDを黒補正部71に送信する。よって、対象判別値TDVが対象白判別値TDVWHより大きい場合には、原稿押え部材CVが閉じられた場合であり、原稿押え部材CVが閉じられたときに生成された第1黒データBK1、または第2黒データBK2を黒基準データBKSDとして決定し、対象判別値TDVが対象白判別値TDVWHより大きくない場合には、第1黒データBK1、第2黒データBK2、第1比率RN1、および第2比率RN2から黒基準データBKSDを算出するため、ラインデータLDを生成している途中に原稿押え板CVが開閉された場合でも、精度良く黒基準データBKSDを決定することができる。
【0080】
[実施形態と発明との対応関係]
画像読取装置SM、原稿台DT、原稿押え板CV、および基準部材BMが、本発明の画像読取装置、原稿台、原稿押え部材、および白色部材の一例である。光源21、およびロッドレンズ24が、本発明の光源の一例である。受光部22、およびAFE35が、本発明の読取部の一例である。駆動回路37、搬送モータMT、および移動機構MMが、本発明の移動部の一例である。CPU30で実行される処理R3〜処理R6が、本発明のデータ取得処理部の一例である。黒補正部71が、本発明の黒補正部の一例である。黒基準データ決定部47が、本発明の黒基準データ決定部の一例である。切替部40、平均化回路45が、本発明の第1黒判別値算出部、第2黒判別値算出部、および対象判別値算出部の一例である。黒比較部52が、本発明の黒判断部の一例である。CPU30で実行される処理RA3が、本発明の白データ取得部の一例である。処理RA5、処理RA6、および処理RA7が、本発明の白判別値算出部の一例である。白比較部54が、本発明の白判断部、および黒対比部の一例である。比率算出部55が、本発明の比率算出部の一例である。
【0081】
[変形例]
本発明は、本実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。以下にその変形の一例を述べる。
【0082】
(1)本実施形態の画像読取装置SMは、プリンタ部を備えた複合機に適用されても良い。また、本実施形態では、読取部20が、CISで構成される場合について説明をしたが、CCD(Charge Coupled Device)を搭載し、副走査方向に移動するCCDユニットで構成されても良いし、CCD素子が固定されて光源とミラーとが副走査方向に移動する読取ユニットで構成されても良い。
【0083】
(2)本実施形態では、ハードウェアで構成された画像処理部36で黒基準データBKSDを決定する構成について説明したが、異なる方法でも良い。CPU30により、ソフトウェアによる処理で黒基準データBKSDを決定しても良い。
【0084】
(3)本実施形態では、原稿外領域NGSRのデジタルデータDDを用いて対象判別値TDV、第1黒判別値DVBK1、および第2黒判別値DVBK2を算出したが、異なる方法でも良い。原稿を支持する透明板TP以外の領域に、別の透明板を配置し、これらの判別値を取得するため検出領域をその別の透明板に設けても良い。
【0085】
(4)本実施形態では、対象判別値TDV、第1黒判別値DVBK1、および第2黒判別値DVBK2を用いて黒基準データBKSDを決定したが、異なる方法でも良い。例えば、原稿押え板CVの開閉状態を検知するカバーセンサを備え、カバーが開いているときに取得したラインデータLDは、カバーが開いているときに取得した黒データを黒基準データとして決定し、カバーが閉まっているときに取得したラインデータLDは、カバーが閉まっているときに取得した黒データを黒基準データとして決定しても良い。
【0086】
(5)本実施形態では、白判別値TDVWHは、基準部材BMを読み取ることにより取得したが、異なる方法でも良い。原稿押え板CVが閉塞状態であるときに、原稿押え部材CVを読み取ることにより取得しても良い。
【0087】
(6)本実施形態では、黒基準データ算出部56は、第1黒データBK1に第1比率RN1を掛け算した値と第2黒データBK2に第2比率RN2を掛け算した値とを加算することにより黒基準データBKSDを算出したが、異なる方法でも良い。第1黒データBK1と第2黒データBK2とから別の補間処理により黒基準データBKSDを算出しても良い。
【0088】
(7)本実施形態では、原稿外領域NGSRのデジタルデータDDを平均することで対象判別値TDV、第1黒判別値DVBK1、および第2黒判別値DVBK2を算出したが、異なる方法でも良い。例えば、原稿外領域NGSRのデジタルデータDDの中間値を対象判別値TDV、第1黒判別値DVBK1、および第2黒判別値DVBK2としても良い。
【0089】
(8)本実施形態では、第1白判別値DVWH1は、第1所定値を掛け算して算出し、第2白判別値DVWH2は、第2所定値を掛け算して算出し、第3白判別値DVWH3は、第3所定値を掛け算して算出したが、異なる方法でも良い。例えば、原稿外領域NGSRと対向する位置の基準部材BMの色を原稿押え板CVと同じ色にしておくことにより、第1所定値、第2所定値、および第3所定値を掛け算せずに原稿外領域NGSRのデジタルデータDDを平均した値を第1白判別値DVWH1、第2白判別値DVWH2、および第3白判別値DVWH3として算出しても良い。
【符号の説明】
【0090】
SM…画像読取装置、OM…操作機構、CV…原稿押え板、MT…搬送モータ、MM…移動機構、20…読取部、21…光源、22…受光部、23…光電変換素子、24…ロッドレンズ、30…CPU、32…RAM、33…フラッシュROM、34…デバイス制御部、35…AFE、36…画像処理部、37…駆動回路、40…切替部、41…画素カウンタ、42…ラインカウンタ、43…画像データ記憶部、44…黒データ記憶部、45…平均化回路、46…判別データ記憶部、47…黒基準データ決定部、48…データ取得部、50…処理ラインカウンタ、51…判別データ取得部、52…黒比較部、53…黒データ取得部、54…白比較部、55…比率算出部、56…黒基準データ算出部、71…黒補正部、72…白補正部、73…白基準データ記憶部

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